以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
(第一の実施形態)
図1は、本発明の第一の実施形態によるプロジェクタ付き電子カメラ(以下、PJ内蔵電子カメラと呼ぶ)を斜め前方から見た図である。図1において、PJ内蔵電子カメラ10の正面には、撮影レンズ11と、照明光窓12と、プロジェクタ投射窓13とが設けられている。PJ内蔵電子カメラ10の上面には、レリーズボタン14と、ズームスイッチ16と、モード切替ダイヤル15と、メインスイッチ22とが設けられている。
図2は、図1のPJ内蔵電子カメラ10を斜め後方から見た図である。図2において、PJ内蔵電子カメラ10の背面には、液晶表示器17と、電子ビューファインダー18と、操作部材19と、スピーカ孔20とが設けられている。
PJ内蔵電子カメラ10は、机上などに載置された状態でPJ内蔵電子カメラ10の正面側に配設されるスクリーンなどに向けて、内蔵する投射部(プロジェクタ)による画像などの投影情報をプロジェクタ投射窓13から投影する。PJ内蔵電子カメラ10はスピーカ孔20の裏側にスピーカ21を内蔵しており、音声などの情報を電子カメラ10の後方へ向けて再生する。
モード切替えダイヤル15は、撮影モードや投影モードなどのPJ内蔵電子カメラ10の動作モードを切替えるためのモード切替え操作部材である。撮影モードは、被写体像を撮影し、撮影した画像データをメモリカードなどで構成される記録媒体に画像ファイルとして保存する動作モードである。静止画撮影の場合は静止画像ファイルが生成され、動画撮影の場合には動画像ファイルが生成される。撮影開始指示は、レリーズボタン14の押下操作に応じて出力される操作信号が対応する。PJ内蔵電子カメラ10は、撮影時に被写体を照明する照明装置を内蔵する。照明装置からの撮影補助光は、PJ内蔵電子カメラ10の正面に向けて照明光窓12から射出される。撮影モードでは、スピーカ21とともにスピーカ孔20の裏側に内蔵されているマイクによって音声を集音し、その音声データを記録媒体に保存することも可能に構成されている。
投影モードは、撮影済みの画像データを記録媒体(たとえば、後述するメモリカード150や内部メモリ)から読出すなどして、画像データによる再生画像を投射部によってプロジェクタ投射窓13から投影する動作モードである。音声データが記録されている場合にはスピーカ21から音声再生も行う。投影ソースとしては、記録媒体に記録されているデータの他に、内部メモリに記録されているデータや、PJ内蔵電子カメラ10の外部から供給されるデータなどが選択可能である。投射部は、投影ソースの中から選択されたデータによる再生画像を投影する。
PJ内蔵電子カメラ10には、プロジェクタ投射窓13から投影された光が撮影レンズ11のレンズ鏡筒Pでけられることがないように、レンズ鏡筒Pをカメラ筐体内に沈胴させる沈胴機構が設けられている。
図3は、PJ内蔵電子カメラ10の回路構成を説明するブロック図である。図3においてPJ内蔵電子カメラ10は、投射部220と、撮像部120と、CPU101と、メモリ102と、操作部材103と、液晶表示器104と、スピーカ105と、マイク106と、外部インターフェイス(I/F)107と、電源回路108とを有する。不図示のカードスロットには、メモリカード150が実装されている。メモリカード150は着脱可能である。また、不図示の電池ホルダに電池109が実装される。
CPU101は、制御プログラムに基づいてPJ内蔵電子カメラ10を構成する各部から入力される信号を用いて所定の演算を行うなどして、PJ内蔵電子カメラ10の各部へ制御信号を送出することにより、撮影動作および投影動作の制御を行う。なお、制御プログラムはCPU101内の不図示の不揮発性メモリに格納されている。
メモリ102はCPU101の作業用メモリとして使用される。操作部材103は、図1におけるメインスイッチ22、レリーズボタン14、ズームスイッチ16、モード切替えダイヤル15、および図2の操作部材19に対応し、レリーズボタン14の押下操作に連動してオン/オフする半押しスイッチや全押しスイッチ(不図示)を含む。半押しスイッチは、レリーズボタン14の押下げ量が半押し操作量に達するとオンし、全押しスイッチは、レリーズボタン14の押下げ量が半押し操作量より大きい全押し操作量に達するとオンする。操作部材103は、それぞれの操作内容に応じた操作信号をCPU101へ送出する。
メモリカード150はフラッシュメモリなどの不揮発性メモリによって構成され、CPU101からの指示により撮像部120で撮影された画像のデータ書き込み、保存および読み出しが可能である。
姿勢センサ111は、PJ内蔵電子カメラ10の姿勢を検出し、検出信号をCPU101へ送出する。CPU101は姿勢検出信号に基づき、撮影モード時には横位置撮影されるか、縦位置撮影されるかを判定し、投影モード時にはPJ内蔵電子カメラ10の載置姿勢が所定の傾き範囲内か否かを判定する。
測光装置112は、測光センサによる検出信号を用いて被写体の輝度を算出し、輝度情報をCPU101へ送出する。CPU101は輝度情報に基づき、撮影モード時には露出演算を行い、制御露出を決定する。また、投影モード時には、輝度情報に基づいて投影の適否を判定する。
電源回路108は、CPU101からの指示によりオン/オフされ、オン時に電池109による電圧を各回路で必要な電圧に変換し、PJ内蔵電子カメラ10の各部へ電力を供給する。なお、CPU101は、電源回路108のオン/オフ状態にかかわらず、電池109が装填されると常に通電されるように構成されている。
液晶表示器104(図2において符号17に対応)は、CPU101の指示により画像やテキストなどの情報を表示する。テキスト情報は、PJ内蔵電子カメラ10の動作状態、操作メニューなどである。スピーカ105(図2において符号21に対応)は、CPU101から出力される音声データによる音声を再生する。
マイク106は、集音した音声を電気信号に変換してCPU101へ送出する。音声信号のデータは、撮影モード時にメモリカード150に記録される。
外部インターフェイス(I/F)107は、ビデオカメラなどの外部機器から送信されるビデオ信号による再生画像を液晶表示器104に表示させたり、投射部220に投影させたりするために、ビデオ信号を画像データに変換し、変換後の画像データをCPU101へ送出する。また、外部インターフェイス(I/F)107は、外部機器から送信される音声信号をスピーカ105から再生させるための音声データに変換し、変換後の音声データをCPU101へ送出する。
温度センサ113は投射部220の近傍に配設され、温度検出信号をCPU101へ送出する。CPU101は、温度検出信号に基づいて投射部220近傍の機内温度を算出する。
<撮像部>
撮像部120は、撮影光学系121(図1において符号11に対応)と、撮像素子122と、レンズ駆動部123と、撮影制御回路124と、鏡筒沈胴機構125とを含む。撮像素子122としては、CCDやCMOSイメージセンサなどが用いられる。撮影制御回路124は、CPU101からの指示により撮像素子122およびレンズ駆動部123を駆動制御するとともに、撮像素子122から出力される撮像信号(蓄積電荷信号)に対して所定の画像処理を行う。画像処理は、色調整処理、輪郭強調やガンマ補正処理などである。
撮影光学系121は、撮像素子122の撮像面上に被写体像を結像させる。撮影制御回路124は、撮影開始指示に応じて撮像素子122に撮像を開始させ、撮像終了後に撮像素子122から蓄積電荷信号を読出し、上記画像処理を施した上で画像データとしてCPU101へ送出する。
レンズ駆動部123は、撮影制御回路124から出力されるフォーカス調節信号に基づいて、撮影光学系121を構成するフォーカスレンズ(不図示)を光軸方向に進退駆動する。また、レンズ駆動部123は、撮影制御回路124から出力されるズーム調節信号に基づいて、撮影光学系121を構成するズームレンズ(不図示)を光軸方向(テレ側もしくはワイド側)へ進退駆動する。フォーカス調節量およびズーム調節量は、CPU101から撮影制御回路124へ指示される。
<カメラのフォーカス調節>
撮像部120は、撮影光学系121のフォーカスレンズを光軸方向にシフトすることにより、撮影光学系121によるフォーカス調節を行う。オートフォーカス調節を行う場合のCPU101は、撮像素子122で撮像された画像信号のうち、フォーカス検出エリア(たとえば撮影画面中央)に対応する画像信号についての高周波数成分の積算値(いわゆる焦点評価値)を最大にするように、撮影制御回路124へフォーカス調節を指示する。焦点評価値を最大にするフォーカスレンズの位置は、撮像素子122によって撮像される被写体像のエッジのボケをなくし、画像のコントラストを最大にする合焦位置である。
<カメラのズーム調節>
撮像部120は、撮影光学系121のズームレンズを光軸方向にシフトすることにより、撮影光学系121による光学ズーム調節を行う。CPU101は、ズームスイッチ16からの操作信号に応じてズーム調節信号を撮影制御回路124へ送る。CPU101は、たとえばズームスイッチ16から右回し操作信号が入力された場合にズームアップするようにズーム調節信号を送り、ズームスイッチ16から左回し操作信号が入力された場合にはズームダウンするようにズーム調節信号を送る。ズームスイッチ16は、異なる2つの操作信号を択一的に出力するように構成される。
また、撮影制御回路124は、CPU101からの指示に応じて鏡筒沈胴機構125へ指示を送り、撮影光学系121の鏡筒P(図1)をPJ内蔵電子カメラ10の筐体内に沈胴させたり、筐体内に沈胴されている鏡筒Pを撮影時の状態(図1)まで繰出させたりする。
<投射部>
投射部220は、投影光学系221と、液晶パネル222と、LED(発光ダイオード)光源223と、レンズ駆動部224と、投射制御回路225とを含む。投射制御回路225は、CPU101から出力される投影指示に応じてLED光源223へ駆動電流を供給する。LED光源223は、供給電流に応じた明るさで液晶パネル222を照明する。
投射制御回路225はさらに、CPU101から送出される画像データに応じて液晶パネル駆動信号を生成し、生成した駆動信号で液晶パネル222を駆動する。具体的には、液晶層に対して画像信号に応じた電圧を画素ごとに印加する。電圧が印加された液晶層は液晶分子の配列が変わり、当該液晶層の光の透過率が変化する。このように、画像信号に応じてLED光源223からの光を変調することにより、液晶パネル222が光像を生成する。
投影光学系221は、液晶パネル222から射出される光像をスクリーンなどへ向けて投影する。レンズ駆動部224は、投射制御回路225から出力されるオフセット調節信号に基づいて、投影光学系221を光軸に対して直交する方向へ進退駆動する。また、レンズ駆動部224は、投射制御回路225から出力されるフォーカス調節信号に基づいて、投影光学系221を構成するフォーカスレンズ(不図示)を光軸方向へ進退駆動する。レンズ駆動部224はさらに、投射制御回路225から出力されるズーム調節信号に基づいて、投影光学系221を構成するズームレンズ(不図示)を光軸方向へ進退駆動する。オフセット調節量、フォーカス調節量およびズーム調節量は、CPU101から投射制御回路225へ指示される。
<投射像のオフセット>
投影光学系221が光軸と直交する向きにシフトされることにより、プロジェクタ投射窓13(図1)から射出される光束の射出方向が変化し、投影像がオフセット調節される。投影像のオフセットは、投影光学系221をシフトさせて行う他にも、液晶パネル222、LED光源223を光軸に対して垂直方向にシフトさせて行う構成としてもよい。すなわち、投影光学系221と液晶パネル222の相対的位置関係を光軸に垂直な方向に変化させることで、投影像のオフセットを実現できる。
<投射像のキーストン補正>
投影像に上記オフセットを与えるだけでは投影像が台形状に変化するので、CPU101は、投影像を台形状から長方形状に補正するために画像処理による電気的なキーストン補正を施す。CPU101内のメモリには、あらかじめ投影像を方形状に補正するための初期補正値が記憶されている。CPU101は、オフセット調節量に対応する初期補正値を読み出し、読み出した初期補正値をもとに投影する像のデータに対するキーストン補正処理をメモリ102上で施し、キーストン補正処理後の画像データを投射制御回路225へ送出する。
<投射像のフォーカス調節>
投影光学系221のフォーカスレンズを光軸方向にシフトすることにより、投射部220は投影光学系221によるフォーカス調節を行う。マニュアルフォーカス調節を行う場合のCPU101は、操作部材103からの操作信号に応じてフォーカス調節信号を投射制御回路225へ送る。
投射部220のオートフォーカスは、投射画像を撮像部120で撮像して行う。オートフォーカス調節を行う場合のCPU101は、撮像部120で撮像された画像信号のうち、フォーカス検出エリア(たとえば撮影画面中央)に対応する画像信号についての高周波数成分の積算値(いわゆる焦点評価値)を最大にするように、フォーカス調節信号を投射制御回路225へ送る。焦点評価値を最大にするフォーカスレンズの位置は、撮像部120の被写体である投影像のエッジのボケをなくし、投影像のコントラストを最大にするフォーカス調節位置である。
<投射像のズーム調節>
投影光学系221のズームレンズを光軸方向にシフトすることにより、投射部220は投影光学系221によるズーム調節を行う。CPU101は、操作部材103からの操作信号に応じてズーム調節信号を投射制御回路225へ送る。
<投影ソース:source>
投射部220は、CPU101の指示により下記「ソース1」〜「ソース4」のいずれかによるコンテンツを投影および再生する。CPU101は、操作部材103からソース切替え操作信号が入力されるごとに、「ソース1」〜「ソース3」の投影画像を「ソース1」→「ソース2」→「ソース3」→「ソース1」…の順にサイクリックに切替えるように、各画像に対応する画像データを投射部220へ送出する。ただし、PJ内蔵電子カメラ10にメモリカード150が装着されていない場合には「ソース1」がスキップされる。また、外部インターフェイス(I/F)107に外部機器が接続されていない場合には「ソース3」がスキップされる。
CPU101はさらに、操作部材103からチャート投影への切替え操作信号が入力されると、下記「ソース4」に対応する画像データを投射部220へ送出する。
ソース1:メモリカード150から読出したデータによる再生画像
ソース2:内部メモリ(CPU101内の不揮発性メモリなど)に記録されている画像データによる再生画像
ソース3:外部インターフェイス(I/F)107から入力されたデータによる再生画像
ソース4:フォーカス調節用のチャートであり、たとえば、白地に黒線による縞模様で構成される画像
CPU101は、上記「ソース1」または「ソース2」に対応する画像を投影する場合、記録日時が最も新しい(記録されている画像データの中で最後に撮影されたもの)画像データをメモリカード150(もしくは内部メモリ)から順に読出し、読出した画像データを投射部220へ送出する。
<投射モジュール>
投射部220の光学系配置の詳細について、図4および図5を参照して説明する。図4は、PJ内蔵電子カメラ10に内蔵される投射部220の光学系を上から見た平面図(図4(a))と、その左側面図(図4(b))である。図5は、図4(a)の光学系を前から見た正面図(図5(a))と、その左側面図(図5(b))である。
投射部220の光学系は、1辺が約10mmの略正方形を底面とする四角柱形状のモジュール(以降投射モジュールと呼ぶ)として構成される。投射モジュールは長手方向を横にして配設され、その左側面に1辺が約10mmの略立方体状に構成される冷却ブロック230が接合される。なお、図4(a)および図5(a)は、内部構成をわかりやすく図示するために、四角柱の長手方向のサイズを実際より長く記載している。
投射モジュールには、LED223と、ミラーM1と、集光光学系226と、偏光板227と、PBS(偏光ビームスプリッタ)ブロック228と、液晶パネル222と、投影光学系221と、照明光学系229とが含まれる。
上記部材のうち、投影光学系221および照明光学系229を除く部材は金属製薄板上に一体化構成される。具体的には、四角柱形状の長手方向の1平面を構成する長方形のアルミ基板251上(絶縁層上に形成されているパターン上)にLED223が実装され、LED223からの光を右方向へ折り曲げるミラーM1およびミラーM1を支持するミラー支持部材(不図示)が基板251上に配設される。ミラー支持部材は基板251に接着され、ミラーM1を破線で示す位置と一点鎖線で示す位置との間で移動可能に支持する。ミラーM1の駆動は不図示のアクチュエータ(圧電素子等)を用いて行う。
基板251上にはさらに、ミラーM1の右方に集光光学系226およびPBSブロック228が接着される。PBSブロック228は、入射光軸に対して45度の角度をなす偏光分離部228aを2つの三角プリズムで挟んだ偏光ビームスプリッタである。基板251に接着されるPBSブロック228の面228bには、たとえば、黒色処理などの無反射処理が施される。
PBSブロック228の集光光学系側(左側)面には偏光板227が配設され、PBSブロック228の右側面には反射型液晶素子(LCOS)によって構成される液晶パネル222が配設される。ここで、液晶パネル222は光が入出射するPBSブロック側(左側)面のカバーガラスが省略され、PBSブロック228の右側面に直接接着される(図39(a)参照)。なお、カバーガラスを省略しない場合は、図39(b)に示すように、カバーガラス表面とPBSブロック228の右側面が密着するように固定する。
上記基板251上の各部材を覆うように、アルミ板を板金曲げ加工した蓋部材252が配設される。蓋部材252には開口252aおよび開口252bが設けられており、開口252aには投影光学系221が、開口252bには照明光学系229が、それぞれ配設される。
上記開口を四角形状に構成する例を図示したが、開口は円形状に構成してもよい。円形状の開口を設ける場合、開口断面にねじ加工を施し、投影光学系221の鏡筒を上記ねじ加工に螺合する構成とすれば、鏡筒を回転させることによって投影光学系221によるフォーカス調節をマニュアルで行うことも可能である。
冷却ブロック230は、立方体状のアルミブロックの一部を略扇形状の断面にするように形成した放熱部材232と、冷却ファン231とで構成される。放熱部材232は、基板251からの熱伝導をよくするように基板251と面接合される。具体的には、放熱部材232および基板251間に熱伝導性が高い充填材を充填したり、高熱伝導性シートを挟んだりする。
冷却ファン231は、たとえば吸気ファンによって構成され、PJ内蔵電子カメラ10の前面に設けられている通気孔23から吸気する。吸気流は、放熱部材232の曲面に沿って進みながら放熱部材232を冷却するとともに進路を上方に変え、PJ内蔵電子カメラ10の上面に設けられている通気孔24から排気される。
基板251は、上記冷却ブロック230への放熱の他に、他の部材にも放熱するように構成される。たとえば、基板251(とくに放熱部材232およびLED223の近傍)と液晶表示器104(図3)の金属製バックパネル部材(不図示)との間、および基板251とレンズ駆動部123に含まれるレンズ駆動用DCモータのブロック部材(不図示)との間を、それぞれ熱伝導性シートなどでつないで相互に熱伝導する構成とする。
上記構成の投射モジュールにおいて、不図示のハーネスおよびパターンを介して基板251上のLED223に駆動電流が供給される。ミラーM1は、ミラー支持部材によって投影モード時に破線位置(図4)へ移動され、撮影モード時に一点鎖線位置(図4)へ移動される。ミラーM1の移動は投射制御回路225からの指示によって行われる。
LED223は、駆動電流に応じた明るさの光を図4において下方向へ射出する。投影モードにおいて、LED光はミラーM1で折り曲げられて集光光学系226で集光される。集光光学系226はLED光を略平行光にして偏光板227へ入射させる。偏光板227は入射光を直線偏光に変換(または抽出)し、変換(または抽出)後の偏光光をPBSブロック228へ向けて射出する。
PBSブロック228へ入射された偏光光束(たとえばP偏光)は、PBSブロック228を透過して液晶パネル222を照明する。液晶パネル222は、赤、緑、青のフィルターが形成された複数の画素から構成され、カラーの画像を生成する。液晶パネル222の液晶層を透過する光は、液晶パネル222へ入射されると当該液晶層を右向きに進行し、液晶パネル222の反射面で反射された後、液晶層を左向きに進行して液晶パネル222から射出され、PBSブロック228へ再度入射される。電圧が印加された液晶層は位相板として機能するので、PBSブロック228へ再度入射される光は、S偏光である変調光とP偏光である非変調光との混合光である。PBSブロック228は、再入射された光束のうちS偏光成分である変調光のみを偏光分離部228aで反射(折り曲げる)し、下方の投影光学系221へ向けて投影光として射出する。投影光学系221の配設位置は、プロジェクタ投射窓13(図1)に対応している。
一方の撮影モードにおいて、LED光はミラーM1で折り曲げられることなく下方へ進み、照明光学系229に入射される。照明光学系229はLED光を撮影補助光に最適な画角に光を射出する。照明光学系229の配設位置は、照明光窓12(図1)に対応している。
本発明は、上記PJ内蔵電子カメラ10が投影モードに切替えられた場合の動作に特徴を有するので、投影モード起動時にCPU101によって行われる制御を中心に説明する。
図6は、PJ内蔵電子カメラ10のCPU101が投影モードにおいて実行するプログラムによる処理の流れを説明するフローチャートである。図6による処理は、電源オン時にモード切替えダイヤル15からCPU101へ投影モードへの切替えを指示する操作信号が入力された場合、あるいはモード切替えダイヤル15が投影モードに操作されている状態でメインスイッチのオン操作が行われた場合に起動する。
図6のステップS1において、CPU101は撮像部オフを指示するとともに、液晶表示器104の表示オフを指示してステップS2へ進む。これにより、撮像動作が停止され、液晶表示器104による表示が停止する。
ステップS2において、CPU101は、レンズ鏡筒Pが沈胴状態か否かを判定する。CPU101は、撮影制御回路124から沈胴状態を示す信号を受けるとステップS2を肯定判定してステップS3Bへ進み、非沈胴状態を示す信号を受けた場合にはステップS2を否定判定し、ステップS3へ進む。ステップS3において、CPU101は、撮影制御回路124へ沈胴指令(指示)を送出してステップS3Bへ進む。
ステップS3Bにおいて、CPU101はチェック処理を行ってステップS4へ進む。チェック処理は部屋の明るさやPJ内蔵電子カメラ10の姿勢などが投影に適しているか否かを判定するものであり、その詳細については後述する。
ステップS4において、CPU101は、投射制御回路225へ投影開始を指示するとともに、操作部材103のうち、プロジェクタ付き電子カメラ10の上面に配設されているレリーズボタン14およびズームスイッチ16の機能を変更してステップS5へ進む。投影開始指示により、投射部220においてLED光源223を点灯し、液晶パネル222の駆動を開始し、冷却ファン231を始動する。なお、レリーズボタン14およびズームスイッチ16の機能を先に変更し、レリーズボタン14の全押し操作に応じて投影を開始させる構成にしても構わない。
上記ステップS4以降、後述するステップS11において操作部材103の機能変更を解除するまで、レリーズボタン14およびズームスイッチ16は撮影モード時と異なる機能の操作部材として扱われる。レリーズボタン14の場合、撮影指示のための操作部材ではなく、投影像のオートフォーカス調節を開始させたり、上記「ソース4」のフォーカス調節用のチャート投影像へ切替えたり、投影像を回転させたり、投影動作を一時停止させるための操作部材として扱われる。ズームスイッチ16の場合は、撮影光学系121のズーム調節ではなく、投影光学系221(投影像)のズーム調節のための操作部材として扱われる。
また、投射部220による投影を開始するステップS4以降は、ステップS3Bと同様のチェック処理をタイマー割込み処理として所定時間ごとに行うように構成される(ただし、後述するステップS12の処理中を除く)。
本実施形態では、投影モード時のデフォルト設定として投影ソースが「ソース1」に設定されている。ステップS5において、CPU101は、記録日時が最も新しい画像データをメモリカード150から読出し、読出した画像データを投射部220へ送出してステップS6へ進む。これにより、CPU101が投射部220へ送出した画像データによる再生画像が投影される。なお、CPU101は、投影中の画像のデータファイルに対応付けられて音声データが記憶されている場合には、当該音声データによる音声をスピーカ105から再生する。画像データは、静止画−動画−静止画−静止画…のように混在していてもよい。
ステップS6において、CPU101は、ユーザーによる操作が行われたか否かを判定する。CPU101は、操作部材103(図3)から操作信号が入力されるとステップS6を肯定判定してステップS7へ進み、操作部材103から操作信号が入力されない場合にはステップS6を否定判定し、ステップS9へ進む。
ステップS9において、CPU101は、投射部220へ送出する画像データが上記「ソース1」または「ソース2」に対応する画像(すなわち、撮影された記録画像)か否かを判定する。CPU101は、投射部220へ送出する画像データが記録画像である場合にステップS9を肯定判定してステップS10へ進み、投射部220へ送出する画像データが上記「ソース3」に対応する画像(すなわち、非記録画像)である場合にはステップS9を否定判定し、ステップS6へ戻る。なお、上記「ソース4」に対応するフォーカス調節用チャートの場合にもステップS9を否定判定する。
ステップS10において、CPU101はタイムアップか否かを判定する。CPU101は、内蔵タイマーが所定表示時間(たとえば、5秒)を計時するとステップS10を肯定判定してステップS5へ戻り、所定時間に達していない場合にはステップS10を否定判定し、ステップS6へ戻る。なお、計時は投影中の画像データを読出してから経過した時間である。
ステップS10からステップS5へ戻る場合は、いわゆるスライドショー投影を行う場合である。つまり、メモリカード150(もしくは内部メモリ)から読出された画像データによる画像が投影され、5秒間を計時するとメモリカード150(もしくは内部メモリ)から次の画像データが読出され、投影中の画像が後から読出された画像データによる投影画像に順次更新される。なお、スライドショー投影における1画像当たりの投影時間は、上記5秒間に限らず、適宜設定変更可能に構成されている。
なお、上記計時と別に、操作部材(たとえば、図2に示す十字キータイプの操作部材19)から右方向を示す操作信号が出力された場合に次の画像データをメモリカード150(もしくは内部メモリ)から読出し、操作部材から左方向を示す操作信号が出力された場合には以前の画像データをメモリカード150(もしくは内部メモリ)から読出すように構成しても構わない。
上記ステップS6を肯定判定して進むステップS7において、CPU101はユーザーによる操作がモード切替え操作か否かを判定する。CPU101は、入力された操作信号がモード切替えダイヤル15による撮影モードへの切替え操作信号である場合、ステップS7を肯定判定してステップS11へ進む。また、CPU101は、入力された操作信号がレリーズボタン14およびズームスイッチ16からのソース切替え操作信号(たとえば、ズームスイッチ16の操作信号とレリーズボタン14からの半押し操作信号が同時に入力される)である場合、ステップS7を否定判定してステップS8へ進む。さらにまた、CPU101は、入力された操作信号がレリーズボタン14もしくはズームスイッチ16からの操作信号である場合、ステップS7を否定判定してステップ12へ進む。ステップS8へ進む場合はソース切替えが指示されたとみなし、ステップS12へ進む場合は投影調節が指示されたとみなす。
ステップS11において、CPU101は、投射制御回路225へ投影終了を指示するとともに、レリーズボタン14およびズームスイッチ16の機能変更を解除して図6による処理を終了する。これにより、投射部220においてLED光源223を消灯し、液晶パネル222の駆動を停止し、冷却ファン231を停止する。
ステップS8において、CPU101は、ズームスイッチ16の操作信号とレリーズボタン14からの半押し操作信号が同時に入力されるごとに、投射部220へ送出する画像データを、上記「ソース1」→「ソース2」→「ソース3」→「ソース1」…の順に1つ切替えてステップS9へ進む。
ステップS12において、CPU101は投影調節処理を行ってステップS9へ進む。投影調節処理の詳細について、図7に示すフローチャートを参照して説明する。図7のステップS51において、CPU101は、ユーザーによって操作された操作部材がズームスイッチか否かを判定する。CPU101は、入力操作信号がズームスイッチ16からの操作信号の場合にステップS51を肯定判定してステップS52へ進み、ズームスイッチ16からの操作信号でない場合にはステップS51を否定判定し、ステップS53へ進む。
ステップS52において、CPU101は、光学ズーム処理を行ってステップS51へ戻る。CPU101は、光学ズーム処理として、たとえば、ズームスイッチ16が右回し操作された場合に投影像をズームアップするように投射制御回路225へズーム調節信号を送り、ズームスイッチ16が左回し操作された場合には、投影像をズームダウンするように投射制御回路225へズーム調節信号を送る。
ステップS53において、CPU101は、ユーザーによってレリーズボタン14が半押し操作されたされた(すなわち、半押しスイッチから操作信号が出力された)か否かを判定する。CPU101は、入力された操作信号が半押し操作信号である場合にステップS53を肯定判定してステップS54へ進み、半押し操作信号でない場合にはステップS53を否定判定し、ステップS56へ進む。
ステップS54において、CPU101は、長押しされたか否かを判定する。CPU101は、半押し操作信号が所定時間(たとえば、3秒)以内に解除された場合にステップS54を否定判定してステップS55へ進み、所定時間以上継続された場合にはステップS54を肯定判定してステップS59へ進む。
レリーズボタン14の長押しでない半押し操作による半押し操作信号は、オートフォーカス(AF)指示に対応する。ステップS55において、CPU101は、AF処理を開始させてステップS55Bへ進む。具体的には、撮影制御回路124へ撮像部オンを指示するとともに、撮像部120で撮像される画像信号から得られる焦点評価値を最大にするように、フォーカス調節信号を投射制御回路225へ送る。撮像部120が撮像する被写体は、スクリーン上の投影像である。なお、撮影光学系121のフォーカスレンズは、ステップS55のAF処理時に所定位置(たとえば、PJ内蔵電子カメラ10から1mの被写体距離に対応する位置)へ移動させる。CPU101は、AF処理を終了すると撮影制御回路124へ撮像部オフを指示し、フォーカスレンズを元の位置へ戻させる。
ステップS55Bにおいて、CPU101は、AF処理で取得したコントラスト情報をメモリ102に保存してステップS51へ戻る。コントラスト情報はスクリーンまでの距離情報となる。CPU101には、PJ内蔵電子カメラ10から1m離れたスクリーンに投影した「ソース4」のフォーカス調節用チャートを撮像した場合に得られるコントラスト情報が、あらかじめ参照データとして保存されている。CPU101は、後述するステップS65において参照データと比較できるように、取得したコントラスト情報を保存する。
レリーズボタン14の半押し長押し操作による半押し操作信号は、チャート投影オン/オフの切替え指示に対応する。ステップS59において、CPU101は、上記「ソース4」のフォーカス調節用のチャートを投影中か否かを判定する。CPU101は、チャート画像を投影している(フォーカス調節用のチャート画像データを投射部220へ送出済み)の場合にステップS59を肯定判定してステップS60へ進み、上記「ソース1」〜「ソース3」のいずれかの再生像を投影中の場合にはステップS59を否定判定してステップS61へ進む。
ステップS60において、CPU101はチャート投影をオフさせる。具体的には、チャート画像に代えてチャート投影前の直近に投影していた上記「ソース1」〜「ソース3」のいずれかの再生像を投影するように、直近に投影していた画像データを投射部220へ送出してステップS51へ戻る。
ステップS61において、CPU101はチャート投影をオンさせる。具体的には、上記「ソース1」〜「ソース3」のいずれかの再生画像に代えて上記「ソース4」のチャート画像を投影するように、チャート画像データを投射部220へ送出してステップS51へ戻る。
ステップS56において、CPU101は、ユーザーによってレリーズボタン14が全押し操作されたされた(すなわち、全押しスイッチから操作信号が出力された)か否かを判定する。CPU101は、入力された操作信号が全押し操作信号である場合にステップS56を肯定判定してステップS57へ進み、全押し操作信号でない場合にはステップS56を否定判定し、ステップS65へ進む。
ステップS57において、CPU101は、長押しされたか否かを判定する。CPU101は、全押し操作信号が所定時間(たとえば、3秒)以内に解除された場合にステップS57を否定判定してステップS58へ進み、所定時間以上継続された場合にはステップS57を肯定判定してステップS62へ進む。
レリーズボタン14の長押しでない全押し操作による全押し操作信号は、投影像の回転指示に対応する。ステップS58において、CPU101は、以下のように投影像を回転させてステップS51へ戻る。
<投影画像の回転>
CPU101は、メモリ102上で画像データを時計回転回りに90度回転させた上で、回転処理後の画像データを投射部220へ送出する。この場合のCPU101は、回転処理後の画像が投影範囲に収まるように、投影画像のアスペクト比に応じたサイズ変換処理も合わせて行う。たとえば、画像データのアスペクト比が横4:縦3の比率であって、液晶パネル222のアスペクト比も横4:縦3の比率で表される場合には、回転処理後の画像について、縦方向、横方向それぞれに3/4の画素数で表すようにデータサイズを縮小処理する。この結果、画像データの長辺と液晶パネル222の短辺とを対応させるように回転処理および縮小処理が施された画像が投影される。
CPU101は、投影像の回転指示が入力されるごとに上記サイズ変換処理および回転処理を繰り返すように構成されている。サイズ変換処理は、上記アスペクト比に応じて縦横それぞれ3/4の画素数に縮小する縮小処理(画像データの長辺を液晶パネル222の短辺に対応させる)と、縦横それぞれ4/3の画素数に拡大する拡大処理(画像データの長辺を液晶パネル222の長辺に対応させる)とが交互に行われる。以上の回転処理により、たとえば、投影像の回転指示が4回続けて行われる場合には、投影画像が時計回転回りに1周するとともに、投影画像のサイズは投影像の回転指示が入力される前と同一のサイズに戻る。なお、投影画像の回転方向は、反時計回転回りに行うように構成しても構わない。
レリーズボタン14の全押し長押し操作による全押し操作信号は、投影動作の一時停止/解除の切替え指示に対応する。ステップS62において、CPU101は、投影動作を一時停止中か否かを判定する。CPU101は、長押し操作に応じて投影動作を一時停止している場合にステップS62を肯定判定してステップS63へ進み、投影中の場合にはステップS62を否定判定してステップS64へ進む。
ステップS63において、CPU101は一時停止を解除させる。具体的には、CPU101が投射制御回路225へ指令を送り、LED光源223および液晶パネル222への通電を再開させてステップS51へ戻る。これにより、投射部220からの光像の投影が再開される。
一時停止中には、投影コンテンツが上記「ソース1」の場合はメモリ102上にメモリカード150の情報、およびメモリカード150から読み込んだデータが保存される。同様に、投影コンテンツが上記「ソース3」の場合は外部インターフェイス107と外部機器との通信が継続され、メモリ102上に外部インターフェイス107によって受信されたデータが保存される。このように一時停止中にメモリ102上にデータを保存しておくことにより、一時停止の解除時にメモリ102に保存されているデータを用いてただちに投影の再開が可能である。
ステップS64において、CPU101は投影動作を一時停止させる。具体的には、CPU101が投射制御回路225へ指令を送り、LED光源223および液晶パネル222への通電を停止させてステップS51へ戻る。これにより、投射部220からの光像が投影されなくなる。
ステップS65において、CPU101は距離OKか否かを判定する。CPU101は、ステップS55Bで保存したコントラスト情報と上述した参照データとを比較し、両者間のコントラスト差が所定差以内であれば距離OKと判定し、図7による処理を終了して図6のステップS9へ進む。コントラスト差が最小になる場合は、スクリーンまでの距離が1mで、投影光学系221のフォーカスが適切に調節された場合である。スクリーンまでの距離が1mでない場合にはコントラスト差が大きくなる。CPU101は、コントラスト差が所定差を超える場合にはステップS65を否定判定し、ステップS66へ進む。
ステップS66において、CPU101は投射制御回路225へ指示を送り、投影像にメッセージを重畳させるとともに、同様のメッセージを液晶表示器104にも表示させて図7による処理を終了する。メッセージ内容は、たとえば、「スクリーンまでの距離を確認して下さい。」とし、ユーザーに対してスクリーンの設置確認などを促す。
上述したステップS55におけるAF処理についてさらに説明する。PJ内蔵電子カメラ10は、山登り方式と呼ばれる焦点検出方式を用いて投影光学系221によるオートフォーカス調節を行うため、投射部220からスクリーンに向けて投影を行いながらフォーカスレンズ(投影光学系221)を光軸方向に進退駆動させ、スクリーン上の投影像を撮像部120で繰り返し撮像する。
したがって、投射制御回路225は、上記AF処理時にLED光源223の駆動およびフォーカスレンズ(投影光学系221)の駆動の双方を行う。フォーカスレンズの駆動は、レンズ駆動部224内のDCモータ(不図示)をパルス駆動させて行う。パルス駆動のためにDCモータへ供給する電流は、たとえば、周波数60Hzでデューティ50%のパルス状電流とする。
一方、LED光源223へ供給する電流も、DCモータの駆動中は周波数60Hzでデューティ50%のパルス状電流とする。投射制御回路225は、DCモータへの駆動電流およびLED光源223への駆動電流のピーク値が重ならないように、両者の位相を180度ずらす。この理由は、投射部220におけるピーク時消費電流を抑え、電源回路108(換言すれば電池109)の負荷を軽減するためである。
LED光源223をパルス駆動することによって投影像が点滅するが、点滅周波数が60Hzであることから、投影像を観察するユーザーはちらつきなどの不快感を感じない。投射制御回路225は、フォーカスモータを駆動しない(DCモータへパルス電流を供給しない)期間にはLED光源223へ供給する電流を直流電流に戻す。
なお、LED光源223の駆動および撮像部120のフォーカスレンズの駆動の双方を行う場合も同様に行う。すなわち、ステップS55のAF処理時に撮影光学系121のフォーカスレンズを所定位置へ移動させる際に、撮影制御回路124は、フォーカスレンズ(撮影光学系121)を駆動するレンズ駆動部123内のDCモータ(不図示)へ周波数60Hz、デューティ50%のパルス状電流を供給する。CPU101は、撮像部120内のDCモータへの駆動電流、およびLED光源223への駆動電流のピーク値が重ならないように、撮影制御回路124および投射制御回路224を制御する。
チェック処理の詳細について、図8に示すフローチャートを参照して説明する。図8のステップS81において、CPU101は、測光装置112からの輝度情報に基づいて周囲の明るさを検出し、ステップS82へ進む。
ステップS82において、CPU101は明るさが所定値以下か否かを判定する。CPU101は、明るさが所定値(たとえば、投射部220による最大投射輝度時の明るさの1/3に相当)以下の場合にステップS82を肯定判定してステップS83へ進み、明るさが所定値を超えている場合にはステップS82を否定判定してステップS87へ進む。ステップS87へ進む場合は、周囲が明るすぎて投影に適さない場合である。
ステップS83において、CPU101は姿勢OKか否かを判定する。CPU101は、姿勢センサ111からの検出信号に基づくPJ内蔵電子カメラ10の載置姿勢が所定の傾き範囲(たとえば、水平方向に対して前後左右のいずれも±10度)内、または載置姿勢が絶えず変化している(持ち運びしている)場合にステップS83を肯定判定してステップS84へ進み、検出姿勢が所定の傾き範囲を超えている場合にはステップS83を否定判定してステップS87へ進む。ステップS87へ進む場合は、投影像の観察者に不快感を与えるおそれがある場合である。
ステップS84において、CPU101は温度OKか否かを判定する。CPU101は、温度センサ113からの温度検出信号に基づく投射部220近傍の機内温度が所定温度(たとえば、60℃)以下の場合にステップS84を肯定判定してステップS85へ進み、機内温度が所定温度を超えている場合にはステップS84を否定判定してステップS92へ進む。ステップS92へ進む場合は、投射部220の放熱が適切に行われていない場合である。
ステップS85において、CPU101は投影停止中か否かを判定する。CPU101は、後述するステップS88により光像の投影を停止している場合にステップS85を肯定判定してステップS86へ進み、光像を投影中の場合にはステップS85を否定判定して図8による処理を終了する(図6へ戻る)。なお、投影停止はステップS88による停止であって、全押しスイッチの長押し操作に応じた一時停止(図7のステップS64)を含まないものとする。また、投影開始前の場合にもステップS85を否定判定する。
ステップS86において、CPU101は投影動作を再開させる。具体的には上述した一時停止解除(図7のステップS63)と同様に、LED光源223および液晶パネル222への通電を再開させて図8による処理を終了する(図6へ戻る)。これにより、投射部220から光像の投影が自動的に再開される。
ステップS82もしくはステップS83を否定判定して進むステップS87において、CPU101は投影中か否かを判定する。CPU101は、投射部220から光像を投影中の場合にステップS87を肯定判定してステップS88へ進み、光像を投影していない場合にはステップS87を否定判定してステップS89へ進む。
ステップS88において、CPU101は投影動作を停止させる。具体的には上述した一時停止(図7のステップS64)と同様に、LED光源223および液晶パネル222への通電を停止させてステップS90へ進む。これにより、投射部220から光像が投影されなくなる。
ステップS90において、CPU101は液晶表示器104にメッセージを表示させて図8による処理を終了する(図6へ戻る)。メッセージ内容は、たとえば「投影を一時停止しました。」とする。さらに、ステップS82を否定判定した場合は「明るすぎます。」、ステップS83を否定判定した場合は「カメラが傾いています。」などのメッセージ表示をそれぞれ加えて、ユーザーに対処を促してもよい。
ステップS87を否定判定して進むステップS89において、CPU101は投影開始前か否かを判定する。CPU101は、ステップS4(図4)による投影開始前であればステップS89を肯定判定してステップS93へ進み、投影開始後であればステップS89を否定判定してステップS91へ進む。
ステップS91において、CPU101は、投影停止後所定時間が経過しているか否かを判定する。CPU101は、ステップS88による投影停止から所定時間(たとえば3分)が経過した場合にステップS91を肯定判定してステップS92へ進み、所定時間が経過していない場合にはステップS91を否定判定して図8による処理を終了する(図6へ戻る)。
ステップS92において、CPU101は液晶表示器104にメッセージを表示させるとともに、投影処理(図6および図8)を終了させる。メッセージ内容は、たとえば「投影を終了しました。」とする。さらに、ステップS82を否定判定している場合は「明るすぎます。」、ステップS83を否定判定している場合は「カメラが傾いています。」、ステップS84を否定判定している場合は「放熱して下さい。」などのメッセージ表示をそれぞれ加えて、ユーザーに対処を促してもよい。ステップS92による終了は、液晶表示器104によるメッセージ表示を残して電源回路108から各部への通電を終了させるパワーオフである。パワーオフ後のCPU101は、メインスイッチ22から操作信号が入力されると、図6の処理を再び起動する。
ステップS89を肯定判定して進むステップS93において、CPU101は液晶表示器104にメッセージを表示させて図8による処理を終了する(図6へ戻る)。メッセージ内容は、たとえば「投影の準備をして下さい。」とする。
以上説明した第一の実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)PJ内蔵電子カメラ10のボディ中央上部に温度が上昇する部材(LED光源223、冷却ブロック230および通気孔24)を配設したので、ユーザーが温度上昇箇所に触れにくい構成にすることができる。
(2)長方形状の薄板基板251上にLED光源223を実装するので、折り曲げ加工された基板上に実装する場合に比べて作業性が向上する。
(3)冷却ブロック230をカメラボディ端部に配設したので、ファン231による吸排気を効率よく行える。
(4)放熱部材232に曲面を設け、吸気流がこの曲面に沿って放熱部材232を冷却しながら上方へ進路を変えるようにしたので、熱交換によって温度上昇した気流を滞留させることなく、カメラボディ上面の通気孔24から排出できる。
(5)基板251で発生した熱を冷却ブロック230へ熱伝導させることに加えて、液晶表示器104(図3)の金属製バックパネル部材やレンズ駆動用DCモータのブロック部材へも熱伝導させるようにしたので、効率よく放熱できる。
(6)LED光源223を撮影補助光および投影光の発光に兼用する構成にしたので、LED光源を別々に設ける場合に比べてコストを低減できる。
(7)撮影補助光はPBSブロック228を経由しないで射出する構成にしたので、PBSブロック228を経由する場合に比べてロスが少なく、ガイドナンバーを大きくすることができる。
(8)PBSブロックに液晶パネル222を直接接着したので、液晶パネル222のカバーガラスを省略でき、小型化および構造の簡略化に効果が得られる。また、直接接合によって両者間に空気層が介在せず、反射防止用のARコートを施さなくても空気層とガラス材(PBS)との界面で生じる反射(通常4%程度)を抑えることができる。この結果、投影光のロスが減り、明るい投影像が得られる。さらに、直接接合時には相対する面を押し当てるだけでよく、空気層を介在させる場合に必要な相対する面の間隔を調整する作業が不要であり、組み立て作業工数を低減できる。加えて、液晶パネル222にカラーフィルターを備えた単板式でカラー画像を生成する方式のため、いわゆる三板式の場合に比べて強固な接合を必要とせず、組み立て作業が容易である。
(9)PBSブロックの面228bに無反射処理を施したので、迷光を抑えて高品質の投影像が得られる。
(10)投影環境の明るさが所定値より明るい場合(ステップS82を否定判定)、投影中であれば投影を停止する(ステップS88)ようにしたので、投影像の観察に適さない明るい場所で無駄な投影を行うことを防止できる。
(11)PJ内蔵電子カメラ10の載置姿勢が所定の傾き範囲を超えている場合(ステップS83を否定判定)、投影中であれば投影を停止する(ステップS88)ようにしたので、投影像が傾いて観察者に不快感を与えたり、投影光が机などの載置平面でけられたりする場合の無駄な投影を防止できる。
(12)投影停止(ステップS88)後にメッセージを液晶表示器104に表示したので、ユーザーに対処を促せる。
(13)投影停止後所定時間内に所定の明るさおよび所定の載置姿勢になれば自動的に投影を再開(ステップS86)するので、投影開始操作をやり直す場合に比べて使い勝手がよい。
(14)投影停止後所定時間が経過後(ステップS91を肯定判定)は投影処理を終了(パワーオフ)させるので(ステップS92)、誤操作などでユーザーの意図に反して投影が開始された場合に無駄な通電が継続されてしまうことが防止される。また、メッセージを液晶表示器104に表示したので、投影終了(パワーオフ)したことがユーザーに報知される。
(15)機内温度が所定温度より高い場合(ステップS84を否定判定)にも投影処理を終了(パワーオフ)させるので(ステップS92)、放熱が適切に行われない状態で通電が継続されてしまうことが防止される。また、メッセージを液晶表示器104に表示したので、パワーオフしたことがユーザーに報知される。
(16)オートフォーカス(AF)処理時にレンズ駆動部224内のDCモータをパルス駆動(周波数60Hzでデューティ50%)させ、LED光源223も同じ周波数、同じデューティでパルス駆動させるとともに、両者を駆動するパルス電流の位相を180度ずらして相補駆動した。これにより、投射部220におけるピーク時消費電流を抑え、電池109の寿命を長くすることができる。
(変形例1)
LED光源223およびDCモータへ供給するパルス状電流の周波数は、両者が同じであれば60Hzでなくてもよく、観察者にちらつきを感じさせない範囲で適宜変更してよい(たとえば50Hz)。また、デューティは必ずしも50%でなくてもよいが、LED光源223への駆動電流とDCモータへの駆動電流とのピーク値が重ならないように両者の位相を制御する。たとえば、LED光源223への供給電流のデューティを55%とする場合、DCモータへ供給する電流のデューティを45%以下とし、両パルス電流が相補関係を有するように制御する。
(変形例2)
AF処理時における液晶パネル222の駆動をLED光源223の駆動タイミングに同期させてもよい。すなわち、LED光源223へパルス状電流を供給するタイミングで液晶パネル222にもパルス状の電源供給を行う。
(変形例3)
レンズ駆動用DCモータがフォーカスレンズを進退移動させる際に、LED光源223へ供給するパルス状電流とレンズ駆動用DCモータへ供給するパルス状電流との間に相補関係を持たせる例を説明したが、レンズ駆動用DCモータがズームレンズを進退移動させる場合も同様にするとよい。
(変形例4)
上述した相補関係を有するパルス駆動は、LED光源223とレンズ駆動用DCモータとの間の他に、LED光源223と液晶表示器104との間、LED光源223と外部インターフェイス(I/F)107との間、LED光源223と記録媒体へのアクセスを行う回路との間などに適用しても構わない。また、キセノンランプなどの放電型光源を用いた閃光発光装置をPJ内蔵電子カメラ10に内蔵する場合には、閃光発光用のメインコンデンサを充電する回路とLED光源223との間にも、相補関係をもってパルス駆動を行うとよい。
(変形例5)
投影停止する(ステップS88)前に投影停止を予告するメッセージを投影像に重畳させ、重畳開始から所定時間後(たとえば1分経過後)に投影停止を行ってもよい。
(変形例6)
明るさ検出(ステップS81)は、撮像部120による撮像信号に基づいて行う構成にしてもよい。この場合には、CPU101が撮影制御回路124へ撮像部オンを指示するとともに、撮像部120で撮像される画像信号(撮像画像のうちスクリーン以外の被写体に対応する信号)から明るさ情報を取得する。
(変形例7)
外部インターフェイス(I/F)107は、たとえばUSBケーブルを介して有線通信を行うものであってもよいし、無線送受信機を介して無線通信を行うものであってもよい。
(変形例8)
図9は、変形例8によるPJ内蔵電子カメラ10Aを前方から見た図である。図1と共通の構成要素には、共通の符号を記して説明を省略する。本変形例では、カメラ筐体のうち投射モジュールを収容する部分が水平方向にスライド可能に構成され、投影モード時に図9に示す位置へスライド移動される。PJ内蔵電子カメラ10Aから投射モジュールへは、不図示のハーネスを介して基板251上のLED223へ駆動電流等が供給される。
上記カメラ筐体の一部がスライド移動すると筐体本体にはモジュールガイド面25が露出し、放熱面積が広がる。さらに、モジュールガイド面25にはスライド移動したカメラ筐体の一部と嵌合するレールが形成されており、平面状に形成される場合に比べて表面積が広い。これらにより、PJ内蔵電子カメラ10Aは、投射モジュール側からカメラ筐体へ伝導した熱を放熱しやすくなる。
一方、スライド移動した投射モジュール側は、その基板251が背面側に露出して、LED光源223から発生した熱を放熱しやすくなる。また、モジュールガイド面25のレールと嵌合するように構成され、熱伝導性を有する嵌合部材252cが蓋部材252の底に接合される。嵌合部材252cも平面状に形成される場合に比べて表面積が広いため、投射モジュール側による熱の放熱もしやすくなる。
(第二の実施形態)
第二の実施形態による投射部220の光学系配置の詳細について、図10および図11を参照して説明する。図10は、投射部220の光学系を上から見た平面図であり、図11は、図10の光学系を前から見た正面図である。第二の実施形態では、投影光および撮影補助光が共通の光学系から射出される。投影光を射出する場合、液晶パネル222は光像を生成するように駆動される。撮影補助光を射出する場合、液晶パネル222は必要とされる照明光量に応じて当該液晶層の透過率が制御される。
図10および図11によれば、第一の実施形態(図4および図5)に比べて、ミラーM1および照明光学系229が省略される点、および冷却ブロック230に代えて放熱部材270が配設される点がとくに異なる。第一の実施形態と共通の構成要素には、共通の符号を記して説明を省略する。
長方形の金属製薄板をL型に折り曲げ加工したアルミ基板261上に、LED223が実装される。LED223からの光は、ミラーを用いずに右方向へ進むように構成される。基板261上に集光光学系226およびPBSブロック228が接着される点は第一の実施形態と同様である。
上記基板261上の各部材を覆うように、アルミ板を板金曲げ加工した蓋部材262が配設される。蓋部材262には開口262aが設けられ、この開口262aに投影光学系221(照明光学系を兼ねる)が配設される。
放熱部材270は、アルミ基板261上のLED光源223の実装面と反対側の面に熱伝導性よく面接合される。放熱部材270は、たとえば、立方体状のアルミブロックの一部を切削加工してフィンを形成したものである。
図12は、図10および図11に説明した投射モジュールを搭載するPJ内蔵電子カメラ10Bの側面図である。図12(a)は投射部220を格納位置へ移動させた状態を示す図であり、図12(b)は投射部220を使用位置へ移動(ポップアップ)させた状態を示す図である。
PJ内蔵電子カメラ10Bは、撮影モードで起動されている状態(メインスイッチオン)で投射部220が使用位置へポップアップされると撮影補助光の発光が可能にされる。また、PJ内蔵電子カメラ10Bは、メインスイッチがオフされている状態で投射部220が使用位置へポップアップされると、投影モードで起動して投影光の発光が可能にされる。投射部220の収納状態/ポップアップ状態を検知するため、PJ内蔵電子カメラ10Bには投射部220の移動に連動してオン/オフする不図示のマイクロスイッチが内蔵されている。
図12(b)において、使用位置へポップアップされた投射モジュールは、非ポップアップ時に比べて高い位置から投影光を射出する。放熱部材270には熱伝導性のよい材料で構成された蛇腹271が配設されており、蛇腹271を介してPJ内蔵電子カメラ10Bの筐体へ熱を伝える。これにより、投射モジュールで発生した熱は、放熱部材270だけでなく、蛇腹271およびカメラ筐体からも放熱される。
以上説明した第二の実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)PJ内蔵電子カメラ10Bのボディ中央上部のポップアップ部に温度が上昇する部材(LED光源223、放熱部材270)を配設したので、ユーザーが温度上昇箇所に触れにくい構成にすることができる。
(2)投射モジュールを使用位置へポップアップすると非ポップアップ時に比べて露出面積が広くなるので、放熱面積を広くすることができる。さらに、熱伝導性を有する蛇腹271を介してカメラ筐体へ熱を伝導させたので、効率よく放熱できる。蛇腹271は投射部220が使用位置にあっても格納位置にあっても熱を伝導するため、投影終了後直ちに投射部220を格納位置へ移動させても放熱を継続できる。
(3)投射モジュールを使用位置へポップアップさせることにより、PJ内蔵電子カメラ10Bが載置されるテーブル(不図示)などの平面から投影光学系221までの高さを稼ぐことができる。投影光学系221の位置(投影光束の射出口)を高くすることにより、投影光束の一部がレンズ鏡筒や載置平面でけられるおそれが少なくなる。
(4)投影光学系221を照明光学系にも兼用する構成にしたので、光学系を別々に設ける場合に比べてコストを低減できる。
(変形例9)
投射モジュールの放熱部材270およびLED光源223と、集光光学系226およびPBSブロック228等とを離した構成にしてもよい。図13は、変形例9による投射モジュールを搭載するPJ内蔵電子カメラ10Cの側面図である。図13(a)は投射部220を格納位置へ移動させた状態を示す図であり、図13(b)は投射部220を使用位置へ移動(ポップアップ)させた状態を示す図である。
図13(b)において、ポップアップ部には集光光学系226およびPBSブロック228等が含まれる。温度が上昇する部材(LED光源223、放熱部材270)はポップアップ部に含めず、PJ内蔵電子カメラ10Cのボディ中央上部へとどめて、ユーザーが触れにくい位置に配設する。
放熱部材270と液晶表示器104(図3)の金属製バックパネル部材104Bとの間を、熱伝導部材272を介して熱伝導させる。この結果、放熱部材270だけでなく、金属製バックパネル部材104Bからも効率よく放熱できる。
(変形例10)
投射モジュールの投影光学系と、その他の部材とを離した構成にしてもよい。図14は、変形例10による投射モジュールを搭載するPJ内蔵電子カメラ10Dの側面図である。図14(a)は投射部220を格納位置へ移動させた状態を示す図であり、図14(b)は投射部220を使用位置へ移動(ポップアップ)させた状態を示す図である。
図14(b)において、ポップアップ部には投影光学系を兼ねるミラーM2が含まれる。ポップアップ状態でミラーM2の位置(すなわち投影光束の射出口)を高くすることにより、投影光束の一部がレンズ鏡筒や載置平面でけられるおそれが少なくなる。温度が上昇する部材(LED光源223や冷却ブロック230(第一実施形態と同様)等)はポップアップ部に含めず、PJ内蔵電子カメラ10Dのボディ中央上部へとどめて、ユーザーが触れにくい位置に配設する。
ポップアップした状態では非ポップアップ時に比べて冷却気流が流れやすい。冷却ブロックは、PJ内蔵電子カメラ10Dの前面に設けられている通気孔(不図示)から吸気する。冷却気流は、図中矢印で示すように冷却しながら進路を上方に変え、PJ内蔵電子カメラ10Dの上面に設けられている通気孔(不図示)から排気される。この通気孔は、投射部220のポップアップによって露出するように設けられている。
(第三の実施形態)
図15は、図10および図11に説明した投射モジュールを搭載するPJ内蔵電子カメラ10Eの正面図である。図15によれば、撮影レンズ11を挟んでレリーズボタン14(グリップ部G)と反対側に位置するカメラ筐体の端部に投射部220(破線で示す)が収容され、当該筐体端部(投射部220を収容している部分)がスライドカバー26で覆われている。
図16は、図15のPJ内蔵電子カメラ10Eの投射部220が使用可能にされた状態を表す図であり、図16(a)は上面図、図16(b)は正面図、図16(c)は底面図である。スライドカバー26が図15に示す収納状態から右方向へ引き出されることにより、スライドカバー26で覆われていたカメラ筐体の端部が露出し、露出した筐体端部の正面に投影光学系221が現れる。
PJ内蔵電子カメラ10Eは、撮影モードで起動されている状態(メインスイッチオン)でスライドカバー26が引き出し操作されると、投射部220から撮影補助光の発光が可能とされる。また、PJ内蔵電子カメラ10Eは、メインスイッチがオフされている状態でスライドカバー26が引き出し操作されると、投影モードで起動して投射部220から投影光の発光が可能にされる。スライドカバー26の収納状態/引き出し状態を検知するため、PJ内蔵電子カメラ10Eにはスライドカバー26の移動に連動してオン/オフする不図示のマイクロスイッチが内蔵されている。
引き出されたスライドカバー26内には空間Sが伸張形成され、冷却気流の通路となる。冷却気流の流路とするために、少なくとも空間Sの対向する2面に通気孔が設けられている。図16によれば、冷却気流はスライドカバー26の底面に設けられているスリット26bおよびスライドカバー26の正面下部に設けられているスリット26fからスライドカバー26内へ入り、スライドカバー26内を上方へ進み、スライドカバー26の上面に設けられているスリット26tから排出される。
図16(b)においてPJ内蔵電子カメラ10Eの筐体側面のうち黒く記した部位は、投射部220の発熱によってとくに温度上昇する部位を示す。この筐体側面にはLED光源223で発生した熱が伝導される放熱部材270が内部から接合されている。PJ内蔵電子カメラ10Eは上記筐体側面の外側へ熱を放熱するため、当該筐体側面の外側にフィン27を設け、スライドカバー26内を上方へ進む冷却気流による冷却効果を高めている。
さらに、冷却気流が上記温度上昇部位の近傍を通過する際の流速を速めるために、伸張形成された空間Sのうち、温度上昇部位近傍の空間30aを狭める弾性部材30がスライドカバー26内に配設されている。弾性部材30はプラスチック部材や薄い金属板などで構成され、スライドカバー26が図15に示す収納状態にされている場合は押し縮められているが、スライドカバー26が図16(b)に示す引き出し状態にされると破線で示す形状に膨らむように構成される。
以上説明した第三の実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)レリーズボタン14(グリップ部G)と反対側に位置するPJ内蔵電子カメラ10Eのボディ端部(前面向かって右)に、カメラ筐体内部から筐体側面に接するように温度が上昇する部材(LED光源223および放熱部材270)を配設し、当該筐体側面の外側をスライドカバー26で覆うようにした。これにより、ユーザーが温度上昇箇所に触れにくい構成にすることができる。
(2)スライドカバー26を収納状態と引き出し状態との間で摺動可能に構成し、収納状態ではスライドカバー26が投影光学系221を覆うようにしたので、投影光学系221の保護部材として用いることもできる。
(3)スライドカバー26を引き出した状態で投射部220を発光可能にするとともに、引き出したスライドカバー26内に空間Sを形成して冷却気流の流路を確保した。これにより、ユーザーが温度上昇箇所に触れにくい構成にすることができる。また、スライドカバー26の底面のスリット26bに加えてスライドカバー26の正面下部にもスリット26fを設けたので、PJ内蔵電子カメラ10Eを平面に載置した場合でも、冷却気流の進入路が確保される。
(4)PJ内蔵電子カメラ10Eが上記筐体側面の外側からスライドカバー26内の空間Sへ熱を放熱するため、当該筐体側面の外側にフィン27を設ける。さらに、冷却気流が上記温度上昇箇所を通過する際の流速を速めるため、温度上昇箇所近傍の空間30aを狭める弾性部材30をスライドカバー26内に配設したので、放熱効果を高めることができる。
(5)スライドカバー26を除くカメラ筐体を防水構造とすれば、スライドカバー26の移動状態にかかわらずカメラ筐体内の防水性を維持できる。
上記説明では、スライドカバー26の底面スリット26bと別にスライドカバー26の正面下部にスリット26fを設ける例を説明したが、スライドカバー26の側面下部もしくは背面下部にスリットを設ける構成としてもよい。
(変形例11)
カバーを引き出す代わりに、カバー内部の投射部収容部を引き出す構成にしてもよい。図17は、変形例11によるPJ内蔵電子カメラ10Fの正面図である。図17によれば、電子カメラボディの端部(前面向かって右)に、投射部220(破線で示す)を収容したPJ部28が収納されている。
図18は、図17のPJ内蔵電子カメラ10Fの投射部220が使用可能にされた状態を表す図であり、図18(a)は上面図、図18(b)は正面図、図18(c)は底面図である。PJ部28が図17に示す収納状態から右方向へ引き出されることにより、カメラボディで覆われていたPJ部28が露出し、露出したPJ部28の正面に投影光学系221が現れる。
PJ内蔵電子カメラ10Fは、撮影モードで起動されている状態(メインスイッチオン)でPJ部28が引き出し操作されると、投射部220から撮影補助光の発光が可能とされる。また、PJ内蔵電子カメラ10Fは、メインスイッチがオフされている状態でPJ部28が引き出し操作されると、投影モードで起動して投射部220から投影光の発光が可能にされる。PJ部28の収納状態/引き出し状態を検知するため、PJ内蔵電子カメラ10FにはPJ部28の移動に連動してオン/オフする不図示のマイクロスイッチが内蔵されている。
PJ部28が引き出されるとカメラ筐体内には空間Sが伸張形成され、冷却気流の通路となる。冷却気流の流路とするために、少なくとも空間Sの対向する2面に通気孔が設けられている。図18によれば、冷却気流は筐体端部の底面に設けられているスリット26bおよび当該筐体端部の正面下部に設けられているスリット26fからカメラ筐体内へ入って上方へ進み、当該筐体端部の上面に設けられているスリット26tから排出される。
図18(b)においてPJ部28の側面のうち黒く記した部位は、投射部220の発熱によってとくに温度上昇する部位を示す。このPJ部28の側面にはLED光源223で発生した熱が伝導される放熱部材270が内部から接合されている。PJ内蔵電子カメラ10Fは上記PJ部28の側面の外側へ熱を放熱するため、当該PJ部側面の外側にフィン27を設け、カメラ筐体内を上方へ進む冷却気流による冷却効果を高めている。
さらに、冷却気流が上記温度上昇部位の近傍を通過する際の流速を速めるために、伸張形成された空間Sのうち、温度上昇部位近傍の空間30aを狭める弾性部材30がカメラ筐体内に配設されている。弾性部材30は、PJ部28が図17に示す収納状態にされている場合は押し縮められているが、PJ部28が図18(b)に示す引き出し状態にされると破線で示す形状に膨らむように構成される。
(変形例12)
第三の実施形態および変形例では、それぞれスライドカバー26およびPJ部28を引き出すことによって冷却気流の通路とする空間Sを作るようにしたが、引き出し状態のまま固定させておき、常に放熱空間を確保しておくように構成してもよい。
(変形例13)
図15〜図18に示したPJ内蔵電子カメラ10では、冷却気流の通路である空間Sの高さをPJ内蔵電子カメラ10本体の高さと同じにした。この場合、PJ内蔵電子カメラ10を立てた状態で置くと、空間Sの底面から冷却気流を取り込むことが難しい。そのため空間Sの正面下部にスリット26fを設けている。本変形例では、冷却気流を効率的に取り込むために、PJ内蔵電子カメラ10本体の底面よりも空間Sの底面が少し上になるような構造にする。このような構造にすると、カメラを立てて置いた場合にも、空間Sの下に空間が存在するため、冷却気流を底面から取り入れることが容易になる。なお、空間Sを短くした場合、PJ内蔵電子カメラ10本体の投射部220が配置されている部分の形状は、空間Sに合わせて短くしても、短くしなくてもどちらでも構わない。
(第四の実施形態)
図19は、図10および図11に説明した投射モジュールを搭載するPJ内蔵電子カメラ10Kを前方から見た図である。PJ内蔵電子カメラ10Kの撮影光学系121は、カメラボディの前面から入射された被写体光束をカメラ内で折り曲げて撮像素子122へ導く屈折光学系である。このような屈折光学系を用いることにより、PJ内蔵電子カメラ10Kの前面と背面との間を薄く構成する。
図19によれば、撮像部120(破線で示す)が向かって右側に縦長に配設される。具体的には、撮影レンズ11(121)が前面右上に配設され、撮像素子122が右底面寄りに配設される。投射部220(破線で示す)は、PJ内蔵電子カメラ10Kのボディ中央(左右方向において中央)上端部に撮像部120と並べて配設される。投射部220の光学系は長手方向を横にして配設され、その温度が上昇する部材(LED光源223、放熱部材270)はボディ上端部であって、投影光学系221より左右方向において中央寄りに位置する。レリーズボタン14は、PJ内蔵電子カメラ10Kのボディの上端左部に配設されている。
以上説明した第四の実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)屈折タイプの撮影光学系121を有するPJ内蔵電子カメラ10Kの場合にも、ボディ中央上端部に温度が上昇する部材(LED光源223、放熱部材270)を配設したので、ユーザーがボディを把持してレリーズボタン14に指をかける場合に温度上昇箇所に触れにくい構成にすることができる。
(2)放熱部材270をカメラボディ上端部に配設したので、筐体に放熱孔を設けることによってさらに放熱効果を高めることができる。
(変形例14)
図20は、屈折タイプの撮影光学系121を有する他のPJ内蔵電子カメラ10Lを説明する図である。図20において、撮像部120(破線で示す)が向かって右側に縦長に配設される点は図19の場合と同様である。投射部220(破線で示す)は、PJ内蔵電子カメラ10Lのボディ中央(左右方向において中央)部に撮像部120と並べて配設される。投射部220の光学系は長手方向を縦にして配設され、その温度が上昇する部材(LED光源223、放熱部材270)はボディ中央部であって、投影光学系221より中心寄りに位置する。
なお、キセノンランプなどの放電型光源を用いた閃光発光装置をPJ内蔵電子カメラ10Lに内蔵する場合は、投影光学系221に並べて光照射窓35を配設する。光照射窓35の位置を撮影レンズ11(121)から離し、ユーザーの指が触れにくい位置とすることができる。
変形例14によれば、屈折タイプの撮影光学系121を有するPJ内蔵電子カメラ10Lのボディ中央部に温度が上昇する部材(LED光源223、放熱部材270)を配設したので、ユーザーがボディを把持してレリーズボタン14に指をかける場合に温度上昇箇所に触れにくい構成にすることができる。
(変形例15)
図21は、屈折タイプの撮影光学系121を有する他のPJ内蔵電子カメラ10Mを説明する図である。図21によれば、撮像部120(破線で示す)がPJ内蔵電子カメラ10Mのボディ中央(左右方向において中央)部に横長に配設される。具体的には、撮影レンズ11(121)が前面中央に配設され、撮像素子122が前面左寄りに配設される。投射部220(破線で示す)は、PJ内蔵電子カメラ10Mのボディ中央上端部に配設される。投射部220の光学系は長手方向を横にして配設され、その温度が上昇する部材(LED光源223、放熱部材270)はボディ上端部であって、投影光学系221より左右方向において中央寄りに位置する。
変形例15によれば、屈折タイプの撮影光学系121を有するPJ内蔵電子カメラ10Mのボディ中央上端部に温度が上昇する部材(LED光源223、放熱部材270)を配設したので、ユーザーがボディを把持してレリーズボタン14に指をかける場合に温度上昇箇所に触れにくい構成にすることができる。
(変形例16)
図22は、屈折タイプの撮影光学系121を有する他のPJ内蔵電子カメラ10Nを説明する図である。図22において、撮像部120(破線で示す)がPJ内蔵電子カメラ10Nのボディ中央(左右方向において中央)部に横長に配設される点は図21の場合と同様である。投射部220(破線で示す)は、PJ内蔵電子カメラ10Nのボディ側端部に配設される。投射部220の光学系は長手方向を縦にして配設され、その温度が上昇する部材(LED光源223、放熱部材270)はボディ側端部(レリーズボタン14と反対側)であって、投影光学系221より上下方向において中央寄りに位置する。
なお、キセノンランプなどの放電型光源を用いた閃光発光装置をPJ内蔵電子カメラ10Nに内蔵する場合は、投影光学系221に並べて光照射窓35Aを配設する。光照射窓35Aの位置を撮影レンズ11から離し、ユーザーの指が触れにくい位置とすることができる。
変形例16によれば、屈折タイプの撮影光学系121を有するPJ内蔵電子カメラ10Nのボディ側端部に温度が上昇する部材(LED光源223、放熱部材270)を配設したので、ユーザーがボディを把持してレリーズボタン14に指をかける場合に温度上昇箇所に触れにくい構成にすることができる。
以上説明した第四の実施形態および変形例14〜変形例16において、投射部220の配設位置に応じて、投影画像信号を処理する回路(たとえば、CPU101から投射制御回路225へ送られる画像データの経路およびその信号処理回路)を投射部220の近傍に配設するのが好ましい。投影画像信号ラインを短くすることにより、撮像信号など他の信号ラインとの間の干渉を抑え、信号に重畳するノイズを低減することができる。
(第五の実施形態)
投射部220による投影方向を、撮影レンズ11による撮影方向と異ならせてもよい。図23は、図10および図11に説明した投射モジュールを搭載するPJ内蔵電子カメラ10Gを例示する図であり、図23(a)は正面図、図23(b)は側面図である。図23に例示するPJ内蔵電子カメラ10Gは一眼レフタイプであり、カメラ筐体の正面のレンズマウント(不図示)に撮影レンズ11が装着される。カメラ筐体内に投射部220(破線で示す)が収容され、カメラ筐体の側面であって、撮影レンズ11を挟んでグリップ部G側の側面と反対側の面に投影光学系221が位置する。なお、撮影レンズ11がカメラ筐体から外れないタイプのカメラで構成しても構わない。
PJ内蔵電子カメラ10Gは、投影モードで起動されている状態(メインスイッチオン)で投影光の発光が可能にされ、撮影モードで起動されている状態(メインスイッチオン)では投影光の発光が禁止される。
図23(b)において、投射部220のうち温度が上昇する放熱部材270と液晶表示器104(図3)の金属製バックパネル部材104Bとの間を、熱伝導部材272を介して熱伝導させる。
PJ内蔵電子カメラ10Gは、撮影レンズ11を下にした臥せ位置姿勢でも投影可能に構成される。図24によれば、レンズキャップ11Cの外径が撮影レンズ11の口径より十分大きく形成されており、臥せ位置姿勢における載置面積を撮影レンズ11の口径面積より広くとれる。これにより、焦点距離が長い交換式の撮影レンズ11がPJ内蔵電子カメラ10Gに装着されている場合でも、平面上での載置姿勢が安定する。
PJ内蔵電子カメラ10GのCPU101は、姿勢センサ111からの姿勢検出信号に基づいて図23の載置姿勢か、あるいは図24の載置姿勢かを判定する。CPU101はさらに、判定した載置姿勢に応じてメモリ102上で画像データを回転させた上で、回転処理後の画像データを投射部220へ送出する。
以上説明した第五の実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)投射部220からの投影方向をPJ内蔵電子カメラ10Gのボディ側面の方向にしたので、カメラボディの正面に焦点距離が長い撮影レンズ11が装着されている場合であっても、レンズ鏡筒によって投影光束の一部がけられるおそれがない。
(2)投射部220からの投影方向をボディ側面の方向にしたので、ユーザーが投射部220側のボディ側面を把持する場合に投影光がユーザーの手で遮られる。このため、投影中に投射部220側のボディ側面を持たないようにユーザーに促し、ユーザーが温度上昇箇所に触れにくい構成にすることができる。
(3)上記ボディ側面はグリップ部G側の側面と反対側の面にしたので、ユーザーがボディ側面を把持する場合に投影光がユーザーの手で遮られるおそれを少なくできる。なお、PJ内蔵電子カメラ10Gを平面上に載置した状態で投射部220に投影させることを前提とする場合は、投射部220をいずれのボディ側面に配置し、側方に投射しても構わない。
(4)PJ内蔵電子カメラ10Gの筐体内部から筐体側面に接するように温度が上昇する部材(LED光源223および放熱部材270)を配設したので、カメラ筐体からも筐体の外側へ放熱させることができる。
(5)熱伝導性を有する部材272を介して放熱部材270から金属製バックパネル部材104Bへ熱を伝えるようにしたので、金属製バックパネル部材104Bからも効率よく放熱できる。
(6) 撮影レンズ11の口径面積よりその外径面積を十分広く構成した保護部材(レンズキャップ11C)を撮影レンズ11につけたので、撮影レンズ11を下にした臥せ位置姿勢でPJ内蔵電子カメラ10Gの載置姿勢を安定させることができる。これにより、傾斜面にも安定した載置が可能になる。
(7)姿勢を検出して画像回転処理を行い、回転処理後の画像を投射部220から投影するようにしたので、上記臥せ位置姿勢からも正しい向きの正立像を自動的に投影することができる。
(変形例17)
図23の載置姿勢の場合、焦点距離が長い撮影レンズ11が装着されているとPJ内蔵電子カメラ10Gが前面側(撮影レンズ11側)へ傾くことがある。この場合のPJ内蔵電子カメラ10Gの傾きを補正するため、保護部材(レンズキャップ11D)を用いてPJ内蔵電子カメラ10Gの載置姿勢を安定させる。図25(a)は、レンズキャップ11Dおよび撮影レンズ11を装着したPJ内蔵電子カメラ10Gを例示する図であり、図25(a)は正面図、図25(b)は側面図である。
図25によれば、レンズキャップ11Dの外径中心が撮影レンズ11の口径中心と異なるように偏心されている。撮影レンズ11に装着されているレンズキャップ11Dを撮影レンズ11の中心の周りに回転させることにより、撮影レンズ11の鏡筒とPJ内蔵電子カメラ10Gを載置している平面との間隔が調節される。
変形例17によれば、焦点距離が長い撮影レンズ11がPJ内蔵電子カメラ10Gに装着されている場合でも、平面上での載置姿勢を安定させることができる。また、レンズキャップ11Dによって投影光束の一部がけられることもない。
(変形例18)
図26は、PJ内蔵電子カメラ10Gの傾きを補正する他の例を説明する図である。図26(a)は、メモリホルダ31で支持されるPJ内蔵電子カメラ10Gを例示する全体図、図26(b)は側面図である。
図26(a)において、カメラストラップ34にメモリホルダ31が装着されている。図26(b)において、メモリホルダ31は三角柱状に形成され、紙面と垂直な方向に貫通されたストラップ穴32が設けられている。メモリホルダ31は、くさび形状の底面が側面方向から見えるように三角柱を寝かせた状態で、撮影レンズ11の鏡筒とPJ内蔵電子カメラ10Gの載置平面との間に挿入される。なお、図26(b)ではストラップ34の図示を省略している。ストラップ穴32の隣には、予備のメモリカード150を収納するホルダ部33が設けられている。メモリホルダ31の面31aおよび31bは、滑り止め効果が得られるように表面が粗く加工される。
変形例18によれば、焦点距離が長い撮影レンズ11がPJ内蔵電子カメラ10Gに装着されている場合でも、平面上での載置姿勢を安定させることができる。撮影レンズ11の下にメモリホルダ31を挿入する深さを異ならせることにより、撮影レンズ11の鏡筒とPJ内蔵電子カメラ10Gを載置している平面との間隔を調節できる。また、メモリホルダ31によって投影光束の一部がけられることもない。
メモリホルダ31の代わりに、レンズキャップを収納するレンズキャップホルダ、もしくはリモコン送信機を収納するリモコンホルダ(いずれもくさび形状を有する構成とする)を用いてPJ内蔵電子カメラ10Gの載置姿勢を安定させてもよい。
また、レンズキャップの形状をくさび形状に構成し、当該レンズキャップのくさび形部分を撮影レンズ11の鏡筒とPJ内蔵電子カメラ10Gの載置平面との間に挿入する構成にしてもよい。さらにまた、PJ内蔵電子カメラ10Gの載置姿勢を安定させるために、専用のくさび形状部材を備える構成にしてもよい。この場合のくさび形状部材は、カメラストラップ34に取り付け可能に構成するのが好ましい。
(変形例19)
PJ内蔵電子カメラ10Gの載置姿勢を安定させるために、カメラボディの底面に引き出し自在の安定板を備える構成にしてもよい。図27は、PJ内蔵電子カメラ10Gの底面部に配設された水平安定板36を例示する側面図である。図27において、水平安定板36は連結された2枚の薄板部材で構成され、矢印方向に2段階の引き出しが可能に構成される。ユーザーは、PJ内蔵電子カメラ10Gの載置姿勢を安定させるために必要な量を引き出す(開く)。これにより、載置平面と接する面積が広がって載置姿勢が安定する。
水平安定板36を使用しない場合、当該水平安定板36はカメラボディ底面に沿って設けられたスロット(破線で示す)内に格納(閉じる)される。このスロット部(カメラ筐体)へ熱伝導性を有する部材272を介して放熱部材270からの熱を伝えるようにすれば、水平安定板36からも効率よく放熱できる。なお、スロット部と水平安定板36との間も熱伝導素材で接続しておく。
以上説明した変形例19によれば、焦点距離が長い撮影レンズ11がPJ内蔵電子カメラ10Gに装着されている場合でも、平面上での載置姿勢を安定させることができる。また、水平安定板36からも放熱させることができ、水平安定板36によって投影光束の一部がけられることもない。
(変形例20)
水平安定板を回動自在に構成してもよい。図28は、PJ内蔵電子カメラ10Gの底面内の直線(たとえば底面の1辺)を回動軸とするヒンジ部材(不図示)によって回動可能に支持される水平安定板36Aを例示する側面図である。図28において、水平安定板36Aは折り畳み状態(破線で示す)から矢印方向に180度回動されている。ユーザーは、PJ内蔵電子カメラ10Gの載置姿勢を安定させる場合に水平安定板36Aを回動させて開く。これにより、載置平面と接する面積が広がって載置姿勢が安定する。
水平安定板36Aを使用しない場合、当該水平安定板36Aはカメラボディ底面に沿うように折り畳まれて閉じる(破線で示す)。カメラボディの底面部へ熱伝導性を有する部材272を介して放熱部材270からの熱を伝えるようにすれば、水平安定板36Aからも効率よく放熱できる。なお、水平安定板36Aを支持するヒンジ部材を介して、カメラボディ底面から水平安定板36Aへ熱伝導するように構成されている。
以上説明した変形例20によれば、焦点距離が長い撮影レンズ11がPJ内蔵電子カメラ10Gに装着されている場合でも、平面上での載置姿勢を安定させることができる。また、水平安定板36Aからも放熱させることができ、水平安定板36Aによって投影光束の一部がけられることもない。
(変形例21)
PJ内蔵電子カメラ10Gの載置姿勢を安定させるために、カメラボディの側面に引き出し自在の安定板を備える構成にしてもよい。図29は、PJ内蔵電子カメラ10Gの側面部に配設された垂直安定板36Bを例示する図であり、図29(a)が上面図、図29(b)が側面図である。図29(a)および図29(b)において、垂直安定板36Bは2枚の連結された薄板部材で構成され、矢印方向に2段階の引き出しが可能に構成される。ユーザーは、PJ内蔵電子カメラ10Gの載置姿勢を安定させるために必要な量を引き出す(開く)。これにより、載置姿勢が安定する。
垂直安定板36Bを使用しない場合、当該垂直安定板36Bはカメラボディ側面に沿って設けられたスロット(図29(a)において破線で示す)内に格納(閉じる)される。このスロット部(カメラ筐体)へ熱伝導性を有する部材(不図示)を介して放熱部材270からの熱を伝えるようにすれば、垂直安定板36Bからも効率よく放熱できる。なお、スロット部と垂直安定板36Bとの間も熱伝導素材で接続しておく。
以上説明した変形例21でも、焦点距離が長い撮影レンズ11がPJ内蔵電子カメラ10Gに装着されている場合に、平面上での載置姿勢を安定させることができる。また、垂直安定板36Bからも放熱させることができ、垂直安定板36Bによって投影光束の一部がけられることもない。
(変形例22)
PJ内蔵電子カメラ10Gは、撮影モードなどの投影モード以外の動作モードにされている状態で水平安定板もしくは垂直安定板が引き出された場合(または回動された場合)、投影モードに切替えて投影光の発光を開始する構成にしてもよい。なお、水平安定板もしくは垂直安定板が引き出された状態(または回動された状態)を検知するため、上記引き出し(または回動)操作に連動してオン/オフする不図示のマイクロスイッチを内蔵しておく。この場合、水平安定板もしくは垂直安定板が格納されると投影光の発光を終了し、投影モードから投影モード以外の直近の動作モードに切替える。
変形例19〜変形例22において、PJ内蔵電子カメラ10Gは、メインスイッチがオフされている状態で水平安定板もしくは垂直安定板が引き出された場合(または回動された場合)、投影モードで起動して投影光の発光を開始してもよい。この場合、水平安定板もしくは垂直安定板が格納されると、投影を終了して電源オフ処理を行う。
(変形例23)
垂直安定板を回動自在に構成してもよい。図30は、PJ内蔵電子カメラ10Gの側面内の直線を回動軸とするヒンジ部材(不図示)によって回動可能に支持される垂直安定板37を例示する側面図である。図30(a)は垂直安定板37の折り畳み状態を示し、図30(b)は垂直安定板37の回動状態を示す。
変形例23の垂直安定板37は、カメラの筐体の開口部を閉鎖する蓋部材を兼ねている。開口部には投影光学系221および外部インターフェイス(I/F)107を構成するコネクタ等が配設されており、垂直安定板37が畳まれた状態(図30(a))では、これら投影光学系221等が垂直安定板37によって保護される。垂直安定板37が折り畳み状態から180度回動されると、図30(b)に示すように、垂直安定板37はPJ内蔵電子カメラ10Gの載置姿勢を安定させる。
カメラボディの側面部へ熱伝導性を有する部材を介して放熱部材270からの熱を伝えるようにすれば、垂直安定板37からも効率よく放熱できる。なお、垂直安定板37を支持するヒンジ部材を介して、カメラボディ側面から垂直安定板37へ熱伝導するように構成されている。
以上説明した変形例23によれば、焦点距離が長い撮影レンズ11がPJ内蔵電子カメラ10Gに装着されている場合でも、平面上での載置姿勢を安定させることができる。また、垂直安定板37からも放熱させることができ、垂直安定板37によって投影光束の一部がけられることもない。さらに、折り畳み状態の垂直安定板37が蓋部材を兼ね、投影光学系221および外部インターフェイス(I/F)107のコネクタ等を保護するようにしたので、蓋部材と垂直安定板とを別々に設けるより部品点数を削減できる。なお、カメラ筐体の開口部には、投影光学系221のみを配設してもよいし、外部インターフェイス(I/F)107のみを配設する構成にしてもよい。垂直安定板37を180度回動させることによって、PJ内蔵電子カメラ10Gを投影モードで起動して投影光の発光を可能にする、すなわち垂直安定板37を投射のスイッチとして利用しても構わない。
(第六の実施形態)
撮影レンズを交換可能なカメラボディと、カメラボディのレンズマウントに装着可能なプロジェクタとでカメラシステムを構成する。図31は、カメラシステムの回路構成を説明するブロック図である。図31において、図3と共通の構成要素には、共通の符号を記して説明を省略する。
電子カメラ10Hは、たとえば一眼レフタイプの電子カメラである。図3で説明した回路構成と比べて、レンズ駆動部および鏡筒沈胴機構が省かれている点と、レンズマウント110が追加されている点が異なる。レンズマウント110に通常の撮影レンズ(不図示)が装着された場合のCPU101は、レンズマウント110に備えられている通信端子を介して撮影レンズ側のCPUとの間で通信を行う。電子カメラ10Hは、撮影レンズによって撮像素子112上に結像される被写体像を撮像する。
レンズマウント110にプロジェクタ50が装着された場合のCPU101は、レンズマウント110に備えられている通信端子を介してプロジェクタ50側のCPU201との間で通信を行う。この場合の電子カメラ10Hは撮影を行わず、プロジェクタ50に投影を行わせる。
図31において、通信端子を介する通信ラインをコントロールライン(Control I/F)とデータライン(Data I/F)とで示す。CPU101が撮影レンズへ送信する内容は、たとえば、フォーカス光学系の移動量、移動方向、および移動開始指示である。CPU101がプロジェクタ50へ送信する内容は、たとえば、投影開始/投影終了の指示や、投影するコンテンツデータなどである。なお、レンズマウント110に備えられる電源端子を介して、電子カメラ10Hから撮影レンズへ電源を供給することも可能である。
プロジェクタ50は、レンズマウント110と嵌合する取り付け部210に加えて、投射部220と、CPU201と、外部インターフェイス(I/F)202と、電源回路203と、メモリ205と、操作部材206、温度センサ207とを有する。また、不図示の電池ホルダに電池204が実装される。
CPU201は、制御プログラムに基づいてプロジェクタ50を構成する各部から入力される信号を用いて所定の演算を行うなどして、プロジェクタ50の各部へ制御信号を送出することにより、投影動作の制御を行う。なお、制御プログラムはCPU201内の不図示の不揮発性メモリに格納されている。
メモリ205はCPU201の作業用メモリとして使用される。操作部材206は、各部材の操作内容に応じた操作信号をCPU201へ送出する。電源回路203は、CPU201からの指示によりオン/オフされ、オン時に電池204からの電圧を各回路で必要な電圧に変換し、プロジェクタ50の各部へ電力を供給する。
外部インターフェイス(I/F)202は、外部機器から送信される信号による再生画像を投射部220に投影させるために、受信信号を画像データに変換し、変換後の画像データをCPU201へ送出する。温度センサ207は投射部220の近傍に配設され、温度検出信号をCPU201へ送出する。CPU201は、温度検出信号に基づいて投射部220近傍の機内温度を算出する。
図32は、図10および図11に説明した投射モジュールを搭載するプロジェクタ50が電子カメラ10Hに装着された状態を例示する図であり、図32(a)は正面図、図32(b)は側面図である。図32(a)、(b)によれば、投射モジュールは長手方向を横にして、投影光学系の中心を通る線CPがプロジェクタ50の鏡筒の中心を通る線CLより上にオフセットさせて配設される。投射部220は、電子カメラ10Hの内部に突出しているが、ミラー131とは干渉しない位置に配置されている。なおこの状態でミラー131が動くとミラー131を破損する恐れがあるため、電子カメラ10Hにプロジェクタ50が装着された状態では、ミラー131の動きが禁止される。
プロジェクタ50の鏡筒にはフォーカス環51およびズーム環52が設けられている。ズーム環52が回転操作されると、操作量に応じて投影光学系221を構成するズームレンズ221bを光軸方向に進退移動させるように構成されている。フォーカス環51が回転操作されると、操作量に応じて投影光学系221を構成するフォーカスレンズ221aを光軸方向に進退移動させるように構成されている。プロジェクタ50はオートフォーカスすることも可能で、その場合にはプロジェクタ50内、または電子カメラ10H内にオートフォーカス用の撮影部または測距センサを配置することによってオートフォーカスを行う。なお、これらは電気的に駆動されるが、ズーム環、フォーカス環の操作でメカ的に直接駆動しても構わない。
プロジェクタ50の取り付け部210から鏡筒の外縁(外周)までの長さHBは、電子カメラ10Hのレンズマウント110からカメラの筐体の底面までの長さHAより短かい。そこで、鏡筒下部には支持部材53が配設される。支持部材53は、フォーカス環51およびズーム環52が操作されても、その位置が変化しない構成である。電子カメラ10Hはレンズマウント110にプロジェクタ50が装着された状態で、電子カメラ10Hの底面および支持部材53によって平面上での載置姿勢が安定する。本実施形態では、取り付け部210から鏡筒の外縁までの長さ、カメラ筐体の底面までの長さについて説明したが、取り付け部210からの長さではなく取り付け部210の中心からの長さとしても同様の関係になる。
<投影ソース:source>
プロジェクタ50の投射部220は、CPU201の指令により下記「ソース1」〜「ソース3」のいずれかによるコンテンツを投影する。CPU201は、操作部材206(もしくは電子カメラ10H)からソース切替え操作信号が入力されるごとに、「ソース1」および「ソース2」の投影画像を交互に切替えるように、各画像に対応する画像データを投射部220へ送出する。ただし、プロジェクタ50が電子カメラ10Hのレンズマウント110に装着されていない場合、もしくはプロジェクタ50が電子カメラ10Hのレンズマウント110に装着されていても電子カメラ10Hが電源オフされている場合には「ソース1」は選択されず、外部インターフェイス(I/F)202に外部機器が接続されていない場合には「ソース2」は選択されない。
また、CPU201は、装着されている電子カメラ10Hからチャート投影への切替え指示信号が入力されると、下記「ソース3」に対応する画像データを投射部220へ送出する。
ソース1:電子カメラ10Hから送信されたデータによる再生画像
ソース2:外部インターフェイス(I/F)202から入力されたデータによる再生画像
ソース3:フォーカス調節用のチャートであり、たとえば、白地に黒線による縞模様で構成される画像
本実施形態によるカメラシステムは、電子カメラ10Hに装着されたプロジェクタ50が、電子カメラ10Hとの間で通信しながら投影動作を行う。
<プロジェクタ側の処理>
図33は、プロジェクタ50のCPU201が実行するプログラムによる処理の流れを説明するフローチャートである。図33による処理は、プロジェクタ50のメインスイッチ(不図示)がオン操作されると起動する。
図33のステップS201において、CPU201は、通信が成立したか否かを判定する。CPU201は、電子カメラ10H側のCPU101との間で所定の通信プロトコルを用いて通信を行い、通信が成立すればステップS201を肯定判定してステップS202へ進む。CPU201は、通信が成立しなければステップS201を否定判定し、ステップS212へ進む。
ステップS212へ進んだCPU201は通常処理を行う。通常処理は、プロジェクタ50を電子カメラ10Hに装着しないで単独で使用する場合や、プロジェクタ50が装着されている電子カメラ10のメインスイッチがオフされている場合、およびプロジェクタ50との間で通信する機能を備えていないカメラにプロジェクタ50が装着されている場合の処理である。
通常処理を行うCPU201は、操作部材206から入力される操作信号に応じて、投影オン/オフ、投影ソース切替え、フォーカス調節、およびズーム調節処理をそれぞれ投射制御回路225へ指示する。具体的には、光源オン/オフスイッチ(不図示)からの操作信号が入力された場合、操作信号に応じてLED光源223の点灯/消灯を指示する。ソース切替え操作信号が入力された場合には、上述したように、投射部220へ送出する画像データを切り替える。電子カメラ10Hとの間で通信が不成立の場合にプロジェクタ50が投影する初期画像は、上記「ソース2」に対応する再生画像とする。
また、フォーカス調節する操作信号(フォーカス環51による操作信号)が入力された場合のCPU201は、操作信号に応じたフォーカス調節信号を投射制御回路225へ送る。ズーム調節する操作信号(ズーム環52による操作信号)が入力された場合のCPU201は、操作信号に応じたズーム調節信号を投射制御回路225へ送る。CPU201は、このように通常処理を行うとステップS211へ進む。
ステップS202へ進んだCPU201は、投影指示されたか否かを判定する。CPU201は、投影に関して指示する信号が入力されるとステップS202を肯定判定してステップS203へ進み、投影に関して指示する信号が入力されない場合にはステップS202を否定判定し、ステップS204へ進む。投影に関して指示する信号は、電子カメラ10Hから送信される制御信号、もしくは操作部材206からの操作信号である。
ステップS203において、CPU201は、入力された信号に応じて投影開始もしくは投影終了を投射制御回路225へ指示してステップS204へ進む。なお、電子カメラ10Hとの間で通信が成立している場合にプロジェクタ50がスクリーン(不図示)に向けて投影する初期画像は、上記「ソース1」の電子カメラ10Hから送信されたデータによる再生画像とする。
ステップS204において、CPU201は、ソース切替えが指示されたか否かを判定する。CPU201は、投影ソースの切替えを指示する信号が入力されるとステップS204を肯定判定してステップS205へ進み、投影ソースの切替えを指示する信号が入力されない場合にはステップS204を否定判定し、ステップS206へ進む。ソース切替えを指示する信号は、電子カメラ10Hから送信される制御信号、もしくは操作部材206からの操作信号である。
ステップS205において、CPU201は、入力された信号に応じて投射部220へ送出する画像データを切替え、ステップS206へ進む。送出する画像データは、「ソース1」および「ソース2」のいずれかに対応するものである。
ステップS206において、CPU201は、ズーム調節を指示されたか否かを判定する。CPU201は、ズーム調節を指示する信号が入力されるとステップS206を肯定判定してステップS207へ進み、ズーム調節を指示する信号が入力されない場合にはステップS206を否定判定し、ステップS208へ進む。ズーム調節を指示する信号は、電子カメラ10Hから送信される制御信号、もしくはズーム環52による操作信号である。
ステップS207において、CPU201はズーム調節処理を行う。CPU201は、入力された信号に応じたズーム調節信号を投射制御回路225へ送出してステップS208へ進む。
ステップS208において、CPU201は、フォーカス調節を指示されたか否かを判定する。CPU201は、フォーカス調節を指示する信号が入力されるとステップS208を肯定判定してステップS209へ進み、フォーカス調節を指示する信号が入力されない場合にはステップS208を否定判定し、ステップS210へ進む。フォーカス調節を指示する信号は、電子カメラ10Hから送信される制御信号、もしくはフォーカス環51による操作信号である。
ステップS209において、CPU201はフォーカス調節処理を行う。CPU201は、上記「ソース1」もしくは「ソース2」の再生画像に代えて上記「ソース3」のチャート画像データを投射制御回路225へ送り、チャート画像を投影させる。CPU201はさらに、入力された信号に応じたフォーカス調節信号を投射制御回路225へ送出する。フォーカス調節を指示する信号が入力されなくなって所定時間(たとえば5秒)が経過すると、CPU201は、「ソース3」のチャート画像に代えて元の再生画像を投影させてステップS210へ進む。
ステップS210において、CPU201は、オフ指示されたか否かを判定する。CPU201は、メインスイッチからのオフ操作信号、または電子カメラ10Hから送信されるオフ制御信号が入力されるとステップS210を肯定判定してステップS211へ進み、電源オフを指示する信号が入力されない場合にはステップS210を否定判定し、ステップS201へ戻る。
ステップS211において、CPU201は、投射制御回路225へ投影終了を指示するとともに、所定の電源オフ処理を行って図33による処理を終了する。
<電子カメラ側の処理>
図34は、電子カメラ10HのCPU101が実行するプログラムによる処理の流れを説明するフローチャートである。図34による処理は、電子カメラ10Hが撮影モードから再生モードに切替え操作されると起動する。再生モードは、撮影済みの画像データをメモリカード150から読出すなどして、画像データによる再生画像を液晶表示器104に表示する動作モードである。図34のステップS101において、CPU101は、撮影制御回路124へ撮像部オフを指示してステップS102へ進む。これにより、撮像素子122による撮像動作が停止する。
ステップS102において、CPU101は、通信が成立したか否かを判定する。CPU101は、レンズマウント110に装着されているプロジェクタ50側のCPU201との間で所定の通信プロトコルを用いて通信を行い、通信が成立(通信相手がプロジェクタ50と認識する)すればステップS102を肯定判定してステップS109へ進む。CPU101は、通信が成立しなければステップS102を否定判定し、ステップS103へ進む。
ステップS103へ進む場合のCPU101は、再生画像を液晶表示器104に表示させる。ステップS103において、CPU101は、液晶表示器104に再生表示を開始させてステップS104へ進む。この場合のCPU101は、プロジェクタ50に対して制御信号やデータ等を送信しない。
ステップS109へ進む場合のCPU101は、再生画像をプロジェクタ50に投影させる。ステップS109において、CPU101は、プロジェクタ50へ投影開始指示(制御信号)を送信するとともに、液晶表示器104による表示をオフさせてステップS104へ進む。
ステップS104において、CPU101は、記録日時が最も新しい画像データをメモリカード150から読出し、読出した画像データを再生用の画像データとする。CPU101は、再生画像を液晶表示器104に表示させる場合は再生用画像データを液晶表示器104へ送信し、再生画像をプロジェクタ50に投影させる場合には再生用画像データをプロジェクタ50へ送信する。これにより、CPU101が送出した画像データによる再生画像が液晶表示器104もしくはプロジェクタ50によって再生表示(投影)される。
ステップS105において、CPU101は、コマ送り/コマ戻し操作が行われたか否かを判定する。CPU101は、操作部材103からコマ送りもしくはコマ戻しを指示する操作信号が入力されるとステップS105を肯定判定してステップS104へ戻り、操作信号に対応する画像データをメモリカード150から読出し、読出した画像データを再生用の画像データとする。一方、CPU101は、操作部材103からコマ送りおよびコマ戻しを指示する操作信号がいずれも入力されない場合には、ステップS105を否定判定してステップS106へ進む。
ステップS106において、CPU101は、ソース切替え操作が行われたか否かを判定する。CPU101は、操作部材103からソース切替えを指示する操作信号が入力されるとステップS106を肯定判定してステップS111へ進み、ソース切替えを指示する操作信号が入力されない場合にはステップS106を否定判定してステップS107へ進む。
ステップS107において、CPU101は、モード切替え操作が行われたか否かを判定する。CPU101は、操作部材103から撮影モードへ切替える操作信号が入力された場合、ステップS107を肯定判定してステップS108へ進む。また、CPU101は、撮影モードへ切替える操作信号が入力されない場合にはステップS107を否定判定し、ステップS110へ進む。
ステップS108において、CPU101は、再生画像を液晶表示器104に表示させている場合は液晶表示器104による表示をオフさせ、再生画像をプロジェクタ50に投影させている場合にはプロジェクタ50による投影をオフさせて、図34による処理を終了する。プロジェクタ50に投影画像をオフさせる場合、プロジェクタ50へ投影終了指示(制御信号)を送信する。なお、投影終了指示とともに、電源オフ処理させるオフ制御信号を送信するようにしてもよい。
ステップS110において、CPU101は、再生用画像データが記録画像か否かを判定する。CPU101は、再生用画像データがメモリカード150に記録されている記録画像である場合にステップS110を肯定判定してステップS105へ戻り、再生用画像データが外部インターフェイス(I/F)107から入力された画像である場合にはステップS110を否定判定し、ステップS106へ戻る。
ステップS111において、CPU101は、再生用の画像データを切替えてステップS112へ進む。具体的には、ソース切替え操作が行われるごとに、メモリカード150から読み出した画像データと、外部インターフェイス(I/F)107から入力された画像データとを切替えてステップS112へ進む。
ステップS112において、CPU101は、再生用画像データが記録画像か否かを判定する。CPU101は、再生用画像データがメモリカード150に記録されている記録画像に切替えられた場合にステップS112を肯定判定してステップS104へ戻り、画像データをメモリカード150から読出し、読出した画像データを再生用の画像データとする。一方、CPU101は、再生用画像データが外部インターフェイス(I/F)107から入力された画像データに切替えられた場合には、ステップS112を否定判定してステップS106へ戻る。この場合はコマ送り/戻し操作の判定は不要である。
CPU101は、上述したフローチャートのステップS102を肯定判定した以降、ステップS107においてモード切替え操作を肯定判定するまで、操作部材103の一部を通常の撮影レンズ装着時と異なる機能の操作部材として扱う。たとえば、レリーズボタンが単独で操作される場合、撮影指示のための操作部材ではなく、プロジェクタ50に対して上記「ソース3」のフォーカス調節用のチャート投影像へ切替え指示するための操作部材として扱う。また、レリーズボタンが十字キータイプの操作部材とともに操作される場合、プロジェクタ50に対するズーム調節指示のための操作部材として扱う。右方向を示す操作信号と組み合わされる場合はズームアップ指示、左方向を示す信号と組み合わされる場合はズームダウン指示として扱う。
さらにまた、AF作動ボタンが十字キータイプの操作部材とともに操作される場合、プロジェクタ50に対するフォーカス調節指示のための操作部材として扱う。右方向を示す操作信号と組み合わされる場合は至近側への指示、左方向を示す信号と組み合わされる場合は無限遠側への指示として扱う。
以上説明した第六の実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)プロジェクタ50を電子カメラ10Hの交換レンズ用のレンズマウント110に装着するように、交換レンズ鏡筒と同様の円筒形状に構成したので、ケーブルやアダプタを用いずに直接電子カメラ10Hに装着することができる。
(2)プロジェクタ50をレンズマウントに装着した際、投射モジュールの長手方向が横になる横長配置としたので、縦長配置にする場合に比べて電子カメラ10H内のクイックリターンミラー131に干渉しにくくなり、投射モジュールの少なくとも一部を電子カメラ10H内の空間へ進入させることができる。これにより、プロジェクタ50のサイズ(図32(a)において左右方向)を小さくすることができる。
(3)上記(2)に加えて、投影光学系の中心を通る線CPがプロジェクタ50の鏡筒の中心を通る線CLより上にオフセットさせたので、投射モジュールを電子カメラ10H内の空間へさらに深く進入させることができる。これにより、プロジェクタ50のサイズ(図32(a)において左右方向)をさらに小さくすることができる。さらに、投影光学系の位置を上にすることで、投影光束の下端が机などの載置平面にけられるおそれも低減できる。
(4)プロジェクタ50にフォーカス環51およびズーム環52を設け、これら操作環の操作量に応じて投射光学系221によるフォーカス調整、ズーム調節を行うようにしたので、通常の撮影レンズの場合と同様の回転操作によって投影像のフォーカス、ズームを調節できる。これにより、使い勝手のよいカメラシステムを提供できる。
(5)プロジェクタ50の取り付け部210から鏡筒の外縁までの長さHBを、電子カメラ10Hのレンズマウント110からカメラの筐体の底面までの長さHA以下に構成したので、プロジェクタ50を電子カメラ10Hに装着した状態で、電子カメラ10Hの底面を載置平面に密着させることができる。さらに、長さHB<長さHAの場合にはプロジェクタ50の鏡筒下部に支持部材53を配設することにより、載置姿勢がプロジェクタ50側に傾くことを防止できる。この結果、プロジェクタ50を装着した電子カメラ10Hを傾斜面に載置する場合にも、載置姿勢を安定に保つことができる。
(6)電子カメラ10Hとプロジェクタ50とを通信可能に構成し、再生モードに設定されている電子カメラ10Hとの間で通信が成立した場合、電子カメラ10Hからプロジェクタ50へ投影開始指示(制御信号)および再生用のデータを送信し、当該再生用データによる再生画像をプロジェクタ50が自動的に投影するようにした。これにより、電子カメラ10Hの液晶表示器104をオフ操作したり、プロジェクタ50のLED光源223)のオン操作や投影画像の選択操作を省略でき、カメラシステムの使い勝手がよくなる。
(7)電子カメラ10Hは、ステップS102を肯定判定した以降、ステップS107においてモード切替え操作を肯定判定するまで、操作部材103の一部を通常の撮影レンズ装着時と異なる機能の操作部材として扱うようにした。これにより、投影に関する新たな操作部材を電子カメラ10Hに追加しなくてもよい。
(変形例24)
プロジェクタ50に電池204が装填されていない場合に、電子カメラ10Hからプロジェクタ50へレンズマウント110を介して供給される電源でプロジェクタ50を作動させる構成にしてもよい。
(変形例25)
プロジェクタ50にスピーカを備えてもよい。この場合、投影する画像のデータファイルに対応付けられた音声データが存在する場合には、当該音声データによる音声をスピーカから再生させる。
(変形例26)
プロジェクタ50にメモリカード用のスロットを備えてもよい。この場合、プロジェクタ50はスロットに装着されたメモリカードから画像データを読み出し、読出した画像データによる再生画像を投影する。また、プロジェクタ50が電子カメラ10Hから送信されたデータによる再生画像を投影する場合に、当該画像データをメモリカードへ保存する構成としてもよい。このような構成にすることにより、同じデータの二度目以降の投射時には、画像データを送信しなくてもよくなるので、投影するまでのレスポンスが早くなるというメリットがある。また、プロジェクタ50を電子カメラ10Hから取り外して単独プロジェクタとして動作する場合にも、その画像データを使って投影できるという利点がある。
(変形例27)
電子カメラ10Hは、メニュー設定などによってあらかじめ設定された内容に応じて、電子カメラ10Hの電源オフ処理時(タイマーオフ時を含む)にプロジェクタ50に対して電源オフ指示(制御信号)を送信するように構成してもよい。この場合の電子カメラ10HのCPU101は、操作部材103から電源オフを指示する操作信号が入力されると、プロジェクタ50へ電源オフ制御信号を送信するとともに、電子カメラ10Hに対する所定の電源オフ処理を行う。電源オフ指示を受けたプロジェクタ50のCPU201は、投射部220からの投影終了と、プロジェクタ50に対する所定の電源オフ処理とを行う。
(変形例28)
また、電子カメラ10Hは、メニュー設定などであらかじめ設定された内容に応じて、電子カメラ10Hの電源回路108からプロジェクタ50へ電源供給する/しないを切替え可能に構成してもよい。プロジェクタ50においては、電池204の電圧が所定値以下になった場合に、電池204に代えて電子カメラ10Hから供給される電圧を使用するように構成する。電子カメラ10Hからプロジェクタ50へ電源が供給されている場合、LED光源223に供給する電流値を通常より増加させ、投影像が明るくなるように投射部220を制御してもよい。
(変形例29)
電子カメラ10Hからプロジェクタ50へ投影開始指示(制御信号)および再生用のデータを送信し、当該データによる再生画像をプロジェクタ50が投影しているとき、プロジェクタ50が電子カメラ10Hからのデータを受信しない状態が所定時間続いた場合には、プロジェクタ50が投影を終了するように構成してよい。
(変形例30)
電子カメラ10Hおよびプロジェクタ50はレンズマウント110および取り付け部210内の端子を介して通信および電源供給を行うようにしたが、電子カメラ10Hおよびプロジェクタ50のそれぞれの外部インターフェイス(I/F)107,202間を外部接続ケーブルで接続し、この接続ケーブルを介して通信を行ったり、電源供給を行ったりするように構成してもよい。
(変形例31)
プロジェクタ50からフォーカス環51およびズーム環52を省略し、さらに小型に構成してもよい。図35は、この場合のプロジェクタ50Aを例示する図である。プロジェクタ50Aは、電子カメラ10Hから送信された制御信号を受信した場合にズーム調節やフォーカス調節を行う。操作環(51、52)を省略したことによって小型、軽量になるため、プロジェクタ50Aを電子カメラ10Hに装着した状態における重心が電子カメラ10H側に位置する。この結果、図32に例示した支持部材53を設けなくても、平面上での載置姿勢を安定させることができる。
<投射モジュールの変形例1>
投射部220の光学系配置の変形例について、図36を参照して説明する。図36は、図4に例示した光学系配置の変形例であり、投射部220の光学系を上から見た図である。第一の実施形態(図4)に比べて、主としてミラーM1の移動範囲および冷却ブロック230の配設位置が異なる。図4と共通の構成要素には、共通の符号を記して説明を省略する。
図36において、四角柱形状の長手方向の1平面を構成する長方形のアルミ基板251A上(絶縁層上に形成されているパターン上)にLED223が実装され、LED光源223より右方に集光光学系226およびPBSブロック228が接着される。LED223からの光を集光光学系226へ向けて折り曲げるミラーM1、およびこのミラーM1を移動可能に支持するミラー支持部材(不図示)は、モジュール外側に配設される。支持部材がアクチュエータで駆動されることによって、ミラーM1が破線で示す位置と一点鎖線で示す位置との間を移動する点は図4の場合と同様である。
なお、ミラーM1は少なくともLED光源223からの光路上へ移動する状態と、この光路上から退避する状態との間を移動すればよく、移動方向は上述した光路方向(図36において左右方向)でなくてもよい。また、図示した平行移動の代わりにミラーM1を回転移動させる構成としても構わない。
冷却ブロック230は、基板251AをLED光源223が実装されている面の裏側から冷却するように配設される。吸排気の向きは、たとえば図36において上から吸気し、紙面に垂直な方向(上)に向けて排気する。
図36の構成によれば、図4の場合に比べてLED光源223と集光光学系226との間隔を狭められるので、光学系の横手方向のサイズを小さく抑えることができる。
<投射モジュールの変形例2>
図37(a)、図37(b)は、図10に例示した光学系配置の変形例であり、投射部220の光学系を上から見た図である。図37(a)は撮影補助光を射出する場合を示し、図37(b)は投影光を射出する場合を示す。第二の実施形態(図10)に比べて、PBSブロック228の面228b側に光学部材238を配設した点、放熱部材270の代わりに冷却ブロック230を配設した点、折り曲げ加工したアルミ基板261Aのうち、PBSブロック228の面228bと対向する位置に開口が設けられる点が、それぞれ異なる。図10と共通の構成要素には、共通の符号を記して説明を省略する。
図37において、光学部材238は、不図示の支持部材によってPBSブロック228の面228bに沿って移動可能に支持される。この支持部材がアクチュエータ(不図示)で駆動されることによって、光学部材238が図37において左右方向に平行移動する。
光学部材238には、黒色処理などの無反射処理が施された領域238bと、1/4波長板および反射ミラーを接合(PBSブロック228側に1/4波長板を配設)した領域238aとが形成されている。撮影補助光を射出する場合(撮影モード)、光学部材238が図37(a)で示す位置へ移動される。この状態でPBSブロック228へ入射された偏光光束は、そのP偏光成分がPBSブロック228を透過して液晶パネル222でS偏光成分に変換される。なおこの場合の液晶パネル222は、補助光をできるだけ明るくするために全面を明状態にする。すなわち液晶パネル222に入射した光は、全ての画素でP偏光からS偏光に変換される。変換後のS偏光成分光束は再びPBSブロック228へ入射され、PBSブロック228内の偏光分離部228aで反射されて投影光学系221へ射出される。PBSブロック228入射前には偏光板227が配置されている。この偏光板227を光軸中心に回転させ、PBSブロック228に入射する光を、PBSブロック228の偏光分離面に対してP偏光50%、S偏光50%に調整しておく。
PBSブロック228へ入射された偏光光束のS偏光成分は、PBSブロック228内の偏光分離部228aで反射され、光学部材238の領域238aへ入射される。S偏光成分は領域238a内のミラーで反射されて再びPBSブロック228へ入射されるが、領域238a内の1/4波長板を所定の方向に配置しているので2回通過するためにP偏光成分に変換されている。このP偏光成分はPBSブロック228を透過し、投影光学系221へ射出される。このように、図10(図4および図36も同様)の構成では未使用(無反射処理面228bへ導かれて破棄)であった偏光成分も射出する構成にしたので、図10の場合よりも撮影補助光の光量を高めることができる。液晶パネル222と領域238aに入射する光の割合は、偏光板227を回転することによって変えることができる。なお、LED光源223から射出する光は無偏光な光なので、偏光板227を配置しなくても液晶パネル222と領域238aに入射する光の割合を同じにすることができる。
投影光を射出する場合(投影モード)は、光学部材238が図37(b)で示す位置へ移動される。この場合には、図10の場合と同様(図4および図36も同様)にPBSブロック228へ入射された偏光光束のうちP偏光成分のみを用いる(S偏光成分は領域238bの無反射処理面へ導いて破棄)ため、迷光を抑えて高品質の投影像が得られる。
上記光学部材238は、PBSブロック228から図37(a)、(b)において上方へ向かう光路上に領域238aもしくは領域238bが位置するように移動すればよく、移動方向は上述した図37(a)、(b)に例示した左右方向でなくてもよい。また、領域238aおよび領域238bを有する光学部材238を円盤状に構成し、この円盤状の光学部材238を回転させることによって、図37(a)、(b)でPBSブロック228から上方へ向かう光路上に領域238aもしくは領域238bを移動させる構成としても構わない。
上述した領域238a内のミラーに曲率をもたせてもよい。ミラーに倍率を与えることにより、撮影補助光を射出する場合(撮影モード)において、P偏光成分として投影光学系221から射出される光束の範囲を、S偏光成分として投影光学系221から射出される光束の範囲より広くし、より広い範囲を照明することができる。
投射モジュールの放熱部材を冷却ブロックと置換してもよい。図38は、図10に例示した投射モジュールにおいて放熱部材270の代わりに冷却ブロック230を設けた例を説明する図である。投射モジュールの冷却方式に合わせて、放熱部材270または冷却ファンを備える冷却ブロック230を適宜組み合わせて構成して構わない。
以上の説明はあくまで一例であり、本発明は上記実施形態の構成に何ら限定されるものではない。第一の実施形態〜第六の実施形態並びに変形例1〜変形例31、および投射モジュールの変形例1、2は、それぞれを適宜組合わせて構成しても構わない。
本発明についてPJ内蔵電子カメラを例示して説明したが、投射部220を搭載するものであれば、投影装置、PJ内蔵携帯電話機、PJ内蔵PDA(personal digital assistant)、PJ内蔵録音/再生機などの電子機器にも適用できる。