JP4998212B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に、内燃機関を駆動力源として備えた車両における内燃機関の制御装置に関する。
特開平10−141149号公報(特許文献1)は、排気の一部を吸気中に還流するエンジンの排気還流(以下、EGR(Exhaust Gas Recirculation))制御装置を開示する。このEGR制御装置によれば、エンジン始動後に排気還流の開始タイミングか否かを判定して開始タイミングにて排気還流を開始する排気還流制御手段を備えており、エンジン始動時の冷却水温および吸気温に基づいて排気還流の開始タイミングを設定する。このような構成とすることにより、エンジン始動後に水温が上昇した後にエンジンを停止して再始動した場合、水温が高くても吸気温が低いときには、EGRにより燃料噴射弁の氷結などのおそれがあるが、始動時の吸気温を考慮してEGR開始タイミングを設定することにより、燃料噴射弁の氷結を回避することができる。
特開平10−141149号公報 特開2006−275014号公報 特開2006−316707号公報 特開2000−186589号公報
ところで、近年環境問題の対策の一つとして、内燃機関の他の駆動力源として電動機をさらに備えたハイブリッド車両が注目されている。ハイブリッド車両では、運転者のアクセル操作量に関係なく、エンジンによる運転と電動機による運転とが自動的に切換えられて、最も効率が良くなるように制御される。すなわち、ハイブリッド車両のエンジンは、走行中においても間欠駆動が行なわれることになり、頻繁に停止制御が行なわれる。
このようなハイブリッド車両において、エンジンの再始動直後にEGRを開始した場合には、燃焼室内へ導入される新気の割合が減少して実質的に可燃空気量が減少するため、燃焼室内での燃焼が緩慢となって、燃焼性の悪化により排気エミッションが増加するという問題点が発生する。
また、燃焼室内の温度または圧力が低いことによって、燃焼室内の混合気が着火されない現象、いわゆる失火が発生することがある。失火が発生すると、機関回転速度が低下するばかりでなく、未燃焼混合気が排気通路に排出され、排気エミッションの悪化や、排気浄化触媒への悪影響が懸念される。
このようにエンジンの停止制御が頻繁に行なわれるハイブリッド車両においては、EGR開始タイミングがエンジン再始動時の排気性状に与える影響が大きいことから、エンジン再始動時に早期にEGRを開始することによってエンジン再始動時における排気性状の悪化が顕著となることが懸念される。
しかしながら、上述した特開平10−141149号公報に開示されるEGR制御装置では、エンジン始動時の水温および吸気温が低いほど、EGRの開始タイミングを遅らせるように設定することで、再始動時における早期のEGRによる燃料噴射弁の氷結を回避できる一方で、このようなハイブリッド車両に搭載されたエンジンにおけるEGR制御時の特有の問題点については何ら言及されていない。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、内燃機関が間欠運転される車両において、内燃機関始動時における排気性状の悪化を防止することである。
この発明によれば、内燃機関の制御装置は、内燃機関を駆動力源として備えた車両における内燃機関の制御装置である。内燃機関には、排気ガスの一部を還流弁を介して再度内燃機関の吸気管に還流させるための排気ガス還流装置が設けられる。制御装置は、車両の運転開始後、所定の停止条件の成立時に内燃機関を一時的に停止させるとともに、所定の停止解除条件の成立時に内燃機関を始動させるように構成された間欠運転制御手段と、排気ガス還流装置による還流ガスの還流動作を制御する還流ガス制御手段とを備える。還流ガス制御手段は、内燃機関の始動時における内燃機関の燃焼状態を検知し、その検知した燃焼状態が安定であることに応じて、還流ガスの還流動作を開始する。
好ましくは、還流ガス制御手段は、内燃機関の始動時における冷却水温、内燃機関の始動時における潤滑油温、内燃機関の始動時点火時期制御において算出された点火時期の遅角量、内燃機関の始動時における燃焼室内の空気充填率、および内燃機関の始動時燃料噴射制御において算出された燃料噴射量の少なくとも1つに基づいて、内燃機関の燃焼状態を検知する。
より好ましくは、還流ガス制御手段は、内燃機関の始動時における冷却水温、内燃機関の始動時における潤滑油温、内燃機関の始動時点火時期制御において算出された点火時期の遅角量、内燃機関の始動時における燃焼室内の空気充填率、および内燃機関の始動時燃料噴射制御において算出された燃料噴射量の少なくとも1つに基づいて、内燃機関の始動時から還流動作を開始させるまでのディレイ時間を設定し、内燃機関の始動後経過時間がディレイ時間を経過したときに還流動作を開始する。
より好ましくは、還流ガス制御手段は、内燃機関の始動時における冷却水温、内燃機関の始動時における潤滑油温、内燃機関の始動時点火時期制御において算出された点火時期の遅角量、内燃機関の始動時における燃焼室内の空気充填率、および内燃機関の始動時燃料噴射制御において算出された燃料噴射量のそれぞれに基づいて、ディレイ時間を複数設定し、始動後経過時間が複数のディレイ時間のいずれか1つを経過したときに還流動作を開始する。
より好ましくは、還流ガス制御手段は、内燃機関の始動時における冷却水温、内燃機関の始動時における潤滑油温、内燃機関の始動時点火時期制御において算出された点火時期の遅角量、内燃機関の始動時における燃焼室内の空気充填率、および内燃機関の始動時燃料噴射制御において算出された燃料噴射量のそれぞれに基づいて、ディレイ時間を複数設定し、始動後経過時間が複数のディレイ時間のすべてを経過したときに還流動作を開始する。
好ましくは、車両は、内燃機関の他の駆動力源をさらに備える。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
図1は、本発明の実施の形態による内燃機関の制御装置が搭載される車両の一例として示されるハイブリッド車両の構成を説明するブロック図である。なお、本発明は図1に示
すハイブリッド車両に限定されない。
ハイブリッド車両は、駆動源としての、たとえばガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関(以下、単にエンジンという)120と、モータジェネレータ(MG)140を含む。なお、図1においては、説明の便宜上、モータジェネレータ140を、モータ140Aとジェネレータ140B(あるいはモータジェネレータ140B)と表現するが、ハイブリッド車両の走行状態に応じて、モータ140Aがジェネレータとして機能したり、ジェネレータ140Bがモータとして機能したりする。
ハイブリッド車両には、この他に、エンジン120やモータジェネレータ140で発生した動力を駆動輪160に伝達したり、駆動輪160の駆動をエンジン120やモータジェネレータ140に伝達する減速機180と、エンジン120の発生する動力を駆動輪160とジェネレータ140Bとの2経路に分配する動力分割機構(たとえば、遊星歯車機構)260と、モータジェネレータ140を駆動するための電力を充電する走行用バッテリ220と、走行用バッテリ220の直流とモータ140Aおよびジェネレータ140Bの交流とを変換しながら電流制御を行なうインバータ240と、走行用バッテリ220とインバータ240との間で電圧変換を行なう昇圧コンバータ242と、走行用バッテリ220の充放電状態を管理制御するバッテリ制御ユニット(以下、バッテリECU(Electronic Control Unit)という)1020と、エンジン120の動作状態を制御するエンジンECU1000と、ハイブリッド車両の状態に応じてモータジェネレータ140およびバッテリECU1020、インバータ240等を制御するMG_ECU1010と、バッテリECU1020、エンジンECU1000およびMG_ECU1010等を相互に管理制御して、ハイブリッド車両が最も効率よく運行できるようにハイブリッドシステム全体を制御するHV_ECU1030等を含む。
なお、図1においては、各ECUを別構成しているが、2個以上のECUを統合したECUとして構成してもよい(たとえば、図1に、点線で示すように、MG_ECU1010とHV_ECU1030とを統合したECUとすることがその一例である)。
動力分割機構260は、エンジン120の動力を、駆動輪160とモータジェネレータ140Bとの両方に振り分けるために、遊星歯車機構(プラネタリーギヤ)が使用される。モータジェネレータ140Bの回転数を制御することにより、動力分割機構260は無段変速機としても機能する。エンジン120の回転力はプラネタリーキャリア(C)に入力され、それがサンギヤ(S)によってモータジェネレータ140Bに、リングギヤ(R)によってモータおよび出力軸(駆動輪160側)に伝えられる。回転中のエンジン120を停止させる時には、エンジン120が回転しているので、この回転の運動エネルギをモータジェネレータ140Bで電気エネルギに変換して、エンジン120の回転数を低下させる。
図1に示すようなハイブリッドシステムを搭載するハイブリッド車両においては、発進時や低速走行時等であってエンジン120の効率が悪い場合には、モータジェネレータ140のモータ140Aのみによりハイブリッド車両の走行を行ない、通常走行時には、たとえば動力分割機構260によりエンジン120の動力を2経路に分け、一方で駆動輪160の直接駆動を行ない、他方でジェネレータ140Bを駆動して発電を行なう。この時、発生する電力でモータ140Aを駆動して駆動輪160の駆動補助を行なう。また、高速走行時には、さらに走行用バッテリ220からの電力をモータ140Aに供給してモータ140Aの出力を増大させて駆動輪160に対して駆動力の追加を行なう。一方、減速時には、駆動輪160により従動するモータ140Aがジェネレータとして機能して回生発電を行ない、回収した電力を走行用バッテリ220に蓄える。なお、走行用バッテリ220の充電量が低下し、充電が特に必要な場合には、エンジン120の出力を増加してジ
ェネレータ140Bによる発電量を増やして走行用バッテリ220に対する充電量を増加する。もちろん、低速走行時でも必要に応じてエンジン120の駆動量を増加する制御を行なう。たとえば、上述のように走行用バッテリ220の充電が必要な場合や、エアコン等の補機を駆動する場合や、エンジン120の冷却水の温度を所定温度まで上げる場合等である。
このように、ハイブリッド車両のエンジン120は、走行中においても間欠駆動が行なわれることになり、頻繁に停止制御が行なわれるようになる。すなわち、内燃機関の制御装置であるエンジンECU1000は、エンジン120の間欠運転を行なう「間欠運転制御手段」を構成する。
次に、本発明の実施の形態に係る内燃機関の制御装置であるエンジンECU1000によって制御されるエンジン120について説明する。図2は、エンジンECU1000によって制御されるエンジンシステムの概略構成図である。
図2を参照して、このエンジンシステムにおいては、エアクリーナ200を介した空気が、エンジン120の燃焼室に導入される。その際、吸入空気量がエアフローメータ202により検知されて、エンジンECU1000に吸入空気量を表わす信号が入力される。また、スロットルバルブ300の開度により、吸入空気量が変化する。このスロットルバルブ300の開度は、エンジンECU1000からの信号に基づいて作動したスロットルモータ304により変化される。スロットルバルブ300の開度は、スロットルポジションセンサ302により検知されて、エンジンECU1000にスロットルバルブ300の開度を表わす信号が入力される。
燃料は、フューエルタンク400に貯蔵され、フューエルポンプ402により高圧フューエルポンプ800を介して高圧フューエルインジェクタ804から燃焼室に噴射される。インテークマニホールドから導入された空気と、フューエルタンク400から高圧フューエルインジェクタ804を介して燃焼室に噴射された燃料との混合気が、エンジンECU1000から制御信号が入力されるイグナイタ一体式イグニッションコイル808を用いて着火されて燃焼する。なお、図2のように、筒内に向けて燃料を噴射するための筒内噴射用インジェクタを設ける構成以外に、吸気ポートまたは/および吸気通路内に向けて燃料を噴射するための吸気通路噴射用インジェクタを設ける構成、あるいは、筒内噴射用インジェクタおよび吸気通路噴射用インジェクタの双方を設ける構成としてもよい。
混合気が燃焼した後の排気ガスは、イグゾーストマニホールドを通り、三元触媒コンバータ900および三元触媒コンバータ902を通って、大気に排出される。
このエンジンシステムは、図2に示すように、三元触媒コンバータ900の下流側からEGRパイプ500を通ってEGRバルブ502によりその流量が制御されるEGR装置を有する。このEGR装置は、排気ガス再循環装置とも呼ばれ、エンジンから排出される排気ガスの一部を吸気系へ再循環させ、新しい混合気と混ぜて燃焼温度を下げることにより、窒素酸化物(NOx)の発生を抑制したり、ポンピングロスを抑制して燃費向上を図るものである。
図3に、図2のEGR装置の部分を拡大した図を、図4にEGR装置のEGRバルブ502の部分を拡大した図を示す。
図3および図4に示すように、EGRガスは、三元触媒コンバータ900を通過した後の排気ガスがEGRパイプ500を通ってEGRバルブ502まで導入される。EGRバルブ502は、エンジンECU1000によりデューティ制御が実行されている。エンジ
ンECU1000は、エンジン回転数、アクセルポジションセンサ102からの信号などの各種の信号に基づいて、EGRバルブ502の開度を制御する。
また、図3に示すように、EGRバルブ502は、エンジンECU1000からの制御信号により動作するステッピングモータ502Aと、ステッピングモータ502Aによりリニアにバルブ開度が制御されるポペットバルブ502Cと、リターンスプリング502Bとを含む。燃焼室に還流されるEGRガスは高温のため、EGRバルブ502の性能や耐久性に悪影響を及ぼすため、エンジンの冷却水により冷却するための冷却水通路502Dが設けられている。
HV_ECU1030には、エンジンECU1000を経由して、エンジン回転数センサ(図示せず)にて検知されたエンジン回転数を表わす信号、および、アクセルポジションセンサ102からの信号が入力される。また、HV_ECU1030には、車輪速センサ(図示せず)にて検知された車速を表わす信号が入力される。HV_ECU1030は、これらの信号に基づいて、エンジンECU1000にエンジン制御信号(例えば、スロットル開度信号)を出力する。
エンジンECU1000は、エンジン制御信号や他の制御信号に基づいて、エンジン120に電子スロットル制御信号を出力する。また、エンジンECU1000は、エンジン停止指令およびエンジン始動指令が発せられた場合には、後述する方法によって、EGRバルブ502の開度を調整するための制御信号を生成し、その生成した制御信号をステッピングモータ502Aへ出力する。
なお、本実施の形態では、EGR装置におけるEGRバルブ502は、ステッピングモータ502Aによりポペットバルブ502Cが駆動されるものと説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。たとえば、ステッピングモータ502Aのような電気式アクチュエータではなく、ソレノイドバルブとダイヤフラムを有する空気アクチュエータとにより構成される空気制御式のEGRバルブであってもよい。
再び図2を参照して、このエンジンシステムには、このようなEGR装置の他に、以下に示すシステムが導入されている。
このエンジンシステムには、燃料噴射制御システムが導入され、エアフローメータ202およびバキュームセンサ306によって吸入空気量を検出し、燃料噴射量が制御される。エンジンECU1000は、各センサからの信号により、最適な燃焼状態となるように、エンジン回転数およびエンジン負荷に応じた燃料噴射量および燃料噴射時期の制御を行なう。
また、このエンジンシステムにおいては、エンジン回転数と吸入空気量(バキュームセンサ306およびエアフローメータ202により検出)により燃料噴射量が決定される。また、始動後の空燃比は、酸素センサ710,712からの信号によりフィードバック制御される。すなわち、燃料噴射制御は、エンジンの状態に応じて演算した基本噴射時間に、各センサの信号に補正を加え、燃料噴射時期制御および噴射量制御が実行される。
また、このエンジンシステムには、点火時期制御システムが導入されている。エンジンECU1000は、各センサからの信号により最適な点火時期を算出し、イグナイタ一体式イグニッションコイル808に点火信号を出力する。点火時期は、初期セット点火時期または基本進角度および補正進角度により決定される。また、このエンジンシステムには、ノックセンサ704によりノッキングが検知されると、ノッキングが発生しなくなるまで一定角度ずつ点火時期を遅角させて、ノッキングが発生しなくなると一定角度ずつ進角
させるノックコントロールシステムが導入されている。
エンジンの点火時期の算出は、エンジン回転数信号、カムポジションセンサからの信号、吸気流量の信号、スロットルバルブ開度信号、エンジン冷却水用信号などに基づいて、エンジンECU1000が運転状態に応じて算出して、イグナイタ一体式イグニッションコイル808へ点火信号を出力する。すなわち、点火時期制御は、エンジンの状態に応じて演算した基本点火時期に、各センサの信号による補正を加え、適正な点火時期を算出する。
また、このエンジンシステムには、スロットル制御システムが導入されている。このスロットル制御システムは、エンジンの状態に応じて演算したスロットルバルブ300の開度に、各センサの信号による補正を加えて、適正な開度になるように制御される。すなわち、エンジンの燃焼状態に応じた適切なスロットルバルブ300の開度になるように、エンジンECU1000がスロットルバルブ300の開度をスロットルモータ304を用いて制御する。
また、このエンジンシステムは、アイドル回転数制御システムが導入されている。このアイドル回転数制御システムは、エンジン冷却水温に応じたファーストアイドル回転数、エンジン暖気後のアイドル回転数を制御する。アイドル回転数制御は、エアフローメータ202およびバキュームセンサ306からの信号に基づいて吸入空気量を算出し、エンジンECU1000が最適なスロットルバルブ300の開度およびインジェクタ開弁時間を算出し、アイドル回転数を目標回転数に近づける。
また、図1には記載していないが、スロットルモータによるアイドル回転数制御の他に、アイドルスピードコントロールバルブによる制御方法もある。このアイドルスピードコントロールバルブは、スロットルバルブのバイパス通路に流れる空気量を調整して、アイドル回転数を制御する。
(エンジンの間欠運転制御)
上述したように、図1で示されるハイブリッドシステムを搭載するハイブリッド車両においては、エンジン120は、走行中においても間欠駆動が行なわれるため、頻繁に停止制御が行なわれるようになる。
このようなエンジン120の間欠運転制御においては、エンジン120の始動(再始動)時に、吸気管内に、EGR装置によってEGRガスを還流させた場合には、燃焼室内での燃焼が緩慢となって、燃焼性の悪化により排気エミッションが増加するという問題点が発生する。
また、燃焼温度または圧力等が低いことによって、燃焼室内の混合気が着火されない現象、いわゆる失火が発生することがある。失火が発生すると、機関回転速度が低下するばかりでなく、未燃焼混合気が排気通路に排出され、排気エミッションの悪化や、排気浄化触媒への悪影響が懸念される。
すなわち、図2に示されるエンジンシステムにおいて、吸気管内に還流されたEGRガスは、燃焼が安定しているエンジン運転中には、NOxの低減および燃費の向上といった効果を奏する一方で、燃焼が不安定になるエンジン始動時においては、排気性状を悪化させる要因となる。
そこで、この発明による内燃機関の制御装置は、エンジン間欠運転制御の実行時において、エンジン始動(再始動)時には、エンジン120の燃焼が安定したことに応じて、E
GRガスを吸気管内に導入するための制御を実行する構成とする。以下に、エンジン始動時に実行される、EGR装置の制御構成について詳細に説明する。
図5は、本発明の実施の形態に係る内燃機関の始動制御を説明するためのフローチャートである。なお、図5に示すフローチャートは、図示しないエンジン停止制御によってエンジン120が停止状態であるときに、エンジンECU1000によって実行されるものである。
図5を参照して、エンジンECU1000は、一連の制御が開始されると、エンジン120が始動したか否かを判定する(ステップS01)。なお、エンジン120の始動は、所定のエンジン停止解除条件が成立している場合に発せられるエンジン始動要求に応じて、エンジンECU1000により実行される。
エンジン120が始動した場合(ステップS01においてYESの場合)、エンジンECU1000は、エンジン水温センサ706から始動時のエンジン冷却水温(以下、始動時水温とも称する)Twを取得する(ステップS02)。そして、エンジンECU1000は、取得した始動時水温Twに基づいて、エンジン始動時点からEGR装置の作動を開始させるまでのディレイ(遅延)時間DT1を設定する(ステップS03)。
このディレイ時間DT1の設定は、予め設定された始動時水温Twとディレイ時間DT1との関係に基づいて行なわれる。図6は、始動時水温Twとディレイ時間DT1との関係を説明するための図である。
図6を参照して、ディレイ時間DT1は、始動時水温Twが低くなるに従って長くなるように設定されている。始動時水温Twが低いとき、すなわち燃焼室温度が低いときには噴射された燃料の気化が進まないために燃焼状態が不安定となっているため、EGRガスを還流させると燃焼状態を悪化させて排気エミッションが増加する。したがって、ディレイ時間DT1を、燃焼状態が安定するのに要する時間より長くなるように設定することによって、燃焼状態が安定したことに応じてEGR装置の作動を開始(EGR導入)させるようにしている。
なお、エンジンECU1000は、図6に示す関係を予めマップとして所有しており、当該マップを参照して、取得した始動時水温Twからディレイ時間DT1を設定する。
次に、エンジンECU1000は、図示しないタイマを用いて、エンジン始動後の経過時間(始動後経過時間)の計時を開始する(ステップS04)。そして、始動後経過時間がステップS03で設定したディレイ時間DT1を経過したか否かを判定する(ステップS05)。
始動後経過時間がディレイ時間DT1を経過していない場合(ステップS05においてNOの場合)には、エンジンECU1000は、エンジン120の燃焼状態が不安定であると判断し、EGR装置を停止状態(EGR OFF)に保持する(ステップS10)。
これに対して、始動後経過時間がディレイ時間DT1を経過した場合(ステップS05においてYESの場合)には、エンジンECU1000は、エンジン120の燃焼状態が安定していると判断し、EGR装置の作動を開始(EGR ON)する(ステップS06)。
具体的には、エンジンECU1000は、エンジン回転数、アクセルポジションセンサ102からの信号などの各種の信号に基づいてEGRバルブ502の目標開度を演算する
(ステップS07)。さらに、エンジンECU1000は、エンジン水温センサ706から入力されるエンジン水温に応じて、その演算した目標開度を補正する(ステップS08)。そして、エンジンECU1000は、補正後の目標開度でEGRバルブ502を開弁させるための制御信号(開弁信号)を生成してEGRバルブ502へ出力する。この制御信号に従ってステッピングモータ502Aが駆動してポペットバルブ502Cを制御することにより、EGRバルブ502の開弁制御が開始する(ステップS09)。
このように、エンジン120を一時停止させた状態から再始動させるときには、始動時水温Twに応じて可変に設定したディレイ時間DT1が経過するまでEGR装置を作動させないことによって、エンジン始動は安定した燃焼状態で行なわれることとなる。その結果、エンジン始動時における排気性状の悪化を確実に防止することができる。
なお、図5のフローチャートでは、エンジン120の燃焼状態が安定しているか否かの判定動作を、始動時水温Twに応じて可変に設定したディレイ時間DT1と始動後経過時間との比較結果に基づいて行なう構成とした。このディレイ時間DT1については、以下の変更例に示すように、図2で示したエンジンシステムに導入されている数々の制御システムの制御内容に応じて設定することができる。
(変更例1)
図7は、本発明の実施の形態の変更例1に係る内燃機関の始動制御を説明するためのフローチャートである。なお、図7に示すフローチャートは、図5のフローチャートのうちのディレイ時間を設定するためのステップS02,S03を、ステップS021,S031に置き換えたものである。よって、共通するステップS01およびS04〜S10についての図示および詳細な説明については省略する。
図7を参照して、エンジンECU1000は、エンジン120が始動した場合(ステップS01)には、エンジン120の潤滑油温を検出する潤滑油温センサ(図示せず)から始動時のエンジン120の潤滑油温(以下、始動時潤滑油温とも称する)Toを取得する(ステップS021)。そして、エンジンECU1000は、取得した始動時潤滑油温Toに基づいて、エンジン始動時点からEGR装置の作動を開始させるまでのディレイ時間DT2を設定する(ステップS031)。
このディレイ時間DT2の設定は、予め設定された始動時潤滑油温Toとディレイ時間DT2との関係に基づいて行なわれる。図8は、始動時潤滑油温Toとディレイ時間DT2との関係を説明するための図である。
図8を参照して、ディレイ時間DT2は、始動時潤滑油温Toが低くなるに従って長くなるように設定されている。上記図6での始動時水温Twと同様に、始動時潤滑油温Toが低いとき、すなわち燃焼室温度が低いときには噴射された燃料の気化が進まないために燃焼状態が不安定となっているため、EGRガスを還流させると燃焼状態を悪化させて排気エミッションが増加する。したがって、ディレイ時間DT2を、燃焼状態が安定するのに要する時間より長くなるように設定することによって、燃焼状態が安定したことに応じてEGR装置の作動を開始(EGR導入)させるようにしている。
なお、エンジンECU1000は、図8に示す関係を予めマップとして所有しており、当該マップを参照して、取得した始動時潤滑油温Toからディレイ時間DT2を設定する。そして、エンジンECU1000は、エンジン120の始動後経過時間を計時し、始動後経過時間がステップS031で設定したディレイ時間DT2を経過した場合には、エンジン120の燃焼状態が安定していると判断し、EGR装置の作動を開始する。
(変更例2)
図9は、本発明の実施の形態の変更例2に係る内燃機関の始動制御を説明するためのフローチャートである。なお、図9に示すフローチャートは、図5のフローチャートのうちのディレイ時間を設定するためのステップS02,S03を、ステップS022,S032に置き換えたものである。よって、共通するステップS01およびS04〜S10についての図示および詳細な説明については省略する。
図9を参照して、エンジンECU1000は、エンジン120が始動した場合(ステップS01)には、点火時期制御システムにおいて始動時点火時期制御の実行時に算出された遅角量Rを取得する(ステップS022)。そして、エンジンECU1000は、取得した点火時期の遅角量Rに基づいて、エンジン始動時点からEGR装置の作動を開始させるまでのディレイ時間DT3を設定する(ステップS032)。
このディレイ時間DT3の設定は、予め設定された点火時期遅角量Rとディレイ時間DT3との関係に基づいて行なわれる。図10は、点火時期遅角量Rとディレイ時間DT3との関係を説明するための図である。
図10を参照して、ディレイ時間DT3は、点火時期遅角量Rが大きくなるに従って長くなるように設定されている。始動時点火時期制御は、エンジン始動時のノッキングの発生を抑制するために、エンジン120の点火時期を基本点火時期より遅角側に補正するように構成されている。しかしながら、遅角量Rが大きくなると燃焼室内での燃焼が緩慢となって、燃焼性が悪化するため、EGRガスを還流させると燃焼状態を悪化させて排気エミッションが増加する。したがって、ディレイ時間DT3を、始動時点火時期制御が終了して燃焼状態が安定するのに要する時間より長くなるように設定することによって、燃焼状態が安定したことに応じてEGR装置の作動を開始(EGR導入)させるようにしている。
なお、エンジンECU1000は、図10に示す関係を予めマップとして所有しており、当該マップを参照して、取得した点火時期の遅角量Rからディレイ時間DT3を設定する。そして、エンジンECU1000は、エンジン120の始動後経過時間を計時し、始動後経過時間がステップS032で設定したディレイ時間DT3を経過した場合には、エンジン120の燃焼状態が安定していると判断し、EGR装置の作動を開始する。
(変更例3)
図11は、本発明の実施の形態の変更例3に係る内燃機関の始動制御を説明するためのフローチャートである。なお、図11に示すフローチャートは、図5のフローチャートのうちのディレイ時間を設定するためのステップS02,S03を、ステップS023,S033に置き換えたものである。よって、共通するステップS01およびS04〜S10についての図示および詳細な説明については省略する。
図11を参照して、エンジンECU1000は、エンジン120が始動した場合(ステップS01)には、バキュームセンサ306およびエアフローメータ202からの吸入空気量に基づいて燃焼室内の空気充填率klを演算する(ステップS023)。そして、エンジンECU1000は、取得した空気充填率klに基づいて、エンジン始動時点からEGR装置の作動を開始させるまでのディレイ時間DT4を設定する(ステップS033)。
このディレイ時間DT4の設定は、予め設定された空気充填率klとディレイ時間DT4との関係に基づいて行なわれる。図12は、空気充填率klとディレイ時間DT4との関係を説明するための図である。
図12を参照して、ディレイ時間DT4は、空気充填率klが低くなるに従って長くなるように設定されている。空気充填率klが低いとき、燃焼室内の可燃空気量が少ないときには燃焼室内での燃焼が緩慢となって燃焼性が悪化するため、EGRガスを還流させると燃焼状態を悪化させて排気エミッションが増加する。したがって、ディレイ時間DT4を、空気充填率klが上昇して燃焼状態が安定するのに要する時間より長くなるように設定することによって、燃焼状態が安定したことに応じてEGR装置の作動を開始(EGR導入)させるようにしている。
なお、エンジンECU1000は、図12に示す関係を予めマップとして所有しており、当該マップを参照して、演算した空気充填率klからディレイ時間DT4を設定する。そして、エンジンECU1000は、エンジン120の始動後経過時間を計時し、始動後経過時間がステップS033で設定したディレイ時間DT4を経過した場合には、エンジン120の燃焼状態が安定していると判断し、EGR装置の作動を開始する。
以上のように、本変更例では、エンジン120の燃焼状態が安定しているか否かの判定を、エンジン始動時の空気充填率klに応じて可変に設定したディレイ時間DT4と始動後経過時間との比較結果に基づいて行なう構成としたが、エンジン120が始動されてからの吸入空気量の積算値を演算し、その演算した積算値が所定の閾値を越えた場合に、エンジン120の燃焼状態が安定していると判断するように構成してもよい。
(変更例4)
図13は、本発明の実施の形態の変更例4に係る内燃機関の始動制御を説明するためのフローチャートである。なお、図13に示すフローチャートは、図5のフローチャートのうちのディレイ時間を設定するためのステップS02,S03を、ステップS024,S034に置き換えたものである。よって、共通するステップS01およびS04〜S10についての図示および詳細な説明については省略する。
図13を参照して、エンジンECU1000は、エンジン120が始動した場合(ステップS01)には、燃料噴射制御システムにおいて始動時燃料噴射制御の実行時に決定された燃料噴射量Qを取得する(ステップS024)。そして、エンジンECU1000は、取得した燃料噴射量Qに基づいて、エンジン始動時点からEGR装置の作動を開始させるまでのディレイ時間DT5を設定する(ステップS034)。
このディレイ時間DT5の設定は、予め設定された燃料噴射量Qとディレイ時間DT5との関係に基づいて行なわれる。図14は、燃料噴射量Qとディレイ時間DT5との関係を説明するための図である。
図14を参照して、ディレイ時間DT5は、燃料噴射量Qが少なくなるに従って長くなるように設定されている。始動時燃料噴射制御は、始動性を良好なものとするために、燃料噴射量および燃料噴射時期を制御するものである。実際の制御では、たとえば始動時の燃料噴射量を増量させることが行なわれる。したがって、始動時燃料噴射制御の実行中にEGRガスを還流させると、燃焼室内へ導入される新気の割合が減少して実質的に可燃空気量が減少するため、燃焼室内での燃焼が緩慢となって、燃焼性の悪化により排気エミッションが増加する。そこで、ディレイ時間DT5を、始動時燃料噴射制御が終了して燃焼状態が安定するのに要する時間より長くなるように設定することによって、燃焼状態が安定したことに応じてEGR装置の作動を開始(EGR導入)させるようにしている。
なお、エンジンECU1000は、図14に示す関係を予めマップとして所有しており、当該マップを参照して、取得した燃料噴射量Qからディレイ時間DT5を設定する。そ
して、エンジンECU1000は、エンジン120の始動後経過時間を計時し、始動後経過時間がステップS034で設定したディレイ時間DT5を経過した場合には、エンジン120の燃焼状態が安定していると判断し、EGR装置の作動を開始する。
以上のように、本変更例では、エンジン120の燃焼状態が安定しているか否かの判定を、エンジン始動時の燃料噴射量Qに応じて可変に設定したディレイ時間DT5と始動後経過時間との比較結果に基づいて行なう構成としたが、エンジン120が始動されてからの燃料噴射量Qをモニタし、燃料噴射量Qが所定の閾値を下回った場合に、始動時燃料噴射制御が終了してエンジン120の燃焼状態が安定していると判断するように構成してもよい。
(変更例5)
図15は、本発明の実施の形態の変更例5に係る内燃機関の始動制御を説明するためのフローチャートである。本変更例に従う内燃機関の始動制御は、先の実施の形態および変更例1〜4においてそれぞれ設定されるディレイ時間DT1〜DT5を用いて、エンジン120の燃焼状態が安定しているか否かの判定を行なう構成とする。
図15を参照して、エンジンECU1000は、一連の制御が開始されると、エンジン120が始動したか否かを判定する(ステップS01)。エンジン120が始動した場合(ステップS01においてYESの場合)には、エンジンECU1000は、エンジン水温センサ706から始動時水温Twを取得するとともに(ステップS02)、潤滑油温センサから始動時潤滑油温Toを取得する(ステップS021)。さらに、エンジンECU1000は、点火時期制御システムにおいて始動時点火時期制御の実行時に算出された遅角量Rを取得するとともに(ステップS022)、バキュームセンサ306およびエアフローメータ202からの吸入空気量に基づいて燃焼室内の空気充填率klを演算する(ステップS23)。また、エンジンECU1000は、燃料噴射制御システムにおいて始動時燃料噴射制御の実行時に決定された燃料噴射量Qを取得する(ステップS024)。
そして、エンジンECU1000は、これらの取得したセンサ値、制御パラメータおよび演算結果に基づいて、上述した方法によってディレイ時間DT1〜DT5をそれぞれ設定する(ステップS30)。具体的には、エンジンECU1000は、図6,図8,図10,図12および図14に示すマップを参照して、取得した値に対応するディレイ時間DT1〜DT5をそれぞれ抽出する。
次に、エンジンECU1000は、図示しないタイマを用いて、エンジン始動後の経過時間(始動後経過時間)の計時を開始する(ステップS04)。そして、始動後経過時間がステップS030で設定したディレイ時間DT1〜DT5のいずれか1つを経過したか否かを判定する(ステップS050)。
始動後経過時間がディレイ時間DT1〜DT5をいずれも経過していない場合(ステップS050においてNOの場合)には、エンジンECU1000は、エンジン120の燃焼状態が不安定であると判断し、EGR装置を停止状態(EGR OFF)に保持する(ステップS10)。
これに対して、始動後経過時間がディレイ時間DT1〜DT5のいずれか1つを経過した場合(ステップS050においてYESの場合)には、エンジンECU1000は、エンジン120の燃焼状態が安定していると判断し、EGR装置の作動を開始(EGR ON)する(ステップS06)。そして、エンジンECU1000は、図6のフローチャートのステップS07〜S09において説明した処理を行なうことによりEGRバルブ502の開弁制御を開始する。
このように、エンジン120を一時停止させた状態から再始動させるときには、始動時水温Tw、始動時潤滑油温To、点火時期の遅角量R、空気充填率klおよび燃料噴射量Qに応じてそれぞれ可変に設定したディレイ時間DT1〜DT5のいずれか1つが経過した場合にEGT装置を作動させることによって、単一のディレイ時間が経過した場合にEGR装置を作動させる構成と比較して、エンジン120の燃焼状態が安定したことをエンジン始動後のより早いタイミングで知ることができる。そのため、EGR装置を早期に作動させることによって、NOxを低減させるとともに燃費を向上させることができる。
(変更例6)
また、変更例5とは対照的に、エンジン120が始動してから始動時水温Tw、始動時潤滑油温To、点火時期遅角量R、空気充填率kl、燃料噴射量Qに応じてそれぞれ可変に設定したディレイ時間DT1〜DT5のすべてが経過したときに、エンジン120の燃焼状態が安定していると判定する構成とすることも可能である。
図16は、本発明の実施の形態の変更例6に係る内燃機関の始動制御を説明するためのフローチャートである。図16のフローチャートは、図15のフローチャートにおけるステップS050を、ステップS051に変更したものである。よって、共通する残りのステップについての詳細な説明は繰り返さない。
図16を参照して、エンジンECU1000は、計時した始動後経過時間がステップS030で設定したディレイ時間DT1〜DT5のすべてを経過したか否かを判定する(ステップS051)。
始動後経過時間がディレイ時間DT1〜DT5のすべてを経過していない場合(ステップS051においてNOの場合)には、エンジンECU1000は、エンジン120の燃焼状態が不安定であると判断し、EGR装置を停止状態(EGR OFF)に保持する(ステップS10)。
これに対して、始動後経過時間がディレイ時間DT1〜DT5のすべてを経過した場合(ステップS051においてYESの場合)には、エンジンECU1000は、エンジン120の燃焼状態が安定していると判断し、EGR装置の作動を開始(EGR ON)する(ステップS06)。そして、エンジンECU1000は、図6のフローチャートのステップS07〜S09において説明した処理を行なうことによりEGRバルブ502の開弁制御を開始する。
このように、エンジン120を一時停止させた状態から再始動させるときには、始動時水温Tw、始動時潤滑油温To、点火時期の遅角量R、空気充填率klおよび燃料噴射量Qに応じてそれぞれ可変に設定したディレイ時間DT1〜DT5のすべてが経過した場合にEGT装置を作動させることによって、単一のディレイ時間が経過した場合にEGR装置を作動させる構成と比較して、エンジン120の燃焼状態が完全に安定したことに応じてEGR装置を作動させることができる。その結果、内燃機関始動時における排気性状の悪化を確実に防止することが可能となる。
なお、図2に示したエンジンシステム構成において、エンジン120は本発明での「内燃機関」に対応し、EGR装置は本発明での「排気ガス還流装置」に対応する。また、エンジンECU1000は、「間欠運転制御手段」および「還流ガス制御手段」を実現する。これらの手段を構成する各機能ブロックは、いずれもエンジンECU1000であるCPU(Central Processing Unit)が記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより実現される、ソフトウェアとして機能するものとして説明したが、ハードウェアにより
実現されるようにしてもよい。なお、このようなプログラムは記録媒体に記録されて車両に搭載される。
また、上記の実施の形態では、この発明による内燃機関の制御装置がハイブリッド車両に搭載される場合について説明したが、車両の一時停止時にエンジンのアイドリングを強制的に停止するいわゆるエコノミーランニングシステムを搭載した車両(いわゆる、エコラン車両)に搭載することも可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、内燃機関が間欠運転される車両に適用することができる。
この発明の実施の形態による内燃機関の制御装置が搭載されるハイブリッド車両の構成を説明するブロック図である。 この発明の実施の形態に係る内燃機関の制御装置であるエンジンECUによって制御されるエンジンシステムの概略構成図である。 図2のEGR装置の部分を拡大した図である。 EGR装置のEGRバルブの部分を拡大した図である。 この発明の実施の形態に係る内燃機関の始動制御を説明するためのフローチャートである。 始動時水温とディレイ時間との関係を説明するための図である。 この発明の実施の形態の変更例1に係る内燃機関の始動制御を説明するためのフローチャートである。 始動時潤滑油温とディレイ時間との関係を説明するための図である。 この発明の実施の形態の変更例2に係る内燃機関の始動制御を説明するためのフローチャートである。 点火時期遅角量とディレイ時間との関係を説明するための図である。 この発明の実施の形態の変更例3に係る内燃機関の始動制御を説明するためのフローチャートである。 空気充填率とディレイ時間との関係を説明するための図である。 この発明の実施の形態の変更例4に係る内燃機関の始動制御を説明するためのフローチャートである。 燃料噴射量とディレイ時間との関係を説明するための図である。 この発明の実施の形態の変更例5に係る内燃機関の始動制御を説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態の変更例6に係る内燃機関の始動制御を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
102 アクセルポジションセンサ、120 エンジン、140 モータジェネレータ、140A モータ、140B ジェネレータ、160 駆動輪、180 減速機、200 エアクリーナ、202 エアフローメータ、220 走行用バッテリ、240 インバータ、242 昇圧コンバータ、260 動力分割機構、300 スロットルバルブ、302 スロットルポジションセンサ、304 スロットルモータ、306 バキュームセンサ、400 フューエルタンク、402 フューエルポンプ、406 キャニスタパ
ージ用VSV、500 EGRパイプ、502 EGRバルブ、502A ステッピングモータ、502B リターンスプリング、502C ポペットバルブ、502D 冷却水通路、600 気流制御バルブ、602 気流制御バルブ用VSV、704 ノックセンサ、706 エンジン水温センサ、710,712 酸素センサ、800 高圧フューエルポンプ、804 高圧フューエルインジェクタ、806 EDU、808 イグナイタ一体式イグニッションコイル、900,902 三元触媒コンバータ、1000 エンジンECU、1010 MG_ECU、1020 バッテリECU、1030 HV_ECU。

Claims (3)

  1. 内燃機関を駆動力源として備えた車両における内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関には、排気ガスの一部を還流弁を介して再度前記内燃機関の吸気管に還流させるための排気ガス還流装置が設けられ、
    前記制御装置は、
    前記車両の運転開始後、所定の停止条件の成立時に前記内燃機関を一時的に停止させるとともに、所定の停止解除条件の成立時に前記内燃機関を始動させるように構成された間欠運転制御手段と、
    前記内燃機関の始動時における前記内燃機関の燃焼状態を検知し、その検知した燃焼状態が安定であることに応じて、前記還流ガスの還流動作を開始するように構成された還流ガス制御手段とを備え、
    前記還流ガス制御手段は、前記内燃機関の始動時における冷却水温、前記内燃機関の始動時における潤滑油温、前記内燃機関の始動時点火時期制御において算出された点火時期の遅角量、前記内燃機関の始動時における燃焼室内の空気充填率、および前記内燃機関の始動時燃料噴射制御において算出された燃料噴射量のそれぞれに基づいて、前記内燃機関の始動時から前記還流動作を開始させるまでのディレイ時間を複数設定し、前記内燃機関の始動後経過時間が複数の前記ディレイ時間のいずれか1つを経過したときに前記還流動作を開始する、内燃機関の制御装置。
  2. 内燃機関を駆動力源として備えた車両における内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関には、排気ガスの一部を還流弁を介して再度前記内燃機関の吸気管に還流させるための排気ガス還流装置が設けられ、
    前記制御装置は、
    前記車両の運転開始後、所定の停止条件の成立時に前記内燃機関を一時的に停止させるとともに、所定の停止解除条件の成立時に前記内燃機関を始動させるように構成された間欠運転制御手段と、
    前記内燃機関の始動時における前記内燃機関の燃焼状態を検知し、その検知した燃焼状態が安定であることに応じて、前記還流ガスの還流動作を開始するように構成された還流ガス制御手段とを備え、
    前記還流ガス制御手段は、前記内燃機関の始動時における冷却水温、前記内燃機関の始動時における潤滑油温、前記内燃機関の始動時点火時期制御において算出された点火時期の遅角量、前記内燃機関の始動時における燃焼室内の空気充填率、および前記内燃機関の始動時燃料噴射制御において算出された燃料噴射量のそれぞれに基づいて、前記内燃機関の始動時から前記還流動作を開始させるまでのディレイ時間を複数設定し、前記内燃機関の始動後経過時間が複数の前記ディレイ時間のすべてを経過したときに前記還流動作を開始する、内燃機関の制御装置。
  3. 前記車両は、前記内燃機関の他の駆動力源をさらに備える、請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
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