JP4980001B2 - 鋸刃 - Google Patents
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Description
また被切断物に対する切り始めの歯の逃げ、即ち被切断物に対する切り始めの歯の位置がなかなか所定の位置に定まり難い問題があり、また所定の切り筋で上手く切断することができない問題や、歯のピッチの大小によって切断できる対象物の種類も限定されるという問題があった。
一方、特開2005−74667号公報には、3種の鋸歯を4対または8対を単位として規則的に配列して構成された鋸刃の配列が開示されている(特許文献1)。また特開2005−22380号公報には、複数個の並列する横引歯の途中に隣接1対の縦引歯が適宜間隔を置いて形成された鋸が、特開2002−321202号公報には、アサリ歯の配列中に刃付部を形成した切り歯を混在配置させた鋸刃が開示されている(特許文献2、3)。
また上記特許文献2の鋸は、複数個の鋸歯を並列形成し、該複数個の鋸歯は複数個の並列する横引歯から形成され、横引歯の途中に隣接1対の縦引歯が適宜間隔を置いて形成されている。また特許文献3の鋸刃は、アサリを形成したアサリ歯の配列中に、刃付部を形成した切り歯をアサリ歯よりもやや突出した状態に混在配置している。このように構成することによって、切断速度を速くすることができるが、切断時に切断抵抗が生じると共に、綺麗な切れ後にならない問題があった。
また本発明の鋸刃は、上記第1の特徴に加えて、引き鋸用であって、歯の大きさとピッチとが刃渡り部の基端側から先端側にかけて連続的に拡大する連続拡大歯列を形成するようにしてあることを第2の特徴としている。
請求項1の発明によれば、被切断物を切り始める際においては、歯が所定の切り込み位置から彼方此方へと外れて逃げることなく、所定の位置からスムーズに、正確に切断を始めることができる。そして歯のピッチを連続して増加させるように形成したことで、1ストローク中においても徐々に切断に対する抵抗を減少させることができ、また歯の切断力を増すことができ、労力の軽減と切断速度を増加させることが可能となった。従ってこれまでのように、切り始めから切り終わりまでの1ストローク中の全期間に渡って力を加えるようなことをしなくてすむようになった。
図1は本発明の第1の実施形態に係る鋸刃の正面図、図2は本発明の第1の実施形態に係る鋸刃の刃渡り部の正面拡大図、図3は本発明の第2の実施形態に係る鋸刃の正面図、図4は本発明の第2の実施形態に係る鋸刃の刃渡り部の正面拡大図、図5は本発明の第3の実施形態に係る鋸刃の正面図、図6は本発明の第3の実施形態に係る鋸刃の刃渡り部の正面拡大図である。
この鋸刃1の場合は、刃渡り部2に複数の歯3を有し、基端側の上端にフック係止溝4と下端にボルト挿通孔5を設けて形成されている。
本実施形態に示す手引き鋸等の引き鋸の場合は、刃渡り部2の基端側から先端側にかけて該歯3のピッチが徐々に増加する連続拡大歯列2aを形成させてある。
勿論、押し鋸の場合は、先端側から基端側にかけて歯3のピッチが徐々に増加するように連続拡大歯列2aが構成されることになる。
基端側が小さなピッチの歯3となることによって、被切断物に対して切り始めの切り込みがし易く、切り込み開始位置の所定の位置からのズレを無くすことができる。また切り込み開始位置付近に、不要な切り込み失敗傷を付けることも無くすことが可能となる。
また歯3が基端側から先端側へ向けて徐々に大きくなるように構成されているので、スムーズに切断作業が行える。
また従来の歯の形状やピッチが単一の鋸刀の場合には、切断に適した被切断物の対象が狭く限定されていたが、本実施例の鋸刃のように構成することによって、1つの鋸刃による被切断物の対象を薄物から丸太等の厚物まで、広い範囲に広げることが可能となった。
また前記ボルト挿通孔5は、鋸柄部に鋸刃1を取り付ける時に、該鋸刃1と鋸柄部とをボルトを挿通して螺着させるための孔である。
ピッチが徐々に増加する連続拡大歯列2aの形成によって、被切断物に対して小さなピッチの歯3と大きなピッチの歯3のピッチの境界を無くしたので、歯先3aにかかる切断抵抗を分散させることができる。また歯3が徐々に大きくなるに比例して歯深3bを変化させるようにしたことで、切り始めの抵抗が少なく、連続して徐々に大きな歯が深く切るようになり、従来の切断のように終始同じ人力を必要とせず、労力を軽減して切断作業を行うことができる。この結果、薄物から大きい丸太まで被切断物の対象の範囲を広げることができると共に、真っ直ぐで綺麗な切断を行うことができる。
この鋸刃10の場合、刃渡り部20にピッチの異なる2種類の歯30a、30bを複数枚毎に交互に形成している。勿論、ピッチの異なる2種類の歯30a、30bを1枚毎に交互に形成することも可能である。
また基端側の上端にフック係止溝40と下端にボルト挿通孔50を設けている。この鋸刃10も手引き鋸用である。
なお前記ピッチの異なる2種類の歯列20aは、小さなピッチの歯30aと大きなピッチの歯30bを1枚毎に交互に形成することも可能である。
なお小さなピッチの歯30aの連続配置枚数と大きなピッチの歯30bの連続配置枚数は特に限定されるものではないが、小さなピッチの歯30aの連続配置枚数を大きなピッチの歯30bより多くし、配置領域としては同程度の寸法の領域が交互に生じるようにするのが好ましい。
また前記ボルト挿通孔50は、鋸柄部に鋸刃10を取り付ける際に、該鋸刃10と鋸柄部とをボルトを挿通して螺着できる孔である。
ピッチの異なる2種類の歯列20aを構成することによって、被切断物に対して切断力が増し、小さなピッチの歯30aと大きなピッチの歯30bとで交互に切断することで、切断スピードが速く、正確に切断することが可能となった。
この鋸刃60の場合、刃渡り部70に歯80のピッチを一定の範囲で1枚毎に徐々に増加と減少を繰り返すように形成している。
また基端側の上端にフック係止溝90と下端にボルト挿通孔100を設けて構成されている。この鋸刃60も手引き鋸用である。
勿論、押し鋸の場合は、先端側から基端側にかけて歯80のピッチを一定の範囲で1枚毎に徐々に増加と減少を繰り返す山形80cに形成されることになる。
前記刃渡り部70には、該刃渡り部70の基端側から先端側にかけて連続する複数の歯の山形80cよって山並み形状となる増減反復歯形列70aが構成されている。
前記増減反復歯形列70aは、鋸刃60の大きさ(長さ)に応じて一定の範囲でピッチを増加と減少とを繰り返す山形80cを増加するよう構成することも可能である。
なお連続する配置枚数は、特に限定されるものではない。
また前記ボルト挿通孔100は、鋸柄部に鋸刃60を取り付ける際に、該鋸刃60と鋸柄部とをボルトを挿通して螺着できる孔である。
ピッチの境界を無くし、切断抵抗が少ない小さな歯80から徐々に大きくなり、そして徐々に小さくなるように、一定の範囲で歯の山形80cが形成され、その山形80cが連続することによって山並み形状となる増減反復歯形列70aを構成したことで、切り始めの抵抗が少なく、連続して徐々に大きな歯が深く切るようになり、従来の切断のように終始同じ人力を必要とせず、労力を軽減して切断作業を行うことができる。歯80のピッチの増減を交互に形成することによって、被切断物に対する切断力が増し、切断スピードが速く、正確に切断することが可能となった。
2 刃渡り部
2a 連続拡大歯列
3 歯
3a 歯先
3b 歯深
4 フック係止溝
5 ボルト挿通孔
10 鋸刃
20 刃渡り部
20a ピッチの異なる2種類の歯列
30 歯
30a 小さなピッチの歯
30b 大きなピッチの歯
30c 歯先
30d 歯深
40 フック係止溝
50 ボルト挿通孔
60 鋸刃
70 刃渡り部
70a 増減反復歯形列
80 歯
80a 歯先
80b 歯深
80c 歯の山形
90 フック係止溝
100 ボルト挿通孔
Claims (2)
- 刃渡り部に複数の歯を有する鋸刃であって、前記刃渡り部の全ての歯は、その歯先を同一高さに形成すると共に歯先の角度を同一角度に形成し、且つ前記刃渡り部の全ての歯は、その歯深を前記刃渡り部の全領域にわたって一端側から他端側へ徐々に連続して増加するように形成し、これによって歯の大きさとピッチとが刃渡り部の全領域にわたって一端側から他端側にかけて連続的に拡大する連続拡大歯列を形成するようにしてあることを特徴とする鋸刃。
- 引き鋸用であって、歯の大きさとピッチとが刃渡り部の基端側から先端側にかけて連続的に拡大する連続拡大歯列を形成するようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の鋸刃。
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