JP4984237B2 - キャビテーションを利用した淡水化装置 - Google Patents

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本発明は、海水もしくは汚濁水との接触面を有する回転体を高速回転させることによりこの回転体と海水もしくは汚濁水との接触面にキャビテーションを発生させ、キャビティ(水蒸気泡)として発生した水蒸気を回収し凝結させて液化することにより淡水もしくは浄水を得る「キャビテーション現象を利用した海水の淡水化装置もしくは汚濁水の浄水化装置」である。
「海水もしくは汚濁水との接触面を有する回転体を高速回転させることによりこの回転体と海水もしくは汚濁水との接触面にキャビテーションを発生させ、キャビティ(水蒸気泡)として発生した水蒸気を回収し凝結させて液化することにより淡水もしくは浄水を得る」という考案はいずれの工学界や産業界においても今までまったく考慮されたことがない原理的考案と思われるので、関連する文献等は存在しないものと思われる。
従来から海水を淡水化する方法としては「冷凍方式・電気透析方式・多段蒸発方式・逆浸透方式」等の方式が存在し、実用的には多段蒸発方式・逆浸透方式の二方式が主流的に実施されていたが、これらの方法においては、
イ、多段蒸発方式においては熱源や減圧装置を必要としエネルギー効率が悪い。
ロ、逆浸透方式においては海水の前処理が必要であり装置が複雑となり目詰まりした透過膜の定期的交換等の保守点検に費用が掛かる。
等の欠点があった。
本発明は、「原理的に熱源を必要とせず常温常圧で稼動することができ機構構成が簡便でその製造に高度な工業技術も不要でありかつ需要に応じての小型化も大型化も自在に可能な利便的特徴を有する淡水化装置」として海岸近辺に存在する都市や砂漠地方・離島等および船舶等に対して「飲用水・工業用水・農業用水およびその他の用水となるべき淡水」を安価にかつ豊富に提供することを課題とする。
『回転体』としては、「回転体の直径に比して回転軸長が比較的に短小である円盤型回転体」および「回転体の直径に比して回転軸長が比較的に長大である円筒型回転体」が存在する。
したがって、本発明においても、
イ、円盤型淡水化装置。
ロ、円筒型淡水化装置。
の二種の淡水化装置が考えられる。
なお、円盤型回転体および円筒型回転体のいずれの回転体においても、その変形型回転体として「回転軸上の位置において回転直径が相違する円錐型回転体や樽型回転体およびその他の異形型回転体」が存在するが、本発明における回転体としての原理的作用要件はどのような形状の円錐型回転体や樽型回転体およびその他の異形型回転体であってもすべて円盤型回転体もしくは円筒型回転体のいずれかと同様であるので、本明細書においては円錐型回転体や樽型回転体およびその他の異形型回転体に関する考察は省略するものとする。
「円盤型淡水化装置」の構造に関しては、「図1」「図2」に示すように、以下の1〜6のとおりである。
1、「原動機2によって高速回転させられその回転軸方向をおおむね鉛直方向とする円盤型回転体1」を中心構造物とする。
2、円盤型回転体1の下方に「円盤型回転体1の外周面15との間に全周にわたって均一で微細な隙間17を保持する内周面16を保有する円筒型海水容器3」をその内周面16が円盤型回転体1の外周面15との間に全周にわたって均一で微細な隙間17を保持するように設置する。
ただし、この「微細な隙間17」とは、おおむねキャビティ(水蒸気泡)として発生した水蒸気9が容易に通過しうる最小限の隙間程度の狭隘な隙間とする。
3、「円盤型回転体1の上方部分および円筒型海水容器3の円筒周辺部分に空洞部分18を保有する収納容器4」に装置の全体すなわち円盤型回転体1および円筒型海水容器3を収納する。
ただし、この収納容器4は「2の微細な隙間17を通過したのちに空洞部分18に噴出して凝結した水蒸気9が液化して生成した水滴11を淡水12として回収することを目的とする容器」であるからこの目的を達成することができさえすればその外形と内形および空洞部分の形状はどのようなものであってもよい。
また、原動機2はこの収納容器4内に収納してもしなくてもよい。
4、円筒型海水容器3には「装置の外部から円筒型海水容器3内に海水8を注水する海水注水パイプ5」および「円筒型海水容器3内においてその塩分を濃縮された濃縮海水13を装置の外部に適宜に排出するための海水排水パイプ6」を接続する。
5、収納容器4には「収納容器4内に溜まった淡水12を装置の外部から取水する淡水取水パイプ7」を接続する。
6、「海水8と接触する円盤型回転体1の底面すなわち海水接触面14の面形状」は「キャビテーションの発生を誘発するために最適である面形状およびまた発生したキャビティ(水蒸気泡)の存続を維持するために最適である面形状としての平滑な面形状もしくは円盤中心から外周部分に向かっての放射状溝形状や螺旋状溝形状その他の適宜の形状に整形された凹凸からなる面形状」のいずれであってもよい。
「円盤型淡水化装置における作用および使用方法」を「図1」「図2」に基づいて述べると、以下の1〜10のとおりである。
1、円筒型海水容器3内に海水注水パイプ5を通して海水8を注水する。
2、海水8が円盤型回転体1の底面(海水接触面14)全体に接するまで注水したのちに円盤型回転体1を高速回転させると、この底面(海水接触面14)においてはまずその周速度が最大である外周部分においてキャビテーションが発生したのちこのキャビテーションの発生現象は円盤の中心方向に向かって「その海水接触面の水圧が飽和蒸気圧に等しい部分」にまで進行する。
3、「円盤型回転体1の底面部分(海水接触面14)の空間位置および形状」としてはその中心部分が低く外周部分が高い円錐形状であるために、発生したキャビティ(水蒸気泡)としての水蒸気9は円盤型回転体1の底面(海水接触面14)に沿ってその外周部分付近に浮上しかつ集合して水蒸気泡集合空間10を形成することとなり、
この水蒸気泡集合空間10の上部の水蒸気9は「海水8における水から水蒸気への相転移に伴う体積の膨張」を原因として「円盤型回転体1の外周面15と円筒型海水容器3の内周面16との間の微細な隙間17」を通過して収納容器4内の空洞部分18に噴出したのちただちに凝結して水滴11となり、この水滴11は自然落下して収納容器4内に溜まって淡水12となる。
4、なお、水蒸気泡集合空間10を安定的に形成し確保するために「その円輪の外周部分が円筒型海水容器3の内側に固着されて水蒸気泡集合空間10と海水8部分を分かつ円輪状の仕切り板」を水蒸気泡集合空間10と海水8部分の境界面と想定しうる位置に設置してもよい。
5、1〜3における現象および状況の発生と進行を前提として考察を進めると、
6、模式的には、「円盤型回転体1が連続的にキャビテーションを発生させうる程度に十分に高速回転しているこの装置」において、
7、円筒型海水容器3内に海水注水パイプ5を通して海水8を適宜の注水速度で「1リットル」注水したとすると、円筒型海水容器3は微細な隙間17以外には外部への開口部分を有さない密閉性のある容器であることから、装置としては注水された「1リットル分の水量」を円筒型海水容器3内から減少させるために「1リットル分の水量に相当するキャビティ(水蒸気泡)としての水蒸気9」を微細な隙間17を通して収納容器4内の空洞部分18に連続的に噴出させることとなり、
噴出したこの水蒸気9は空洞部分18においてただちに連続的に凝結して「1リットル分の水滴11」すなわち「1リットル分の淡水12」となる。
8、したがって、装置としては、「1リットルの海水」を注水することにより「1リットルの淡水」が得られることとなる。
9、以上の結果から、「円筒型海水容器3内に海水注水パイプ5によって海水8を連続的に注水し続け円筒型海水容器3内から海水排水パイプ6によって濃縮海水13を連続的に排水し続け、かつ、排水される濃縮海水13の単位時間当たりの水量が注水される海水8の単位時間当たりの水量よりも少ない量である」ならば、
この装置は「海水注水パイプ5によって注水される海水8の水量と海水排水パイプ6によって排水される濃縮海水13の水量の差に等しい水量の淡水12」を連続的に生成し続けることとなり、『海水の淡水化装置』として十分に機能することとなる。
10、ただし、「生成される淡水12の単位時間当たりの水量」は、もとより「円盤型回転体1の直径と回転速度および海水温度と収納容器4内の気圧によって決定されるキャビティ(水蒸気泡)としての水蒸気9の単位時間当たりの最大生成量より少ない水量」であり、
したがって、装置の運転中においては、「海水注水パイプ5によって注水される海水8の単位時間当たりの水量」と「海水排水パイプ6によって排水される濃縮海水13の単位時間当たりの水量」はこの条件を満たす水量としてそれぞれに調節されねばならない。
なお、「円筒型海水容器3内に発生したキャビティ(水蒸気泡)としての水蒸気9を収納容器4内に回収する方法」としては、
1、上記したように、「円盤型回転体1の外周面15と円筒型海水容器3の内周面16との間の微細な隙間17」を通じて収納容器4内に回収する方法。
2、「円盤型回転体1の外周部分付近において上下方向に貫通させた細い穴」を通じて収納容器4内に回収する方法。
3、「円筒型海水容器3の内周面16部分の直下部分においてあけられた細い穴」を通じて収納容器4内に回収する方法。
4、「円筒型海水容器3の外部から円筒型海水容器3の内周面16部分の直下部分に差し込まれ水蒸気泡集合空間10に達する細いパイプを通じて収納容器4内もしくは装置外部に回収する方法。
等の方法がある。
1、キャビテーションが発生する円盤型回転体1の底面部分(海水接触面14)においては、キャビティ(水蒸気泡)としての水蒸気9の発生によってその発生点周辺部分としての底面部分(海水接触面14)および海水8部分から気化熱が奪われることにより円盤型回転体1の底面部分(海水接触面14)および海水8は冷却されることとなる。
2、一方、収納容器4内の空洞部分18においては、水蒸気9の凝結による水滴11の生成とともに凝結熱が放出され収納容器4内の空洞部分18および収納容器4と円盤型回転体1の上面部分およびまた淡水12は加温されることとなる。
3、また、円盤型回転体1の底面部分(海水接触面14)および海水8が冷却されその温度が低下するとキャビテーションの発生が困難となり装置における淡水化の効率が低下することとなるので「2において発生した凝結熱」を利用してもしくは装置外部から熱を加えることにより円盤型回転体1の底面部分(海水接触面14)および海水8を加温しこの効率の低下を防止してもよい。
本装置は常温常圧の条件下においても十分に効率的に稼動するものであるが、収納容器4内全体および海水8を常温より加温することによって、また、収納容器4内の空洞部分18の気圧を常圧より減圧することによってキャビテーションの発生を容易とし、もって淡水の生成効率を向上させてもよい。
1、「円筒型海水容器3内において生成した濃縮海水13」を海水排水パイプ6を通じて回収し製塩用その他の用途に活用してもよい。
2、「冷却された海水8」を海水排水パイプ6を通じて冷却水として取り出し、装置を冷却装置として活用してもよい。
「円筒型淡水化装置」の構造に関しては、「図3」「図4」に示すように、以下の1〜6のとおりである。
1、「原動機22によって高速回転させられその回転軸方向をおおむね水平方向とする円筒型回転体21」を中心構造物とする。
2、円筒型回転体21の下方に「円筒型回転体21の円筒外周面35との間に均一で微細な隙間37を保持する非接触面36を保有する箱型海水容器23」をその非接触面36が円筒型回転体21の円筒外周面35との間に均一で微細な隙間37を保持するように設置する。
ただし、この「微細な隙間37」とは、おおむねキャビティ(水蒸気泡)として発生した水蒸気29が容易に通過しうる最小限の隙間程度の狭隘な隙間とする。
3、「円筒型回転体21の上方部分および箱型海水容器23の外側周辺部分に空洞部分38を保有する収納容器24」に装置の全体すなわち円筒型回転体21および箱型海水容器23を収納する。
ただし、この収納容器24は「2の微細な隙間37を通過したのちに空洞部分38に噴出して凝結した水蒸気29が液化して生成した水滴31を淡水32として回収することを目的とする容器」であるからこの目的を達成することができさえすればその外形と内形および空洞部分の形状はどのようなものであってもよい。
また、原動機22はこの収納容器24内に収納してもしなくてもよい。
4、箱型海水容器23には「装置の外部から箱型海水容器23内に海水28を注水する海水注水パイプ25」および「箱型海水容器23内においてその塩分を濃縮された濃縮海水33を適宜に排出するための海水排水パイプ26」を接続する。
5、収納容器24には「収納容器24内に溜まった淡水32を装置の外部から取水する淡水取水パイプ27」を接続する。
6、「海水28と接触する円筒型回転体21の円筒外周面すなわち海水接触面34の面形状」は「キャビテーションの発生を誘発するために最適である面形状としての平滑な面形状もしくは適宜の形状に整形された凹凸からなる面形状」のいずれであってもよい。
「円筒型淡水化装置における作用および使用方法」を「図3」「図4」に基づいて述べると、以下の1〜10のとおりである。
1、箱型海水容器23内に海水注水パイプ25を通して海水28を注水する。
2、海水28が「円筒型回転体21の円筒外周面35と箱型海水容器23の非接触面36との間の微細な隙間37」に達するまで注水したのちに円筒型回転体21を高速回転させると、この円筒外周面(海水接触面34)においてキャビテーションが発生する。
3、「円筒型回転体21の円筒外周面(海水接触面34)の空間位置および形状」としてはその回転軸心の直下部分が最も低くこの直下部分から離れるほどに高い半円形状であるために、発生したキャビティ(水蒸気泡)としての水蒸気29は円筒型回転体21の円筒外周面(海水接触面34)に沿ってその上方部分付近に浮上しかつ集合して水蒸気泡集合空間30を形成することとなり、
この水蒸気泡集合空間30の上部の水蒸気29は「海水28における水から水蒸気への相転移に伴う体積の膨張」を原因として「円筒型回転体21の円筒外周面35と箱型海水容器23の非接触面36との間の微細な隙間37」を通過して収納容器24内の空洞部分38に噴出したのちただちに凝結して水滴31となり、この水滴31は自然落下して収納容器24内に溜まって淡水32となる。
4、なお、水蒸気泡集合空間30を安定的に形成し確保するために「その一端が箱型海水容器23の内側に固着されて水蒸気泡集合空間30と海水28部分を分かつ仕切り板」を水蒸気泡集合空間30と海水28部分の境界面と想定しうる位置に設置してもよい。
5、1〜3における現象および状況の発生と進行を前提として考察を進めると、
6、模式的には、「円筒型回転体21が連続的にキャビテーションを発生させうる程度に十分に高速回転しているこの装置」において、
7、箱型海水容器23内に海水注水パイプ25を通して海水28を適宜の注水速度で「1リットル」注水したとすると、箱型海水容器23は微細な隙間37以外には外部への開口部分を有さない密閉性のある容器であることから、装置としては注水された「1リットル分の水量」を箱型海水容器23内から減少させるために「1リットル分の水量に相当するキャビティ(水蒸気泡)としての水蒸気29」を微細な隙間37を通して収納容器24内の空洞部分38に連続的に噴出させることとなり、
噴出したこの水蒸気29は空洞部分38においてただちに連続的に凝結して「1リットル分の水滴31」すなわち「1リットル分の淡水32」となる。
8、したがって、装置としては、「1リットルの海水」を注水することにより「1リットルの淡水」が得られることとなる。
9、以上の結果から、「箱型海水容器23内に海水注水パイプ25によって海水28を連続的に注水し続け箱型海水容器23内から海水排水パイプ26によって濃縮海水33を連続的に排水し続け、かつ、排水される濃縮海水33の単位時間当たりの水量が注水される海水28の単位時間当たりの水量よりも少ない量である」ならば、
この装置は「海水注水パイプ25によって注水される海水28の水量と海水排水パイプ26によって排水される濃縮海水33の水量の差に等しい水量の淡水32」を連続的に生成し続けることとなり、『海水の淡水化装置』として十分に機能することとなる。
10、ただし、「生成される淡水32の単位時間当たりの水量」は、もとより「円筒型回転体21の直径と回転速度および海水温度と収納容器24内の気圧によって決定されるキャビティ(水蒸気泡)としての水蒸気29の単位時間当たりの最大生成量より少ない水量」であり、
したがって、装置の運転中においては、「海水注水パイプ25によって注水される海水28の単位時間当たりの水量」と「海水排水パイプ26によって排水される濃縮海水33の単位時間当たりの水量」はこの条件を満たす水量としてそれぞれに調節されねばならない。
なお、「箱型海水容器23内に発生したキャビティ(水蒸気泡)としての水蒸気29を収納容器24内に回収する方法」としては、
1、上記したように、「円筒型回転体21の円筒外周面35と箱型海水容器23の非接触面36との間の微細な隙間37」を通じて収納容器24内に回収する方法。
2、「箱型海水容器23の非接触面36部分の直下部分においてあけられた細い穴」を通じて収納容器24内に回収する方法。
3、「箱型海水容器23の外部から箱型海水容器23の非接触面36部分の直下部分に差し込まれ水蒸気泡集合空間30に達する細いパイプを通じて収納容器24内もしくは装置外部に回収する方法。
等の方法がある。
1、キャビテーションが発生する円筒型回転体21の円筒外周面部分(海水接触面34)においては、キャビティ(水蒸気泡)としての水蒸気29の発生によってその発生点周辺部分としての円筒外周面部分(海水接触面34)および海水28部分から気化熱が奪われることにより円筒型回転体21の円筒外周面部分(海水接触面34)および海水28は冷却されることとなる。
2、一方、収納容器24内の空洞部分38においては、水蒸気29の凝結による水滴31の生成とともに凝結熱が放出され収納容器24内の空洞部分38および収納容器24と円筒型回転体21の上方部分およびまた淡水32は加温されることとなる。
3、また、円筒型回転体21の円筒外周面部分(海水接触面34)および海水28が冷却されその温度が低下するとキャビテーションの発生が困難となり装置における淡水化の効率が低下することとなるので「2において発生した凝結熱」を利用してもしくは装置外部から熱を加えることにより円筒型回転体21の円筒外周面部分(海水接触面34)および海水28を加温しこの効率の低下を防止してもよい。
本装置は常温常圧の条件下においても十分に効率的に稼動するものであるが、収納容器24内全体および海水28を常温より加温することによって、また、収納容器24内の空洞部分38の気圧を常圧より減圧することによってキャビテーションの発生を容易とし、もって淡水の生成効率を向上させてもよい。
本発明の効果については、以下の1〜6のとおりである。
1、本発明は、原理的に熱源を必要とせず常温常圧で稼動することができるが、もとよりその淡水化効率すなわちキャビテーション発生効率を向上させるために装置内部や注水される海水を加温したり収納容器内部を常圧より減圧してもよい。
2、本発明は、機構構成が簡便であり、かつ、主要構成部品としての回転体・海水容器・収納容器のいずれにおいてもその製造や組み立てに高度な工業技術は不要であり、開発途上国等の工業技術水準の高くない国家や地域においても容易に製造設置しかつ運用することができる。
3、本発明は、小型化も大型化も自在に可能な装置でありかつ海水が得られる場所でありさえすればその設置場所・設置条件に格別の制限を有さないために、海岸近辺に存在する都市や砂漠地方・離島等および船舶等においてそれぞれに生じる多様な淡水の需要や用途に適宜的確に応じることができる。
4、本発明は、逆浸透方式における沈殿や濾過のような海水の前処理を必要とせずかつ軸受け部分を除き各主要構成部品が接触しながら作動することがないために磨耗箇所や故障箇所が少なく、また、定期的交換部品も存在せず、したがって保守点検が容易であり低コストで運用することができる。
5、本発明は、「以上の1〜4のような利便的特徴を有する海水の淡水化装置」であるがゆえに、海岸近辺に存在する都市や砂漠地方・離島等および船舶等に対して「飲用水・工業用水・農業用水およびその他の用水となるべき淡水」を安価にかつ豊富に提供することができる。
6、本装置においては、海水の代わりに「汚泥や化学物質等の混濁物・不純物の混入した汚濁水」を注水した場合でもキャビテーション現象の発生を理由とする同様の淡水化原理に基づき蒸留水を得ることができるので汚濁水の浄水化装置として活用することができる。
1、「原動機2によって高速回転させられその回転軸方向をおおむね鉛直方向とする円盤型回転体1」を中心構造物とする。
2、円盤型回転体1の下方に「円盤型回転体1の外周面15との間に全周にわたって均一で微細な隙間17を保持する内周面16を保有する円筒型海水容器3」をその内周面16が円盤型回転体1の外周面15との間に全周にわたって均一で微細な隙間17を保持するように設置する。
ただし、この「微細な隙間17」とは、おおむねキャビティ(水蒸気泡)として発生した水蒸気9が容易に通過しうる最小限の隙間程度の狭隘な隙間とする。
3、「円盤型回転体1の上方部分および円筒型海水容器3の円筒周辺部分に空洞部分18を保有する収納容器4」に装置の全体すなわち円盤型回転体1および円筒型海水容器3を収納する。
ただし、この収納容器4は「2の微細な隙間17を通過したのちに空洞部分18に噴出して凝結した水蒸気9が液化して生成した水滴11を淡水12として回収することを目的とする容器」であるからこの目的を達成することができさえすればその外形と内形および空洞部分の形状はどのようなものであってもよい。
また、原動機2はこの収納容器4内に収納してもしなくてもよい。
4、円筒型海水容器3には「装置の外部から円筒型海水容器3内に海水8を注水する海水注水パイプ5」および「円筒型海水容器3内においてその塩分を濃縮された濃縮海水13を装置の外部に適宜に排出するための海水排水パイプ6」を接続する。
5、収納容器4には「収納容器4内に溜まった淡水12を装置の外部から取水する淡水取水パイプ7」を接続する。
6、「海水8と接触する円盤型回転体1の底面すなわち海水接触面14の面形状」は「キャビテーションの発生を誘発するために最適である面形状およびまた発生したキャビティ(水蒸気泡)の存続を維持するために最適である面形状としての平滑な面形状もしくは円盤中心から外周部分に向かっての放射状溝形状や螺旋状溝形状その他の適宜の形状に整形された凹凸からなる面形状」のいずれであってもよい。
7、以上の1〜6の構造からなる装置を「課題を解決するための手段」において述べた方法で運用する。
本発明においては、海水から蒸留水すなわち真水を生成するのみならず、同様の作用原理に基づき汚濁水から蒸留水を生成することも可能である。
したがって、本発明は「海水の淡水化装置もしくは汚濁水の浄水化装置」として上記に示したような十分なる使用効果を有するので、産業上の利用可能性を有する。
は、「円盤型淡水化装置における全体図」で、1、「円盤型回転体1・原動機2」を回転軸に垂直な方向から見た図。2、円盤型回転体1における回転軸を通過する切断面で「円筒型海水容器3・収納容器4・海水注水パイプ5・海水排水パイプ6・淡水取水パイプ7」を切断した場合の各断面図。3、「海水8・キャビティ(水蒸気泡)として発生した水蒸気9・水蒸気泡集合空間10・水滴11・淡水12・濃縮海水13」の存在分布図。
は、「円盤型淡水化装置における全体図としての『図1』におけるキャビテーションの発生から淡水化に至るまでの水様変化の過程に係る部分」の拡大図。
は、「円筒型淡水化装置における全体図」で、1、「円筒型回転体21・原動機22」を回転軸の延長方向から見た図。2、円筒型回転体21における回転軸に垂直な切断面で「箱型海水容器23・収納容器24・海水注水パイプ25・海水排水パイプ26・淡水取水パイプ27」を切断した場合の各断面図。3、「海水28・キャビティ(水蒸気泡)として発生した水蒸気29・水蒸気泡集合空間30・水滴31・淡水32・濃縮海水33」の存在分布図。
は、「円筒型淡水化装置における全体図としての『図3』におけるキャビテーションの発生から淡水化に至るまでの水様変化の過程に係る部分」の拡大図。
符号の説明
1は円盤型回転体。2は原動機。3は円筒型海水容器。4は収納容器。5は海水注水パイプ。6は海水排水パイプ。7は淡水取水パイプ。
8は海水。9はキャビティ(水蒸気泡)として発生した水蒸気。10は水蒸気泡集合空間。11は水滴。12は淡水。13は濃縮海水。
14は円盤型回転体の底面(海水接触面)。15は円盤型回転体の外周面。16は円筒型海水容器の内周面。17は円盤型回転体の外周面と円筒型海水容器の内周面との間の微細な隙間。18は収納容器の空洞部分。
21は円筒型回転体。22は原動機。23は箱型海水容器。24は収納容器。25は海水注水パイプ。26は海水排水パイプ。27は淡水取水パイプ。
28は海水。29はキャビティ(水蒸気泡)として発生した水蒸気。30は水蒸気泡集合空間。31は水滴。32は淡水。33は濃縮海水。
34は円筒型回転体の円筒外周面(海水接触面)。35は円筒型回転体の円筒外周面。36は箱型海水容器の非接触面。37は円筒型回転体の円筒外周面と箱型海水容器の非接触面との間の微細な隙間。38は収納容器の空洞部分。

Claims (1)

  1. 収納容器内において「高速回転する回転体」と「この回転体の回転面との間に微細な隙間部分を保持して設置された海水もしくは汚濁水の容器」を収納し、この海水もしくは汚濁水の容器内に収納容器外部から海水もしくは汚濁水を注水し「高速回転する回転体の海水もしくは汚濁水との接触面と海水もしくは汚濁水との間」でキャビテーションを発生させ、「キャビティとして発生した水蒸気泡」を「回転体と海水もしくは汚濁水の容器との間の微細な隙間」もしくは「この水蒸気泡空間と収納容器内の空洞部分を連結する細管」を通じて収納容器内の空洞部分に噴出させかつ凝結させて蒸留水とし、「この蒸留水となった凝結水を収納容器外部に回収することにより淡水を得る」ことを特徴とする「キャビテーション現象を利用した海水の淡水化装置もしくは汚濁水の浄水化装置」。
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