JP4977058B2 - 作業車のptoクラッチ操作構造 - Google Patents
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Description
これにより、運転者がPTOクラッチレバーを操作し切換弁を操作して、PTOクラッチに作動油を供給すると、PTOクラッチが伝動状態に操作されるのであり、PTOクラッチから作動油が排出されると、PTOクラッチが遮断状態に操作される。
小型の作業装置は駆動される部分の重量が比較的小さく、起動トルクが比較的小さいので、PTOクラッチが伝動状態に操作され、小型の作業装置に動力が伝達された場合、小型の作業装置が駆動される際のショックは比較的小さなものである。
これに対して、大型の作業装置(例えば牧草用の大型モーア等)は駆動される部分の重量が比較的大きく、起動トルクが比較的大きいので、PTOクラッチが伝動状態に操作され、大型の作業装置に動力が伝達された場合、大型の作業装置が駆動される際のショックは比較的大きなものとなる。
本発明の特徴は、作業車のPTOクラッチ操作構造において次のように構成することにある。
機体に連結された作業装置に動力を伝動及び遮断自在な油圧多板式のPTOクラッチを備える。PTOクラッチの作動圧を操作可能な制御弁と、制御弁を操作する制御装置と、人為的に操作されるもので操作指令を出すクラッチ操作具とを備える。クラッチ操作具が伝動位置及び遮断位置に操作されることにより、制御弁によりPTOクラッチの作動圧が操作されて、PTOクラッチが伝動状態及び遮断状態に操作されるように、制御装置を構成する。クラッチ操作具が遮断位置から伝動位置に操作される際において、[I]クラッチ操作具の操作速度に比例してPTOクラッチの作動圧が操作され(第1特徴)、[II]前記クラッチ操作具の操作速度が事前に設定された設定速度よりも高速になると、事前に設定された速度で前記PTOクラッチの作動圧が操作されて(第2特徴)、PTOクラッチが遮断状態から伝動状態に操作されるように、制御装置を構成する。
本発明の第1特徴によると、運転者がクラッチ操作具を遮断位置から伝動位置に操作する際おいて、クラッチ操作具の遮断位置から伝動位置への操作速度に比例してPTOクラッチの作動圧が操作されて、PTOクラッチが遮断状態から伝動状態に操作されるのであり、運転者がクラッチ操作具の遮断位置から伝動位置への操作速度を変更することによって、PTOクラッチの遮断状態から伝動状態への作動圧の操作速度 (昇圧又は減圧速度)を変更することができる。
例えば大型の作業装置を機体に連結すると、運転者はクラッチ操作具を遮断位置から伝動位置に比較的低速で操作すればよい (ゆっくり操作すればよい)。これにより、PTOクラッチが遮断状態から伝動状態に比較的低速で操作され (ゆっくり操作され)、動力がゆっくりと伝達されて、ショックが抑えられながら大型の作業装置が駆動される。
本発明の第1特徴によると、作業車のPTOクラッチ操作構造において、クラッチ操作具の遮断位置から伝動位置への操作速度 (昇圧又は減圧速度)を変更することにより、PTOクラッチの遮断状態から伝動状態への作動圧の操作速度を変更することができるように構成することによって、小型及び大型の作業装置に適切に対応しながらPTOクラッチを遮断状態から伝動状態に操作することができるようになり、作業車のPTOクラッチの操作性能を向上させることができた。
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴作業車のPTOクラッチ操作構造において次のように構成することにある。
クラッチ操作具が遮断位置から伝動位置に操作される際において、クラッチ操作具の操作速度が事前に設定された設定速度よりも高速になると、事前に設定された速度でPTOクラッチの作動圧が操作されて、PTOクラッチが遮断状態から伝動状態に操作されるように、制御装置を構成する。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
前項[I]において、運転者が誤ってクラッチ操作具を遮断位置から伝動位置に高速で操作しすぎると(急速に操作しすぎると)、PTOクラッチが遮断状態から伝動状態に高速で操作されすぎて (急速に操作されすぎて)、作業装置が駆動される際のショックが大きなものになることがある。
これにより、運転者が誤ってクラッチ操作具を遮断位置から伝動位置に高速で操作しすぎても(急速に操作しすぎても)、PTOクラッチが遮断状態から伝動状態に高速で操作されすぎて (急速に操作されすぎて)、作業装置が駆動される際のショックが大きなものになるような状態は生じ難い。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、運転者が誤ってクラッチ操作具を遮断位置から伝動位置に高速で操作しすぎても(急速に操作しすぎても)、作業装置が駆動される際のショックが大きなものになるような状態は生じ難くなって、作業車のPTOクラッチの操作性能を向上させることができた。
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第1又は第2特徴の作業車のPTOクラッチ操作構造において次のように構成することにある。
クラッチ操作具が伝動位置から遮断位置に操作されると、事前に設定された高速度でPTOクラッチの作動圧が操作されて、PTOクラッチが伝動状態から遮断状態に操作されるように、制御装置を構成する。
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
PTOクラッチが遮断状態から伝動状態に操作される際に、作業装置の大きさ等によって、作業装置が駆動される際にショックが発生したり発生しなかったりすることがあるのに対して、PTOクラッチが伝動状態から遮断状態に操作される際には、作業装置の大きさに関係なく、作業装置が停止する際にショックが発生することは少ない。
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第3特徴によると、運転者がクラッチ操作具を伝動位置から遮断位置に比較的低速で操作しても(ゆっくり操作しても)、PTOクラッチが伝動状態から遮断状態に高速度で操作されて (急速に操作されて)、作業装置を遅れることなく停止させることができるようになって、作業車のPTOクラッチの操作性能を向上させることができた。
図1に示すように、左右に操向操作自在な右及び左の前輪1、右及び左の後輪2で支持された機体に、エンジン3及びミッションケース4が備えられ、運転部5が備えられて、作業車の一例である農用トラクタが構成されている。
図2に示すように、PTOクラッチ6は油圧多板式に構成されており、作動油が供給されることで伝動状態に操作され、バネ (図示せず)により遮断状態に付勢されており、作動油が排出されることで遮断状態に操作される。PTOクラッチ6に作動油を給排操作する電磁比例弁式の制御弁15が備えられており、制御装置19により制御弁15が操作される。図1及び図2に示すように、運転部5の運転座席16の右横側にPTOレバー17(クラッチ操作具に相当)、及び設定スイッチ18が備えられている。
次にPTOレバー17を遮断位置から伝動位置に操作した場合において、PTOレバー17の遮断位置から伝動位置への操作速度Vが設定速度V1よりも低速である状態について、図4に基づいて説明する。
PTOレバー17を任意の操作位置に止めて保持すると、PTOクラッチ6の作動圧Pの昇圧操作が一次停止されて、PTOクラッチ6の作動圧PもPTOレバー17の操作位置に対応する作動圧に保持される。
次にPTOレバー17を遮断位置から伝動位置に操作した場合において、PTOレバー17の遮断位置から伝動位置への操作速度Vが設定速度V1よりも高速である状態について、図4に基づいて説明する。
逆にステップS8に移行してしまうと、この後にPTOレバー17の遮断位置から伝動位置への操作速度Vが設定速度V1よりも低速になっても、ステップS4,S5に移行することはできない。
次にPTOレバー17を伝動位置から遮断位置に操作した場合において、図4に基づいて説明する。
PTOレバー17が伝動位置に操作され、PTOクラッチ6が伝動状態に操作された状態(PTOクラッチ6の作動圧Pが伝動状態の作動圧P2)において(ステップS1)、PTOレバー17が伝動位置から遮断位置側に操作され始めると(PTOレバー17が伝動位置から遮断位置側に移動し始めると)(ステップS9)、PTOレバー17の操作位置及びPTOレバー17の伝動位置から遮断位置への操作速度に関係なく、制御装置19及び圧力センサー20により制御弁15が操作され、事前に設定された高速度でPTOクラッチ6の作動圧Pが減圧操作されて、PTOクラッチ6が伝動状態から遮断状態に急速に操作される(ステップS10)。
前述の[発明を実施するための最良の形態]のPTOレバー17に代えて、図5に示すように、右及び左のサイドブレーキペダル21(クラッチ操作具に相当)を使用し、以下のように構成してもよい。
右及び左のサイドブレーキペダル21が解除位置及び中間位置(伝動位置)に踏み操作されていると、PTOクラッチ6が伝動状態に操作されており (図4のステップS1に対応)、右及び左のサイドブレーキペダル21が中間位置 (伝動位置)から限度位置側 (遮断位置側)に踏み操作され始めると(図4のステップS9に対応)、右及び左のサイドブレーキペダル21の中間位置 (伝動位置)から限度位置 (遮断位置)への踏み操作速度に関係なく、図4のステップS10の操作が行われて、PTOクラッチ6が伝動状態から遮断状態に急速に操作される。
右及び左のサイドブレーキペダル21の一方のみを踏み操作した状態(機体の小回り旋回時等)、及び、この後に右及び左のサイドブレーキペダル21の一方のみを戻し操作した状態では、図4のステップS9,S10の操作及びステップS3〜S8の操作は行われない。
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]において、図3の関係線A1 (実線)を一次関数状(直線状)ではなく、上又は下に凸の二次関数状(上又は下に凸の曲線状)に設定してもよい。これと同様に、関係性A2 (一点鎖線)を上又は下に凸の二次関数状(上又は下に凸の曲線状)に設定してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態][発明の実施の第2別形態]において、PTOクラッチ6をバネ (図示せず)により伝動状態に付勢して、制御弁15から作動油が供給されることで遮断状態に操作され、作動油が排出されることで伝動状態に操作されるように構成してもよい。
本発明は農用トラクタばかりではなく、乗用型田植機やコンバイン等の他の農作業機、建設機械等にも適用できる。
13 作業装置
15 制御弁
17,21 クラッチ操作具
19 制御装置
P PTOクラッチの作動圧
V クラッチ操作具の操作速度
V1 設定速度
Claims (2)
- 機体に連結された作業装置に動力を伝動及び遮断自在な油圧多板式のPTOクラッチを備え、
前記PTOクラッチの作動圧を操作可能な制御弁と、前記制御弁を操作する制御装置と、人為的に操作されるもので操作指令を出すクラッチ操作具とを備えて、
前記クラッチ操作具が伝動位置及び遮断位置に操作されることにより、前記制御弁によりPTOクラッチの作動圧が操作されて、前記PTOクラッチが伝動状態及び遮断状態に操作されるように、前記制御装置を構成し、
前記クラッチ操作具が遮断位置から伝動位置に操作される際において、前記クラッチ操作具の操作速度に比例してPTOクラッチの作動圧が操作され、前記クラッチ操作具の操作速度が事前に設定された設定速度よりも高速になると、事前に設定された速度で前記PTOクラッチの作動圧が操作されて、前記PTOクラッチが遮断状態から伝動状態に操作されるように、前記制御装置を構成してある作業車のPTOクラッチ操作構造。 - 前記クラッチ操作具が伝動位置から遮断位置に操作されると、事前に設定された高速度で前記PTOクラッチの作動圧が操作されて、前記PTOクラッチが伝動状態から遮断状態に操作されるように、前記制御装置を構成してある請求項1に記載の作業車のPTOクラッチ操作構造。
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