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Description

本発明は、電解水処理に使用する電解酸化作用が強く、耐腐食性が良好、かつ逆電流に対する耐性に優れた電解的水処理用電極並びにそれを活用した電解的水処理装置に関するものである。
環境問題の進展によって、工場のみならず、家庭用排水その他についてもあらかじめ浄化が求められるようになってきている。従来の排水の基準は残留重金属を中心とするものであり、これらには十分対応できている反面、水の富栄養化に起因して排水中の窒素化合物、燐、その他のCOD特に有機CODが上昇し、これらに対する排水基準が強化されてきており、これに対応する事が必要となってきている。
従来有機CODに対しては生物化学処理が主に行われてきたが、場所と時間を取るため十分に大きな処理設備を必要とするが、不十分になるケースが多かった。そのため、薬液と前記生物化学処理の組み合わせ、あるいは電解処理や紫外線処理等と前記生物化学処理の組み合わせなどにより不十分な処理設備に対する対策が採られてきた。
しかし最近ではこれらのうち薬液を使用するケースでは薬液による2次公害の問題などが指摘されており、電解や紫外線処理などの無添加技術が強く要請されており、バラスト水中の微生物、プランクトン処理用等として、外部からの薬液を加えない、電解や紫外線処理などが行われるようになっている。
紫外線処理は大規模な処理設備と液の濁度、着色によって大きな制限を受けるためにその用途は使用条件が限られるという点から電解処理が自然に脚光を浴びてきている。
この電解処理には種々の形式が知られているが、その作用としては陽極酸化処理による有機物の分解、CODの減少、あるいは着色物質の分解による脱色などが通常行われている。また最近ではラジカル発生並びにラジカルの強い酸化作用を利用した有機物分解処理等も行われるようになってきている。
これらの電解処理は電解槽の構造も重要であるが、電極の特性そのものが特に重要であり、種々の電極が開発されている。中でも、酸化作用が大きく、オゾン発生による処理が出来る酸化鉛電極は酸化処理にきわめて有効であり、代表的には本発明者による開示がある(特許文献1及び特許文献2)。しかし、鉛はそのものが重金属であるという理由のため、現実的には実用上問題ないものの、直接廃水処理に使われる事は稀であった。但しオゾン発生など間接的に使われているケースは多い。
また古くから使用されている白金電極はその過電圧が高く、水処理として使用されているが、白金は高価で寿命が比較的短いため、最近ではその使用が減少傾向にある。
一方、脱色用などとしては酸化スズ電極が提案されており(非特許文献1)、特に酸素過電圧が高いため有機物分解用として有効であるとされている。しかしこの電極では逆電流を流すと電気化学的にほぼ瞬間的に電極が破壊されるという問題を持っている。
また万能電極として導電性ダイアモンド電極が提案されている。この電極は極めて強い酸化作用と共に陽極としても安定に使えるという特徴があるために、多くの用途に展開されることが予想されている。しかし、現状では基材がシリコンとニオブに限定されていること、CVD法で作製されるために生産性が悪く、また高価になるためにその使用は限定的であるという問題がある。また、ダイアモンドを粉末として基材上に被覆する技術も提案されているが、実用化は今後の課題であると考えられる(特許文献3及び特許文献4)。
一方電極を組み込んだ水処理用電解槽としては各種が考えられるが、特に平行に並んだ陽極と陰極に垂直方向から電解液を流す方法が有効であるとされる(特許文献5)。このための電極としては陰極としても陽極としても使用できる事が重要であり、しかも基材が穴あき板やメッシュなどに加工が出来、有効に使えることが重要である。そのために定期的に電流を逆転させたり、洗浄が容易に出来たりという種々の工夫が施されているが、一般に前記電極には低負荷でしか運転できないという問題があった。高負荷で運転可能なダイアモンド電極は多孔性の金属基材の使用に制限があるために更に一層の改良を必要とすると言う問題があった。
特開昭63−057791号公報 特開昭63−057792号公報 特開平09−279398号公報 特開平10−90774号公報 特開2004−176088号公報 電気化学及び工業物理化学62,1087(1994)
本発明は、排水処理などの水処理並びに今後の大きな問題となるバラスト水処理などに有効な陽極として大きな酸化作用を有すると共に、陰極としても問題なく使え、しかも基材が従来から広く使われているチタンなどの弁金属を使うことが出来る電解的水処理に有用な電極並びにそれを使用した水処理装置を提供することを課題とした。
本発明は、弁金属基材、及び当該弁金属基材の表面に形成された、酸化タンタル50〜95モル%、残部が白金と金属イリジウムからなる触媒被覆層を、タンタル塗布液と、白金塩とイリジウム塩のアルコール溶液を使用し、酸化タンタル層と、白金と金属イリジウムからなる層を交互に熱分解を繰り返して触媒被覆層を形成することを特徴とする電解的水処理用電極である。


以下本発明を詳細に説明する。
本発明の水処理用電極は、酸化タンタル50〜95モル%、残部が白金と金属イリジウムからなる触媒被覆層を含んでなる触媒被覆層を含む。白金は酸素過電圧が高くかつ酸化作用が大きいため、更にイリジウムは酸素発生用電極として極めて優れた耐久性を有するため、本発明で使用する。
本発明の水処理用電極で触媒被覆層が酸化タンタルと白金及び金属イリジウムを有する理由は次の通りである。
白金やイリジウム等の白金族金属はそれ自体は電極物質として極めて活性であるので、水溶液中で陽極として使用すると酸素発生が主体となり、被処理水中に含まれるCOD成分や有機物の分解には必ずしも有効には働かない。一方酸化タンタルは、電極としての活性はないが、電極の安定化と電極物質の選択反応性に有効に働き、いわば助触媒的作用を有する。
このような機能を有する白金及び金属イリジウムと酸化タンタルと組み合わせることにより、次の理由で被処理水の電解的処理が効率良く行えると考えられる。つまり白金及び金属イリジウムは酸化タンタルの安定化作用によって電解によっても消耗が少なくなると共に、実質的な電極触媒である白金属族金属に掛かる過電圧が大きくなり、その電位が酸素又は水素発生過電圧より、有機物を分解する電位に近づく事により有効に有機物を分解し、あるいはCODの低下を行うことが出来るようになる。
このように酸化タンタルは、白金や金属イリジウムの酸素又は水素発生過電圧を上昇させるという機能を有し、この機能は酸化タンタルの含有量に応じて増減する。従って触媒被覆層中の酸化タンタルの好ましい含有率は、必要な酸素又は水素発生過電圧の上昇幅により、更に白金族金属の種類、表面状態、触媒被覆層が形成される弁金属基材の種類や状態により変化する。前記酸化タンタルの機能を発揮させるために酸化タンタルは触媒被覆層中で50モル%を超える量が存在する必要があり、その上限は白金族金属の触媒活性等により変化するが本発明では95モル%である。つまり触媒被覆層中の酸化タンタルの含有率は50〜95モル%で、より好ましくは60〜90モル%、更に好ましくは70〜90モル%である。
50モル%未満であると、酸素発生の効率が上がってしまい目的とする被処理水処理の効率が下がる可能性が大きくなってしまう。
触媒被覆層中の白金及びイリジウムは金属として存在し、これらの金属白金や金属イリジウムが酸化タンタル中に分散して触媒被覆層が形成されることが望ましい。しかし酸化物として存在し得る白金以外のイリジウムは一部が酸化イリジウムとして酸化タンタルと共に存在しても良い。しかし酸化イリジウムの量が多くなりすぎると陽極として使用するときの電位が下がって有機物分解である目的反応が進行しにくくなることがある。イリジウムの場合、触媒被覆層中での金属イリジウムと酸化イリジウムのモル比は100:0〜70:30の範囲とすることが望ましい。
触媒被覆層の酸化タンタル以外の成分は白金及び金属イリジウムであるが、この他に、白金族金属以外の金属や不純物を含んでいても良く、その量は触媒被覆層全体に対して10モル%を上限とする。
本発明の水処理用電極では、触媒被覆層における酸化タンタルの量が比較的多く、酸化タンタル自身が導電性を有さないため、触媒被覆層中の白金族金属への通電には工夫が必要である。このためには5価であるタンタルに僅少量の異なった原子価の金属、例えば4価であるチタンを加え、例えば熱分解で酸化物として酸化タンタル中に取り込むことにより通電が可能になる。添付する金属はチタン以外でも良いが、陽極としても陰極としても安定な物質であることが望ましい。
このような構成から成る触媒被覆層を、基材上に担持して水処理用電極とする。
前記基材は、加工が容易であり、しかも陽極として使用した場合にそれ自体極めて優れた耐食性を示し、また陰極として使用した場合にも金属として腐食が起こらない金属や金属合金を使用して形成することが望ましく、本発明では前記性能を有する弁金属を基材材料とする。弁金属には、チタン、タンタル及びニオブなどが含まれる。この弁金属基材は自由な加工が可能であると共に、陽極電位が比較的高く、十分な酸化性を有し、陰極として還元にも十分に耐えられるため、水処理用に特に有効な電極用基材である。
このような弁金属基材の形状は必要に応じて決めれば良く、平板、穴あき板あるいは編みメッシュやエクスパンドメッシュなどから適宜選択すれば良い。
弁金属基材上に触媒被覆層を形成するためには、触媒被覆層を構成する触媒物質を含む溶液を塗布して熱分解で析出させても良いが、タンタル成分と白金/イリジウムを分けて交互に焼き付けることでも良い。前者の熱分解ではイリジウムが酸化イリジウムとして析出する恐れがあり、これを回避してイリジウムを金属状態で析出させるためには後者の交互焼付けが特に有効である。この場合、最表面は酸化タンタルとして、必要に応じて再加熱などによりある程度の分散処理を行うと良い。
このように酸化タンタルと白金族金属を含む触媒被覆層を有する水処理用電極は、活性と有機物分解選択性という面からは優れているが、長期間陽極として使用すると、弁金属基材表面が酸化してしまい、いわゆる不慟体化して電極物質を残したまま通電が出来なくなることがある。経験的に、基材近傍に活性な白金が存在すると、より不慟体化が進み易くなることが知られている。この影響を避けるために、弁金属基材表面にあらかじめ導電性酸化タンタル含有下地層を形成し、この下地層表面に前記触媒被覆層を被覆しても良い。この導電性酸化タンタル含有下地層は酸化タンタル単独でも、タンタルと他の金属例えばチタンの複合酸化物であっても良い。
以上述べた通り、本発明の水処理用電極は、陽極としての酸化作用により被処理水中の塩素イオンを塩素ガスに酸化したり、微生物を酸化的に殺菌したりして被処理水の処理を行う。陰極として使用する場合も、微生物を還元的に殺菌する。
しかし通常の排水処理電解では陰極側のpHがアルカリ側に偏りやすく、陰極表面並びに近傍に沈殿物の生成が起こることが多い。そしてこの沈殿物を除去するために定時的に又は不定期に通電方向を変えている。通電方向を変えるためには電極に担持された電極物質(触媒被覆層)も電流方向の逆転に耐性のあることが必要であり、その点白金は金属として問題なく使えることが明らかになっている。またイリジウムは金属状態であれば全く問題なく、部分的に酸化物であっても前述した通り金属と金属酸化物のモル比が100:0〜70:30の範囲であれば特に問題は生じない。更に酸化タンタルは安定材であり、それ自体は正/負いずれでも安定に存在できる。
多孔性弁金属基材上に、本発明の触媒被覆層である陽極、陰極両用の電極物質を被覆した電極をそれぞれ陽極及び陰極として複数個使用して電解槽を構成し、被処理水を電極板面に交差(90°以下30°以上が望ましい)するように流すことによって被処理水を確実に陽極及び陰極の両方に接触させ、被処理水の処理を確実にすることが出来る。特にこれにより陽極生成物を陰極で再度分解して無害化する、あるいはその逆が可能である。例えば被処理水の食塩濃度が100ppm程度ある時には陽極では部分的に有効塩素の発生が起こるが、この有効塩素を陰極で分解できる。これにより通常問題となる活性塩素は陰極でほとんど分解されてしまうために外部にはほとんど出ることが無く、それによってトリハロメタン(THM)などの二次公害の元となる生成物も最小に押さえることが出来る。酸化作用の大きなラジカルを発生させて有機物を分解すること等にも、より有効に使うことが出来る。
本発明の水処理用電極は、酸化タンタルと白金及び金属イリジウムを含む触媒被覆層を有している。通常の白金族金属は酸素発生や水素発生に適した過電圧を有するが、前記酸化タンタルの存在により白金族金属の過電圧が有機物分解や微生物殺菌に適した電位に移行する。
これにより強い電解酸化作用及び良好な耐腐食性が維持されたまま、有機物やCODの高い廃水の電解水処理に適した電極が提供できる。又この電極は、陰極としても安定に機能する。
前記電極を陽極、陰極の両方に使って定期的又は不定期に電流方向を変えながら電解処理を安定的に行うと、析出物を生じさせずに、特に陽極酸化分解処理が行える。また該電極を陽極及び陰極として組み合わせ、両電極に交差するように被処理水を流すことによってより有効に廃水の処理が行える。特に有機廃水処理やバラスト水の処理に有効である。
次に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
厚さ1mmのロールがけをしたチタン製エクスパンドメッシュを弁金属基材とし、アルミナサンドを用いて表面をブラスト処理によって粗面化し、これを85℃25%硫酸中にて1時間酸洗処理を行い、次のようにして触媒被覆層を形成した。
タンタルブトキシドのブタノール溶液に、塩化イリジウムのブタノール溶液、並びに塩化白金酸のブタノール溶液を所定割合(タンタル:白金:イリジウム=7:2:1(モル分率))で溶解し、それをブタノールにて希釈して塗布液を作製した。液濃度は全金属合計で0.2モル/lであった。
この塗布液を前記チタン基材表面に塗布し、60℃で乾燥後520℃マッフル炉内で10分間熱分解を行った。塗布量は約40ml/m−チタンとなるようにした。塗布/熱分解を10回繰り返して金属として15g/mとなる被覆を形成し、これを水処理用電極とした。この金属被覆を、X線回折により定性分析したところ、酸化タンタルはほとんど非晶質であり、それに金属の白金とイリジウム並びに僅かの酸化イリジウムの存在が認められた。
前記水処理用電極を陽極及び陰極として使用して電気分解の試験を行った。本実施例及び以下の実施例及び比較例において、電解電圧が開始時点より10V上昇した時点で、電極の寿命と判断してその寿命を計測した。寿命は陰極時間+陽極時間で表した。
電解液は20%硫酸水溶液とし、温度を10℃とし、電流密度10A/dmで1時間ごとに電流の方向を変えて電解を行った。
電解開始後10分ほどで僅かではあるが生臭い臭気が出てきた。この臭気はオゾンによるものであり、陽極としての酸化作用も通常の金属電極に比較してかなり高いことが分かった。
1000時間の連続運転でも電圧の上昇はなく、安定して電解出来ることがわかった。
また電解後、電解液にペルオキソニ硫酸の生成が認められ、強い酸化作用のあることが分かった。
[比較例1]
通常の酸素発生用の金属電極である、酸化イリジウム:酸化タンタル=70:30の被覆を、実施例1と同様の条件で実施例1と同じチタン製エクスパンドメッシュを弁金属基材表面に形成した電極を、陽極及び陰極として使用し、実施例1と同様に電解を行った。
初期電圧は実施例1より0.5V低かったが、電解時には臭気の発生はなく、また電解寿命は600から650時間であった。更にペルオキソ二流酸の生成は認められなかった。
[実施例2]
実施例1と同じ基材を用いて、酸化タンタル層と白金+イリジウム層を交互に積層して電極を作製した。
まず実施例1と同じ条件で弁金属基材を準備した。
五塩化タンタルを35%塩酸に溶解し、加熱して塩素イオンを塩酸として揮散させ、Ta(OH)C1(5−x)水溶液を作製した。これを10%塩酸にて希釈してタンタル塗布液とした。次いで塩化白金酸と塩化イリジウム酸を白金:イリジウム=90:10(モル比)となるようにイソプロピルアルコールに溶解して白金−イリジウム塗布液を得た。
両塗布液を使って次のようにコーティングを作製した。
つまり、まずタンタル液を弁金属基材に塗布し、60℃で15分間乾燥後、530℃で10分間熱分解処理を行った。この表面に上記白金−イリジウム液を塗布し、室温で乾燥後、515℃で15分間熱分解を行った。更にこの表面にタンタル液を塗布し、室温で乾燥後、515℃で15分間熱分解を行った。この後タンタルと白金−イリジウムの被覆を交互に繰り返して電極試料を作製した(タンタル:白金:イリジウム=70:27:3(モル比))。
陽極、陰極両方ともここで作製した電極を、アゾ染料によって着色した染料廃水中に入れ、20分ごとに交互に陽/陰を入れ替えて電解を行ったところ、30分ほどで脱色し、透明になった。
[実施例3]
厚さ1mm、開口率50%のロール掛けしたチタン製エクスパンドメッシュを蓚酸で酸洗し、弁金属基材とした。
塗布液1(導電性酸化タンタル含有下地層用)として塩化タンタルに四塩化チタンを1:1(重量比)で混合し10%塩酸で希釈したものを準備した。上層の電極物質(触媒被覆層)用としては実施例1と同様にしてタンタル:白金:イリジウム=80:15:5(モル比)からなる塗布液2を準備した。
まず前記弁金属基材に塗布液1を塗布し、60℃で10分間乾燥後、525℃で15分間熱分解した。この塗布/熱分解を3回行った。しかる後に塗布液2を塗布し、室温で乾燥後、515℃で10分間熱分解を行った。この塗布液2による塗布/熱分解を10回繰り返して水処理用電極を得た。
これにより得られた電極を使用して実施例1と同じ電解液条件で電解試験を行ったところ、オゾン臭は実施例1より強く、オゾンの発生がより盛んであることがわかった。また電解寿命試験では電流密度を20A/dmとした場合に1000時間以上安定に電解できた。
[実施例4]
実施例3で作製した水処理用電極を2枚縦方向に平行に並べるようにして組み込んだ電解槽を用意した。電極の並びに対して直角方向に被処理水が流れるようにパイプを取り付け、食塩を10g/l添加した着色廃水を被処理水として流しながら電解を行った。液の方向は当初陽極側から陰極側に流すようにした。
電流密度10A/dmで電解したところ、電解槽出口では被処理水の着色が消え、また被処理水の残留塩素がほぼゼロであること、更に電解槽から出てくる処理済み水中の残留塩素はほぼゼロであった。またTHM(トリハロメタン)の生成の存在も見られなかった。
[比較例2]
実施例4の電解槽を使用し、電極の並びに対して平行に被処理水が流れるようにパイプを取り付けたこと以外は実施例4と同じ条件で電解を行った。
その結果、被処理水は脱色されたが、残留塩素が約0.5ppm残留し、更にトレース程度ではあるがTHMの存在が認められた。
実施例4と比較例2の差の要因は次のように推測できる。
実施例4では、陽極では塩素を発生すると共に染料を分解、脱色を行い、陽極で発生した塩素は陰極まですぐに到達する為、液中の有機物との反応がほとんどなしに陰極に到達して陰極還元により塩素を分解したことによると考えられる。
他方比較例2では、陽極では塩素発生と共に廃水の脱色が行われるが、塩素の一部が陰極に達する前に液中の有機物と反応してTHMが生成すること、更に塩素が、陰極生成物である、苛性アルカリと反応して次亜塩素酸塩を生成し残留塩素として放出されたことによると考えられる。

Claims (1)

  1. 弁金属基材、及び当該弁金属基材の表面に形成された、酸化タンタル50〜95モル%、残部が白金と金属イリジウムからなる触媒被覆層を、タンタル塗布液と、白金塩とイリジウム塩のアルコール溶液を使用し、酸化タンタル層と、白金と金属イリジウムからなる層を交互に熱分解を繰り返して触媒被覆層を形成することを特徴とする電解的水処理用電極。
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