JP4994149B2 - 物理量センサ - Google Patents

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Description

本発明は、物理量センサに関し、特に物理量センサの出力レベル変換回路の構成に関する。
現在では、さまざまな種類の物理量センサが利用されている。その中で特に、振動ジャイロに代表される角速度センサのセンサ出力の補正については多くの提案がなされている。
特許文献1に示した従来技術においては、物理量センサの検出感度(スケールファクタ)を、物理量センサの動作する電源電圧の変化に対して比例して変化させるための手法が提案されている。この従来の物理量センサにおいては、図5に示すように、検波回路2によって検波したセンサ素子1の出力信号を、さらに増幅回路6によって増幅出力する構成となっている。
増幅回路6としては、MOS素子7を入力抵抗とし、抵抗素子8を帰還抵抗とした、オペアンプ4による反転増幅回路を用いている。このMOS素子7のゲート電圧を、物理量センサの電源電圧に応じて変化する電圧でバイアスすることで、物理量センサの検出感度が調整可能になっており、特に電源電圧の変化に対して物理量センサの検出感度が比例して変化するようになっている。
この特性はレシオメトリックと呼ばれ、物理量センサの出力信号をセンサ外部でディジタル処理する場合などに有用な特性である。すなわち、このような出力特性を有する物理量センサに、センサの電源電圧に比例して変換分解能が変化するレシオメトリック対応A/D変換回路を組み合わせることによって、ある物理量をセンサに印加した場合のA/D変換後の出力データが、電源電圧変動の影響を受けない構成とすることができる。
特開2004−53396号公報(第4〜6頁、第1図)
従来技術の特許文献1の場合には、増幅回路6の増幅率はMOS素子7と抵抗素子8の抵抗比で決定する。抵抗素子8として、半導体チップ上に構成可能なポリシリコン抵抗素子や、外付けの抵抗素子を用いることが考えられる。
しかしながら、前述したポリシリコン抵抗素子や外付けの抵抗素子は前述のMOS素子7とは電気的特性に相関がないため、増幅回路の増幅率の絶対値誤差が大きくなるばかりでなく、周囲温度の変化によって増幅回路6の増幅率が大きく変化してしまうという問題があった。そのうえMOS素子7の抵抗成分は特性が非線形であるため、増幅回路6への入力信号の大きさによって増幅率が変化してしまい、物理量センサの検出感度の直線性が悪くなるという問題もあった。
本発明は上記の問題点を改善し、従来技術に比べ、検出感度が高精度な物理量センサを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、センサ素子の出力信号の信号レベルを調整する検出回路において、増幅率が回路素子特性や周囲温度の特性に依存しない構成とするもの
である。
上述した従来の増幅回路では、センサ素子の出力信号を増幅する際、電源電圧の変化に対して物理量センサの検出感度を比例させて変化させる構成において、電源電圧の変化分以外の要素によって増幅率が変化することがあり、これが物理量センサの検出感度の精度を悪化する要因となっている。
本発明の物理量センサは、センサ素子の出力信号の増幅において、電源電圧の変化に対して物理量センサの検出感度を比例させて変化させるために、従来のMOS素子のゲート電圧のバイアス電圧を電源電圧に応じて変化させる構成に代えて、センサ素子の出力信号の信号レベルを調整する検出回路を用いる。
この検出回路は、分圧比が可変である設定回路を備えた増幅回路と、分圧比が可変である参照設定回路を備えた制御回路とを有する。この制御回路は、電源電圧の変動によって参照設定回路の分圧比を変化させ、この変化した分圧比と同じになるように設定回路の分圧比を連続的に制御することで、増幅回路からの出力信号が電源電圧の変動に連動する。
このようにすることにより、増幅回路の増幅率は参照設定回路の状態が電源電圧によって変化した分だけ変化するが、参照設定回路および設定回路自身の変化は相殺するので、回路素子特性に起因する増幅率の変動を抑制することができる。
また、増幅回路の増幅率を設定するのに最低限必要な条件である抵抗比だけを制御する構成とすることで、回路構成を簡素かつ高精度とすることができる。特にこの抵抗比を連続的に制御できる構成とすることで、電源電圧の変化に対して増幅回路の増幅率を滑らかに追従させることができる。
またその際、センサ素子からの信号増幅に直接関わらない、参照設定回路の抵抗比を用いることで、センサ信号の出力を中断することなく動的に増幅回路の増幅率を設定することが可能である。
また、制御回路は、参照設定回路において電源電圧を分圧した分圧値が一定電圧となるように制御する。設定回路と参照設定回路は、それぞれに抵抗値を可変できる第1の可変抵抗素子と第2の可変抵抗素子とを備える。
このようにすることで、電源電圧の変化を検知する分圧回路そのものを使って増幅回路の増幅率を設定するための制御情報を得ることができるため、回路構成を簡素かつ高精度にすることができる。さらに、制御回路の不安定化を招くような余計な回路要素を排除できるため、動作の安定な制御回路を構成することができる。特に増幅回路にオペアンプを用いた、いわゆる非反転増幅回路を用いる場合に有用な構成となる。
また制御回路は、電源電圧に比例した比例電圧に一定電圧を加算して加算電圧を生成し、参照設定回路においてこの加算電圧を分圧した分圧値が比例電圧と同じになるように制御する。
このようにすることで、電源電圧の変化を検知する分圧回路そのものを使って増幅回路の増幅率を設定するための制御情報を得ることができるため、回路構成を簡素かつ高精度にすることができる。さらに、制御回路の不安定化を招くような余計な回路要素を排除できるため、動作の安定な制御回路を構成することができる。特に増幅回路にオペアンプを用いた、いわゆる反転増幅回路を用いる場合に有用な構成となる。
また、制御回路は、電源電圧の変動に応じて第1の可変抵抗素子と第2の可変抵抗素子の抵抗比が同じになるように第1の可変抵抗素子と第2の可変抵抗素子を制御する。
第1の可変抵抗素子と第2の可変抵抗素子とを同様の素子で構成し、この2つの可変抵抗素子を制御する信号を共通にすれば、この2つの可変抵抗素子の抵抗比は温度変化なども含めて一定にすることができ、結果として電源電圧の変化に対して増幅回路の増幅率を正確に変化させることが可能となる。
また、制御回路は、電源電圧の変動に応じて第1の可変抵抗素子と第2の可変抵抗素子の抵抗値が同じになるように第1の可変抵抗素子と第2の可変抵抗素子を制御する。
第1の可変抵抗素子と第2の可変抵抗素子とを同様の構成とし、この2つの可変抵抗素子を同一の半導体チップ内の近接した位置に配置し、この2つの可変抵抗素子を制御する信号を共通にすれば、相対的な製造誤差の影響を極小にできるため、それぞれの可変抵抗素子は抵抗値が高い精度で同じとなり、結果として電源電圧の変化に対して増幅回路の増幅率を正確に変化させることが可能となる。
また、設定回路および参照設定回路に直線性の高い電圧電流変換回路(トランスコンダクタンス回路)を用いることで、物理量センサに入力される物理量に対し、出力信号の直線性も向上させることができる。
以上により、本発明の物理量センサは、回路素子特性に起因する増幅率の変動、および電源電圧の変化分以外に起因する増幅率の変動を抑制して、回路素子特性や周囲温度等の特性の影響を受けることなく、物理量センサの検出感度を電源電圧の変化に比例させて変化させることができる。
本発明によれば、検出回路に備えた増幅回路の増幅率を電源電圧に応じて変化させることができ、センサ検出感度が安定かつ高精度なレシオメトリック特性を備えた物理量センサを提供することが可能となる。
また、必要最低限の簡素な回路構成によって動作が高精度かつ安定であって、増幅率が電源電圧変化に連続的に追従するような増幅特性を増幅回路に与えることができる。
(第1の実施の形態)
以下図1を用いて本発明の概略構成を説明し、図2を用いて本発明の第1の実施の形態における増幅回路および制御回路の構成を説明し、図3を用いて本発明の第1の実施の形態における設定回路あるいは参照設定回路の構成を説明する。
まず、図1〜図3を用いて本発明の物理量センサの全体構成について説明する。図1は本発明の物理量センサの全体構成を示すブロック図であり、図2および図3は物理量センサの構成形態を説明するための回路図である。
本発明の物理量センサは、センサ素子10と駆動回路80と検出回路100とで構成している。
センサ素子10は、例えば音叉形状に形成した圧電材料の表面に金属電極を配して構成した、回転角速度を検知するジャイロ振動子であり、駆動部11と検出部12を備えている。センサ素子10は駆動回路80によって発振駆動され、このセンサ素子10が振動中
に回転角速度を受けると、微弱な交流信号がセンサ素子出力S1として検出部12から出力される。
駆動回路80には、センサ素子10の駆動条件を一定化する機能、例えば電源電圧Vddの変動の影響を受けない高精度の定電流源(図示せず)から得る電流値と、センサ素子10の励振電流の実効値とが等しくなるように発振制御する機能を有するものを用いる。あるいは、駆動回路80に、電源電圧Vddの変動の影響を受けず一定の電圧を出力する定電圧回路を用い、この一定電圧を基準にセンサ素子10の励振電流を安定化するような構成でもよい。
さらに、検出回路100は、センサ素子10の検出信号の出力から必要な信号成分を増幅、検波および平滑化する検波回路20と、検波回路20の出力信号を増幅する増幅率を調整して、物理量センサの検出感度を物理量センサの動作する電源電圧の変化に対して比例して変化させる増幅回路60と、増幅回路60の増幅率を決定する制御回路50とで構成する。なお、検波回路20と増幅回路60とが検出回路100を構成しているが、検出回路内での接続順は一例であり、これに限定しない。
検波回路20は、センサ素子10から得られたセンサ素子出力S1を検波および増幅し、直流化した信号を出力する回路である。検波回路20からは検波出力S2が出力される。センサ素子10及び検波回路20の構成は、一般に知られている回路であるので説明は省略する。
増幅回路60は、検波回路20によって検波および増幅された検波出力S2を所定のレベル、すなわち物理量センサの検出感度を調整して外部へ物理量センサ出力S6として出力する信号レベル変換回路である。
中点電圧生成回路90は物理量センサに印加する電源電圧Vddの1/2の電圧値を出力する電圧源である。中点電圧生成回路90は検波回路20や増幅回路60が動作する際の零点レベルに相当する中点電圧Vm(例えば電源電圧Vddが5.0Vの場合は2.5V)を供給する。
増幅回路60を用いた増幅率の設定において、電源電圧Vddの変化分以外の温度変化分等の変動要素は、制御回路50によって除かれ、電源電圧Vddの変化のみによって増幅率が設定される。これによって、電源電圧Vdd以外の変動に起因する増幅率の変動を抑制することができる。
従って、本発明の物理量センサは、回路素子特性に起因する増幅率の変動、および電源電圧以外の変動に起因する増幅率の変動を抑制して、回路素子特性や周囲温度等の特性の影響を受けることなく、物理量センサの検出感度を電源電圧の変化に比例させて変化させることができる。
次に、図2を用いて増幅回路60および制御回路50の構成について説明する。図中、符号51は基準電圧回路、60は増幅回路、50は制御回路である。増幅回路60と制御回路50は前述の検波回路20と同一の半導体チップ上に構成することができる。
増幅回路60は、オペアンプ61と設定回路62とで構成する。増幅回路60は設定回路62の状態によって増幅率が変えられる可変ゲインアンプである。設定回路62は抵抗素子62aと可変抵抗素子62b(本発明の第1の可変抵抗素子に相当する)とで構成している。増幅回路60は非反転増幅回路として機能するものであり、その増幅率Aが次式のように定まるような接続となっている。
A=1+{抵抗素子62aの抵抗値}/{可変抵抗素子62bの抵抗値}
可変抵抗素子62bは、制御端子Cに印加する電圧値により抵抗値が可変である可変抵抗回路である。可変抵抗素子62bの構成については後述する。また、抵抗素子62aは抵抗値が固定の線形抵抗素子である。本例では、増幅回路60に入力される信号は、検波回路20ですでに平滑化されるとしているので、単純化のため、設定回路62は直流的なインピーダンスが可変であるようにしている。
制御回路50は、基準電圧回路51と、参照設定回路52と、比較回路53とで構成する。基準電圧回路51は、中点電圧Vmからみて電源電圧Vdd側へ所定の電圧値を出力する定電圧回路である。基準電圧回路51の出力は第1の参照信号S51とし、第1の参照信号S51の電圧値は0.5Vであるとする。第1の参照信号S51は、電源電圧Vddに依存せず一定である。
参照設定回路52は、抵抗素子52aと可変抵抗素子52b(本発明の第2の可変抵抗素子に相当する)とで構成している。参照設定回路52は物理量センサの増幅率を設定するためのものであり、増幅回路60に含まれる設定回路62と同様の構成のものとする。すなわち、抵抗素子52aは抵抗値が固定の線形抵抗素子であり、可変抵抗素子52bは制御端子Cに印加する電圧値により抵抗値が変えられる可変抵抗回路である。
この設定回路62および参照設定回路52を構成する各抵抗素子は、素子寸法を同一とし、半導体チップ内で近接した位置に配置する。このようにすることで設定回路62と参照設定回路52とはほとんど同じ特性を示す回路となる。よって参照設定回路52と設定回路62の分圧比は製造誤差や温度変化分を含め、極めて高い精度で等しくなる。
参照設定回路52は、抵抗素子52aと可変抵抗素子52bとを直列に接続したものであり、これを電源電圧Vddと中点電圧Vmとの間に挿入することで、電源電圧Vddと中点電圧Vmとの間の中間的な電圧を分圧出力する。この分圧出力は第2の参照信号S52とした。
比較回路53は差動増幅回路であり、第1の参照信号S51と第2の参照信号S52との電圧差を増幅して出力する。比較回路53の出力信号である制御信号S5は、設定回路62と参照設定回路52との制御端子Cに入力される。これにより、設定回路62と参照設定回路52との状態が連動し、両設定回路の分圧比が等しくなる。
制御回路50は、参照設定回路52の出力が電源電圧Vddの変化に依らず一定となるよう設定するフィードバック系を構成する。このフィードバック系において、参照設定回路52の出力である第2の参照信号S52が第1の参照信号S51より高ければ可変抵抗素子52bのインピーダンスを下げ、逆に第2の参照信号S52が第1の参照信号S51より低ければ可変抵抗素子52bのインピーダンスを上げるよう動作する。
比較回路53が出力するフィードバック信号である制御信号S5は、可変抵抗素子52bおよび可変抵抗素子62bの制御端子Cへ入力される。この構成により、第1の参照信号S51と、第2の参照信号S52とを電源電圧Vddの変化に依らず常に等しくすることができる。
ここで、制御回路50によって、増幅回路60の増幅率が電源電圧Vddに比例するように制御される動作について説明する。中点電圧Vmは電源電圧Vddのちょうど1/2であるので、中点電圧Vmと電源電圧Vddの電圧差も電源電圧Vddのちょうど1/2である。
参照設定回路52の分圧比rは
r={可変抵抗素子52bの抵抗値}/({抵抗素子52aの抵抗値}+{可変抵抗素子52bの抵抗値})
であるので、第2の参照信号S52の電圧値は
{第2の参照信号S52の電圧値}=r・{電源電圧Vdd}/2
となる。
比較回路53によるフィードバック制御により、第1の参照信号S51と第2の参照信号S52とは等しくなるよう動作するので、第2の参照信号S52の電圧値は電源電圧Vddの変化に依らず一定(本例では第1の参照信号S51の電圧値である0.5V)となる。整理すると、
1/r={電源電圧Vdd}/{第1の参照信号S51の電圧値}/2
であり、これから
1/r∝{電源電圧Vdd}
となることが導ける(記号∝は比例の意味)。
増幅回路60の増幅率は設定回路62によって定まることは先に示したとおりである。また設定回路62と参照設定回路52とは同じ半導体チップ内の同様の構成としてあり、かつ制御端子Cにも同じ信号を入力しているため、抵抗素子62aと抵抗素子52a、可変抵抗素子62bと可変抵抗素子52bとの抵抗値はそれぞれが高精度で等しくなることが保証される。
よって増幅回路60の増幅率Aは、
A=1+{抵抗素子62aの抵抗値}/{可変抵抗素子62bの抵抗値}
=1+{抵抗素子52aの抵抗値}/{可変抵抗素子52bの抵抗値}
=1/r
∝{電源電圧Vdd}
となる。
すなわち、増幅回路60の増幅率は電源電圧Vddに比例して変化することとなり、この結果、物理量センサの検出感度は電源電圧Vddに比例したレシオメトリック出力となるよう制御されることが分かる。
本実施の形態では特に、基準電圧回路51の出力電圧値を0.5Vとしたため、第2の参照信号S52も0.5Vとなる。よって電源電圧Vddが5.0Vの時には、参照設定回路52は電源電圧Vddと中点電圧Vmとの間の電圧である2.5Vを1/5に分圧して出力するよう制御が行われる。この場合、増幅回路60の増幅率Aは5.0となり、電源電圧Vddを変化させるとこの変化に比例して増幅率Aも変化する。
なお、本実施の形態においては、増幅回路を構成する参照設定回路の抵抗比を動的に制御するようにしてある。一般に、オペアンプを使った非反転増幅回路は、オペアンプに接続する抵抗素子の抵抗比だけで増幅率が決まる。本実施の形態では、増幅回路の抵抗比だけを制御しているため、アンプ単体の増幅率を可変にするような複雑な制御系が不要であり、効率的かつ高精度化が可能な構成となっている。
また特に、本実施の形態においては、電源電圧の変化を参照設定回路から得られるようにしてある。回路系が自身に印加される電源電圧の状態を検知するには、電源電圧を分圧するなどして電源電圧をそれより低い電圧値に変換する必要があるが、本実施の形態では、設定回路の抵抗比を決めるのに必要な参照設定回路をそのまま電源電圧の検知に用いる
ため、余計な回路要素が必要なく効率的な構成となっている。
さらに、本実施の形態においては、制御回路50は安定性が保証できる構成としてある。一般に、電圧増幅段を3段以上有する帰還回路は異常発振が起こり易く安定化が難しいことが知られている。本実施の形態では、第2の参照信号S52が第1の参照信号S51と等しくなる帰還回路(いわゆるボルテージフォロワ)を構成しているが、電圧増幅機能があるのは比較回路53と参照設定回路52である。
すなわち増幅段数としては高々2段構成のアンプであるため、周知の帰還回路技術によって安定化が容易な構成となっている。特に図示はしないが、最も簡単で確実な安定化手法としては、例えば第2の参照信号S52と制御信号S5との間に適切な容量値の位相補償容量を接続することが挙げられる。
次に、図1を用いて本発明の物理量センサの動作について説明する。
物理量センサに電源電圧Vddを印加すると、駆動回路80はセンサ素子10の駆動部11を所定の電流値で交流駆動を開始する。前記のように駆動回路80の駆動電流は電源電圧変動の影響を受けないので、駆動部11は常に安定した発振状態となる。
この状態で物理量センサに回転角速度を印加すると、回転角速度に応じた振幅を持つ交流信号がセンサ素子出力S1に現れる。このセンサ素子出力S1を検波回路20が検波し、所定の直流信号へと変換する。
増幅回路60は所定の増幅率を有する増幅回路として動作し、検波出力S2を増幅した角速度信号をセンサ出力S6として出力する。センサ素子10の駆動条件は常に一定であるため、検波出力S2の信号は電源電圧Vddの影響を受けず、ある回転角速度の印加に対して信号のレベルは一定となる。
しかしながら、前述のとおり、増幅回路60の増幅率は電源電圧Vddに比例して変化する。よって物理量センサの電源電圧Vddが増加すると、その変化に比例して物理量センサの検出感度が増加する。この結果、増幅回路60から出力されるセンサ出力S6の出力信号レベルが増加する。すなわち物理量センサは、検出感度がレシオメトリック特性となるようにレベル変換動作することが可能となる。
例として、物理量センサに同じ回転角速度を与えた場合であっても、電源電圧Vddを5%増加させた場合は、センサ出力S6は5%信号レベルが増加する。また、上記とは逆に物理量センサの電源電圧Vddを減少させた場合は、センサ出力S6の信号レベルが電源電圧Vddの減少に比例して低下する。
またその際、増幅回路60は常にセンサ素子出力S1の増幅動作を行っており、増幅率が変化している間もセンサ出力S6を滑らかにかつ連続的に出力し続けることが可能なことは明らかである。
なお、本実施の形態において増幅率の精度は基準電圧回路51の絶対電圧値および温度特性に依存するが、これは既によく知られた定電圧回路技術によって極めて高精度にトリミング可能であるため、増幅回路60の増幅率は、温度特性も含めて極めて高精度化が可能となる。
さらに設定回路62と参照設定回路52とを同一半導体チップ上に同様の構成で形成することにより、半導体製造誤差から生じる増幅率の相対誤差を小さくできるため、電源電
圧Vddの変化を増幅回路60の増幅率へ正確に反映させることができる。
特に設定回路62と参照設定回路52とは同一の半導体チップ内で近接させ、かつ方向を揃えて配置することで、設定回路62と参照設定回路52とを極めて特性が近い分圧回路とすることができ、結果として物理量センサの増幅率設定誤差を極小にできる。これらから物理量センサの検出感度の高精度化を実現することが可能となる。
ここで本実施の形態における設定回路62、参照設定回路52の構成例について簡単に説明する。
設定回路62、参照設定回路52は抵抗素子52a、62aと電圧電流変換回路42とで構成する。電圧電流変換回路42は、いわゆる差動回路をMOSトランジスタによって構成した電圧−電流変換(トランスコンダクタンス)回路であり、入力端子間電圧に比例した電流を流す(吸い込む)回路である。
入力電圧から出力電流への変換係数は差動回路のバイアス電流で制御可能であり、このバイアス電流を制御端子Cへの電圧によって可変であるように構成することができる。なお、電圧電流変換回路42は前述の実施形態における設定回路62の可変抵抗素子62bと参照設定回路52の可変抵抗素子52bに相当する。
電圧電流変換回路42は入出力間を帰還させることで、そのまま印加した電圧によって流れる電流が変わる回路、すなわち抵抗素子として動作させることができる。制御端子Cへの印加電圧を変えることでこの等価的な抵抗値を変えることが可能なので、入出力間を帰還させた電圧電流変換回路42と抵抗素子52a、62aとを直列接続することにより、分圧比が可変の回路を実現できる。
また、電圧電流変換回路42として、電圧から電流への変換係数の直線性の高い回路を選ぶことで、設定回路62、参照設定回路52の全体を線形抵抗と同等に機能させることができ、これにより物理量センサの検出出力に高い直線性を持たせることが可能である。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態の説明では、増幅回路60としては、オペアンプを用いた非反転増幅回路を用いる形態としたが、増幅回路60を反転増幅回路として用いることも可能である。この形態である第2の実施の形態について図4を用いて簡単に説明する。第2の実施の形態は、第1の実施の形態と結線が異なるだけであるので、その相違点についてのみ説明する。
図4における増幅回路60は、帰還抵抗に抵抗素子62aを、入力抵抗として可変抵抗素子62bを接続した反転増幅回路を構成している。反転増幅回路は、入力抵抗と帰還抵抗との抵抗比がそのまま増幅率の絶対値となる。すなわち増幅率Aは
A=−{可変抵抗素子62bの抵抗値}/({抵抗素子62aの抵抗値}
となる。
制御回路50は、可変抵抗素子52bと抵抗素子52aとを直列に接続することで、第1の参照信号S51と接地との間の電圧を分圧し、この分圧値である第2の参照信号S52が中点電圧Vmと等しくなるように比較回路53が制御できるような接続となっている。なお、本実施の形態における中点電圧Vmは、本発明における電源電圧に比例する比例電圧に相当し、本実施の形態における第1の参照信号S51と接地との間の電圧は、本発明における加算電圧に相当する。
この場合の参照設定回路52での分圧比rは
r={抵抗素子52aの抵抗値}/({抵抗素子52aの抵抗値}+{可変抵抗素子52bの抵抗値})
であるので、第2の参照信号S52の電圧値は
{第2の参照信号S52の電圧値}=r・({電源電圧Vdd}/2+{第1の参照信号S51の電圧値})
となる。
比較回路53によるフィードバック制御により、中点電圧Vmと第2の参照信号S52とは等しくなるよう動作するので、これを整理すると、
{第1の参照信号S51の電圧値}={電源電圧Vdd}・{可変抵抗素子52bの抵抗値}/{抵抗素子52aの抵抗値}/2
であり、これから
{電源電圧Vdd}∝{抵抗素子52aの抵抗値}/{可変抵抗素子52bの抵抗値}となる。
この例の場合でも、参照設定回路52と設定回路62との関係は同じであり、それぞれの抵抗比は同じとなるので、結果として増幅回路60の増幅率Aは、
A=−{抵抗素子62aの抵抗値}/{可変抵抗素子62bの抵抗値}
=−{抵抗素子52aの抵抗値}/{可変抵抗素子52bの抵抗値}
∝{電源電圧Vdd}
となり、増幅回路60に反転増幅回路を用いた場合でも、第1の実施の形態と同等の機能が実現できることが分かる。
以上、本発明の実施形態による物理量センサについて説明した。本発明によれば、製造誤差や温度変化の影響を受けにくい安定した検出感度を有する物理量センサが実現できる。その上さらに、センサ検出出力が高い直線性を有する物理量センサも実現できる。
本発明は、振動ジャイロを代表とする角速度センサや磁気センサ、加速度センサなどの幅広い種類の物理量センサの出力信号レベル調整に適用することが可能である。
本発明の物理量センサの全体構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態における物理量センサの要部回路構成を説明するための回路図である。 本発明の第1及び第2の実施の形態における物理量センサの設定回路と参照設定回路の構成を説明するための回路図である。 本発明の第2の実施の形態における物理量センサの要部回路構成を説明するための回路図である。 従来技術の物理量センサを示す回路図である。
符号の説明
10 センサ素子
11 駆動部
12 検出部
20 検波回路
40 設定回路
41 抵抗素子
42 電圧電流変換回路
50 制御回路
51 基準電圧回路
52 参照設定回路
53 比較回路
60 増幅回路
61 オペアンプ
62 設定回路
62a、52a 抵抗素子
62b、52b 可変抵抗素子
80 駆動回路
90 中点電圧生成回路
100 検出回路
S1 センサ素子出力
S2 検波出力
S51 第1の参照信号
S52 第2の参照信号
S5 制御信号
S6 センサ出力
Vdd 電源電圧
Vm 中点電圧

Claims (6)

  1. 外部から印加された物理量を電気信号に変換するセンサ素子と、電源を印加することにより前記センサ素子の出力信号を検波および増幅する検出回路とを有する物理量センサにおいて、
    前記検出回路は、分圧比が可変である設定回路を備えた増幅回路と、分圧比が可変である参照設定回路を備えた制御回路とを有し、
    この制御回路は、前記電源電圧の変動によって前記参照設定回路の分圧比を変化させると共に、この変化した分圧比と同じになるように前記設定回路の分圧比を連続的に制御することで、前記増幅回路からの出力信号が前記電源電圧の変動に連動することを特徴とする物理量センサ。
  2. 前記制御回路は、前記参照設定回路において前記電源電圧を分圧した分圧値が一定電圧となるように制御することを特徴とする請求項1に記載の物理量センサ。
  3. 前記制御回路は、前記電源電圧に比例した比例電圧に一定電圧を加算した加算電圧を生成し、前記参照設定回路において前記加算電圧を分圧した分圧値が前記比例電圧と同じになるように制御することを特徴とする請求項1に記載の物理量センサ。
  4. 前記設定回路と前記参照設定回路は、それぞれに抵抗値を可変できる第1の可変抵抗素子と第2の可変抵抗素子とを備え、
    前記制御回路は、前記電源電圧の変動に応じて前記第1の可変抵抗素子と前記第2の可変抵抗素子との抵抗比が同じになるように前記第1の可変抵抗素子と前記第2の可変抵抗素子を制御することを特徴とする請求項2または3に記載の物理量センサ。
  5. 前記設定回路と前記参照設定回路は、それぞれに抵抗値を可変できる第1の可変抵抗素子と第2の可変抵抗素子とを備え、
    前記制御回路は、前記電源電圧の変動に応じて前記第1の可変抵抗素子と前記第2の可変抵抗素子の抵抗値が同じになるように前記第1の可変抵抗素子と前記第2の可変抵抗素子を制御することを特徴とする請求項2または3に記載の物理量センサ。
  6. 前記設定回路および前記参照設定回路は、電圧電流変換回路を含む回路であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の物理量センサ。
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