JP4991993B2 - プラウ支持装置 - Google Patents

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Description

本発明は、建設機械、除雪専用車両等の車両にプラウを取り付け可能にするプラウ支持装置に関する。
従来、プラウを用いて路上の雪を路肩に押しやる除雪車が知られている(例えば、特許文献1参照。)。ここで、プラウを車両に取り付ける方法として、以下のようなものがある。まず、トラックに取り付ける場合、プラウを平行リンクでトラックの昇降機等に固定する方法、チェーンを介して上部を吊り基部をトラックのシャーシ等に固定する方法等がある。いずれの方法も、作業時にプラウの重量を路面に預け、リンク部に設けた長穴摺動機構又はチェーンを介してプラウを路面に応答性よく追従させるように行われる。
次に、除雪ドーザに取り付ける場合、ブーム先端のバケットを外してプラウに付け替える方法がある。ここで、バケットは通常ピンで連結されていたりワンタッチカプラに取り付けられていたりするため、これらのピン、ワンタッチカプラ等を介してプラウが取り付けられる。また、ロータリ除雪車に取り付ける場合、先端で回転するオーガ等が取り付けられる昇降リンクの先端に、ピン又はワンタッチカプラを介して、オーガ等と取り替えてプラウを固定する方法がある。
ここで、特許文献1に記載の除雪車は、プラウを支持する押しアームを加圧アームが押し付けて、プラウを路面に接地させるように構成されている。また、リンク機構を介してプラウを進行方向に直交する上下及び左右方向に回動可能とし路面に追従させる構成例も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
実開平6−034025号公報 特開2004−285635号公報
しかしながら、従来のプラウの取付け技術では、単に、ブーム、オーガ等との取替えにすぎず、取り付け後の作業性が好適に考慮されていないという問題を有していた。具体的には、プラウを除雪ドーザに取り付ける場合、トラックに取り付ける場合とは異なり追従性が低下してしまうという問題があった。その結果、除雪作業において、ピッチング、ローリング等によって、高い除雪精度が得られていない。
また、ロータリ除雪車に取り付ける場合、ロータリ除雪車が有する油圧フロート機構を介してプラウを路面に追従させることが考えられる。しかしながら、油圧フロート機構では除雪に適した応答速度が得られず、トラックの場合に比較して応答速度の観点で追従性が低下してしまうという問題がある。
この場合、さらに、プラウへの取替えによって車体が軽くなってしまい、除雪に必要な推進力が低減してしまうという問題がある。以上のように、ブーム、オーガ等に入れ替えてプラウを建設機械、除雪専用車両等の作業車両に取り付ける従来の方法では、追従性の不足による除雪精度の低下、推進力不足による作業速度の低下等の作業性の低下が生じてしまう。
以上の現状に鑑み、本発明の目的は、建設機械、除雪専用車両等の作業車両への従来の取付け技術よりも、高い追従性又は強い推進力の実現が可能なプラウ支持装置を提供する。
上記の課題を解決すべく、本発明は以下の構成を提供する。
請求項1に係る発明は、建設機械及び除雪専用車両を含む作業車両にプラウを取り付け可能にする支持装置であって、錘を搭載可能になっており、前記作業車両に固定されるベースと、一端が前記ベースに回動可能に軸支され、他端が前記プラウに回動可能に取り付けられて前記プラウを上下に揺動自在に保持する平行リンクと、路面の凹凸等によって生ずる前記プラウの前記車両に対する相対的な振動を、内蔵する弾性体を介して吸収して緩和する緩衝機と、を備えることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、建設機械及び除雪専用車両を含む作業車両にプラウを取り付け可能にする支持装置であって、作業車両に固定されるベースと、一端がベースに回動可能に軸支され、他端がプラウに回動可能に取り付けられてプラウを上下に揺動自在に保持する平行リンクと、路面の凹凸等によって生ずるプラウの車両に対する相対的な振動を、内蔵する弾性体を介して吸収して緩和する緩衝機と、を備えるため、建設機械、除雪専用車両等の作業車両への従来の取付け技術よりも、高い追従性の実現が可能なプラウ支持装置を実現することができる。更に、ベースが錘を搭載可能になっているため、建設機械、除雪専用車両等の作業車両への従来の取付け技術よりも、強い推進力を実現することができる。
以下、実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明によるプラウ支持装置の一実施例を模式的に示す側面図であり、図2は図1に対応する上面図である。図3は本発明によるプラウ支持装置がロータリ除雪車に取り付けられた状態を示す側面図であり、図4は図3に対応する上面図である。以下、本発明によるプラウ支持装置がロータリ除雪車に取り付けられる場合を例にとって説明する。
プラウ支持装置1は、図1〜図4に示すように、ロータリ除雪車2に取り付けられて固定されるベース10と、一端がベース10に回動可能に軸支され、他端がプラウ3に回動可能に取り付けられてプラウ3を上下に揺動自在に保持する左右1対の平行リンク20と、路面の凹凸等によって生ずるプラウ3の車両2に対する相対的な振動を緩和する緩衝機30と、を備える。ここで、建設機械を考慮する場合、路面は、さらに、工事現場等における車両近傍の領域の平均的な平面、その他のプラウを介した作業の後に現したい地面をも指すものとする。
ベース10には、図1及び図2に示すように、プラウ3昇降用のロータリ除雪車2の昇降機4に取り付けるための左右1対のフックプレート11とブラケットプレート12がそれぞれ背面Rの上側と下側に設けられている。背面Rには、また、平行リンク20を支持する左右1対の上下2本からなるサポートロッド23と左右1対のサポートプレート24が設けられ、サポートプレート24がサポートロッド23を支持するようになっている。
ベース10には、また、緩衝機30を支持するための緩衝機支持ブラケット31と、緩衝機30の上端を緩衝機支持ブラケット31に連結するための緩衝機上ブラケット32とがそれぞれ前面Fに設けられている。ここで、緩衝機上ブラケット32は、緩衝機支持ブラケット31に緩衝機ピン33を介して回動自在に連結されている。また、プラウ3側には、緩衝機30の下端が連結されて支持される緩衝機下ブラケット34が設けられている。
平行リンク20は、図1及び図2に示すように、片側、上下2本のリンクアーム21、22からなる左右1対のアームからなる。各リンクアーム21、22の一方の端部は、ベース10の背面Rに設けられたサポートロッド23に回動可能に取り付けられている。各リンクアーム21、22の他の端部は、上下のリンクブラケット25、26、リンクピン27等を介してプラウ3と連結されている。ここにおいて、プラウ3は、各リンクアーム21、22の端部によって、前方へも後方へも傾斜することなく上下に揺動自在に支持されている。
緩衝機30は、ベース10の前面Fに設けられた緩衝機上ブラケット32と緩衝機下ブラケット34との間に、緩衝機ピン33を介して伸縮自在に取り付けられている。緩衝機30は、内部にコイルバネ等の弾性体を有し、伸縮することによって、プラウ3の衝撃、振動等を吸収することが可能となっている。緩衝機30は、また、必要に応じて緩衝機支持ブラケット31の周りに回動可能となっている。
プラウ支持装置1は、また、自重を増すためのウエイト40を搭載可能となっている。図5は、ウエイトが搭載される部分を示す断面図である。ウエイト40の搭載を可能とするために、プラウ支持装置1は、図5に示すように、左右1対のサポートプレート24に挟まれる空間の周囲を覆うことが可能な補強プレート41〜43を備えている。
ここで、補強プレート41〜43は、作業性向上のために、サポートプレート24に設けられたスロット等を用いて組立可能となっているのでもよい。このように構成することによって、実質的にロータリ除雪車の重量増大を可能とし、作業時にプラウ支持装置はその重量を路面に預けないため、もって除雪作業時の推進力の増大と安定した走行が可能となる。
プラウ支持装置1は、さらに、自重を増すためにプレート13をベース10に取付け可能になっているのでもよい。そのために、ベース10にはネジ穴が設けられると共にプレート13には対応する位置に貫通口が設けられ、プレート13がボルトナットの構成を介してベース10に取り付けられるのでもよい。さらに、作業性の向上のため、ベース10の上端に突起部材が設けられ、プレート13には突起部材に吊り下げるためのワイヤが設けられ、プレート13を吊り下げてネジ止め作業できるようになっているのでもよい。
また、プラウ支持装置1は、路面上に車両を支持するための所謂アウトリガーを備えるのでもよい。これによって、プラウ着脱時の作業の安全性の向上が可能となる。また、アウトリガーは、上記のウエイト40及びプレート13と同様に錘として作用するため、上記と同様の効果を奏することが可能である。
図6は、回送時におけるプラウ支持装置が持ち上げられた状態を示す側面図である。図7は、プラウ支持装置がロータリ除雪車に取り付けられた状態を示す、図6に対応する側面図である。プラウ支持装置1は、さらにまた、昇降機4を介して持ち上げられた時にプラウ3を下方から保持する左右1対のストッパ14を備える。
ここで、従来、トラックに取り付けられるプラウは、回送中、昇降用の油圧シリンダ等によってストッパに押し付けられているため、路面の凹凸等によって車両が上下にバウンドしても動くことはない。しかしながら、従来のロータリ除雪車2にはこのような機構が設けられていないため、車両のバウンドに抗してプラウの上下動を抑制することはできない。本発明によるプラウ支持装置は、ストッパ14を介してプラウ3を下方から保持すると共に、緩衝機30を介してバウンドによる上下動を吸収するため、プラウ3の上下動の回避又は抑制が可能となる。その結果、プラウ3とロータリ除雪車2の振動が原因で発生する損傷が回避可能となる。
ここで、プラウ3は、上記のように上下2本のリンクアーム21、22によって、前後への傾斜が回避されると共に上下方向に揺動自在にも保持されている。その結果、本発明によるプラウ支持装置は、プラウ3が傾斜なく路面の凹凸等に追従できるように構成されている。
さらに、応答の速い緩衝機30を備えるため、プラウ3の振動を吸収することが可能であると共に、従来の油圧フロート機構を用いる場合に比較して路面の凹凸等への高速応答が可能となる。ここで、油圧フロート機構は、油の移動を利用するものであるため、除雪作業に適した高い応答速度を有しない。
以上、本発明によれば、追従機構のない除雪ドーザ等の作業車両にプラウを取り付けた場合であっても、高い追従性と強い推進力が得られるため、除雪作業時の除雪精度の向上と作業速度の向上が可能となる。
なお、上記では、本発明によるプラウ支持装置がロータリ除雪車に取り付けられる場合を例にとって説明したが、本発明によるプラウ支持装置はロータリ除雪車以外の除雪ドーザ、モータグレーダ等の除雪専用車両又は建設機械にも同様に取り付け可能である。ここで、本発明によるプラウ支持装置が他の除雪専用車両又は建設機械に取り付けられる場合、取り付け対象の車両の装備に応じて、取付け用のフックプレート11とブラケットプレート12をブーム、その取付けリンク等に応じたブラケットに交換して、プラウ支持装置の取付けが可能となるのでもよい。
本発明によるプラウ支持装置は、機械工業等において利用可能であり、このような製品の有用性を増進する。
本発明によるプラウ支持装置の一実施例を模式的に示す側面図である。 図1に対応する上面図である。 本発明によるプラウ支持装置がロータリ除雪車に取り付けられた状態を示す側面図である。 図3に対応する上面図である。 ウエイトが搭載される部分を示す断面図である。 回送時におけるプラウ支持装置が持ち上げられた状態を示す側面図である。 プラウ支持装置がロータリ除雪車に取り付けられた状態を示す、図6に対応する側面図である。
符号の説明
1 プラウ支持装置
2 ロータリ除雪車
3 プラウ
4 昇降機
10 ベース
11 フックプレート
12 ブラケットプレート
13 プレート
14 ストッパ
20 平行リンク
21、22 リンクアーム
23 サポートロッド
24 サポートプレート
25、26 リンクブラケット
27 リンクピン
30 緩衝機
31 緩衝機支持ブラケット
32 緩衝機上ブラケット
33 緩衝機ピン
34 緩衝機下ブラケット
40 ウエイト
41〜43 補強プレート
F ベースの前面
R ベースの背面

Claims (1)

  1. 建設機械及び除雪専用車両を含む作業車両にプラウを取り付け可能にする支持装置であって、
    錘を搭載可能になっており、前記作業車両に固定されるベースと、
    一端が前記ベースに回動可能に軸支され、他端が前記プラウに回動可能に取り付けられて前記プラウを上下に揺動自在に保持する平行リンクと、
    路面の凹凸等によって生ずる前記プラウの前記車両に対する相対的な振動を、内蔵する弾性体を介して吸収して緩和する緩衝機と、を備えることを特徴とするプラウ支持装置。
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