JP4992009B2 - 磁気抵抗素子およびその製造方法、並びにその利用 - Google Patents

磁気抵抗素子およびその製造方法、並びにその利用 Download PDF

Info

Publication number
JP4992009B2
JP4992009B2 JP2006229903A JP2006229903A JP4992009B2 JP 4992009 B2 JP4992009 B2 JP 4992009B2 JP 2006229903 A JP2006229903 A JP 2006229903A JP 2006229903 A JP2006229903 A JP 2006229903A JP 4992009 B2 JP4992009 B2 JP 4992009B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetoresistive element
self
molecule
complex
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006229903A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008053566A (ja
Inventor
卓也 松本
郁彦 山田
孝義 黒田
知二 川合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka University NUC
Kinki University
Original Assignee
Osaka University NUC
Kinki University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka University NUC, Kinki University filed Critical Osaka University NUC
Priority to JP2006229903A priority Critical patent/JP4992009B2/ja
Publication of JP2008053566A publication Critical patent/JP2008053566A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4992009B2 publication Critical patent/JP4992009B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Hard Magnetic Materials (AREA)
  • Thin Magnetic Films (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)

Description

本発明は、磁気抵抗素子およびその製造方法、並びにその利用に関するものであって、特に、有機材料のみからなり、室温において高い磁気抵抗率を示す磁気抵抗素子およびその製造方法、並びにその利用に関するものである。
現代社会において、ハードディスク装置はコンピュータなどの大容量外部記憶装置として広く使われている。ハードディスク装置は、磁気ヘッドを備えているが、該磁気ヘッドとしては、以前はコイルに発生する誘導電流により磁場を感知する誘導型の薄膜磁気ヘッド(インタクティブヘッド)が使用されていた。しかし、近年、記録密度の増大、およびこれに伴って生じる高速磁極動作に関する要求に高まっている。そのため、現在は、上記磁気ヘッドとして、磁場を直接的に感知する磁気抵抗素子を使った磁気センサが主に使われている。特に最近の高密度記録が可能なハードディスク装置では、上記磁気センサとして、巨大磁気抵抗効果を利用したものも採用されている。
このような磁気抵抗素子を用いた磁気センサは、例えば、ガラスまたはガラスセラミックス等からなる基板上に磁性膜を蒸着させ、該磁性膜に対して、磁気抵抗パターンを配線した構造を有している。上記磁気抵抗パターンの形成には、様々な磁気抵抗材料が用いられる。
従来の磁気抵抗材料としては、例えば、金属多層膜(超格子)、化合物半導体、磁性金属酸化物などのような硬い物質を用いた磁気抵抗材料を挙げることができる。このような物質群を用いた磁気抵抗材料の多くは、強磁性材料からのスピン注入によるスピンバルブ効果や、外部磁場下におけるスピン状態密度の差により、磁気抵抗効果を示す。
また、上記以外の磁気抵抗材料としては、有機導体を用いた磁気抵抗材料(以下、「有機磁気抵抗材料」ともいう)を挙げることができる。有機磁気抵抗材料では、電荷移動錯体の結晶を用いるものが多い。上記電荷移動錯体は、ドナーとアクセプターとの分子が規則正しく配列した結晶において、磁気抵抗効果を示す。
ところで、近年、半導体を中心として、超高集積を実現する新規なデバイスの開発には、従来のリソグラフィーやエッチング技術を用いて微細加工を行うトップダウン手法に加えて、原子や分子を制御して微細構造を作り上げる、いわゆるボトムアップ手法が注目されている。このようなボトムアップ手法による微細構造構築では、物質の自己組織化を利用することが有効な手段の1つである。「自己組織化」とは、多数の分子が自発的に集まって1つの構造体を作ることであって、このような能力を有する物質は多数知られている。例えば、自己組織化能を有する物質として、DNAを挙げることができる。
DNAは塩基配列により莫大な遺伝情報を蓄えているばかりでなく、自己の生産、拡大および再生といった多彩な機能を持つ高分子である。また、塩基対の組み合わせや新しい機能分子の付加を比較的容易に行うことができる。さらに、本発明者らは、これまでに、DNAの電気伝導特性について解析を行い、適切なドーパントによりDNAの電子状態を制御することで、DNAはナノ配線およびナノデバイスへ応用可能であることを見出している(特許文献1を参照)。
さらに、本発明者らは、DNAの塩基配列に関係なく、簡単な方法で基板全体にわたりDNA分子束からなる網目状のネットワーク構造を形成する方法(特許文献2を参照)や、基板上にDNAが一方向に伸長、配列してなるDNA固定化基板を簡便に製造する方法(特許文献3を参照)を開発している。
特開2003−264326号公報(平成15(2003)年9月19日公開) 特開2001−348438号公報(平成13(2001)年12月18日公開) 特開2005−46665号公報(平成17(2005)年2月24日公開)
磁場により電気抵抗が変化する磁気抵抗材料は、磁気センサ、ハードディスクの磁気ヘッドなどに使用される重要な材料である。そのため、上記の通り、磁気抵抗効果を示す物質およびこれを用いたデバイスの研究が盛んに行われている。一般的には、磁気センサに用いる磁気抵抗材料としては、室温で磁気抵抗効果を示すことが求められる。さらに、量産性の観点から、ナノスケールのデバイス製造に汎用されるプロセスとの適合性がよく、特殊な装置等を必要とすることなく製造できることが求められる。これらの点において、上記従来の磁気抵抗材料は、それぞれ問題を抱えており、新たな磁気抵抗材料の開発が求められている。
具体的には、金属多層膜(超格子)、化合物半導体、磁性金属酸化物などのような物質群を用いた磁気抵抗材料には、室温で磁気抵抗効果を示すものが多くあり、この点では上記の要望に応えることが可能である。しかしながら、強磁性を示すのに十分な大きさの磁気的ドメインを形成するための材料プロセスが必要となるという問題がある。より具体的にいえば、金属多層膜や化合物半導体を製造する際、超高真空で薄膜を形成するための製造装置が必要である。また、磁性金属酸化物を製造するには、高温プロセスが必要である。そのため、上記物質群を磁気抵抗材料に適用する場合、最近注目を集めるナノスケールでの印刷技術を応用したフレキシブルデバイスや有機集積回路などへの適合性が低いという問題がある。
また、従来の電荷移動錯体を用いた有機磁気抵抗材料は、液体窒素温度以下の低温でのみ磁気抵抗効果を示すものが多く、磁気センサに実用化することが困難である。また、電荷移動錯体を用いた有機磁気抵抗材料の場合、電荷移動錯体の多くは、単結晶であり、加工性に乏しい。そのため、デバイスとしてのプロセス適合性が乏しく、実用化には適さないという問題がある。また、従来の有機磁気抵抗材料は、強磁性転移温度が低く、熱擾乱によるスピン緩和が起こると、磁気抵抗効果が小さくなるという問題がある。
このように、従来の磁気抵抗材料は、様々な問題を抱えていることから、特殊な設備を必要とすることなく製造可能であって、室温において磁気抵抗効果を示す磁気抵抗材料が求められている。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、有機材料のみを用いて室温において高い磁気抵抗率を示す磁気抵抗素子およびその製造方法、並びにその利用を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、自己組織化材料が基板上において自己組織化する機構によれば、酸化還元が可能で、電子スピンを有し、さらに、該自己組織化材料と結合可能な分子を上記基板上に配列できることを独自に見出した。さらに、上記基板上に配列された上記分子は、分子間で電子伝達が可能であることを見出した。これら独自に見出した知見に基づき、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、以下の産業上有用な発明を包含する。
(1)酸化還元が可能で電子スピンを有する分子が、基板上に配置されていることを特徴とする磁気抵抗素子。
(2)上記分子が、遷移金属を含有していることを特徴とする(1)に記載の磁気抵抗素子。
(3)上記分子が、Mn12核錯体であることを特徴とする(1)に記載の磁気抵抗素子。
(4)特定の温度範囲において、温度が上昇するのに伴って、磁気抵抗率が上昇することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の磁気抵抗素子。
(5)上記分子と自己組織化材料とが結合した複合体の自己組織化能を用いて、上記分子が上記基板上に配列されていることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の磁気抵抗素子。
(6)上記複合体は、上記分子と上記自己組織化材料とがイオン結合により結合してなることを特徴とする(5)に記載の磁気抵抗素子。
(7)上記分子は、カチオン性置換基を有し、上記自己組織化材料は、アニオン性置換基を有し、上記複合体は、上記分子のカチオン性置換基と、上記自己組織化材料のアニオン性置換基とがイオン結合してなることを特徴とする(5)に記載の抵抗素子。
(8)上記自己組織化材料は、合成ポリマー、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、および多糖類からなる群より選択される少なくとも1つを含有することを特徴とする(5)〜(7)のいずれかに記載の磁気抵抗素子。
(9)上記自己組織化材料は、DNAであることを特徴とする(5)〜(7)のいずれかに記載の磁気抵抗素子。
(10)(1)〜(9)のいずれかに記載の磁気抵抗素子を一構成部材として備えることを特徴とするデバイス。
(11)上記磁気抵抗素子が、トップコンタクト電極内に配置されていることを特徴とする(10)に記載のデバイス。
(12)自己組織化材料と、酸化還元が可能で電子スピンを有する分子とが結合した複合体の自己組織化能を用いて、上記分子を基板上に配列させる工程を含むことを特徴とする磁気抵抗素子の製造方法。
(13)上記複合体は、上記自己組織化材料と上記分子とがイオン結合により結合してなる複合体であることを特徴とする(12)に記載の磁気抵抗素子の製造方法。
(14)上記自己組織化材料は、アニオン性置換基を有し、
上記分子は、カチオン性置換基を有することを特徴とする(12)または(13)に記載の磁気抵抗素子の製造方法。
(15)上記自己組織化材料は、合成ポリマー、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、および多糖類からなる群より選択される少なくとも1つを含有することを特徴とする(12)〜(14)のいずれかに記載の磁気抵抗素子の製造方法。
(16)上記自己組織化材料は、DNAであることを特徴とする(12)〜(14)のいずれかに記載の磁気抵抗素子の製造方法。
(17)上記分子は、遷移金属を含有していることを特徴とする(12)〜(16)のいずれかに記載の磁気抵抗素子の製造方法。
(18)上記分子は、Mn12核錯体であることを特徴とする(12)〜(16)のいずれかに記載の磁気抵抗素子の製造方法。
(19)(1)〜(9)のいずれかに記載の磁気抵抗素子に対して、トップコンタクト電極を設ける工程を含むことを特徴とするデバイスの製造方法。
(20)上記トップコンタクト電極は、傾斜蒸着法により形成されることを特徴とする(19)に記載のデバイスの製造方法。
本発明にかかる磁気抵抗素子は、酸化還元が可能で電子スピンを有する分子が、基板上に配置されている。上記分子は、酸化還元が可能であるため、該磁気抵抗素子に電流が印加されると、上記分子間で電子伝達が起こる。また、上記分子は電子スピンを有するため、常磁性を有する。それゆえ、本発明にかかる磁気抵抗素子は、導電性であり、磁場の印加により磁気抵抗効果を示すという効果を奏する。
本発明にかかる一実施形態について、図1〜図3を用いて説明すると以下の通りであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
<1.磁気抵抗素子>
本発明にかかる磁気抵抗素子は、酸化還元が可能で電子スピンを有する分子が、基板上に配置されている。上記構成によれば、上記分子は、酸化還元が可能であるため、該磁気抵抗素子に電流を印加すると、上記分子間で電子伝達が起こる。また、上記分子は電子スピンを有するため、常磁性を有する。それゆえ、該磁気抵抗素子に磁場を印加することにより、磁気抵抗効果を示すことができる。
本発明にかかる磁気抵抗素子は、上記構成を備えていればよく、その他の具体的な構造や、該磁気抵抗素子の製造方法は特に限定されるものでない。例えば、上記基板は、酸化還元が可能で電子スピンを有する分子を配列し、固定できるものであればよい。例えば、平坦な表面を有する基板を好ましく用いることができる。また、材質も特に限定されるものではないが、十分な剛性や強度を確保できる点から、各種無機物質が好ましく用いることができる。
上記無機物質としては、具体的には、例えば、銅(Cu)、金(Au)等の金属;ゲルマニウム(Ge)、シリコン(Si)等の半導体物質;シリカ(SiO)、酸化チタン(TiO)、サファイヤ(Al)、雲母(マイカ)等の絶縁体物質;等を挙げることができる。これら無機物質は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、銅、シリコン、マイカからなる群より選択される1または2種類以上の無機物質を好ましく用いることができる。
また、上記基板の大きさや、上記表面の形状は特に限定されるものではなく、本発明にかかる磁気抵抗素子の用途等に応じて適宜設定すればよい。具体的には、例えば、上記表面の形状は、一辺が20,000μm以下の四角形、または、直径が20,000μm以下の円形であればよい。上記範囲内であれば、本発明にかかる磁気抵抗素子を、超微細化加工が必要とされるエレクトロニクスやバイオテクノロジー等の分野に好適に用いることができる。
また、上記酸化還元が可能で電子スピンを有する分子は、酸化還元が可能で電子スピンを有していればよく、その具体的な構造は特に限定されるものではないが、複数の酸化数を安定にとるものであることが好ましい。具体的には、遷移金属を含有する分子であることが好ましい。また、上記分子は、スピン量子数が大きいことが好ましい。このような分子であれば、スピン分極効果が有効に作用する。それゆえ、優れた磁気抵抗素子を実現することができる。
さらに、本発明において、上記分子は有機分子であることが好ましい。上記構成とすれば、本発明にかかる磁気抵抗材料を有機材料のみで構成することができる。そのため、本発明にかかる磁気抵抗材料を用いてデバイスを形成する場合、ナノトランスファープリンティング、インクジェットなどの印刷関連技術を適用したプロセスが可能となる。
また、本発明にかかる磁気抵抗素子は、磁気抵抗効果を示すものであればよいが、特に、室温で磁気抵抗効果を示すことが好ましい。さらに、室温での磁気抵抗率(抵抗変化率)の具体的な数値は特に限定されるものではなく、0%よりも大きければよいが、できるだけ高いことが好ましい。例えば、本発明にかかる磁気抵抗素子としては、後述する実施例に示すように、室温において30%以上の磁気抵抗率を示す磁気抵抗素子を挙げることができる。上記磁気抵抗率は上記分子によって決定されるものである。したがって、本発明では、上記分子としては、室温において高い磁気抵抗率を実現できる分子を選択することが好ましい。
なお、本明細書において、室温とは、常温と置き換え可能に用いられるものであり、具体的には、15〜35℃の範囲を指す。
以上のような性質をもつ上記分子として、Mn12核錯体を挙げることができる。
Mn12核錯体は、単一分子磁石であり、様々な用途への応用が期待されている錯体である。その一方で、Mn12核錯体の中心は、Mnの3価と4価とが混在している。本発明者らは、この点に着目し、Mn12核錯体の分子同士が近距離に存在していれば、ホッピングによる電子伝達が可能であると考えた。さらに、Mn12核錯体は、磁気モーメントがS=10と大きい。そのため、顕著な磁気抵抗効果を示す可能性があると考えた。そこで、後述する実施例に示すように、基板上に、Mn12核錯体の分子を近距離で配列することにより、上記分子間で電子伝達が起こり、さらに、磁気抵抗効果を示すことを実証することにより本発明を完成させた。
したがって、本発明にかかる磁気抵抗素子の上記分子としては、Mn12核錯体を好適に用いることができる。
また、本発明において、上記酸化還元が可能で電子スピンを有する分子は、上記基板上に配列されていればよいが、基板上に配列された分子間で電子伝達が可能な間隔で配列されていることが好ましい。一般的には、20〜30nm以下の間隔であることが好ましいが、基板上に配列された分子間で電子伝達が可能であれば、これに限定されるものではない。
さらに、本発明にかかる磁気抵抗素子は、特定の温度範囲において、温度の上昇に伴って、磁気抵抗率が上昇することが好ましい。上記「特定の温度範囲」とは、特に限定されるものではないが、室温を含む温度範囲であることが好ましい。例えば、後述する実施例に示す磁気抵抗素子では、200K付近で磁気抵抗効果を示し、200K以上の温度では温度の上昇に伴って、磁気抵抗率が上昇する。つまり、後述する実施例を例にとって言えば、上記「特定の温度範囲」とは、例えば200K以上の温度範囲を指すということができる。
一般に、従来の磁気抵抗素子は、磁気抵抗率は、温度の低下に伴って、上昇する。つまり、本発明にかかる磁気抵抗素子は、磁気抵抗率の温度依存性が従来の磁気抵抗素子とは全く異なるものである。このように、本発明にかかる磁気抵抗素子は、温度の上昇に伴って、磁気抵抗率が上昇するため、発熱するデバイス等に適用した場合であっても、安定した動作を行うことが可能である。
本発明にかかる磁気抵抗素子では、例えば、基板上に配列された分子間で電子伝達が可能な間隔に、上記分子と自己組織化材料とが結合した複合体の自己組織化能を用いて上記分子を上記基板上に配列させることができる。つまり、上記自己組織化材料をテンプレートとして、上記基板上に上記分子を配列させることにより、上記分子の間隔を制御することができる。よって、本発明にかかる磁気抵抗素子には、上記自己組織化材料が含まれていてもよい。
本明細書において、「自己組織化材料」とは、多数の分子が自発的に集まって1つの構造体を作る能力(以下、「自己組織化能」ともいう)を有する物質を意味する。
本発明において利用可能な自己組織化材料は、自己組織化能を有する物質であればよく、特に限定されるものでない。例えば、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、アミノ酸、脂質、糖、多糖類(糖鎖)、合成ポリマー、細胞、組織切片などが挙げることができる。
上記ポリヌクレオチドとしては、デオキシリボ核酸(DNA)やリボ核酸(RNA)等を挙げることができる。このうちDNAは、例えばクローニングや化学合成技術またはそれらの組み合わせで得られるようなcDNAやゲノムDNA等を用いることができる。また、DNAは2本鎖でも1本鎖でもよい。
本発明で用いられるポリヌクレオチドの塩基配列は特に限定されるものではなく、任意の塩基配列を有するものを用いることができる。例えば、1〜10塩基、好ましくは1〜5塩基、より好ましくは1、2、または3塩基程度の繰り返し単位を有するDNAを用いることができる。中でも、ポリ(dA−dT)・ポリ(dT−dA)、ポリ(dG−dC)・ポリ(dC−dG)、ポリ(dA)・ポリ(dT)、又はポリ(dG)・ポリ(dC)などのDNAを好ましく用いることができる。ここで、「・」はその前後のポリヌクレオチドが相互に2本鎖を形成していることを示している。なお、これらのポリヌクレオチドは、単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
また、上記ポリヌクレオチドの長さは特に限定されるものではないが、300bp〜300kbpの範囲内が好ましく、3k〜300kbpの範囲内がより好ましい。この範囲内であれば、ポリヌクレオチドを上記基板上で効率よく自己組織化させることができる。
また、上記ポリペプチドは、アミノ酸が連続してペプチド結合してなるものであれば特に限定されるものではない。例えば、公知のタンパク質や、化学合成されたオリゴペプチド等を用いることができる。なお、ポリペプチドのアミノ酸の配列は特に限定されるものではなく、任意の配列のものを用いることができる。なお、上記タンパク質は、通常、αへリックスやβシート等の2次構造に代表されるような高次構造をとっているが、本発明では、必要に応じて公知の方法でタンパク質を変性させ、高次構造を崩壊させた上で、用いてもよい。
また、上記多糖類は、グルコース、ガラクトース、フコース、N−アセチルグルコサミン、シアル酸等の各種単糖が連続して結合してなるものであれば特に限定されるものではない。具体的には、グルコースのみが連続して結合したグルカンや、ガラクトースのみが連続して結合したガラクタンのように、1種類の単糖からなっている構成であってもよいし、生体内で細胞表面等に存在する糖鎖のように、各種の糖鎖が任意の配列でつながっているものであってもよい。また、例えば、同じグルカンであっても、グルコースの結合位置によっては、アミロースとなったり、セルロースとなったりするが、各単糖の結合位置も特に限定されるものではない。さらに、アミロペクチンのように分岐鎖を有していてもよい。
本発明では、自己組織化材料として、上記例示した自己組織化能を有する物質を単独で用いてもよいし、複数の物質を組み合わせて用いてもよい。つまり、本明細書では、上記「自己組織化材料」には、自己組織化能を有する物質を複数含む混合物も含まれる。
本発明にかかる磁気抵抗素子において、上記分子と上記自己組織化材料とが結合した複合体は、どのような結合で形成されてもよいが、上記分子と上記自己組織化材料とがイオン結合により結合した複合体、換言すれば、イオン反応構造体であることが好ましい。このような複合体によれば、複合体の形成反応を水溶液中で行うことができるため、環境適合性が高いという利点がある。この観点から見れば、上記自己組織化材料は、水溶性の自己組織化材料であることが好ましい。具体的には、上記例示した自己組織化材料のうち、核酸が好ましく、DNAがより好ましく、二本鎖DNAであることが特に好ましい。このような自己組織化材料によれば、上記分子をアレイ状に配列させるテンプレートとして、扱いやすい。
また、本発明において、上記複合体は、上記分子のカチオン性置換基と、上記自己組織化材料のアニオン性置換基とがイオン結合してなることが好ましい。すなわち、上記分子はカチオン性置換基を有し、上記自己組織化材料はアニオン性置換基を有することが好ましい。上記カチオン性置換基としては、アミノ基、およびアニリン基などを挙げることができる。また、上記アニオン性置換基としては、スルホン酸基、リン酸基およびカルボキシル基を挙げることができる。このようなカチオン性置換基およびアニオン性置換基は、それぞれ、上記分子および自己組織化材料が本来有する置換基であってもよいし、後から人為的に導入した置換基であってもよい。
また、上記複合体を基板上で自己組織化させた磁気抵抗素子の場合、上記基板としては、上記例示した基板の中でも、上記自己組織化材料の固定性のよいものを選択して用いることが好ましい。例えば、上記自己組織化材料として核酸を用い、上記基板としてシリコンを用いる場合、シリコン基板の表面を化学処理することで、DNAやRNAのような核酸の固定力の強い疎水性を示す水素化シリコン(Si−H)の領域と、DNAやRNAのような核酸の固定力の弱い親水性の酸化シリコン(SiO)領域とを設けることができる。このような基板によれば、SiO領域にのみ、DNAやRNAのような核酸を吸着させることができる。
また、マイカは劈開性を有しているので、原子レベルで平坦な表面を簡便に得ることができる。それゆえ、マイカを上記基板として用いれば、該基板上に上記複合体を自己組織化させ、固定することができる。
さらに、本発明にかかる磁気抵抗素子は、上記構成に加えて、トップコンタクト電極を備えていることが好ましい。これにより、他のデバイスや電子部品と容易に接続することができる。また、トップコンタクト電極はボトムコンタクト電極に比べ、電気伝導度が良い。さらに、トップコンタクト電極はナノ分子構造の形成に影響が少ないため、本発明にかかる磁気抵抗素子に容易に設けることができる。
ここで、本発明にかかる磁気抵抗素子の一実施形態として、DNAとMn12核錯体とが結合してなる複合体が、基板上に自己組織化して形成された磁気抵抗素子について、より詳細に説明する。
DNAは、水素結合による自己組織化ワイヤである。また、特異的な塩基対を形成する。さらに、らせん構造を有する。DNAに機能分子を結合させる場合、結合様式としては、(1)共有結合、(2)インターカレーション、(3)主溝/副溝への縫合、および(4)イオン結合が挙げられる。なお、図1に、機能分子がDNAにインターカレーション、主溝/副溝への縫合、およびイオン結合により結合する様子を模式的に示す。
本実施形態におけるDNAとMn12核錯体とが結合してなる複合体では、DNAとMn12核錯体とは、上記(1)〜(4)のいずれの結合様式で結合されていてもよいが、インターカレーションまたはイオン結合により結合されていることが好ましい。また、上記4つのの結合様式のうち、イオン結合は、(a)水溶液中でDNAとMn12核錯体とを結合させることができる、(b)1塩基対に1分子のMn12核錯体を導入することができる、(c)DNAのらせん構造を保持したまま、DNAとMn12核錯体とを結合させることができる、といった特徴がある。したがって、上記複合体において、DNAとMn12核錯体とは、イオン結合により結合されていることがより好ましい。
該複合体において、DNAとMn12核錯体とがイオン結合を形成している場合、2本鎖DNAの外周に配置されるリン酸基とMn12核錯体がもつ置換基とをイオン結合を形成していることが好ましい。これにより、自己組織化材料であるDNAに特別な処理を施すことなく、1塩基対に対して、1分子のMn12核錯体を導入することができる。また、DNAとMn12核錯体との複合体においても、DNAのらせん構造が保持される。なお、この場合には、Mn12核錯体として、DNAのリン酸基とイオン結合が可能なカチオン性置換基を導入したMn12核錯体を用いればよい。このようなMn12核錯体としては、例えば、図2(a)〜図2(d)に示すようなMn12核錯体を挙げることができる。より詳細に説明すると、Mn12核錯体は、Mn核のまわりをアセテートが取り囲んだ構造を基本構造とする。本発明では、このような基本構造を基に、様々な修飾を行ったMn12核錯体を用いることができる。例えば、後述する実施例で用いるMn12核錯体では、Mn核を取り囲むアセテートの一部にアニリンを導入し、さらに該アニリンに水中でプロトンが付加し、カチオン基となっている。このように、本発明では、アニリンを含むアミン類で修飾されたMn12核錯体を好適に用いることができる。
このようなDNAとMn12核錯体とからなる複合体の構造を図3に示す。図3に示すように、該複合体では、DNA上に、Mn12核錯体が特定の間隔で配列している。このようにして、配列されたMn12核錯体の各分子は、近距離に位置しているため、図3に示すように、各分子間で電子伝達が可能である。このときの電子伝達の機構は、ホッピング伝導による電子伝達であると考えられる。ホッピング伝導による電子伝達は、熱によるスピン緩和の影響を受けにくいため、磁気抵抗素子における電子伝達メカニズムとしては、好適である。
本発明にかかる磁気抵抗素子は、上記詳説した構成を備えているため、室温で磁気抵抗効果を示すことができる。また、複雑で高価な装置やプロセスを必要とすることなく、ボトムアッププロセスによる自己組織的構造形成に基づいて、磁気抵抗材料を製造することができる。さらに、本発明によれば、ナノトランスファープリンティング、インクジェットなどの印刷技術に適合し、フレキシブルデバイスなどに応用することができる。
<2.磁気抵抗素子の製造方法>
本発明にかかる磁気抵抗素子の製造方法は、自己組織化材料をテンプレートとして用いて、酸化還元が可能で電子スピンを有する分子を配列することにより、ナノスケールの回路を構築し、磁気抵抗素子を製造するものである。具体的には、本発明にかかる磁気抵抗素子の製造方法は、自己組織化材料と、酸化還元が可能で電子スピンを有する分子と、からなる複合体の自己組織化能を用いて、上記分子を基板上に配列させる工程(以下、「分子配列工程」ともいう)を含んでいればよく、その他の具体的な構成は特に限定されるものではない。
ここでは、上記分子配列工程について詳細に説明する。
上記分子配列工程では、自己組織化材料と、酸化還元が可能で電子スピンを有する分子とが結合した複合体の自己組織化能を用いて、上記分子を該基板上に配列させる。より詳しく説明すると、上記複合体は、上記自己組織化材料に由来する自己組織化能を有している。また、上記複合体には、酸化還元が可能で電子スピンを有する分子が含まれている。それゆえ、上記複合体は、自己組織化能を有するため、該複合体が自己組織化することを用いて、基板上に上記分子を配列することができる。つまり、上記分子配列工程では、(a)上記複合体を自己組織化させた後、基板上に該自己組織化した複合体を固定することにより、上記分子を該基板上に配列させてもよいし、(b)上記複合体を基板上で自己組織化させることにより、該基板上に上記分子を配列させてもよい。
上記複合体において、上記自己組織化材料と上記分子との結合様式は、特に限定されるものではなく、共有結合、水素結合、配位結合、イオン結合などいかなる結合様式であってもよい。また、上記自己組織化材料の種類によっては、上記自己組織化材料の立体構造を利用した結合様式であってもよい。中でも、イオン結合であることが好ましい。また、上記自己組織化材料がDNAである場合には、インターカレーションにより上記分子とDNAとが結合し、複合体を形成していてもよい。
このような結合様式であれば、環境適合性の高い水溶性反応により、上記複合体を形成させることができる。
上記自己組織化材料については、特に限定されるものではなく、<1.磁気抵抗素子>で例示した自己組織化材料を用いればよい。中でも、核酸を用いることが好ましく、DNAを用いることがより好ましく、2本鎖DNAを用いることがさらに好ましい。
また、上記の酸化還元が可能で電子スピンを有する分子も、特に限定されるものではなく、<1.磁気抵抗素子>で例示した分子を用いればよい。
さらに、上記基板についても同様に、特に限定されるものではなく、<1.磁気抵抗素子>で例示した基板を用いればよい。また、上記基板は、従来公知の方法で製造したものでもよいし、市販品をそのまま用いてもよいし、市販品を適切な大きさや形状表面状態となるように適宜加工しても用いてもよい。
上記分子配列工程は、上記自己組織化材料と上記分子とを含有する溶液を用いて行うことが好ましい。上記溶液は、上記自己組織化材料と上記分子とを溶媒に溶解させた溶液または分散させた分散液であればよく、その他の具体的な構成は特に限定されるものではない。上記溶媒としては、上記自己組織化材料および上記分子の種類に応じて適宜選択すればよい。本発明では、上記自己組織化材料および上記分子を溶解または分散させている溶媒は、最終的には除去されるものである。よって、揮発性を有するものであることが好ましく、常温、具体的には15〜35℃でも揮発性を有する易揮発性溶媒であることがより好ましい。このような溶媒によれば、上記溶媒の除去を容易に行うことができる。
上記溶媒としては、具体的には、例えば、エタノール、クロロホルム、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、および水を挙げることができる。上記溶媒は1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記溶液が、分散液である場合、上記溶媒は、上記自己組織化材料および上記分子を溶解できるものでなくてもよい。例えば、上記溶媒として、2種類以上の溶媒を組み合わせて用いる場合、上記自己組織化材料および上記分子に対して可溶性を示す溶媒と、不溶性を示す溶媒とを組み合わせて用いてもよい。特に、上記自己組織化材料がポリヌクレオチドである場合、上記溶媒として、水(蒸留水や脱イオン水)、含水アルコールなどを好ましく用いることができる。中でも、水は、環境保全の観点からも好ましい。
上記自己組織化材料と上記分子とを含有する溶液において、上記自己組織化材料および上記分子の濃度は特に限定されるものでなく、上記自己組織化材料および上記分子の種類、並びに該溶液を用いて上記基板上で上記複合体を自己組織化させる方法に応じて、適宜変更されるものである。また、得られる磁気抵抗素子における上記分子の密度によっても、変更されるものである。
通常、上記溶液における上記自己組織化材料の濃度は、0.1ng/mL〜500μg/mLの範囲内であることが好ましく、0.1ng/mL〜10μg/mLの範囲内であることがより好ましい。また、上記溶液における上記自己組織化材料の濃度を変えることで、上記基板上に隣接して配列される上記自己組織化材料の間隔を制御することが可能である。その結果、上記分子の上記基板上での配列や密度を制御することができる。例えば、上記間隔を密にしたければ、上記溶液における上記自己組織化材料の濃度を高くすればよい。逆に、間隔を粗くする場合には、上記溶液における上記自己組織化材料の濃度を低くすればよい。
また、上記溶液における上記分子の濃度は、特に限定されるものではないが、上記自己組織化材料における上記分子の結合部位の数と同じか、それよりも少なくなるように設定することが好ましい。例えば、上記自己組織化材料としてDNAを用い、上記分子として、該DNAのリン酸基に1:1で結合可能なMn12核錯体を用いる場合、上記溶液におけるDNAのリン酸基のモル数とMn12核錯体とのモル数とが同じか、Mn12核錯体のモル数のほうが少なくなるように、調製すればよい。
さらに、本発明において、上記自己組織化材料と上記分子とを含有する溶液には、イオン性の物質を添加してもよい。このような物質を添加することにより、上記複合体が上記基板上で自己組織化することにより得られる構造を制御することができる。上記イオン性の物質としては、塩化ナトリウムなどのナトリウムイオンを生じる物質を挙げることができる。また、上記複合体が上記基板上で自己組織化することにより得られる構造は、上記自己組織化材料と上記分子とを含有する溶液に用いる溶媒によって、制御することも可能である。例えば、上記溶媒として、揮発性の異なる2種類以上の溶媒を用いて、それらの揮発性の差を用いて、上記構造を制御することも可能である。
本発明において、上記自己組織化材料と上記分子とを含有する溶液の調製方法は特に限定されるものではなく、従来公知の方法を適宜組み合わせるなどして調製すればよい。例えば、上記溶媒に上記自己組織化材料および上記分子を加えて攪拌することにより、該溶媒中に上記自己組織化材料および上記分子を分散または溶解させればよい。必要に応じて攪拌時に加熱または冷却などを行ってもよい。また、攪拌の条件も特に限定されるものではなく、上記自己組織化材料および上記分子や溶媒の物性、あるいは溶媒に対する上記自己組織化材料および上記分子の溶解度等に応じて好ましい条件を適宜選択すればよい。
上記分子配列工程において、上記自己組織化材料と上記分子とを含有する溶液を用いて、上記自己組織化材料と上記分子とが結合してなる複合体を上記基板上で自己組織化させる方法は、特に限定されるものではない。例えば、噴霧方向に対して表面が傾斜させた上記基板に、上記溶液を噴霧する方法を用いることができる。このような方法によれば、上記自己組織化材料を伸長かつ配列させて固定化させることができる。それゆえ、効率よく、上記分子を上記基板上に配列することができる。該方法において、噴霧条件は特に限定されるものではなく、上記溶液を傾斜した基板の上方にできる限り均一に噴霧できるような条件であればよい。ここで、溶液の噴霧に用いる手段は特に限定されるものではなく、公知の噴霧装置を用いることができる。例えば、パルスバルブを備える噴霧装置を用いればよい。また、上記溶液の噴霧条件は特に限定されるものではないが、噴霧は真空中で行われることが好ましい。例えば、0.1Pa以下で行われることが好ましく、10−3Pa以下で行われることがより好ましい。上記条件で上記溶液を噴霧すれば、上記基板の汚染を回避できるとともに、上記溶液中の溶媒の揮発を促進することできる。さらに、上記溶液を噴霧するときの温度は、上記溶液が安定した状態となり得る温度範囲であれば特に限定されない。通常は常温で行うことが好ましい。また、上記基板上に溶媒が残存している間に温度を変化させることにより、隣接する自己組織化材料の分子間の間隔を調整することも可能である。さらに、噴霧時間も特に限定されるものではなく、自己組織化材料の種類や得ようとする磁気抵抗素子における酸化還元が可能で電子スピンを有する分子の固定密度等を考慮して適宜設定すればよい。
さらに、該方法において、上記溶液を噴霧する際の上記基板の傾斜角度は特に限定されるものではないが、例えば、上記噴霧方向に対して、上記表面が10°〜80°の範囲内となるように傾斜させることが好ましく、30°〜60°の範囲内となるように傾斜させることがより好ましい。
上記基板の傾斜角度が上記範囲内であれば、上記溶液に含まれる自己組織化材料を、基板の表面上で転がりやすくすることができる。このように上記自己組織化材料が転がりやすくなると、上記溶液における溶媒の流れを受けて、上記自己組織化材料が表面上を転がる過程で、一方向に伸長して配列される。その結果、上記自己組織化材料を上記基板の表面上で一方向に伸長および配列すると同時に、上記酸化還元が可能で電子スピンを有する分子を上記基板上に配列することができる。
また、上記自己組織化材料と上記分子とを含有する溶液を用いて、上記自己組織化材料と上記分子とが結合してなる複合体を上記基板上で自己組織化させる方法として、上記以外に、上記溶液を上記基板上に滴下し、溶媒を除去・乾燥させる方法を挙げることができる。該方法によれば、上記複合体を上記基板上で自己組織化させ、該複合体を該基板上に固定することができる。その結果、上記分子を上記基板上に配列させることができる。また、上記溶液を上記基板上に、刷毛のようなものを用いて、面状に塗布し、溶媒を除去・乾燥させる方法、およびスピンコーティングのように遠心力を用いて薄く、上記溶液を上記基板上にコーティングする方法などを用いることもできる。さらに、上記自己組織化材料として、DNAを用いる場合には、例えば、上記特許文献2に記載の基板上にDNAを網目状に構成する方法、化学修飾したマイカ基板上にDNAの溶液を垂らし、DNA溶液に流れを作ることにより、DNAを伸長させる方法(Jing Yong Ye, Kazuo Umemura, Mitsuru Ishikawa, and Reiko Kuroda, Atomic Force Microscopyof DNA Molecules Stretched by Spin−Coating Technique, Analytical Biochemistry 281,21-25 (2000)を参照);DNAが結合するよう基板修飾を施し、この基板をDNA溶液に浸し、基板修飾されたところにDNAを引っかけた後、さらに基板をDNA溶液から引き上げることにより伸長させる方法(分子櫛法)(Xavier Michalet, Rosemary Ekong, Francoise Fougerousse, Sophie Rousseaux CatherineSchurra, Nick Hornigold, Marjon van Slegtenhorst, Jpnathan Wolfe, Sue Povey, JacquesS. Beckmann, Aaron Bensimon, Dynamic Molecular Combing: Stretching the Whole HumanGenome for High-Resolution Studies, SCIENCE, VOL. 277 (1997年9月5日)を参照);マイカ基板に溶液を垂らし、それをブロワー等で吹き飛ばすことによりDNAを伸長させる方法(Jianwei Li, Chunli Bai, Chen Wang, Chuanfeng Zhu, Zhang Lin, Qing Li and Enhua Cao,Å convenient method of aligning large DNA molecules on bare mica surfaces for atomicforce microscopy, Nucleic Acids Research, 1998, Vol. 26. No. 20 4785-4786を参照)等を用いることができる。
<3.磁気抵抗素子を用いたデバイス>
本発明にかかる磁気抵抗素子は、上記の通り、酸化還元が可能で電子スピンを有する分子が、基板上で自己組織化構造と呼ばれる特徴的な自己集合構造をとる自己組織化材料を用いて配列された磁気抵抗素子である。このような磁気抵抗素子は、自己組織化材料の基板上への展開条件を制御することにより、上記分子のナノ構造を配向・配列制御ができる。そのため、本発明にかかる磁気抵抗素子は、分子デバイスへの技術応用が可能である。すなわち、本発明には、上述した本発明にかかる磁気抵抗素子を一構成部材として備えるデバイスも含まれる。ここで、本発明にかかるデバイスについて詳細に説明する。
本発明にかかるデバイスは、本発明にかかる磁気抵抗素子を一構成部材として備えていればよく、その他の具体的な構成は特に限定されるものではない。例えば、本発明にかかる磁気抵抗材料をナノスケールの間隙を持つ電極内に配置することにより、磁気センサを構築することができる。このような磁気センサは、本発明にかかるデバイスとして例示することができる。さらに、上記磁気センサを備える各種装置もまた、本発明にかかるデバイスに含まれる。このように、本発明にかかるデバイスには、本発明にかかる磁気抵抗素子を備える各種装置、デバイスが含まれる。
本発明にかかるデバイスでは、上記磁気抵抗素子は、電極を介して他の部材と電気的に接続される。本発明にかかるデバイスは、上記磁気抵抗素子における酸化還元が可能で電子スピンを有する分子のナノ分子構造を直接利用するものである。そのため、本発明にかかるデバイスでは、上記ナノ分子構造を下回るギャップ幅をもつ電極を用いる必要がある。このようなギャップ幅をもつ電極としては、ボトムコンタクト電極、およびトップコンタクト電極を挙げることができる(応用物理第72巻 第9号(2003) 1151〜1156を参照)。本発明にかかるデバイスでは、上記電極は特に限定されるものではないが、トップコンタクト電極はボトムコンタクト電極に比べ、電気伝導度がよいため、トップコンタクト電極を用いることが好ましい。なお、上記ギャップ幅は、高分解能を有するフィールドエミッション型電子顕微鏡を用いて測定することができる。
本発明にかかるデバイスにおいて、トップコンタクト電極を採用する場合、該トップコンタクト電極を形成させる方法は特に限定されるものでない。例えば、電子ビーム描写を用いて微細なシャドウマスクを作製し、このマスクにより500nm程度の電極パターンを作製する方法(Nano Lett.3(2003) 1371を参照);PDMS(Polydimethylsiloxane)と呼ばれる軟らかい有機分子基板上に光露光などでレジストをパターンニングしナノギャップ電極を作製する方法(Appl. Phys. Lett.82(2003) 793を参照);ナノトランスファープリンティング法(WO2006/035524パンフレット(2006年4月6日公開));傾斜蒸着法(特開2005−175164号公報(平成17(2005)年6月30日公開)を参照)を挙げることができる。中でも、上記傾斜蒸着法を用いることが好ましい。該方法によれば、本発明は、光露光や電子ビーム露光などのウェットプロセスを用いることなく、ミクロンオーダー程度のパターンニング精度の技術を用いて、100nm以下、特に50nm以下のギャップ幅のナノギャップ電極を製造することができる。
ここで、上記傾斜蒸着法について説明する。
本発明にかかる磁気抵抗素子に対して、傾斜蒸着法により上記トップコンタクト電極を形成させる場合、例えば、以下の(i)〜(vi)工程を経ることにより、上記磁気抵抗素子にトップコンタクト電極を設けることができる。
(i)本発明にかかる磁気抵抗素子の酸化還元が可能で電子スピンを有する分子が配列された面に、ナノレベルで平坦な壁面エッジを持つプレートをあてがう工程プレート適用工程
(ii)上記プレートをマスクとして、導電性材料を斜め蒸着し、基板面に対して導電性材料を斜め蒸着し、電極エッジ角度θ(0°<θ<90°)となるように電極層を設ける工程
(iii)上記プレートを取り外す工程
(iv)スリットを持つメタルマスク、上記磁気抵抗素子上に形成された上記電極に対して該スリットが直角となる方向にあてがう工程
(v)上記磁気抵抗素子の表面に対してθ(0°<θ<θ<90°)の角度で導電性材料を斜め蒸着し、ナノメートルスケール・オーダーのギャップが形成されるようにもう1つの電極層を設ける工程
(vi)上記メタルマスクを取り外す工程
上記(i)工程において用いるプレートは、特に限定されるものではないが、例えば、劈開したシリコンプレートを挙げることができる。
また、上記(ii)工程、および(v)工程において用いる導電性材料は特に限定されるものではないが、例えば、CrとAuとの混合物を挙げることができる。
さらに、上記(ii)工程、および(v)工程において、蒸着源と試料との距離を50cmとすることが好ましい。なお、上記距離は、50cmでなくとも、ある程度の幅をもっていてもよく、実質的に50cmとみなせる範囲であればよい。上記距離とすれば、蒸着時の蒸着源から熱放射により目的とする有機物質層を破壊することがない。
また、上記電極として金電極を用いる場合、金薄膜の形成速度は、1秒間に10Å程度であることが好ましい。このように比較的速い速度で、上記金薄膜を形成させることにより、基板上に金が微粒子を形成するのを防ぐことができる。それゆえ、金電極が結晶化することがなく、緻密なアモルファス層として、金電極を形成することができる。その結果、急峻なギャップ構造を有する電極とすることができる。
上記方法によれば、100nm以下のサイズのトップコンタクト型ナノギャップ電極(トップコンタクト電極)を好適に形成することができる。
また、本発明にかかるデバイスには、2つの電極層間に本発明にかかる磁気抵抗素子を挟み込んだサンドイッチ型の薄膜接合の構造を有してもよい。さらに、3つの電極を配置して、FET構成のデバイスとすることもできる。
なお本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明について、実施例および図4〜図9に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。
〔実施例1:Mn12/DNA複合体の形成〕
次の方法で、DNAを用いて、Mn12核錯体のワイヤ構造を作製することを試みた。まず、周囲にアミノ基が出ているMn12核錯体(図2を参照)の飽和水溶液を調製した。この飽和水溶液をDNA(Poly(dA)Poly(dT))溶液と混合し、混合溶液を調製した。該混合溶液におけるDNA濃度が最終的に250μg/mlとなるように調製した。より具体的には、上記混合溶液中のMn12核錯体の濃度が90mg/L、DNAの濃度が250μg/mlとなるように調製した。次に、該混合溶液をマイカ上に滴下した。その後、窒素で余分な溶液を除去し、さらに乾燥させた。その結果、図4に示すように、繊維状構造が形成された。
さらに、上記混合溶液をSi基板上に滴下し、その後、窒素で余分な溶液を除去し、さらに乾燥させた。その結果、上記混合溶液をマイカ上に滴下したとき同様、繊維状構造が形成された。
一方、上記Mn12核錯体を含まないDNA溶液のみを、マイカ上に滴下し、窒素により溶液の除去および乾燥を行ったところ、DNAが複雑に絡み合ったDNAネットワーク構造が形成された。
以上の結果から、Mn12核錯体がDNAに結合して、剛直な複合体を形成することが分かった。
〔実施例2:トップコンタクト電極形成〕
傾斜蒸着法により、ギャップ間隔が100nm以下の電極を作製した。図5に該電極の光学顕微鏡像を示す。なお、図5では、電極の間隙を測定することができないが、高分解能を有するフィールドエミッション型電子顕微鏡により測定したところ、そのギャップ間隔は100nm以下であった。
〔実施例3:磁場をかけていないときの電流−電圧特性の評価〕
実施例2で作製した電極の両端に電圧を印加し、電流−電圧特性を評価した。その結果を図6に示す。図6に示すように、全体としてS字型の曲線を示した。また、ゼロバイアスでも有限の傾きを有していた。さらに、温度を下げると電流の絶対値は減少したが、150K付近よりも低い温度では、コンダクタンスはほとんど変化しなかった。
次に、図6の結果に基づき、コンダクタンスのアレニウスプロット解析を行った。その結果を図7に示す。図7に示すように、150K付近よりも高い温度領域では、明瞭な立ち上がりが見られ、温度の逆数に対して直線になっていた。これにより、Mn12/DNA複合体におけるMn12核錯体間の電子伝達は、ホッピング機構による電気伝導であると考えられる。
〔実施例4:磁場をかけているときの電流−電圧特性の評価〕
外部磁場をかけた状態で、実施例2で作製した電極の両端に電圧を印加し、そのときの電流−電圧特性を評価した。なお、測定温度は350Kとした。その結果を図8に示す。図8に示すように、磁場をかけると、電流が増加した。
次に、磁気抵抗率の温度特性を評価した。その結果を図9に示す。図9に示すように、200Kから磁気抵抗が増加し、350Kでは、約30%という高い磁気抵抗率を示した。
このような温度が上昇すると磁気抵抗が上昇するという現象は、これまでに報告のない新規な現象であった。また、この現象は、図8に示したホッピング伝導の立ち上がりと強く相関しているものと考えられる。
なお本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態や実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された学術文献及び特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。
本発明にかかる磁気抵抗素子は、酸化還元が可能で電子スピンを有する分子が、基板上に配置されているため、導電性である上、磁場が印加されると磁気抵抗効果を示す。したがって、本発明は、磁気抵抗素子、およびそれを備える磁気センサのような各種電子部品の製造に用いることができるだけではなく、該電子部品を用いた各種デバイスや各種装置に幅広く適用することができる。
図1は、DNAへの機能分子の結合様式を示す図である。 図2は、本発明に利用可能なMn12核錯体の構造を示す図である。 図3は、DNA/Mn12核錯体複合体の構造、およびDNA/Mn12核錯体複合体中の電子伝達を示す図である。 図4は、本発明の実施例において、DNAとMn12核錯体との混合溶液をマイカ上に滴下し、乾燥後に観察したAFM像を示す図である。 図5は、本発明の実施例において、傾斜蒸着法により作成したナノギャップ電極を顕微鏡で観察した像を示す図である。 図6は、本発明の実施例における磁気抵抗素子に対して、外部磁場をかけない状態で、傾斜蒸着法により形成した電極両端に電圧をかけたときの電流−電圧特性を示す図である。 図7は、図6に示す電流−電圧特性から作成したアレニウスプロットを示す図である。 図8は、本発明の実施例における磁気抵抗素子に対して、外部磁場をかけた状態で、傾斜蒸着法により形成した電極両端に電圧をかけたときの電流−電圧特性を示す図である。 図9は、本発明の実施例における磁気抵抗素子の磁気抵抗率の温度特性を示す図である。

Claims (23)

  1. 酸化還元が可能で電子スピンを有する分子が、基板上に配置されており、上記分子間でホッピング伝導による電子伝達が可能であることを特徴とする磁気抵抗素子。
  2. 上記分子が、遷移金属を含有していることを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗素子。
  3. 上記分子が、Mn12核錯体であることを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗素子。
  4. 特定の温度範囲において、温度が上昇するのに伴って、磁気抵抗率が上昇することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気抵抗素子。
  5. 上記分子と自己組織化材料とが結合した複合体の自己組織化能を用いて、上記分子が上記基板上に配列されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気抵抗素子。
  6. 上記複合体は、上記分子と上記自己組織化材料とがイオン結合により結合してなることを特徴とする請求項5に記載の磁気抵抗素子。
  7. 上記分子は、カチオン性置換基を有し、
    上記自己組織化材料は、アニオン性置換基を有し、
    上記複合体は、上記分子のカチオン性置換基と、上記自己組織化材料のアニオン性置換基とがイオン結合してなることを特徴とする請求項5に記載の磁気抵抗素子
  8. 上記自己組織化材料は、合成ポリマー、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、および多糖類からなる群より選択される少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の磁気抵抗素子。
  9. 上記自己組織化材料は、DNAであることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の磁気抵抗素子。
  10. 酸化還元が可能で電子スピンを有する分子が、基板上に配置されており、200K以上の温度では温度が上昇するのに伴って、磁気抵抗率が上昇し、15〜35℃の範囲において30%以上の磁気抵抗率を示すことを特徴とする磁気抵抗素子。
  11. 上記基板上に上記分子が20〜30nm以下の間隔で配列されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の磁気抵抗素子。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の磁気抵抗素子を一構成部材として備えることを特徴とするデバイス。
  13. 上記磁気抵抗素子が、トップコンタクト電極内に配置されていることを特徴とする請求項12に記載のデバイス。
  14. 自己組織化材料と、酸化還元が可能で電子スピンを有する分子とが結合した複合体の自己組織化能を用いて、分子間でホッピング伝導による電子伝達が可能となるように、上記分子を基板上に配列させる工程を含むことを特徴とする磁気抵抗素子の製造方法。
  15. 上記複合体は、上記自己組織化材料と上記分子とがイオン結合により結合してなる複合体であることを特徴とする請求項14に記載の磁気抵抗素子の製造方法。
  16. 上記自己組織化材料は、アニオン性置換基を有し、
    上記分子は、カチオン性置換基を有することを特徴とする請求項14または15に記載の磁気抵抗素子の製造方法。
  17. 上記自己組織化材料は、合成ポリマー、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、および多糖類からなる群より選択される少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項14〜16のいずれか1項に記載の磁気抵抗素子の製造方法。
  18. 上記自己組織化材料は、DNAであることを特徴とする請求項14〜16のいずれか1項に記載の磁気抵抗素子の製造方法。
  19. 上記分子は、遷移金属を含有していることを特徴とする請求項14〜18のいずれか1項に記載の磁気抵抗素子の製造方法。
  20. 上記分子は、Mn12核錯体であることを特徴とする請求項14〜18のいずれか1項に記載の磁気抵抗素子の製造方法。
  21. 自己組織化材料と、酸化還元が可能で電子スピンを有する分子とが結合した複合体の自己組織化能を用いて、上記分子を基板上に配列させる工程を含み、当該工程においては、噴霧方向に対して表面を10°〜80°の範囲内となるように傾斜させた上記基板に、上記自己組織化材料と上記分子とを含有する溶液を噴霧することを特徴とする磁気抵抗素子の製造方法。
  22. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の磁気抵抗素子に対して、トップコンタクト電極を設ける工程を含むことを特徴とするデバイスの製造方法。
  23. 上記トップコンタクト電極は、傾斜蒸着法により形成されることを特徴とする請求項22に記載のデバイスの製造方法。
JP2006229903A 2006-08-25 2006-08-25 磁気抵抗素子およびその製造方法、並びにその利用 Active JP4992009B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006229903A JP4992009B2 (ja) 2006-08-25 2006-08-25 磁気抵抗素子およびその製造方法、並びにその利用

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006229903A JP4992009B2 (ja) 2006-08-25 2006-08-25 磁気抵抗素子およびその製造方法、並びにその利用

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008053566A JP2008053566A (ja) 2008-03-06
JP4992009B2 true JP4992009B2 (ja) 2012-08-08

Family

ID=39237302

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006229903A Active JP4992009B2 (ja) 2006-08-25 2006-08-25 磁気抵抗素子およびその製造方法、並びにその利用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4992009B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140133121A (ko) * 2013-05-09 2014-11-19 삼성디스플레이 주식회사 자기저항소자, 이를 포함하는 디지타이저 센싱 패널, 디스플레이 장치 및 자기저항소자의 제조 방법.
JP2018149615A (ja) * 2017-03-10 2018-09-27 国立大学法人名古屋大学 超格子構造体、およびその製造方法
CN108987026B (zh) * 2017-06-02 2021-10-29 中国科学院物理研究所 基于分子磁体的低温磁制冷材料及其制备方法和应用

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3813293B2 (ja) * 1997-04-23 2006-08-23 株式会社リコー 有機磁性薄膜の製造方法及び該方法によって得られる有機磁性薄膜
JP3986796B2 (ja) * 2001-10-31 2007-10-03 独立行政法人科学技術振興機構 有機磁性膜
JP4086236B2 (ja) * 2003-06-30 2008-05-14 三井化学株式会社 磁気スイッチング素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008053566A (ja) 2008-03-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Nakao et al. Transfer-printing of highly aligned DNA nanowires
Hu et al. Oil–water interfacial self-assembly: a novel strategy for nanofilm and nanodevice fabrication
US9388047B2 (en) Directed assembly of carbon nanotubes and nanoparticles using nanotemplates
CN103890580B (zh) 用于处理单分子的设备
US7948082B2 (en) Method of fabricating a patterned nanoscopic article
Kuncicky et al. Rapid deposition and long‐range alignment of nanocoatings and arrays of electrically conductive wires from tobacco mosaic virus
JP3989290B2 (ja) Dnaを利用した自己組織化ナノデバイス構造およびその製造方法
TW201012749A (en) Methods for preparation of graphene nanoribbons from carbon nanotubes and compositions, thin films and devices derived therefrom
Hui et al. DNA‐based nanofabrication for nanoelectronics
Fritzsche et al. Metallic nanowires created by biopolymer masking
Pillers et al. Electron-beam lithography and molecular liftoff for directed attachment of DNA nanostructures on silicon: top-down meets bottom-up
JP4992009B2 (ja) 磁気抵抗素子およびその製造方法、並びにその利用
Ghouse et al. Importance of nanotechnology, various applications in electronic field
US20110268884A1 (en) Formation of nanoscale carbon nanotube electrodes using a self-aligned nanogap mask
Bouhamed et al. Customizing hydrothermal properties of inkjet printed sensitive films by functionalization of carbon nanotubes
Liu et al. Characterization of electrostatically self-assembled nanocomposite thin films
Calò et al. Nanoscale device architectures derived from biological assemblies: The case of tobacco mosaic virus and (apo) ferritin
RU2324643C1 (ru) Способ получения тонкопленочного нанокомпозитного покрытия на твердотельной подложке
Machrafi et al. Self-assembly of carbon nanotube-based composites by means of evaporation-assisted depositions: Importance of drop-by-drop self-assembly on material properties
Pignataro Nanostructured molecular surfaces: advances in investigation and patterning tools
CN104350420A (zh) 用于处理单分子的设备的制造方法
KR100424247B1 (ko) 블록 공중합체를 이용하는 나노-소자
Rahman et al. Two-dimensional materials as substrates for the development of origami-based bionanosensors
Rose et al. Adsorption and combing of DNA on HOPG surfaces of bulk crystals and nanosheets: application to the bridging of DNA between HOPG/Si heterostructures
US8569042B2 (en) DNA structures on ferroelectrics and semiconductors

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090619

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110708

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110726

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110926

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120306

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120328

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150518

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350