JP4986956B2 - デュアルモード光ファイバ - Google Patents

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Description

本発明は、デュアルモード光ファイバに関し、より詳細には、シングルモード(例えば、長波長帯シングルモード)光信号と、マルチモード(例えば、短波長帯マルチモード)光信号とを同時に伝送可能なデュアルモード光ファイバに関する。
それぞれ異なる波長のシングルモード伝搬光とマルチモード伝搬光とを同一の光ファイバで伝搬させる公知の技術として、「ダブルクラッド光ファイバ」がある。光信号振幅を増幅させるための希土類が添加されたコアの外側に、ポンプレーザからの出力光を同時に導波させるための一番目のクラッドを配置する。上記コア外周に配置された、一番目のクラッドの外周に二番目のクラッドを配置した構造となっている。ポンプレーザからの出力光は一番目のクラッドに結合し、該コアと交差しながらマルチモードとして伝搬する。交差する際は、コアに添加されている希土類に吸収されることにより、コアを伝搬する光信号振幅を増幅させる効果がある。
それぞれのクラッドの屈折率は、コアの屈折率に対して一番目のクラッドの屈折率を低くし、さらに、二番目のクラッドの屈折率を一番目のクラッドの屈折率に対して高くなるように設計をしている。二番目のクラッドとしては、高分子樹脂を用いており、一番目のクラッドを被覆するように設計がなされている。これは、光信号振幅を増幅する過程で生じる散乱光を高分子樹脂による被覆で吸収させ除去するためである。この基本的なアプローチは、光ファイバ増幅器のゲインファイバとして適用される高屈折率光ファイバにおけるクラッドモード除去を目的として特許文献1に記載されており、すでに公知の技術となっている。
特開平11−274613号公報 田野辺博正、小林勝、長瀬亮、界義久、「SM/MM共用ダブルコア光ファイバ」、2007年電子情報通信学会予稿集
しかしながら、「ダブルクラッド光ファイバ」の基本構造を、長波長帯光信号のシングルモードおよび短波長帯マルチモード光信号の伝送路として用いた場合、「ダブルクラッド光ファイバ」に小さな曲げ半径を持つ箇所が多数生じた際においては、曲げが付与されている「ダブルクラッド光ファイバ」の内周方向(曲げの内側)にある一番目のクラッドの有効屈折率が低下すると同時に、外周方向(曲げの外側)にある一番目のクラッドはその反対に有効屈折率が上昇し、コアの屈折率より高い有効屈折率を持つ領域が一番目のクラッド外周に生じることがある。
この場合、導波された長波長帯シングルモード光信号がコアから一番目のクラッドに放射されると同時に一番目のクラッド内をマルチモード伝搬してしまう。「ダブルクラッド光ファイバ」が曲がった状態から直線状態に戻った際に、一番目のクラッド内でマルチモード伝搬した光信号はコアに再度結合し、コアに本来導波していた光信号と干渉し、この結果としてビットエラーレートの増加をもたらしてしまう。さらに、公知の「ダブルクラッド光ファイバ」では、ポンプレーザからの光出力をできるだけ多く結合させるために、一番目のクラッドは大きな開口率を備えるように設計している。従って、ダブルクラッド光ファイバでは、軸合わせを必要とせず、できるだけ開口率を大きくすることが望ましい、ポンプレーザとの光結合は良好ではあるものの、短波長帯マルチモード光ファイバとの接続では光損失が生じてしまう。
ここで、例を挙げて説明する。図1(a)は、光増幅器に用いられる、特許文献1に記載の「ダブルクラッド光ファイバ」の屈折率プロファイルであり、図1(b)は、図1(a)に示した屈折率プロファイルを有するダブルクラッド光ファイバの断面構造図である。
図1(b)において、光信号が導波するコア11の外側にポンプレーザからの出力光を同時に導波させるための第1クラッド(一番目のクラッド)21が備えられ、さらにその外側に高分子樹脂で構成された、被覆のための第2クラッド(二番目のクラッド)31が備えられている。図1(a)において、符号12はコア11の屈折率であり、符号22は第1クラッド21の屈折率であり、符号32は第2クラッド31の屈折率である。
「ダブルクラッド光ファイバ」を図2に示すような形状で、曲率半径をRとしてある一点を中心に曲げた場合、図3に示すように外周側(図3では紙面右側)の屈折率プロファイルが持ち上がる。図2において、符号71は曲率中心であり、符号72は曲率半径であり、符号73は光ファイバを曲げた場合の光ファイバの外周側であり、符号74は光ファイバを曲げた場合の光ファイバの内周側である。また、図3において、符号75は曲率半径Rのときのコアの屈折率の最大値である。
このとき、第1クラッド21の屈折率22において外周側がコア11の屈折率12の最大値75よりも高くなる領域(図3の斜線領域)が生じることがある。このため、コア11を導波していた光信号の一部が曲げにより放射モードとなり第1クラッド21へと伝搬した際、上記斜線領域に結合しマルチモードで伝搬してしまう。「ダブルクラッド光ファイバ」が再び直線形状に戻ると、屈折率プロファイルも図1に戻るため、マルチモード伝搬していた一部の光信号が再度コア11と結合し、コア11を導波している光信号と光学的な干渉をもたらす。この現象は、光信号受信端における復調時においてエラーを引き起こす原因をもたらすため、好ましくはない。
一方、ビル内に敷設されている光ファイバは、設置される機器インタフェース毎に短波長帯シングルモード用ファイバ、長波長帯マルチモードファイバと種別化して適用されており、それぞれが混在利用されている。機器の新設や機器の移設の度に生じるファイバ敷設工事では上記インタフェース毎に異なる光ファイバを用意しなければならない。一方、長波長帯シングルモードファイバでは Coarse Wavelength Division Multiplexing(CWDM)技術により、安価に波長多重化することによってビル内での新たな光ファイバ敷設を避けることが可能になったが、シングルモードとマルチモードとを一本の光ファイバで多重化して伝送可能な光ファイバが存在しないため、異なる伝搬モードを有する光インタフェースを備えた光通信機器の設置が、あるいは移設の際にはファイバ敷設工事が必要となるのが一般であった。
また、近年では、装置内に配置されるボード間を光接続した光バックプレーンの研究開発が種々の研究期間で進められており、一部商品化されているが、ここに導入される伝送路は短波長帯マルチモードファイバが一般である。長距離接続可能な光の性質を積極的に利用した光バックプレーンの延伸化を考慮した場合、上記光バックプレーンの一部にシングルモードファイバを導入することが望ましく、この場合光バックプレーンに導入される光ファイバなどの光伝送路は短波長帯マルチモード伝送および長波長帯シングルモード伝送の両方に対応可能な光伝送路が望ましい。
特許文献1に記載の「ダブルクラッド光ファイバ」では、第1クラッド21は、ポンプレーザからの出力光を導波させるために設計されており、より効率良く増幅を行うために、すなわち、より多くのポンプレーザからの出力光を第1クラッド21に入力するために、第1クラッド21の直径をより大きくしている。よって、「ダブルクラッド光ファイバ」において、LAN(Local Area Network)に導入されている光信号波長850nmのマルチモード光ファイバと低ロスで接続し、低ロスでマルチモード光信号を伝送することは口径が大きくことなるため困難である。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、所望の波長におけるシングルモード光信号およびマルチモード光信号のいずれもが伝送可能であり、光ファイバに曲げを付与した際においても、シングルモードコアのみに伝搬していたシングルモード光信号のクラッドへの漏洩が軽減可能であり、安定にいずれの光信号の伝送が可能なデュアルモード光ファイバを提供することにある。
このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、シングルモード光信号およびマルチモード光信号を伝送可能なデュアルモード光ファイバであって、前記デュアルモード光ファイバの軸中心に配置された、第1の屈折率を有する第1の材料と、前記第1の材料の外周に配置された、前記第1の屈折率よりも小さい第2の屈折率を有する第2の材料と、前記第2の材料の外周に配置された、前記軸中心から外側に向かって、線形、2次関数的または階段状に屈折率が減少している第3の材料と、前記第3の材料の外周に配置された、前記第2の屈折率よりも小さい第3の屈折率を有する第4の材料と、前記第4の材料の外周に配置された、前記第2の材料との比屈折率差が略0%である第5の材料とを備え、前記第1の材料が前記シングルモード光信号を伝送するための第1のコアであり、前記第1の材料、第2の材料および第3の材料が前記マルチモード光信号を伝送するための第2のコアであり、前記第2の材料が前記第1のコアに対する第1のクラッドであり、前記第4の材料が前記第2のコアに対する第2のクラッドであり、前記第1の材料は、所定の波長帯で前記第1のコアを励振した際に基本モードのみ励振される物理的な外径(2×a0)と、前記第2の材料との比屈折率差Δ1を有しており、前記第4の材料は、前記第2の材料との比屈折率差Δ2を有しており、前記外径(2×a0)は、3.8μm≦2×a0<10μmを満たしており、前記軸中心から前記第2の材料の最も外側までの距離a1は、5.0μm≦a1<31.25μmを満たしており、前記軸中心から前記第3の材料の最も外側までの距離a2は、15.0μm≦a2≦31.25μmを満たしており、a0<a1<a2の大小関係を満たしており、前記比屈折率差Δ1は、0.1%≦Δ1≦0.4%であり、前記比屈折率差Δ2は、−1.0%≦Δ2≦−0.2%であり、前記第3の材料の、前記第2の材料の境界面での屈折率は、前記第2の屈折率よりも小さく、前記第3の屈折率よりも大きい第4の屈折率であり、前記第2の屈折率に対する前記第4の屈折率の比屈折率差Δ3は、−0.9%≦Δ3≦−0.1%であり、前記軸中心から前記第5の材料の最も外側までの距離は、40μmまたは62.5μmであり、前記第4の材料の幅であるdは、前記距離が40μmの場合、(入力されるシングルモード光信号の波長の2倍の長さ)≦d<22.5μmであり、前記距離が62.5μmの場合、(入力されるシングルモード光信号の波長の2倍の長さ)≦d<45μmであることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、シングルモード光信号およびマルチモード光信号を伝送可能なデュアルモード光ファイバであって、前記デュアルモード光ファイバの軸中心に配置された、第1の屈折率を有する第1の材料と、前記第1の材料の外周に配置された、前記第1の屈折率よりも小さい第2の屈折率を有する第2の材料と、前記第2の材料の外周に配置された、前記軸中心から外側に向かって、線形、2次関数的または階段状に屈折率が減少している第3の材料と、前記第3の材料の外周に配置された、前記第2の屈折率よりも小さい第3の屈折率を有する第4の材料と、前記第4の材料の外周に配置された、前記第2の材料との比屈折率差が略0%である第5の材料とを備え、前記第1の材料が前記シングルモード光信号を伝送するための第1のコアであり、前記第1の材料、第2の材料および第3の材料が前記マルチモード光信号を伝送するための第2のコアであり、前記第2の材料が前記第1のコアに対する第1のクラッドであり、前記第4の材料が前記第2のコアに対する第2のクラッドであり、前記第1の材料は、所定の波長帯で前記第1のコアを励振した際に基本モードのみ励振される物理的な外径(2×a0)と、前記第2の材料との比屈折率差Δ1を有しており、前記第4の材料は、前記第2の材料との比屈折率差Δ2を有しており、前記外径(2×a0)は、3.8μm≦2×a0<10μmを満たしており、前記軸中心から前記第2の材料の最も外側までの距離a1は、5.0μm≦a1<31.25μmを満たしており、前記軸中心から前記第3の材料の最も外側までの距離a2は、15.0μm≦a2≦31.25μmを満たしており、a0<a1<a2の大小関係を満たしており、前記比屈折率差Δ1は、0.1%≦Δ1≦0.4%であり、前記比屈折率差Δ2は、−1.0%≦Δ2≦−0.2%であり、前記第3の材料は、前記第2の材料との比屈折率差Δ3を有しており、前記比屈折率差Δ3は、−0.9%≦Δ3≦−0.1%であり、前記軸中心から前記第5の材料の最も外側までの距離は、40μmまたは62.5μmであり、前記第4の材料の幅であるdは、前記距離が40μmの場合、(入力されるシングルモード光信号の波長の2倍の長さ)≦d<22.5μmであり、前記距離が62.5μmの場合、(入力されるシングルモード光信号の波長の2倍の長さ)≦d<45μmであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記第5の材料は、前記第4の材料よりも機械的強度が強いことを特徴とする。
本発明によれば、第1の材料とその外周に備えられた第2および第3の材料によって、第1の波長帯(例えば、長波長帯)シングルモード伝送用光ファイバの開口率と、第2の波長帯(例えば、短波長帯)マルチモード伝送用光ファイバの開口率との異なる二つの開口率を一本の光ファイバで持たせ、2つの異なる波長帯域および異なる伝搬モードの光信号を一本の光ファイバで共用可能である。
さらに、マルチモード用のコアとなる領域の最外領域となる第3の材料の屈折率を、該領域の他の領域である第2の材料の屈折率よりも小さくしているので、マルチモード用のコアの領域を削り、高次モードの数を減少させることができ、マルチモード光信号の伝搬特性を改善することができる。具体的には、1Gbpsの信号を100m以上伝送できることが可能となった。
さらに、第2の材料と第5の材料との比屈折率差が略0%であるので、第2の材料と第5の材料とを同じ材料にすることができる。このように同じ材料にすることにより、デュアルモード光ファイバの製造を容易にすることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下で説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
本発明の一実施形態に係る光ファイバは、同一の光ファイバにおいてシングルモード光信号とマルチモード光信号の双方を伝送可能なデュアルモード光ファイバ(ダブルコア光ファイバ)である。
ここで、デュアルモード光ファイバとは、シングルモード伝送用のコアと、マルチモード伝送用のコアとを同時に1つの光ファイバに備え、シングルモード光信号とマルチモード光信号とを、同一の光ファイバで伝送することを可能にする光ファイバを意味する。
本発明の一実施形態は、シングルモード光信号とマルチモード光信号とを、同一の光ファイバで伝送可能にする光ファイバ、すなわちデュアルモード光ファイバを提供するものである。さらに、光ファイバを曲げた場合であっても、光ファイバに、コアよりも有効屈折率が高くなる領域が発生することを無くす、ないしは減少させるものである。
特許文献1に記載された従来のダブルクラッド光ファイバは、シングルモード伝送用のコア11と、2つのクラッド(第1クラッド21と第2クラッド31)とを備えるものである。そして、第1クラッド21にポンプレーザからの出力光が入力され、該入力された光が、コア11と第1クラッド21とをマルチモードで伝搬していくが、この光はあくまで、コア11を増幅するための光であって、何らかの情報を伝達する光信号ではない。従って、伝送される光信号は、コア11を伝送するシングルモード光信号の1つのみである。また、ダブルクラッド光ファイバにおいてマルチモードで伝搬していくのは増幅のための光であるので、第1クラッド21の直径はより大きく設計される。また、第1クラッドでは光信号を伝搬するわけではないので、中心軸を合わせる必要はなく、より大きいことが望まれるクラッド21の直径としてより大きな直径が実現できるのである。
これに対して本発明の一実施形態では、シングルモード光信号の伝送用のコアと、マルチモード光信号の伝送用のコアとを同時に1つの光ファイバに備えるものである。
本発明の一実施形態に係る、シングルモード伝送用のコアは、光ファイバの最も内側にある、屈折率nを有するコア材料であって、長波長帯域の光信号を用いて上記コアのみ選択的に励振した際に、伝搬モードが規定モードのみとなるシングルモード特性を備え、且つ該規定モードのモードフィールド径は、上記長波長帯域でシングルモード伝送可能なシングルモード光ファイバのモードフィールド径と同じ値、または略同じ値である。すなわち、本発明の一実施形態に係るシングルモード伝送用のコアは、通常用いられる長波長帯シングルモード伝送用光ファイバの開口率を有しているのである。
また、本発明の一実施形態に係る、マルチモード伝送用のコアは、シングルモード伝送用のコアであるコア材料と、該コア材料を覆うように形成された、屈折率nよりも小さな屈折率nを有する材料との組み合わせによって形成されるコアであって、そのコアの直径は、短波長帯域の光信号の伝送路として用いられるグレーデッドインデックス型マルチモードファイバ、あるいはステップインデックス型マルチモードファイバのコア直径と同じ値、または略同じ値である。すなわち、本発明の一実施形態に係るマルチモード伝送用のコアは、通常用いられる短波長帯マルチモード伝送用光ファイバの開口率を有しているのである。
従って、本発明の一実施形態に係る、デュアルモード光ファイバを用いると、シングルモード光ファイバおよびマルチモード光ファイバ共に低ロスで接続することが可能になる。
なお、上記屈折率nを有する材料は、シングルモード光信号伝送用のコアに対してはクラッドとして機能し、マルチモード光信号伝送用のコアに対しては、上記コア材料と共に、上記マルチモード光信号伝送用のコアとして機能する。
このようなマルチモード光信号伝送用のコアを覆うように、マルチモード光信号伝送用のコアに対するクラッドとしてのクラッド材料が形成されている。このクラッド材料の屈折率nは、上記屈折率nよりも小さい。すなわち、クラッド材料は、上記コア材料および屈折率nを有する材料からなるマルチモード伝送用のコアに対してクラッドとして機能するので、良好なマルチモード光信号伝送を実現できる。
また、マルチモード光信号伝送用のコアに含まれる屈折率nを有する材料の周囲に、該屈折率nを有する材料よりも屈折率が小さなクラッド材料を設けることによって、図2に示すようにデュアルモード光ファイバを曲げたとしても、外周側に発生する、シングルモード光信号が導波するコア材料よりも高い実効屈折率を有する領域の発生を軽減することができる。すなわち、図3に示した斜線領域を少なくとも含む領域、または上記斜線領域の一部に、屈折率nを有する材料よりも屈折率が低いクラッド材料を設けるようにしているので、斜線領域を無くす、または減少させることができる。よって、コア材料を導波していた光信号のマルチモードへの結合を軽減できる。
図4の記載の第1クラッド112の半径を減少させて、マルチモード光信号伝送用のコアの体積を減らすことも考えられるが、マルチモードファイバとの接続時のモード整合を考慮すると単純に半径を減少させることは好ましくない。
さらに、屈折率nを有する材料よりも屈折率が小さなクラッド材料を設けることによって、屈折率nを有する材料からクラッド材料への光の染み出しは抑制される。
図4(a)は、本発明の一実施形態に係るデュアルモード光ファイバの屈折率プロファイルであり、図4(b)は、図4(a)の屈折率プロファイルを有するデュアルモード光ファイバの断面構造図である。
図4(b)において、中心にシングルモード伝送用の、上記コアとしてのコア111が備えられ、コア111の外側に順次、上記屈折率nを有する材料としての第1クラッド112、クラッド材料としての第2クラッド113、最外クラッド114が備えられる。なお、コア111、第1クラッド112、第2クラッド113、最外クラッド114は、例えば石英系ガラスや、ポリマー、アクリルなどの有機物など、通常、光ファイバに用いられる材料を用いることができる。
本実施形態において、コア111は、Ge、P、Sn、B元素の一つが添加された石英である。また、第1クラッド112および最外クラッド114は純粋石英である。さらに、第2クラッド113は、屈折率を下げるためにそれぞれ異なる量のF元素、B元素、あるいはその両方が添加された石英である。
図4(a)において、符号115はコア111の屈折率であり、符号116は第1クラッド112の屈折率であり、符号117は第2クラッド113の屈折率であり、符号118は最外クラッド114の屈折率である。図4(a)から分かるように、第1クラッド112の屈折率116はコア111の屈折率115よりも小さく、第2クラッド113の屈折率117は第1クラッド112の屈折率116よりも小さく、最外クラッド114の屈折率118は第1クラッド112の屈折率116と等しい。
なお、本発明の一実施形態では、同一のファイバでシングルモード光信号とマルチモード光信号とを伝送可能にすることが重要であるので、最外クラッド114の屈折率は、第1クラッド112と同一であることが本質ではない。よって、最外クラッド114の屈折率は、いずれの値であっても良いのである。
このような構成によれば、コア111とその外周に備えられた第1および第2クラッド112、113によって、第1の波長帯(例えば、長波長帯)シングルモード光信号伝送用光ファイバの開口率と、第2の波長帯(例えば、短波長帯)マルチモード光信号伝送用光ファイバの開口率との異なる二つの開口率を一本の光ファイバで持たせ、2つの異なる波長帯域および異なる伝搬モードの光信号を一本の光ファイバで共用可能である。さらに、第2クラッド113の屈折率117を第1クラッド112の屈折率116よりも小さくすることにより、ある一定の曲率半径Rにおいて、コア伝送中の長波長帯光信号のマルチモードの伝搬モードへの結合が軽減され、安定なシングルモード光信号の伝送が可能となる。よって、上記デュアルモード光ファイバは、非常に有用な構成である。
このように非常に有用なデュアルモード光ファイバは、マルチモード光信号の伝送特性を向上させることによって、さらに有用なものとなる。
特に、マルチモード伝送用のコア(コア111および第1クラッド112)の体積が大きい場合、高次モードの数が増大し、各高次モードが光ファイバ中を伝播する遅延時間が異なることにより、遅延時間幅の拡大をもたらす。シングルモード用のコアであるコア111の半径を4.6μmとし、マルチモード用のコアの半径である第クラッド112の半径を22.5μmとした場合の、遅延時間に対する高次モード出現頻度を図5に示す。このように、計算においても高次モード出現頻度が遅延時間領域に渡って均等に現れる広い分布(頻度が均等に現れる広い分布)が得られている。
したがって、図5に示すような遅延時間の幅広い分布(頻度が均等に現れる広い分布)を抑制可能であれば、伝送帯域の拡大が得られ、高速光信号を伝送する際において、マルチモード伝送特性の劣化を抑えることができる。
(第1の実施形態)
本実施形態に係る光ファイバは、図4を用いて説明したなデュアルモード光ファイバ(ダブルコア光ファイバ)について、マルチモード光信号の伝送特性の向上を図った光ファイバである。
図6は、本実施形態に係るデュアルモード光ファイバの断面構造図である。
図6において、デュアルモード光ファイバの軸中心にシングルモード伝送用の、コア121が備えられ、コア121の外側に順次、第1クラッド122、第2クラッド123、第3クラッド124、および最外クラッド125が設けられている。
本実施形態では、コア121がシングルモード光信号伝送用のコアとなり、第1クラッド122がシングルモード光信号伝送用のクラッドとなる。また、コア121、第1クラッド122および第2クラッド123がマルチモード光信号伝送用のコアとなり、最低屈折率のクラッドとなる第3クラッド124がマルチモード光信号伝送用のクラッドとなる。
なお、コア121、第1クラッド122〜第3クラッド124、および最外クラッド125は、例えば石英系ガラスや、ポリマー、アクリルなどの有機物など、通常、光ファイバに用いられる材料を用いることができる。
本実施形態において、コア121は、Ge、P、Sn、B元素の一つが添加された石英である。また、第1クラッド122および最外クラッド125は純粋石英である。第3クラッド124は、屈折率を下げるためにそれぞれ異なる量のF元素、あるいはB元素、あるいはその両方が添加された石英である。
このように本実施形態では、第3クラッド124をマルチモード用のクラッドとして機能させるために石英にF元素等を添加して屈折率を下げているが、F元素等を添加することによりクラッド124の強度は下がってしまう。しかしながら、本実施形態のように、最外クラッド125のように、マルチモード用のクラッドとして機能させるためにF元素等の添加による屈折率低下が必要な第3クラッド124の外周に純粋石英等を配置することにより、一般的に使用されている光ファイバと同様の強度を確保することができる。
なお、本実施形態では、光ファイバの強度補強のための最外クラッド125としては、上述のように純粋石英等、第3クラッド124の材料よりも強度(機械的強度)が強いものであればいずれの材料を用いても良い。
また、第2クラッド123は、光ファイバの中心から外側に向けて徐々に屈折率が傾斜しており、第1クラッド122の屈折率132から第3クラッド124の屈折率134まで線形に減少する屈折率133を有する。よって、第2クラッド123は、このような傾斜型の屈折率を有するように、屈折率を下げるための元素が添加された石英である。第2クラッド123は、光ファイバの中心から外側に向けてF元素の添加濃度を濃くするようにしてF元素を添加することで形成することができる。
図6に示すデュアルモード光ファイバの屈折率プロファイルを図7に示す。
図7において、符号131はコア121の屈折率であり、符号132は第1クラッド122の屈折率であり、符号133は第2クラッド123の屈折率であり、符号134は第3クラッド124の屈折率であり、符号135は最外クラッド125の屈折率である。図7から分かるように、第1クラッド122の屈折率132はコア121の屈折率131よりも小さく、その比屈折率差がΔ1である。また、第3クラッド124の屈折率134は第1クラッド122の屈折率132よりも小さく、その比屈折率差がΔ2である。最外クラッド125の屈折率135は第1クラッド122の屈折率132と等しい。また、第2クラッド123の屈折率133は、光ファイバの中心側から外側に向けて屈折率132から屈折率134になるように線形に傾斜して減少している。
このように、本実施形態では、デュアルモード光ファイバの強度を確保するために設ける最外クラッド125と第1クラッド122との比屈折率差を略0%にしているので、例えば、最外クラッド125と第1クラッド122とを同じ材料(石英等)にすることにより、デュアルモード光ファイバの製造を容易にすることができる。すなわち、第1クラッド122との比屈折率差が略0%の最外クラッド125を用いることによって、ファイバの機械的強度を確保しつつ、該強度を向上するために材料を容易に形成することができる。
図7において、a0は、コア111の半径を示す。従って、コア111は、所定の波長帯で上記シングルモード光信号伝送用のコアを励振した際に基本モードのみ励振される物理的な外径(2×a0)を有することになる。
また、a1は、第1クラッド122の半径であって、コア111の中心(光ファイバの中心)から第1クラッド122の最も外側までの距離であり、a2は、第2クラッド123の半径であって、コア111の中心から第2クラッド123の最も外側までの距離である。また、dは、最低屈折率のクラッドである第3クラッド124の幅であり、第2クラッド123の最も外側から最外クラッド125の最も内側までの距離である。さらに、a_outerは、最外クラッド125の半径であって、コア111の中心から最外クラッド125の最も外側までの距離である。
本実施形態では、図7に示されるように、第2クラッド123の屈折率133を第1クラッド122から第4クラッド124に向って線形に減少させるようにしているので、マルチモード光信号伝送用のコアとして機能する領域において、高次モード数の減少と同時に、より高次のモード遅延時間を補正することができる。本実施形態では、マルチモード光信号伝送用のコアは、コア121、第1クラッド122、および第2クラッド123であるので、図7中の範囲136がマルチモード光信号伝送用のコアとなる。斜線領域137が存在する屈折率プロファイルを備える光ファイバと比較して、本実施形態に基づくデュアルモード光ファイバにおいては高次モード励振の抑制が行われると同時に高次モード遅延時間が補正される。
このように、マルチモード光信号用のコアの最外領域を担う第2クラッド123の一部を屈折率を徐々に減少させることによって、高次モードの数を減少させることができ、これと同時に該モード数の減少に伴った各高次モード毎の出現頻度を特定の遅延時間領域に集中させ、その出現頻度分布を狭くすることができる。従って、マルチモード光信号の伝送特性を改善することができる。
なお、本実施形態に係るデュアルモード光ファイバは、マルチモード光信号の伝送のみならず、シングルモード光信号の伝送も可能なファイバである。従って、上述のようなマルチモード光信号の伝送特性の改善を実現するに際しては、シングルモード光信号の伝送に影響の無い範囲で行うことが好ましい。このように、シングルモード光信号の伝送を良好に行うためには、3.8μm≦2×a0<10μm、および5.0μm≦a1<31.25μm、a0<a1を満たすことが好ましい。
図8に、図7に示す屈折率プロファイルを有するデュアルモード光ファイバにおける遅延時間分布を示す。なお、図7において、a0は、4.4μmであり、a1は8.0μmであり、a2は22.5μmである。また、dは、5.0μmである。
図8に示される通り、本実施形態のデュアルモード光ファイバのように、シングルモードでの伝播に影響の無い範囲で、マルチモード用のコアの領域を削ること(減少させること)によって、該コア領域の減少に伴って高次モード数を減少させると同時に、上記遅延時間分布において、高次モードの出現頻度を特定の遅延時間に集中させた分布を実現することができる。よって、遅延時間の狭い分布を実現することができる。
なお、本実施形態では、上述のように、コア121、第1クラッド122、および第2クラッド123がマルチモード光信号伝送用のコアを形成することになる。よって、こられがマルチモード光信号伝送用のコアとして機能するためには、15.0μm≦a2≦31.25μmを満たすことが好ましい。ただし、a0、a1、a2はそれぞれ、a0<a1<a2の関係を満たしている。
また、それぞれの屈折率関係は、比屈折率差Δ1は、0.1%以上、0.4%以下が好ましく、比屈折率差Δ2は、−1.0%以上であり−0.2%以下の値が好ましい。これにより、Δ1によってシングルモード条件が整い、負の値を有するΔ2によって、曲げた際にも光信号をガイドすることが可能となる。
さらに、本実施形態のデュアルモード光ファイバの直径を80μm、あるいは125μmにする場合は、マルチモード用のクラッドとして機能する第3クラッド124の幅dを、マルチモード光信号の閉じ込め効果、および最外クラッド125を用いて十分な強度を確保することを考慮して設定することは好ましい。上記光の閉じ込め効果は、入力されるシングルモード光信号波長の長さの2倍程度であれば良好に確保できる。また、デュアルモード光ファイバの外径が80μmあるいは125μmに収まり、かつ最外クラッド125の導入によって得られる所望の機械的強度を低減させないようにdの最大値を設定すれば良い。これらを考慮すると、幅dは、a_outerが40μmの場合、(入力されるシングルモード光信号波長の2倍の長さ)≦d<22.5μmであることが好ましく、a_outerが62.5μmの場合、(入力されるシングルモード光信号波長の2倍の長さ)≦d<45μmであることが好ましい。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、シングルモード光信号およびマルチモード光信号の双方を伝送可能なデュアルモード光ファイバのマルチモード光信号伝送特性の向上のために、マルチモード光信号伝送用のコアとして機能する領域(コア121、第1クラッド122、および第2クラッド123)の最外部(第2クラッド123)の屈折率を、デュアルモード光ファイバの中心から外側に向けて線形に減少させている。
これに対して、本実施形態では、上記最外部の屈折率を、デュアルモード光ファイバの中心から外側に向けて非線形に減少させている。例えば、本実施形態では、図9に示すように、第2クラッド123の屈折率133を、ファイバの中心から外側に向かって屈折率132から屈折率134になるように2次関数的に屈折率が減少するようにしても良い。このときの遅延時間の分布を図10に示す。
このように、本実施形態では、マルチモード光信号伝送用のコアの最外部となる第2クラッド123の屈折率を線形で落とすだけでなく、非線形(例えば2次関数)で落とした場合であっても、マルチモード光信号伝送用のコアの領域は削られることになり、高次モード数を減少させると同時に、上記遅延時間分布において、高次モードの出現頻度を特定の遅延時間に集中させた分布を実現することができる。よって、遅延時間の狭い分布の実現により、マルチモード光信号の伝送特性の改善が得られる。
(第3の実施形態)
第1および第2の実施形態では、第2クラッド123の、第1クラッド122との境界面での屈折率が第1クラッド122の屈折率132と等しく、第3クラッド124との境界面での屈折率が第3クラッド124の屈折率134と等しくなるように、第2クラッド123の屈折率133が設定されている。これに対して、本実施形態では、第2クラッド123の両界面での屈折率の値は、その接する他の材料の屈折率と異なっていても良い。
図11は、第2クラッド123の、第1クラッド122との界面の屈折率が屈折率132と異なる場合の屈折率プロファイルである。図11において、nは第2クラッド123の第1クラッド122との界面の屈折率であり、nは第2クラッド123の第3クラッド124との界面の屈折率である。
本実施形態では、屈折率nは屈折率134に等しいが、屈折率nは屈折率132とは異なる値である。なお、本実施形態では、第2クラッド123の屈折率133は、第1クラッド122から第3クラッド124に向けて屈折率が減少するので、屈折率naは屈折率nよりも大きい。また、第2クラッド123はマルチモード光信号伝送用のコアの一領域であり、かつ第3クラッド124が該マルチモード光信号伝送用のコアに対するクラッドとして機能するので、屈折率nは屈折率134よりも大きい。
本実施形態では、第1および第2の実施形態と同様に、屈折率133をデュアルモード光ファイバの外側ほど屈折率が低くなるように傾斜させているので、マルチモード数を低減することができる。
さて、本実施形態では、第1クラッド122はシングルモード光信号の伝送の観点からするとクラッドとして機能する。よって、第1クラッド122の屈折率132に対する屈折率nの比屈折率差Δ3が大きいほど、光ファイバを曲げた際の曲げ損失を小さくすることができる。すなわち、比屈折率差Δ3を大きくするほど、曲げ損失を低減することができる。このように曲げ損失の低減のために、−0.9%≦Δ3≦−0.1%とするのが好ましい。
図12に、図11に示す屈折率プロファイルを有するデュアルモード光ファイバにおける遅延時間分布を示す。なお、図11において、a0は、4.3μmであり、a1は16.3μmであり、a2は22.8μmである。また、dは、5.0μmである。さらに、Δ3は−0.75%である。
図12に示される通り、本実施形態においても、第2クラッド123の屈折率をデュアルモード光ファイバの外側に向うほど減少させるようにしているので、マルチモード光信号伝送用のコアの領域が削られることになり、高次モード数を減少させると同時に、上記遅延時間分布において、高次モードの出現頻度を特定の遅延時間に集中させた分布を実現することができる。よって、遅延時間の狭い分布の実現により、マルチモード光信号の伝送特性の改善が得られる。
なお、本実施形態では、屈折率nについても、第3クラッド124の屈折率134と異なる値に設定しても良い。ただし、第2クラッド123をマルチモード光信号伝送用のコアの一領域として機能させ、かつ第3クラッド124をマルチモード光信号伝送用のクラッドとして機能させることを考慮すると、屈折率nは屈折率134以上であることが必要である。
このように、本発明では、第2クラッド123の屈折率は、第1クラッド122から第3クラッド124に向って減少する形態であり、最大屈折率(第1クラッド122との界面での屈折率)が第1クラッド122の屈折率133以下であり、最小屈折率(第3クラッド124との界面での屈折率)が第3クラッド124の屈折率134以上であれば良い。
(第4の実施形態)
第1〜第3の実施形態では、第2クラッド123の屈折率133が、ファイバの中心側(第1クラッド122)から外側(第3クラッド124)に向って減少しているが、第2クラッド123の屈折率プロファイルはこの形態に限らない。本発明で重要なことは、第2クラッド123の屈折率の状態によって、実効的なマルチモード光信号伝送用のコアの体積を減少させることにより、高次モードの数を減少させることである。よって、第1〜第3の実施形態のように、マルチモード光信号伝送用のコア(コア121、第1クラッド122、第2クラッド123)の最外部(第2クラッド123)の屈折率を連続的に減少させる形態に限らず、本実施形態のように、上記最外部の屈折率をステップ状に減少させるようにしても良い。
図13は、本実施形態に係るデュアルモード光ファイバの屈折率プロファイルである。
本実施形態では、図13に示す通り、第2クラッド123の屈折率133はデュアルモード光ファイバの中心から外側に向けて傾斜していない。すなわち、第2クラッド123の屈折率133は、第1クラッド122の屈折率132よりも小さく、かつ第3クラッド124の屈折率134よりも大きい。
本実施形態では、第1クラッド122が純粋石英であるので、屈折率134よりも屈折率が大きくなるように純粋石英にF元素等を添加することによって、第2クラッド123を形成することができる。
上述のように、第2クラッド123の屈折率133を、屈折率132よりも小さくかつ屈折率134よりも大きな屈折率とすることで、マルチモード光信号伝送用のコアとして機能する領域を減少させることができる。本実施形態においても、マルチモード光信号伝送用のコアは、コア121、第1クラッド122、および第2クラッド123であるので、図13中の範囲136がマルチモード光信号伝送用のコアとなるが、第2クラッドの屈折率133は、第1クラッド122の屈折率132よりも小さいので、図13中の斜線領域138はコアとして機能しなくなる。よって、高次モードの数を減少させることができ、遅延時間の分布幅を小さくすることができる。
また、本実施形態によれば、第1〜第3の実施形態のように、第2クラッド123の屈折率133は傾斜した屈折率プロファイルを有するものではない。よって、第2クラッド123の製造を簡便にすることができ、低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態においても、第1クラッド122はシングルモード光信号伝送の観点からするとクラッドとして機能する。よって、第1クラッド122の屈折率132に対する屈折率133の比屈折率差Δ3が大きいほど、光ファイバを曲げた際の曲げ損失を小さくすることができる。すなわち、比屈折率差Δ3を大きくするほど、曲げ損失を低減することができる。このように曲げ損失の低減のために、−0.9%≦Δ3≦−0.1%とするのが好ましい。
図14に、図13に示す屈折率プロファイルを有するデュアルモード光ファイバにおける遅延時間分布を示す。なお、図13において、a0は、4.3μmであり、a1は16.5μmであり、a2は27.5μmである。また、dは、5.0μmである。さらに、Δ3は−0.75%である。
図14に示される通り、本実施形態では、第2クラッド123の屈折率133を第1クラッド123の屈折率132より小さくすることにより、マルチモード光信号伝送用のコアの領域が削られることになり、高次モード数を減少させることができる。従って、各モード毎の遅延時間の分布幅を小さくすることができ、マルチモード光信号伝送での伝送特性の改善が実現できる。すなわち、上記遅延時間分布において、高次モードの出現頻度を特定の遅延時間に集中させた分布を実現することができる。よって、遅延時間の狭い分布を実現により、マルチモード光信号の伝送特性の改善が得られる。
(a)は、従来のダブルクラッド光ファイバの屈折率プロファイルであり、(b)は、(a)の屈折率プロファイルを有するダブルクラッド光ファイバの断面構造図である。 曲率半径Rである一点を中心に光ファイバを曲げる場合の説明図である。 図1(a)および(b)に示したダブルクラッド光ファイバを曲率半径Rで曲げた際に変化した屈折率プロファイルである。 (a)は、本発明の一実施形態に係るデュアルモード光ファイバの屈折率プロファイルであり、(b)は、(a)の屈折率プロファイルを有するデュアルモード光ファイバの断面構造図である。 本発明の一実施形態に係るデュアルモード光ファイバ中をマルチモード光信号が伝送する際の遅延時間の分布を示す図である。 本発明の一実施形態に係るデュアルモード光ファイバの断面構造図である。 図6に示すデュアルモード光ファイバの屈折率プロファイルである。 本発明の一実施形態に係るデュアルモード光ファイバ中をマルチモード光信号が伝送する際の遅延時間の分布を示す図である。 本発明の一実施形態に係るデュアルモード光ファイバの屈折率プロファイルである。 本発明の一実施形態に係るデュアルモード光ファイバ中をマルチモード光信号が伝送する際の遅延時間の分布を示す図である。 本発明の一実施形態に係るデュアルモード光ファイバの屈折率プロファイルである。 本発明の一実施形態に係るデュアルモード光ファイバ中をマルチモード光信号が伝送する際の遅延時間の分布を示す図である。 本発明の一実施形態に係るデュアルモード光ファイバの屈折率プロファイルである。 本発明の一実施形態に係るデュアルモード光ファイバ中をマルチモード光信号が伝送する際の遅延時間の分布を示す図である。
符号の説明
121 コア
122 第1クラッド
123 第2クラッド
124 第3クラッド
125 最外クラッド
131 コア121の屈折率
132 第1クラッド122の屈折率
133 第2クラッド123の屈折率
134 第3クラッド124の屈折率
135 最外クラッド125の屈折率

Claims (3)

  1. シングルモード光信号およびマルチモード光信号を伝送可能なデュアルモード光ファイバであって、
    前記デュアルモード光ファイバの軸中心に配置された、第1の屈折率を有する第1の材料と、
    前記第1の材料の外周に配置された、前記第1の屈折率よりも小さい第2の屈折率を有する第2の材料と、
    前記第2の材料の外周に配置された、前記軸中心から外側に向かって、線形、2次関数的または階段状に屈折率が減少している第3の材料と、
    前記第3の材料の外周に配置された、前記第2の屈折率よりも小さい第3の屈折率を有する第4の材料と、
    前記第4の材料の外周に配置された、前記第2の材料との比屈折率差が略0%である第5の材料とを備え、
    前記第1の材料が前記シングルモード光信号を伝送するための第1のコアであり、
    前記第1の材料、第2の材料および第3の材料が前記マルチモード光信号を伝送するための第2のコアであり、
    前記第2の材料が前記第1のコアに対する第1のクラッドであり、
    前記第4の材料が前記第2のコアに対する第2のクラッドであり、
    前記第1の材料は、所定の波長帯で前記第1のコアを励振した際に基本モードのみ励振される物理的な外径(2×a0)と、前記第2の材料との比屈折率差Δ1を有しており、
    前記第4の材料は、前記第2の材料との比屈折率差Δ2を有しており、
    前記外径(2×a0)は、3.8μm≦2×a0<10μmを満たしており、
    前記軸中心から前記第2の材料の最も外側までの距離a1は、5.0μm≦a1<31.25μmを満たしており、
    前記軸中心から前記第3の材料の最も外側までの距離a2は、15.0μm≦a2≦31.25μmを満たしており、
    a0<a1<a2の大小関係を満たしており、
    前記比屈折率差Δ1は、0.1%≦Δ1≦0.4%であり、
    前記比屈折率差Δ2は、−1.0%≦Δ2≦−0.2%であり、
    前記第3の材料の、前記第2の材料の境界面での屈折率は、前記第2の屈折率よりも小さく、前記第3の屈折率よりも大きい第4の屈折率であり、
    前記第2の屈折率に対する前記第4の屈折率の比屈折率差Δ3は、−0.9%≦Δ3≦−0.1%であり、
    前記軸中心から前記第5の材料の最も外側までの距離は、40μmまたは62.5μmであり、
    前記第4の材料の幅であるdは、
    前記距離が40μmの場合、(入力されるシングルモード光信号の波長の2倍の長さ)≦d<22.5μmであり、
    前記距離が62.5μmの場合、(入力されるシングルモード光信号の波長の2倍の長さ)≦d<45μmであることを特徴とするデュアルモード光ファイバ。
  2. シングルモード光信号およびマルチモード光信号を伝送可能なデュアルモード光ファイバであって、
    前記デュアルモード光ファイバの軸中心に配置された、第1の屈折率を有する第1の材料と、
    前記第1の材料の外周に配置された、前記第1の屈折率よりも小さい第2の屈折率を有する第2の材料と、
    前記第2の材料の外周に配置された、前記軸中心から外側に向かって、線形、2次関数的または階段状に屈折率が減少している第3の材料と、
    前記第3の材料の外周に配置された、前記第2の屈折率よりも小さい第3の屈折率を有する第4の材料と、
    前記第4の材料の外周に配置された、前記第2の材料との比屈折率差が略0%である第5の材料とを備え、
    前記第1の材料が前記シングルモード光信号を伝送するための第1のコアであり、
    前記第1の材料、第2の材料および第3の材料が前記マルチモード光信号を伝送するための第2のコアであり、
    前記第2の材料が前記第1のコアに対する第1のクラッドであり、
    前記第4の材料が前記第2のコアに対する第2のクラッドであり、
    前記第1の材料は、所定の波長帯で前記第1のコアを励振した際に基本モードのみ励振される物理的な外径(2×a0)と、前記第2の材料との比屈折率差Δ1を有しており、
    前記第4の材料は、前記第2の材料との比屈折率差Δ2を有しており、
    前記外径(2×a0)は、3.8μm≦2×a0<10μmを満たしており、
    前記軸中心から前記第2の材料の最も外側までの距離a1は、5.0μm≦a1<31.25μmを満たしており、
    前記軸中心から前記第3の材料の最も外側までの距離a2は、15.0μm≦a2≦31.25μmを満たしており、
    a0<a1<a2の大小関係を満たしており、
    前記比屈折率差Δ1は、0.1%≦Δ1≦0.4%であり、
    前記比屈折率差Δ2は、−1.0%≦Δ2≦−0.2%であり、
    前記第3の材料は、前記第2の材料との比屈折率差Δ3を有しており、
    前記比屈折率差Δ3は、−0.9%≦Δ3≦−0.1%であり、
    前記軸中心から前記第5の材料の最も外側までの距離は、40μmまたは62.5μmであり、
    前記第4の材料の幅であるdは、
    前記距離が40μmの場合、(入力されるシングルモード光信号の波長の2倍の長さ)≦d<22.5μmであり、
    前記距離が62.5μmの場合、(入力されるシングルモード光信号の波長の2倍の長さ)≦d<45μmであることを特徴とするデュアルモード光ファイバ。
  3. 前記第5の材料は、前記第4の材料よりも機械的強度が強いことを特徴とする請求項1または2に記載のデュアルモード光ファイバ。
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