次に、本発明の第1実施形態に係る遊技機及びそのパネル部材排出方法について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、本発明を遊技機の一例であるスロットマシンに適用した構成を説明する。
図1及び図2に示すように、スロットマシン10は、箱状に形成された箱体12と、箱体12の前面側に形成された開口部Mを閉鎖可能に設けられた前面扉(扉体)14と、遊技メダルを貸し出すためのメダル貸出装置16と、を備えている。なお、箱体12と前面扉14とで、スロットマシン10の筐体が構成されている。
前面扉14は、遊技の進行に応じた演出が行われる上段の領域14Aと、遊技メダルが払い出される下段の領域14Bと、遊技が行われる中段の領域14Cの大きく3つの領域から構成されており、更に中段の領域14Cは、遊技の状態を表示するための遊技状態表示部18と、遊技を行うための操作部20と、から構成されている。
上段の領域14Aには、中央に演出表示装置22が設けられている。また、この演出表示装置22の左右には、スピーカ24がそれぞれ設けられている。また、演出表示装置22及びスピーカ24の上方には、各種のランプ類26が設けられている。演出表示装置22は、いわゆる液晶表示装置によって構成されており、遊技の進行状況に合わせて種々の図柄を表示して演出を行うことが可能となっている。
また、前面扉14の中段に設けられた遊技状態表示部18の中央には、大きな表示窓28が設けられており、内部に設けられた3つの回胴30A、30B、30Cが回転する様子を外部から視認することができるようになっている。また、表示窓28の左右及び下方には、遊技の状態を表示する各種の表示パネル類32がそれぞれ設けられている。
また、前面扉14の中段下方に設けられた操作部20は手前に向かって突出した形状に形成されており、その上面には遊技メダルを投入するための遊技メダル投入口34と、クレジットとして貯留されている遊技メダルを1枚だけ投入するための一枚投入ボタン36と、貯留されている遊技メダルを3枚投入するための三枚投入ボタン37などが設けられている。なお、遊技メダルの貯留とは、遊技メダルを実際に払い出す代わりにメダルの枚数を記憶しておくことをいう。また、操作部20の前面には、遊技メダルの投入後に回胴30A、30B、30Cの回転を開始するためのスタートレバー38と、3つの回胴30A、30B、30Cの回転をそれぞれ停止させるための回胴停止ボタン40A、40B、40Cなどが設けられている。また、操作部20の上面には精算ボタン42が設けられ、前面には返却ボタン44が設けられている。ここで、精算ボタン42とは、遊技機10の内部に貯留されている遊技メダルを外部に排出する際に操作するボタンである。また、返却ボタン44とは、投入した遊技メダルが遊技機10の内部で詰まった場合に、メダルの詰まりを解消するために操作されるボタンである。
また、前面扉14の下段の領域14Bには、パネル部材Pを収容するパネル収容部材110と、遊技メダルが排出される遊技メダル排出口46と、排出された遊技メダルを受け止めるメダル受け皿48などが設けられている。
ここで、パネル収容部材110の構成について詳細に説明する。
図2乃至図6に示すように、パネル収容部材110は、パネル部材Pを収容しかつ保持するためのものである。パネル部材Pは、厚さ0.5mmのフイルムで構成されている。このパネル部材Pの表面には、スロットマシン10に関するキャラクタなどの写真や絵が付されており、スロットマシン10の宣伝(タイトル等)や遊技内容などを示唆する装飾物として機能している。
パネル収容部材110は、主として、内部にパネル部材Pを収容可能な収容空間部(後述する第1収容空間部120と第2収容空間部122)を有して構成されたパネル収容部材本体112と、パネル収容部材本体112内の収容空間部の上側端部に接続する上側開口部(第1挿通部)114A、114Bと、パネル収容部材本体112内の収容空間部の下側端部に接続する下側開口部(第2挿通部)116A、116Bと、で構成されている。また、パネル収容部材本体112には、前面側に無色透明の樹脂で構成された透明板113が形成されている。
図5に示すように、パネル収容部材本体112は、内部にパネル部材Pを収容可能な第1収容空間部120と、第1収容空間部120の前方に形成され第1収容空間部120と同様にパネル部材Pを収容可能な第2収容空間部122と、を備えている。第1収容空間部120と第2収容空間部122の間には、透過性を有する仕切板115が設けられており、上側開口部114Aから挿入されたパネル部材Pは、第1収容空間部120に収容され、下側開口部116Aから排出可能になる。また、上側開口部114Bから挿入されたパネル部材Pは、第2収容空間部122に収容され、下側開口部116Bから排出可能になる。また、第1収容空間部120と第2収容空間部122の容積は、パネル部材Pを収容可能となるような寸法に設定されている。
ここで、図7に示すように、第1収容空間部120及び第2収容空間部122の厚み寸法(スロットマシン10の前後方向にわたる寸法)T1は、パネル部材Pの厚み寸法T2と同じか、あるいは若干大きくなるように設定されている。このため、パネル部材Pが第1収容空間部120及び第2収容空間部122に収容されるときには、パネル部材Pの表面P1及び裏面P2が第1収容空間部120及び第2収容空間部122の内側面120A、120B、122A、122Bと接触し、パネル部材Pの表面P1及び裏面P2には所定の摩擦力が作用する。そして、パネル部材Pは、第1収容空間部120及び第2収容空間部122の内側面120A、120B、122A、122Bと接触し所定の摩擦力を受けた状態で、第1収容空間部120及び第2収容空間部122に収容された状態になる。この結果、第1収容空間部120及び第2収容空間部122においてパネル部材Pを支持するための支持部材などを設ける必要が無く、パネル部材Pを第1収容空間部120及び第2収容空間部122において位置決めすることができる。
図5及び図6に示すように、パネル収容部材本体112の上端部には、パネル収容部材本体112と上側開口部114A、114Bとを連通させる上側誘導部124A、124Bがそれぞれ形成されている。この上側誘導部124A、124Bは、パネル部材Pを円滑に挿入するために滑らかな湾曲を有した形状とされており、パネル収容部材本体112に一体形成されている。
パネル収容部材本体112の下端部には、パネル収容部材本体112と下側開口部116A、116Bとを連通させる下側誘導部126A、126Bがそれぞれ形成されている。この下側誘導部126A、126Bは、パネル部材Pを円滑に排出するために滑らかな湾曲を有した形状とされており、パネル収容部材本体112に一体形成されている。
上側開口部114A、114Bは、前面扉14の裏面側14Yに開口するように形成されている。上側開口部114A、114Bの各寸法は、パネル部材Pの寸法に対応して、パネル部材Pが円滑に挿入できる程度の寸法に設定されている。この上側開口部114A、114Bは、パネル収容部材本体112の重力作用方向上流側に形成されている。
下側開口部116A、116Bは、前面扉14の裏面側14Yであって上側開口部114A、114Bの下方の部位に開口するように形成されている。下側開口部116A、116Bの各寸法は、パネル部材Pの寸法に対応して、パネル部材Pが円滑に挿通できる程度の寸法に設定されている。この下側開口部116A、116Bは、パネル収容部材本体112の重力作用方向下流側に形成されている。このため、下側開口部116A、116Bの上方には、下側開口部116A、116Bと対応する上側開口部114A、114Bがそれぞれ形成されている構成になる。
なお、上側開口部114A、114B及び下側開口部116A、116Bは、前面扉14の裏面側14Yに形成されている構成に限られるものではなく、例えば、前面扉14の前面側14Xに形成されていてもよい。また、上側開口部114A、114B又は下側開口部116A、116Bの一方が前面扉14の前面側14X又は裏面側14Yの一方に形成され、上側開口部114A、114B又は下側開口部116A、116Bの他方が前面扉14の前面側14X又は裏面側14Yの他方に形成されている構成でもよい。
また、前面扉14の裏面側14Yであって下側開口部116A、116Bのさらに下側近傍の位置には、複数(例えば、2個)の受止部材134が取り付けられている。この受止部材134は、側面視にてL字型に形成されており、下側開口部116A、116Bを通過してきたパネル部材Pの下端部を支持しパネル部材Pを受け止める機能を有している。このため、パネル部材Pを取り出すときには、パネル部材Pが重力の作用を受けて自由落下した場合でも、パネル部材Pが地面又は床面に落下することを防止できる。
次に、前面扉14の裏面側14Y及び箱体12の内部構成について説明する。
図2に示すように、前面扉14の裏面側上部には、サブ制御基板ユニット50が設けられている。また、サブ制御基板ユニット50の左右にはスピーカ24がそれぞれ取り付けられている。サブ制御基板ユニット50は、内部に後述するサブ制御基板(制御手段)52が格納されており、図1に示した演出表示装置22や、各種ランプ類26、スピーカ24などを用いて行われる各種演出の制御を司っている。
また、前面扉14に設けられた表示窓28の裏面側下方には、後述する扉基板56が格納された扉基板ユニット54が設けられている。この扉基板ユニット54の下方には、上記した上側開口部114及び下側開口部116が形成されている。また、下側開口部116の下方には、上述した受止部材134が設けられている。
また、前面扉14の裏面側14Yには、中板部材15が取り付けられている。この中板部材15は、前面扉14の幅方向一方側(本実施形態では、前面扉14の軸部が設けられている側)を軸にして、前面扉14に対して独立して開閉可能となるように取り付けられており、前面扉14の裏面側14Yの一部を閉塞又は開放できるように構成されている。このため、中板部材15が前面扉14の裏面側14Yの一部を閉塞している状態では、上側開口部114A、114B及び下側開口部116A、116Bが中板部材15に覆われて、前面扉14の裏面側から視認不可能(アクセス不可能)になっている。具体的には、中板部材15は、図示しないフック部材により前面扉14に固定可能に設けられており、前面扉14に固定された状態(前面扉14の裏面側14Yの一部を閉塞している状態)では前面扉14の開閉動作に連動する。そして、フック部材によるロックを解除した状態の中板部材15は、前面扉14に対して独立して開閉可能となる。
また、中板部材15には、投入された遊技メダルの通路となるメダルセレクタ58や、遊技メダルを遊技メダル排出口46(図1参照)に導くためのコインシュータ60などが取り付けられている。メダルセレクタ58は、遊技メダル投入口34から投入された遊技メダルを主に寸法に基づいて選別し、規格寸法に適合した寸法の遊技メダルだけを受け入れる機能を有している。遊技者がスタートレバー38を操作する前に遊技メダルを投入すると、遊技メダルはメダルセレクタ58によって選別され、規格を満足しているものだけがホッパー62内に投入され、規格を満足していないメダルは、コインシュータ60を通って、遊技メダル排出口46に返却されるようになっている。これに対して、スタートレバー38が操作された後に遊技メダルが投入された場合は、メダルセレクタ58内の通路が切り換わり、投入された遊技メダルは、コインシュータ60を通って、遊技メダル排出口46に返却される。また、メダルセレクタ58の内部には、図示しないメダルセンサが設けられており、寸法規格を満たして受け入れられた遊技メダルはメダルセンサによって検出され、検出信号が後述の主制御基板(遊技制御手段)64に出力されるようになっている。なお、コインシュータ60、メダルセレクタ58は、中板部材15が前面扉14に固定されている場合に、前面扉14に設けられている遊技メダル投入口34や遊技メダル排出口46と連通する状態になり、上述した機能を有する。
また、箱体12の内部の略中央には、3つの回胴30A、30B、30Cがそれぞれ設けられている。各回胴30A、30B、30Cの上方には、遊技全体の制御を司る後述の主制御基板64が格納された主制御基板ユニット66と、各回胴30A、30B、30Cを駆動するための後述の回胴基板68が格納された回胴基板ユニット70と、が設けられている。また、3つの回胴30A、30B、30Cの下方にはリアスピーカ72が設けられており、さらにその下方には投入された遊技メダルが集められるホッパー62と、遊技メダルを払い出すメダル払出装置74と、遊技機10全体に電源を供給するための後述の電源基板76が格納された電源ユニット78などが設けられている。そして、電源ユニット78の前面には、遊技機10の電源を投入するための電源スイッチ80が設けられている。また、メダル払出装置74の払出口82からコインシュータ60の受入口85に向けて払い出された遊技メダルは、コインシュータ60を通って、遊技メダル排出口46から排出されるようになっている。
次に、遊技機10の電気的構成について説明する。
図8に示すように、遊技機10は、主制御基板64を中心として、サブ制御基板52、扉基板56、回胴基板68、電源基板76等がデータ通信可能となるように接続されて構成されている。
主制御基板64は、遊技機10で行われる遊技全体の進行や演出を司る基板である。この主制御基板64には、CPU、ROM、RAMなどがバスによって互いにデータ通信可能に接続されて搭載されている。主制御基板64は、前面扉14に搭載された扉基板56から、スタートレバー38が操作されたことを示す信号を受け取って、遊技制御処理を実行しながら、サブ制御基板52、扉基板56、回胴基板68などに向かって制御コマンド(あるいは制御信号)を出力することにより、各基板の動作を制御している。
主制御基板64には、CPU、ROM、RAMなどがバスによって互いにデータ通信可能に接続されて搭載されている。主制御基板64は、スロットマシン10で実行される遊技の進行を制御する。
また、サブ制御基板52には、主制御基板64と同様に、CPU、ROM、RAMなどがバスによって互いにデータ通信可能に接続されて搭載されている。また、サブ制御基板52には、各種ランプ類26、各種スピーカ24、72、演出表示装置22、回胴バックライト102、などが接続されている。ここで、回胴バックライト102とは、各回胴30A、30B、30Cの内部に設けられ、回胴30A、30B、30Cの表面に描かれた図柄を裏側から照らすライトである。サブ制御基板52は、主制御基板64から受け取った制御コマンドを解析して、各種ランプ類26、各種スピーカ24、72、演出表示装置22、回胴バックライト102、にそれぞれ駆動信号を出力することにより、これらを用いた各種演出を行っている。
また、扉基板56には、メダルセレクタ58、貯留されている遊技メダルを投入するための各種投入ボタン36、37、回胴30A、30B、30Cの回転を開始するためのスタートレバー38、回転している回胴30A、30B、30Cを停止するための回胴停止ボタン40A、40B、40C、貯留されている遊技メダルや投入された遊技メダルを払い出して遊技を終了するための精算ボタン42、遊技の状態を表示するため各種の表示パネル32などが接続されている。まて、扉基板56は、主制御基板64とデータ通信可能に接続されている。このため、前面扉14に設けられたスタートレバー38、回胴停止ボタン40A、40B、40C、各種の投入ボタン36、37、精算ボタン42などを操作すると、扉基板56を介して、その信号を主制御基板64に供給することが可能となっている。また、メダルセレクタ58に設けられたメダルセンサの出力も、扉基板56を介して主制御基板64に供給されている。
回胴基板68には、3つの回胴30A、30B、30Cをそれぞれ回転させるための回胴モータ104A、104B、104Cと、それぞれの回胴30A、30B、30Cの回転位置を検出するための回胴センサ106A、106B、106Cが設けられている。回胴基板68は、回胴センサ106A、106B、106Cによって、各回胴30A、30B、30Cの回転位置を検出しながら、回胴モータ104A、104B、104Cを駆動することにより、それぞれの回胴30A、30B、30Cを、所望の回転位置で停止させることが可能となっている。なお、本実施形態の遊技機10では、回胴モータ104A、104B、104Cには、いわゆるステッピングモータが使用されている。
また、メダル払出装置74は、中継基板75を介して、主制御基板64に接続されている。メダル払出装置74は、主制御基板64からの制御信号に基づいて、所定枚数の遊技メダルを払い出す動作を行う。メダル払出装置74には、遊技メダルが払い出されたことを検知するために、図示しない払出センサが設けられている。遊技メダルが払い出されると、払出センサで検知して、信号が主制御基板64に出力される。
また、これら各種制御基板及び基板で消費されたる電力は、電源基板76から供給されている。電源基板76には、100Vの交流電圧が供給されており、この電力を規定電圧に変換した後、それぞれの制御基板及び基板に供給している。また、電源基板76には、電源スイッチ80が接続されている。なお、図8では、電源基板76から電力が供給される様子を破線の矢印で表している。
次に、本発明の第1実施形態に係るスロットマシン10の作用及び効果について説明する。
図2に示すように、スロットマシン10の前面扉14にあるパネル収容部材110にパネル部材Pを収容するときには、前面扉14が箱体12から開けられ、かつ中板部材15が前面扉14の裏面側14Yから開けられた状態にする。
図5に示すように、中板部材15が前面扉14の裏面側14Yから開けられた状態では、上側開口部114A、114Bが露出するため、パネル部材Pを上側開口部114A、114Bのいずれかに挿入することができる。これにより、パネル部材Pは、上側開口部114A、114Bに対応する上側誘導部124A、124Bを通過して、第1収容空間部120又は第2収容空間部122に移動する。
ここで、図7に示すように、パネル部材Pが上側誘導部124A、124Bを経て第1収容空間部120側及び第2収容空間部122側に移動していく際には、パネル部材Pの表面P1及び裏面P2には、第1収容空間部120及び第2収容空間部122の内側面120A、120B、122A、122Bから所定の摩擦力が作用する。このため、パネル部材Pに作用する力学関係(空気抵抗力を除く)は、重力下流方向側に向かう重力と、重力上流方向側に向かう摩擦力と、が互いに反対方向に作用することになる。このような力学関係の下で、パネル部材Pは、第1収容空間部120及び第2収容空間部122の内部を下方に移動していき、パネル部材Pが鉛直方向に伸びた所定の部位で、パネル部材Pが停止して、第1収容空間部120及び第2収容空間部122の内部で保持される。これにより、パネル部材Pがパネル収容部材本体112に収容され、かつ第1収容空間部120及び第2収容空間部122の内部に位置した状態になる。このとき、パネル部材Pの表面及び裏面には、第1収容空間部120及び第2収容空間部122の内側面120A、120B、122A、122Bから所定の摩擦力が常に作用しているため、パネル部材Pは第1収容空間部120及び第2収容空間部122に安定して保持された状態になっている。
パネル部材Pが第1収容空間部120及び第2収容空間部122に完全に収容された状態では、パネル部材Pはスロットマシン10の前方から視認できる。これにより、パネル部材Pの表面に施された装飾がパネル収容部材本体112の透明板113を透過することにより、遊技者に確認される。なお、第1収容空間部120の前方に第2収容空間部122が位置しているが、第1収容空間部120と第2収容空間部122との間の仕切板115は無色透明な樹脂で構成されているため、第1収容空間部120内部のパネル部材Pの表面装飾は透過して視認可能となる。
次に、図6に示すように、例えば、パネル収容部材本体112の第1収容空間部120に収容された古いパネル部材(前のパネル部材)Pを別の新しいパネル部材(次のパネル部材)P’と交換するときには、新しいパネル部材P’を上側開口部114Aから挿入する。これにより、新しいパネル部材P’は、同様にして、上側誘導部124Aを移動していく。
新しいパネル部材P’が上側誘導部124Aの内部を移動していくと、やがて新しいパネル部材P’の下端部が古いパネル部材Pの上端部に接触する。さらに、新しいパネル部材P’が下方に移動すると、古いパネル部材Pは新しいパネル部材P’から所定の圧力を受け、新しいパネル部材P’に押されるようにして、下側誘導部126Aに移動する。下側誘導部126Aに移動する古いパネル部材Pには、自身の重力と新しいパネル部材P’からの圧力とが重力作用方向下流側に向かって作用するとともに、第1収容空間部120の内側面120A、120Bからの摩擦力が重力作用方向上流側に向かって作用する。しかし、前者の力が後者の力よりも大きくなるため、古いパネル部材Pは、下側誘導部126Aに向かって移動する。そして、古いパネル部材Pは、下側誘導部126Aを通って対応する下側開口部116Aから排出される。
ここで、古いパネル部材Pが下側開口部116から排出されると、古いパネル部材Pは重力の作用を受けて下方に落下していくが、やがて古いパネル部材Pは、受止部材134により保持される。これにより、パネル部材Pを地面や床面に落下させることなく(周囲に散乱させることなく)、容易に回収することができる。
なお、パネル収容部材本体112の第2収容空間部122に収容された古いパネル部材(前のパネル部材)Pを別の新しいパネル部材(次のパネル部材)P’と交換するときにも同様の作用が実現することになる。
以上のように、第1実施形態によれば、パネル部材Pに特殊な細工(例えば、タグ付け)を施すことなく、パネル収容部材本体112の第1収容空間部120及び第2収容空間部122に収容された古いパネル部材Pに対して、新しいパネル部材P’から圧力を作用させることにより、古いパネル部材Pを容易に取り出すことができる。特に、下側開口部116A、116Bを重力作用方向下流側に形成することにより、パネル部材Pに重力も作用させることができるため、パネル部材Pの取出し作業(交換作業)を一層容易なものにすることができる。
また、パネル部材Pの挿入及び排出に使用する上側開口部114A、114B及び下側開口部116A、116Bが前面扉14の裏面側14Yに形成されているため、パネル部材Pの挿入作業と取出作業(パネル部材Pの交換作業)を前面扉14の裏面側14Yから同時に実行することができる。この結果、パネル部材Pを円滑に交換することができる。また同時に、パネル部材Pの挿入及び取出(排出)に使用する上側開口部114A、114B及び下側開口部116A、116Bが前面扉14の裏面側14Yに形成されているため、前面扉14が閉じられたときには、上側開口部114A、114B及び下側開口部116A、116Bがスロットマシン10の内部に隠れることになる。この結果、遊技者などがパネル部材Pに対して容易にアクセスすることができなくなり、パネル部材Pに対する悪戯行為(不正行為)を防止することができる。
さらに、コインシュータ60、メダルセレクタ58等の遊技部材が設けられた中板部材15を前面扉14の裏面14Y側に開閉可能に設けたことで、パネル部材Pの挿入作業と取出作業(パネル部材Pの交換作業)を前面扉14の裏面14Y側から実行するに際して、従来、前面扉14の裏面14Y側に固定されていたコインシュータ60、メダルセレクタ58等の遊技部材を取り外す手間を省くことができる。この結果、パネル部材Pの交換作業が容易に可能となる。
なお、本実施形態の遊技機では、第1収容空間部120と第2収容空間部122とが設けられていることから、複数枚のパネル部材Pを同時に挿入した状態とすることができる。これを利用して、装飾の異なるパネル部材Pを第1収容空間部120と第2収容空間部122にそれぞれ挿入し、2枚のパネル部材によって一体的な装飾模様を形成することができる。具体的には、前面側14Xのパネル部材P(第2収容空間部122に挿入されるパネル部材)の一部の装飾が透過性を有するものとして、裏面側14Yのパネル部材Q(第1収容空間部120に挿入されるパネル部材)の装飾を前面扉14の前面側14Xからパネル部材Pの一部を透過して視認可能にする構成とする。このようにすれば、前後のパネル部材(パネル部材Pとパネル部材Q)を重ねることで有機的一体性のある装飾を完成させることができ、従来にない斬新なパネル装飾を実現することができる。このような2重のパネル部材P、Qを有するスロットマシン10としても、前述した本実施形態の構造により、パネル部材P、Qを容易に交換することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係るスロットマシンについて説明する。
なお、第1実施形態のスロットマシン10と重複する構成には、同符号を付し、その説明を適宜省略する。
図9乃至図12に示すように、第2実施形態に係るスロットマシンは、下側開口部116A、116Bの近傍に、支持部材(排出部材)128が駆動可能に設けられている。すなわち、支持部材128は、パネル部材Pを支持する支持片130と、支持片130に取り付けられた回転軸132と、で構成されている。この回転軸132には、駆動モータ136が機械的に接続されている。また、駆動モータ136の駆動制御は、サブ制御基板52により実行される。回転軸132は、駆動モータ136により回転駆動されると、支持片130は、回転軸132の軸回りに回転する。支持片130がパネル部材Pを支持するときには、支持片130が第1収容空間部120及び第2収容空間部122側に突出するような姿勢になり、パネル部材Pに対する支持を解除するときには、支持片130は回転軸132から垂下するような姿勢になる。このように、パネル部材Pを支持するときには、支持部材128は、パネル部材Pの下側誘導部126A、126Bへの進入を阻止し、パネル部材Pに対する支持を解除するときには、支持部材128は、パネル部材Pの移動の妨げにならないように退避する。
また、図12に示すように、上側誘導部124A、124Bの近傍には、光センサ(検知手段)138が設けられている。この光センサ138は、発光部と受光部とで構成されており、発光部の光を受光部で受光できるか否かによって上側開口部114A、114Bから挿入されてきたパネル部材Pを検知する機能を有する。そして、上側開口部114A、114Bから挿入してきたパネル部材Pが光センサ138により検知されると、光センサ138からサブ制御基板52に対してパネル部材Pを検知した旨の検知信号が出力される。サブ制御基板52は、光センサ138からの検知信号を受けて、駆動モータ136の駆動を制御する。
なお、第1収容空間部120及び第2収容空間部122の前後方向の厚み寸法は、パネル部材Pの厚み寸法よりも厚くなるように設定されている。これにより、パネル部材Pには第1収容空間部120及び第2収容空間部122から所定の摩擦力が作用することがないので、パネル部材Pを自由落下させることができる。
第2実施形態によれば、図9及び図10に示すように、例えば、第1収容空間部120に古いパネル部材Pが収容されている状態では、駆動モータ136がサブ制御基板52により制御されて、支持片130が第1収容空間部120及び第2収容空間部122側に突出するように回転軸132の回転制御を実行している。支持片130が第1収容空間部120及び第2収容空間部122側に突出した状態では、支持片130によりパネル部材Pの下端部が支持されて、パネル部材Pが位置決めされる。これにより、パネル部材Pは、第1収容空間部120に安定的に収容された状態になる。
パネル部材Pを新しいパネル部材P’に交換するときには、新しいパネル部材P’が上側開口部114Aに挿入される。パネル部材P’が上側誘導部124Aを移動すると、光センサ138により検知され、その検知信号がサブ制御基板52に対して出力される。光センサ138からの検知信号がサブ制御基板52に入力されると、駆動モータ136がサブ制御基板52により駆動される。ここで、図11に示すように、駆動モータ136が駆動すると、回転軸132が回転制御され、支持片130が回転軸132から垂下した状態(第1収容空間部120から退避した状態)になる。これにより、古いパネル部材Pの下側誘導部126Aへの移動が可能になるため、古いパネル部材Pは、自身の重力を受けて、下側誘導部126Aに向かって自由落下する。なお、パネル部材Pには第1収容空間部122から所定の摩擦力が作用することがないので、パネル部材Pは、抵抗力(空気抵抗力を除く)を受けない形で、自由落下する。そして、パネル部材Pは、下側開口部116Aから排出される。このように、パネル部材Pを支持片130で支持することにより第1収容空間部120に安定的に収容することができるとともに、パネル部材Pの交換時などには、支持片130がパネル部材Pの落下を干渉しないように移動(退避)させられることにより、パネル部材Pを下側開口部116Aから効率良く排出させることができる。特に、パネル部材Pには第1収容空間部120からの所定の摩擦力が作用しないため、パネル部材Pを容易に排出することができる。
なお、例えば、第2収容空間部122に古いパネル部材Pが収容されており、その古いパネル部材を新しいパネル部材と交換するために、新しいパネル部材を上側開口部114Bに挿入した場合にも、上記作用効果を得ることができる。
ここで、図13(A)、(B)に示すように、パネル部材Pの下端部に錘部材140を取り付けてもよい。この錘部材140は、パネル部材Pを挿入するに際して、パネル部材Pの下端部に挟み込むことで固定可能となる。そして、錘部材140が取り付けられたパネル部材Pを上側開口部114A,114Bに挿入する。これにより、パネル部材Pには、錘部材140の重量の分だけ下向きに大きな重力が余計に作用するため、パネル部材Pを下側に移動(落下)させ易くすることができる。
次に、本発明の第3実施形態に係るスロットマシンについて説明する。
なお、第1実施形態のスロットマシン10と重複する構成には、同符号を付し、その説明を適宜省略する。
図14及び図15に示すように、第3実施形態のスロットマシンは、第1収容空間部120には、第1収容空間部120の延在方向に沿って複数の駆動ローラ(ローラ部材、排出部材)142が設けられている。各駆動ローラ142は、第1収容空間部120に収容されたパネル部材Pの裏面側に接触するとともに、パネル部材Pを下側開口部116Aから排出させるときには、各駆動ローラ142が回転駆動することにより、パネル部材Pに対して回転駆動力を与え、パネル部材Pを下側誘導部126Aに移動させる機能を有している。また、各駆動ローラ142には回転軸がそれぞれ取り付けられており、この回転軸は駆動モータ136により回転駆動される。この駆動モータ136は、サブ制御基板52により駆動制御される。なお、各駆動ローラ142の径は、全て同じ径となるように設定されている。
また、図16に示すように、上側誘導部124A、124Bの近傍には、光センサ138が設けられている。この光センサ138は、発光部と受光部とで構成されており、光部の光を受光部で受光できるか否かによって上側開口部114A、114Bから挿入されてきたパネル部材Pを検知する機能を有する。そして、上側開口部114A、114Bから挿入してきたパネル部材Pが光センサ138により検知されると、光センサ138からサブ制御基板52に対してパネル部材Pを検知した旨の検知信号が出力される。サブ制御基板52は、光センサ138からの検知信号を受けて、駆動モータ136の駆動を制御する。
なお、図7と同様にして、第1収容空間部120及び第2収容空間部122の前後方向の厚み寸法は、パネル部材Pの厚み寸法と同じか、あるいは若干厚くなるように設定されている。これにより、パネル部材Pには第1収容空間部120及び第2収容空間部122の内側面120A、120B、122A、122Bから所定の摩擦力が作用することになるため、パネル部材Pを第1収容空間部120及び第2収容空間部122に保持(収容状態を維持)することができる。
第3実施形態によれば、図14及び図15に示すように、例えば、第1収容空間部120に収容されたパネル部材Pを新しいもの交換するときには、新しいパネル部材P’が上側開口部114Aに挿入される。パネル部材P’が上側誘導部124Aを移動すると、光センサ138により検知され、その検知信号がサブ制御基板52に対して出力される。光センサ138からの検知信号がサブ制御基板52に入力されると、駆動モータ136がサブ制御基板52により駆動される。駆動モータ136が駆動すると、回転軸が回転制御され、複数の駆動ローラ142が回転駆動する。これにより、古いパネル部材Pには複数の駆動ローラ142から回転駆動力が作用する。そして、古いパネル部材Pは、複数の駆動ローラ142からの回転駆動力と自身の重力を受けて、第1収容空間部120の内側面から作用する摩擦力に対抗する形で、下側誘導部126Aに向かって移動する。そして、パネル部材Pが下側開口部116Aから排出される。このように、パネル部材Pの交換時などには、複数の駆動ローラ142からパネル部材Pに対して回転駆動力を作用させることにより、パネル部材Pを下側誘導部126Aに移動させ下側開口部116Aから効率良く排出させることができる。特に、複数の駆動ローラ142の回転数が同じになるようにサブ制御基板52で駆動モータ136を駆動制御することにより、複数の駆動ローラ142からパネル部材Pに対して作用する回転駆動力が均等になる。これにより、パネル部材Pに作用する各駆動ローラ142からの各回転駆動力の大きさにばらつきが生じることを防止でき、第1収容空間部120に収容されたパネル部材Pの姿勢を崩すことなく、また、パネル部材Pにシワを作ることなく、そのままの姿勢でパネル部材Pを下側開口部116A、116Bから円滑に排出させることができる。
なお、図17及び図18に示すように、第1収容空間部120及び第2収容空間部122の前後方向の厚み寸法を、パネル部材Pの厚み寸法よりも僅かに大きくして、第1収容空間部120及び第2収容空間部122に収容されたパネル部材Pに対して第1収容空間部120及び第2収容空間部122の内側面から所定の摩擦力が作用しないようにしてもよい。これにより、パネル部材Pに摩擦力が作用しない分だけ、パネル部材の重力上流側に向かって作用する力が少なくなるため、パネル部材Pを下側誘導部126Aに導き易くすることができる。また、この場合には、前面扉14の裏面側14Yからピン部材(排出部材)148を装着する必要がある。このピン部材148は、前面扉14の裏面側14Yに装着されると、その一部が第1収容空間部120及び第2収容空間部122側に突出するため、パネル部材Pを支持することができる。そして、パネル部材Pを取り出すときには、ピン部材148を前面扉14の裏面側14Yから取り外すことにより、ピン部材148のパネル部材Pに対する支持が解除され、かつ第1収容空間部120のパネル部材Pの進路を遮るものがなくなることから、パネル部材Pを下側開口部116Aに導いて容易に排出させることができる。
次に、本発明の第4実施形態に係るスロットマシンについて説明する。
なお、第1実施形態のスロットマシン10と重複する構成には、同符号を付し、その説明を適宜省略する。
図19乃至図21に示すように、第4実施形態のスロットマシンは、第1収容空間部120及び第2収容空間部122の底部には、バランス調整部材(排出部材)150が設けられている。このバランス調整部材150は、長板部材152と、長板部材152の中心に取り付けられた回転軸154と、で構成されている。長板部材152の軸方向一方側端部152Aは、第1収容空間部120側に位置しており、また、その軸方向他方側端部152Bは、第2収容空間部122側に位置している。また、回転軸154は、駆動モータ136により回転駆動されるように構成されている。なお、図22に示すように、駆動モータ136は、サブ制御基板52により駆動制御される。また、長板部材152の一方の端部(軸方向一方側端部152A又は軸方向他方側端部152B)が最上位に位置するときは(図20、図21の状態)、その端部上に載っているパネル部材Pの上端部が上側開口部114A又は114Bから飛び出す構成とされている。
また、図22に示すように、上側誘導部124A、124Bの近傍には、光センサ138が設けられている。この光センサ138は、発光部と受光部とで構成されており、上側開口部114A、114Bから挿入されてきたパネル部材Pを検知する機能を有する。そして、上側開口部114A、114Bから挿入してきたパネル部材Pが光センサ138により検知されると、光センサ138からサブ制御基板52に対してパネル部材Pを検知した旨の検知信号が出力される。サブ制御基板52は、光センサ138からの検知信号を受けて、駆動モータ136の駆動を制御する。
また、前面扉14の裏面側14Yには、下側誘導部及び下側開口部が形成されておらず、第1収容空間部120及び第2収容空間部122に収容されるパネル部材Pは、上側開口部114A、114Bから挿入され、かつ上側開口部114A、114Bから排出される構成になっている。
なお、第1収容空間部120及び第2収容空間部122の前後方向の厚み寸法は、パネル部材Pの厚み寸法よりも厚くなるように設定されている。これにより、パネル部材Pには第1収容空間部120及び第2収容空間部122から所定の摩擦力が作用することがないので、第1収容空間部120及び第2収容空間部122におけるパネル部材Pの移動が円滑になる。
第4実施形態によれば、図19乃至図21に示すように、例えば、第2収容空間部122に既に古いパネル部材Pが収容されている状態では、長板部材152の軸方向他方側端部152Bが下側に下がり、軸方向一方側端部152Aが上側に上がった状態になる(図19参照)。そして、第1収容空間部120に収容するための新しいパネル部材P’が上側開口部114Aに挿入され、パネル部材P’が上側誘導部124Aを移動すると、光センサ138によりパネル部材P’が検知され、その検知信号がサブ制御基板52に対して出力される。光センサ138からの検知信号がサブ制御基板52に入力されると、駆動モータ136がサブ制御基板52により駆動される。駆動モータ136が駆動すると、回転軸154が回転制御され、バランス調整部材150は、長板部材152の軸方向一方側端部152Aが下側に下がり、軸方向他方側端部152Bが上側に上がるように、作動する(図21参照)。このため、第1収容空間部120に新しいパネル部材P’が完全に収容されるとともに、第2収容空間部122に収容されていた古いパネル部材Pが長板部材152の軸方向他方側端部152Bに押し上げられるようにして第2収容空間部122内部を上方に移動する。第2収容空間部122を上方に移動した古いパネル部材Pは、上側誘導部124Bを通過して、その一部が上側開口部114Bから飛び出すことになる。古いパネル部材Pの一部が上側開口部114Bから飛び出すと(露出すると)、その一部を把持して引っ張り出すことにより、古いパネル部材Pを取り出すことができる。
なお、第1収容空間部120に古いパネル部材Pが収容された状態で、第2収容空間部122に新しいパネル部材P’を収容するときにも、同様の作用になる。このように、バランス調整部材150の作動により、新しいパネル部材P’をパネル収容部材本体112の内部に収容することができると同時に、古いパネル部材Pをパネル収容部材本体112の内部から取り出すことができる。この結果、パネル部材Pの交換作業の作業効率を高めることができる。
また、バランス調整部材150については、上述した構成に限らず、第1収容空間部120に古いパネル部材Pが収容された状態で第2収容空間部122に新しいパネル部材P’が収容されることで、第1収容空間部120内の古いパネル部材Pの上端部が上側開口部114Bから飛び出す(排出される)構成であればどのようなものでも良い。例えば、第4実施形態の駆動モータ136を備えていない構成で、新しいパネル部材P’の自重によりバランス調整部材150が可動する構成でもよい。
次に、本発明の第5実施形態に係るスロットマシンについて説明する。
なお、第1実施形態のスロットマシン10と重複する構成には、同符号を付し、その説明を適宜省略する。
図23乃至図25に示すように、第5実施形態のスロットマシンは、第1収容空間部120及び第2収容空間部122の底部に、第4実施形態のバランス調整部材150に替えて、方向変換ローラ(排出部材)156を設けた構成である。この方向変換ローラ156は、パネル部材Pを繰り出すためのローラ部材158と、ローラ部材158に取り付けられた回転軸160と、で構成されている。この回転軸160は、駆動モータ136により回転駆動される。また、駆動モータ136は、サブ制御基板52により駆動制御される。この方向変換ローラ156は、第1収容空間部120又は第2収容空間部122に収容されたパネル部材Pに回転駆動力を作用させ、第1収容空間部120又は第2収容空間部122の一方側のパネル部材Pを他方側に移動させるためのものである。
さらに、第1収容空間部120及び第2収容空間部122には、複数の駆動ローラ(ローラ部材、排出部材)142A、142Bが設けられている。駆動ローラ142Aは、第1収容空間部120の延在方向に沿って配置されており、駆動ローラ142Bは、第2収容空間部122の延在方向に沿って配置されている。各駆動ローラ142A、142Bには、回転軸162が取り付けられている。この回転軸162は、駆動モータ136により回転駆動される。また、駆動モータ136は、サブ制御基板52により駆動制御される。この駆動ローラ142A、142Bは、第1収容空間部120又は第2収容空間部122に収容されたパネル部材Pに対して回転駆動力を作用させ、パネル部材Pを上側開口部114A、114Bに導くためのものである。また、駆動ローラ142A、142Bは、第1収容空間部120又は第2収容空間部122を移動するパネル部材Pに対して、排出時とは逆回転の回転駆動力を作用させて、第1収容空間部120又は第2収容空間部122の内部に収容するためのものである。この駆動ローラ142A、142Bの数は特に定められていないが、各駆動ローラ間の距離が近い程パネル部材を円滑に移動させ易いので、できるだけ密接して設けることが好ましい。
また、第5実施形態の駆動ローラ142は、第3実施形態と同様に回転数が同じになるようにサブ制御基板52で駆動モータ136を駆動制御するようにしてもよい。これにより、複数の駆動ローラ142からパネル部材Pに対して作用する回転駆動力が均等になり、パネル部材Pに作用する各駆動ローラ142からの各回転駆動力の大きさにばらつきが生じることを防止でき、パネル部材Pにシワを作ることなく、そのままの姿勢でパネル部材Pを円滑に排出させることができる。
なお、第1収容空間部120と第2収容空間部122とは、底部で接続されている。このため、第1収容空間部120と第2収容空間部122とは連通し、1つの収容空間部を形成している。
第5実施形態によれば、図23及び図24に示すように、例えば、第2収容空間部122に収容されている古いパネル部材Pを取り出して第1収容空間部122に新しいパネル部材(図示省略)を収容する場合には、新しいパネル部材の上側開口部114Bからの挿入に伴い、光センサ138からの検知信号がサブ制御基板52に対して出力される。これにより、駆動モータ136が回転駆動される。駆動モータ136が回転駆動すると、第2収容空間部122に収容されている古いパネル部材Pは、第2収容空間部122側に配置された駆動ローラ142B及び方向変換ローラ156からの回転駆動力を受けて、あたかもUターンするようにして、第2収容空間部122から第1収容空間部120側に移動する。そして、古いパネル部材Pは、第1収容空間部120側に配置された駆動ローラ142A及び方向変換ローラ156からの回転駆動力を受けて、上側誘導部124A及び上側開口部114A側に移動して、上側開口部114から排出される。
なお、第1収容空間部120に収容されている古いパネル部材Pを取り出す場合には、各駆動ローラ142A、142B及び方向変換ローラ156の駆動によって第2収容空間部122側にUターンするように移動させる。そして、Uターンした古いパネル部材Pを、上側誘導部124B及び上側開口部114Bに移動させ、上側開口部114Bから排出させることができる。
次に、本発明の第6実施形態に係るスロットマシンについて説明する。
なお、第1実施形態のスロットマシン10と重複する構成には、同符号を付し、その説明を適宜省略する。
図26に示すように、第6実施形態のスロットマシンは、上側開口部114と下側開口部116に替えて、前面扉14の裏面側14Yの左右両側に左側開口部(第1挿通部)144と右側開口部(第2挿通部)146が形成されて構成されている。また、パネル収容部材112の内部に左右方向に貫通した収容空間部を形成し、左側開口部144からパネル部材Pを挿入して右側開口部146から取り出す(排出する)ように構成される。
第6実施形態によれば、パネル部材Pを前面扉14の裏面側14Yの左側開口部144から挿入して、右側開口部146から取り出すことができるため、前面扉14の裏面側14Yに生じているデッドスペースを有効に利用することができる。