JP4977012B2 - レセプター結合性物質のスクリーニング方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レセプター結合性物質、すなわち、アゴニストおよび細胞内レセプター共役タンパク質のスクリーニング方法に関する。
レセプターは、そのほとんどが細胞膜に存在し、外部の刺激を認識して情報を伝達するための構造を有している。言い換えれば、レセプターは、ホルモン、神経伝達物質などの細胞外に存在する物質または物理的もしくは化学的刺激が、何らかの細胞応答を引き起こす場合の、その物質または刺激を特異的に認識するシグナル伝達の入口である。レセプターに結合して細胞応答を引き起こす物質をアゴニストといい、アゴニストまたは刺激がレセプターに作用し、タンパク質間相互作用を介して直接的または第二メッセンジャーを介して間接的に細胞応答を引き起こす。
レセプターとしては、代表的には、以下のような種類が知られている:(1)三量体Gタンパク質共役型(7回膜貫通型):N末端を細胞外にC末端を細胞内に向けて7個の疎水性部が細胞膜を貫通する構造をとり、アセチルコリン、ノルアドレナリンなどの化学物質、光(ロドプシン)などを認識して、Gタンパク質を活性化し、種々のエフェクター分子にシグナルを伝達する;(2)レセプター型キナーゼ:1回膜を貫通し、細胞質内のC末端側がプロテインキナーゼ活性を有し、アゴニストによって酵素が活性化され、標的タンパク質をリン酸化することによってシグナルを伝達する;(3)サイトカインレセプター型:1回膜を貫通するが、細胞質内C末端が短く、特定の機能を持たず、共役する他のタンパク質を活性化してシグナルを伝達する;(4)イオンチャンネル型:アゴニストや刺激により、内在するイオンチャンネルの透過性が変化してシグナルを伝達するもので、膜を4回通過するN−メチル−D−アスパラギン酸レセプター、1回貫通するイノシトール1,4,5−トリスリン酸レセプターなどがある;および(5)脂溶性ホルモンレセプター:細胞質内や核内の可溶性のタンパク質レセプターであり、細胞膜を通過したアゴニストが結合して、転写を活性化する。
なかでも、Gタンパク質共役型レセプター(GPCR)は、生体の基礎的機能において重要であり、cDNAクローニングされているものだけでも数百種類が知られており、千種類以上存在すると予想されている。このような生体機能に重要と思われるレセプターに対するアゴニスト/アンタゴニストをスクリーニングすることは、創薬における第1段階であり、そのための方法が、いくつか報告されている(特表2002−541439号公報、特表平11−507518号公報、特表2001−519157号公報、および特表平8−510115号公報参照)。例えば、特表2001−519157号公報では、異種性GPCRを発現する組換え酵母細胞にスクリーニングすべき物質を外的に添加することによって、あるいは該酵母細胞自体がスクリーニングすべき物質を発現して分泌することによって、レセプター結合性物質をスクリーニングしている。
より低濃度のアゴニスト候補物質、またはアゴニスト活性の低い化合物やペプチドを検出できるようになれば、より多種類のアゴニスト候補物質が得られる。そこで、本発明は、より感度の高いアゴニスト検出系を提供することを目的とする。
本発明は、アゴニストのスクリーニング方法を提供し、該方法は、
レセプターを発現し、そしてランダム化したアゴニスト候補物質を細胞表層に提示する酵母を得る工程;および
発現した該アゴニスト候補物質が該レセプターに結合している酵母を検出する工程;
を含み、
該酵母が、該検出の感度を上昇させるように改変されている。
1つの実施態様では、上記改変は、上記アゴニスト候補物質の発現量の最適化である。
さらなる実施態様では、上記レセプターにおける細胞内レセプター共役タンパク質と相互作用する部位は酵母に由来する。
好適な実施態様では、上記レセプターは、Gタンパク質共役型レセプターであり、該レセプターのアゴニスト結合部位が細胞膜外側に保持され、そして該レセプターは、上記酵母の細胞質内のGタンパク質と相互作用してシグナル伝達を引き起こす。
より好適な実施態様では、上記検出は、レポータータンパク質の発現に基づいて行われ、そして上記改変は、該レポータータンパク質の発現量の増加である。
他の好適な実施態様では、上記レポータータンパク質をコードする遺伝子は、マルチコピープラスミドによってまたはゲノム上への多コピーインサートの挿入によって前記酵母に組み込まれている。
さらに好適な実施態様では、上記細胞内レセプター共役タンパク質はGpa1タンパク質であり、そして上記改変は、SST2遺伝子、FAR1遺伝子、またはBAR1遺伝子の破壊または欠損である。
1つの実施態様では、上記レセプターにおける細胞内レセプター共役タンパク質と相互作用する部位は哺乳類に由来する。
好適な実施態様では、上記レセプターは、細胞内で発現される第1のマーカータンパク質をさらに有し;上記酵母は、該第1のマーカータンパク質と相互作用し得る第2のマーカータンパク質と、哺乳類のGタンパク質との、融合タンパク質を細胞内に発現し;そして、該第1のマーカータンパク質と該第2のマーカータンパク質との相互作用が検出可能である。
より好適な実施態様では、上記第1および第2のマーカータンパク質の組み合わせは、シアン蛍光タンパク質および黄色蛍光タンパク質の組み合わせ、あるいはβ−ガラクトシダーゼΔαおよびβ−ガラクトシダーゼΔωの組み合わせである。
本発明はまた、アゴニストの他のスクリーニング方法を提供し、該方法は、
レセプターを発現している酵母を、アゴニスト候補物質とともに培地中で72時間以内の範囲で培養する工程;および
該アゴニスト候補物質が結合した酵母を検出する工程;
を含む。
1つの実施態様では、上記培地中の前記アゴニスト候補物質の濃度は最適化されている。
ある実施態様では、上記レセプターにおける細胞内レセプター共役タンパク質と相互作用する部位は酵母に由来する。
好適な実施態様では、上記レセプターは、Gタンパク質共役型レセプターであり、該レセプターのアゴニスト結合部位が細胞膜外側に保持され、そして該レセプターは、上記酵母の細胞質内のGタンパク質と相互作用してシグナル伝達を引き起こす。
より好適な実施態様では、上記検出は、レポータータンパク質の発現に基づいて行われ、そして上記酵母は、該レポータータンパク質の発現量を増加させるように改変されている。
他の好適な実施態様では、上記レポータータンパク質をコードする遺伝子は、マルチコピープラスミドによってまたはゲノム上への多コピーインサートの挿入によって上記酵母に組み込まれている。
より好適な実施態様では、上記細胞内レセプター共役タンパク質はGpa1タンパク質であり、そしてSST2遺伝子、FAR1遺伝子、またはBAR1遺伝子が破壊または欠損されている。
1つの実施態様では、上記レセプターにおける細胞内レセプター共役タンパク質と相互作用する部位は哺乳類に由来する。
好適な実施態様では、上記レセプターは、細胞内で発現される第1のマーカータンパク質をさらに有し;上記酵母は、該第1のマーカータンパク質と相互作用し得る第2のマーカータンパク質と、哺乳類のGタンパク質との、融合タンパク質を細胞内に発現し;そして、該第1のマーカータンパク質と該第2のマーカータンパク質との相互作用が検出可能である。
より好適な実施態様では、上記第1および第2のマーカータンパク質の組み合わせは、シアン蛍光タンパク質および黄色蛍光タンパク質の組み合わせ、あるいはβ−ガラクトシダーゼΔαおよびβ−ガラクトシダーゼΔωの組み合わせである。
本発明はさらに、細胞内レセプター共役タンパク質のスクリーニング方法を提供し、該方法は、
ランダム化した哺乳類cDNAライブラリー由来の細胞内レセプター共役タンパク質候補物質を細胞内に発現し、そしてアゴニスト結合部位を細胞膜外側に保持しかつ細胞内レセプター共役タンパク質と相互作用する部位を細胞膜内側に保持するレセプターを細胞膜に発現する酵母を得る工程;
該酵母を含む培地中にアゴニストを予め最適化された濃度で添加して72時間以内の範囲で培養する工程;および
該アゴニストと該レセプターとの結合によって該レセプターと該細胞内レセプター共役タンパク質との相互作用が生じた酵母を検出する工程;
を含む。
本発明の第1の局面のアゴニストのスクリーニング方法においては、対象となるレセプターと同一細胞の表層上に発現したアゴニスト候補物質のみが該レセプターに結合するため、ランダム化したアゴニスト候補物質を導入した組換え酵母を構築して培養するのみで、スクリーニングが可能である。また、アゴニスト候補物質とレセプターとが細胞内で1対1対応しているため、1細胞ずつに分けてアッセイを行う必要がなく、その同定が確実であるという利点がある。さらに、アゴニスト候補物質の発現量および/またはレポータータンパク質の発現量が最適化され得るので、検出感度も良好である。
本発明の第2の局面のアゴニストのスクリーニング方法によれば、アゴニスト候補物質の添加後の培養時間を適切に設定することによって、より高感度な検出が可能である。また、添加すべきアゴニスト候補物質の濃度を最適化することによって、さらに高感度な検出が可能である。
本発明の第3の局面の細胞内レセプター共役タンパク質のスクリーニング方法の場合も、最適濃度のアゴニストを添加し、そして培養時間を適切に設定することによって、高感度な検出が可能になる。
図1は、アゴニストおよび細胞内レセプター共役タンパク質のスクリーニング方法のメカニズムを示す模式図である。
図2は、酵母におけるGpa1タンパク質周辺のシグナル伝達を示す模式図である。
図3は、BY4741FUS1::EGFP株におけるα−因子添加後の蛍光強度の経時変化を示すグラフである。
図4は、BY4741ΔSST2FUS1::EGFP株におけるα−因子添加後の蛍光強度の経時変化を示すグラフである。
図5は、種々のBAR1またはFAR1遺伝子破壊株におけるα−因子添加後の蛍光強度の経時変化を示すグラフである。
図6は、種々のSST2遺伝子破壊株におけるα−因子添加後の蛍光強度の経時変化を示すグラフである。
図7は、種々のα−因子細胞表層提示株における蛍光検出結果を示すグラフである。
図8は、種々のα−因子細胞表層提示株における蛍光検出結果を示す微分干渉顕微鏡写真(A)および蛍光顕微鏡写真(B)である。
図9は、マルチコピー型プラスミドによって形質転換した種々の酵母株における、α−因子添加後の蛍光検出結果を示すグラフである。
図10は、マルチコピー型プラスミドによって形質転換した種々の酵母株における、α−因子添加後の蛍光検出結果を示す微分干渉顕微鏡写真および蛍光顕微鏡写真である。
図11は、マルチコピー型プラスミドによって形質転換した種々のα−因子細胞表層提示株における蛍光検出結果を示すグラフである。
図12は、種々のレポーター候補タンパク質遺伝子座にEGFP遺伝子を組み込んだ種々のBY4741株におけるα−因子添加後の蛍光強度を示すグラフである。
本発明の第1の局面では、アゴニストのスクリーニング方法が提供され、この方法は、レセプターを発現し、そしてランダム化したアゴニスト候補物質を細胞表層に提示する酵母を得る工程;および発現した該アゴニスト候補物質が該レセプターに結合している酵母を検出する工程;を含む。この局面で用いられる酵母は、検出の感度を上昇させるように改変されている。
まず、本発明において、アゴニスト候補物質がレセプターに結合している酵母を検出するためのメカニズムを説明する。酵母において発現しているレセプターのアゴニスト結合部位にアゴニストまたはアゴニスト候補物質が結合すると、レセプターの細胞内レセプター共役タンパク質と相互作用する部位と、細胞内レセプター共役タンパク質とが(例えば、リン酸化などを介して)相互作用する。この相互作用によってシグナル伝達が行われる場合もある。本発明においては、この相互作用またはシグナル伝達の発生を検出する。
ここで「細胞内レセプター共役タンパク質」とは、アゴニストが結合しているレセプターと相互作用するタンパク質をいい、特に、細胞内へのシグナル伝達または増幅の役割を果たすタンパク質をいう。細胞内レセプター共役タンパク質も、レセプター結合性物質の一種であり得る。代表的には、Gタンパク質が挙げられる。ここで、相互作用とは、結合、会合、コンホメーション変化などが挙げられる。
本発明において、細胞内レセプター共役タンパク質として、(A)酵母由来のタンパク質を用いる場合、および(B)哺乳類由来のタンパク質を用いる場合があり得る(図1を参照のこと)。
(A)細胞内レセプター共役タンパク質として酵母由来のタンパク質を用いる場合、対象とされるレセプターの少なくとも細胞内レセプター共役タンパク質と相互作用する部位は、酵母で作動可能であればその由来は特に限定されないが、酵母由来であることが好ましい。そのため、新薬開発の点で、アゴニストのスクリーニングの対象とされるレセプターは、酵母内で作動し得る哺乳類のレセプターか、あるいはアゴニスト結合部位が哺乳類由来であり、かつ細胞内レセプター共役タンパク質と相互作用する部位が酵母由来であるキメラレセプターが好ましい。以下、キメラレセプターを用いる場合についてより詳細に説明する。
細胞内レセプター共役タンパク質がGタンパク質である場合を例に挙げて、具体的に説明する。図1の(A)および図2に示すように、Gタンパク質は、通常3量体の形態で存在しており、Ste2という酵母のGタンパク質共役型レセプター(GPCR)に対しては、Gpa1、Ste4、およびSte18という3つのサブユニットが会合しているGタンパク質が共役する。酵母GPCRのSte2にアゴニストが結合すると、Gpa1がSte2の細胞質内部位と相互作用(結合)し、三量体Gタンパク質は活性化する。二量体Gタンパク質が活性化されると、Gpa1とSte4・Ste18複合体とに解離し、Ste4・Ste18複合体(特にSte4)が、次のMAPキナーゼカスケード(MAPKカスケード)を活性化する。MAPKカスケードが活性化されると、Ste12という転写因子を活性化し、最終的に細胞応答に関与するレポータータンパク質の発現が引き起こされる。このようなタンパク質として、Fus1、Aga1などが知られている(MacKayら、Molecular & Cellular PROTEOMICS,appeared on May 1,2004,accepted on February 6,2004)。
例えば、FUS1遺伝子の3’末端側に続いて強化緑色蛍光タンパク質(EGFP)をコードする遺伝子を組込むと、Fus1タンパク質の発現と同時にEGFPも発現し得る。したがって、その蛍光を発する酵母を、例えばフローサイトメトリーにより蛍光を検出し、ソーティングすることによって、シグナル伝達が行われている酵母をスクリーニングすることができる。そこで、哺乳類由来のレセプターを酵母で発現させる場合は、細胞内レセプター共役タンパク質と相互作用する部位を酵母由来のものに改変すれば、酵母内でシグナル伝達が行われ得る。
(B)細胞内レセプター共役タンパク質として哺乳類由来のタンパク質を用いる場合は、対象とされるレセプターは、哺乳類由来レセプターが用いられる。この場合、シグナル伝達を確認するために、レセプターは、好ましくは、第1のマーカータンパク質が細胞内で発現するように融合されているキメラレセプターであり、そして細胞内レセプター共役タンパク質は、この第1のマーカータンパク質と相互作用し得る第2のマーカータンパク質との融合タンパク質である(図1の(B1)および(B2)のXに相当)。キメラレセプターとアゴニストとの結合により、このキメラレセプターと細胞内レセプター共役タンパク質とが相互作用する。そのため、第1のマーカータンパク質と第2のマーカータンパク質とが接近するので、これらのマーカータンパク質の蛍光変化などによって検出可能である。
例えば、図1の(B1)に示すように、第1および第2のマーカータンパク質として、それぞれYFP(黄色蛍光タンパク質)とCFP(シアン蛍光タンパク質)とを利用する方法が挙げられる。例えば、YFPを細胞内レセプター共役タンパク質と融合させた場合、レセプターにはCFPを付加する。アゴニストがレセプターに結合すると、細胞内レセプター共役タンパク質がレセプターと相互作用するので、細胞内レセプター共役タンパク質と融合しているYFPが、レセプターに融合されているCFPに接近する。このとき、CFPの蛍光波長がYFPの励起波長として作用するため、蛍光の変化が生じ、この変化を検出することができる。CFPを細胞内レセプター共役タンパク質と融合させ、レセプターにYFPを付加してもよい。
あるいは、図1の(B2)に示すように、第1および第2のマーカータンパク質として、β−ガラクトシダーゼのΔω(C末端欠損変異体)とΔα(N末端欠損変異体)とを利用する方法も挙げられる。例えば、細胞内レセプター共役タンパク質とβ−ガラクトシダーゼΔωとを融合させた場合、レセプターにβ−ガラクトシダーゼΔαを付加させる。アゴニストがレセプターに結合することにより、細胞内レセプター共役タンパク質がレセプターと相互作用すると、ΔωとΔαとの間で会合が生じ、β−ガラクトシダーゼとして機能し得るようになる(Anal.Chem.,74巻,2500−2504頁,2002年)。そこに、当該分野で通常用いられる発色系または発光系の反応試薬を添加することによって、シグナル伝達が行われた酵母を検出することができる。
本発明において「レセプター」とは、上記のように、細胞表面に存在し、細胞外環境と相互作用して、その環境に関する情報を細胞内に伝達または変換する分子をいう。言い換えれば、ホルモン、神経伝達物質などの細胞外の物質や物理的または化学的刺激を特異的に認識し、タンパク質間相互作用を介して直接的または第二メッセンジャーを介して間接的に細胞応答を引き起こす機能を有する分子をいう。本発明においては、好ましくはGタンパク質共役型レセプター(GPCR)が対象とされ得る。また、レセプターは、哺乳類由来GPCRが好ましく、特に、新薬開発の観点から、ヒト由来GPCRであることが最も好ましい。ヒト由来GPCRは、上述のようにcDNAクローニングされているものだけでも数百種類が知られており、本発明においては、これらを酵母で発現させて、アゴニスト/細胞内レセプター共役タンパク質がスクリーニングされ得る。
「キメラレセプター」は、少なくとも2つの別個のポリペプチドが融合しているレセプターをいう。例えば、レセプターの一部が置換されているレセプター、あるいは別のタンパク質が付加しているレセプターが挙げられる。前者の例としては、哺乳類由来のレセプターにおいて、細胞内レセプター共役タンパク質と相互作用する部位が酵母由来となるように置換されているキメラレセプターが好ましい。より具体的には、レセプターのアゴニスト結合部位が哺乳類由来、より好ましくはヒト由来であり、そして細胞内レセプター共役タンパク質と相互作用する部位が酵母由来であるキメラレセプターが好ましい。後者の例としては、シグナル伝達が行われた場合に細胞内で細胞内レセプター共役タンパク質と相互作用して、検出可能なシグナルを発生し得る第1のマーカータンパク質がレセプターに付加されているキメラレセプターが好ましい。具体的には、哺乳類由来のレセプターとCFPとを含み、該CFP部分が細胞内で発現されるキメラレセプター;哺乳類由来のレセプターとβ−ガラクトシダーゼΔαとを含み、該Δα部分が細胞膜内側に保持されるキメラレセプターなどが挙げられる。
「アゴニスト」とは、機能的タンパク質(例えば、レセプター)に特異的に結合する物質(「レセプター結合性物質」ともいう)のうち、結合によって細胞応答を引き起こす物質をいう。例えば、上記酵母由来GPCRに対するアゴニストは、α−因子である。アゴニストになり得る物質としては、一般的には、ペプチド、核酸、炭水化物、小有機分子などが挙げられるが、本発明においては、ペプチドが好ましい。アゴニストをスクリーニングする場合、「アゴニスト候補物質」とは、コンビナトリアルバイオエンジニアリングによって産生されたランダムなペプチドライブラリーに含まれるペプチドをいう。なお、本明細書において、アゴニストおよびアゴニスト候補物質を「リガンド」という場合もある。
「ランダム化したアゴニスト候補物質」は、組換えDNAのアゴニスト部分をコードするDNAを、コンビナトリアル(バイオエンジニアリング)PCRを用いて、目的部分をランダム化することによって得られ得る。すなわち、種々のランダムに改変された候補物質をいう。細胞表層に提示されるランダム化した候補物質は、同一酵母において一種であってもよくあるいは複数種であってもよい。
ペプチドライブラリーとしては、完全にランダム化された一本鎖のペプチドだけでなく、ある−定の配列または構造を有するペプチドも用いられ得る。例えば、β−シート構造を有するペプチド(特開平10−245398号公報)、α−ヘリカルコイルドコイル構造を有するペプチド(特開平10−245397号公報)、立体構造を有するタンパク質またはペプチドのライブラリー(特開2000−327697号公報)などが挙げられる。
本発明の第1の局面において、「アゴニストまたはアゴニスト候補物質を細胞表層に提示する」とは、細胞内で産生されたアゴニストまたはアゴニスト候補物質が、細胞内から細胞膜を通過して細胞表層に移動するが、細胞外に分泌されずに、細胞表層に固定されていることをいう。アゴニストまたはアゴニスト候補物質は、例えば、細胞表層局在タンパク質のGPIアンカーを介して細胞表層に提示され得るか、あるいは細胞表層局在タンパク質の糖鎖結合タンパク質ドメインを介して細胞表層に提示され得る。細胞表層に提示されたアゴニストまたはアゴニスト候補物質は、同一細胞上に発現しているレセプターのアゴニスト結合部位に結合し得る。アゴニストまたはアゴニスト候補物質をアゴニスト結合部位に適切に結合させるために、GPIアンカーまたは糖鎖結合タンパク質ドメインとアゴニストまたはアゴニスト候補物質との間に、適切な長さのリンカーを有していてもよい。ただし、リンカーが長すぎると、他の細胞のレセプターと結合する可能性が生じるため、好ましくない。また、細胞表層に提示されたアゴニストまたはアゴニスト候補物質が細胞表層から切断されて遊離することを避けるために、酵母はプロテアーゼ低下株または欠損株であることが好ましい。
細胞表層にアゴニストまたはアゴニスト候補物質を提示する一般的な方法について説明する。細胞表層にアゴニストまたはアゴニスト候補物質を提示する方法としては、(a)細胞表層局在タンパク質のGPIアンカーを介してアゴニストまたはアゴニスト候補物質を細胞表層に提示する方法、(b)細胞表層局在タンパク質の糖鎖結合タンパク質ドメインを介してアゴニストまたはアゴニスト候補物質を細胞表層に提示する方法、および(c)ペリプラズム遊離型タンパク質(他のレセプター分子または標的レセプター分子)を介してアゴニストまたはアゴニスト候補物質を細胞表層に提示する方法がある。
用いられ得る細胞表層局在タンパク質としては、酵母の性凝集タンパク質であるα−またはa−アグルチニン(GPIアンカーとして使用)、Flo1タンパク質(Flo1タンパク質は、N末端側のアミノ酸長を種々改変して、GPIアンカーとして使用し得る;例えば、Flo42、Flo102、Flo146、Flo318、Flo428など;Appl.Microbiol.Biotech.,60巻,469−474頁,2002年:なお、Flo1326とは、全長Flo1タンパク質を表す)、Floタンパク質(GPIアンカー機能を有さず、凝集性を利用するFloshortまたはFlolong;Appl.Environ.Microbiol.,4517−4522頁,2002年)、ペリプラズム局在タンパク質であるインベルターゼ(GPIアンカーを利用しない)などが挙げられる。
まず、(a)GPIアンカーを利用する方法について説明する。GPIアンカーにより細胞表層に局在するタンパク質をコードする遺伝子は、N末端側から順に、分泌シグナル配列、細胞表層局在タンパク質(糖鎖結合タンパク質ドメイン)、およびGPIアンカー付着認識シグナル配列をそれぞれコードする遺伝子を有している。細胞内でこの遺伝子から発現された細胞表層局在タンパク質(糖鎖結合タンパク質)は、分泌シグナルにより細胞膜外へ導かれ、その際、GPIアンカー付着認識シグナル配列は、選択的に切断されたC末端部分を介して細胞膜のGPIアンカーと結合して細胞膜に固定される。その後、PI−PLCにより、GPIアンカーの根元付近で切断され、細胞壁に組み込まれて細胞表層に固定され、細胞表層に提示される。
ここで、GPIアンカーとは、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)と呼ばれるエタノールアミンリン酸−6マンノースα1−2マンノースα1−6マンノースα1−4グルコサミンα1−6イノシトールリン脂質を基本構造とする糖脂質をいい、PI−PLCとは、ホスファチジルイノシトール依存性ホスホリパーゼCをいう。
GPIアンカー付着認識シグナル配列とは、GPIアンカーが細胞表層局在タンパク質と結合する際に認識される配列であり、通常、細胞表層局在タンパク質のC末端あるいはその近傍に位置する。GPIアンカー付着シグナル配列としては、例えば酵母のα−アグルチニンのC末端部分の配列が好適に用いられる。上記α−アグルチニンのC末端から320アミノ酸の配列のC末端側には、GPIアンカー付着認識シグナル配列が含まれるので、上記方法に使用する遺伝子としては、このC末端から320アミノ酸の配列をコードするDNA配列が特に有用である。
したがって、例えば、分泌シグナル配列をコードするDNA−細胞表層局在タンパク質をコードする構造遺伝子−GPIアンカー付着認識シグナルをコードするDNA配列を有する配列において、この細胞表層局在タンパク質をコードする構造遺伝子の全部または一部の配列を、目的とするアゴニストまたはアゴニスト候補物質をコードするDNA配列に置換することにより、GPIアンカーを介して目的のアゴニストまたはアゴニスト候補物質を細胞表層に提示するための組換えDNAが得られる。細胞表層局在タンパク質がα−アグルチニンである場合、上記α−アグルチニンのC末端から320アミノ酸の配列をコードする配列を残すように、目的のアゴニストまたはアゴニスト候補物質をコードするDNAを導入することが好ましい。このようなDNAを酵母に導入して発現させることによって細胞表層に提示されたアゴニストまたはアゴニスト候補物質は、そのC末端側が表層に固定されている。
次に、(b)糖鎖結合タンパク質ドメインを利用する方法について説明する。細胞表層局在タンパク質が糖鎖結合タンパク質である場合、その糖鎖結合タンパク質ドメインは、複数の糖鎖を有し、この糖鎖が細胞壁中の糖鎖と相互作用または絡み合うことによって、細胞表層に留まることが可能である。例えば、レクチン、レクチン様タンパク質などの糖鎖結合部位などが挙げられる。代表的には、GPIアンカータンパク質の凝集機能ドメイン、FLOタンパク質の凝集機能ドメインが挙げられる。GPIアンカータンパク質の凝集機能ドメインとは、GPIアンカリングドメインよりもN末端側にあり、複数の糖鎖を有し、凝集に関与していると考えられているドメインをいう。
この細胞表層局在タンパク質(凝集機能ドメイン)と目的のアゴニストまたはアゴニスト候補物質とを結合することにより、細胞表層にアゴニストまたはアゴニスト候補物質が提示される。目的のアゴニストまたはアゴニスト候補物質の種類により、細胞表層局在タンパク質(凝集機能ドメイン)の(1)N末端側にアゴニストまたはアゴニスト候補物質を結合させる、(2)C末端側にアゴニストまたはアゴニスト候補物質を結合させる、および(3)N末端側およびC末端側の両方に、同一または異なるアゴニストまたはアゴニスト候補物質を結合させることができる。本発明においては、(1)分泌シグナル配列をコードするDNA−目的とするアゴニストまたはアゴニスト候補物質をコードする遺伝子−細胞表層局在タンパク質(凝集機能ドメイン)をコードする構造遺伝子;あるいは(2)分泌シグナル配列をコードするDNA−細胞表層局在タンパク質(凝集機能ドメイン)をコードする構造遺伝子−目的とするアゴニストまたはアゴニスト候補物質をコードする遺伝子、を作成することにより、細胞表層に目的のアゴニストまたはアゴニスト候補物質を提示するための組換えDNAが得られる。凝集機能ドメインを利用する場合、GPIアンカーは細胞表層の提示には関与しないので、組換えDNA中に、GPIアンカー付着認識シグナル配列をコードするDNA配列は、一部のみ存在してもよいが、存在しなくてもよい。また、凝集機能ドメインを用いる場合は、ドメインの長さを調節しやすいため(例えば、FloshortまたはFlolongのいずれかを選択できる)、より適切な長さでアゴニストまたはアゴニスト候補物質を細胞表層に提示できる点で、ならびにアゴニストまたはアゴニスト候補物質のN末端またはC末端のどちらの側でも結合させることが可能な点で、非常に有用である。
次に、(c)ペリプラズム遊離型タンパク質(他のレセプター分子または標的レセプター分子)を利用する方法について説明する。この場合は、目的とするアゴニストまたはアゴニスト候補物質を、ペリプラズム遊離型タンパク質との融合タンパク質として細胞表層に発現させ得ることに基づく。ペリプラズム遊離型タンパク質としては、例えば、インベルターゼ(Suc2タンパク質)が挙げられる。目的のアゴニストまたはアゴニスト候補物質は、これらのペリプラズム遊離型タンパク質に応じて、適宜N末端またはC末端側に融合され得る。
本発明の第1の局面において、酵母は、少なくともレセプター(好ましくは、キメラレセプター)および細胞表層提示アゴニストまたはアゴニスト候補物質を発現し、検出の感度を上昇させるように改変された遺伝子構築物が導入される。必要に応じて、細胞内レセプター共役タンパク質候補物質を含む融合タンパク質も細胞内で発現されるように遺伝子構築物が導入される。遺伝子構築物は、酵母に適切なクローニングベクターおよび発現ベクター中に組込まれる。このような適切なベクターは当該技術分野で公知であり、酵母での発現に必要なエレメントが適宜含まれている。酵母への遺伝子構築物の導入とは、細胞の中に遺伝子構築物を導入し、発現させることを意味する。遺伝子構築物の導入の方法としては、形質転換、形質導入、トランスフェクション、コトランスフェクション、エレクトロポレーションなど、当業者に公知の種々の方法があり、具体的には、酢酸リチウムを用いる方法、プロトプラスト法などがある。導入される遺伝子構築物は、プラスミドの形態で、あるいは宿主の遺伝子に挿入して、または宿主の遺伝子と相同組換えを起こして染色体に取り込まれてもよい。遺伝子構築物が導入された細胞は、選択マーカー(例えばTRP)で選択され、発現されたタンパク質の活性を測定することにより選択される。タンパク質が細胞表層に固定されていることは、例えば、抗タンパク質抗体とFITC標識抗IgG抗体とを用いる免疫抗体法によって確認し得る。このようにして、少なくともキメラレセプターおよび細胞表層提示アゴニストまたはアゴニスト候補物質を発現し、検出の感度を上昇させるように改変され、必要に応じて、細胞内レセプター共役タンパク質候補物質を含む融合タンパク質を発現する酵母が得られる。
本発明の第1の局面で使用される酵母は、プラスミド発現のためのマーカー遺伝子を有し、アゴニストまたはアゴニスト候補物質を細胞表層に提示し、レセプター(好ましくは、キメラレセプター)を発現し得る株であれば、特に限定されない。例えば、S.cerevisiae BY4741、ATCC60715、MT8−1、W303a、IFO10150、YPH499などが挙げられる。シグナル伝達量が多い株が好ましい。
検出の感度を上昇させるための改変としては、例えば、(i)アゴニストまたはアゴニスト候補物質の発現量の最適化、(ii)アゴニストまたはアゴニスト候補物質の分解の抑制、(iii)シグナル伝達機能と競合または機能阻害する天然のタンパク質の発現の抑制、(iv)レポータータンパク質の発現量の増加などが挙げられる。
(i)アゴニストまたはアゴニスト候補物質(リガンド)の発現量の最適化とは、レセプターとの結合に最適となるように、リガンドの発現条件について予め検討することをいう。リガンドの発現量が少ない場合は、レセプターに結合する量が少ないため感度が悪くなる。逆にリガンドの発現量が多すぎる場合は、リガンド同士が競合してレセプターに安定に結合できない可能性があるため、感度が高くならない場合がある。したがって、検討すべき発現条件としては、宿主細胞株の選択、細胞表層提示手段の選択、表層提示用リンカーの長さの調節、シグナルペプチドの選択、プロモーターの選択などが挙げられる。例えば、アゴニスト候補物質のうちの代表的な物質について、種々の条件で予備検討が行われ得る。
(ii)アゴニストまたはアゴニスト候補物質は、BAR1遺伝子によりコードされるペプチダーゼなどによってアゴニスト自体が分解されることにより、レセプターとの結合が低下する。あるいは、上述のように細胞表層に提示されたアゴニストまたはアゴニスト候補物質が細胞表層から切断されて遊離する。このようなアゴニストまたはアゴニスト候補物質の分解を抑制するために、例えば、プロテアーゼ低下株または欠損株(例えば、Bar1ペプチダーゼ欠損株)を用いることが好ましい。
(iii)シグナル伝達機能と競合または機能阻害する天然のタンパク質の発現の抑制の代表的な例としては、GPCRのシグナル伝達系におけるFAR1遺伝子やSST2遺伝子の破壊または欠損が挙げられる。
FAR1遺伝子は、上記のMAPKカスケードにおいて、シグナル伝達によって活性化されて、細胞周期阻止を引き起こす(図2を参照のこと)。そのため、アゴニストがレセプターに結合した場合、その細胞の分裂が阻害されて、細胞が増殖できず、レポーター遺伝子の発現(例えば、FUS1の下流に連結されたEGFPの発現)が低下し得る。そこで、FAR1遺伝子を破壊または欠損させれば、このようなFar1の活性化が生じないため、細胞の分裂も阻害されず、結果として、上記のFUS1のような他のレポーター遺伝子発現が増強され得る。
SST2遺伝子は、Gタンパク質のGDP/GTP交換を制御するタンパク質であるSst2pをコードする。したがって、SST2遺伝子を破壊することにより、GDP/GTP交換の認識が甘くなるため、低濃度でもリガンド結合の検出が可能になる。シグナル伝達を阻害する他の遺伝子としては、Gpa1タンパク質からのシグナル伝達を抑制する(図2を参照のこと)。
(iv)レポータータンパク質の発現量を増加させる手段としては、上記(iii)によるシグナル伝達系を阻害するタンパク質の発現抑制の他に、レポーター遺伝子をマルチコピープラスミドを用いて導入すること、ゲノム上へのレポーター遺伝子の多コピーインサートの挿入、レポーター遺伝子のプロモーターとして適切なプロモーターを選択することなどが挙げられる。
遺伝子構築物は、上述のように、プラスミドの形態で、あるいは宿主の遺伝子に挿入して、または宿主の遺伝子と相同組換えを起こして染色体に取り込まれてもよい。しかし、レポータータンパク質の発現量を増加させるためには、マルチコピープラスミドを用いることまたはゲノム上への多コピーインサートの挿入が好適である。このようなマルチコピープラスミドは、当業者には公知である。また、レポーター遺伝子のゲノム上への挿入位置の好適な例としては、リボソーム遺伝子が挙げられる。
レポーター遺伝子のプロモーター遺伝子としては、一般的にはそのレポーター遺伝子自体のプロモーターが用いられる。しかし、例えば、GPCRにおいては、Gpa1のシグナル伝達下流で転写量がα−因子により増加する遺伝子のプロモーターであれば、このシステムのレポーター遺伝子のプロモーターとして用いることが可能である。
このようにして得られた酵母においては、単に培養するだけで、結合可能なアゴニスト候補物質がレセプター(好ましくは、キメラレセプター)に結合してシグナル伝達が行われ得るため、アゴニスト候補物質のスクリーニングが可能である。あるいは、レセプター(好ましくは、キメラレセプター)に対するアゴニストが該レセプターに結合し、次いで細胞内レセプター共役タンパク質候補物質と該レセプターとが相互作用してシグナル伝達が行われ得るため、細胞内レセプター共役タンパク質候補物質のスクリーニングも可能である。細胞内レセプター共役タンパク質を介するシグナル伝達の反応様式(例えば、第1および第2のマーカータンパク質の結合など)に応じて、シグナル伝達の有無を確認することができる。例えば、ナノチャンバーアレイのような1細胞ずつアッセイするためのシステムにおいて、チャンバーに酵母を1細胞ずつ分注して、蛍光変化を直接的に検出してもよいし、あるいは各チャンバーに反応試薬を添加することによって、発色反応、発光反応、またはレポーター遺伝子の発現を検出してもよい。2cm×2cmのナノチャンバーアレイを用いると、1回で10〜10個の細胞についてアッセイすることができる。あるいは、酵母を分けずにまとめて培養し、その後FACSにより1細胞ずつソーティングして、蛍光変化を検出してもよい。
シグナル伝達が行われたことが確認された酵母について、アゴニスト候補物質をコードする遺伝子配列を、当業者が通常用いる手段により同定することによって、アゴニスト/アンタゴニストになり得るペプチドを同定することができる。
本発明の第2の局面におけるアゴニストのスクリーニング方法は、レセプターを発現している酵母を、アゴニスト候補物質とともに培地中で72時間以内の範囲で培養する工程;および該アゴニスト候補物質が結合した酵母を検出する工程を含む。
この方法において用いられる酵母は、アゴニスト候補物質を細胞表層に発現していない点で、上記の第1の局面とは異なり、一方、アゴニスト候補物質がレセプターに結合している酵母を検出するための基本的なメカニズムを備えている点で、上記の本発明の第1の局面と同様である。したがって、この局面で用いられる酵母は、良好な検出系を有するように改変されていれば、アゴニスト候補物質を発現するように遺伝子操作されている必要はない。この改変は、上記(i)の細胞表層提示手段に関する改変を除いて、上記の第1の局面に記載した(ii)〜(iv)と同様である。ただし、上記の第1の局面のように種々のアゴニスト候補物質が混在する系でのスクリーニングは不可能であり、個々のアゴニスト候補物質ごとに分けてスクリーニングする必要がある。
本発明の第2の局面においては、アゴニスト候補物質添加後の酵母の培養時間が適切に設定されているため、検出の感度が良好になっている。培養時間は、72時間以内の範囲、48時間以内の範囲、通常には約40時間以内の範囲、好適には24時間以内の範囲、より好適には5〜20時間、さらに好適には10〜15時間であり、最も適切には、約12時間である。培養時間が短すぎると、検出するためのレポータータンパク質の発現が十分でないため、検出感度が劣る。逆に培養時間が長すぎると、アゴニスト候補物質の結合によるレポータータンパク質の発現誘導のピークが過ぎて、発現量が低下し、検出感度が低くなる。
さらに、本発明の第2の局面においては、アゴニスト候補物質の濃度を適切に設定することによって、より検出感度を良好にすることができる。適切な濃度は、それぞれの酵母株によって大きく異なっているため、アゴニストが既知であるならば、アゴニスト候補物質のスクリーニングを行う前に、当該アゴニストを用いて適切な濃度について検討することが好ましい。
本発明の第3の局面では、細胞内レセプター共役タンパク質のスクリーニング方法を提供し、この方法は、ランダム化した哺乳類cDNAライブラリー由来の細胞内レセプター共役タンパク質候補物質を細胞内に発現し、そしてアゴニスト結合部位を細胞膜外側に保持しかつ細胞内レセプター共役タンパク質と相互作用する部位を細胞膜内側に保持するレセプターを細胞膜に発現する酵母を得る工程;該酵母を含む培地中にアゴニストを予め最適化された濃度で添加して72時間以内の範囲で培養する工程;および該アゴニストと該レセプターとの結合によって該レセプターと該細胞内レセプター共役タンパク質との相互作用が生じた酵母を検出する工程;を含む。
ここで、「ランダム化した哺乳類cDNAライブラリー由来の細胞内レセプター共役タンパク質候補物質」とは、cDNAライブラリー由来のタンパク質をコードするDNAを、コンビナトリアル(バイオエンジニアリング)PCRを用いて、目的部分をランダム化することによって得られ得る、種々のランダムに改変された候補物質をいう。細胞内で発現されるランダム化した候補物質は、同一酵母において一種であってもよくあるいは複数種であってもよい。
本発明の第3の局面においては、予め最適に設定された濃度のアゴニストを添加して72時間以内の範囲で培養することによって、シグナル伝達が生じた酵母を確実にかつ感度よく検出することができる。アゴニストの濃度および培養時間の設定については、第2の局面に関して記述したのと同様である。
シグナル伝達が行われたことが確認された酵母について、細胞内レセプター共役タンパク質候補物質をコードする遺伝子配列を、当業者が通常用いる手段により同定することによって、細胞内レセプター共役タンパク質になり得るペプチドを同定することができる。
以下の調製例および実施例において、形質転換は、酢酸リチウム法を用いた。YPD培地の組成は、1%Yeast extract(ナカライテスク)、2%ペプトン(Becton Dickinson and Company)、および2%グルコース(ナカライテスク)とした。SRGC培地の組成は、0.67%Yeast nitrogen base w/o amino acid(Becton Dickinson and Company)、2%ラフィノース(SIGMA)、2%ガラクトース(ナカライテスク)、および2%カザミノ酸(Becton Dickinson and Company)とした。SD培地の組成は、0.67%Yeast nitrogen base w/o amino acid、および2%グルコースとした。SG培地の組成は、0.67%Yeast nitrogen base w/o amino acid、および2%ガラクトースとした。SDおよびSG培地には、必要な栄養源のうち、L−ロイシンを30mg/L、ならびにL−ヒスチジン、L−メチオニン、およびウラシルをそれぞれ20mg/L添加した。
(調製例1:欠損酵母株の構築)
(調製例1−1:FUS1−EGFPゲノム組込み用プラスミドの構築)
酵母由来FUS1遺伝子(シグナル伝達により転写が開始される遺伝子)のオープンリーディングフレーム(ORF)をコードする遺伝子配列のうちC末端側から1000bpの配列を鋳型として、Expand High Fidelity System(Roche)により配列番号1および2に示すプライマーを用いて、制限酵素部位を付加した増幅断片(a)を得た。一方、プラスミドpEGFPを鋳型として、Expand High Fidelity Systemにより配列番号3および4に示すプライマーを用いて、制限酵素部位を付加したEGFP(緑色蛍光タンパク質)のORF配列(b)を増幅した。増幅断片(a)をEcoRIおよびSacIにて、そして断片(b)をSacIおよびSalIにてそれぞれ消化した。これらの消化した断片をEcoRIおよびSalIにて消化したpUC119ベクターに挿入して、プラスミドpUC119−FUS1m−EGFP+EcoRVを得た。
次いで、プラスミドpWGP3を鋳型として、Expand High Fidelity Systemにより配列番号5および6に示すプライマーを用いて、制限酵素部位を付加したGAPDHのターミネーター配列(c)を増幅した。一方、プラスミドpRS403を鋳型として、Expand High Fidelity Systemにより配列番号7および8に示すプライマーを用いて、制限酵素部位を付加したHIS3配列(d)を増幅した。さらに、酵母由来FUS1遺伝子のターミネーターをコードする遺伝子配列のうち5’末端側から1000bpの配列を鋳型として、Expand High Fidelity Systemにより配列番号9および10に示すプライマーを用いて、制限酵素部位を付加した増幅断片(e)を得た。増幅断片(c)をSalIおよびBamHIにて、断片(d)をBamHIおよびSacIIにて、そして断片(e)をSacIIおよびSphIにてそれぞれ消化した。これらの消化した断片を、SalIおよびSphIにて消化したpUC119ベクターに挿入し、プラスミドpUC119−term−HIS3−tFUS1を得た。
プラスミドpUC119−FUS1m−EGFP+EcoRVを、EcoRIおよびSalIにて消化し、(a)と(b)とを含む断片を得た。また、プラスミドpUC119−term−HIS3−tFUS1を、SalIおよびSphIにて消化して、(c)と(d)と(e)とを含む断片を得た。これらの断片を、EcoRIおよびSphIにて消化したpUC119ベクターに挿入して、プラスミドpUC119−FUS1−EGFP−HIS3を得た。
(調製例1−2:BAR1遺伝子破壊株の構築)
プラスミドpRS405を鋳型として、Expand High Fidelity Systemにより配列番号11および12に示すプライマーを用いて、BAR1遺伝子(プロテアーゼ遺伝子)のORFから上流50bpおよび下流50bpの領域を付加したLEU2遺伝子配列(f)を増幅した。酵母Saccharmyces cerevisiae BY4741に増幅断片(f)を形質転換し、遺伝子破壊株BY4741ΔBAR1を得た。
(調製例1−3:FAR1遺伝子破壊株の構築)
FAR1(シグナル伝達により細胞周期阻止を引き起こす遺伝子)が破壊されているBY4741ΔFAR1株は、ResGen社より購入した。
(調製例1−4:BAR1,FAR1遺伝子破壊株の構築)
上記のようにして得たLEU2遺伝子配列(f)を増幅し、BY4741ΔFAR1株に形質転換して、遺伝子破壊株BY4741ΔBAR1ΔFAR1を得た。
(調製例1−5:SST2遺伝子破壊株の構築)
プラスミドpAUR123を鋳型として、KOD−plus−(TOYOBO)により配列番号13および14に示すプライマーを用いて、酵母由来AUR1遺伝子の変異体であるAUR1−C遺伝子をコードする配列(g)を得た。BY4741、BY4741ΔBAR1、BY4741ΔFAR1、およびBY4741ΔBAR1ΔFAR1の4種の株を、それぞれ増幅断片(g)で形質転換し、4種のSST2遺伝子(Gpa1タンパク質からのシグナル伝達を抑制する遺伝子)破壊株BY4741ΔSST2、BY4741ΔBAR1ΔSST2、BY4741ΔFAR1ΔSST2、およびBY4741ΔBAR1ΔFAR1ΔSST2を得た。
(調製例1−6:FUS1::EGFPゲノム組込み株の構築)
プラスミドpUC119−FUS1−EGFP−HIS3を、EcoRIおよびSphIにて消化し、断片(a)、(b)、(c)、(d)、および(e)を含む断片(h)を得た。BY4741、BY4741ΔBAR1、BY4741ΔFAR1、BY4741ΔBAR1ΔFAR1、BY4741ΔSST2、BY4741ΔBAR1ΔSST2、BY4741ΔFAR1ΔSST2、およびBY4741ΔBAR1ΔFAR1ΔSST2の8種の株を、酢酸リチウム法によりそれぞれ断片(h)で形質転換し、8種の遺伝子破壊株BY4741FUS1::EGFP、BY4741ΔBAR1FUS1::EGFP、BY4741ΔFAR1FUS1::EGFP、BY4741ΔBAR1ΔFAR1FUS1::EGFP、BY4741ΔSST2FUS1::EGFP、BY4741ΔBAR1ΔSST2FUS1::EGFP、BY4741ΔFAR1ΔSST2FUS1::EGFP、およびBY4741ΔBAR1ΔFAR1ΔSST2FUS1::EGFPを得た。
(調製例2:α−因子表層提示用プラスミドの構築)
(調製例2−1:pUESCαf−FLO42、102、146、および318の構築)
酵母由来MFα1遺伝子のORF領域のうち1つ目の成熟タンパク質までをコードする遺伝子配列を鋳型として、KOD−plus−により配列番号15および16に示すプライマーを用いてMFα1遺伝子の3’末端側にFLAGタグ配列、および両末端に制限酵素部位を付加した増幅断片(i)を得た。増幅断片(i)をBamHIおよびXhoIにて消化し、BamHIおよびXhoIにて消化したpESC−URAベクターに挿入し、プラスミドpUESCαfを得た。
酵母の凝集性タンパク質Flo1をコードするFLO1遺伝子の各種欠損型遺伝子をコードするプラスミドpIF42、pIF102、pIF146、およびpIF318(Appl.Microbiol.Biotech.,60巻,469−474頁,2002年)を用いて、以下のようにpUESCαf−FLO42、102、146、および318を構築した。
プラスミドpIF42を鋳型として、Expand High Fidelity Systemにより配列番号17および21に示すプライマーを用いて、両末端に制限酵素部位を付加したFLO42遺伝子配列(j)を増幅した。プラスミドpIF102を鋳型として、Expand High Fidelity Systemにより配列番号18および21に示すプライマーを用いて、両末端に制限酵素部位を付加したFLO102遺伝子配列(k)を増幅した。プラスミドpIF146を鋳型として、Expand High Fidelity Systemにより配列番号19および21に示すプライマーを用いて、両末端に制限酵素部位を付加したFLO146遺伝子配列(l)を増幅した。プラスミドpIF318を鋳型として、Expand High Fidelity Systemにより配列番号20および21に示すプライマーを用いて、両末端に制限酵素部位を付加したFLO318遺伝子配列(m)を増幅した。
増幅断片(j)、(k)、(l)、および(m)を、それぞれXhoIおよびNheIにて消化した。これらの断片を、XhoIおよびNheIにて消化したプラスミドpUESCαfにそれぞれ挿入し、プラスミドpUESCαf−FLO42、pUESCαf−FLO102、pUESCαf−FLO146、およびpUESCαf−FLO318を得た。
(調製例2−2:pUESCαf−AGの構築)
プラスミドpUESCαfを鋳型として、KOD−plus−により配列番号15および22に示すプライマーを用いてMFα1遺伝子の3’末端側にFLAGタグ配列、および両末端に制限酵素部位を付加した増幅断片(n)を得た。増幅断片(n)をBamHIおよびXhoIにて消化し、これをBamHIおよびXhoIにて消化したpESC−URAベクターに挿入して、プラスミドpUESCαf(AG)を得た。
α−アグルチニンをコードするプラスミドpUCSxylAfを鋳型として、Expand High Fidelity Systemにより配列番号23および24に示すプライマーを用いて、両末端に制限酵素部位を付加したα−アグルチニンの3’側半分の遺伝子をコードする増幅断片(o)を得た。増幅断片(o)をXhoIおよびNheIにて消化し、これをXhoIおよびNheIにて消化したプラスミドpUESCαf(AG)に挿入して、プラスミドpUESCαf−AGを得た。
(調製例2−3:pUESCαf−SUC2(N)およびpUESC−SUC2fα(C)の構築)
ペリプラズムに局在するインベルターゼSuc2タンパク質の遺伝子を有するpWGP3−SUC2(J.Mol.Cat.B:Enzymatic,28巻,259−264)を鋳型として、Expand High Fidelity Systemにより配列番号25および26に示すプライマーを用いて、両末端に制限酵素部位を付加したSUC2の21〜533番目のアミノ酸残基をコードする遺伝子配列(p)を増幅した。増幅断片(p)をXhoIおよびNheIにて消化し、XhoIおよびNheIにて消化したプラスミドpUESCαfに挿入し、プラスミドpUESCαf−SUC2(N)を得た。
また、pWGP3−SUC2を鋳型として、Expand High Fidelity Systemにより配列番号27および28に示すプライマーを用いて、3’末端にFLAGタグ、MFα1遺伝子の1つ目の成熟タンパク質をコードする遺伝子、および終止コドンを付加し、両末端に制限酵素部位を付加したSUC2のORF領域をコードする遺伝子配列(q)を増幅した。増幅断片(q)をSalIおよびNheIにて消化し、これをSalIおよびNheIにて消化したプラスミドpESC−URAに挿入して、プラスミドpUESC−SUC2fα(C)を得た。
(調製例2−4:pUESCαf−FS(N)およびpUESC−FSfα(C)の構築)
Flo1タンパク質の欠失変異体をコードする遺伝子を有するプラスミドpWIFS(Appl.Environ.Microbiol.,4517−4522頁,2002年)を鋳型として、Expand High Fidelity Systemにより配列番号29および30に示すプライマーを用いて、両末端に制限酵素部位を付加したFSの278〜1099番目のアミノ酸残基をコードする遺伝子配列(r)を増幅した。増幅断片(r)をXhoIおよびSacIIにて消化し、XhoIおよびSacIIにて消化したプラスミドpUESCαfに挿入し、プラスミドpUESCαf−FS(N)を得た。
pWIFSを鋳型として、Expand High Fidelity Systemにより配列番号31および32に示すプライマーを用いて、3’末端にFLAGタグ、MFα1遺伝子の1つ目の成熟タンパク質をコードする遺伝子、および終止コドンを付加し、両末端に制限酵素部位を付加したFSのORF領域をコードする遺伝子配列(s)を増幅した。増幅断片(s)をBamHIおよびXhoIにて消化し、これをBamHIおよびXhoIにて消化したプラスミドpESC−URAに挿入して、プラスミドpUESC−FSfα(C)を得た。
(調製例2−5:pUESCαsfの構築)
プラスミドpUESCαfを鋳型として、Expand High Fidelity Systemにより配列番号15および33に示すプライマーを用いて、3’末端にFLAGタグをコードする遺伝子および終止コドンを付加し、両末端に制限酵素部位を付加したMFα1遺伝子のORF領域のうち1つ目の成熟タンパク質までをコードする遺伝子配列(t)を増幅した。増幅断片(t)をBamHIおよびXhoIにて消化し、これをBamHIおよびXhoIにて消化したpESC−URAベクターに挿入して、プラスミドpUESCαsfを得た。
(調製例3:マルチコピー型プラスミドpMHRS−pFUS1の構築)
酵母由来FUS1遺伝子の上流活性化配列(UAS)からORFまでの領域をコードする遺伝子配列を鋳型として、Expand High Fidelity Systemにより配列番号34および2に示すプライマーを用いて、制限酵素部位を付加した増幅断片(u)を得た。プラスミドpUC119−FUS1−EGFP−HIS3を鋳型として、Expand High Fidelity Systemにより配列番号3および35に示すプライマーを用いて、制限酵素部位を付加したEGFPのORFおよびGAPDHターミネーターを含む遺伝子配列(v)を増幅した。増幅断片(u)をBssHIIおよびSacIにて、そして断片(v)をSacIおよびBssHIIにて消化した。これらの断片をBssHIIにて消化したプラスミドpRS403+2μmに挿入して、プラスミドpMHRS−pFUS1を得た。
(実施例1:EGFPゲノム組込み株におけるFUS1−EGFPタンパク質の発現確認およびα−因子添加濃度の最適化)
BY4741FUS1::EGFPを、5mLのYPD培地中で、初期OD600=0.03で30℃にて150rpmで培養した。培養開始時には、α−因子(Zymo Research)を50μM、10μM、5μM、1μM、500nM、100nM、および50nMの濃度となるように添加した。コントロールとして、α−因子を添加していないBY4741FUS1::EGFPも培養した。培養菌体をサンプリングし、フローサイトメトリー(FCM)による蛍光強度解析を行った。結果を図3に示す。
レポーターであるFus1−EGFPタンパク質の発現量は、リガンドであるα−因子の添加により上昇した後、速やかに減少することがわかった。発現量が最大になる時間は、リガンドの濃度に応じて変化するが、本実施例においては、5〜20時間であった。また、レポーター遺伝子の発現には、適切なリガンド濃度(1〜50μM)があることもわかった。したがって、新規リガンドをスクリーニングする際には、化合物ライブラリーの濃度(あるいは、細胞表層での発現量)を種々改変して、最適な化合物ライブラリーの濃度を選択する必要があると考えられる。
(実施例2:SST2遺伝子破壊株におけるFus1−EGFPタンパク質の発現確認およびα−因子添加濃度の最適化)
BY4741ΔSST2FUS1::EGFPを、5mLのYPD培地中で、初期OD600=0.03で30℃にて150rpmで培養した。培養開始時には、α−因子を50μM、5μM、500nM、50nM、5nM、1nM、500pM、100pM、および50pMの濃度となるように添加した。コントロールとして、α−因子を添加していないBY4741FUS1::EGFPも培養した。培養菌体をサンプリングし、FCMによる蛍光強度解析を行った。結果を図4に示す。
上記実施例1の場合と同様に、SST2遺伝子破壊株においても、Fus1−EGFPタンパク質の発現量は、リガンド添加により上昇した後に速やかに減少し、そして適切なリガンド濃度(5nM〜50μM)があることがわかった。
(実施例3:BAR1およびFAR1遺伝子破壊によるFus1−EGFPタンパク質発現量への影響)
BY4741FUS1::EGFP、BY4741ΔBAR1FUS1::EGFP、BY4741ΔFAR1FUS1::EGFP、およびBY4741ΔBAR1ΔFAR1FUS1::EGFPを、それぞれ5mLのYPD培地中で、初期OD600=0.03で30℃にて150rpmで培養した。培養開始時には、α−因子を5μMとなるように添加した。コントロールとして、α−因子を添加していない株についても同様の実験を行った。培養菌体をサンプリングし、FCMによる蛍光強度解析を行った。結果を図5に示す。
上記実施例1および2の場合と同様に、BAR1およびFAR1遺伝子破壊株においても、Fus1−EGFPタンパク質の発現量は、リガンド添加により上昇した後に速やかに減少し、そして適切なリガンド濃度があることがわかった。
また、SST2遺伝子破壊株についても同様に、BAR1およびFAR1による影響を調べるため次の実験を行った。BY4741ΔSST2FUS1::EGFP、BY4741ΔBAR1ΔSST2FUS1::EGFP、BY4741ΔFAR1ΔSST2FUS1::EGFP、およびBY4741ΔBAR1ΔFAR1ΔSST2FUS1::EGFPを、それぞれ5mLのYPD培地中で、初期OD600=0.03で30℃にて150rpmで培養した。培養開始時には、α−因子を50nMとなるように添加した。コントロールとして、α−因子を添加していない株についても同様の実験を行った。培養菌体をサンプリングし、FCMによる蛍光強度解析を行った。結果を図6に示す。
図5の結果と比較して、SST2破壊株を用いることにより、Fus1−EGFPタンパク質の発現が増強される傾向にあることがわかった。このことから、Gpa1タンパク質のシグナル伝達下流のタンパク質の遺伝子を改変することによって、レポーターの発現量を増加させることが可能であると考えられる。
(実施例4:α−因子の酵母細胞表層提示および提示α−因子−Ste2間の結合試験)
BY4741ΔBAR1ΔFAR1FUS1::EGFP/pUESCαsf、pUESCαf−AG、pUESCαf−FLO42、102、146、318、pUESCαf−SUC2(N)、pUESC−SUC2fα(C)、pUESCαf−FS(N)、およびpUESC−FSfα(C)を、それぞれ100mLのSRGC培地中で、初期OD600=0.03で30℃にて1500pmで培養した。コントロールとして、BY4741ΔBAR1ΔFAR1FUS1::EGFP/pESC−URAについても同様の実験を行った。72時間培養後、菌体をサンプリングし、FCMによる蛍光強度解析を行った。結果を図7に示す。
これまでに酵母におけるペプチドライブラリーの細胞表層提示アンカーとして使用できることが知られているα−アグルチニン、Flo42、Flo102、およびFlo146に加えて、Flo318、Suc2(N)、Suc2(C)、FS(N)、およびFS(C)も、ペプチドライブラリーの細胞表層アンカリングタンパク質として使用できることがわかった。
次に、BY4741ΔBAR1ΔFAR1FUS1::EGFP/pUESCαsf、pUESCαf−AG、pUESCαf−FLO42、102、146、および318について、免疫蛍光染色を行った。72時間培養後の菌体に、1次抗体として抗FLAG M2(SIGMA−ALDRICH)を添加し、1時間反応後に洗浄した。さらに2次抗体としてAlexa Fluor546ヤギ抗マウスIgG(Molecular Probes)を添加し、1時間反応後に洗浄し、蛍光顕微鏡による観察を行った。結果を図8に示す。図8からわかるように、AG、Flo42、102、146、および318において、細胞表層にα−因子が発現していることを確認できた。
(実施例5:マルチコピー型プラスミドによるFus1−EGFP発現)
マルチコピー型プラスミドpMHRS−pFUS1で形質転換したBY4741FUS1::EGFP/pMHRS−pFUS1、BY4741ΔBAR1FUS1::EGFP/pMHRS−pFUS1、BY4741ΔFAR1FUS1::EGFP/pMHRS−pFUS1、およびBY4741ΔBAR1ΔFAR1FUS1::EGFP/pMHRS−pFUS1を、それぞれ5mLのSD−His培地中で、初期OD600=0.03で30℃にて150rpmで培養した。培養開始時には、α−因子を5μMとなるように添加した。コントロールとして、α−因子を添加していない株についても同様の実験を行った。24時間培養後、菌体をサンプリングし、FCMによる蛍光強度解析および蛍光顕微鏡観察を行った。結果をそれぞれ図9および10に示す。
図9および図10からわかるように、FAR1遺伝子欠損株では、レポーターの発現量が多いことがわかった。これは、FAR1遺伝子欠損株でリガンド・レセプター反応の起きている細胞の分裂が阻害されないため、結果として、リガンド・レセプター反応の起きている細胞(レポーター遺伝子発現細胞)の割合が高くなったためと考えられる。
(実施例6:マルチコピー型Fus1−EGFP導入株による提示α−因子−Ste2間の結合試験)
マルチコピー型プラスミドpMHRS−pFUS1で形質転換したα−因子提示型のBY4741FUS1::EGFP/pMHRS−pFUS1/pUESCαf−FLO42、BY4741ΔBAR1FUS1::EGFP/pMHRS−pFUS1/pUESCαf−FLO42、BY4741ΔFAR1FUS1::EGFP/pMHRS−pFUS1/pUESCαf−FLO42、およびBY4741ΔBAR1ΔFAR1FUS1::EGFP/pMHRS−pFUS1/pUESCαf−FLO42を、それぞれ100mLのSD−His,Ura培地中で、初期OD600=0.03で30℃にて150rpmで24時間培養後、菌体を回収・洗浄し、SG−His,Ura培地100mLに培地交換した。63時間培養後、菌体をサンプリングし、FCMによる蛍光強度解析を行った。結果を図11に示す。
上記実施例5と同様に、FAR1遺伝子欠損株では、レポーターの発現量が多いことがわかった。また、マルチコピー型の菌株を用いた場合(図11)、図7と比較してレポーターの発現量が多く、したがってリガンドの検出感度も明らかに上昇していた。
(実施例7:新規レポーター候補タンパク質の探索)
上記実施例では、いずれもレポータータンパク質としてFus1を使用した。Fus1以外にも、α−因子の添加によって転写量が増加するタンパク質が知られている(MacKayら、前出)。そこで、この文献の記載に基づいて、レポーター候補として、Aga1、Asg7、Fig1、Fus1、Iqg1、およびPrm1を選択し、α−因子添加による発現レベルを検討した。
それぞれのレポーター候補タンパク質のC末端側にEGFPが融合されて発現するように、各レポーター候補タンパク質の遺伝子座にEGFP遺伝子を相同組換えによって酵母ゲノムに組込み、BY4741株を形質転換し、6種の形質転換体:BY4741−AGA1C、BY4741−ASG7C、BY4741−FIG1C、BY4741−FUS1C、BY4741−IQG1C、およびBY4741−PRM1Cを得た。
上記の各形質転換体について、5mLのYPD培地中で、初期OD600=0.1で30℃にて150rpmで培養した。培養開始時には、α−因子を25μMの濃度となるように添加した。コントロールとして、野生型BY4741株も同様に培養した。12時間培養した後、培養菌体をサンプリングし、FCMにより蛍光強度を測定した。結果を図12に示す。図12において、白いカラムは培養開始時にα−因子を添加していない細胞、および黒いカラムは培養開始時にα−因子を添加した細胞の蛍光強度を示す。
図12に示すように、レポーター候補−EGFPタンパク質の発現量は、リガンドであるα−因子の添加により上昇した。特に、BY4741−AGA1CおよびBY4741−FIG1Cは、蛍光強度が非常に強く、α−因子の添加によってAga1およびFig1の発現量が顕著に増加したことがわかった。したがって、Aga1およびFig1は、高感度なレポータータンパク質として有用であると考えられる。
本発明の方法によれば、生体機能に重要と思われるレセプターに対するアゴニストを、高効率または高感度でスクリーニングすることができる。そのため、本発明の方法は、新薬の開発に利用することができ、時間およびコストの削減が可能である。さらに、本発明の他の方法によれば、細胞内レセプター共役タンパク質の高効率スクリーニングも可能であり、このスクリーニングによって、生体機能の解明が促進され、このことは、治療薬または治療法の開発を促進し得る。
[配列表]

Claims (11)

  1. アゴニストのスクリーニング方法であって、
    レセプターを発現し、そしてランダム化したアゴニスト候補物質を細胞表層に提示する酵母を得る工程;および
    発現した該アゴニスト候補物質が該レセプターに結合している酵母を検出する工程;
    を含み、
    該酵母が、該検出の感度を上昇させるように改変されている、方法。
  2. 前記改変が、前記アゴニスト候補物質の発現量の最適化である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記レセプターにおける細胞内レセプター共役タンパク質と相互作用する部位が酵母に由来する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記レセプターが、Gタンパク質共役型レセプターであり、該レセプターのアゴニスト結合部位が細胞膜外側に保持され、そして該レセプターが、前記酵母の細胞質内のGタンパク質と相互作用してシグナル伝達を引き起こす、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記検出が、レポータータンパク質の発現に基づいて行われ、そして前記改変が、該レポータータンパク質の発現量の増加である、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記レポータータンパク質をコードする遺伝子が、マルチコピープラスミドによってまたはゲノム上への多コピーインサートの挿入によって前記酵母に組み込まれている、請求項5に記載の方法。
  7. 前記細胞内レセプター共役タンパク質がGpa1タンパク質であり、そして前記改変が、SST2遺伝子、FAR1遺伝子、またはBAR1遺伝子の破壊または欠損である、請求項5または6に記載の方法。
  8. 前記レセプターにおける細胞内レセプター共役タンパク質と相互作用する部位が哺乳類に由来する、請求項1または2に記載の方法。
  9. 前記レセプターが、細胞内で発現される第1のマーカータンパク質をさらに有し;前記酵母が、該第1のマーカータンパク質と相互作用し得る第2のマーカータンパク質と、哺乳類のGタンパク質との、融合タンパク質を細胞内に発現し;そして、該第1のマーカータンパク質と該第2のマーカータンパク質との相互作用が検出可能である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記第1および第2のマーカータンパク質の組み合わせが、シアン蛍光タンパク質および黄色蛍光タンパク質の組み合わせ、あるいはβ−ガラクトシダーゼΔαおよびβ−ガラクトシダーゼΔωの組み合わせである、請求項9に記載の方法。
  11. 酵母Aga1遺伝子または酵母Fig1遺伝子の3’−末端側にEGFP遺伝子が融合されている、α−因子応答性レポーター遺伝子。
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