JP4976643B2 - 能動素子、これを用いたcmos回路及びこれを用いた表示装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、このような無機半導体材料の成膜プロセスには、前記スパッタリングや真空成膜プロセスを何度も繰り返して各層を形成しなければならず、製造コストが非常に膨大なものとなっていた。
しかしながら、このような有機半導体材料では、半導体材料自身の結晶性が非常に高い場合があり、成膜後に膜厚が均一とならず、また、成膜された半導体層が剥がれ易く、基板の僅かな変形により半導体が割れる等の機械的耐久性に劣るという問題がある。
また、これらの従来の有機半導体材料は、キヤリアの移動度が小さく、トランジスタ等の能動素子に用いた場合に能動素子の動作速度を十分速くすることができないという問題がある。
<1> 少なくとも一対の電極と、該電極を連結する有機半導体とを有し、該有機半導体がトリアリールアミン構造を有するポリカーボネート樹脂を含有してなることを特徴とする能動素子である。
<2> トリアリールアミン構造が下記構造式(1)で表される構成単位を含む前記<1>に記載の能動素子である。
<3> トリアリールアミン構造が下記構造式(2)で表される構成単位を含む前記<1>に記載の能動素子である。
<4> トリアリールアミン構造が下記構造式(3)で表される構成単位を含む前記<1>に記載の能動素子である。
<5> トリアリールアミン構造が下記構造式(4)で表される構成単位を含む前記<1>に記載の能動素子である。
<6> トリアリールアミン構造が下記構造式(5)で表される構成単位を含む前記<1>に記載の能動素子である。
<7> トリアリールアミン構造が下記構造式(6)で表される構成単位を含む前記<1>に記載の能動素子である。
<8> トリアリールアミン構造が下記構造式(7)で表される構成単位を含む前記<1>に記載の能動素子である。
<9> トリアリールアミン構造が下記構造式(8)で表される構成単位を含む前記<1>に記載の能動素子である。
<10> トリアリールアミン構造が下記構造式(9)で表される構成単位を含む前記<1>に記載の能動素子である。
<11> トリアリールアミン構造が下記構造式(10)で表される構成単位を含む前記<1>に記載の能動素子である。
<12> トリアリールアミン構造が下記構造式(11)で表される構成単位を含む前記<1>に記載の能動素子である。
<13> トリアリールアミン構造が下記構造式(12)で表される構成単位を含む前記<1>に記載の能動素子である。
<14> トリアリールアミン構造が下記構造式(13)で表される構成単位を含む前記<1>に記載の能動素子である。
<15> 電極が、ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極を有し、前記ゲート電極に印加する電圧により、前記ソース電極及びドレイン電極の間に流れる電流を制御する前記<1>から<14>のいずれかに記載の能動素子である。
<16> ソース電極、有機半導体及びドレイン電極をこの順に並列配置してなり、且つ、ゲート電極が前記ソース電極、有機半導体及びドレイン電極上に配置された前記<15>に記載の能動素子である。
<17> ソース電極、有機半導体及びドレイン電極をこの順に並列配置してなり、且つ、ゲート電極が前記有機半導体により前記ソース電極及びドレイン電極から隔離された状態で配置された前記<15>に記載の能動素子である。
<18> ソース電極、有機半導体及びドレイン電極をこの順に並列配置してなり、且つ、ゲート電極が前記ドレイン電極及び前記有機半導体上に配置された前記<15>に記載の能動素子である。
<19> ソース電極、ゲート電極及びドレイン電極をこの順に並列配置してなり、且つ、これらが互いに前記有機半導体で隔離された前記<15>に記載の能動素子である。
<20> 有機半導体とゲート電極との間にゲート絶縁体を有する前記<15>から<19>のいずれかに記載の能動素子である。
<21> 前記<1>から<20>のいずれかに記載の能動素子を用いたことを特徴とするCMOS回路である。
<22> 前記<1>から<20>のいずれかに記載の能動素子を用いたことを特徴とする表示装置である。
本発明の能動素子は、少なくとも一対の電極と、該電極を連結する有機半導体とを有してなり、更に、必要に応じて適宜選択したその他の構成を有する。そして、前記有機半導体が有機半導体材料を用いてなる。
前記能動素子の形状、大きさなどは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機半導体を2つの電極で挟み込んだ構造を有するダイオード、3つの電極を有機半導体に適宜配置した構造を有するトランジスタなどが挙げられる。前記能動素子がソース電極、ドレイン電極及びゲート電極を有する場合における前記能動素子としては、例えば、電界効果トランジスタ(FET)、ショットキーゲート型トランジスタなどが挙げられる。
前記電極の材料、形状、厚みなどとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記電極の材料としては、例えば、金、銀、銅、白金、ニッケル、タングステン、アルミニウム、これらの合金等の金属類、ITO、酸化スズ、酸化バナジウム等の導電性酸化物、グラファイト、各種誘導体がドープされたシリコン等の化合物半導体、ポリアニリン類、ポリチオフェン類、ポリピロール類等の共役性高分子化合物を含む有機導電材料等が挙げられる。
また、前記電極の断面形状及び平面形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、断面形状としては単層、複層、膜状などの形状が挙げられ、平面形状としては、メッシュ状、多孔質状、線状、ドット状、櫛状などが挙げられるが、例えば、能動素子が薄膜トランジスタ(TFT)等の膜状の素子である場合には、断面形状が薄膜状であり、平面形状が所定パターンを有する線状の電極であることが好ましい。
また、前記電極の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5〜2000nmが好ましく、10〜500nmがより好ましく、20〜200nmが更に好ましい。
前記電極の厚みが2000nmを超えると能動素子の内部抵抗が増大して該素子の電圧−電流特性が悪化することがあり、また、前記電極の厚みが5nm未満であると均一な連続膜を形成することが困難となる場合がある。
前記有機半導体としては、以下に説明する有機半導体材料を用いてなるものであれば、その形状、構造、厚みなどは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、能動素子が薄膜トランジスタ(TFT)等の膜状素子である場合の前記有機半導体の厚みとしては、5〜500nmが好ましく、10〜200nmがより好ましい。
前記有機半導体材料は、トリアリールアミン構造を有するポリカーボネート樹脂を含有し、必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記置換基である前記ハロゲン原子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、具体的には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。
前記置換基である前記アルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、C1〜C12の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基が好ましく、C1〜C8の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基がより好ましく、C1〜C4の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基が更に好ましい。また、これらのアルキル基には、フッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、ハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基などで置換されたフェニル基を含有してもよい。前記置換基である前記アルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基などが挙げられる。
前記置換基である前記アルコキシ基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシキ、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基などが挙げられる。
前記置換基である前記アリールオキシ基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、これらはC1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基、ハロゲン原子を置換基として含有してもよい。前記アリールオキシ基としては、具体的には、例えば、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基などが挙げられる。
前記置換基である前記置換メルカプト基若しくはアリールメルカプト基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、具体的には、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基などが挙げられる。
前記置換基である前記アルキル置換アミノ基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、具体的には、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基などが挙げられる。
前記置換基である前記アシル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、具体的には、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基などが挙げられる。
前記置換基であるアルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、C1〜C5の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基が好ましく、また、これらのアルキル基には、フッ素原子を含有してもよい。前記置換基である前記アルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基などが挙げられる。
前記置換基である前記アルコキシ基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、C1〜C5の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基が好ましく、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシキ、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基などが挙げられる。
前記アルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。また、これらの置換基としては、シアノ基、ハロゲン原子、ニトロ基などが挙げられる。
前記不飽和複素環基としては、例えば、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
(1)
ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、などが挙げられる。
(2)
炭素数1〜6の無置換又は置換のアルキル基、などが挙げられる。
(3)
炭素数1〜6の無置換又は置換のアルコキシ基などが挙げられ、該炭素数1〜6の無置換又は置換アルコキシ基は、前記(2)で挙げたアルキル基をアルコキシ基に代えたものであり、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基などが挙げられる。
(4)
アリールオキシ基などが挙げられ、該アリールオキシ基としては、例えば、アリール基としてフェニル基、ナフチル基等を有するものが挙げられる。前記アリールオキシ基は、炭素数1〜6の無置換若しくは置換のアルキル基、炭素数1〜6の無置換若しくは置換のアルコキシ基、又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。前記アリールオキシ基としては、具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基などが挙げられる。
(5)
置換メルカプト基又はアリールメルカプト基などが挙げられ、具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基などが挙げられる。
(6)
アルキル置換アミノ基などが挙げられ、具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(p−トリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基などが挙げられる。
(7)
アシル基などが挙げられ、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基などが挙げられる。
前記その他の構成としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トランジスタ構造を有する能動素子の場合では、前記有機半導体とゲート電極との間に備えられるゲート絶縁体などが挙げられる。前記能動素子がゲート絶縁体を備えた場合における前記能動素子としては、例えば、絶縁ゲート型電界効果トランジスタなどが挙げられ、具体的には、MIS(Metal Insulator Semiconductor)構造の電界効果トランジスタ、MOS(Metal Oxide Semiconductor)構造の電界効果トランジスタ、薄膜トランジスタ(TFT)などが挙げられる。
図1は、第1の構造に係る能動素子の断面図である。
前記第1の構造に係る能動素子は、ソース電極、有機半導体及びドレイン電極をこの順に並列配置してなり、且つ、ゲート電極が前記前記ソース電極、有機半導体及びドレイン電極上に配置されている。
即ち、図1に示すように、前記ソース電極1、有機半導体3及びドレイン電極2の下方側に、ゲート電極5が配置されてなるものである。なお、前記ゲート電極5は、前記ソース電極1、有機半導体3及びドレイン電極2の上に前記有機半導体3を介して配置してもよいが、ゲート絶縁体5を介して、前記ソース電極1、有機半導体3及びドレイン電極2上に配置されるものが好適である。前記ソース電極1、有機半導体3及びドレイン電極2と前記ゲート電極5との間にゲート絶縁体4が介在する場合には、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタとなる。
また、前記第1の構造に係る能動素子における前記有機半導体の形状、構造、厚みなどとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記能動素子における有機半導体と同様のものとすることができる。
また、前記第1の構造に係る能動素子における前記ゲート絶縁体4の材料、形状、厚みなどとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記材料としては、無機材料膜、有機高分子材料膜などが挙げられる。前記無機材料としては、具体的には、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウムなどが挙げられ、前記有機高分子材料としては、具体的には、ポリエステル類、ポリカーボネート類、ポリ(ビニルフェノール)、ポリイミド類、ポリスチレン、ポリ(メタクリレート)類、ポリ(アクリレート)類、エポキシ樹脂などが挙げられる。前記絶縁ゲート体4の厚みとしては、使用する前記無機材料又は有機高分子材料の誘電率により異なるが、例えば、10〜500nmが好ましい。
図2は、第2の構造に係る能動素子を示す断面図である。
前記第2の構造に係る能動素子は、前記第1の構造に係る能動素子と同様に、ソース電極、有機半導体及びドレイン電極をこの順に並列配置してなり、且つ、ゲート電極が前記前記ソース電極、有機半導体及びドレイン電極上に配置されている。
即ち、図2に示すように、シート状又は膜状のソース電極31とシート状又は膜状のドレイン電極32とを対向配置し、該電極31及び32間に、シート状又は膜状の有機半導体33及が並列配置されている。前記ソース電極31、有機半導体33及びドレイン電極32の一方側端には、少なくとも有機半導体33の厚みと同程度の上下方向の幅を有するゲート絶縁体34を介して該ゲート絶縁体34と同一形状のゲート電極35が配置される。なお、前記各電極31、32、35、有機半導体33及びゲート絶縁体34は個々の接合面において密接していることが好ましい。
なお、各電極31、32及び35、ゲート絶縁体34、並びに有機半導体33の材料、形状、厚み、作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記能動素子と同様のものとすることができる。
図3は、第3の構造に係る能動素子の断面図である。
前記第3の構造に係る能動素子は、ソース電極、有機半導体及びドレイン電極がこの順に並列配置され、且つ、ゲート電極が前記有機半導体により前記ソース電極及びドレイン電極から離隔された状態で配置される。
即ち、図3に示すように、ソース電極11及びドレイン電極12が所定の間隔を有して対向配置され、該ソース電極11及びドレイン電極12が有機半導体13の上面側に配置されるとともに、前記有機半導体13の下面側にはゲート電極15が配置される。なお、前記ゲート電極15は、前記有機半導体13の直下で、該有機半導体13に接して配置されてもよく、また、ゲート絶縁体14を介して配置してもよい。
なお、各電極11、12及び15、ゲート絶縁体14、並びに有機半導体13の材料、形状、厚み、作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記能動素子と同様のものとすることができる。
図4は、第4の構造に係る能動素子を示す断面図である。
前記第4の構造に係る能動素子は、ソース電極、有機半導体及びドレイン電極をこの順に並列配置してなり、且つ、ゲート電極が前記ドレイン電極及び前記有機半導体上に配置される。
即ち、図4に示すように、シート状若しくは板状の有機半導体43に対して、該有機半導体43の下面側にゲート絶縁体44を介してゲート電極45が積層配置される。また、前記有機半導体43及びゲート絶縁体44の積層方向における前記有機半導体43の上面側にソース電極41が配置され、下面側にドレイン電極42が配置される。前記ソース電極41及び前記ドレイン電極42は、直接対向しないように、前記有機半導体43と前記ゲート絶縁体44との積層面方向に、ステップ状に配置されている。
また、前記ソース電極41と前記ドレイン電極42との間に配置される有機半導体43中には、前記有機半導体43と前記ゲート絶縁体44との積層面に平行な方向にチャンネルが形成される。
なお、前記各電極41、42及び45、ゲート絶縁体44、並びに有機半導体43の材料、形状、厚み、作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記能動素子と同様のものとすることができる。
図5は、第5の構造に係る能動素子の他の例を示す断面図である。
前記第5の構造に係る能動素子は、ソース電極、ゲート電極及びドレイン電極をこの順に並列配置してなり、且つ、これらがお互いに有機半導体で離隔されるものである。
即ち、図5に示すように、シート状又は膜状のソース電極21及びドレイン電極22が有機半導体23を介して対向配置され、前記有機半導体23中に、前記ソース電極21及びドレイン電極22に並列するようにゲート電極25が埋設して配置される。
前記ゲート電極25としては、前記ソース電極21及びドレイン電極22から等間隔となるように前記有機半導体23中に埋設して配置されることが好ましい。
前記ゲート電極25の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、棒状の電極を所定の間隔を有して複数本配置したもの、前記ソース電極21及びドレイン電極22面に垂直な開口を有するリング型又は角形の電極を配置したものなどが挙げられる。
なお、前記ゲート電極25の周りを取り囲んで、図示しないゲート絶縁体を有していてもよい。
前記各電極21、22及び25、前記図示しないゲート絶縁体、並びに有機半導体23の材料、形状、厚み、作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記能動素子と同様のものとすることができる。
前記能動素子の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下の方法により前記能動素子を作製することができる。
まず、ガラス、樹脂フィルム等の基板上に所定パターンの電極を構成する薄膜状の電極を形成する。前記薄膜状の電極の形成方法としては、具体的には、例えば、バインダを含有する前記金属酸化物を前記基板上に塗工する方法、アルミニウムを蒸着する方法などが挙げられる。
次いで、該電極の間を連結するように前記基板上に有機半導体の薄膜を形成して前記能動素子を作製する。前記有機半導体の薄膜を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、生産性等の点で、例えば、前記有機半導体材料の溶液を用いて塗工法により作製することが好適に挙げられる。前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒などが挙げられる。前記塗工法としては、具体的には、例えば、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、ブレードコート法、ディップコート法、ロールコート法、パーコート法、ダイコート法などが挙げられる。
まず、ガラス、樹脂フィルム等の基板上に、所定パターンの前記ゲート電極5を構成する薄膜状の電極を形成する。前記薄膜状の電極の形成方法としては、前記能動素子と同様の方法が挙げられる。
次いで、前記ゲート電極5上に前記絶縁ゲート体4を形成する。前記ゲート絶縁体4の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記無機材料を用いる場合には、熱CVD等の化学気相法、スパッタリング法などが挙げられ、前記有機高分子材料を用いる場合には塗工なごが挙げられる。
次いで、前記ゲート絶縁体4上に所定パターンの前記ソース電極1及び前記ドレイン電極2を構成する薄膜状の電極を形成する。前記薄膜状の電極の形成方法としては、前記能動素子と同様の方法が挙げられる。
次いで、該電極の間を連結するように前記基板上に有機半導体の薄膜を形成して前記能動素子を作製する。前記有機半導体の薄膜を形成する方法としては、前記能動素子と同様の方法が挙げられる。
本発明のCMOS回路は、前記能動素子を用いてなる。
前記CMOS回路の構成としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、図6に示すCMOSインバータ回路が挙げられる。前記CMOSインバータ回路は、P型MOSトランジスタ61とN型MOSトランジスタ62とを直列接続し、各トランジスタ61,62のゲート電極を共通接続して入力端子63とするとともに、N型MOSトランジスタ62のドレイン電極とP型MOSトランジスタ61のソース電極とを共通接続して出力端子62とし、更に、N型MOSトランジスタ62のソース電極をグランドに接地し、P型MOSトランジスタ61のドレイン電極に電源電圧、例えば5Vが印加されるように構成してなる。このようなCMOSインバータ回路は前記入力端子63に電源電圧(本形態では5V)の信号が入力されると、N型MOSトランジスタ62がONになるとともに、P型MOSトランジスタ61がOFFとなる。逆に、前記入力端子63にOVの信号が入力されると、N型MOSトランジスタ62がOFFになるとともに、P型MOSトランジスタ61がONとなる。従って、前記入力端子63にOV又は電源電力(5V)のいずれの信号電圧が印加されても、前記P型MOSトランジスタ61及びN型MOSトランジスタ62のいずれかのトランジスタはOFFとなり、P型MOSトランジスタ61のドレイン電極からN型MOSトランジスタ62のソース電極への通過電流が流れないため、消費電力の少ない回路が実現される。また、前記CMOS回路を多数集合したCMOS集積回路をすることも可能である。
本発明の表示装置は、前記能動素子を用いてなる。
前記表示装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液晶表示装置、EL表示装置、電気泳動表示装置などが挙げられる。
前記表示装置は、例えば、液晶表示装置では液晶表示素子、EL表示装置では有機若しくは無機のエレクトロルミネッセンス表示素子、電気泳動表示装置では電気泳動表示素子などの表示素子を1画素として、該表示素子をX方向及びY方向にマトリックス状に複数配列して構成される。
前記表示素子は、該表示素子に対して電圧の印加又は電流の供給を行うためのスイッチング素子を少なくとも備えており、該スイッチング素子が前記能動素子を用いてなる。前記本発明の表示装置としては、前記スイッチング素子が前記表示素子の数、即ち画素数に対応して複数備えられる。
前記表示素子は、前記スイッチング素子の他に、例えば、基板、透明電極等の電極、偏光板、カラーフィルタなどの構成部材を備えるが、これらの構成部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、従来から公知のものを使用することができる。
前記スイッチング素子の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記能動素子と同様のものとすることができる。また、前記複数の表示素子から構成される前記表示装置の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、従来から公知の作製方法により作製することができる。
前記表示装置が、所定の画像を形成する場合には、例えば、マトリックス状に配置されたスイッチング素子の中から任意に選択された前記スイッチング素子が、対応する前記表示素子に電圧の印加又は電流を供給する時のみスイッチがON又はOFFとなり、その他の時間はOFF又はONとなるように構成することにより、高速、高コントラストで、前記各表示装置の表示を行うことができる。なお、前記表示装置における画像の表示動作としては、従来から公知の表示動作により画像等が表示される。例えば、前記液晶表示素子の場合には、液晶に対して電圧を印加することにより、該液晶の分子配列を制御して画像等の表示が行われる。また、前記有機若しくは無機のエレクトロルミネッセンス表示素子の場合には、有機若しくは無機膜で形成された発光ダイオードに電流を供給して該有機若しくは無機膜を発光させることにより画像等の表示が行われる。また、前記電気泳動表示素子の場合には、例えば、異なる極性に帯電された白及び黒色の着色粒子に電圧を印加して、電極間で前記粒子を所定方向に電気的に泳動させて画像等の表示が行われる。
前記表示装置は、前記スイッチング素子を塗工、印刷等の簡易なプロセスにより作製可能であり、プラスチック基板、紙等の高温処理に耐えない基板を用いることができるとともに、大面積のディスプレイであっても、省エネルギー、低コストで前記スイッチング素子を作製可能となる。
−能動素子の作製−
シリコン基板の表面に、該シリコン基板の表面を酸化させることにより、SiO2 よりなる100nm厚のゲート絶縁膜を形成した。次に、下記構造式(31)に係るポリカーボネート樹脂を含有する有機半導体材料の1重量%ジクロロメタン溶液を調製し、得られた前記有機半導体材料の溶液を前記ゲート絶縁膜上にスピンコート法により塗工して80nm厚の半導体層を形成した。次に、前記半導体層上に金を蒸着法により蒸着してソース電極及びドレイン電極を成膜し、チャネル長が50μm、チャネル幅が10000μmである参考例1の能動素子を作製した。
得られた参考例1の能動素子は、ゲート電極に−20V及びソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オン電流)は、5.2nAであり、ゲート電極に0V、ソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オフ電流)は3pAであり、能動素子としての動作を確認した。
前記参考例1において、有機半導体材料を下記構造式(32)で表される有機半導体材料に代えた以外は、参考例1と同様にして参考例2の能動素子を作製した。
得られた参考例2の能動素子は、ゲート電極に−20V及びソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オン電流)は、4.9nAであり、ゲート電極に0V、ソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オフ電流)は3pAであり、能動素子としての動作を確認した。
前記参考例1において、有機半導体材料を下記構造式(33)で表される有機半導体材料に代えた以外は、参考例1と同様にして参考例3の能動素子を作製した。
得られた参考例3の能動素子は、ゲート電極に−20V及びソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オン電流)は、5.9nAであり、ゲート電極に0V、ソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オフ電流)は3pAであり、能動素子としての動作を確認した。
前記参考例1において、有機半導体材料を下記構造式(34)で表される有機半導体材料に代えた以外は、参考例1と同様にして参考例4の能動素子を作製した。
得られた参考例4の能動素子は、ゲート電極に−20V及びソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オン電流)は、5.5nAであり、ゲート電極に0V、ソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オフ電流)は3pAであり、能動素子としての動作を確認した。
前記参考例1において、有機半導体材料を下記構造式(35)で表される有機半導体材料に代えた以外は、参考例1と同様にして実施例5の能動素子を作製した。
得られた実施例5の能動素子は、ゲート電極に−20V及びソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オン電流)は、5.1nAであり、ゲート電極に0V、ソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オフ電流)は3pAであり、能動素子としての動作を確認した。
前記参考例1において、有機半導体材料を下記構造式(36)で表される有機半導体材料に代えた以外は、参考例1と同様にして実施例6の能動素子を作製した。
得られた実施例6の能動素子は、ゲート電極に−20V及びソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オン電流)は、5.3nAであり、ゲート電極に0V、ソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オフ電流)は3pAであり、能動素子としての動作を確認した。
前記参考例1において、有機半導体材料を下記構造式(37)で表される有機半導体材料に代えた以外は、参考例1と同様にして実施例7の能動素子を作製した。
得られた実施例7の能動素子は、ゲート電極に−20V及びソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オン電流)は、5.9nAであり、ゲート電極に0V、ソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オフ電流)は3pAであり、能動素子としての動作を確認した。
前記参考例1において、有機半導体材料を下記構造式(38)で表される有機半導体材料に代えた以外は、参考例1と同様にして実施例8の能動素子を作製した。
得られた実施例8の能動素子は、ゲート電極に−20V及びソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オン電流)は、5.2nAであり、ゲート電極に0V、ソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オフ電流)は3pAであり、能動素子としての動作を確認した。
前記参考例1において、有機半導体材料を下記構造式(39)で表される有機半導体材料に代えた以外は、参考例1と同様にして実施例9の能動素子を作製した。
得られた実施例9の能動素子は、ゲート電極に−20V及びソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オン電流)は、5.6nAであり、ゲート電極に0V、ソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オフ電流)は3pAであり、能動素子としての動作を確認した。
前記参考例1において、有機半導体材料を下記構造式(40)で表される有機半導体材料に代えた以外は、参考例1と同様にして実施例10の能動素子を作製した。
得られた実施例10の能動素子は、ゲート電極に−20V及びソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オン電流)は、5.7nAであり、ゲート電極に0V、ソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オフ電流)は3pAであり、能動素子としての動作を確認した。
前記参考例1において、有機半導体材料を下記構造式(41)で表される有機半導体材料に代えた以外は、参考例1と同様にして実施例11の能動素子を作製した。
得られた実施例11の能動素子は、ゲート電極に−20V及びソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オン電流)は、5.6nAであり、ゲート電極に0V、ソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オフ電流)は3pAであり、能動素子としての動作を確認した。
前記参考例1において、有機半導体材料を下記構造式(42)で表される有機半導体材料に代えた以外は、参考例1と同様にして実施例12の能動素子を作製した。
得られた実施例12の能動素子は、ゲート電極に−20V及びソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オン電流)は、5.7nAであり、ゲート電極に0V、ソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オフ電流)は3pAであり、能動素子としての動作を確認した。
前記参考例1において、有機半導体材料を下記構造式(43)で表される有機半導体材料に代えた以外は、参考例1と同様にして実施例13の能動素子を作製した。
得られた実施例13の能動素子は、ゲート電極に−20V及びソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オン電流)は、5.4nAであり、ゲート電極に0V、ソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オフ電流)は3pAであり、能動素子としての動作を確認した。
前記参考例1において、有機半導体材料を下記構造式(44)で表される有機半導体材料に代えた以外は、参考例1と同様にして実施例14の能動素子を作製した。
得られた実施例14の能動素子は、ゲート電極に−20V及びソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オン電流)は、5.6nAであり、ゲート電極に0V、ソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オフ電流)は3pAであり、能動素子としての動作を確認した。
前記参考例1において、有機半導体材料を下記構造式(45)で表される有機半導体材料に代えた以外は、参考例1と同様にして実施例15の能動素子を作製した。
得られた実施例15の能動素子は、ゲート電極に−20V及びソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オン電流)は、5.3nAであり、ゲート電極に0V、ソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オフ電流)は3pAであり、能動素子としての動作を確認した。
前記参考例1において、有機半導体材料を下記構造式(46)で表される有機半導体材料に代えた以外は、参考例1と同様にして実施例16の能動素子を作製した。
得られた実施例16の能動素子は、ゲート電極に−20V及びソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オン電流)は、5.4nAであり、ゲート電極に0V、ソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オフ電流)は3pAであり、能動素子としての動作を確認した。
前記参考例1において、有機半導体材料を下記構造式(47)で表される有機半導体材料に代えた以外は、参考例1と同様にして実施例17の能動素子を作製した。
得られた実施例17の能動素子は、ゲート電極に−20V及びソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オン電流)は、5.8nAであり、ゲート電極に0V、ソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オフ電流)は3pAであり、能動素子としての動作を確認した。
前記参考例1において、有機半導体材料を下記構造式(48)で表される有機半導体材料に代えた以外は、参考例1と同様にして実施例18の能動素子を作製した。
得られた実施例18の能動素子は、ゲート電極に−20V及びソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オン電流)は、5.9nAであり、ゲート電極に0V、ソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オフ電流)は3pAであり、能動素子としての動作を確認した。
前記参考例1において、有機半導体材料を下記構造式(49)で表される有機半導体材料に代えた以外は、参考例1と同様にして実施例19の能動素子を作製した。
得られた実施例19の能動素子は、ゲート電極に−20V及びソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オン電流)は、5.0nAであり、ゲート電極に0V、ソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オフ電流)は3pAであり、能動素子としての動作を確認した。
前記参考例1において、有機半導体材料を下記構造式(50)で表される有機半導体材料に代えた以外は、参考例1と同様にして実施例20の能動素子を作製した。
得られた実施例20の能動素子は、ゲート電極に−20V及びソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オン電流)は、5.5nAであり、ゲート電極に0V、ソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オフ電流)は3pAであり、能動素子としての動作を確認した。
前記参考例1において、有機半導体材料を下記構造式(51)で表される有機半導体材料に代えた以外は、参考例1と同様にして実施例21の能動素子を作製した。
得られた実施例21の能動素子は、ゲート電極に−20V及びソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オン電流)は、5.5nAであり、ゲート電極に0V、ソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オフ電流)は3pAであり、能動素子としての動作を確認した。
前記参考例1において、有機半導体材料を下記構造式(52)で表される有機半導体材料に代えた以外は、参考例1と同様にして実施例22の能動素子を作製した。
得られた実施例22の能動素子は、ゲート電極に−20V及びソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オン電流)は、5.5nAであり、ゲート電極に0V、ソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オフ電流)は3pAであり、能動素子としての動作を確認した。
前記参考例1において、有機半導体材料を下記構造式(53)で表される有機半導体材料に代えた以外は、参考例1と同様にして実施例23の能動素子を作製した。
得られた実施例23の能動素子は、ゲート電極に−20V及びソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オン電流)は、5.7nAであり、ゲート電極に0V、ソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オフ電流)は3pAであり、能動素子としての動作を確認した。
前記参考例1において、有機半導体材料を下記構造式(54)で表される有機半導体材料に代えた以外は、参考例1と同様にして実施例24の能動素子を作製した。
得られた実施例24の能動素子は、ゲート電極に−20V及びソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オン電流)は、5.4nAであり、ゲート電極に0V、ソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オフ電流)は3pAであり、能動素子としての動作を確認した。
前記参考例1において、有機半導体材料を下記構造式(55)で表される有機半導体材料に代えた以外は、参考例1と同様にして実施例25の能動素子を作製した。
得られた実施例25の能動素子は、ゲート電極に−20V及びソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オン電流)は、6.0nAであり、ゲート電極に0V、ソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オフ電流)は3pAであり、能動素子としての動作を確認した。
前記参考例1において、有機半導体材料を下記構造式(56)で表される有機半導体材料に代えた以外は、参考例1と同様にして実施例26の能動素子を作製した。
得られた実施例26の能動素子は、ゲート電極に−20V及びソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オン電流)は、5.4nAであり、ゲート電極に0V、ソース−ドレイン電極間に−20Vの電圧を印加した時のソース−ドレイン電極間に流れる電流値(オフ電流)は3pAであり、能動素子としての動作を確認した。
参考例1〜参考例4、及び実施例5〜実施例26及び比較例の能動素子について、能動素子の経時変化を作製直後及び一週間大気中に放置後のオン電流の変動率、及び、オン電流/オフ電流(オンオフ比)の変動率をそれぞれ測定して評価を行った。結果を表1に示した。
また、比較例として、参考例1の有機半導体材料を下記構造式(57)で表される繰り返し単位からなるポリチオフェン誘導体(重量平均分子量87,000)である有機半導体材料に代えた以外は、参考例1と同様にして比較例の能動素子を作製し、前記能動素子の経時変化の評価を行った。結果を表1に示した。
一方、比較例の能動素子は、出力電流のオンオフ比の経時低下が大きいことが判る。
2、12、22、32、42 ドレイン電極
3、13、23、33、43 半導体
4、14、34、44 ゲート絶縁体
5、15、25、35、45 ゲート電極
10、20、30、40、50 能動素子
Claims (8)
- 少なくとも一対の電極と、該電極を連結する有機半導体とを有し、
前記電極が、ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極を有し、前記ゲート電極に印加する電圧により、前記ソース電極及びドレイン電極の間に流れる電流を制御し、
前記有機半導体が、下記構造式(35)〜(56)のいずれかで表されるポリカーボネート樹脂を含有してなることを特徴とする能動素子。
- ソース電極、有機半導体及びドレイン電極をこの順に並列配置してなり、且つ、ゲート電極が前記ソース電極、有機半導体及びドレイン電極上に配置された請求項1に記載の能動素子。
- ソース電極、有機半導体及びドレイン電極をこの順に並列配置してなり、且つ、ゲート電極が前記有機半導体により前記ソース電極及びドレイン電極から隔離された状態で配置された請求項1に記載の能動素子。
- ソース電極、有機半導体及びドレイン電極をこの順に並列配置してなり、且つ、ゲート電極が前記ドレイン電極及び前記有機半導体上に配置された請求項1に記載の能動素子。
- ソース電極、ゲート電極及びドレイン電極をこの順に並列配置してなり、且つ、これらが互いに前記有機半導体で隔離された請求項1に記載の能動素子。
- 有機半導体とゲート電極との間にゲート絶縁体を有する請求項1から5のいずれかに記載の能動素子。
- 請求項1から6のいずれかに記載の能動素子を用いたことを特徴とするCMOS回路。
- 請求項1から6のいずれかに記載の能動素子を用いたことを特徴とする表示装置。
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