JP4992076B2 - 股関節運動シミュレータ - Google Patents

股関節運動シミュレータ Download PDF

Info

Publication number
JP4992076B2
JP4992076B2 JP2006100440A JP2006100440A JP4992076B2 JP 4992076 B2 JP4992076 B2 JP 4992076B2 JP 2006100440 A JP2006100440 A JP 2006100440A JP 2006100440 A JP2006100440 A JP 2006100440A JP 4992076 B2 JP4992076 B2 JP 4992076B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
model
hip joint
link
pelvis
femoral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006100440A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007272116A (ja
Inventor
量夫 木口
孝夫 佛淵
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NATIONAL UNIVERSITY CORPORATION SAGA UNIVERSITY
Original Assignee
NATIONAL UNIVERSITY CORPORATION SAGA UNIVERSITY
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NATIONAL UNIVERSITY CORPORATION SAGA UNIVERSITY filed Critical NATIONAL UNIVERSITY CORPORATION SAGA UNIVERSITY
Priority to JP2006100440A priority Critical patent/JP4992076B2/ja
Publication of JP2007272116A publication Critical patent/JP2007272116A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4992076B2 publication Critical patent/JP4992076B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F2/00Filters implantable into blood vessels; Prostheses, i.e. artificial substitutes or replacements for parts of the body; Appliances for connecting them with the body; Devices providing patency to, or preventing collapsing of, tubular structures of the body, e.g. stents
    • A61F2/02Prostheses implantable into the body
    • A61F2/30Joints
    • A61F2/46Special tools or methods for implanting or extracting artificial joints, accessories, bone grafts or substitutes, or particular adaptations therefor
    • A61F2/468Testing instruments for artificial joints
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F2/00Filters implantable into blood vessels; Prostheses, i.e. artificial substitutes or replacements for parts of the body; Appliances for connecting them with the body; Devices providing patency to, or preventing collapsing of, tubular structures of the body, e.g. stents
    • A61F2/02Prostheses implantable into the body
    • A61F2/30Joints
    • A61F2002/30001Additional features of subject-matter classified in A61F2/28, A61F2/30 and subgroups thereof

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Transplantation (AREA)
  • Orthopedic Medicine & Surgery (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Physical Education & Sports Medicine (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Prostheses (AREA)

Description

この発明は、骨盤に対する大腿骨の運動(以下、股関節の運動と称す)及び骨盤の寛骨臼に大腿骨の大腿骨頭を押し付ける力(以下、関節間力と称す)を再現する股関節運動シミュレータに関する。
従来の人工関節シミュレータにおいては、肩関節に相当する人工肩関節であって、生体筋の配置を規範にして複数の可撓性引張部材を人工関節に対して装着するとともに、関節面間の接触荷重を調整することで実現し、且つこの多数の可撓性引張部材をシミュレーション軌道に従って制御部によって操ることで生体の関節動作と等価な関節動作を再現できる(例えば、特許文献1参照)。
また、顎運動シミュレータとして、パラレルメカニズムにより6自由度を持たせた稼動プレートに下顎モデルを固定しておき、人体の顎の動きから得たデータに基づいてその下顎モデルを動かす(例えば、特許文献2参照)。
また、パラレルリンク機構として、上端部が装着板に固定され、下端部が足部にボールジョイントを介して連結された固定リンクと、上下端部が上下のボールジョイントを介して足部および装着板にそれぞれ連結された4つの伸縮リンクとを備えている(例えば、特許文献3参照)。
特開2003−164461号公報(第5頁−第10頁、図1) 特開平11−123201号公報(第40頁−第41頁、図28) 特開平2003−250824号公報(第10頁、図3)
従来の人工関節シミュレータは、関節の骨結合部である関節頭及び関節窩のうち、関節窩を固定したうえで関節頭を動かすものであり、股関節の運動及び関節間力を再現するようなシミュレータが存在せず、股関節の動きを正確に再現できるものではなかった。
このため、人工股関節が脱臼するメカニズムが未だに解明されておらず、股関節の動きを正確に再現できるシミュレータの開発が望まれている。
特に、骨盤及び大腿骨の形状には個性があり、患者によって骨盤の寛骨臼に対する大腿骨の大腿骨頭の取り付け角度が異なっており、シミュレータは各患者に対応した様々な股関節の動きが再現できる必要がある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、股関節の運動及び関節間力を正確に再現することができる股関節運動シミュレータを提供することを目的とする。
この発明に係る股関節運動シミュレータにおいては、股関節における足の屈曲及び伸展運動を再現するために大腿骨モデルを動かす大腿骨モデル駆動機構と、股関節における関節間力並びに足の外転及び内転運動並びに外旋及び内旋運動を再現するために骨盤モデルを動かす骨盤モデル駆動機構と、股関節の運動及び関節間力を再現するために大腿骨モデル駆動機構及び骨盤モデル駆動機構を同時に駆動するように制御する制御部とを備えたものである。
また、この発明に係る股関節運動シミュレータにおいては、必要に応じて、大腿骨モデル駆動機構は、回転又は往復運動を中心軸に生じさせるモータ、モータの中心軸と大腿骨モデルとを繋ぐ連結部からなり、モータによる回転又は往復運動により大腿骨モデルを往復運動させるものである。
また、この発明に係る股関節運動シミュレータにおいては、必要に応じて、骨盤モデル駆動機構は、基台、骨盤モデルが固定される骨盤モデル固定部、基台及び骨盤モデル固定部を相互に異なる6箇所で支持する6本のリンク、リンクの両端に配設され基台及び骨盤モデル固定部にリンクを結合するジョイント、6本のリンクのそれぞれに対応して配設され対応するリンクをリンクの長手方向に伸縮されるリニアアクチュエータからなり、6本のリンクをそれぞれ独立に動かすことにより基台に対する骨盤モデル固定部の位置及び姿勢を動かすものである。
さらに、この発明に係る股関節運動シミュレータにおいては、必要に応じて、大腿骨モデルの大腿骨頭及び骨盤モデルの寛骨臼間に生じる関節間力を検出する力センサと、リンクの長さを検出するエンコーダとを備え、検出した関節間力をフィードバックすることで、所望の関節間力となるように大腿骨モデル駆動機構及び骨盤モデル駆動機構を制御し、検出したリンクの長さに基づいて骨盤モデルの寛骨臼に対する大腿骨モデルの大腿骨頭の相対角度を算出し、相対角度をフィードバックすることで、所望の股関節角度となるように大腿骨モデル駆動機構及び骨盤モデル駆動機構を制御するものである。
また、この発明に係る股関節運動シミュレータにおいては、必要に応じて、大腿骨モデルと骨盤モデルとの摺接面である大腿骨頭又は寛骨臼に圧力センサを埋設したことを特徴とする股関節運動シミュレータ。
この発明は、股関節における足の屈曲及び伸展運動を再現するために大腿骨モデルを動かす大腿骨モデル駆動機構と、股関節における関節間力並びに足の外転及び内転運動並びに外旋及び内旋運動を再現するために骨盤モデルを動かす骨盤モデル駆動機構と、股関節の運動及び関節間力を再現するために大腿骨モデル駆動機構及び骨盤モデル駆動機構を同時に駆動するように制御する制御部とを備えたことにより、股関節における足の外転及び内転運動並びに外旋及び内旋運動と比較して可動域が極めて広い屈曲及び伸展運動を、骨盤モデル駆動機構と別機構である大腿骨モデル駆動機構で再現することで、股関節の運動及び関節間力を正確に再現することができる。また、股関節の運動及び関節間力を正確に再現することで、実際の歩行、立ち居、階段昇降、正座等の動作(以下、日常生活動作と称す)と同じ条件で、人工股関節の耐久試験や摩耗試験を実施することができる。また、各患者の大腿骨及び骨盤の形状に合わせた大腿骨モデル及び骨盤モデルを使用して、骨盤モデルの寛骨臼に対する大腿骨モデルの大腿骨頭の取り付け方法や取り付け角度等の様々な条件における股関節の運動をシミュレーションすることで、人工股関節の脱臼のメカニズムを解明する一助とすることができる。
(本発明の第1の実施形態)
図1はこの発明を実施するための第1の実施形態における股関節運動シミュレータを示す概略構成図、図2(a)は骨盤モデル駆動機構のリンク部の前面図、図2(b)は骨盤モデル駆動機構の左側面図、図2(c)は骨盤モデル駆動機構のリンク部の上面図、図3は身体運動計測を説明するための説明図、図4は生体力学解析を説明するための説明図、図5(a)は歩行時の股関節角度の推移例を示したグラフ、図5(b)は歩行時の関節間力の推移例を示したグラフ、図6は図1に示す股関節運動シミュレータの制御部の制御を示すブロック線図、図7(a)はリンクの長さの推移例を示したグラフ、図7(b)はリンクに働く力の推移例を示したグラフ、図8は患者の股関節に股関節運動シミュレータを対応させた状態を示した説明図である。
図1〜8において、股関節運動シミュレータ10は、大腿骨のうち少なくとも大腿骨頭1aを型取った大腿骨モデル1と、骨盤のうち少なくとも寛骨臼2aを型取った骨盤モデル2と、股関節における足の屈曲及び伸展運動(Flex/Ext)を再現するために大腿骨モデル1を動かす大腿骨モデル駆動機構30と、股関節における関節間力並びに足の外転及び内転運動(Abd/Add)並びに外旋及び内旋運動(OR/IR)を再現するために骨盤モデル2を動かす骨盤モデル駆動機構40と、股関節の運動及び関節間力を再現するために大腿骨モデル駆動機構及び骨盤モデル駆動機構を同時に駆動するように制御する制御部50とを備えている。
大腿骨モデル駆動機構30は、回転又は往復運動を中心軸31bに生じさせるサーボモータ31a、サーボモータ31aの中心軸31bと大腿骨モデル1とを繋ぐ連結部32からなり、サーボモータ31aによる回転又は往復運動により大腿骨モデル1を往復運動させる。なお、この第1の実施形態においては、サーボモータ31aによる往復運動により大腿骨モデル1を往復運動させている。また、この第1の実施形態においては、大腿骨モデル駆動機構30として、サーボモータ31aを用いたが、大腿骨モデル1の屈曲及び伸展運動を再現するために大腿骨モデル1に往復運動を生成させることができるのであれば、この駆動機構に限られるものではない。
骨盤モデル駆動機構40は、基台41、骨盤モデル2が固定される骨盤モデル固定部42、基台41及び骨盤モデル固定部42を相互に異なる6箇所で支持する6本のリンク43、リンク43の両端に配設され基台41及び骨盤モデル固定部42にリンク43を結合するジョイント44、6本のリンク43のそれぞれに対応して配設され対応するリンク43をこのリンク43の長手方向に伸縮されるリニアアクチュエータ45からなり、6本のリンク43をそれぞれ独立に動かすことにより基台41に対する骨盤モデル固定部42の位置及び姿勢を動かす。
なお、リニアアクチュエータ45は、サーボモータを駆動源として、モータの回転速度や正逆の制御を行うことで、スクリューを伸縮させている。また、リニアアクチュエータ45はエンコーダ46を内蔵しており、モータの回転量からリンク43の長さLを検出する。
また、この第1の実施形態においては、骨盤モデル駆動機構40として、パラレルリンクロボット機構を用いたが、大腿骨モデル1の外転及び内転運動並びに外旋及び内旋運動を再現することができるのであれば、この駆動機構に限られるものではない。
ここで、パラレルリンクロボット機構とは、6本のリンク43を伸縮させて、直進運動(前後、左右、上下)及び回転運動(ロール(左右への傾き)、ピッチ(前後への傾き)、ヨー(左右へのひねり))の6自由度の動き並びにこれらを合成した動きを再現する機構である。
以下、図2を用いて、6自由度(前後、左右、上下、ロール、ピッチ、ヨー)の動きを6本のリンク43がどのように再現するかを説明する。
なお、リンク43による6自由度の再現にはリンク43の延び縮みだけでなく角度も関係するが、図2においては、角度の説明は省略する。
また、図2(a)において、紙面に対して、手前側を前側、奥側を後側とし、紙面の上下左右をそれぞれ上側、下側、左側、右側として、定義する。
また、6本のリンク43をそれぞれ、図2(a)において、左側のリンク43aから反時計回りに、リンク43a、リンク43b、リンク43c、リンク43d、リンク43e、リンク43fとする。
さらに、左側面図である図2(b)は、リンク43aの後側にリンク43b、リンク43eの後側にリンク43d、リンク43fの後側にリンク43c、をそれぞれ配置しているために、3本のリンクのみ図示している。
前後の動きであるが、リンク43c及びリンク43fが伸び、リンクa、リンク43b、リンク43d及びリンク43eが縮むことで、前側への動き再現し、リンクa、リンク43b、リンク43d及びリンク43eが伸び、リンク43c及びリンク43fが縮むことで、後側への動きを再現する。
また、左右の動きであるが、リンク43a、リンク43c及びリンク43dが伸び、リンク43b、リンク43e及びリンク43fが縮むことで、左側への動きを再現し、リンク43b、リンク43e及びリンク43fが伸び、リンク43a、リンク43c及びリンク43dが縮むことで、右側への動きを再現する。
また、上下の動きであるが、すべてのリンク43a、リンク43b、リンク43c、リンク43d、リンク43e及びリンク43fが伸びることで、上側への動きを再現し、すべてのリンク43a、リンク43b、リンク43c、リンク43d、リンク43e及びリンク43fが縮むことで、下側への動きを再現する。
さらに、左右ロールの動きであるが、リンク43b、リンク43c及びリンク43dが伸び、リンク43a、リンク43e及びリンク43fが縮むことで、左ロールの動きを再現し、リンク43a、リンク43e及びリンク43fが伸び、リンク43b、リンク43c及びリンク43dが縮むことで、右ロールの動きを再現する。
また、上下ピッチの動きであるが、リンク43a、リンク43b、リンク43c及びリンク43fが伸び、リンク43d及びリンク43eが縮むことで、上ピッチの動きを再現し、リンク43d及びリンク43eが伸び、リンク43a、リンク43b、リンク43c及びリンク43fが縮むことで、下ピッチの動きを再現する。
また、左右ヨーの動きであるが、リンク43b、リンク43d及びリンク43fが伸び、リンク43a、リンク43c及びリンク43eが縮むことで、左ヨーの動きを再現し、リンク43a、リンク43c及びリンク43eが伸び、リンク43b、リンク43d及びリンク43fが縮むことで、右ヨーの動きを再現する。
このように、前後、左右、上下の3自由度では、再現できる動きは直進運動のみであるが、パラレルリンクロボット機構は、回転運動のロール、ピッチ、ヨーを加えた6自由度、およびこれらの6自由度を組み合わせることで、様々な動きを再現することができる。
しかしながら、パラレルリンクロボット機構は、位置決め精度は高いが、可動域の狭さが欠点である。
ここで、股関節の運動には、屈曲と伸展、内転と外転、内旋と外旋がある。屈曲と伸展は、矢状面に対して行われる運動で、関節を構成する骨の間の角度が小さくなる運動を屈曲、大きくなる運動を伸展という。また、内転と外転は、正中面に対して行われる運動で、正中面から遠ざかる運動を外転、近づく運動を内転という。また、内旋と外旋は、正中軸に対して行われる運動で、内方に動かす運動を内旋、外方に動かす運動を外旋という。
また、股関節の可動域の正常値として、屈曲運動は0°〜125°、伸展運動は0°〜15°、内転運動は0°〜20°、外転、外旋及び内旋運動は0°〜45°の範囲を有し、屈曲及び伸展運動は外転及び内転運動並びに外旋及び内旋運動と比較して可動域が極めて広い。
このため、本発明の第1の実施形態においては、可動域の狭さが欠点であるパラレルリンクロボット機構に、大腿骨モデル駆動機構30による往復運動を併用することで、可動域が極めて広い屈曲及び伸展運動を容易に制御することができる。
力センサ3は、骨盤モデル駆動機構40の骨盤モデル固定部42と骨盤モデル2との間に配設され、大腿骨モデル1の大腿骨頭1a及び骨盤モデル2の寛骨臼2a間に生じる関節間力を検出する。
つぎに、前述した股関節運動シミュレータ10によって、例えば、歩行動作における股関節の運動をシミュレーションする場合について説明する。
まず、図3に示すように、2台以上の図示しないカメラを使用して、被験者4の体表面に取り付けた体表マーカ5の三次元運動軌跡を計測すると同時に、床反力計6を使用して身体に作用する床からの反力(床反力7)を計測する(ステップ1:身体運動計測)。
つぎに、図4及び図5に示すように、ステップ1における計測結果に基づいて、骨盤8に対する大腿骨9の相対角度θ[deg](以下、股関節角度θと称す)と関節間力f[N]をモデル解析により算出する(ステップ2:生体力学解析)。
ここで、股関節角度θは、外転及び内転運動(Abd/Add)方向に対応するX軸、屈曲及び伸展運動(Flex/Ext)方向に対応するY軸、並びに外旋及び内旋運動(OR/IR)方向に対応するZ軸とのなす角をそれぞれθAbd/Add、θFlex/Ext、θOR/IRとして算出する(図5(a))。また、関節間力fは、外転及び内転運動(Abd/Add)方向に対応するX軸、屈曲及び伸展運動(Flex/Ext)方向に対応するY軸、並びに外旋及び内旋運動(OR/IR)方向に対応するZ軸に対して分解した分力をそれぞれFx、Fy、Fzとして算出する(図5(b))。
なお、ステップ1及びステップ2において、大腿骨モデル1及び骨盤モデル2に与えるデータを被験者4から取得したが、既存の公表計測データを採用してもよい。
つぎに、図6及び図7に示すように、前述した股関節運動シミュレータ10のサーボモータ31aとリニアアクチュエータ45の位置と力を同時に制御して、ステップ2で算出した股関節角度θと関節間力fを股関節運動シミュレータ10で再現する(ステップ3:位置と力のハイブリット制御)。
以下、ステップ3について詳細に説明する。
図6に示すように、ステップ2で算出した股関節角度θ及び関節間力fのデータのうち、外転及び内転運動(Abd/Add)方向に対応するX軸におけるなす角θAbd/Add及び分力Fxのデータを股関節角度θt及び関節間力ftとして制御部50にそれぞれ同時に入力する。また、屈曲及び伸展運動(Flex/Ext)方向に対応するY軸におけるなす角θFlex/Ext及び分力Fyのデータを股関節角度θt及び関節間力ftとして制御部50にそれぞれ同時に入力する。また、外旋及び内旋運動(OR/IR)方向に対応するZ軸におけるなす角θOR/IR及び分力Fzのデータを股関節角度θt及び関節間力ftとして制御部50にそれぞれ同時に入力する。すなわち、各軸に対応する股関節角度及び関節間力のデータを各軸間でパラレルに入力する。
ここで、骨盤モデル2の寛骨臼2aに大腿骨モデル1の大腿骨頭1aを押し付ける力(関節間力f)の向きは、大腿骨頭1aの球面に対して必ず法線方向となる。これに対して、骨盤モデル2の寛骨臼2aに対する大腿骨モデル1の大腿骨頭1aの位置制御である、骨盤モデル2に対する大腿骨モデル1の相対角度(股関節角度θ)を制御するためには、大腿骨頭1aの球面に対して接線方向であり、関節間力fの向きと直交する方向に力を制御する。したがって、関節間力fの力制御と、骨盤モデル2に対する大腿骨モデル1の位置制御とは、互いに干渉することなく制御することができる。
そこで、図6に示すように、股関節角度θt又は関節間力ftにそれぞれ入力されるデータは、対応するそれぞれの制御要素(位置制御則51及び逆動力学52、力制御則53及び座標変換54)によって、股関節運動シミュレータ10に与える操作量にそれぞれ変換され、股関節運動シミュレータ10に与えた後に、股関節運動シミュレータ10から得られる制御量を、対応するそれぞれのフィードバック要素(エンコーダ46及び運動学55、力センサ3)で変換し、フィードバックする。
すなわち、制御部50に入力された基準入力である股関節角度θtと、主フィードバック量である入力時点の股関節角度θとの差から、動作信号θeを算出する。また、動作信号θeを、制御要素である位置制御則51と逆動力学52の操作を施し、サーボモータ31a及びリニアアクチュエータ45に与える操作量として変換する。この場合に、位置制御則51によって動作信号θeを角度、位置、速度又は加速度に変換し、得られた加速度等を逆動力学52によって関節トルク(力)に変換する。
また、制御部50に入力された基準入力である関節間力ftと、主フィードバック量である入力時点の関節間力fとの差から、動作信号feを算出する。また、動作信号feを、制御要素である力制御則53と座標変換54の操作を施し、サーボモータ31a及びリニアアクチュエータ45に与える操作量として変換する。
股関節角度θtを制御要素(位置制御則51、逆動力学52)で変換した操作量と、関節間力ftを制御要素(力制御則53、座標変換54)で変換した操作量とを、制御対象である股関節運動シミュレータ10の大腿骨モデル駆動機構30及び骨盤モデル駆動機構40、すなわちサーボモータ31a及びリニアアクチュエータ45に入力する。これにより、サーボモータ31a及びリニアアクチュエータ45を同時に制御し、ステップ2で算出した股関節角度と関節間力を股関節運動シミュレータ10で再現することができる。
なお、フィードバック要素として、エンコーダ46によって、リンク43の長さLを検出し、検出したリンク43の長さLに基づいて運動学55で股関節角度θを算出する。算出した股関節角度θを主フィードバック量として、基準入力である股関節角度θtにフィードバックする。
また、力センサ3によって、関節間力fを検出し、検出した関節間力fを主フィードバック量として、基準入力である関節間力ftにフィードバックする。
なお、サーボモータ31a及びリニアアクチュエータ45の位置と力を同時に制御した結果として、図7に示すように、6本のリンク43a、43b、43c、43d、43e、43fには、それぞれの長さLa、Lb、Lc、Ld、Le、Lfと、それぞれに働く力Fa、Fb、Fc、Fd、Fe、Ffとが生じている。
以上のように、この第1の実施形態においては、股関節運動シミュレータ10によって、歩行動作を再現する例を挙げて説明したが、歩行動作の再現に限られるものではなく、様々な日常生活動作を正確に再現することができる。
また、股関節の運動及び関節間力を正確に再現することで、実際の日常生活動作と同じ条件で、人工股関節の耐久試験や摩耗試験を実施することができる。
また、骨盤8及び大腿骨9の形状には個性があり、患者によって骨盤8の寛骨臼に対する大腿骨9の大腿骨頭の取り付け角度が異なっているために、一般的な骨盤8及び大腿骨9の形状では脱臼することがない通常の股関節の可動域であっても、人工股関節が脱臼する場合がありえる。このため、各患者の大腿骨9及び骨盤8の形状に合わせた大腿骨モデル1及び骨盤モデル2を使用して、骨盤モデル2の寛骨臼2aに対する大腿骨モデル1の大腿骨頭1aの取り付け方法や取り付け角度等の様々な条件における股関節の運動をシミュレーションすることで、人工股関節の脱臼のメカニズムを解明する一助とすることができる。
特に、人工股関節の可動域内であっても、骨盤8の寛骨臼に大腿骨9の大腿骨頭が引っ掛かる部分があれば、無理な姿勢によって人工股関節が脱臼する場合がある。そこで、大腿骨モデル1と骨盤モデル2との摺接面である大腿骨頭1a又は寛骨臼2aに、図示しない圧力センサを埋設し、日常生活動作時に、摺設面の圧力分布を計測することで、人工股関節の干渉部分を把握することができる。
また、人工股関節置換術時には、患者を側臥させた状態で手術を行うために、骨盤8の寛骨臼に対する大腿骨9の大腿骨頭の取り付け角度が、患者の立姿勢での取り付け角度として必ずしも満足いくものとは限らない。しかしながら、この第1の実施形態においては、図8に示すように、患者の立姿勢を想定して、股関節運動シミュレーション10で日常生活動作をシミュレーションすることができるので、より通常の動作に近い動きを再現することができ、患者に合った骨盤8の寛骨臼に対する大腿骨9の大腿骨頭の取り付け角度を選定することができる。
また、経年による背筋の曲がり等の患者の姿勢の変化により、人工股関節が脱臼することがある。このため、患者の将来の状態を見据えた人工股関節の動きを再現し、経年による人工股関節の脱臼のメカニズムを解明することで、人工股関節置換術時に、経年による人工股関節の脱臼を予防する処置を施すことが可能である。
この発明を実施するための第1の実施形態における股関節運動シミュレータを示す概略構成図である。 骨盤モデル駆動機構のリンク部の要部拡大図であり、(a)は骨盤モデル駆動機構のリンク部の前面図、(b)は骨盤モデル駆動機構の左側面図、(c)は骨盤モデル駆動機構のリンク部の上面図である。 身体運動計測を説明するための説明図である。 生体力学解析を説明するための説明図である。 歩行時の股関節角度及び関節間力の例を示したグラフであり、(a)は歩行時の股関節角度の推移例を示したグラフ、(b)は歩行時の関節間力の推移例を示したグラフである。 図1に示す股関節運動シミュレータの制御部の制御を示すブロック線図である。 リンクの長さ及び力の例を示したグラフであり、(a)はリンクの長さの推移例を示したグラフ、(b)はリンクに働く力の推移例を示したグラフである。 患者の股関節に股関節運動シミュレータを対応させた状態を示した説明図である。
符号の説明
1 大腿骨モデル
1a 大腿骨頭
2 骨盤モデル
2a 寛骨臼
3 力センサ
4 被験者
5 体表マーカ
6 床反力計
7 床反力
8 骨盤
9 大腿骨
10 股関節運動シミュレータ
30 大腿骨モデル駆動機構
31a サーボモータ
31b 中心軸
32 連結部
40 骨盤モデル駆動機構
41 基板
42 骨盤モデル固定部
43,43a,43b,43c,43d,43e,43f リンク
44 ジョイント
45 リニアアクチュエータ
46 エンコーダ
50 制御部
51 位置制御則
52 逆動力学
53 力制御則
54 座標変換
55 運動学

Claims (5)

  1. 大腿骨のうち少なくとも大腿骨頭を型取った大腿骨モデルと、骨盤のうち少なくとも寛骨臼を型取った骨盤モデルとを用いて股関節の運動を再現するための股関節運動シミュレータにおいて、
    前記股関節における足の屈曲及び伸展運動を再現するために前記大腿骨モデルを動かす大腿骨モデル駆動機構と、
    前記股関節における関節間力並びに足の外転及び内転運動並びに外旋及び内旋運動を再現するために前記骨盤モデルを動かす骨盤モデル駆動機構と、
    前記股関節の運動及び関節間力を再現するために前記大腿骨モデル駆動機構及び骨盤モデル駆動機構を同時に駆動するように制御する制御部と
    を備えたことを特徴とする股関節運動シミュレータ。
  2. 前記請求項1に記載の股関節運動シミュレータにおいて、
    前記大腿骨モデル駆動機構は、回転又は往復運動を中心軸に生じさせるサーボモータ、前記サーボモータの中心軸と前記大腿骨モデルとを繋ぐ連結部からなり、
    前記サーボモータによる回転又は往復運動により前記大腿骨モデルを往復運動させることを特徴とする股関節運動シミュレータ。
  3. 前記請求項1又は2に記載の股関節運動シミュレータにおいて、
    前記骨盤モデル駆動機構は、基台、前記骨盤モデルが固定される骨盤モデル固定部、前記基台及び骨盤モデル固定部を相互に異なる6箇所で支持する6本のリンク、前記リンクの両端に配設され前記基台及び骨盤モデル固定部に前記リンクを結合するジョイント、6本の前記リンクのそれぞれに対応して配設され対応するリンクを当該リンクの長手方向に伸縮されるリニアアクチュエータからなり、
    6本の前記リンクをそれぞれ独立に動かすことにより前記基台に対する前記骨盤モデル固定部の位置及び姿勢を動かすことを特徴とする股関節運動シミュレータ。
  4. 請求項3に記載の股関節運動シミュレータにおいて、
    前記大腿骨モデルの大腿骨頭及び前記骨盤モデルの寛骨臼間に生じる関節間力を検出する力センサと、前記リンクの長さを検出するエンコーダとを備え、
    検出した前記関節間力をフィードバックすることで、所望の関節間力となるように前記大腿骨モデル駆動機構及び骨盤モデル駆動機構を制御し、
    検出した前記リンクの長さに基づいて前記骨盤モデルの寛骨臼に対する前記大腿骨モデルの大腿骨頭の相対角度を算出し、当該相対角度をフィードバックすることで、所望の股関節角度となるように前記大腿骨モデル駆動機構及び骨盤モデル駆動機構を制御することを特徴とする股関節運動シミュレータ。
  5. 請求項1乃至4に記載の股関節運動シミュレータにおいて、
    前記大腿骨モデルと前記骨盤モデルとの摺接面である前記大腿骨頭又は寛骨臼に圧力センサを埋設したことを特徴とする股関節運動シミュレータ。

JP2006100440A 2006-03-31 2006-03-31 股関節運動シミュレータ Active JP4992076B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006100440A JP4992076B2 (ja) 2006-03-31 2006-03-31 股関節運動シミュレータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006100440A JP4992076B2 (ja) 2006-03-31 2006-03-31 股関節運動シミュレータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007272116A JP2007272116A (ja) 2007-10-18
JP4992076B2 true JP4992076B2 (ja) 2012-08-08

Family

ID=38674938

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006100440A Active JP4992076B2 (ja) 2006-03-31 2006-03-31 股関節運動シミュレータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4992076B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009095583A (ja) 2007-10-19 2009-05-07 Panasonic Corp 健康情報収集システム、及び健康情報収集方法
CN103503050B (zh) * 2010-11-15 2017-03-15 先进机械技术公司 用于关节运动模拟的方法和设备
CN102854132B (zh) * 2012-09-20 2014-06-04 北京航空航天大学 一种膝髌股关节力学测试试验机
JP5614788B1 (ja) * 2014-05-07 2014-10-29 有限会社テクノロジーサービス 力学試験装置
CN105067465B (zh) * 2015-08-04 2018-01-19 中国矿业大学 一种双动平台并联仿生髋关节试验机及其试验方法
CN112494285B (zh) * 2021-01-19 2023-01-03 吉林大学 一种平衡控制训练机器人

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63158054A (ja) * 1986-12-22 1988-07-01 川崎製鉄株式会社 人工関節シミユレ−タ−装置
JPH02297361A (ja) * 1989-02-23 1990-12-07 Kobe Steel Ltd 人工関節シミュレータ
JPH0549656A (ja) * 1991-06-24 1993-03-02 Sumitomo Metal Ind Ltd 耐摩耗性に優れたチタン合金製人工関節
JP4393723B2 (ja) * 2001-03-26 2010-01-06 西島メディカル株式会社 人工関節摩擦摩耗試験機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007272116A (ja) 2007-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4992076B2 (ja) 股関節運動シミュレータ
Lenarcic et al. A humanoid shoulder complex and the humeral pointing kinematics
EP1033564B1 (en) Method and system for wear testing a seat by simulating human seating activity and robotic human body simulator for use therein
US8504198B2 (en) Robot hand and control system, control method and control program for the same
US8463434B2 (en) Robot hand and control system, control method and control program for the same
Rasmussen et al. Anybody-a software system for ergonomic optimization
Rea et al. A procedure for the design of novel assisting devices for the sit-to-stand
JP2009207840A (ja) 歩行動作補助装置
Kuehn et al. Additional DOFs and sensors for bio-inspired locomotion: Towards active spine, ankle joints, and feet for a quadruped robot
Mistry et al. Sit-to-stand task on a humanoid robot from human demonstration
EP3117967A1 (en) Transparency control method for robotic devices and a control device therefor
CN114305688A (zh) 一种基于柔性法兰的髋关节置换手术导航定位方法
JP2017144512A (ja) Zmpの算出方法及び装置
Krovi et al. Design and virtual prototyping of rehabilitation aids
Tsoi et al. Design, modeling and control of an ankle rehabilitation robot
KR100812818B1 (ko) 로봇의 다리
Lenarčič et al. Positional kinematics of humanoid arms
Aliaj et al. Replicating dynamic humerus motion using an industrial robot
Barker et al. Design of a biologically inspired humanoid neck
Dario et al. A human-like robotic manipulation system implementing human models of sensory-motor coordination
JP4946509B2 (ja) 筋力評価システム、装置及び方法
Marinelli Design, development and engineering of a bench for testing lower limb prosthesis, with focus on high-technological solutions
Veneva et al. Active assistive orthotic system:(exoskeleton) enhancing movement
Pulleyking et al. Flexure hinge-based biomimetic thumb with a rolling-surface metacarpal joint
JP2004082223A (ja) 歩行パターン作成装置、2足歩行ロボット装置、歩行パターン作成方法、2足歩行ロボット装置の制御方法、プログラムおよび記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120321

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120410

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150