JP4991215B2 - 棒状化粧材繰り出し容器 - Google Patents

棒状化粧材繰り出し容器 Download PDF

Info

Publication number
JP4991215B2
JP4991215B2 JP2006237397A JP2006237397A JP4991215B2 JP 4991215 B2 JP4991215 B2 JP 4991215B2 JP 2006237397 A JP2006237397 A JP 2006237397A JP 2006237397 A JP2006237397 A JP 2006237397A JP 4991215 B2 JP4991215 B2 JP 4991215B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
holder
stick
cosmetic material
shaped
decorative material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006237397A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008055025A5 (ja
JP2008055025A (ja
Inventor
淳 大庭
朋哉 南野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuno Kasei Co Ltd
Original Assignee
Suzuno Kasei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuno Kasei Co Ltd filed Critical Suzuno Kasei Co Ltd
Priority to JP2006237397A priority Critical patent/JP4991215B2/ja
Publication of JP2008055025A publication Critical patent/JP2008055025A/ja
Publication of JP2008055025A5 publication Critical patent/JP2008055025A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4991215B2 publication Critical patent/JP4991215B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Mechanical Pencils And Projecting And Retracting Systems Therefor, And Multi-System Writing Instruments (AREA)

Description

この発明は口紅や固形頬紅などの棒状化粧材の繰り出し容器に関する。
口紅など軸方向に長い棒状化粧材の繰り出し容器に関して、特許文献1−特許文献3は、複数段の繰り出し機構を提案している。
特許文献1を例に取ると、棒状化粧材の基部を保持する略円筒形状のホルダは、棒状化粧材とともに先筒の内側に収装され、先筒との異径嵌合により先筒内を軸方向にのみ変位可能に構成される。ホルダには先筒から下向きに突出する棒軸が固着されている。芯チャックは複数の外向きの突起を備える。棒軸はこれらの突起を案内する螺旋溝を備えた第1の筒部材に収装され、ホルダは第1の筒部材と先筒との相対回転に応じて軸方向に変位する。第1の筒部材はさらに第2の筒部材の内周に螺合する。
先筒と第2の筒部材を相対回転させると、第1の筒部材と第2の筒部材とが相対回転し、第1の筒部材が第2の筒部材から突出する方向へ送り出される。第1の筒部材とともにホルダも先筒内を先端方向へ移動する。第1の筒部材の送り出しが限界に達すると、第1の筒部材の基端に形成したストッパが、第1の筒部材と第2の筒部材のそれ以上の相対変位を規制する。
この状態から、先筒と第2の筒部材をさらに相対回転させると、芯チャックが第1の筒部材との相対回転によりねじ送りされ、ホルダは先筒内においてさらに先端方向に変位する。芯チャックのねじ送りが限界に達すると、芯チャックの基端に形成したストッパが、芯チャックと第1の筒部材とのそれ以上の相対変位を規制する。
ホルダが先筒内を先端方向へ移動することで、ホルダに保持された棒状化粧材は先筒の先端から外側へ送り出される。
このように、複数段の繰り出し機構を備えることで、棒状化粧材のストローク距離を増大させることができる。したがって、棒状化粧材の長さに対して容器の全長を短く抑えることができる。
特許文献2及び特許文献3に記載の繰り出し容器も基本構造は同じである。
特許第2736039号公報 実公平433069号公報 特許第3725205号公報
上記の各従来技術において、ホルダは自立状態で変形しない程度に高い剛性を有する。また、ホルダを先筒の内側で軸方向に変位させる際に、ホルダの外周が先筒の内周面に接触しないように、あらかじめホルダの外径寸法が設定される。高剛性のホルダが先筒の内周面に接触すると、棒状化粧材の繰り出しや繰り戻しに対する抵抗が増大して、化粧材のスムーズな進退が難しくなるからである。また、ホルダと先筒とが接触すると、化粧材が傾いたり、先筒の内周面と接触して損傷する可能性もある。
ホルダを高剛性とするためには、ホルダの壁厚を厚くせざるを得ない。そのため、棒状化粧材と先筒とのクリアランスを適正に保つには、必然的に棒状化粧材に段差を形成しなければならない。
段差を設けた棒状化粧材は、段差の部分で折れやすいという問題がある。前記従来技術の複数段の繰り出し機構を必要とするような長い棒状化粧材や径の小さな棒状化粧材において、この点は大きな問題となる。
この発明の目的は、したがって、複数段の繰り出し構造を備えた棒状化粧材の容器において、棒状化粧材に段差を形成せずに、棒状化粧材と先筒とのクリアランスを適正に設定できるようにすることである。
以上の目的を達成するために、この発明は棒状化粧材の基端を保持するホルダを円筒形状の先筒の内側で、複数段の繰り出し機構のもとで進退させる、棒状化粧材の繰り出し容器において、棒状化粧材を受け入れる弾性変形可能な開口部を有し、かつ自立状態における開口部の横断面が棒状化粧材の横断面と非相似形をなすようにホルダを薄膜による略円筒形状に形成するとともに、棒状化粧材をホルダに挿入可能な形状へとホルダの開口部の断面を矯正する形状に先筒の内周の断面を形成している。
棒状化粧材の基端を薄膜によるホルダで保持することにより、棒状化粧材に段差を形成することなく、棒状化粧材と先筒の内周面とのクリアランスを適正に保持することができる。先筒がホルダの開口部の断面を矯正するので、ホルダは先筒の内周面と当接状態を保ち、棒状化粧材の送り出しや引き込みに際して、棒状化粧材の揺れを防止しつつ、好ましい操作感を得ることができる。したがって、長い棒状化粧材や径の小さな棒状化粧材の保持と進退操作に関して特に好ましい効果が得られる。
図1を参照すると、この発明による棒状化粧材繰り出し容器1は、先筒10と本体2を備える。先筒10は本体2との相対回転操作に応じて棒状化粧材Aを先端から突出させ、あるいは棒状化粧材Aを先筒10内に後退させる。
図2(A)に示すキャップ3は、棒状化粧材繰り出し容器1の本体2に取り外し可能に装着して、先筒10を覆う。キャップ3の下端の内周には嵌合溝3aが形成される。
再び図1を参照すると、本体2は内筒20、外筒30、芯チャック40、中継螺旋筒50を備える。
図2(B)と(C)を参照すると、先筒10の外周部分は、筒状のつまみ部17とその下端に一体に形成された結合部16からなる。つまみ部17は棒状化粧材繰り出し容器1を操作する際に、指先で持って、外筒30と相対回転させる部分である。
つまみ部17の外周面は先端方向に向かってテーパ状に径を縮小する。
結合部16の外周面はつまみ部17の基端の外周面より小径に形成される。そのため、結合部16の外周面はつまみ部17の外周面に対して一定の段差をもって結合する。この段差の少し下方において結合部16の外周に突起部10aが突設される。
突起部10aの下方の結合部16の外周面にはOリング溝15が形成される。Oリング溝15にはOリングが収装される。結合部16の下端の外周面には環状の突起部10bが形成される。
先筒10は軸方向の貫通孔13を備える。先筒10は上端に貫通孔13に連通する傾斜した開口部11を備える。貫通孔13のもう一端は先筒10の下端において下向きに開口する。貫通孔13の横断面は図2(C)に示すように、基本形状は円形であるが、等しい角度間隔で形成された複数の摺動溝12を備える。摺動溝12は図2(B)に示すように、先筒10のほぼ全長に渡って形成される。
図3(C)を参照すると、内筒20の上部には上向きに開口する一様な円形断面の上端腔部27が形成される。先筒10の結合部16はこの上端腔部27に挿入される。上端腔部27の内周には環状の嵌合溝21が形成され、結合部16の突起部10aが嵌合溝21に係合することで、先筒10は内筒20に相対回転可能な状態で結合される。
内筒20は上端腔部27の下方に雌ねじ部26を備える。雌ねじ部26は上端腔部27より小径に形成され、その内周には螺旋状の溝が刻まれる。また、上端腔部27と雌ねじ部26とは内向きの環状突起である内突段部23を介して連通する。内突段部23には下向き段部23aが形成される。雌ねじ部26の下端は下向きに開口する。
内筒20の上部の外周にはフランジ22が形成される。フランジ22の上方にはキャップ3の嵌合溝3aに嵌合する突起部24aが、フランジ22の下方には環状の突起部24bがそれぞれ形成される。内筒20の下部の雌ねじ部26に対応する外周面には軸方向に延びる等しい角度間隔で形成された複数の縦リブ25が形成される。
図3(D)を参照すると、外筒30は下端に底面33を有する筒状部材であり、上端の内周面には環状の嵌合溝31が形成される。また、外筒30の下部の内周面にはローレット32が等しい角度間隔で軸方向に形成される。
内筒20は外筒30の内側に上端の開口部から挿入される。この時、縦リブ25がローレット32と嵌合し、突起部24bが嵌合溝31に嵌合する。結果として、組み立て状態の棒状化粧材繰り出し容器1においては、内筒20は軸方向及び回転方向に関して外筒30と一体に変位する。
図3(A)を参照すると、芯チャック40は中空の棒軸44と棒軸44の上端に固着したホルダ48からなる。芯チャック40はホルダ48と棒軸44を含めて熱可塑性プラスチック材料の射出成型により一体に形成される。
棒軸44の外周には数多くの突起45が形成される。突起45は螺旋状の経路に沿って等しい間隔で形成される。棒軸44の下端には外向きに突出する一対の凸片47が形成される。凸片47は水平面からなる上端面47aを備える。凸片47は上端面47aから下方に向かって突出高さを徐々に減じるような斜面を備える。凸片47はこの斜面に加わる内向きの力に応じて、棒軸44の内部に弾性的に埋没する。
こうした動作を可能にするための凸片47の構造は、凸片47の周囲の棒軸44の壁面に凸片47が埋没可能な、図1と図4に示すようなスリット46を形成しておくことで実現する。凸片47は下端においてのみ棒軸44と結合し、凸片47の上端面47aと両側面はスリット46によって棒軸44の壁面から切り離しておく。
ホルダ48は上端を開口した円筒形状の部材であり、内側の腔部41に図1に示す棒状化粧材Aの基端を収装する。ここでは、棒状化粧材Aの横断面の形状は円形とする。
図3(B)を参照すると、ホルダ48は略円形断面の薄膜部48aと、その外周に形成された複数の軸方向に延びる帯状突起48bとを備える。帯状突起48bは図2(B)と(C)に示す先筒10の内側の摺動溝12に嵌合する形状と寸法に形成される。
芯チャック40は中継螺旋筒50の内側に収装される。
再び図3(A)を参照すると、中継螺旋筒50は略円筒形状の部材であり、上端の内周に雌ねじ部51を備える。雌ねじ部51の下方には雌ねじ部51より大きな内径の中間部52が連続し、さらに中間部52の下方に大径部53が形成される。
雌ねじ部51は上向きの開口部を有する。雌ねじ部51は芯チャック40の棒軸44の突起45と係合し、突起45を螺旋状の移動経路に沿って案内する役割を持つ。
雌ねじ部51と中間部52の内周面は下向き段部51aを介して接続される。
大径部53は環状の平面である上端面53aを介して中間部52に結合する。大径部53の外周には螺旋状に雄ねじ54が突設される。大径部53は開口部を有する。
以上のように構成された棒状化粧材繰り出し容器1は、以下の手順で組み立てられる。
まず、芯チャック40の棒軸44を雌ねじ部51の開口から中継螺旋筒50に挿入する。この時、凸片47の斜面が雌ねじ部51に当接することで凸片47が弾性変形して棒軸44に埋没し、棒軸44の中継螺旋筒50への侵入を可能にする。雌ねじ部51を通過した凸片47は再び外向きに突出して当初の状態に戻る。以後は、凸片47の上端面47aと中継螺旋筒50の下向き段部51aとの干渉により、棒軸44の中継螺旋筒50からの引き抜きは阻止される。
一方、先筒10の結合部16を内筒20の上端腔部27の開口から内筒20に挿入する。結合部16を上端腔部27に強く押し込むことで、結合部16の外周の突起部10aが上端腔部27の環状の嵌合溝21に嵌合し、先筒10は内筒20と一体化される。
次に、ホルダ48を上向きにして芯チャック40と中継螺旋筒50を、内筒20の下端の開口から内筒20とに侵入させる。先筒10の内側に達したホルダ48の帯状突起48bが、先筒10の内側の摺動溝12に嵌合するよう、操作の中で棒軸44と中継螺旋筒50の回転角度を調整する。帯状突起48bが摺動溝12に嵌合した後、中継螺旋筒50をさらに内筒20に侵入させ、最後に中継螺旋筒50の大径部53の外周の雄ねじ54を内筒20の雌ねじ部26に螺合させる。
このようにして先筒10と、芯チャック40と、中継螺旋筒50と、内筒20とを組み立てた後、内筒20の下端を外筒30の上端開口部から外筒30の内側に侵入させる。内筒20の下部の外周に形成した縦リブ25が、外筒30の下部の内周面のローレット32と係合するよう、内筒20と外筒30を相対回転角度を調整しながら、内筒20を外筒30に押し込む。縦リブ25がローレット32と係合し、フランジ22の下に位置する環状の突起部24bが外筒30の上端の内周面に形成された環状の嵌合溝31に嵌合することで、内筒20は外筒30と一体化される。
以上で、先筒10と本体2の組み立ては完了する。
棒状化粧材Aは、この状態において、先筒10の先端開口部から先筒10の内側の貫通孔13に挿入される。さらに棒状化粧材Aの基端をホルダ48の腔部41に挿入することで、棒状化粧材Aの棒状化粧材繰り出し容器1への組み込みが完了する。棒状化粧材Aの組み込み完了後に、先筒10と内筒20の上端部とにキャップ3を装着する。内筒20の上端部の外周の突起部24aを、キャップ3の下端の内周に形成された嵌合溝3aに嵌合させることで、キャップ3は装着状態に保持される。
図1は棒状化粧材Aの棒状化粧材繰り出し容器1への組み込みが完了した時点の状態を示す。ここでは、芯チャック40が中継螺旋筒50の最も奥深くまで侵入し、中継螺旋筒50は内筒20の最も奥深くまで侵入している。
この状態から外筒30と先筒10とを相対回転させると、まず中継螺旋筒50の大径部53の外周の雄ねじ54が内筒20の内周の雌ねじ部26に案内されて螺旋状に内筒20と中継螺旋筒50とを相対変位させ、中継螺旋筒50を内筒20の上方へと送り出す。中継螺旋筒50は棒軸44を介してホルダ48を上方へと駆動し、ホルダ48に支持された棒状化粧材Aは先筒10の開口部11から上方へと送り出される。大径部53の上端面53aが下向き段部23aに当接すると、以後の中継螺旋筒50と内筒20との相対回転は阻止される。
この状態からさらに、外筒30と先筒10とを相対回転させると、今度は芯チャック40が中継螺旋筒50との相対回転により、中継螺旋筒50から軸方向に送り出され、芯チャック40の上端のホルダ48に装着された棒状化粧材Aは先筒10からさらに上方へと送り出される。芯チャック40の凸片47が中継螺旋筒50の下向き段部51aと干渉するまで、芯チャック40が中継螺旋筒50から突出すると、以後芯チャック40と中継螺旋筒50の相対回転は阻止される。
図4はこのようにして、芯チャック40が中継螺旋筒50から最も突出し、さらに中継螺旋筒50が内筒20から最も突出した状態を示す。図1と図4におけるホルダ48の支持位置の差がホルダ48のストローク距離に相当する。以上の説明では、中継螺旋筒50の送り出しに引き続いて芯チャック40の送り出しが行われているが、芯チャック40と中継螺旋筒50の相対回転の抵抗の大きさと、中継螺旋筒50と内筒20との相対回転の抵抗との大きさの具合により、この順番が逆になることもある。
このようにして、棒状化粧材繰り出し容器1は中継螺旋筒50と内筒20とが構成するねじ送り機構と芯チャック40と中継螺旋筒50とが構成するねじ送り機構と、による2段式の繰り出し構造のもとで、全長を短く抑えつつ、ホルダ48の長いストローク距離を実現する。
ここで、図5を参照して、ホルダ48の構造と棒状化粧材Aの保持についてさらに詳しく説明する。
ホルダ48の内周面は円形断面となるように設計される。しかしながら、複数の軸方向の帯状突起48bを薄膜部48aを介して連結した構造のホルダ48を、プラスチック材料の射出成型で形成すると、ホルダ48の上端の開口部は以下の理由により、図5(A)に示すように短軸D−αと長軸D+αで表される略楕円形断面となる。
すなわち、溶解したプラスチック材料は射出成型時に、金型内部で厚みのある帯状突起48bの部分から薄膜部48aの部分に向かって流れる。この時、帯状突起48bと薄膜部48aとで内部応力の差が生じること、射出成型時のプラスチックの圧力と速度によってコアピンが微かに動き、薄膜48aに微妙な偏肉を起こすこと、を原因として開口部が変形する。変形の程度は一定とは限らない。ホルダ48の側面に開口窓を設けるようにすれば、ホルダ48の中空部を形成する金型のコアピンの射出成型圧力や射出成型速度による動きを小さくすることが可能である。この措置は薄膜部48aが薄いほど効果がある。
薄膜部48aは開口部を損傷せずに棒状化粧材Aを保持できる限りは薄い方が良い。好ましくは0.05mmを最小値、0.3mmを最大値とする。薄膜部48aが薄いほど開口部の変形度合いが大きくなる。発明者らの研究によれば、薄膜部48aの厚さをホルダ48の上端部で0.1mm、底部で0.2mmと設定した場合に、射出成型時のコアピンの僅かな動きによって薄膜部48aの厚さが変動し、上端部のある部位では0.08mm、底部のある部位では0.18mmと、設定厚より薄くなる。上端部の別のある部位では0.12mm、底部の別のある部位では0.22mmと、設定厚より厚くなる。薄膜部48aのこの厚さのばらつきが開口部を、図5(A)に示すような略楕円形に変形させる。
ホルダ48のこのような弾性構造は棒状化粧材繰り出し容器1に次のような好ましい特性をもたらす。
すなわち、開口部が図5(A)に示すような略楕円形に変形したホルダ48は、図1に示すように先筒10の内側に収装された状態では、図5(B)に示すように帯状突起48bが摺動溝12の壁面と接触し、あるいは薄膜部48aが先筒10の内周面に接触する。その結果、開口部の略楕円形断面は図5(C)に示すように円形断面へと矯正される。
棒状化粧材Aは棒状化粧材繰り出し容器1の組み立て後に、先筒10の先端の開口部11から貫通孔13内に挿入し、基端をホルダ48に押し込むことでホルダ48に装着される。
この時、ホルダ48の開口部が円形断面へと矯正されているので、円形断面の棒状化粧材Aを、ホルダ48に支障なく挿入することができる。
こうして、いったんホルダ48に挿入された棒状化粧材Aは、ホルダ48を内側から支え、ホルダ48の形状を内側から設計通りの円形断面形状へと矯正する。この矯正の結果、帯状突起48bは摺動溝12の壁面にもたれ掛からなくなり、棒状化粧材Aを装着したホルダ48は先筒10内を軸方向にスムーズに変位可能となる。また棒状化粧材Aに支持されることでホルダ48の剛性も増す。
一方、ホルダ48のこの構造のもとでは、棒状化粧材Aと先筒10の内周面との間に介在するのは薄膜48aのみである、したがって、ホルダ48の上方の棒状化粧材Aの外周と先筒10の内周面とのクリアランスは、棒状化粧材Aに段差を形成しなくても、非常に小さな好ましい範囲に保たれる。
また、棒状化粧材繰り出し容器1の組み立てにおいて、先筒10内に芯チャック40を挿入した時に、ホルダ48の薄膜部48aや帯状突起48bが先筒10の内周面や摺動溝12に接触状態となるので、芯チャック40が先筒10から自然落下するのを防止することができる。芯チャック40の自然落下の防止は、棒状化粧材繰り出し容器1の組み立てを容易にする作用をもたらす。
さらに、ホルダ48が先筒10の内周に接触することで、棒状化粧材Aの送り出し操作や引き込み操作において、棒状化粧材Aの水平方向の揺れを防止する効果も得られる。
さらに、ホルダ48と先筒10との適度の摩擦抵抗により、棒状化粧材Aの送り出し操作や引き込み操作において、好ましい操作感が得られる。
棒状化粧材繰り出し容器1は前述のように2段式の繰り出し構造によって、ホルダ48の長いストローク距離を確保しているが、ホルダ48のストローク距離が長いことは、すなわち棒状化粧材Aが長いことを意味する。棒状化粧材Aは長いほど折れやすく、また先筒10内を変位する際に先筒10の内周面と接触したり、水平方向に揺れやすい。ホルダ48の構造がもたらす上記作用は、したがって、ストローク距離の長い繰り出し容器において特に好ましい効果をもたらす。
以上の実施形態において、中継螺旋筒50が第1の筒部材に相当し、内筒20が第2の筒部材に相当する。
以上の実施形態は、ホルダ48の内周面を円形断面に設計する一方、ホルダ48の射出成型の結果として、内周面が略楕円形断面となるケースについて説明している。しかしながら、先筒10の内側に収装された状態でホルダ48の断面が、棒状化粧材Aを受け入れ可能な断面に矯正されるのであれば、必ずしもホルダ48の内周面の横断形状を円形に設計する必要はない。
以上の実施形態では、ホルダ48に帯状突起48bを設け、先筒10に帯状突起48bを案内する摺動溝12を形成しているが、これらは必須の要件ではなく、ホルダ48を円筒形状の薄膜部48aと底面のみで構成し、摺動溝12を省略することも可能である。
また、以上の実施形態では円形の横断面を備えた棒状化粧材に適用する繰り出し容器にこの発明を適用しているが、棒状化粧材の横断面は円形に限らず、例えば楕円形断面の棒状化粧材の繰り出し容器にも、この発明は適用可能である。
以上の実施形態は2段式の繰り出し機構を備えた繰り出し容器にこの発明を適用しているが、この発明は2段に限らず複数段の繰り出し機構を備えた棒状化粧材の繰り出し容器全般に適用可能である。
この発明による棒状化粧材繰り出し容器は、口紅やコンシーラなどの棒状化粧品の容器に利用できる。
この発明による棒状化粧材繰り出し容器の収縮状態における縦断面の斜視図である。 棒状化粧材繰り出し容器の上部を分解した状態での縦断面の斜視図並びに要部断面図である。 棒状化粧材繰り出し容器の下部を分解した状態での縦断面の斜視図並びに要部断面図である。 図1に類似するが、棒状化粧材繰り出し容器の伸長状態を示す。 図5は棒状化粧材繰り出し容器が備えるホルダの開口部の横断面図である。
1 棒状化粧材繰り出し容器
2 本体
3 キャップ
3a 嵌合溝
10 先筒
10a 突起部
10b 突起部
11 開口部
12 摺動溝
13 貫通孔
16 結合部
17 つまみ部
20 内筒
21 嵌合溝
22 フランジ
23 内突段部
23a 下向き段部
24a 突起部
24b 突起部
25 縦リブ
26 雌ねじ部
27 上端腔部
30 外筒
31 嵌合溝
32 ローレット
33 底面
40 芯チャック
41 腔部
44 棒軸
45 突起
46 スリット
47 凸片
47a 上端面
48 ホルダ
48a 薄膜部
48b 帯状突起
50 中継螺旋筒
51 雌ねじ部
51a 下向き段部
52 中間部
53 大径部
53a 上端部
53b 下向き段部
A 棒状化粧材

Claims (7)

  1. 棒状化粧材の基端を保持するホルダを円筒形状の先筒の内側で、複数段の繰り出し機構のもとで進退させる、棒状化粧材の繰り出し容器において、
    前記棒状化粧材を受け入れる弾性変形可能な開口部を有し、かつ自立状態における前記開口部の横断面が前記棒状化粧材の横断面と非相似形をなすように前記ホルダを薄膜による略円筒形状に形成するとともに、
    前記棒状化粧材を前記ホルダに挿入可能な形状へと前記ホルダの前記開口部の断面を矯正する形状に前記先筒の内周の断面を形成したことを特徴とする棒状化粧材の繰り出し容器。
  2. 前記複数段の繰り出し機構は、前記ホルダを前記先筒の内側で軸方向に変位させるよう構成されるとともに、前記棒状化粧材は前記先筒の先端に形成された前記開口部を介して前記ホルダに挿入される、請求項1に記載の棒状化粧材の繰り出し容器。
  3. 前記ホルダは前記薄膜による円筒から外向きに突出する突起を備え、前記先筒は前記突起を軸方向にのみ案内する溝を内周面に形成した、請求項1または請求項2に記載の棒状化粧材の繰り出し容器。
  4. 前記突起は等しい角度間隔で前記円筒の外周に形成された、複数の軸方向に長い帯状突起で構成される、請求項3に記載の棒状化粧材の繰り出し容器。
  5. 前記薄膜の厚さを0.05ミリメートルから0.3ミリメートルの範囲に設定した請求項1から請求項4のいずれかに記載の棒状化粧材の繰り出し容器。
  6. 前記複数段の繰り出し機構は、前記ホルダに結合した棒軸と、前記棒軸の外周に螺合する第1の筒部材と、前記先筒に相対回転可能に結合し、前記第1の筒部材の外周に螺合する第2の筒部材とを備える、請求項1から請求項5のいずれかに記載の棒状化粧材の繰り出し容器。
  7. 前記ホルダと前記棒軸とをプラスチック材料の射出成型により一体に形成した請求項6に記載の棒状化粧材の繰り出し容器。
JP2006237397A 2006-09-01 2006-09-01 棒状化粧材繰り出し容器 Active JP4991215B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006237397A JP4991215B2 (ja) 2006-09-01 2006-09-01 棒状化粧材繰り出し容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006237397A JP4991215B2 (ja) 2006-09-01 2006-09-01 棒状化粧材繰り出し容器

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2008055025A JP2008055025A (ja) 2008-03-13
JP2008055025A5 JP2008055025A5 (ja) 2009-09-03
JP4991215B2 true JP4991215B2 (ja) 2012-08-01

Family

ID=39238462

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006237397A Active JP4991215B2 (ja) 2006-09-01 2006-09-01 棒状化粧材繰り出し容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4991215B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3733018B1 (en) * 2017-12-27 2022-04-27 Yoshino Kogyosho Co., Ltd. Lipstick container
JP2022098938A (ja) * 2020-12-22 2022-07-04 株式会社 資生堂 棒状材繰出容器

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4427678B2 (ja) * 2000-08-31 2010-03-10 株式会社カネボウ化粧品 化粧品収納容器
JP4808434B2 (ja) * 2005-05-09 2011-11-02 鈴野化成株式会社 棒状化粧材繰出容器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008055025A (ja) 2008-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3735100B2 (ja) 移動体繰出装置
KR20060041818A (ko) 스틱형상 화장재료 공급용기
US20150030370A1 (en) Applying material extruding container
JP4991215B2 (ja) 棒状化粧材繰り出し容器
JP2008055025A5 (ja)
EP1698251B1 (en) Stick-form cosmetic material feeding container
US10299564B2 (en) Rod-shaped cosmetic material feeding container
JP2003159119A (ja) 棒状化粧材繰出容器
WO2014192175A1 (ja) カートリッジ式化粧料容器
JP6600489B2 (ja) 回転繰出容器
JP4560583B1 (ja) 化粧材繰出容器
JP5005323B2 (ja) 棒状化粧材繰出容器
US11641926B2 (en) Coating material, feeding container
WO2020049700A1 (ja) スティックホルダーおよび繰出し容器
JP2012040230A (ja) 化粧材繰出容器
JP2000236944A (ja) 棒状化粧材繰出容器
JP5228194B2 (ja) 繰出し装置
JP5498303B2 (ja) 棒状化粧料繰出し容器
KR101695661B1 (ko) 도포재 압출 용기
JP6942945B2 (ja) 棒状化粧料繰り出し容器
JP2002142860A (ja) 棒状化粧材繰出容器
JP3764892B2 (ja) 移動体繰出装置、ラチェットセット、及び筒状体
JP4620496B2 (ja) 棒状化粧料容器及び棒状化粧料繰出容器
JP4509281B2 (ja) 化粧材容器のカートリッジ及び化粧材容器。
JP4613502B2 (ja) 棒状化粧料繰り出し容器

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090716

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090716

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120330

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120424

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120507

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4991215

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150511

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250