JP4995106B2 - 移動体通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、移動体通信システムに関する。
通信衛星(Communication Satellite)を中継局として地球局(または衛星基地局)相互間で通信を行う衛星通信(Satellite Communication)は、従来の遠距離通信システムよりも経済性および安定性に利点があるため普及している。
従来の衛星通信システムにおいて、ユーザが使用する端末局間で伝搬される情報信号は、衛星局を必ず2回経由してから相手に到達していた。最近では、災害時でも通信が可能となる衛星通信の利用に対する需要が増えている。特に音声通信はリアルタイム性が要求されるため、音声信号の伝搬遅延時間の短縮は大きな課題となっている。情報信号の伝搬遅延時間には、端末局と通信衛星との間に生じる伝搬遅延時間だけではなく、衛星局と基地局との間の往復時間、基地局とコアネットワークの往復時間が伝搬遅延時間として追加される。
伝搬遅延時間が増大すると、通信の品質に悪影響を及ぼす。特に、リアルタイム性が要求される音声通信などでは、信号の伝搬に遅延が生じるとユーザの端末局間での円滑な会話が妨げられるという問題がある。このことから、伝搬遅延時間の改善が強く要求されている。
このような問題の対策として、衛星局にて第1の端末局から送信された情報記号と制御記号とから、衛星基地局宛の制御信号を分離して第2の端末局宛の情報信号を蓄積する。衛星基地局は衛星局からの制御信号を受信し、第2の端末局向けの制御信号を衛星局へ送信する。衛星局は、蓄積しておいた第2の端末局宛の情報信号と衛星基地局から送信された第2の端末局向けの制御信号とを合成し、第2の端末局へ送信する。このようにすることによって、第1の端末局から送信された情報信号は、衛星基地局を経由することなく衛星局を1回経由するだけで第2の端末局に受信されるため、信号の伝搬時間が短縮される。このように、一方の端末局から情報信号を受信した衛星局が、衛星基地局を中継せずに他方の端末局に直接送信することにより、情報信号が衛星局を経由する回数が1回となって伝搬遅延時間が短縮されるものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−261673号公報
特許文献1では、端末局から送信された制御信号と情報信号とを衛星局にて分離・合成するため、システムの構成が複雑になるという問題がある。
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、制御信号と情報信号との分離・合成を必要とせずに衛星通信における伝搬遅延時間を短縮し、ハンドオーバ時であっても使用することが可能な移動体通信システムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明による移動体通信システムは、通信衛星を介して端末局間で通信することができる移動体通信システムであって、通信に用いられる通信用物理チャネルフォーマットは、通信時に送信されるデータの最小単位であるフレームに対して付与されるフレーム番号と、データが制御信号または情報信号のいずれであるかを示すために設けられる、C−PlaneまたはU−Planeの識別子と、データを送信する相手の在圏情報とを備え、端末局間で接続動作である呼接続を行う場合は、識別子をC−Planeにすることにより、端末局と衛星基地局との間で、通信衛星を介してすべてC−Planeを用いて行われ、しかる後端末局間で通信する場合は、識別子をU−Planeにすることにより在圏情報に基づいて通信衛星での折り返しで行われることを特徴とする。
本発明によると、通信衛星を介して端末局間で通信することができる移動体通信システムであって、通信に用いられる通信用物理チャネルフォーマットは、通信時に送信されるデータの最小単位であるフレームに対して付与されるフレーム番号と、データが制御信号または情報信号のいずれであるかを示すために設けられる、C−PlaneまたはU−Planeの識別子と、データを送信する相手の在圏情報とを備え、端末局間で接続動作である呼接続を行う場合は、識別子をC−Planeにすることにより、端末局と衛星基地局との間で、通信衛星を介してすべてC−Planeを用いて行われ、しかる後端末局間で通信する場合は、識別子をU−Planeにすることにより在圏情報に基づいて通信衛星での折り返しで行われるため、制御信号と情報信号との分離・合成を必要とせずに衛星通信における伝搬遅延時間を短縮し、ハンドオーバ時であっても使用することが可能となる。
本発明の実施形態について、図面を用いて以下に説明する。
〈実施形態1〉
図1は、本発明の実施形態1による移動体衛星通信システムの構成図である。図1に示すように、エリア901内に存在する端末局101および端末局102は、通信衛星500を介してU−Plane信号経路800を通じて音声等の情報信号の授受を行っている。衛星基地局200は、移動体衛星通信ネットワーク300を介してコアノード装置400と接続される。コアノード装置400は、端末局の位置情報等の衛星通信ネットワークを管理している。また、コアノード装置400は、他ネットワーク600を介して衛星通信以外のネットワークに接続することが可能である。なお、衛星基地局200とコアノード装置400とを接続する移動体衛星通信ネットワーク300は、専用線であってもよく、IP網であってもよい。IP網である場合は、衛星基地局200とコアノード装置400との間で授受される信号はIPパケット化される。
次に、本実施形態1による移動体衛星通信システムにおける端末局101と端末局102との間の接続動作、通信動作について説明する。
端末局101から端末局102宛に呼接続を行う場合において、まず初めに端末局101および端末局102と衛星基地局200との間で、無線確立のための制御信号が通信衛星500を介してC−Plane信号経路700を通じて授受される。次に、端末局101および端末局102とコアノード装置400との間で、サービス要求とその応答、認証要求とその応答といった制御信号が、通信衛星500および衛星基地局200を介してC−Plane信号経路700を通じて授受される。そして、端末局101および端末局102と衛星基地局200との間で、無線チャネル設定のための制御信号が通信衛星500を介してC−Plane信号経路700を通じて授受されることによって、端末局101と端末局102との通信が開始される。
図2は、本発明の実施形態による通信用物理チャネルフォーマットを示す図である。図2に示すように、通信用物理チャネルフォーマットは、通信時に送信されるデータの最小単位であるフレームに対して付与されるフレーム番号と、データが制御信号または情報信号のいずれであるかを示すために設けられたC/UからなるC−PlaneまたはU−Planeの識別子と、Aからなるデータを送信する相手の在圏情報とを備えている。
衛星基地局200が無線チャネル設定のための制御信号を端末局101に送信する際は、図2に示す通信用物理チャネルフォーマット中のC/UをC−Planeに設定し、Aの在圏情報を端末局101が在圏するエリア901を構成する通信衛星500のビーム番号に設定する。同様に、衛星基地局200が無線チャネル設定のための制御信号を端末局102に送信する際は、図2に示す通信用物理チャネルフォーマット中のC/UをC−Planeに設定し、Aの在圏情報を端末局102が在圏するエリア901を構成する通信衛星500のビーム番号に設定する。また、衛星基地局200から端末局101および端末局102に制御信号を送信する際は、端末局101に対しては端末局102の在圏情報を、端末局102に対しては端末局101の在圏情報を制御信号で通知する。
一方、端末局101および端末局102が制御信号を衛星基地局200に送信する際は、図2に示す通信用物理チャネルフォーマット中のC/UをC−Planeに設定し、Aの在圏情報を衛星基地局200向けであることが判るように特殊コードを設定する。
通信衛星500では、通信用物理チャネルフォーマット中のC/UがC−Planeに設定されている場合は受信した信号が制御信号であると判断し、情報信号よりも優先的に選択するとともに、Aの在圏情報に基づいて、在圏情報が示すエリアを構成するビームか、または衛星基地局200に向けて制御信号を中継転送する。また、上りまたは下りの同一通信用物理チャネルの情報信号と制御信号とを端末局101、102と衛星基地局200とから受信した場合は、C/UにてC−Planeと設定されている制御信号を優先的に選択するとともに、U−Planeに設定されている情報信号は破棄される。同一無線フレームタイミングであるのか否かは、図2に示す通信用物理チャネルフォーマット中のフレーム番号によって判断する。
このように、図2に示す通信用物理チャネルフォーマットに対して情報要素を設定することで、端末局101および端末局102と衛星基地局200との間で制御信号によって無線チャネルの設定が行われる。
上記の無線チャネルの設定後、端末局101と端末局102との間で情報信号の授受が開始される。端末局101は、図2に示す物理チャネルフォーマット中のC/UをU−Planeに設定し、Aの在圏情報を予め衛星基地局200が制御信号で通知した通信相手である端末局102の在圏情報に設定する。同様に、端末局102は、図2に示す物理チャネルフォーマット中のC/UをU−Planeに設定し、Aを予め衛星基地局200が制御信号で通知した通信相手である端末局101の在圏情報に設定する。
端末局101と端末局102とが情報信号を授受するために設定を行った通信用物理チャネルの無線信号を通信衛星500が受信すると、通信衛星500は、図2に示す物理チャネルフォーマット中のC/UがU−Planeに設定されているため、通信相手先が衛星基地局200ではなく端末局101、102であると判断する。そして、Aの在圏情報に基づいて在圏情報が示すエリアを構成するビームを選択し、無線信号を相手端末局のエリア901上に中継転送する。
以上のことから、端末局101と端末局102との間での情報信号の授受は、衛星基地局200を介さずに通信衛星500を一度だけ経由することによって可能となるため、通信の伝搬時間を短縮できるという効果がある。また、情報信号は端末局101と端末局102との間で授受されるため、移動体衛星通信ネットワーク300上の情報信号のトラヒックが削減されてネットワークの輻輳がなくなるという効果がある。
〈実施形態2〉
本発明の実施形態2では、端末局101、102が通信衛星500のビーム間ハンドオーバを行った場合における、端末局101と端末局102との間の通信について説明する。
図3は、本発明の実施形態2による移動体衛星通信システムの構成図である。図3に示すように、通信衛星500からのビームによってエリア901およびエリア902が構成されており、その他の構成は実施形態1と同様であるため説明を省略する。
端末局101および端末局102は移動体であるため、通信中に通信衛星500からのビームによって構成される別のエリアに移動する可能性がある。従って、端末局101、102がエリア間(通信衛星500からのビーム間)を移動した場合であっても通信を継続するためには、ビーム間ハンドオーバを行う必要があり、ビーム間を移動する端末局101および端末局102と衛星基地局200との間において、上り/下りの通信用物理チャネル上で制御信号の授受を行う必要がある。
ここでは、端末局102がエリア901からエリア902に移動する場合について説明する。端末局102では、端末局101とのU−Plane通信中、または端末局101と衛星基地局200とのC−Plane通信中において、受信レベル、BER(Bit Error Rate)特性、C/N(Carrier to Noise ratio)のいずれかを用いて、通信衛星500からエリア901の端末局102に向けて送信される下り通信用物理チャネルの回線品質の測定を行っている。測定中の回線品質が予め定められた閾値を超えて劣化すると、端末局102は報知情報にて衛星基地局200から予め伝えられたエリア901の周辺エリアを構成する通信衛星500からのビームの下り共通制御チャネルの回線品質について、受信レベル、BER特性、C/Nのいずれかを用いて測定し始める。
例えば、端末102は、エリア901を構成する通信衛星500からのビームの下り通信用物理チャネルと、エリア902を構成する通信衛星500からの周辺ビームの下り共通制御チャネルの回線品質とを比較する。エリア902の回線品質の方がエリア901の回線品質よりも良い場合は、端末局102は衛星基地局200に対してハンドオーバの要求を行い、衛星基地局200は端末局102に対してエリア902にて通信を継続するための上り/下りの通信用物理チャネルを割り当てる。端末局102は、エリア902で通信を継続するために新たに割り当てられた上り/下りの通信用物理チャネルにチャネル切替を行い、端末局101との情報信号の通信を再開する。
次に、端末局102が衛星基地局200に対してハンドオーバの要求を行い、衛星基地局200からエリア902で通信を継続するために新たに割り当てられた上り/下りの通信用物理チャネルにチャネル切替を行う一連の動作について説明する。
端末局102は、エリア901で使用している上り通信用物理チャネルにおいて、図2に示すC/UをC−Planeに設定し、Aの在圏情報を衛星基地局200向けであることを示す特殊コードに設定している。通信衛星500では、端末局102から衛星基地局200へ送信される制御信号であると識別し、通信衛星500から衛星基地局200に対して制御信号が中継転送される。
一方、衛星基地局200は、エリア901で使用している下り通信用物理チャネルにおいて、図2に示すC/UをC−Planeに設定し、Aの在圏情報をエリア901を構成するビーム番号に設定している。通信衛星500では、端末局101から端末局102への情報信号と、衛星基地局200から端末局102へのハンドオーバに供する制御信号とが同一無線フレームタイミングに存在した場合であっても、C/UをC−Planeと設定した衛星基地局200から端末局102への制御信号を優先的に選択するとともに、端末局101から端末局102に送信されるC/UをU−Planeと設定した情報信号を破棄し、Aの在圏情報に基づいて下り通信用物理チャネルの信号を通信衛星500からエリア901の端末局102に向けて送信する。このとき、通信衛星500において、端末局101から端末局102に送信される情報信号と、衛星基地局200から端末局102に送信されるハンドオーバに供する制御信号とが、同一の無線フレームタイミングに存在するか否かは、図2に示すフレーム番号を用いて判断する。
以上のことから、端末局101と端末局102との間での通信中に、端末局101、102がエリア間(通信衛星500からのビーム間)を移動した場合であってもビーム間ハンドオーバを行うことができ、引き続き、端末局101と端末局102との間での情報信号の授受を通信衛星500を一度だけ経由することにより可能となる。
本発明の実施形態1による移動体衛星通信システムの構成図である。 本発明の実施形態による通信用物理チャネルフォーマットを示す図である。 本発明の実施形態2による移動体衛星通信システムの構成図である。
符号の説明
101 端末局、102 端末局、200 衛星基地局、300 移動体衛星通信ネットワーク、400 コアノード装置、500 通信衛星、600 他ネットワーク、700 C−Plane信号経路、750 端末局102に関する通信経路、800 U−Plane信号経路、850 端末局101に関する通信経路、901 エリア、902 エリア。

Claims (7)

  1. 通信衛星を介して端末局間で通信することができる移動体通信システムであって、前記通信に用いられる通信用物理チャネルフォーマットは、
    前記通信時に送信されるデータの最小単位であるフレームに対して付与されるフレーム番号と、
    前記データが制御信号または情報信号のいずれであるかを示すために設けられる、C−PlaneまたはU−Planeの識別子と、
    前記データを送信する相手の在圏情報と、
    を備え、
    前記端末局間で接続動作である呼接続を行う場合は、前記識別子をC−Planeにすることにより、前記端末局と衛星基地局との間で、通信衛星を介してすべてC−Planeを用いて行われ、しかる後前記端末局間で通信する場合は、前記識別子をU−Planeにすることにより前記在圏情報に基づいて前記通信衛星での折り返しで行われることを特徴とする、移動体通信システム。
  2. 星基地局と前記端末局との間で前記制御信号を授受する場合において、
    前記識別子については、前記衛星基地局および前記端末局は前記C−Planeに設定し、
    前記在圏情報については、前記衛星基地局から前記端末局に送信する場合は前記端末局の在圏エリアを形成する前記通信衛星から前記端末局向けのビーム番号を設定し、前記端末局から前記衛星基地局に送信する場合は前記基地局向けであることを示す特殊コードを設定することを特徴とする、請求項1に記載の移動体通信システム。
  3. 記識別子が前記C−Planeに設定されている場合は、前記C−Planeに設定された制御信号を前記U−Planeに設定された情報信号よりも優先的に選択することを特徴とする、請求項1に記載の移動体通信システム。
  4. りまたは下りの同一通信用物理チャネルに対して同一無線フレームタイミングに前記情報信号および前記制御信号が存在する場合は、前記識別子が前記C−Planeに設定された前記制御信号を優先的に選択するとともに前記U−Planeに設定された情報信号は破棄し、前記同一無線フレームタイミングであるか否かは前記フレーム番号に基づいて判断することを特徴とする、請求項1に記載の移動体通信システム。
  5. 前記移動体通信システムは、通信衛星を介して端末局間で通信することができるシステムであって、
    前記端末局間で前記情報信号を授受する場合において、
    前記識別子については、前記端末局は前記U−Planeに設定し、
    前記在圏情報については、前記端末局は、衛星基地局から前記端末局に前記制御信号によって予め通知された、相手端末局の在圏エリアを形成する前記通信衛星から前記端末局向けのビーム番号を設定することを特徴とする、請求項1に記載の移動体通信システム。
  6. 前記通信衛星は、前記識別子が前記U−Planeに設定されている場合は、前記在圏情報に基づいたビームを介して前記情報信号を前記相手端末局に中継転送することを特徴とする、請求項5に記載の移動体通信システム。
  7. 前記移動体通信システムは、通信衛星を介して端末局間で通信することができるシステムであって、
    前記端末局が前記通信衛星のビーム間ハンドオーバを行う場合において、
    前記識別子については、前記端末局は前記C−Planeに設定し、
    前記在圏情報については、前記衛星基地局から前記端末局に前記ハンドオーバに供する前記制御信号を送信する場合は前記端末局の在圏エリアを形成する前記通信衛星から前記端末局向けのビーム番号を設定し、前記端末局から前記通信衛星にハンドオーバに供する前記制御信号を送信する場合は前記基地局向けであることを示す特殊コードを設定することを特徴とする、請求項1に記載の移動体通信システム。
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