JP4996735B2 - メタクリル酸製造用触媒の再生方法及びメタクリル酸の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)リンと、モリブデンと、カリウム、ルビジウム、セシウム及びタリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素Xとを含むヘテロポリ酸化合物からなるメタクリル酸製造用触媒の再生方法であって、下記工程(I)〜(III)を含み、再生された触媒を構成するヘテロポリ酸化合物におけるモリブデンに対する元素Xの原子比(X/Mo)を0.5/12〜2/12とし、かつ下記水性スラリーA及びCから選ばれる少なくとも一方が湿式粉砕処理されたものであることを特徴とするメタクリル酸製造用触媒の再生方法。
工程(I):メタクリル酸の製造に使用して得られた使用済触媒、硝酸根、アンモニウム根及び水を混合し、モリブデンに対する元素Xの原子比(X/Mo)が2/12〜4/12となるように調整した水性スラリーAを得る工程。
工程(II):前記ヘテロポリ酸化合物の構成元素のうち少なくともモリブデンを含む化合物と水とを混合し、モリブデンに対する元素Xの原子比(X/Mo)が0/12〜0.5/12となるように調整した水性スラリーBを得る工程。
工程(III):工程(I)で得られた水性スラリーAと工程(II)で得られた水性スラリーBとを混合して得られた水性スラリーCを、乾燥、焼成する工程。
(2)工程(I)で得られる水性スラリーAは、硝酸根1モルに対し0.1〜3.0モルのアンモニウム根を含む前記(1)に記載のメタクリル酸製造用触媒の再生方法。
(3)工程(I)で得られる水性スラリーAの液相のpHが8以下である前記(1)又は(2)に記載のメタクリル酸製造用触媒の再生方法。
(4)前記ヘテロポリ酸化合物が、さらに、バナジウムと、銅、ヒ素、アンチモン、ホウ素、銀、ビスマス、鉄、コバルト、ランタン及びセリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素とを含む前記(1)〜(3)のいずれかに記載のメタクリル酸製造用触媒の再生方法。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法によりメタクリル酸製造用触媒を再生し、この再生された触媒の存在下に、メタクロレイン、イソブチルアルデヒド、イソブタン及びイソ酪酸からなる群より選ばれる化合物を気相接触酸化反応に付すことを特徴とするメタクリル酸の製造方法。
本発明のメタクリル酸製造用触媒の再生方法は、メタクリル酸の製造に使用して得られた使用済のメタクリル酸製造用触媒に再生処理を施し、再生触媒を得る方法である。
本発明の再生方法に適用できるメタクリル酸製造用触媒(以下「対象触媒」と称することがある)は、リンと、モリブデンと、カリウム、ルビジウム、セシウム及びタリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素Xとを含むヘテロポリ酸化合物からなるものであり、遊離のヘテロポリ酸からなるものであってもよいし、ヘテロポリ酸の塩からなるものであってもよい。中でも、ヘテロポリ酸の酸性塩(部分中和塩)からなるものが好ましく、さらに好ましくはケギン型ヘテロポリ酸の酸性塩からなるものである。前記ヘテロポリ酸化合物は、さらに、バナジウムと、銅、ヒ素、アンチモン、ホウ素、銀、ビスマス、鉄、コバルト、ランタン及びセリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素(以下「元素Y」と称することがある)とを含有することが望ましい。
PaMobVcXdYeOx (1)
(式(1)中、P、Mo及びVはそれぞれリン、モリブデン及びバナジウムを表し、Xはカリウム、ルビジウム、セシウム及びタリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素Xを示し、Yは銅、ヒ素、アンチモン、ホウ素、銀、ビスマス、鉄、コバルト、ランタン及びセリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素(元素Y)を示し、Oは酸素を表し、b=12としたとき、0<a≦3、0≦c≦3、0<d≦3、0≦e≦3であり、xは各元素の酸化状態により定まる値である)
特に、前記メタクリル酸製造用触媒(対象触媒)を構成する前記ヘテロポリ酸化合物の組成においては、モリブデンに対する元素Xの原子比(X/Mo)が0.5/12〜2/12であることが好ましい。
工程(I)においては、使用済触媒、硝酸根、アンモニウム根及び水を混合し、さらに、得られるスラリー中のモリブデンに対する元素Xの原子比(X/Mo)が2/12〜4/12、好ましくは、2.5/12〜3.5/12となるように調整して、水性スラリーAを得る。ここで、硝酸根及びアンモニウム根を混合することにより、得られる再生触媒における転化率や選択率は向上する。
水性スラリーAを調製する際には、上述した各成分の混合順序は特に制限されるものではなく、適宜設定すればよい。
なお、水性スラリーAの調製に供する使用済触媒に、破砕処理と前処理として行う前記熱処理との両方を施す場合、両処理の順序は特に制限されないが、通常は破砕処理を行った後に熱処理が施される。
水性スラリーBを調製する際には、上述した各成分の混合順序は特に制限されるものではなく、適宜設定すればよい。
水性スラリーAと水性スラリーBとを混合する際や、後述する熟成処理の際または該熟成処理後には、必要に応じて、対象触媒の触媒構成元素を含む化合物、中でも、前記元素Yを含む化合物を混合することもできる。その場合、通常、触媒構成元素を含む化合物(前記元素Yを含む化合物など)を水に懸濁させた状態で加えることが好ましい。それらの混合量は、最終的に得られる再生触媒を構成するヘテロポリ酸化合物の組成が、上述した使用前の新品触媒の状態における好ましい組成(すなわち前記式(1)において、モリブデンに対する元素Xの原子比X/Moが0.5/12〜2/12である組成)となるよう適宜設定すればよい。
なお、本発明における粒径は、水性スラリー中の固形分の平均粒径であり、例えば、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて体積基準のメジアン径を測定することにより求めることができる。
湿式粉砕処理は、水性スラリーA及びCから選ばれる少なくとも一方の調製時に施され、なかでも触媒寿命の回復度合いの点から、水性スラリーAのみ、または水性スラリーA及びCが湿式粉砕処理されたものであるのが好ましい。水性スラリーAのみが湿式粉砕処理されたものとするには、例えば、工程(I)〜(III)において、湿式粉砕処理が施された水性スラリーAをそのまま水性スラリーBとの混合に供して得られた水性スラリーCを乾燥、焼成すればよい。水性スラリーA及びCが湿式粉砕処理されたものとするには、例えば、工程(I)〜(III)において、湿式粉砕処理が施された水性スラリーAをそのまま水性スラリーBとの混合に供して、さらに湿式粉砕処理を施して得られた水性スラリーCを乾燥、焼成すればよい。
なお、水性スラリーCを前記熟成処理が施されたものとする場合は、前記熟成処理の前に湿式粉砕処理を行ってもよいし、前記熟成処理の後に湿式粉砕処理を行なってもよいが、前記熟成処理の後に湿式粉砕処理を行うのが好ましい。
なお、本発明のメタクリル酸製造用触媒の再生方法は、メタクリル酸の製造に使用して得られた使用済触媒を再生対象とするものであるが、例えば、触媒の製造過程で生じるロス粉や、所望の性能を有していない触媒など、メタクリル酸の製造に未使用の触媒を再生対象として本発明の再生方法を実施することもでき、そのような場合にも、使用済触媒を再生した場合と同様に、良好な効果が得られる。
本発明の再生触媒を用いることにより、良好な転化率及び選択率を長時間維持しつつメタクリル酸を製造することができる。
なお、以下で使用した空気は3.5容量%の水分を含むもの(大気相当)であり、以下で使用した窒素は実質的に水分を含まないものである。
<触媒組成(構成元素比)>
蛍光X線分析装置(リガク社製「ZSX Primus II」)を用い、触媒を蛍光X線分析することにより求めた。
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−920、(株)堀場製作所製)を用いてスラリー中の固形分の平均粒径(体積基準のメジアン径)を測定した。なお、分散媒には水を使用し、相対屈折率は1.80(水に対する値)で測定を行った。
触媒9gを内径16mmのガラス製マイクロリアクターに充填し、この中に、メタクロレイン、空気、スチーム及び窒素を混合して調製した原料ガス(組成:メタクロレイン4容量%、分子状酸素12容量%、水蒸気17容量%)を空間速度670h-1で供給して、一旦、炉温(マイクロリアクターを加熱するための炉の温度)355℃にて1時間反応を行った後、上記と同じ組成の原料ガスを、上記と同じ空間速度で供給して、炉温280℃で反応を行った。この反応開始から(炉温を280℃としてから)1時間経過時の出口ガス(反応後のガス)をサンプリングし、ガスクロマログラフィーにより分析して、下記式に基づき、メタクロレイン転化率(%)、メタクリル酸選択率(%)及び収率(%)を求めた。
メタクリル酸選択率(%)=〔生成したメタクリル酸の物質量÷反応したメタクロレインの物質量〕×100
収率(%)=〔転化率(%)×選択率(%)〕÷100
触媒4.5gを、内径16mmのガラス製マイクロリアクターに充填し、この中に、メタクロレイン、空気、スチーム及び窒素を混合して調製したメタクロレイン4容量%、分子状酸素12容量%、水蒸気17容量%の組成の原料ガスを、空間速度1340h-1で供給して、炉温310℃にて50日以上反応を行い、この間、7〜10日おきにメタクロレイン転化率を求めた。反応時間を横軸、転化率を縦軸としてプロットしたところ、ほぼ直線関係にあったので、最小二乗法により傾きを求め、転化率の低下速度(%/日)を算出した。
<新品触媒の調製>
40℃に加熱したイオン交換水224kgに、硝酸セシウム[CsNO3]38.2kg、75重量%オルトリン酸27.4kg、及び70重量%硝酸25.2kgを溶解させ、これをα液とした。一方、40℃に加熱したイオン交換水330kgに、モリブデン酸アンモニウム4水和物[(NH4)6Mo7O24・4H2O]297kgを溶解させた後、メタバナジン酸アンモニウム[NH4VO3]8.19kgを懸濁させ、これをβ液とした。
<使用済触媒の調製>
参考例1で調製した新品触媒を所定時間、メタクロレインの接触気相酸化反応に付して、使用済触媒を得た。
得られた使用済触媒を構成するヘテロポリ酸化合物の酸素を除く金属元素の原子比は、リン、モリブデン、バナジウム、アンチモン、銅及びセシウムがそれぞれ1.3、9.6、0.48、0.5、0.3及び1.4であった。
〔工程(I):水性スラリーA1の調製〕
参考例2で得られた使用済触媒200gをイオン交換水400gに加え攪拌した。次に、新品触媒に対する使用済触媒の不足成分を補うため、モリブデン源として三酸化モリブデン[MoO3]31.6gと、リン源として75重量%オルトリン酸2.6gと、バナジウム源としてメタバナジン酸アンモニウム0.2gとを添加した後40℃に昇温し、25重量%アンモニア水75.2gを添加した。40℃で1時間保持した後、67.5%硝酸を38.2g加え、さらに40℃で1時間保持した後、硝酸セシウム35.9gをイオン交換水108gに溶解させた40℃の水溶液を加え、40℃で15分保持した後、密閉容器中120℃にて5時間攪拌して、水性スラリーA1を得た。水性スラリーA1の硝酸根に対するアンモニウム根の比は1.9、pHは6.8であった。また水性スラリーA1に含まれる金属元素の原子比は、リン、モリブデン、バナジウム、アンチモン、銅及びセシウムがそれぞれ1.5、12、0.5、0.5、0.3及び3.2であり、モリブデンに対するセシウムの原子比は3.2/12であった。
上記水性スラリーA1の全量を75℃にて約2時間濃縮し、700gの濃縮スラリーを得た。得られた濃縮スラリーを直径15mmのアルミナ製ボール1870gとともにアルミナ製容器に入れ、回転式ボールミルを用いて53回転/分の速度で容器を連続的に回転させることで16時間粉砕を行い、水性スラリーA2を得た。水性スラリーA2中の固形分の粒径を表1に示す。尚、水性スラリーA2の硝酸根に対するアンモニウム根の比は1.9、pHは6.5であった。
40℃に加熱したイオン交換水105gに、75重量%オルトリン酸12.9g、及び67.5重量%硝酸12.3gを溶解し、これをa液とした。一方、40℃に加熱したイオン交換水165gに、モリブデン酸アンモニウム4水和物139gを溶解した後、メタバナジン酸アンモニウム3.85gを懸濁させ、これをb液とした。攪拌下、a液にb液を滴下して、ヘテロポリ酸化合物を含む水性スラリーB1を得た。この水性スラリーB1に含まれる金属元素の原子比は、リン、モリブデン及びバナジウムがそれぞれ、1.5、12、0.5であり(アンチモン、銅、セシウムはいずれも0である)、モリブデンに対するセシウムの原子比は0/12であった。
水性スラリーA2を350g分取し、上記水性スラリーB1の全量を混合後、密閉容器中で120℃にて5時間攪拌し、次いで、三酸化アンチモン4.80g及び硝酸銅3水和物1.59gを、イオン交換水3.67gに懸濁させた状態で添加し、その後、密閉容器中で120℃にて5時間攪拌し、水性スラリーC1を得た。水性スラリーC1中の固形分の粒径を表1に示す。
得られた水性スラリーC1を135℃にて乾燥し、得られた乾燥物100重量部に対し、セラミックファイバー2重量部、硝酸アンモニウム14重量部、イオン交換水7.5重量部を加えて混練し、直径5mm、高さ6mmの円柱状に押出成形した。得られた成形体を、温度90℃、相対湿度30%で3時間乾燥させた後、空気気流中にて220℃で22時間、続いて250℃で1時間保持し、次いで空気気流中にて390℃で4時間、続いて窒素気流中にて435℃で4時間、保持することで焼成し、その後成形体を取り出して、再生触媒(1)を得た。この再生触媒(1)に含まれる金属元素の原子比は、リン、モリブデン、バナジウム、アンチモン、銅及びセシウムがそれぞれ1.5、12、0.5、0.5、0.2及び1.4であった。この再生触媒(1)の活性試験および寿命試験の結果を表1に示す。
〔工程(I)、(II):水性スラリーA1及びB1の調製〕
実施例1と同様の操作を行い、水性スラリーA1及びB1を得た。水性スラリーA1中の固形分の粒径を表1に示す。
水性スラリーA1を半量分取し、上記水性スラリーB1の全量を混合後、密閉容器中で120℃にて5時間攪拌し、次いで、三酸化アンチモン4.80g及び硝酸銅3水和物1.59gを、イオン交換水3.67gに懸濁させた状態で添加し、その後、密閉容器中で120℃にて5時間攪拌し、水性スラリーC2を得た。
得られた水性スラリーC2の全量を75℃にて約2時間濃縮し、700gの濃縮スラリーを得た。得られた濃縮スラリーを直径15mmのアルミナ製ボール1870gとともにアルミナ製容器に入れ、回転式ボールミルを用いて53回転/分の速度で容器を連続的に回転させることで16時間粉砕を行い、水性スラリーC3を得た。水性スラリーC3中の固形分の粒径を表1に示す。
得られた水性スラリーC3を135℃にて乾燥し、得られた乾燥物100重量部に対し、セラミックファイバー2重量部、硝酸アンモニウム14重量部、イオン交換水7.5重量部を加えて混練し、直径5mm、高さ6mmの円柱状に押出成形した。得られた成形体を、温度90℃、相対湿度30%で3時間乾燥させた後、空気気流中にて220℃で22時間、続いて250℃で1時間保持し、次いで空気気流中にて390℃で4時間、続いて窒素気流中にて435℃で4時間、保持することで焼成し、その後成形体を取り出して、再生触媒(2)を得た。この再生触媒(2)に含まれる金属元素の原子比は、リン、モリブデン、バナジウム、アンチモン、銅及びセシウムがそれぞれ1.5、12、0.5、0.5、0.2及び1.4であった。この再生触媒(2)の活性試験および寿命試験の結果を表1に示す。
〔水性スラリーA1及びB1の調製〕
実施例1と同様の操作を行い、水性スラリーA1及びB1を得た。
実施例2と同様の操作を行い、水性スラリーC2を得た。水性スラリーC2中の固形分の粒径を表1に示す。
得られた水性スラリーC2を135℃にて乾燥し、得られた乾燥物100重量部に対し、セラミックファイバー2重量部、硝酸アンモニウム14重量部、イオン交換水7.5部を加えて混練し、直径5mm、高さ6mmの円柱状に押出成形した。得られた成形体を、温度90℃、相対湿度30%で3時間乾燥させた後、空気気流中で220℃で22時間、続いて250℃で1時間保持し、次いで空気気流中にて390℃で4時間、続いて窒素気流中にて435℃で4時間、保持することで焼成し、その後成形体を取り出して、再生触媒(4)を得た。この再生触媒(4)に含まれる金属元素の原子比は、リン、モリブデン、バナジウム、アンチモン、銅及びセシウムがそれぞれ1.5、12、0.5、0.5、0.2及び1.4であった。この再生触媒(4)の活性試験及び寿命試験の結果を表1に示す。
〔水性スラリーA1の調製〕
実施例1と同様の操作を行い、水性スラリーA1を得た。
〔工程(I)、(II):水性スラリーA2及びB1の調製〕
実施例1と同様の操作を行い、水性スラリーA2及びB1を得た。
実施例1と同様の操作を行い、水性スラリーC1を得た。
得られた水性スラリーC1の全量を75℃にて約2時間濃縮し、700gの濃縮スラリーを得た。得られた濃縮スラリーを直径15mmのアルミナ製ボール1870gとともにアルミナ製容器に入れ、回転式ボールミルを用いて53回転/分の速度で容器を連続的に回転させることで16時間粉砕を行い、水性スラリーC4を得た。水性スラリーC4中の固形分の粒径を表1に示す。
得られた水性スラリーC4を135℃にて乾燥し、得られた乾燥物100重量部に対し、セラミックファイバー2重量部、硝酸アンモニウム14重量部、イオン交換水7.5重量部を加えて混練し、直径5mm、高さ6mmの円柱状に押出成形した。得られた成形体を、温度90℃、相対湿度30%で3時間乾燥させた後、空気気流中にて220℃で22時間、続いて250℃で1時間保持し、次いで空気気流中にて390℃で4時間、続いて窒素気流中にて435℃で4時間、保持することで焼成し、その後成形体を取り出して、再生触媒(3)を得た。この再生触媒(3)に含まれる金属元素の原子比は、リン、モリブデン、バナジウム、アンチモン、銅及びセシウムがそれぞれ1.5、12、0.5、0.5、0.2及び1.4であった。この再生触媒(3)の活性試験および寿命試験の結果を表1に示す。
Claims (5)
- リンと、モリブデンと、カリウム、ルビジウム、セシウム及びタリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素Xとを含むヘテロポリ酸化合物からなるメタクリル酸製造用触媒の再生方法であって、下記工程(I)〜(III)を含み、再生された触媒を構成するヘテロポリ酸化合物におけるモリブデンに対する元素Xの原子比(X/Mo)を0.5/12〜2/12とし、かつ下記水性スラリーA及びCから選ばれる少なくとも一方が湿式粉砕処理されたものであることを特徴とするメタクリル酸製造用触媒の再生方法。
工程(I):メタクリル酸の製造に使用して得られた使用済触媒、硝酸根、アンモニウム根及び水を混合し、モリブデンに対する元素Xの原子比(X/Mo)が2/12〜4/12となるように調整した水性スラリーAを得る工程。
工程(II):前記ヘテロポリ酸化合物の構成元素のうち少なくともモリブデンを含む化合物と水とを混合し、モリブデンに対する元素Xの原子比(X/Mo)が0/12〜0.5/12となるように調整した水性スラリーBを得る工程。
工程(III):工程(I)で得られた水性スラリーAと工程(II)で得られた水性スラリーBとを混合して得られた水性スラリーCを、乾燥、焼成する工程。 - 工程(I)で得られる水性スラリーAは、硝酸根1モルに対し0.1〜3.0モルのアンモニウム根を含む請求項1に記載のメタクリル酸製造用触媒の再生方法。
- 工程(I)で得られる水性スラリーAの液相のpHが8以下である請求項1又は2に記載のメタクリル酸製造用触媒の再生方法。
- 前記ヘテロポリ酸化合物が、さらに、バナジウムと、銅、ヒ素、アンチモン、ホウ素、銀、ビスマス、鉄、コバルト、ランタン及びセリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素とを含む請求項1〜3のいずれかに記載のメタクリル酸製造用触媒の再生方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の方法によりメタクリル酸製造用触媒を再生し、この再生された触媒の存在下に、メタクロレイン、イソブチルアルデヒド、イソブタン及びイソ酪酸からなる群より選ばれる化合物を気相接触酸化反応に付すことを特徴とするメタクリル酸の製造方法。
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