JP4994374B2 - がんを治療するための化合物および方法 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、一般的には抗がん療法の分野に関する。さらに特定すると、本発明は有機ヒ素化合物、ならびに白血病および固形腫瘍のようながんの治療におけるそれら化合物の使用方法を提供する。
発明の背景
白血病治療における進歩にかかわらず、白血病に罹患した成人患者は疾患の進行で今なお死亡している。無機化合物である三酸化ヒ素については、再発性または難治性の急性前骨髄球性白血病(APL)に罹患した患者の治療にすでに認可されており、ほかのタイプの白血病に対する治療薬としても評価されている。一方、中国での予備的な治験データおよび米国での最近の使用経験から、ほかの血液学的がんにおいても三酸化ヒ素の同様な役割が示唆されている。したがって抗白血病薬剤としての三酸化ヒ素の活性については、現在多くのタイプの白血病で研究がなされている。それらの結果は研究がなされているいくつかのタイプの白血病での有効率に関しては好ましいといえるが、三酸化ヒ素の全身的な毒性が問題となる(Soignetら、1999;Wierniketら、1999;Geisslerら、1999;Rousselotら、1999参照)。
ヒト用に製造された唯一の有機ヒ素化合物(OA)であるメラルソプロールは、すでに抗白血病作用に関して評価されている(特許文献1および2参照)。この化合物は残念なことにトリパノソーマ病の治療で用いられる濃度域では白血病患者に対して極端な毒性を示す。したがって、血液学的悪性新生物および一般的ながんの治療に使用可能であって、三酸化ヒ素と同等またはそれ以上の活性を示す、より低毒性であるヒ素化合物誘導体の確立が必要とされている。
国際公開第9924029号パンフレット 欧州特許出願公開第1002537号明細書
発明の要旨
本発明は、抗がん特性を有する有機ヒ素化合物を提供する。ある実施形態では、本発明は式(I)または薬学的に許容されるその塩の構造を有するか、あるいは薬学的に許容されるそれらの塩であり、結晶型での融点が160℃超の化合物を提供する。
本発明のそのほかの目的、特徴および利点は、以下で説明される記述で明らかにされる。しかしながらそれら詳細な記述および特定な実施例が本発明の好ましい実施形態であるとしても説明の一部にすぎず、当業者であるならば本発明の精神および視野から逸脱しない範囲での変更および修正がその詳細記載からも自明であることも理解されよう。
発明の詳細な説明
本発明は多数の有機ヒ素化合物を提供する。
ある実施形態では、本発明の有機ヒ素化合物は式(I)の構造または薬学的に許容されるその塩の構造を有するか、あるいは薬学的に許容されるそれらの塩であり、結晶型での融点が160℃超、好ましくは170℃超、さらに好ましくは180度超の化合物である。
ある実施形態では、結晶型での化合物の融点は約160−220℃の範囲内、好ましくは約180−220℃の範囲内、さらに好ましくは約185−195℃の範囲内である。ある実施形態では、式(I)の化合物は実質的にピリジン塩酸塩を含有しない。
キラル中心が存在する場合では、異性体のすべての型は本発明の視野に入るものとする。立体化学については、絶対的な立体化学を定めるためのカーン−インゴールド−プレログ則に従う。カーン−インゴールド−プレログ則については、たとえば米国、マサツーセッツ州、Jones and Bartlett出版社刊、Fox and Whitesell編、Organic Chemistry(1994)、第5−6節、p.177−178に記載されており、その記載セクションはここで参照することによって参考文献として組込まれたものとする。
本発明の別の態様は、式(II)の化合物の合成方法に関する。
式(II)中、
XはSまたはSe、好ましくはSであり;
WはO,Sまたは(R)(R)であって、Rは各々、独立してHまたはC1−2アルキルであり、Wは好ましくはOまたは(R)(R)であり;
nは0または1、好ましくは1であり;
およびRは独立してC1−10アルキルであり、好ましくはRおよびRはメチル、エチル、プロピルおよびイソプロピルから独立して選択され;
は−HまたはC0−6アルキル−COORであり;
3’はH,アミノ、シアノ、ハロゲン、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラールキル、カルボキシル、C1−10アルキル、C1−10アルケニル、またはC1−10アルキニル、好ましくはHであり;
は−OH、−H、−CH、−OC(O)C1−10アラルキル、−OC(O)C1−10アルキル、−OC(O)アリール、またはグルタミンであり;
は−OH、シアノ、C1−10アルコキシ、アミノ、O−アラルキル、−OC(O)C1−10アラルキル、−OC(O)C1−10アルキル、−OC(O)アリール、またはグリシン置換基であり;
はHまたはC1−10アルキル、好ましくはHである。
この合成方法では、式(III)の構造を有する化合物と式
(R)(R)AsCl
の構造を有する化合物を水性またはアルコール性溶媒中で反応させることで、式(I)の化合物が提供される。
式(III)中、
は−HまたはC0−6アルキル−COORであり;
3’はH、アミノ、シアノ、ハロゲン、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、カルボキシル、C1−10アルキル、C1−10アルケニル、またはC1−10アルキニル、好ましくはHであり;
は−OH、−H、−CH、−OC(O)C1−10アラルキル、−OC(O)C1−10アルキル、−OC(O)アリール、またはグルタミン置換基であり;
は−OH、シアノ、C1−10アルコキシ、アミノ、O−アラルキル、−OC(O)C1−10アラルキル、−OC(O)C1−10アルキル、−OC(O)アリール、またはグリシン置換基であり;
はHまたはC1−10アルキル、好ましくはHである。
尚、そのような変換例については実施例2に示す。
ある好ましい実施形態では、RおよびRが独立してC1−10アルキル、好ましくはRおよびRがメチル、エチル、プロピルおよびイソプロピルから独立して選択される式
(R)(R)AsCl
の化合物を、水性またはアルコール性の溶媒系中、以下の式の構造を有する化合物と反応させることで式(I)の化合物が提供される。
ある好ましいそのような実施形態では、溶媒系には水およびエタノールが含まれる。ある実施形態では、エタノールに対する水の比(v/v)は約4:1と1:4との間、好ましくは約2:1と約1:2との間である。そのようなある好ましい実施形態では、エタノールに対する水の比(v/v)は約1:1である。好ましくはピリジンの存在下で化合物を反応させる。
本発明の別の態様は、ピリジン塩酸塩を混合することによる式(II)の化合物の精製方法に関し、その方法は以下の工程、
(a)式(II)の化合物を充分な量のエタノールと合わせてスラリーを形成する工程、
(b)そのスラリーをある時間攪拌する工程、および
(c)そのスラリーをろ過する工程
を含む。
ある実施形態では、ピリジン塩酸塩を混合した式(II)の化合物は、好ましくは窒素雰囲気下、200pf(純度100%)のエタノールでスラリー化される。
ある実施形態では、スラリーは約1時間から約24時間攪拌される。ある好ましい実施形態では、スラリーは約5時間から15時間、さらに好ましくは約8時間から約12時間攪拌される。
ある実施形態では、ろ過工程には洗浄工程が含まれる。ある実施形態では、洗浄工程はエタノールで行われる。ある好ましいそのような実施形態では、洗浄工程はエタノールとそれ以外の極性有機溶媒、好ましくはアセトンとを用いて行われる。
ある実施形態では、式(II)の化合物は以下の化合物である。
本発明の別の態様は、式
(CHAsCl
の化合物についての、実施例1で示される方法に類した合成方法に関し、その方法には式
(CHAs(O)OH
の構造を有する化合物を水/塩酸含有の酸性溶液に溶解し、その溶液に次亜リン酸を徐々に加える工程が含まれる。
さらに本発明は式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩、ならびに薬学的に許容される希釈剤または担体を含有する医薬組成物も提供する。ある実施形態では、医薬組成物はpHが約4を上回るかさらには約5を上回り、好ましくは約4から約8までの範囲またはさらには約5から約8までの範囲、さらに好ましくは約4から約7までの範囲またはさらには約5から約7の範囲である水溶液である。
ある実施形態では、本発明は式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩を含有し、水分含量が約10%未満、約7%未満、約5%未満、約3%未満、さらには約2%未満である医薬組成物に関する。そのようなある実施形態では、医薬組成物は凍結乾燥製剤である。
そのようなある実施形態では、凍結乾燥製剤は式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩を含有する水溶液の凍結乾燥によって調製される。ある実施形態では、凍結乾燥は約72時間以内、約60時間以内、約48時間以内、またはさらには約36時間以内で実施される。
ある実施形態では、凍結乾燥は温度を約−30℃、約−35℃、約−40℃、約−45℃、または約−50℃に下げて行われる。そのようなある実施形態では、温度は1分あたり約1.0、約0.7、約0.5、約0.3、または約0.1℃の降下率で低下させる。そのようなある実施形態では、続いて組成物は本明細書に記載されているようなある温度で約100分、約200分、約250分、約300分、約350分、または約400分間保持される。
ある実施形態では、続いて圧力が約200、約100、約75、約50、または約25Torrであるような減圧下に組成物が置かれる。そのようなある実施形態では、温度を約−10℃、約−5℃、約0℃、約5℃または約10℃に上げる。そのようなある実施形態では、温度は毎分約0.5、約0.3、約0.1、または約0.05℃の上昇率で上げる。そのようなある実施形態では、組成物は本明細書に記載されているようなある温度および圧力で約500、約700、約800、約1000、約1200、または約1400分間保持される。
ある実施形態では、続いて組成物は圧力を前述よりも約200、約100、約75、約50または約25Torr上げるか、または下げた減圧条件に置かれる。そのようなある実施形態では、温度を約15℃、約20℃、約25℃、約30℃または約35℃に上げる。そのようなある実施形態では、温度は毎分約0.5、約0.3、約0.1、または約0.05℃の上昇率で上げる。そのようなある実施形態では、組成物は設定された温度および圧力で約600、約700、約720、約740、約760、約780、約800、または約900分間保持される。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物に細胞を接触させる工程を含む細胞増殖抑制方法に関する。
本発明の別の態様は、前述のような式(I)の化合物を治療有効量で投与する工程を含むがんの治療方法を提供する。
さらに本発明はがん治療用医薬の製造における、前述のような式(I)の化合物の使用にも関する。
ある実施形態では、がんは脳、肺、肝臓、脾臓、腎臓、リンパ節、小腸、膵臓、血液細胞、骨、結腸、胃、乳房、子宮内膜、前立腺、精巣、卵巣、中枢神経系、皮膚、頭頸部、食道、または骨髄に生じるような固形腫瘍、あるいは白血病、急性前骨髄球性白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症、骨髄増殖性疾患または難治性貧血のような血液学的がんから選択される。そのようなある実施形態では、がんは急性および慢性の白血病から選択される白血病である。
したがって別の態様によれば、本発明にはがん患者の治療方法が含まれ、その方法は式Iの化合物を含む医薬組成物、または前述のような医薬組成物を患者に投与する工程を含む。化合物の治療有効量については0.1−1000mg/kg、1−500mg/kg、または10−100mg/kgとすることができる。特定の実施形態では、治療方法には毎週、週2回、またはさらには毎日組成物を投与する工程が含まれ得る。さらに、治療方法には毎日複数回投与する場合もあると考えられる。治療方法には化合物を毎日注射によるような手段で投与する工程が含まれ得る。本明細書に記載の代わりの投与経路および投与法も採用でき、投与手法についてはがんのタイプおよび場所に主として依存すると考えられる。ある実施形態では、治療方法にはさらに患者に一種または複数の追加の薬剤を投与する工程も含まれる。追加される薬剤としてはオールトランス型レチノイン酸、9−シス型レチノイン酸、Am−80、またはアスコルビン酸が挙げられる。化学療法、放射線療法、遺伝子治療、ホルモン療法のようなほかのがんのアジュバント療法、ならびに当業者に知られたそのほかのがん治療薬の使用についても、本発明の治療方法との併用が考えられる。
投与方法は種々考えられ、その中には局所投与、全身投与、直接投与および潅流(点滴)による投与が含まれる。そのような方法には注入、経口、静脈内、動脈内、腫瘍内、腫瘍性血管内、腹腔内、経気管、筋肉内、内視鏡下、病変内、経皮、皮下、局所、経鼻、バッカル、経粘膜、肛門性器内、直腸内などによる投与が挙げられる。
定義
「薬学的に許容される」という表現は、リガンド、素材、組成物、および/または剤形について指すのに本明細書で用いられ、それらについては正当な医学的判断の視野に入り、ヒトおよび動物の組織に接触させて用いるのに適し、かつ過度の毒性、刺激性、アレルギー反応またはそのほかの問題または合併症を伴わず、さらに合理的な有益性/リスク比に適合している。
「予防する」という用語は当分野で認められているものであり、(痛みなどの)局所的な再発の状態、がんのような疾患、心不全のような複合症候群またはそのほかのいずれかの医学的な状態に関して用いられる場合、当分野で充分に理解されるものであり、その意味には組成物が投与されると非投与の場合と比較して患者の医学的状態の症状の頻度または発症の遅延化を抑える組成物の投与が含まれる。したがって、がんの予防にはたとえば非治療対照患者群と比較しての予防療法群での検出可能ながん増殖の低下、および/または非治療対照患者群に対する治療群での検出可能ながん増殖出現の遅延化が挙げられ、それらはたとえば統計学的および/または臨床的に有意な量で検定される。感染症の予防としては、たとえば非治療対照患者群に対する治療群での感染症診断数の低下、および/または非治療対照患者群に対する治療群における感染症の発症の遅延化が挙げられる。痛みの予防としては、たとえば非治療対照患者群に対する治療群での痛み感覚の大きさの縮小、あるいはその遅延化が挙げられる。
「予防的または治療的」療法という用語は当分野で認められているものであり、その意味には一種または複数の対象組成物の宿主への投与が含まれる。望まれない状態(たとえば疾患、または宿主動物のほかの望まれない状態)が臨床上明らかになる前に投与が行われる場合、その療法を予防的とし(すなわち望まれない状態の進行から宿主を保護する)、それとは異なり、望まれない状態が明らかになった後で投与が行われる場合、その療法を治療的とする(すなわち望まれない状態または副作用の存在の低減化、改善または安定化が企図される)。
本明細書で用いられる「実質的に含まない」という用語は、5重量%未満、好ましくは2重量%未満、さらに好ましくは1重量%未満を指す。
対象の治療方法に関しての化合物の「治療上の有効量」とは、所望の投薬レジメンの一部として(哺乳類、好ましくはヒトに)投与すると、病気またはその状態についての臨床上許容される標準による症状の緩和、状態の改善またはその発症の遅延化がなされ、医療に適した合理的な有益性/リスク比での治療、またはたとえば美容上の目的が達成される製剤中の化合物(類)の量を指す。
本明細書で用いられる「治療する」または「治療」という用語には、症状、臨床上の徴候、および状態の基礎的病理の回復、低減または停止によって対象者の状態を改善または安定化することが含まれる。
がんの治療
本発明の有機ヒ素化合物は、すべての固形腫瘍、ならびに白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、骨随異型症または骨髄増殖性の病気などの血液学的癌を含めた多様ながんの治療に用いることができる。そのOA(organic arsenicals:有機ヒ素化合物)は、ほかの治療フォームに難治性を示す血液学的がんの治療にも使用可能である。
白血病は増血組織の悪性新生物であり、白血球の異常な増殖を特徴とし、主な4種類のタイプのがんのうちの一つである。白血病は際立って存在する白血球の型によって分類される。急性白血病では顕著な未分化細胞集団がみられ、慢性白血病ではより成熟した細胞の形成が見られる(国際公開第9924029号)。
急性白血病についてはリンパ芽球性のもの(ALL)および非リンパ芽球性のもの(ANLL)に分けられ、さらにフレンチ−アメリカン−ブリティッシュ分類、あるいは分化の型および分化度による形態学的および細胞化学的な現象で亜分類できる。特異的なB細胞またはT細胞、ならびに骨髄細胞の表面マーカー/抗原も分類に用いられる。ALLは小児に顕著な疾患であるが、急性骨髄性白血病としても知られているANLLについては、一般的には成人で多く見られる急性白血病である。
慢性白血病についてはリンパ球型のもの(CLL)および骨髄型のもの(CML)に分けられる。CLLの特徴は血液、骨髄およびリンパ組織中の成熟リンパ球の数が上昇することである。CLL患者のほとんどでは、B細胞の特性を備えたリンパ球のクローン性拡張が見られる。CLLは高齢者に多い疾患である。CMLでは、すべての分化段階で顆粒球性細胞が血液および骨髄中で優勢となるが、肝臓、脾臓およびそのほかの臓器にも影響を及ぼし得る。本発明のOAで治療され得るそのほかの悪性の血液学的疾患には、骨髄異型症、骨髄増殖性疾患、リンパ腫、および多発性骨髄腫が含まれるが、それらに限定されない。
医薬組成物
少なくとも一種の有機ヒ素化合物または追加の活性薬剤を含有する医薬組成物の調製については、当業者であるならば本発明の開示を考慮すると分かり、参考文献の例としてはRemington’s Pharmaceutical Sciences,18th Ed.Mack Printing Company,1990が挙げられ、ここで参照することにより本明細書に取込まれたものとする。さらに動物(たとえばヒト)への投与に対しては、組成物の調製はFDAの生物学的製剤基準で要求されるような滅菌、発熱物質、一般的な安全性および純度の基準に適合していなければならないことも理解されよう。
本明細書で用いられる「薬学的に許容される担体」には、溶媒、分散用媒体、コーティング剤、界面活性剤、酸化防止剤、保存剤(たとえば抗菌剤、抗真菌剤)、等張化剤、吸収遅延化剤、塩類、保存剤、薬物、薬物安定化剤、ゲル化剤、結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、芳香剤、色素、そのほかの類似素材およびそれらの組合わせのすべておよびいずれかが含まれ、それらは当業者にか既知のものといえる(たとえば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Ed.Mack Printing Company,1990,p.1289−1329参照。尚、ここで参照されることによって本明細書に組込まれる)。但し、一般的な担体が活性薬剤と配合禁忌である場合を除き、治療上または薬学上での組成物におけるその使用が企図される。
本発明の有機ヒ素化合物は、投与剤形が固体、液体またはエアゾルのいずれかに応じて、ならびに注入のような投与経路での滅菌状態の必要性に応じて、種々のタイプの担体と配合できる。本発明での投与は静脈内、皮内、動脈内、腹腔内、病変内、頭蓋内、関節内、前立腺内、胸膜内、気管内、鼻内、硝子体内、膣内、直腸内、局所、腫瘍内、筋肉内、腹腔内、皮下、結膜下、肺胞内、経粘膜、心膜内、臍内、眼内、経口、局所、局部内、注入、潅流、持続注入、標的細棒への直接的局所浸注入が可能であって、カテーテル経由、洗浄液経由、液体組成物(たとえばリポソーム)での状態、またはそのほかの方法、あるいはそれら方法の組合わせで実現でき、それらについては当業者に既知と考えられる(たとえば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Ed.Mack Printing Company,1990参照。尚、ここで参照されることによって本明細書に組込まれる)。
本発明の組成物の、患者に投与される実際の用量については、体重、重篤度、治療される疾患のタイプ、過去または同時発生的な治療介入、患者の突発的疾患および投与経路のような身体的および生理学的な諸因子で決定できる。投与に責任がある医療関係者は最低限、組成物中の活性薬剤(類)の濃度および個々の患者に適した用量(単数または複数)を定めることになる。
ある実施形態では、医薬組成物にはたとえば少なくとも約0.1%の有機ヒ素化合物が含有し得る。ほかの実施形態では、活性化合物が投与単位の約2%から約75%の間、あるいは約25%から約60%で含有可能であって、その範囲内で変更できる。ほかの限定されない実施例では、一回の投与での用量については、約0.1mg/kg体重、約0.5mg/kg体重、約1mg/kg体重、約5mg/kg体重、約10mg/kg体重、約20mg/kg体重、約30mg/kg体重、約40mg/kg体重、約50mg/kg体重、約75mg/kg体重、約100mg/kg体重、約200mg/kg体重、約350mg/kg体重、約500mg/kg体重、約750mg/kg体重から1000mg/kg体重またはそれ以上までとすることもでき、その範囲内で変更できる。本明細書で挙げた数値に基づく変更可能な範囲の非限定的な実施例では、前述の数値に基づき、たとえば約10mg/kg体重から約100mg/kg体重の範囲で投与できる。
いずれかの場合では、組成物には一種または複数の成分の酸化を遅らせる種々の酸化防止剤が含有し得る。さらに微生物の活動の防止のために、種々の抗菌剤および抗真菌剤のような保存剤も添加でき、それにはパラベン類(たとえばメチルパラベン類、プロピルパラベン類)、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールまたはそれらの組合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
本発明の有機ヒ素化合物は遊離の塩基、中和型または塩の型で組成物中に処方できる。薬学的に許容される塩にはたとえばナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、または水酸化第二鉄のような無機塩基、あるいはイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジンまたはプロカインのような有機塩基から誘導され、遊離カルボキシル基と形成される塩が含まれる。
組成物が液体剤型である実施形態では、担体は水、エタノール、ポリオール(たとえばグリセリン、プロピレングリコール、液状ポリエチレングリコールなど)、脂質(たとえばトリグリセリド、植物油、リポソーム)およびそれらの組合わせを含有する溶媒または分散媒体とすることができるが、それらに限定されない。適した流動性の維持を可能にするには、レシチンのようなコーティング剤の使用;たとえば液状ポリオールまたは脂質のように担体中に分散させることによる粒子の要求サイズの維持;たとえばヒドロキシプロピルセルロースのような界面活性剤の使用;あるいはそれらのような方法の組合わせが挙げられる。多くの場合では、たとえば糖類、塩化ナトリウムまたはそれらの組合わせのような等張化剤を含有させるのが好ましいと思われる。
滅菌された注入可能な溶液は、要求量の適合溶媒中に、必要ならば前述で挙げたほかの薬剤とともに活性化合物を取込ませ、ろ過によって滅菌し調製される。分散製剤については一般に、基本となる分散媒体および/またはほかの薬剤を含有する滅菌搬送体中に種々の滅菌活性薬剤を取込ませて調製される。注入可能な滅菌溶液、懸濁液またはエマルションの調製に用いられる滅菌粉剤の場合、その好ましい調製方法は、活性薬剤および所望により追加されるいずれかの薬剤を含有する液体媒体を予め無菌ろ過した後、減圧乾燥または凍結乾燥する工程を含む。液体媒体については、必要ならば適当に緩衝化し、注入前に充分量の生理食塩水またはグルコースでの液体希釈で一義的に等張化すべきである。直接注入用の高濃度型組成物の調製についても企図され、その場合は溶媒としてDMSO(ジメチルスルホキシド)の使用が考慮され、それによって狭い領域への極めて迅速な浸透および高濃度での送達が達成される。
組成物は製造条件下および保存条件下で安定であるべきで、細菌および真菌のような微生物の汚染作用から保護されなければならない。したがって、好適な組成物のpHは約5を上回り、好ましくは約5から約8、さらに好ましくは約5から約7である。エンドトキシン汚染については最低限、安全レベル、たとえば0.5ng/mg蛋白質未満の水準に維持されるべきと理解されよう。
特定の実施形態では、注入可能な組成物の吸収の遅延化は、たとえばモノステアリン酸アルミニウム、ゼラチンまたはそれらの組合わせのような吸収遅延化剤の使用によって達成できる。
併用療法
本発明の一つの態様によれば、有機ヒ素化合物は別の薬剤、または別の療法、好ましくは別のがん療法と併用して使用できる。有機ヒ素化合物は数分から数週間の間隔をあけてほかの薬剤療法の前後で使用できる。ほかの薬剤および発現構成体が細胞に別々に適用される実施形態では、薬剤と発現構成体との有益な併用効果が細胞に見られるように、両者の送達間隔があまり開かないようにすると一般に考えられる。そのような場合、例を挙げると、有機ヒ素化合物とともにほぼ同時(すなわち約1分以内)に2,3,4回またはそれ以上の投与回数で対象の細胞、組織または生物体に接触させることができると考えられる。ほかの態様によれば、一種または複数の薬剤は有機ヒ素化合物投与の前および/または後の約1分、約5分、約10分、約20分、約30分、約45分、約60分、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、約25時間、約26時間、約27時間、約28時間、約29時間、約30時間、約31時間、約32時間、約33時間、約34時間、約35時間、約36時間、約37時間、約38時間、約39時間、約40時間、約41時間、約42時間、約43時間、約44時間、約45時間、約46時間、約47時間および約48時間以内、あるいはそれ以上で投与できる。あるほかの実施形態では、薬剤は有機ヒ素化合物投与の前および/または後の約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、約14日、約15日、約16日、約17日、約18日、約19日、約20日から約21日までに投与できる。いくつかの状況では、有意義ならば治療期間を延ばすことも望めるが、その場合は各々の投与間隔(休薬期間)は数週間(たとえば約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8週間、またはそれ以上)とする。
以下のパターンに示す種々の併用療法を用いることができ、パターン中、有機ヒ素化合物は「A」であり、それ以外のいずれかの治療薬とすることができる第二の薬剤は「B」である。
A/B/A B/A/B B/B/A A/A/B A/B/B B/A/A
A/B/B/B B/A/B/B B/B/B/A B/B/A/B A/A/B/B
A/B/A/B A/B/B/A B/B/A/A B/A/B/A B/A/A/B
A/A/A/B/ B/A/A/A A/B/A/A A/A/B/A
本発明の治療用組成物の患者への投与については、もし必要ならば毒性を考慮して化学療法剤の投与に関する一般的なプロトコールに従うと思われる。治療サイクルが必要とされる分、繰返すことも予想される。種々の標準的な療法またはがんのアジュバント療法、ならびに外科的な治療介入についても、前述のヒ素薬剤と併用して適用できる。それらの療法には化学療法、放射線療法、免疫療法、遺伝子治療および外科手術が含まれるが、それらに限定されない。以下の項にがんのアジュバント療法のいくつかを記載する。
化学療法
がん療法には、化学物質に基づく療法および放射線に基づく療法の両方とも、多様な併用療法が含まれる。併用化学療法剤にはたとえば、シスプラチン(CDDP)、カルボプラチン、プロカルバジン、メクロレタミン、シクロホスファミド、カンプトテシン、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、ニトロスウレア、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、プリコマイシン、マイトマイシン、エトポシド(VP16)、タモキシフェン、ラロキシフェン、エストロゲン受容体結合因子、タキソール、ゲンシタビン、ナベルビン、ファルネシル−蛋白質トランスフェラーゼインヒビター、トランスプラチナ、5−フルオロウラシル、ビンクリスチン、ビンブラスチンおよびメトトレキサート、あるいはそれらの類似体または誘導体のいずれかが含まれる。
放射線療法
DNAに損傷を引起こし、これまでに広く用いられてきたほかのファクターには、γ線、X線および/または腫瘍細胞への直接的な放射性同位体の送達として一般的に知られているものが含まれる。ほかの形式のDNA損傷ファクターとしては、超音波および紫外線の照射のようなものも考えられる。それらファクターのすべてはDNA、DNA前駆体、DNAの複製および修復、ならびに染色体の集合および維持に対して広範な損傷効果を示すとされる。X線の照射量域は、1日当たり50−200レントゲンで長期間(3−4週間)から2000−6000レントゲンでの1回照射までとされる。放射性同位体についての投与範囲は幅が広く、同位体の半減期、放射される放射線の強度およびタイプ、ならびに新生物細胞の取込みに依存する。細胞に適用される場合の「接触された」および「露出された」という用語については、治療用構成物および化学療法剤または放射線療法剤が標的細胞に送達されるか、あるいはそれらが標的細胞に直接並置されることによるプロセスの説明のために本明細書で用いられる。細胞を殺したり静止化させるために、両薬剤は細胞を殺すかまたは細胞分裂を防止するのに有効な配合量で細胞に送達される。
免疫療法
免疫療法剤は一般に、がん細胞を標的化して破壊する免疫エフェクター細胞および分子の使用を前提とする。免疫エフェクターとは、たとえば腫瘍細胞表面のあるマーカーに特異的な抗体といえる。その抗体は単独で治療のエフェクターとして役立ち、ほかの細胞を補充して実際に殺細胞効果を持たせることができる。その抗体は薬物またはトキシン(化学療法剤、ラジオヌクレオチド、リシンA鎖、コレラ毒素、百日咳毒素など)にコンジュゲートして標的化剤としてのみの役割りも果たし得る。あるいはエフェクターは標的腫瘍細胞と直接的または間接的のいずれかで相互作用する表面分子を持つリンパ球であるともいえる。種々のエフェクター細胞には細胞障害性T細胞およびNK細胞が含まれる。
したがって、免疫療法は遺伝子治療と組合わせた併用療法の一部として使用可能と考えられる。併用療法についての一般的なアプローチについては、以下のように考察される。一般的に、腫瘍細胞はターゲッティング指向性のマーカーを必ず持つ。言い換えればそのマーカーはほかの細胞の大多数に存在しない。多くの細胞マーカーが存在し、それらのいずれもが本発明の意図するものとしてのターゲッティングに適していると言える。一般的な腫瘍マーカーには、がん胎児抗原、前立腺特異抗原、泌尿器腫瘍随伴抗原、胎児抗原、チロシナーゼ(p97)、gp68、TAG−72、HMFG、シアリル−ルイス抗原、MucA、MucB、PLAP、エストロゲン受容体、ラミニン受容体、erbBおよびp155が含まれる。
遺伝子治療
さらに別の実施形態では、二次的な治療は第一の治療薬の投与の前、後または同時に医療用ポリヌクレオチドが投与される二次的な遺伝子治療である。遺伝子産物をコードするベクターとともに治療薬剤が送達されると、標的組織に対する過剰増殖抑制の併用効果が示されるであろう。
外科手術
がん患者のおよそ60%は、予防的、診断または進行ステージ確認の目的で、治療的および寛解的な手術を含むある術式の外科手術を受けることになると考えられる。治療的外科手術は、本発明の療法、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、遺伝子治療、免疫療法および/またはそれらの代替療法のようなほかの療法とともに用いることができるがん療法の一つである。治療的外科手術には、がん組織の全体または一部を物理的に除去、摘出、および/または破壊する切除術が含まれる。腫瘍の切除術とは、腫瘍の少なくとも一部を物理的に除去することを指す。外科手術による治療には、腫瘍切除術のほかに、レーザー外科術、凍結外科術、電気外科術、および顕鏡制御下外科術(モーズ術)も含まれる。さらに、本発明は表在性がん、前がん、または付随する一定量の正常組織の除去とともに用いることもできると考えられる。
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すためのものである。当業者であるならば、実施例で開示された技法が、本発明の実現に充分機能し本発明者によって発見された技法に従い、それによってその開示技法が本発明の実現に好適な手法を構成するとみなせることが分かるであろう。しかしながら、当業者ならば本発明の開示を考慮すると、開示されている特定の実施形態、それに加えてさらに本発明の精神および視野から逸脱しない類似または同様な結果が得られる特定の実施形態において多くの変更が可能であることが分かる。
実施例1
ジメチルクロロアルシンの調製
3L容の三方丸底フラスコに、メカニカルスターラー部品、注入用漏斗、温度計および窒素導入口を取付け、冷却槽内に乾燥管を設置した。フラスコにカコジル酸(250g)および濃塩酸(825mL)を入れ、攪拌して溶解させた。カコジル酸が完全に溶解してから溶液を40℃に加温した。その攪拌中の溶液に次亜リン酸(HPO)(50%溶液、250g)を、反応温度40−50℃に保ちながら滴加した。およそ50mLのHPOを加えた後に溶液は曇り、反応温度の急激な上昇に応じて随時、外部冷却槽を用いて反応温度を40−50℃に維持した。HPOの添加は、所望の反応温度域に維持しながら継続した。HPOの添加完了後、反応液を攪拌しながら15分間40−45℃に保持した。外部冷却槽を取除き、さらに攪拌を継続した。反応液を攪拌しながら<30℃に冷却した。反応混合物の温度が30℃またはそれ以下に下がってから、塩化メチレン(300mL)を加え、攪拌して反応生成物を塩化メチレン中に抽出した。攪拌を止め、1/2時間以上放置して液層に分かれさせた。液層を分離し、塩化メチレン層を無水硫酸ナトリウム上、最低1時間攪拌して乾燥させた。尚、その混合物は窒素雰囲気下で最大72時間放置できる。有機性混合物をろ過して硫酸ナトリウムを除去し、塩化メチレンを常圧で留去した。残留した粗製生成物を、窒素雰囲気下で8’’Vigreuxまたは充填カラムに通して蒸留した。常圧で沸点が104−106℃である生成物画分を収集した。
実施例2
S−ジメチルアルシノグルタチオンの調製
5L容の三方丸底フラスコに、メカニカルスターラー部品、温度計、注入用漏斗および窒素導入口を取付け、冷却槽内に乾燥管を設置した。ポリエチレン製ボトルに還元型グルタチオン(200g)および脱イオン水(2L)を入れ、窒素雰囲気下で攪拌して固形物をすべて溶解させた。その混合物をろ過して不溶性物質を除き、ろ液を前述の5L容フラスコに移した。攪拌しながら200プルーフのエタノール(2L)を加え、得られた清橙な溶液を、氷/メタノール浴を用いて0−5℃に冷却した。ピリジン(120g)を加えた後、最低限1時間かけてMeAsCl(120g)を滴加した。反応混合物を0−5℃で最低限2時間撹拌し、冷却槽を取除いてからさらに攪拌しながら窒素雰囲気下で室温まで加温した。その反応混合物を窒素雰囲気下、室温で一晩(>15時間)攪拌して白色固体を沈殿させた。反応混合物を、オイル式真空ポンプを用いて35−45℃で濃縮してスラリーとし、白色固体残渣を生じさせた。水分を可能な限り除去した後、エタノールを用いる共沸法によって微量の水分を同時蒸発させた。得られた白色残渣を窒素雰囲気下、200プルーフのエタノール(5L)中でスラリーとし、室温で一晩攪拌した。白色残渣をろ集し、200プルーフのエタノールで洗浄(2×500mL)後、アセトン、特級品で洗浄(2×500mL)した。得られた固体を乾燥用トレイに移し、オイル式真空ポンプを用いて25−35℃で一晩減圧乾燥させて白色固体の、塩酸ピリジニウム不含のS−ジメチルアルシノグルタチオン、融点189−190℃を得た。
実施例3
S−ジメチルアルシノグルタチオン製剤の調製
注射用水(WFI)に溶解したS−ジメチルアルシノグルタチオンの溶液のpHを、NaOHまたはHClでpH5.0−5.5に調整した。得られた溶液を孔径0.2μmのSartopore 2フィルターを通してろ過し、Flexicon充填ユニットを用いて150mgずつ、タイプ1のホウ素ケイ酸ガラス製バイアル(Wheaton社製)に分注した。次に充填バイアルを、最初にHull48Lyophilizerユニット内の乾燥棚上に装填し、毎分0.5℃の降下率で−40℃まで下げ、以下の条件で凍結乾燥した。棚温を−40℃に300分間保持した。次に75ミクロンの減圧状態にし、棚温を毎分0.1℃の上昇率で5℃まで上げた。棚温を5℃で1000分間保持した後、減圧度を50ミクロンにした。次に棚温を毎分0.1℃の上昇率で25℃まで上げ、25℃で720分間保持した。次に棚温を5℃に下げ、最終の停止ステップまで保持し、最終ステップで窒素を用いてチャンバー内を640000mmTorrにもどし、バイアルを灰色のブチルゴム製の凍結乾燥用密栓で栓をし、最後にアルミニウムシールで巻き絞めを行って水分含量が1.8%で白色から灰白色の塊状のS−ジメチルアルシノグルタチオンを得た。凍結乾燥操作の全所要時間は47時間であった。さらに、その凍結乾燥状態のS−ジメチルアルシノグルタチオンを2.0mLの滅菌水で復元すると、S−ジメチルアルシノグルタチオンの最終濃度が75±7.5mg/mLであってpHが4.5−6.0の透明で無色の溶液が得られる。
等価物
当業者であるならば、ルーチンの実験法を用いるだけで、本明細書に記載の化合物およびそれらの使用方法に多くの等価物を認識するか、または確認できると思われる。そのような等価物については、本発明の視野の中に入るものとみなされ、以下の請求項に包含される。また当業者ならば、本明細書に記載の実施形態の組合わせが本発明の視野に入ることも認識されよう。

Claims (18)

  1. 結晶型での融点が180−200℃の範囲である、式(I)の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩の結晶型
  2. 前記化合物がピリジン塩酸塩を実質的に含まず、該ピリジン塩酸塩含量が、5重量%未満、2重量%未満、もしくは1重量%未満であるか、または該化合物がピリジン塩酸塩を含まない、請求項1に記載の結晶型。
  3. 請求項1−のいずれか1項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩の結晶型、ならびに薬学的に許容される担体または希釈剤を含有する医薬組成物。
  4. 水分含量が5%未満、または2%未満である、請求項に記載の医薬組成物。
  5. 前記医薬組成物が凍結乾燥物である、請求項3または4に記載の医薬組成物。
  6. 一種または複数のほかの薬剤または療法と組み合わせて使用するための、請求項1−のいずれか1項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩の結晶型を含有する医薬組成物であって、該ほかの薬剤または療法が、(i)シスプラチン(CDDP)、カルボプラチン、プロカルバジン、メクロレタミン、シクロホスファミド、カンプトテシン、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、ニトロスウレア、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、プリコマイシン、マイトマイシン、エトポシド(VP16)、タモキシフェン、ラロキシフェン、エストロゲン受容体結合因子、タキソール、ゲンシタビン、ナベルビン、ファルネシル−蛋白質トランスフェラーゼインヒビター、トランスプラチナ、5−フルオロウラシル、ビンクリスチン、ビンブラスチンおよびメトトレキサート、あるいはそれらの各類似体または誘導体から選択される化学療法剤または化学療法;(ii)化学療法剤、ラジオヌクレオチド、リシンA鎖、コレラ毒素および百日咳毒素から選択される薬物またはトキシンと必要に応じてコンジュゲートされる抗体から選択される免疫療法剤または免疫療法;あるいは(iii)遺伝子治療から選択される、医薬組成物。
  7. 請求項1−のいずれか1項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩の結晶型あるいは請求項3−6のいずれか1項に記載の医薬組成物の、固形腫瘍または血液学的がんのようながんを治療するための医薬の製造における使用。
  8. 請求項に記載の使用であって、前記がんが、脳、肺、肝臓、脾臓、腎臓、リンパ節、小腸、膵臓、血球、骨、結腸、胃、乳房、子宮内膜、前立腺、精巣、卵巣、中枢神経系、皮膚、頭頸部、食道、骨髄のがん、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症、骨髄増殖性疾患、または難治性の白血病、または急性前骨髄球性白血病である、使用。
  9. 前記薬学的有効量が、0.1−1000mg/kg体重、1−500mg/kg体重、または10−100mg/kgである、請求項7または8に記載の使用。
  10. 前記結晶型または前記組成物が毎日投与される、請求項7−9のいずれかに記載の使用。
  11. 前記結晶型または前記組成物が注入によって投与される、請求項7−10のいずれかに記載の使用。
  12. 請求項1−のいずれか1項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩の結晶型、あるいは請求項3または4のいずれか1項に記載の医薬組成物の、一種または複数のほかの薬剤または療法に併せて投与するための医薬の製造における使用であって、該ほかの薬剤または療法が、(i)シスプラチン(CDDP)、カルボプラチン、プロカルバジン、メクロレタミン、シクロホスファミド、カンプトテシン、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、ニトロスウレア、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、プリコマイシン、マイトマイシン、エトポシド(VP16)、タモキシフェン、ラロキシフェン、エストロゲン受容体結合因子、タキソール、ゲンシタビン、ナベルビン、ファルネシル−蛋白質トランスフェラーゼインヒビター、トランスプラチナ、5−フルオロウラシル、ビンクリスチン、ビンブラスチンおよびメトトレキサート、あるいはそれらの各類似体または誘導体から選択される化学療法剤または化学療法;(ii)γ線、X線および放射性同位体から選択される放射線療法;(iii)化学療法剤、ラジオヌクレオチド、リシンA鎖、コレラ毒素および百日咳毒素から選択される薬物またはトキシンと必要に応じてコンジュゲートされる抗体から選択される免疫療法剤または免疫療法;(iv)遺伝子治療;あるいは(v)固形腫瘍または血液学的ながんから選択されるがんの治療のための手術からなる群より選択される、使用。
  13. 請求項12に記載の使用であって、前記がんが、脳、肺、肝臓、脾臓、腎臓、リンパ節、小腸、膵臓、血球、骨、結腸、胃、乳房、子宮内膜、前立腺、精巣、卵巣、中枢神経系、皮膚、頭頸部、食道、骨髄のがん、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症、骨髄増殖性疾患、または難治性の白血病、または急性前骨髄球性白血病である、使用。
  14. 前記一種または複数のほかの薬剤または療法が抗体であり、該抗体が、がん胎児抗原、前立腺特異抗原、泌尿器腫瘍随伴抗原、胎児抗原、チロシナーゼ(p97)、gp68、TAG−72、HMFG、シアリル−ルイス抗原、MucA、MucB、PLAP、エストロゲン受容体、ラミニン受容体、erbBおよびp155から選択される腫瘍マーカーを標的とする、請求項12に記載の使用。
  15. 前記結晶型または前記組成物および前記一種または複数のほかの薬剤または療法が、前記結晶型または前記組成物の投与と同時、あるいは該投与の前または後の5分以内から48時間以内、または5分以内から1時間以内に受けさせるためのものである、請求項12−14のいずれか1項に記載の使用。
  16. 式(II)の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩の合成プロセスであって、
    式中、
    XがSまたはSeであり;
    WがO、Sまたは(R)(R)であって、Rの出現が各々、独立してHまたはC1−2アルキルであり;
    nが0または1であり;
    およびRが独立してC1−10アルキルであり;
    が−HまたはC0−6アルキル−COORであり;
    3’がH,アミノ、シアノ、ハロゲン、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、カルボキシル、C1−10アルキル、C1−10アルケニル、またはC1−10アルキニルであり;
    が−OH、−H、−CH、−OC(O)C1−10アラルキル、−OC(O)C1−10アルキル、−OC(O)アリール、またはグルタミンであり;
    が−OH、シアノ、C1−10アルコキシ、アミノ、O−アラルキル、−OC(O)C1−10アラルキル、−OC(O)C1−10アルキル、−OC(O)アリール、またはグリシン置換基であり;
    がHまたはC1−10アルキルであり、
    前記化合物の結晶型での融点が180−200℃の範囲であり、
    前記プロセスは、
    およびRが独立してC1−10アルキルである式:
    (R)(R)AsCl
    の構造を有する化合物と、以下の式(III)の構造を有する化合物とを、水性またはアルコール性溶媒系中で反応させる工程を含み、
    ここで、該式(III)は
    であって、式中、
    が−HまたはC0−6アルキル−COORであり;
    3’がH、アミノ、シアノ、ハロゲン、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、カルボキシル、C1−10アルキル、C1−10アルケニル、またはC1−10アルキニルであり;
    が−OH、−H、−CH、−OC(O)C1−10アラルキル、−OC(O)C1−10アルキル、−OC(O)アリール、またはグルタミン置換基であり;
    が−OH、シアノ、C1−10アルコキシ、アミノ、O−アラルキル、−OC(O)C1−10アラルキル、−OC(O)C1−10アルキル、−OC(O)アリール、またはグリシン置換基であり;
    がHまたはC1−10アルキルである、合成プロセス。
  17. 式(III)の前記化合物が、
    の構造を有する、請求項16に記載の合成プロセス。
  18. 前記組成物がpH4−7の範囲の水溶液である、請求項3に記載の医薬組成物。
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