JP4998441B2 - オイルフィルタ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、オイルフィルタ装置に関し、さらに詳しくは、ブラケット及びエンジンの小型化を図ることができると共に部品の標準化を図ることができるオイルフィルタ装置に関する。
従来より、オイルフィルタ装置として、エンジンのシリンダ本体にブラケットを介してオイルフィルタを取り付けてなるものが知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。
上記特許文献1〜4には、ブラケットの基端部に形成されたフランジをシリンダ本体にねじ止めする構造が開示されている。
しかし、上記特許文献1〜4の技術では、ブラケットのフランジにねじ止め用の穴を形成しなければならず、フランジが大型化してエンジンのコンパクト化を阻害してしまう。しかも、フランジをねじ止めする作業のために工具を使用する空間を確保しなければならず、これによってもフランジやエンジンの大型化を招いてしまう。
また、エンジンの形状が異なればねじ止めする穴の位置も異なるため、ブラケットをエンジンごとに別個に用意しなければならず、部品の共用化によるコスト削減を図ることができない。
また、上記特許文献1〜4の技術では、ブラケットのフランジとシリンダ本体との間にガスケットを設けることで液密を確保することが一般的に行われるが、ブラケットが少しでも傾いてガスケットが浮いてフランジが傾いて取り付けられると液密を確保することが困難となる。また、ねじ止め(例えば、金属カラーのボルト締め等)の際にブラケットとシリンダ本体との間の油路の位置ずれが発生する恐れもある。
さらに、上記特許文献1〜4の技術では、ブラケットの油路が曲線状又は屈曲状に延びているので、油路が複雑でオイルの圧力損失が上昇してしまう。
特開2000−274222号公報 特開2002−242641号公報 特開2003−184528号公報 特開2006−77575号公報
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、ブラケット及びエンジンの小型化を図ることができると共に部品の標準化を図ることができるオイルフィルタ装置を提供することを目的とする。本発明は、上記目的に加えて、ブラケットとシリンダ本体との間に液密を容易に確保できると共に、ブラケットとシリンダ本体との間の油路の位置ずれを抑制することができるオイルフィルタ装置を提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
1.エンジンのシリンダ本体にブラケットを介してオイルフィルタを取り付けてなるオイルフィルタ装置であって、
前記ブラケット及び前記シリンダ本体のうちの一方には係合溝が設けられており、他方には該ブラケット及び該シリンダ本体の相対回転により該係合溝に係合する係合突起が設けられていることを特徴とするオイルフィルタ装置。
2.前記ブラケットは、円盤状の底部と、該底部の中心側から前記シリンダ本体に向かって突出する円管状の突出部と、を有しており、該底部の中心側及び該突出部にはブラケット側の第1油路が設けられており、該底部の遠心側にはブラケット側の第2油路が設けられており、
前記シリンダ本体には、前記ブラケットの前記底部が挿入される凹部と、該凹部の底面の中心側に連なり且つ前記ブラケットの前記突出部が挿入されるエンジン側の第1油路と、該凹部の底面の遠心側に連なるエンジン側の第2油路と、が設けられており、
前記底部の外周面と前記凹部の内周面との間には第1シール部材が設けられ、前記突出部の外周面と前記エンジン側の第1油路の内周面との間には第2シール部材が設けられている上記1.記載のオイルフィルタ装置。
3.前記ブラケット側の第1油路及び第2油路のそれぞれは直線状に延びている上記2.記載のオイルフィルタ装置。
4.前記ブラケット側及び前記エンジン側の第1油路は、前記オイルフィルタで濾過されたオイルを前記エンジンに送るための油路であり、前記ブラケット側及び前記エンジン側の第2通路は、前記オイルフィルタに前記エンジンのオイルを送るための油路である上記2.又は3.に記載のオイルフィルタ装置。
5.前記第1シール部材及び前記第2シール部材のそれぞれはOリングである上記2.乃至4.のいずれか一項に記載のオイルフィルタ装置。
本発明のオイルフィルタ装置によると、ブラケット及びシリンダ本体の相対回転により係合溝と係合突起とが係合して、ブラケット及びシリンダ本体の相対回転が規制されて両者が一体的に固定される。このように、ねじ止め構造を全く使用せずにシリンダ本体に対してブラケットを取り付けるようにしたので、従来のようにブラケットのフランジをシリンダ本体にねじ止めする構造のものに比べて、ブラケット及びエンジンの小型化を図ることができると共に、部品の標準化を図ることができる。
また、前記ブラケットが、底部と、突出部と、を有しており、該底部の中心側及び該突出部にはブラケット側の第1油路が設けられており、該底部の遠心側にはブラケット側の第2油路が設けられており、前記シリンダ本体には、凹部と、エンジン側の第1油路と、エンジン側の第2油路と、が設けられており、前記底部の外周面と前記凹部の内周面との間には第1シール部材が設けられ、前記突出部の外周面と前記エンジン側の第1油路の内周面との間には第2シール部材が設けられている場合は、ブラケットの底部及び突出部をシリンダ本体の凹部及び第1油路に挿入すれば、第1シール部材によって、ブラケットの底部の外周面とシリンダ本体の凹部の内周面との間が液密に保持されると共に、第2シール部材によって、ブラケットの突出部の外周面とシリンダ本体の第1油路の内周面との間が液密に保持される。これにより、ブラケットとシリンダ本体との間に液密を容易に確保できると共に、従来のようにブラケットとシリンダ本体との間の油路を高精度に位置決めする必要が無く、ブラケットとシリンダ本体との間の油路の位置ずれを抑制することができる。また、第1及び第2シール部材をエンジンごとに別個に用意する必要がなく、部品の標準化をさらに図ることができる。
また、前記ブラケット側の第1油路及び第2油路のそれぞれが直線状に延びている場合は、オイルの圧力損失を低減することができる。
また、前記ブラケット側及び前記エンジン側の第1油路が、前記オイルフィルタで濾過されたオイルを前記エンジンに送るための油路であり、前記ブラケット側及び前記エンジン側の第2通路が、前記オイルフィルタに前記エンジンのオイルを送るための油路である場合は、ブラケット側及びエンジン側の第1油路を介してオイルフィルタで濾過されたオイルがエンジンに戻されると共に、ブラケット側及びエンジン側の第2油路を介してオイルフィルタにエンジンの濾過前のオイルが供給される。
さらに、前記第1シール部材及び前記第2シール部材のそれぞれがOリングである場合は、ブラケットの傾きに対する液密性の確保をより確実にすることができる。
1.オイルフィルタ装置
本実施形態1.に係るオイルフィルタ装置は、エンジンのシリンダ本体にブラケットを介してオイルフィルタを取り付けてなるオイルフィルタ装置であって、前記ブラケット及び前記シリンダ本体のうちの一方には係合溝が設けられており、他方には該ブラケット及び該シリンダ本体の相対回転により該係合溝に係合する係合突起が設けられていることを特徴とする。
上記「オイルフィルタ」の種類、構成、形状、大きさ等は特に問わない。このオイルフィルタは、例えば、エレメント交換型のフィルタであることができる。
上記エレメント交換型のオイルフィルタとしては、例えば、(1)上記ブラケットに着脱自在に装着されるケース部材と、このケース部材及びブラケットにより形成される内部空間に収容され且つこの内部空間を2つの室に区画するフィルタエレメントと、を備える形態(図1参照)、(2)互いに着脱自在に装着される第1ケース部材及び第2ケース部材と、これら第1及び第2ケース部材により形成される内部空間に収容され且つこの内部空間を2つの室に区画するフィルタエレメントと、を備え、上記ブラケットには第2ケース部材が取り付けられ、この第2ケース部材には、上記2つの室のうちの一方の室と後述するブラケットの第1油路とを連絡する第1連絡路と、上記2つの室のうちの他方の室と後述するブラケットの第2油路とを連絡する第2連絡路とが形成されている形態等を挙げることができる。
上記「ブラケット」の構成、形状、大きさ、材質等は特に問わない。このブラケットの材質としては、例えば、樹脂、金属等を挙げることができる。
上記「シリンダ本体」の構成、形状、大きさ、材質等は特に問わない。このシリンダ本体に対する上記ブラケットの取付位置は特に問わない。このシリンダ本体の材質としては、例えば、金属、樹脂等を挙げることができる。
上記「係合溝」及び「係合突起」の構成、形状、大きさ、材質等は特に問わない。これら係合溝及び係合突起は、通常、上記ブラケットの軸心回りにブラケット及びシリンダ本体を相対回転させることにより互いに係合される。そして、これら係合溝及び係合突起の係合によりブラケット及びシリンダ本体の相対回転が規制されることとなる。なお、これら係合溝及び係合突起を有する締結構造はバヨネット構造とも呼ばれる。
上記係合溝は、例えば、底部の円周方向に延びる横溝部と、この横溝部の途中に溝幅を狭くするように突出して設けられる規制部と、を有していることができる(図3参照)。これにより、係合突起を横溝部に導入して規制部を乗り越えさせれば、規制部の規制により係合突起を横溝部に係合させることができる。
上記実施形態1.のオイルフィルタ装置としては、例えば、前記ブラケットは、円盤状の底部と、該底部の中心側から前記シリンダ本体に向かって突出する円管状の突出部と、を有しており、該底部の中心側及び該突出部にはブラケット側の第1油路が設けられており、該底部の遠心側にはブラケット側の第2油路が設けられており、前記シリンダ本体には、前記ブラケットの前記底部が挿入される凹部と、該凹部の底面の中心側に連なり且つ前記ブラケットの前記突出部が挿入されるエンジン側の第1油路と、該凹部の底面の遠心側に連なるエンジン側の第2油路と、が設けられており、前記底部の外周面と前記凹部の内周面との間には第1シール部材が設けられ、前記突出部の外周面と前記エンジン側の第1油路の内周面との間には第2シール部材が設けられている形態を挙げることができる。
上述の形態の場合、例えば、前記ブラケット側の第1油路及び前記第2油路のそれぞれは直線状に延びていることができる。
また、上述の形態の場合、例えば、前記ブラケット側及び前記エンジン側の第1油路は、前記オイルフィルタで濾過されたオイルを前記エンジンに送るための油路であり、前記ブラケット側及び前記エンジン側の前記第2通路は、前記オイルフィルタに前記エンジンのオイルを送るための油路であることができる。
さらに、上述の形態の場合、例えば、前記第1シール部材及び前記第2シール部材のそれぞれはOリングであることができる。
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
(1)オイルフィルタ装置の構成
本実施例に係るオイルフィルタ装置1は、図1及び2に示すように、エンジンのシリンダ本体2にブラケット3を介してオイルフィルタ4を取り付けて構成されている。
上記ブラケット3は、樹脂製であり、筒部3aと、この筒部3aの一端側に連なる段差付き円盤状の底部3bと、この底部3bの中心側からシリンダ本体2に向かって突出する円管状の突出部3cと、を有している。この筒部3aの内周面側には雌ねじ6が形成されている。また、上記底部3bの中心側及び突出部3cには、オイルフィルタ4で濾過されたオイルをエンジンに送るための直線状に延びるブラケット側の第1油路7が形成されている。また、この底部3bの第1油路7の遠心側には、オイルフィルタ4にエンジンの濾過前のオイルを送るための直線状に延びる複数(例えば、8つ)のブラケット側の第2油路8が円周方向に沿って所定の角度間隔(例えば、45度間隔)で形成されている。また、この底部3bの外周面側には、図3に示すように、円周方向に沿って所定の角度間隔(例えば、90度間隔)で複数(例えば、4つ)の係合溝10が形成されている。この係合溝10は、底部3aの軸方向に延びる縦溝部10aと、この縦溝部10aに連なり底部3aの円周方向に延びる横溝部10bと、この横溝部10bの導入端側に溝幅を狭くするよう突出して設けられる規制部10cと、を有している。
図1及び図2に示すように、上記ブラケット3の底部3bの外周面側にはリング状の装着溝11が形成されており、この装着溝11内にはOリング12(本発明に係る「第1シール部材」として例示する。)が装着されている。また、上記ブラケット3の突出部3cの外周面側にはリング状の装着溝13が形成されており、この装着溝13内にはOリング14(本発明に係る「第2シール部材」として例示する。)が装着されている。
上記オイルフィルタ4は、エレメント交換型のフィルタであり、上記ブラケット3に着脱自在に装着されるケース部材16と、このケース部材16及びブラケット3により形成される内部空間に収容され且つこの内部空間を2つの室18a,18b(図1参照)に区画するフィルタエレメント17と、を備えている。
上記ケース部材16は、樹脂製で有底筒状に形成されており、その外周面側には、上記雌ねじ6に螺合可能な雄ねじ19が形成されている。また、上記フィルタエレメント17は、濾紙をひだ折り菊花状に折曲げ形成してなされており、ケース部材16の内部に設けられる樹脂製で円筒状のプロテクタ20に装着されている。このプロテクタ20には、多数の透孔20aが形成されている。また、このプロテクタ20の一端底面とケース部材16の底面との間にはコイルバネ21が介装されており、このコイルバネ21によりプロテクタ20はブラケット3側に付勢されている。また、プロテクタ20の一端側にはフランジ部20bが形成されており、このフランジ部20bとケース部材16の底面側に形成されたストッパ片22との係止によりプロテクタ20の脱落が防止されるようになっている。また、プロテクタ20の他端側に形成されたテーパ状の油路連結部20cは、ブラケット3の第1油路7の上部に嵌入されている。さらに、この油路連絡部20cの外周面側にはリング状の装着溝23が形成されており、この装着溝23内には第1油路7の内周面に圧接するOリング24が装着されている。
上記シリンダ本体2には、ブラケット3の底部3bが挿入される段差付き凹部26と、この凹部26の底面の中心側に連なり且つブラケット3の突出部3cが挿入されるエンジン側の第1油路27と、この凹部26の底面の遠心側に連なるエンジン側の第2油路28と、が設けられている。この凹部26の内周面側には、円周方向に沿って所定の角度間隔(例えば、90度間隔)で複数(例えば、4つ)の係合突起30が形成されている(図3参照)。この係合突起30は、上記ブラケット3の底部3b及び突出部3cをシリンダ本体2の凹部26及び第1油路27に挿入したときに係合溝10の縦溝部10aに導入され、その後、シリンダ本体2に対してブラケット3を軸心回りに回転させたときに係合溝10の横溝部10bに導入され規制部10cを乗り越えて係合溝10に係合されるようになっている。
(2)オイルフィルタ装置の作用
次に、上記構成のオイルフィルタ装置1の作用について説明する。
上記オイルフィルタ装置1を組み付ける際には、先ず、ブラケット3の底部3b及び突出部3cをシリンダ本体2の凹部26及び第1油路27に挿入して係合突起30を係合溝10の縦溝部10aに導入する。次に、シリンダ本体2に対してブラケット3を軸心回りに回転させて係合突起30を係合溝10の横溝部10bに導入する。すると、係合突起30は、規制部10cを乗り越え、この規制部10cにより横溝部10b内に係合され、シリンダ本体2に対してブラケット3の回転が規制される。
上記ブラケット3の回転規制状態では、Oリング12によって、ブラケット3の底部3bの外周面とシリンダ本体2の凹部26の内周面との間が液密に保持されていると共に、Oリング14によって、ブラケット3の突出部3cの外周面とシリンダ本体2の第1油路27の内周面との間が液密に保持されている。また、ブラケット3の第1油路7とシリンダ本体2の第1油路27とが直接的に連絡されていると共に、ブラケット3の第2油路8とシリンダ本体2の第2油路28とが凹部26の一部の空間を介して連絡されている。
次いで、プロテクタ20にフィルタエレメント17を装着してなるケース部材16を用意する。そして、このケース部材16のプロテクタ20の先端側をブラケット3の第1油路7内に挿入しつつ、ブラケット3に対してケース部材16を回転させてブラケット3の雌ねじ6にケース部材16の雄ねじ19を螺合させブラケット3にケース部材16を固定する。
そして、エンジンの駆動によりオイルポンプ(図示省略)が作動すると、第2油路8,28を介してエンジン内のオイルがオイルフィルタ4の一方の室18aに供給される。その後、フィルタエレメント4により濾過された他方の室18bのオイルは、第1油路7,27を介してエンジンに戻されることとなる。
一方、フィルタエレメント4の交換時には、ケース部材16をブラケット3から取り外す。これにより、プロテクタ20が第1油路7から取り出され、プロテクタ20に装着されたフィルタエレメント4を交換することができる。
(3)実施例の効果
本実施例のオイルフィルタ装置1では、ブラケット3及びシリンダ本体2の相対回転により係合溝10と係合突起30とを係合させてブラケット3及びシリンダ本体2を一体的に固定するようにしたので、ねじ止め構造を全く使用せずにシリンダ本体2に対してブラケット3を取り付けることができ、従来のようにブラケットのフランジをシリンダ本体にねじ止めする構造のものに比べて、ブラケット3及びエンジンの小型化を図ることができると共に、部品の標準化を図ることができる。すなわち、従来のようにブラケットの基端面にボルト部が形成されている場合は、ブラケット全体を回転させてねじ止めするという大掛かりな作業を要した上にボルトの緩み防止の別部材を必要としていたが、本実施例では、係合溝10及び係合突起30(バヨネット構造)を用いているので、例えば、ブラケット3を30度程度回転させるだけで固定することができ、複雑な緩み防止の別部材も不要となり、これにより小型化を図ることができると共に取り付け作業を簡素化することもできる。また、従来のようにブラケットのフランジをねじ止めする場合はフランジやエンジンが大型化してしまったが、本実施例では、ブラケット3とシリンダ本体2との取り付けにねじ止め構造を一切必要としていないので小型化を図ることができる。しかも、ねじ止め構造が不要であるのでエンジンの形状によらずシリンダ本体2にブラケット3を取り付けることができる。このため、部品の標準化を促進することができる。
また、本実施例では、ブラケット3を底部3bと突出部3cとを有して構成し、この底部3bの中心側及び突出部3cに第1油路7を設け、この底部3bの遠心側に第2油路8を設け、シリンダ本体2に凹部26と第1油路27と第2油路28とを設け、底部3bの外周面と凹部26の内周面との間にOリング12を設け、突出部3cの外周面と第1油路27の内周面との間にOリング14を設けるようにしたので、ブラケット3の底部3b及び突出部3cをシリンダ本体2の凹部26及び第1油路27に挿入すれば、Oリング12によって、ブラケット3の底部3bの外周面とシリンダ本体2の凹部26の内周面との間が液密に保持されると共に、Oリング14によって、ブラケット3の突出部3cの外周面とシリンダ本体2の第1油路27の内周面との間が液密に保持される。これにより、ブラケット3とシリンダ本体2との間に液密を容易に確保できると共に、従来のようにブラケットとシリンダ本体との間の油路を高精度に位置決めする必要が無く、ブラケット3とシリンダ本体2との間の油路の位置ずれを抑制することができる。また、Oリング12,14をエンジンごとに別個に用意する必要がなく、部品の標準化をさらに図ることができる。さらに、Oリング12,14によって、ブラケットの傾きに対する液密性の確保をより確実にすることができる。
また、本実施例では、第1油路7及び第2油路8のそれぞれを直線状に延びて形成したので、オイルの圧力損失を低減することができる。
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、上記実施例では、ブラケット3の底部3bの外周側とシリンダ本体2との間にバヨネット構造(係合溝10及び係合突起30)を設けるようにしたが、これに限定されず、例えば、ブラケット3の突出部3cの外周側とシリンダ本体2との間にバヨネット構造を設けるようにしてもよい。また、上記実施例では、段差付き円盤状の底部3bの、大径部の外周にバヨネット構造を設置し、小径部の外周にOリングを設置するようにしたが、これに限定されず、例えば、段差付き円盤状の底部3bの、小径部の外周にバヨネット構造を設置し、大径部の外周にOリングを設置するようにしてもよい。
また、上記実施例では、ブラケット3に係合溝10を設けると共に、シリンダ本体2に係合突起30を設けるようにしたが、これに限定されず、例えば、ブラケット3に係合突起30を設けると共に、シリンダ本体2に係合溝10を設けるようにしてもよい。
また、上記実施例では、第1油路7及び第2油路8を直線状としたが、これに限定されず、例えば、略L字状としたり湾曲状としたりしてもよい。
また、上記実施例では、係合溝10として縦溝部10a、横溝部10b及び規制部10cを備えるものを例示したが、これに限定されず、例えば、ブラケット3の底部3bの円周方向に傾斜して延びる傾斜溝部と、この傾斜溝部の途中に溝幅を狭くするよう突出して設けられる規制部とを有する係合溝としてもよい。
さらに、上記実施例では、ブラケット3をシリンダ本体2に取り付けてからブラケット3にケース部材16を取り付けるようにしたが、これに限定されず、例えば、ケース部材16をブラケット3に取り付けてからシリンダ本体2にブラケット3を取り付けるようにしてもよい。
エンジンのシリンダ本体にオイルフィルタを装着する技術として広く利用される。特に、エレメント交換型のオイルフィルタを装着する技術として好適に利用される。
実施例に係るオイルフィルタ装置の中央縦断面図である。 上記オイルフィルタ装置を分解した状態を示す中央縦断面図ある。 実施例に係る係合溝及び係合突起を示す斜視図である。
符号の説明
1;オイルフィルタ装置、2;シリンダ本体、3;ブラケット、3b;底部、3c;突出部、4;オイルフィルタ、7;ブラケット側の第1油路、8;ブラケット側の第2油路、10;係合溝、12,14;Oリング、16;ケース部材、26;凹部、27;エンジン側の第1油路、28;エンジン側の第2油路、30;係合突起。

Claims (5)

  1. エンジンのシリンダ本体にブラケットを介してオイルフィルタを取り付けてなるオイルフィルタ装置であって、
    前記ブラケット及び前記シリンダ本体のうちの一方には係合溝が設けられており、他方には該ブラケット及び該シリンダ本体の相対回転により該係合溝に係合する係合突起が設けられていることを特徴とするオイルフィルタ装置。
  2. 前記ブラケットは、円盤状の底部と、該底部の中心側から前記シリンダ本体に向かって突出する円管状の突出部と、を有しており、該底部の中心側及び該突出部にはブラケット側の第1油路が設けられており、該底部の遠心側にはブラケット側の第2油路が設けられており、
    前記シリンダ本体には、前記ブラケットの前記底部が挿入される凹部と、該凹部の底面の中心側に連なり且つ前記ブラケットの前記突出部が挿入されるエンジン側の第1油路と、該凹部の底面の遠心側に連なるエンジン側の第2油路と、が設けられており、
    前記底部の外周面と前記凹部の内周面との間には第1シール部材が設けられ、前記突出部の外周面と前記エンジン側の第1油路の内周面との間には第2シール部材が設けられている請求項1記載のオイルフィルタ装置。
  3. 前記ブラケット側の第1油路及び第2油路のそれぞれは直線状に延びている請求項2記載のオイルフィルタ装置。
  4. 前記ブラケット側及び前記エンジン側の第1油路は、前記オイルフィルタで濾過されたオイルを前記エンジンに送るための油路であり、前記ブラケット側及び前記エンジン側の第2通路は、前記オイルフィルタに前記エンジンのオイルを送るための油路である請求項2又は3に記載のオイルフィルタ装置。
  5. 前記第1シール部材及び前記第2シール部材のそれぞれはOリングである請求項2乃至4のいずれか一項に記載のオイルフィルタ装置。
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