JP4985818B2 - 画像処理装置および画像処理のプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、画像処理装置および画像処理のプログラムに関し、特に、オプティカルフローを推定して画像処理を行う画像処理装置および画像処理のプログラムに関するするものである。
オプティカルフローを推定して画像処理を行う従来の技術として、移動撮影するカメラから得られる動画像から目的とする移動物体を自動的に検出する発明の提案がある。この発明の実施の形態として、図2(a),(b),(c),(d)に示されているように、2つの落石を検出する画像処理が記載されている。図2(a)には、単一色の落石Aおよび模様のある落石Bのフレーム画像が示されている。図2(b)は、図2(a)の入力フレーム画像とその1フレーム後(又は前)のフレーム画像とから求めた画像上の落石の動きを示す動きベクトルを実際の監視エリアとなる実平面に写像することにより得られる速度ベクトルをオプティカルフロー推定処理によって計算し、この速度ベクトルを座標配列した速度場ベクトルを示している。この速度場ベクトルにおいて落石の塊をベクトルの方向性に応じて領域分割した処理が、図2(c)に示す速度場ラベリングと呼ぶ状態である。次に、図2(c)の速度場ラベリング結果に基づいて、図2(d)のように、落石の塊の動きの方向を推定することで、落石の形状、面積を推定し、落石の有無を検出するような構成になっている。
さらに、図3に示されているように、動きベクトルを計算する際に、動きベクトルの空間的な滑らかさの度合いを示すパラメータを正則化パラメータとして用いている(特許文献1参照)。この正則化パラメータを用いたオプティカルフロー推定処理は、他の文献(特許文献2)で紹介されている公知の正規化手法に、正規化パラメータを用いる改良を加えたものである。
一方、オプティカルフローを推定してカメラワークすなわち撮像するビデオカメラの移動を検出する発明の提案がある。例えば、ある提案の動画像処理装置によれば、処理対象のフレーム画像f(t,x,y)と隣り合うフレーム画像f(t−1,x,y)により差分画像diff1(t,x,y)を求め、さらに、差分に関わった2つのフレーム画像(横NXおよび縦NYの領域)間での変化の大きさD(t)を求める。次に、正規化によって得られた変化の大きさ(D(t)/(NX×NY))に対して、しきい値処理によってシーンの切れ目かどうかを判別する。次に、2つの方法(方法(a)および方法(b))によってカメラの移動を判別する。方法(a)では、該当するシーンの先頭と最後のフレームとを比較し、変化が大きい領域が大きい場合は、カメラ移動があると判別する。方法(b)では、画素ごとに、シーン全体を通しての輝度値の分散を求め、分散が大きい画素が多い場合は、カメラ移動があると判別する。カメラの動きは、例えば図4に示すように、画像に対して設定した4つの小領域の動きで求めることができる。すなわち、4つの小領域が同一方向に動いている期間をカメラの縦横の動きとして検出する(特許文献3参照)。
特開2002−74370号公報 特開平9−297851号公報 特開平6−333048号公報
しかしながら、上記特許文献1のように、矢印によって動きベクトルを表す表示方法では、実際の画像の動きを視覚的に把握することができないという課題があった。特に、スポーツ観戦の画像を分析する場合には、選手の細かい動きを矢印によって分析することは困難である。例えば、図25に示すような、卓球のゲームにおいて、オプティカルフロー推定処理によって求めた腕、ラケット、球の動きベクトルを矢印で表しても、実際の画像の動きを視覚的に把握することは困難である。
また、上記特許文献3のように、4つの小領域が同一方向に動いている期間をカメラの縦横の動きとして検出するだけでは、縦、横又は斜めのビデオカメラ移動、すなわち、カメラの平行移動は検出できるが、拡大や縮小のズームのカメラワークや回転のカメラワークは検出することができないという課題があった。このため、撮像された動画に基づいて、サッカーなどのスポーツの試合における選手の動きや試合の攻防を分析することは困難である。あるいは、再生された動画に基づいて、映画におけるカメラワークを分析することによって、撮像技術(映像文法)を研究することは困難である。
本発明は、オプティカルフロー推定処理によって、画像の動きベクトルを視覚的に把握することが可能な画像処理装置および画像処理のプログラムを提供することを目的とする。
また、本発明は、オプティカルフロー推定処理によって、平行移動、ズーム、および回転のような様々なカメラワークを検出して画像の分析を可能にするとともに、分析の対象となる画像を抽出して、その画像の動きを表示できる画像処理装置および画像処理のプログラムを提供することを目的とする。
請求項1に記載の画像処理装置は、時系列に連続する動画の画面に対応する複数のフレーム画像の動きベクトルであるオプティカルフローを推定する動き推定手段と、前記動き推定手段によって推定されたオプティカルフローに基づくベクトル分布を算出するベクトル演算手段と、一連の動画を前記ベクトル演算手段によって算出されたベクトル分布の分類に応じた区間に分割する分割手段と、前記分割手段によって分割された区間ごとに一枚の代表画像を各分割区間の画像の間を空けて一覧表示する表示手段と、一覧表示された前記代表画像をその区間のベクトル分布に応じて、縦軸又は横軸を中心とする画像の回転、画面の拡大又は縮小であるズーム、画像を横又は斜めに移動するパン、画像を上又は下に移動する縦揺れ、カメラの光軸を中心とする回転のいずれかの表示をさせる表示制御手段と、を備えた構成になっている。
請求項2に記載の画像処理のプログラムは、時系列に連続する動画の画面に対応する複数のフレーム画像の動きベクトルであるオプティカルフローを推定する第1のステップと、前記第1のステップによって推定されたオプティカルフローに基づくベクトル分布を算出する第2のステップと、一連の動画を前記第2のステップによって算出されたベクトル分布の分類に応じた区間に分割する第3のステップと、前記第3のステップによって分割された区間ごとに一枚の代表画像を各分割区間の画像の間を空けて一覧表示する第4のステップと、前記第4のステップによって一覧表示された代表画像をその区間のベクトル分布に応じて、縦軸又は横軸を中心とする画像の回転、画面の拡大又は縮小であるズーム、画像を横又は斜めに移動するパン、画像を上又は下に移動する縦揺れ、カメラの光軸を中心とする回転のいずれかの表示をさせる第5のステップと、を実行する。
本発明の画像処理装置および画像処理のプログラムによれば、オプティカルフロー推定処理によって、画像の動きベクトルを視覚的に把握することが可能になるという効果が得られる。
また、本発明の画像処理装置および画像処理のプログラムによれば、オプティカルフロー推定処理によって、平行移動、ズーム、および回転のような様々なカメラワークを検出して画像の分析を可能にするとともに、分析の対象となる画像を抽出して、その画像の動きを表示できるという効果が得られる。
第1実施形態における画像処理装置の構成を示すブロック図。 第1実施形態におけるメインルーチンのフローチャート。 第1実施形態におけるメインルーチンのスイッチ処理のフローチャート。 第1実施形態におけるメインルーチンの画面分割処理のフローチャート。 第1実施形態における画面分割の表示例を示す図。 第1実施形態におけるメインルーチンのシーン分割処理のフローチャート。 第1実施形態においてカメラワークが平行移動の場合に単位領域ごとのベクトル分布を示す図。 第1実施形態においてカメラワークが回転の場合に単位領域ごとのベクトル分布を示す図。 第1実施形態においてカメラワークが拡大又は縮小の場合に単位領域ごとのベクトル分布を示す図。 第1実施形態において起点座標および単位領域を結ぶ直線の方向と単位領域におけるベクトル分布との関係を示す図。 第1実施形態において起点座標および単位領域を結ぶ直線の方向の単位ベクトルと単位領域におけるベクトル分布との内積を説明する図。 第1実施形態において対象画像の動きを分析するための画像処理の例を示す図。 第1実施形態においてカメラワークの動きを分析するための画像処理の例を示す図。 第1実施形態においてビデオカメラの撮像位置を特定するための図。 第2実施形態におけるメインルーチンのシーン分割処理のフローチャート。 第2実施形態における映画のスタジオシーンを記録した画面を示す図。 第2実施形態における分析結果に基づいたカメラワークの俯瞰図。 第2実施形態における映像文法の分析に基づいて実際の撮影現場を予想した図。 第2実施形態における映画のロケシーンを記録した画面を示す図 第2実施形態における映画の散歩のロケシーンを示す図。 第2実施形態における映画において人物のクローズアップのシーンを示す図 第2実施形態における映画の戦闘場面において戦闘機のコックピット内のシーンを示す図。 第2実施形態における映画において時間の経過に応じたカメラワークを示す図。 映画の一連のカメラワークによって映像文法を分析する際の画面を示す図。 従来技術における画面分割の表示例を示す図。
以下、本発明による画像処理装置の第1実施形態および第2実施形態について、図を参照して説明する。
図1は、第1実施形態における画像処理装置の構成を示すブロック図である。図1において、CPU1は、システムバスを介して、ROM2、RAM3、画像入力インターフェース(I/F)4、スイッチ部5、演算部6、フレームメモリ7、画像出力インターフェース8に接続され、これら各部との間で指令やデータの授受を行って、この装置全体を制御する。
ROM2は、画像処理のプログラムを含む制御プログラムや、電源起動時のイニシャライズにおける初期データを記憶している。RAM3は、CPU1のワークエリアであり、CPU1のプログラムの実行に必要な各種のレジスタ、フラグ、変数のエリアが設けられている。画像入力インターフェース4は、ビデオカメラやその他の映像資源からの画像データを入力する。スイッチ部5は、電源スイッチの他、画面分割を指示する画面分割スイッチ、シーン分割を指示するシーン分割スイッチ、オプティカルフロー推定処理の対象となる2つのフレーム画像のフレーム間隔を指定するフレーム間隔スイッチ、および、その他のスイッチで構成されている。演算部6は、CPU1の演算指令に応じて、オプティカルフロー推定処理に関する演算や、後述するその他の演算を行う。フレームメモリ7は、画像入力インターフェース4から入力された画像データをフレーム単位で記憶する。画像出力インターフェース8は、CPU1および演算部6によって画像処理されたフレームの画像データをディスプレイ9に出力して表示させる。
図2は、第1実施形態におけるCPU1のメインルーチンのフローチャートである。まず、所定のイニシャライズ(ステップSA1)の後、スイッチ処理を行う(ステップSA2)。図3は、スイッチ処理のフローチャートである。画面分割スイッチがオンされたか否かを判別し(ステップSB1)、このスイッチがオンされたときは、レジスタdivに「0」をセットする(ステップSB2)。さらに、表示形態設定スイッチによって、移動量一定表示が設定されているか否かを判別する(ステップSB3)。移動量一定表示が設定されている場合には、レジスタmodeに「0」をセットする(ステップSB4)。移動量一定表示が設定されていない場合には、振動数一定表示が設定されているか否かを判別する(ステップSB5)。振動数一定表示が設定されている場合には、modeに「1」をセットする(ステップSB6)。
ステップSB1において、画面分割スイッチがオンでない場合には、シーン分割スイッチがオンであるか否かを判別する(ステップSB7)。このスイッチがオンである場合には、divに「1」をセットする(ステップSB8)。
ステップSB4においてmodeに「0」をセットした後、若しくは、ステップSB6においてmodeに「1」をセットした後、又は、ステップSB8においてdivに「1」をセットした後、若しくは、ステップSB7において、シーン分割スイッチがオンでない場合には、フレーム間隔スイッチがオンであるか否かを判別し(ステップSB9)、このスイッチがオンでフレーム間隔が指定された場合には、レジスタfに指定されたフレーム間隔の数値をセットする(ステップSB10)。この数値が「1」の場合には隣接するフレーム画像に対してオプティカルフロー推定処理を行ない、この数値が「10」の場合には10フレーム間隔のフレーム画像に対してオプティカルフロー推定処理を行なう。フレーム間隔スイッチがオンでない場合には、他のスイッチがオンであるか否かを判別し(ステップSB11)、他のスイッチがオンである場合には、そのスイッチに対応する処理を行う(ステップSB12)。ステップSB5において振動数一定表示が設定されていな場合には、他の処理を行う(ステップSB13)。
ステップSB10においてフレーム間隔の数値をセットした後、又は、ステップSB12若しくはステップSB13の処理の後は、図2のフローチャートに戻って、画像入力処理を行う(ステップSA3)。この処理では、画像入力インターフェース4を介してビデオカメラなどの撮像手段から入力される画像データをフレームメモリ7に記憶する。なお、この画像入力処理は、ルーチンワークでなくインタラプトに応じて処理してもよい。例えば、NTSCの場合には、約1/30秒ごとに発生するインタラプトに応じて画像入力処理を行うことになる。
次に、レジスタdivの値が「0」であるか否かを判別し(ステップSA4)、この値が「0」である場合には、画面分割処理を行う(ステップSA5)。divの値が「0」でない場合には、divの値が「1」であるか否かを判別し(ステップSA6)、この値が「1」である場合には、シーン分割処理を行う(ステップSA7)。ステップSA5の画面分割処理の後、又は、ステップSA7のシーン分割処理の後は、画像出力処理を行う(ステップSA8)。この処理では、画像出力インターフェース8を介して、ディスプレイ9に対して画面分割処理又はシーン分割処理したフレーム画像を出力する。この画像出力処理の後、又は、divが「0」および「1」のいずれでもない場合には、その他の処理を行って(ステップSA9)、ステップSA2に移行してスイッチ処理を行う。
図4は、図2のステップSA5における画面分割処理のフローチャートである。まず、フレームメモリ7の中から処理の対象となるフレームF(n)を選択する(ステップSC1)。例えば、最新のフレームを選択する。次に、レジスタfにストアされているフレーム間隔の数値だけ前のフレームF(n−f)を選択する(ステップSC2)。フレーム間隔の数値は、動画における動き速度に応じて設定される。そして、選択した2つのフレームF(n)およびF(n−f)間のオプティカルフローを計算する(ステップSC3)。
次に、2つのフレームF(n)およびF(n−f)をM×N(=J)のブロックB(1)〜B(J)に分割する(ステップSC4)。例えば、水平方向の画素数640、垂直方向の画素数480のフレームを水平方向に10個、垂直方向に8個の80個のブロックB(1)〜B(80)に分割する。したがって、各ブロックの画素数は3840個(水平画素数64×垂直画素数60)となる。
次に、変数jを「1」にセットして(ステップSC5)、jの値をインクリメントしながら、以下のループ処理を行う。jの値で指定するブロックB(j)の平均速度ベクトルVx(j)、Vy(j)を計算して(ステップSC6)、計算した平均速度ベクトルVx(j)、Vy(j)をRAM3にストアする(ステップSC7)。この後、jの値をインクリメントして(ステップSC8)、jの値が最大値Jの値を超えたか否かを判別する(ステップSC9)。
jの値がJの値以内である場合には、ステップSC6に移行してループ処理を繰り返すが、jの値がJの値を超えたときは、ループ処理を終了して、レジスタmodeの値が「0」であるか「1」であるかを判別する(ステップSC10)。modeの値が「0」である場合には、オプティカルフローの計算によるベクトル分布に従って、ブロックの画像を移動量一定でディスプレイ9に表示する(ステップSC11)。あるブロックについて移動量一定で表示する場合には、そのブロックにおいて指定した任意の点(x0,y0)は、その点(x0,y0)とベクトル分布に応じた下記の数1の点とを結ぶ直線上を、速度ベクトルに比例した振動数で移動する。
Figure 0004985818
一方、modeの値が「1」である場合には、オプティカルフローの計算によるベクトル分布に従って、ブロックの画像を振動数一定でディスプレイ9に表示する(ステップSC12)。あるブロックについて振動数一定で表示する場合には、そのブロックにおいて指定した任意の点(x0,y0)は、その点(x0,y0)とベクトル分布に応じた点(x0+Vx,y0+Vy)とを結ぶ直線上を、速度ベクトルに比例した移動量で移動する。
ステップSC11又はステップSC12の表示の後は、図2のメインルーチンに戻る。
図5は、振動数一定でディスプレイ9に表示された画像を示す図である。この図は、フレームを水平方向に10個、垂直方向に8個の80個のブロックに分割した例である。各ブロックをその平均速度ベクトルに基づいて移動して表示する。図25に示した従来の画像と比較すると、静止画のイラストであるにもかかわらず、オプティカルフロー推定処理によって、画像の動きベクトルを視覚的に把握することが可能になる。実際に、これを動画で表示した画面で見ると、画像の動きベクトルを顕著に把握することができる。
図6は、図2のメインルーチンにおけるステップSA7のシーン分割処理のフローチャートである。フレームメモリ7に記憶されている処理対象の複数のフレームにおいて、各フレームのオプティカルフローを計算する(ステップSD1)。オプティカルフローの計算においては、フレームを所定数の画素(例えば、16画素×16画素)からなる単位領域のエリアに分割して、そのエリアごとの動きベクトルを計算する。次に、フレームを1つ取り出す(ステップSD2)。例えば、最新のフレームを取り出す。そして、オプティカルフローに基づいてベクトルの分散Dvを計算する(ステップSD3)。
図7、図8、および図9は、様々なカメラワークの状態をエリアごとの動きベクトルで表した図である。図7(1)は各エリアのベクトルが均一に右向きの方向になっている。図7(2)は各エリアのベクトルが均一に右斜め上の方向になっている。図8(1)はハッチングで示すエリアを中心に各エリアのベクトルが時計回りの渦巻き状になっている。図8(2)はハッチングで示すエリアを中心に各エリアのベクトルが反時計回りの渦巻き状になっている。図9(1)は各エリアのベクトルがハッチングで示すエリアに向かう方向になっている。図9(2)は各エリアのベクトルがハッチングで示すエリアから外に向かう方向になっている。図7ないし図9においては、単位領域のエリア数を少なくしているが、実際には、水平方向が画素数640で垂直方向が画素数480のフレームの場合には、エリアを16画素×16画素とすると、水平40個×垂直30個からなる1200個のエリアとなる。
次に、ステップSD3で計算した動きベクトルの分散Dvが閾値Tvより大きいか否かを判別する(ステップSD4)。図7に示した各エリアのベクトルは同じ方向に均一な状態になっているので、分散Dvは閾値Tvよりも小さい。したがって、図7のカメラワークは平行移動に分類する(ステップSD5)。なお、動きが非常に少ない静止画に近いものも平行移動に分類するものとする。
一方、図8および図9に示す各エリアのベクトルは、均一性がなく分散した状態になっている。この場合には、ステップSD4において、分散Dvが閾値Tvより大きいと判別する。この場合には、最小ベクトル量のエリアを検出する(ステップSD6)。具体的には、ステップSD1において計算したオプティカルフローに基づいて、最小ベクトル量のエリアを検出する。図8および図9においては、ハッチングで示すエリアが最小ベクトル量のエリアである。
次に、カメラワーク判定演算を行う(ステップSD7)。この演算では、最小ベクトル量のエリアと他のエリアとを結ぶ直線の方向と他のエリアにおける動きベクトルの方向との関係を分析する。最小ベクトル量のエリアの中心位置を起点座標(x、y)とし、起点座標と他のエリアの中心位置とを結ぶ直線と水平方向(X軸方向)との角度をθxyとした場合には、図8(2)に示すように、各エリアのベクトルが反時計回りの渦巻き状になっている状態においては、そのエリアのベクトルVは図10(1)に示すようになる。
したがって、ベクトルVにおける水平方向のベクトルVxおよび垂直方向のベクトルVyは、下記の式で表される。
Vx=−V・sinθxy
Vy=V・cosθxy
次に、起点座標と他のエリアの中心位置とを結ぶ直線と法線方向の成分drおよび接線方向の成分dxを下記の式で求める。
dr=Vy・cosθxy−Vx・sinθxy
=V・cosθxy・cosθxy−V(−sinθxy)・sinθxy=V
dz=Vy・sinθxy+Vx・cosθxy
=V・cosθxy・sinθxy・+V・(−sinθxy)・cosθxy=0
すなわち、各エリアのベクトルが反時計回りの渦巻き状になっている状態においては、オプティカルフロー計算の誤差を考慮しても、ベクトルVで正規化した後の法線方向の成分はほぼ「1」、接線方向の成分はほぼ「0」となる。
一方、図9(2)に示すように、各エリアのベクトルがハッチングで示すエリアから外に向かう方向になっている場合には、そのエリアのベクトルVは図10(2)に示すようになる。
したがって、ベクトルVにおける水平方向のベクトルVxおよび垂直方向のベクトルVyは、下記の式で表される。
Vx=V・cosθxy
Vy=V・sinθxy
次に、起点座標と他のエリアの中心位置とを結ぶ直線と法線方向の成分drおよび接線方向の成分dxを下記の式で求める。
dr=Vy・cosθxy−Vx・
=V・sinθxy・cosθxy−V・cosθxy・sinθxy=0
dz=Vy・sinθxy+Vx・cosθxy
=V・sinθxy・sinθxy・+V・cosθxy・cosθxy=V
すなわち、各エリアのベクトルがハッチングで示すエリアから外に向かう方向になっている場合には、オプティカルフロー計算の誤差を考慮しても、ベクトルVで正規化した後の法線方向の成分はほぼ「0」、接線方向の成分はほぼ「1」となる。
このことは、2つのベクトルの内積を計算することと等価である。図11(1)に示すように、起点座標と他のエリアの中心位置とを結ぶ直線方向の単位ベクトルをVu(|Vu|=1)、他の任意のエリアのベクトルをVn、VnおよびVuのベクトル角をαとすると、ベクトルの内積は、次の式で表される。
|Vn|・|Vu|・cosα=|Vn|・cosα
あるいは、一般に2つのベクトルの内積は、水平方向成分同士の積と垂直方向成分同士の積との和で表されるので、ベクトルVnと水平方向との角度をβとすると、ベクトルの内積は、次の式でも表される。
|Vn|cosβ・|Vu|cosθxy+|Vn|・sinβ・|Vu|sinθxy
=|Vn|cosβ・cosθxy+|Vn|・sinβ・sinθxy
=|Vn|・cos(β−θxy)
なお、θxyはベクトルVuと水平方向の角度であるので、β−θxy=αとなり、
|Vn|・cos(β−θxy)=|Vn|・cosα
したがって、図11(2)に示すように、単位ベクトルVuとベクトルVn1とがほぼ直角の場合、すなわち、図8(1)若しくは(2)に示すように、カメラワークが回転の場合にはαが約90°であるので、|Vn|で正規化した内積は約「1」となる。一方、単位ベクトルVuとベクトルVn2とがほぼ平行の場合、すなわち、図9(1)若しくは(2)に示すように、カメラワークが拡大又は縮小の場合には、αが約180°若しくは0°であるので、|Vn|で正規化した内積は約「0」となる。
したがって、drの値がdzの値より大きいか否かを判別して(ステップSD8)、drの値がdzの値より大きい場合には、カメラワークを回転に分類する(ステップSD9)。一方、drの値がdzの値より大きくない場合には、カメラワークを拡大若しくは縮小に分類する(ステップSD10)。ステップSD5、ステップSD9、ステップSD10において、カメラワークを分類した後は、フレームメモリ7に処理対象のフレームが残っているか否かを判別し(ステップSD11)、残っている場合には、ステップSD2に移行して、ステップSD11までのループ処理を繰り返す。
フレームメモリ7に処理対象のフレームが残っていない場合には、画像出力インターフェース8を介して、ディスプレイ9にシーン分割した画像を表示する(ステップSD12)。そして、図2のメインルーチンに戻る。
カメラワークを分類した後は、撮像された画面からカメラワークの影響を除外して、対象画像の動きを分析するための画像処理、および、撮像された画面から移動画像の影響を除外して、カメラワーク自体の動きを分析するための画像処理が可能となる。
図12は、対象画像の動きを分析するための画像処理の例を示す図である。図12(1)は、ビデオカメラを平行移動させながら、サッカーの試合を撮像した動画であり、3人の選手がそれぞれオプティカルフローで算出されたベクトル分布であるv1、v2、v3の動きベクトルで移動している。カメラワークのベクトル分布を右方向に向かうvcとすると、各選手のベクトル分布v1、v2、v3は、図12(2)に示すように、カメラワークのベクトル分布vcと選手自体のベクトル分布v1’、v2’、v3’に分解できる。したがって、各選手のベクトル分布からカメラワークのベクトル分布を相殺すると、選手自体のベクトル分布v1’、v2’、v3’に基づいて、動画像の中から選手の画像を抽出することができる。
そして、図12(3)に示すように、フレームから抽出した各選手の画像をそれぞれのベクトル分布に従って移動して表示することができる。この結果、試合中の各選手の動きを分析することによって、今後の練習の方針や次の試合における対策を研究することができる。
図13は、カメラワーク自体の動きを分析するための画像処理の例を示す図である。図13(1)は、ビデオカメラを移動させながらサッカーの試合を撮像した場合の連続したフレームを示している。このフレームの画面では、ボールが飛び、選手も走っているので、カメラワーク自体の動きは分かりにくい。そこで、所定の閾値よりも速い動きベクトルの画像を除外する。
図13(2)は、その閾値より速い動きベクトルのボールおよび選手の画像を除外した場合の連続したフレームを示している。図13(2)のフレームからはカメラワーク自体の動きを抽出して容易に分析することができる。この場合のカメラワークは左から右に平行する単純なものであるが、回転や拡大・縮小などが復号したカメラワークにおいては、所定の閾値よりも速い動きベクトルの画像を除外することによって、カメラワーク自体の動きを分析に顕著な効果が得られる。例えば、映画撮影の場合には、監督や映画のジャンルなどによって、カメラワークがどのように異なるかの分析、すなわち映画文法の分析が可能となる。
この場合において、カメラワーク自体の動きが平行移動である場合だけを表示するようにしてもよい。この場合には、ビデオカメラの移動方向によって攻撃側のチームを容易に認識することで、試合全体の流れを明確に把握することができる。
図14は、ビデオカメラの撮像位置を特定するための図である。サッカー場において、センターサークル、ライン、ゴールなどの動きのない背景画像をあらかじめフレームメモリ7に記憶し、撮像された時系列のフレーム(t)、フレーム(t+1)、…フレーム(t+n)の画像において、背景画像とマッチングを行ってカメラワークの分析を行う。
以上のように、この第1実施形態によれば、CPU1は、時系列に連続する動画の画面に対応する複数のフレーム画像の動きベクトルであるオプティカルフローを推定し、フレーム画像を所定数の部分画像に分割し、その部分画像の各々に対して推定したオプティカルフローに基づくベクトル分布を算出し、算出したベクトル分布に応じて部分画像の表示位置を移動して表示する。例えば、算出したベクトル分布に応じて部分画像の移動量を一定にして表示する。あるいは、算出したベクトル分布に応じて部分画像の振動数を一定にして表示する。
したがって、オプティカルフロー推定処理によって、画像の動きベクトルを視覚的に把握することが可能になる。
また、第1実施形態によれば、CPU1は、推定したオプティカルフローが、ビデオカメラによって撮像された動画の連続する撮像画面に対応する複数のフレーム画像のベクトル分布である場合に、ビデオカメラのベクトル分布を判定して、ビデオカメラのベクトル分布と、フレーム画像内の画像のベクトル分布との関係に基づいて部分画像の表示位置を移動して表示する。
例えば、ビデオカメラによって撮像されたフレーム画像のベクトル分布から、ビデオカメラのベクトル分布を相殺したベクトル分布に基づいて、部分画像の表示位置を移動して表示する。この場合において、ビデオカメラのベクトル分布を相殺したベクトル分布に対応する特定の画像(図12における選手の画像)を抽出して、相殺したベクトル分布に基づいてその特定の画像の表示位置を移動して表示する。
したがって、オプティカルフロー推定処理によって、分析の対象となる画像を抽出して、カメラワークの動きに関係なく、その画像自体の動きを表示できる。
あるいは、ビデオカメラのベクトル分布に基づいて、ビデオカメラによって撮像された動きのない背景画像の表示位置を移動して表示する。
したがって、オプティカルフロー推定処理によって、平行移動、ズーム、および回転のような様々なカメラワークを検出して画像の分析を可能にする。
さらに、CPU1は、撮像画像における所定の画素数(16画素×16画素)からなる複数の単位領域におけるオプティカルフローのベクトル分布の分散が所定の閾値内である場合には、ビデオカメラのベクトル分布を平行移動又は静止状態と判定し、複数の単位領域におけるオプティカルフローのベクトル分布の分散が所定の閾値を超える場合には、最小のベクトル量を有する単位領域を検出して、当該最小のベクトル量の単位領域と他の任意の単位領域との間の方向に対して、当該任意の単位領域のベクトル方向が略同一方向又は略逆方向である場合には、ビデオカメラのベクトル分布を拡大又は縮小と判定し、当該任意の単位領域のベクトル方向が略直角方向である場合には、ビデオカメラのベクトル分布を回転と判定する。
したがって、平行移動、ズーム、および回転のような様々なカメラワークを正確に検出することができる。
この場合において、CPU1は、ビデオカメラのベクトル分布が平行移動と判定された場合の撮像画面のみを表示する。
したがって、スポーツの試合において、ビデオカメラの移動方向によって攻撃側のチームを容易に認識することで、試合全体の流れを明確に把握することができる。
次に、本発明による画像処理装置の第2実施形態について説明する。
第2実施形態における画像処理装置の構成は、図1に示した第1実施形態のブロック図と同じである。さらに、第2実施形態における画像処理の動作についても、シーン分割処理の一部を除いて、第1実施形態の動作と同じである。したがって、第1実施形態と同じ処理については説明を省略し、第1実施形態の図面を援用するとともに、第1実施形態と異なる内容について説明する。
図15は、第2実施形態におけるシーン分割処理のフローチャートである。図15と第1実施形態における図6との比較から明らかなように、図15においては、カメラワークを平行移動若しくは静止に分類したステップSD5の後、回転に分類したステップSD9の後、又は、拡大若しくは縮小に分類したステップSD10の後に、静止の場合(速度がゼロの場合)を除き、分類に応じた速度パラメータの計算を行う(ステップSD13)。
カメラワークが平行移動の場合には、任意の点の座標(x、y)における水平方向の速度パラメータをVx、垂直方向の速度パラメータをVyとすると、座標(x、y)における水平方向のベクトル分布vxおよび垂直方向のベクトル分布vyは、下記の式で表される。したがって、下記の式によって水平方向の速度パラメータVx、垂直方向の速度パラメータVyを求めることができる。
vx=x+Vx
vy=y+Vy
カメラワークが回転の場合には、任意の点の座標(x、y)が座標(xc,yc)を中心として回転しているときの回転の速度パラメータをVθとすると、座標(x、y)における水平方向のベクトル分布vxおよび垂直方向のベクトル分布vyは、下記の式で表される。したがって、下記の式によって回転の中心位置xc、yc、回転の速度パラメータVθを求めることができる。
vx=(x−xc)cosVθ−(y−yc)sinVθ
vy=(x−xc)sinVθ−(y−yc)cosVθ
さらに、カメラワークも被写体も回転している場合において、被写体の動きを解析する場合には、被写体の回転速度によるベクトル分布からカメラの回転速度によるベクトル分布を相殺したベクトル分布に基づいて被写体の動きを分析する。これに対して、カメラワークの動きすなわち映像文法を解析する場合には、カメラの回転速度によるベクトル分布から被写体の回転速度によるベクトル分布を相殺したベクトル分布に基づいてカメラワークを分析する。
図16は、著名な監督による映画を記録したビデオテープ又はDVDの画面を示す図であり、3人の人物p0、p1、p2および図示しない他の人物やセットの建物が撮影されている。図16(A)のシーンから単位時間(例えば、1秒)後にカメラが動いて図16(B)のシーンに変化した場合に、カメラワークの動きである映像文法を動きベクトルのオプティカルフローによって分析する。この2つのシーンの映像に示されているように、人物p0の画像は移動せず、人物p1の画像が左にd1の距離だけ移動し、人物p2の画像が右にd2の距離だけ移動している。したがってこの場合には、人物p0を中心にカメラが回転移動していることが分析できる。すなわち、単位時間における移動距離d1およびd2は、人物p1およびp2の動きベクトルを表している。
図17は、この分析結果に基づいたカメラワークの俯瞰図である。図16(A)のシーンではカメラ11は、図17の回転移動の軌道を示す円12において点線の位置にあり、図16(B)のシーンでは、カメラ11は人物p0を中心に動きベクトルθで回転移動した実線の位置にある。図17において、2点鎖線でしめす画面G1が人物p1の画像の移動を表し、2点鎖線でしめす画面G2が人物p2の画像の移動を表している。いま、人物p0と人物p1との距離をr1とし、人物p0と人物p2との距離をr2とすると、下記の近似式が成り立つ。
r1・θ=d1、r2・θ=d2
すなわち、この式から次の式を導くことができる。
d2/d1=r2/r1
したがって、図16の映像における人物p1およびp2の画像の動きベクトルを分析することによって、3人の人物p0、p1、p2の配置関係も分析できる。
図18は、このような映像文法の分析に基づいて、実際の撮影現場を予想した図である。この図に示すように、カメラ11は、人物p0を中心とする円の軌道12に沿って矢印の方向に回転移動している。
図19は、この映画のロケシーンの画面を示す図であり、連続する撮像画面である図19(A)、(B)、(C)に、人物の画像13が同じ大きさで表示されている。ただし、背景の町並みの画像は次第に小さくなっている。この3つのシーン動きベクトルのオプティカルフローによれば、右方向にカメラを回転させながら人物の進行に合わせて左後方にズームし、低い位置すなわちローアングルで撮影するカメラワークであることが分析される。
図20は、この映画の散歩のシーンを示す図である。図20(A)のシーンから図20(B)のシーンに変化した場合には、人物は右方向にd1の距離だけ移動し、背景は左方向にd2の距離だけ移動している。したがって、この2つのシーン動きベクトルのオプティカルフローによれば、カメラを右方向に移動するパンのカメラワークであることが分析される。また、人物は図20(A)のシーンから図20(B)のシーンに変化するまでの時間に(d1+d2)の距離を移動していることが分かる。
図21は、この映画における人物のクローズアップのシーンを示す図である。図21(A)のシーン、図21(B)のシーン、図21(C)のシーンに変化しているので、この3つのシーン動きベクトルのオプティカルフローによれば、カメラを下から上に移動させながら撮影するカメラワークであることが分析される。なお、図には示さないが、さらに、図21(C)のシーンから逆に、カメラを上から下に移動させながら撮影するカメラワークも行われる。すなわち、縦揺れの映像文法のカメラワークである。
図22は、この映画の戦闘場面における戦闘機のコックピット内のシーンを示す図である。図22(A)のシーン、図22(B)のシーン、図22(C)のシーンに変化し、水平線の画像が右回転しているので、この3つのシーン動きベクトルのオプティカルフローによれば、コックピット内のカメラが戦闘機の左回転するのに伴って、回転しながら撮影するカメラワークであることが分析される。図16に示した回転のカメラワークは、撮影現場の所定の地点を垂直の軸として回転するカメラワークであるのに対して、この図22に示す回転のカメラワークは、カメラの光軸を中心に回転するカメラワークになっている。
図23は、この映画において時間の経過に応じて異なるカメラワークの種類を示す一連の図であり、カメラワークの種類に応じた画面の変化を矢印で示している。この図に示すように、回転(所定の地点を垂直の軸とした回転)のカメラワーク、ズームのカメラワーク、パンのカメラワーク、縦揺れのカメラワーク、実施形態においては示していないが、パンと縦揺れの合成である斜め揺れのカメラワーク、回転(カメラの光軸を中心とする回転)のカメラワークに応じて、画面が矢印のように変化する。
なお、各種類のカメラワークを各シーン番号で表示したり、あるいは、各種類のカメラワークを各シーンの開始時間および終了時間で表示するようにしてもよい。
図24は、この映画の一連のカメラワークによって映像文法を分析する際の画面を示す図である。この図に示すように、一連の動画をベクトル分布の分類であるカメラワークに応じた区間、すなわち複数の画面からなるシーン(1,2,3…)に分割し、各分割区間ごとに一枚の画像(ディスプレイ9の1画面)をその区間のベクトル分布に応じて移動して表示する。この場合において、各区間における移動表示、すなわち、縦軸又は横軸を中心とする画像の回転、画面の拡大又は縮小であるズーム、画像を横又は斜めに移動するパン、画像を上又は下に移動する縦揺れ、画面の任意の表示位置すなわちカメラの光軸を中心とする回転などが可能なように、図24に示すように、各分割区間の画像の間を空けて表示する。
さらにこの場合において、任意のシーンを選択して表示することも可能であるし、特定のカメラワーク、例えば、縦軸を中心とする画像の回転のカメラワークだけの分割区間を複数抽出して、それぞれの画像の回転を比較することにより、より詳細な映像文法の分析を行うことも可能である。あるいは、同じ監督の他の作品又は他の著名な監督の作品から、特定のカメラワークを抽出して比較することによって、作品ごとの映像文法の分析を行うことも可能である。
なお、映像文法の分析において、カメラワークが図19に示すようなズームの場合には、任意の点の座標(x、y)が座標(xc,yc)を中心として外側に拡大しているとき、又は、座標(xc,yc)を中心として内側に縮小しているときに、拡大又は縮小の速度パラメータをVzとすると、座標(x、y)における水平方向のベクトル分布vxおよび垂直方向のベクトル分布vyは、下記の式で表される。したがって、下記の式によって拡大又は縮小の中心位置xc、yc、拡大又は縮小の速度パラメータVzを求めることができる。
vx=(x−xc)Vz
vy=(y−yc)Vz
以上のように、この第2実施形態によれば、CPU1は、オプティカルフローの推定の対象であるフレーム画像の任意の位置における速度パラメータを算出し、当該算出した速度パラメータに従った速度で部分画像の表示位置を移動する。
したがって、オプティカルフロー推定処理によって、平行移動、ズーム、および回転のような様々なカメラワークの速度を検出して、カメラワークの定量的な分析を可能にする。
各実施形態においては、オプティカルフローの推定を行う2つのフレーム間の間隔については特に限定していないが、通常は隣接するフレーム間においてオプティカルフローの推定を行う。この場合には、図3に示したスイッチ処理のステップSB10において、レジスタfの値が「1」にセットされる。しかしながら、分析対象の動画の動きがフレーム間隔の33.3msに比べてかなり遅い場合には、隣接するフレーム間においては、動きベクトル量が非常に小さくなり、オプティカルフローの推定を行っても分析が困難である。このような場合には、fにセットする値を大きくして、オプティカルフローの推定を行う2つのフレーム間隔を長くする。
また、各実施形態においては、サッカーの試合を例に採ってオプティカルフローによる画像処理を説明したが、本発明は、他のスポーツの試合やスポーツ以外の画像に対する画像処理にも応用できることは明らかである。
また、各実施形態においては、画像の形に基づいて特定の画像を抽出するようにしたが、画像の色情報に基づいて特定の画像を抽出してもよい。
第1実施形態においては、図14に示したビデオカメラの撮像位置を特定するために、背景画像とマッチングを行ってカメラワークの分析を行うようにしたが、直接手作業でカメラワークの分析を行うようにしてもよい。
なお、上記第1実施形態および第2実施形態においては、画像処理のプログラムがあらかじめ記憶されているROM2を備えた画像処理装置の発明について説明したが、フレキシブルディスク(FD)、CD、DVDなどの外部の記憶媒体から読み出した画像処理のプログラムを、パソコン、ミニコン、オフィスコンピュータ、ワークステーションなどの汎用の情報処理装置におけるフレッシュROMやハードディスクなどの書込み可能な不揮発性メモリにインストールして実行する構成も可能である。又は、インターネットなどのネットワークを介してダウンロードした画像処理のプログラムを、このような不揮発性メモリにインストールして実行する構成も可能である。
すなわち、汎用の情報処理装置にプログラムをインストールして画像処理を実行することにより、いわゆる物の発明としての画像処理装置の発明だけでなく、画像処理のプログラムの発明を実現できる。また、このような画像処理のプログラムを記憶したフレキシブルディスク、CD、DVD自体も独立して販売できるので、記憶媒体の発明をも実現できることは言うまでもない。
画像処理のプログラムは、上記各実施形態におけるCPUのフローチャートに示される構成になっている。すなわち、
時系列に連続する動画の画面に対応する複数のフレーム画像の動きベクトルであるオプティカルフローを推定する第1のステップと、フレーム画像を所定数の部分画像に分割する第2のステップと、前記第2のステップによって分割された部分画像の各々に対して前記第1のステップによって推定されたオプティカルフローに基づくベクトル分布を算出する第3のステップと、所定の表示手段の表示画面上において前記第3のステップによって算出されたベクトル分布に応じて画像の表示位置を移動して表示する第4のステップと、を実行する。
前記第3のステップは、前記第2のステップによって算出されたベクトル分布に応じた移動量で画像を表示する。
前記第3のステップは、前記第2のステップによって算出されたベクトル分布に応じた振動数で画像を表示する。
時系列に連続する動画の画面に対応する各フレーム画像を所定数の部分画像に分割する第4のステップをさらに有し、前記第2のステップは、前記第4のステップによって分割された部分画像の各々に対して前記第1のステップによって推定されたオプティカルフローに基づくベクトル分布を算出する。
前記第1のステップによって推定されたオプティカルフローが所定の撮像手段によって撮像された動画の連続する撮像画面に対応する複数のフレーム画像のベクトル分布である場合に、前記撮像手段の移動に起因するベクトル分布を判定する第5のステップをさらに有し、前記第3のステップは、前記第5のステップによって判定された前記撮像手段の移動に起因するベクトル分布とフレーム画像内の画像のベクトル分布との関係に基づいて部分画像の表示位置を移動して表示する。
前記第3のステップは、前記撮像手段によって撮像されたフレーム画像のベクトル分布から前記第5のステップによって判定された前記撮像手段の移動に起因するベクトル分布が相殺されたベクトル分布に基づいて部分画像の表示位置を移動して表示する。
前記撮像手段の移動に起因するベクトル分布が相殺されたベクトル分布に対応する特定の画像を前記画像分割手段によって分割された部分画像に基づいて抽出する第6のステップをさらに有し、前記第3のステップは、前記相殺されたベクトル分布に基づいて前記特定の画像の表示位置を移動して表示する。
前記第3のステップは、前記第5のステップによって判定された前記撮像手段の移動に起因するベクトル分布に基づいて前記撮像手段によって撮像された動きのない背景画像の表示位置を移動して表示する。
前記第5のステップは、撮像画像における所定の画素数からなる複数の単位領域におけるオプティカルフローのベクトル分布の分散が所定の閾値内である場合には、前記撮像手段の移動に起因するベクトル分布を平行移動又は静止状態と判定し、前記複数の単位領域におけるオプティカルフローのベクトル分布の分散が所定の閾値を超える場合には、最小のベクトル量を有する単位領域を検出して、当該最小のベクトル量の単位領域と他の任意の単位領域との間の方向に対して、当該任意の単位領域のベクトル方向が略同一方向又は略逆方向である場合には前記撮像手段の移動に起因するベクトル分布を拡大又は縮小と判定し、当該任意の単位領域のベクトル方向が略直角方向である場合には前記撮像手段の移動に起因するベクトル分布を回転と判定する。
前記第3のステップは、前記第5のステップによって前記撮像手段の移動に起因するベクトル分布が平行移動と判定された場合の撮像画面のみを表示する。
前記第3のステップは、前記第1のステップによるオプティカルフローの推定の対象であるフレーム画像の任意の位置における速度パラメータを算出し、当該算出した速度パラメータに従った速度で部分画像の表示位置を移動する。
前記第3のステップは、一連の動画を前記第2のステップによって算出されたベクトル分布の分類に応じた区間に分割し、各分割区間ごとに一枚の画像をその区間のベクトル分布に応じて移動する。
1 CPU
2 ROM
3 RAM
4 画像入力インターフェース
5 スイッチ部
6 演算部
7 フレームメモリ
8 画像出力インターフェース
9 ディスプレイ

Claims (2)

  1. 時系列に連続する動画の画面に対応する複数のフレーム画像の動きベクトルであるオプティカルフローを推定する動き推定手段と、
    前記動き推定手段によって推定されたオプティカルフローに基づくベクトル分布を算出するベクトル演算手段と、
    一連の動画を前記ベクトル演算手段によって算出されたベクトル分布の分類に応じた区間に分割する分割手段と、
    前記分割手段によって分割された区間ごとに一枚の代表画像を各分割区間の画像の間を空けて一覧表示する表示手段と、
    一覧表示された前記代表画像をその区間のベクトル分布に応じて、縦軸又は横軸を中心とする画像の回転、画面の拡大又は縮小であるズーム、画像を横又は斜めに移動するパン、画像を上又は下に移動する縦揺れ、カメラの光軸を中心とする回転のいずれかの表示をさせる表示制御手段と、
    を備えた画像処理装置。
  2. 時系列に連続する動画の画面に対応する複数のフレーム画像の動きベクトルであるオプティカルフローを推定する第1のステップと、
    前記第1のステップによって推定されたオプティカルフローに基づくベクトル分布を算出する第2のステップと、
    一連の動画を前記第2のステップによって算出されたベクトル分布の分類に応じた区間に分割する第3のステップと、
    前記第3のステップによって分割された区間ごとに一枚の代表画像を各分割区間の画像の間を空けて一覧表示する第4のステップと、
    前記第4のステップによって一覧表示された代表画像をその区間のベクトル分布に応じて、縦軸又は横軸を中心とする画像の回転、画面の拡大又は縮小であるズーム、画像を横又は斜めに移動するパン、画像を上又は下に移動する縦揺れ、カメラの光軸を中心とする回転のいずれかの表示をさせる第5のステップと、
    を実行する画像処理のプログラム。
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