JP4973493B2 - 冷凍装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の圧縮機により構成された圧縮機構が冷媒回路に設けられた冷凍装置に関するものである。
従来より、複数の圧縮機により構成された圧縮機構が設けられた冷媒回路を備える冷凍装置が知られている。この種の冷凍装置は、食品等を貯蔵する冷蔵庫や冷凍庫等の冷却機を始め、室内を冷暖房する空調機などに広く利用されている。
特許文献1には、圧縮機構に対して油分離器が設けられた冷凍装置が開示されている。油分離器は、各圧縮機からの吐出管が接続する吐出合流管に設けられている。油分離器から延びる油戻し管は、各圧縮機に対して分岐して、各圧縮機の中間圧の圧縮室に冷媒を注入する各インジェクション管に接続されている。
また、特許文献2には、室内ユニットと冷蔵ユニットと冷凍ユニットとが設けられた冷凍装置が開示されている。この冷凍装置では、室内ユニットで冷房を行って冷蔵ユニット及び冷凍ユニットで庫内の冷却を行う運転の際に、インバータ圧縮機が冷蔵ユニット及び冷凍ユニットで蒸発した冷媒を吸入し、第2ノンインバータ圧縮機が室内ユニットで蒸発した冷媒を吸入する。
特開2007−178052 特開2007−78338
ところで、従来の冷凍装置では、各圧縮機の中間圧の圧縮室に注入する冷媒が流通する分岐注入通路(インジェクション管)毎に、開閉自在の開閉弁が設けられている。そして、各開閉弁を開閉することによって各圧縮機の中間圧の圧縮室へ冷媒を注入するか否かが調節され、圧縮機構における吐出冷媒の温度が適正化される。しかし、各分岐注入通路毎に開閉弁を設けると、冷媒回路の構成が複雑化するという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、庫内熱交換器及び室内熱交換器が共に蒸発器として動作して、庫内熱交換器で蒸発した冷媒が第1圧縮機に吸入されると共に、室内熱交換器で蒸発した冷媒が第2圧縮機に吸入される冷房冷却運転を行う冷凍装置において、圧縮機構における吐出冷媒の温度を適正化できる回路を簡素な構成で実現することにある。
第1の発明は、互いに並列に接続された第1圧縮機(14a)及び第2圧縮機(14b)を有する圧縮機構(40)と、庫内を冷却する庫内熱交換器(64)と、室内を空調する室内熱交換器(54)とが設けられた冷媒回路(4)を備え、上記冷媒回路(4)では、上記庫内熱交換器(64)及び上記室内熱交換器(54)が共に蒸発器として動作して、該庫内熱交換器(64)で蒸発した冷媒が上記第1圧縮機(14a)に吸入されると共に、該室内熱交換器(54)で蒸発した冷媒が上記第2圧縮機(14b)に吸入される冷房冷却運転が行われ、上記冷房冷却運転では、上記室内熱交換器(54)における冷媒の蒸発温度が上記庫内熱交換器(64)における冷媒の蒸発温度よりも高くなる冷凍装置を対象とする。そして、この冷凍装置は、上記圧縮機構(40)における各圧縮機(14)の中間圧の圧縮室(73)へ冷媒を注入するための冷媒注入通路(30)と、上記圧縮機構(40)の吐出冷媒から冷凍機油を分離する油分離機構(37)と、上記油分離機構(37)で分離された冷凍機油を上記冷媒注入通路(30)のうち各圧縮機(14)に対して分岐した各分岐注入通路(36)へ供給するための油戻し通路(38)とを備え、上記第1圧縮機(14a)に接続する第1分岐注入通路(36a)及び上記第2圧縮機(14b)に接続する第2分岐注入通路(36b)のうち第2分岐注入通路(36b)のみに、上記油戻し通路(38)との接続箇所の上流側の位置に、開閉自在の上流側開閉弁(SV2)が設けられている。
第1の発明では、第1分岐注入通路(36a)及び第2分岐注入通路(36b)のうち第2分岐注入通路(36b)のみに、油戻し通路(38)との接続箇所の上流側の位置に、開閉自在の上流側開閉弁(SV2)が設けられている。ここで、運転中の圧縮機(14)には、油分離機構(37)からの冷凍機油を常に戻す必要がある。このため、分岐注入通路(36)において油戻し通路(38)との接続箇所の下流側に開閉弁を設けても、その開閉弁を閉状態にすると圧縮機(14)に冷凍機油が戻らないので、その開閉弁を圧縮機(14)の中間圧の圧縮室(73)へ冷媒を注入するか否かの調節に用いることができない。この第1の発明では、閉状態に設定しても第2圧縮機(14b)への油戻しが停止されない上流側開閉弁(SV2)が、中間圧の圧縮室(73)へ冷媒を注入するか否かを調節する開閉弁となる。
ところで、室内熱交換器(54)における冷媒の蒸発温度が庫内熱交換器(64)における冷媒の蒸発温度よりも高いので、第1圧縮機(14a)及び第2圧縮機(14b)では、中間圧の圧縮室(73)への冷媒の注入がなければ、蒸発温度が高い方の冷媒を吸入する第2圧縮機(14b)の方が、吸入冷媒の圧力が高くなって圧縮比が小さくなるので、吐出冷媒の温度が低くなる。このため、第1圧縮機(14a)及び第2圧縮機(14b)のうち第2圧縮機(14b)だけに、中間圧の圧縮室(73)への冷媒の注入が必要になることがない。つまり、第2圧縮機(14b)への冷媒の注入を実行中に、第1圧縮機(14a)への冷媒の注入を停止することがない。従って、中間圧の圧縮室(73)へ冷媒を注入するか否かを調節する上流側開閉弁(SV2)が、第1分岐注入通路(36a)及び第2分岐注入通路(36b)のうち第2分岐注入通路(36b)だけに設けられている。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記第1分岐注入通路(36a)には、上記油戻し通路(38)との接続箇所の下流側の位置に開閉自在の下流側開閉弁(SV1)が設けられている。
第2の発明では、下流側開閉弁(SV1)が第1分岐注入通路(36a)に設けられている。このため、第1圧縮機(14a)の停止中に下流側開閉弁(SV1)を閉状態に設定することで、停止中の第1圧縮機(14a)の中間圧の圧縮室(73)に第1分岐注入通路(36a)からの冷媒が流入することが阻止される。また、停止中の第1圧縮機(14a)の中間圧の圧縮室(73)に、油戻し通路(38)からの冷凍機油が流入することも阻止される。なお、下流側開閉弁(SV1)は、油戻し通路(38)との接続箇所の下流側に位置しているので、上述したように、第1圧縮機(14a)の中間圧の圧縮室(73)へ冷媒を注入するか否かを調節する開閉弁を構成しない。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記油戻し通路(38)は、上記第1分岐注入通路(36a)に接続する第1油戻し通路(38a)と、上記第2分岐注入通路(36b)に接続する第2油戻し通路(38b)とを備え、上記第1油戻し通路(38a)及び上記第2油戻し通路(38b)のうち第2油戻し通路(38b)のみに、開閉自在の油戻し側開閉弁(SV4)が設けられている。
第3の発明では、油戻し側開閉弁(SV4)が第2油戻し通路(38b)に設けられている。このため、第2圧縮機(14b)の停止中に油戻し側開閉弁(SV4)を閉状態に設定することで、停止中の第2圧縮機(14b)に第2油戻し通路(38b)からの冷凍機油が流入することが阻止される。
第4の発明は、上記第1乃至第3の何れか1つの発明において、上記第2圧縮機(14b)は、運転容量が固定の圧縮機として構成される一方、上記第2分岐注入通路(36b)における該第2圧縮機(14b)と上記上流側開閉弁(SV2)の間と、該第2圧縮機(14b)の吸入側とを連通させる吸入連通通路(55)と、上記吸入連通通路(55)に配置された開閉自在の吸入側開閉弁(SV9)とを備えている。
第4の発明では、吸入連通通路(55)が、第2分岐注入通路(36b)における第2圧縮機(14b)と上流側開閉弁(SV2)の間と、第2圧縮機(14b)の吸入側とを連通している。吸入連通通路(55)には、吸入側開閉弁(SV9)が設けられている。第2圧縮機(14b)の運転中に、吸入側開閉弁(SV9)を開状態に設定すると、第2圧縮機(14b)の吸入側に、油分離機構(37)からの冷凍機油が吸入される。このため、第2圧縮機(14b)の吸入側に吸入される室内熱交換器(54)からの冷媒流量が冷凍機油の分だけが減少し、第2圧縮機(14b)から室内熱交換器(54)側へ供給される冷媒流量が減少する。従って、吸入側開閉弁(SV9)を開閉することで、第2圧縮機(14b)が運転容量が固定の圧縮機であるにも拘わらず、室内熱交換器(54)側へ供給する冷媒流量を調節することが可能になる。この第4の発明では、吸入連通通路(55)が、第2分岐注入通路(36b)における第2圧縮機(14b)と上流側開閉弁(SV2)との間に接続されているので、上流側開閉弁(SV2)が開状態であっても閉状態であっても、吸入連通通路(55)から第2圧縮機(14b)の吸入側に冷凍機油を送ることができ、室内熱交換器(54)側へ供給する冷媒流量の調節が可能である。
本発明では、中間圧の圧縮室(73)へ冷媒を注入するか否かを調節する上流側開閉弁(SV2)が、第1分岐注入通路(36a)及び第2分岐注入通路(36b)のうち第2分岐注入通路(36b)だけに設けられている。つまり、第1分岐注入通路(36a)には、中間圧の圧縮室(73)へ冷媒を注入するか否かを調節する開閉弁が設けられていない。第1圧縮機(14a)及び第2圧縮機(14b)のうち蒸発温度が高い方の冷媒を吸入する第2圧縮機(14b)だけに中間圧の圧縮室(73)への冷媒の注入が必要になることはないので、このような開閉弁を第1分岐注入通路(36a)に設けなくても、圧縮機構(40)における吐出冷媒の温度の適正化を図ることが可能である。従って、圧縮機構(40)における吐出冷媒の温度の適正化を保ちつつ、冷媒回路(4)の構成を簡素化することができる。
また、上記第2の発明では、第1分岐注入通路(36a)に下流側開閉弁(SV1)を設けることで、停止中の第1圧縮機(14a)の中間圧の圧縮室(73)に第1分岐注入通路(36a)からの冷媒が流入すること、さらに停止中の第1圧縮機(14a)の中間圧の圧縮室(73)に油戻し通路(38)からの冷凍機油が流入することを阻止することができるようにしている。ここで、停止中の第1圧縮機(14a)の中間圧の圧縮室(73)に冷媒や冷凍機油が流入すると、停止中の第1圧縮機(14a)の圧縮室(73)に冷媒や冷凍機油が溜まってしまい、第1圧縮機(14a)が起動する際に液圧縮を生じるおそれがある。これに対して、この第2の発明では、停止中の第1圧縮機(14a)の中間圧の圧縮室(73)に冷媒及び冷凍機油が流入することが阻止されるので、停止中の第1圧縮機(14a)の圧縮室(73)に冷媒や冷凍機油が溜まることを回避できる。従って、第1圧縮機(14a)の起動時の液圧縮を防止することができる。
そして、この第2の発明では、下流側開閉弁(SV1)が、停止中の第1圧縮機(14a)の中間圧の圧縮室(73)に冷媒が流入することを阻止する開閉弁と、停止中の第1圧縮機(14a)の中間圧の圧縮室(73)に冷凍機油が流入することを阻止する開閉弁とを兼ねている。このため、分岐注入通路(36)と油戻し通路(38)とのそれぞれに開閉弁を設ける場合に比べて、冷媒回路(4)の構成を簡素化することができる。
また、上記第3の発明では、第2油戻し通路(38b)に油戻し側開閉弁(SV4)を設けることで、停止中の第2圧縮機(14b)の中間圧の圧縮室(73)に第2油戻し通路(38b)からの冷凍機油が流入することを阻止することができるようにしている。従って、停止中の第2圧縮機(14b)の圧縮室(73)に冷凍機油が溜まることを回避できるので、第2圧縮機(14b)の起動時の液圧縮を防止することができる。
また、上記第4の発明では、第2分岐注入通路(36b)における第2圧縮機(14b)と上流側開閉弁(SV2)との間に吸入連通通路(55)を接続することで、上流側開閉弁(SV2)が開状態であっても閉状態であっても、吸入側開閉弁(SV9)を開閉によって室内熱交換器(54)側へ供給する冷媒流量の調節が可能となるようにしている。従って、第2圧縮機(14b)の中間圧の圧縮室(73)へ冷媒を注入しているか否かに拘わらず、室内熱交換器(54)側へ供給する冷媒流量の調節によって室内熱交換器(54)側の空調能力の調節を行うことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態は、本発明に係る冷凍装置(1)である。冷凍装置(1)は、例えばコンビニエンスストアに設けられる。冷凍装置(1)は、図1に示すように、室外に設置される庫外ユニット(10)と、店内空間を空調する室内ユニット(50)と、庫内を冷却する2台の庫内ユニット(60a,60b)と、ブースタユニット(80)とを備えている。2台の庫内ユニット(60a,60b)は、冷蔵ユニット(60a)と冷凍ユニット(60b)とから構成されている。
庫外ユニット(10)には庫外回路(11)が、室内ユニット(50)には室内回路(52)が、冷蔵ユニット(60a)には第1庫内回路(61a)が、冷凍ユニット(60b)には第2庫内回路(61b)が、ブースタユニット(80)にはブースタ回路(81)がそれぞれ設けられている。この冷凍装置(1)では、庫外回路(11)、室内回路(52)、第1庫内回路(61a)、第2庫内回路(61b)、及びブースタ回路(81)を液側連絡配管(2)及びガス側連絡配管(3)で接続することによって、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路(4)が構成されている。第1庫内回路(61a)と第2庫内回路(61b)は並列に接続されている。また、第2庫内回路(61b)とブースタ回路(81)は直列に接続されている。
ガス側連絡配管(3)は、庫外回路(11)の第3閉鎖弁(113)に接続された集合ガス管(3d)と、集合ガス管(3d)から分岐して第1庫内回路(61a)に接続された第1ガス側連絡配管(3a)と、集合ガス管(3d)から分岐してブースタ回路(81)に接続された第2ガス側連絡配管(3b)と、庫外回路(11)の第2閉鎖弁(112)と室内回路(52)とを接続する第3ガス側連絡配管(3c)とから構成されている。
一方、液側連絡配管(2)は、庫外回路(11)の第1閉鎖弁(111)に接続された集合液管(2d)と、集合液管(2d)から分岐して第1庫内回路(61a)に接続された第1分岐液管(2a)と、集合液管(2d)から分岐して第2庫内回路(61b)に接続された第2分岐液管(2b)と、集合液管(2d)から分岐して室内回路(52)に接続された第3分岐液管(2c)とから構成されている。なお、第2庫内回路(61b)とブースタ回路(81)との間は、接続ガス管(5)によって接続されている。
《庫外ユニット》
庫外回路(11)には、圧縮機構(40)、庫外熱交換器(15)、レシーバ(16)、及び過冷却熱交換器(17)が設けられている。圧縮機構(40)は、運転容量が可変の第1圧縮機(14a)と、運転容量が固定の第2圧縮機(14b)と、運転容量が固定の第3圧縮機(14c)とから構成されている。これらの圧縮機(14a,14b,14c)は、互いに並列に接続されている。
第1圧縮機(14a)、第2圧縮機(14b)、及び第3圧縮機(14c)は何れも、例えば全密閉の高圧ドーム型のスクロール圧縮機として構成されている。第1圧縮機(14a)には、インバータを介して電力が供給される。第1圧縮機(14a)は、インバータの出力周波数を変化させることによって、その運転容量を段階的に調節することができるように構成されている。一方、第2圧縮機(14b)及び第3圧縮機(14c)は、電動機が常に一定の回転速度で運転されるものであって、その運転容量が変更不能となっている。なお、圧縮機(14)の構成の詳細については後述する。
第1圧縮機(14a)の第1吐出管(56a)、第2圧縮機(14b)の第2吐出管(56b)及び第3圧縮機(14c)の第3吐出管(56c)は、1本の吐出合流管(21)に接続されている。吐出合流管(21)は、第1四路切換弁(31)に接続されている。吐出合流管(21)からは吐出分岐管(97)が分岐している。吐出分岐管(97)は、第2四路切換弁(32)に接続されている。
各吐出管(56)には、圧縮機(14)側から順に、油分離器(37a,37b,37c)と高圧圧力スイッチ(39a,39b,39c)と逆止弁(CV1,CV2,CV3)とが配置されている。各高圧圧力スイッチ(39)は、異常高圧時に圧縮機(14)を緊急停止させるように構成されている。各逆止弁(CV1,CV2,CV3)は、圧縮機(14)へ向かう冷媒の流れを禁止するように構成されている。
各油分離器(37)は、密閉容器状に構成され、圧縮機(14)から吐出された冷媒から冷凍機油を分離するように構成されている。これらの油分離器(37)は油分離機構(37)を構成している。本実施形態では、各吐出管(56)に油分離器(37)を設けることで、吐出合流管(21)に1つの油分離器を設ける場合に比べて、油分離器(37)の小型化が図られている。
各油分離器(37)には、油戻し管(38a,38b,38c)の一端が接続されている。各油戻し管(38)の他端は、後述する分岐注入管(42a,42b,42c)に接続されている。これらの油戻し管(38)は、油戻し通路(38)を構成している。第1吐出管(56a)の油分離器(37)から延びる第1油戻し管(38a)には、油分離器(37)側から順に、油分離器(37)へ向かう冷媒の流れを禁止する逆止弁(CV4)と、高圧冷媒を中間圧に減圧するキャピラリーチューブ(41a)とが設けられている。第2吐出管(56b)の油分離器(37)から延びる第2油戻し管(38b)、及び第3吐出管(56c)の油分離器(37)から延びる第3油戻し管(38c)には、油分離器(37)側から順に、油分離器(37)へ向かう冷媒の流れを禁止する逆止弁(CV5,CV6)と、高圧冷媒を中間圧に減圧するキャピラリーチューブ(41b,41c)と、開閉自在の電磁弁(SV4,SV5)とが設けられている。第2油戻し管(38b)の電磁弁(SV4)は、油戻し側開閉弁(SV4)を構成している。油戻し側開閉弁(SV4)は、第1油戻し管(38a)及び第2油戻し管(38b)のうち第2油戻し管(38b)のみに設けられている。
電磁弁(SV4)は、第2圧縮機(14b)の運転中は、常に第2圧縮機(14b)に冷凍機油が戻るように開状態に設定される。また、電磁弁(SV4)は、第2圧縮機(14b)の停止中は閉状態に設定される。電磁弁(SV4)は、停止中の第2圧縮機(14b)の中間圧の圧縮室(73)へ、第2油戻し管(38b)からの冷凍機油が流入することを阻止する。なお、電磁弁(SV5)の制御は、電磁弁(SV4)の制御と同じである。
第1圧縮機(14a)の第1吸入管(57a)は第3閉鎖弁(113)に接続されている。第2圧縮機(14b)の第2吸入管(57b)は第2四路切換弁(32)に接続されている。第3圧縮機(14c)の第3吸入管(57c)は第3四路切換弁(33)に接続されている。第1吸入管(57a)からは、第1吸入分岐管(58a)が分岐している。第2吸入管(57b)からは、第2吸入分岐管(58b)が分岐している。第1吸入分岐管(58a)及び第2吸入分岐管(58b)は共に第3四路切換弁(33)に接続されている。また、第1吸入分岐管(58a)及び第2吸入分岐管(58b)には、第3四路切換弁(33)側からの冷媒の流れを禁止する逆止弁(CV13,CV14)がそれぞれ設けられている。
庫外熱交換器(15)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されている。庫外熱交換器(15)の近傍には、庫外熱交換器(15)に庫外空気を送る庫外ファン(23)が設けられている。庫外熱交換器(15)では、冷媒と庫外空気との間で熱交換が行われる。
庫外熱交換器(15)のガス側は、第1四路切換弁(31)に接続されている。庫外熱交換器(15)の液側は、第1液管(24)を介してレシーバ(16)の頂部に接続されている。第1液管(24)には、庫外熱交換器(15)へ向かう冷媒の流れを禁止する逆止弁(CV10)が設けられている。
過冷却熱交換器(17)は、高圧側流路(17a)と低圧側流路(17b)とを備え、各流路(17a,17b)を流れる冷媒同士を熱交換させるものである。この過冷却熱交換器(17)は、例えばプレート熱交換器により構成されている。
高圧側流路(17a)の流入端は、冷媒配管を介してレシーバ(16)の底部に接続されている。また、高圧側流路(17a)の流出端は、第2液管(25)を介して第1閉鎖弁(111)に接続されている。一方、低圧側流路(17b)の流入端には、第2液管(25)から分岐した第1分岐管(26)が接続されている。第1分岐管(26)には、開度を調節可能な電子膨張弁により構成された第2庫外膨張弁(19)が設けられている。また、低圧側流路(17b)の流出端には、各圧縮機(14)の中間圧の圧縮室(73)へ冷媒を注入するためのインジェクション管(30)が接続されている。インジェクション管(30)は、冷媒注入通路(30)を構成している。
インジェクション管(30)は、本注入管(35)と、第1分岐注入管(36a)、第2分岐注入管(36b)、及び第3分岐注入管(36c)とから構成されている。本注入管(35)は低圧側流路(17b)に接続されている。第1分岐注入管(36a)は、本注入管(35)から分岐して第1圧縮機(14a)に接続されている。第2分岐注入管(36b)は、本注入管(35)から分岐して第2圧縮機(14b)に接続されている。第3分岐注入管(36c)は、本注入管(35)から分岐して第3圧縮機(14c)に接続されている。
各分岐注入管(36)は、各圧縮機(14)の中間圧の圧縮室(73)に接続されている。また、各分岐注入管(36)には、上述したように、各油戻し管(38)がそれぞれ接続されている。本実施形態では、油分離器(37)の冷凍機油を圧縮機(14)の吸入側へ戻すと、冷凍機油の分だけ圧縮機(14)が吸入側から吸入する冷媒流量が減少するので、油分離器(37)の冷凍機油を中間圧の圧縮室(73)へ戻す構成が採用されている。
各分岐注入管(36)には、本注入管(35)側から順に、開閉自在の電磁弁(SV1,SV2,SV3)と、圧縮機(14)側からの冷媒の流れを禁止する逆止弁(CV7,CV8,CV9)とが設けられている。第1分岐注入管(36a)では、電磁弁(SV1)及び逆止弁(CV7)が第1油戻し管(38a)との接続箇所の下流側に配置されている。電磁弁(SV1)は下流側開閉弁(SV1)を構成している。本実施形態では、第1分岐注入管(36a)及び第2分岐注入管(36b)のうち第1分岐注入管(36a)のみに下流側開閉弁(SV1)が設けられている。
電磁弁(SV1)は、第1圧縮機(14a)の運転中は開状態に設定され、第1圧縮機(14a)の停止中は閉状態に設定される。電磁弁(SV1)は、停止中の第1圧縮機(14a)の中間圧の圧縮室(73)へ、第1分岐注入管(36a)からの冷媒及び第1油戻し管(38a)からの冷凍機油が流入することを阻止する。
第2分岐注入管(36b)では、電磁弁(SV2)及び逆止弁(CV8)が第2油戻し管(38b)との接続箇所の上流側に配置されている。電磁弁(SV2)は上流側開閉弁(SV2)を構成している。本実施形態では、第1分岐注入管(36a)及び第2分岐注入管(36b)のうち第2分岐注入管(36b)のみに上流側開閉弁(SV2)が設けられている。
第2圧縮機(14b)の運転中の電磁弁(SV2)は、第2圧縮機(14b)の吐出冷媒の温度が所定の設定温度以上になる第1条件と、第2圧縮機(14b)の吐出冷媒の過熱度が所定の設定過熱度以上になる第2条件の少なくとも一方が成立する場合に開状態に設定され、第1条件と第2条件が両方とも成立しない場合に閉状態に設定される。また、第2圧縮機(14b)の停止中の電磁弁(SV2)は、停止中の第2圧縮機(14b)の中間圧の圧縮室(73)へ第2分岐注入管(36b)からの冷媒が流入することを阻止するために、閉状態に設定される。
第3分岐注入管(36c)では、電磁弁(SV3)及び逆止弁(CV9)が第3油戻し管(38c)との接続箇所の上流側に配置されている。ここで、第3四路切換弁(33)が第1状態に設定される場合には、第3圧縮機(14c)は庫内熱交換器(64)で蒸発した冷媒を吸入する。つまり、第3圧縮機(14c)は庫内ユニット(60)側の圧縮機となる。この状態では、電磁弁(SV3)は、電磁弁(SV1)と同様に、第3圧縮機(14c)の運転中は開状態に設定され、第3圧縮機(14c)の停止中は閉状態に設定される。一方、第3四路切換弁(33)が第2状態に設定される場合には、第3圧縮機(14c)は、暖房運転時を除いて室内熱交換器(54)で蒸発した冷媒を吸入する。つまり、第3圧縮機(14c)は室内ユニット(50)側の圧縮機となる。この状態では、第3圧縮機(14c)の運転中の電磁弁(SV3)は、第3圧縮機(14c)の吐出冷媒の温度が所定の設定温度以上になる第3条件と、第3圧縮機(14c)の吐出冷媒の過熱度が所定の設定過熱度以上になる第4条件の少なくとも一方が成立する場合に開状態に設定され、第3条件と第4条件が両方とも成立しない場合に閉状態に設定される。また、第3圧縮機(14c)の停止中の電磁弁(SV3)は、停止中の第3圧縮機(14c)の中間圧の圧縮室(73)へ第3分岐注入管(36c)からの冷媒が流入することを阻止するために、閉状態に設定される。
また、各電磁弁(SV1,SV2,SV3)は、パイロット式の電磁弁である。このため、圧縮機(14)の停止中に電磁弁(SV1,SV2,SV3)を閉状態に設定しても、圧縮機(14)側からの冷媒が電磁弁(SV1,SV2,SV3)から漏れてしまう。本実施形態では、圧縮機(14)の停止中に分岐注入管(36)を冷媒が逆流することを阻止するために、逆止弁(CV7,CV8,CV9)が設けられている。
レシーバ(16)は、庫外熱交換器(15)と過冷却熱交換器(17)との間に配置され、庫外熱交換器(15)で凝縮した高圧冷媒を一時的に貯留できるようになっている。レシーバ(16)の頂部には、インジェクション管(30)に接続されたガス抜き管(44)が接続されている。ガス抜き管(44)には、開閉自在の電磁弁(SV6)が設けられている。
第1分岐管(26)からは、第2分岐管(28)が分岐している。第2分岐管(28)は、第1液管(24)における逆止弁(CV10)とレシーバ(16)との間に接続されている。第2分岐管(28)には、レシーバ(16)側から順に、レシーバ(16)側からの冷媒の流れを禁止する逆止弁(CV12)と、開度が調節可能な電子膨張弁により構成された第3庫外膨張弁(110)とが設けられている。また、第2分岐管(28)では、第3庫外膨張弁(110)と並列に開閉自在の電磁弁(SV7)が設けられている。
また、第2分岐管(28)からは、吐出合流管(21)に接続する第1高圧管(120)が分岐している。第1高圧管(120)には、吐出合流管(21)側からの冷媒の流れを禁止する逆止弁(CV11)が設けられている。また、第1高圧管(120)からは、逆止弁(CV11)の下流側で、第2高圧管(121)が分岐している。第2高圧管(121)は第3四路切換弁(33)に接続されている。また、第2高圧管(121)からは、第3高圧管(122)が分岐している。第3高圧管(122)は、第1液管(24)における逆止弁(CV10)とレシーバ(16)との間に接続されている。第3高圧管(122)には、開閉自在の電磁弁(SV8)が設けられている。
第1液管(24)と第2液管(25)との間には、レシーバ(16)及び過冷却熱交換器(17)をバイパスする第3分岐管(29)が接続されている。第3分岐管(29)は、第1液管(24)においては庫外熱交換器(15)と逆止弁(CV10)との間に接続され、第2液管(25)においては過冷却熱交換器(17)と第1閉鎖弁(111)との間に接続されている。第3分岐管(29)には、開度が調節可能な電子膨張弁により構成された第1庫外膨張弁(18)が設けられている。
第1四路切換弁(31)は、第1ポート(P1)が吐出合流管(21)に、第2ポート(P2)が第2四路切換弁(32)の第4ポート(P4)に、第3ポート(P3)が庫外熱交換器(15)に、第4ポート(P4)が第2閉鎖弁(112)にそれぞれ接続されている。また、第2四路切換弁(32)は、第1ポート(P1)が吐出分岐管(97)に、第2ポート(P2)が第2吸入管(57b)に、第4ポート(P4)が第1四路切換弁(31)の第2ポート(P2)にそれぞれ接続されている。第2四路切換弁(32)の第3ポート(P3)は閉塞された閉鎖ポートに構成されている。また、第3四路切換弁(33)は、第1ポート(P1)が第2高圧管(121)に、第2ポート(P2)が第3吸入管(57c)に、第3ポート(P3)が第2吸入分岐管(58b)に、第4ポート(P4)が第1吸入分岐管(58a)にそれぞれ接続されている。
第1乃至第3の各四路切換弁(31,32,33)は、第1ポート(P1)と第3ポート(P3)が互いに連通して第2ポート(P2)と第4ポート(P4)が互いに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)が互いに連通して第2ポート(P2)と第3ポート(P3)が互いに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)との間で切換自在に構成されている。
庫外ユニット(10)には、各種のセンサが設けられている。具体的に、吐出合流管(21)には、吐出圧力センサ(43)が設けられている。第1吸入管(57a)には第1吸入圧力センサ(71a)が設けられている。第2吸入管(57b)には第2吸入圧力センサ(71b)が設けられている。各吐出管(56)には、吐出温度センサ(48a,48b,48c)が設けられている。第1液管(24)には、第1液温度センサ(72)が設けられている。第2液管(25)には、第2液温度センサ(45)が設けられている。また、庫外ファン(23)の近傍には、外気温度センサ(46)が設けられている。
《空調ユニット》
室内回路(52)では、その液側端からガス側端へ向かって順に、室内膨張弁(53)と室内熱交換器(54)とが設けられている。室内膨張弁(53)は、開度が調節可能な電子膨張弁により構成されている。また、室内熱交換器(54)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されている。室内熱交換器(54)の近傍には、室内熱交換器(54)に室内空気を送る室内ファン(20)が設けられている。室内熱交換器(54)では、冷媒と室内空気との間で熱交換が行われる。
《冷蔵ユニット、冷凍ユニット》
第1庫内回路(61a)及び第2庫内回路(61b)では、その液側端からガス側端へ向かって順に、庫内膨張弁(63a,63b)と庫内熱交換器(64a,64b)とがそれぞれ設けられている。各庫内膨張弁(63a,63b)は、開度が調節可能な電子膨張弁により構成されている。各庫内熱交換器(64a,64b)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されている。また、各庫内熱交換器(64a,64b)の近傍には、庫内熱交換器(64a,64b)に庫内空気を送る庫内ファン(65a,65b)が設けられている。各庫内熱交換器(64a,64b)では、冷媒と庫内空気との間で熱交換が行われる。
《ブースタユニット》
ブースタ回路(81)には、ブースタ圧縮機(86)が設けられている。ブースタ圧縮機(86)の吐出管(78)には、ブースタ圧縮機(86)側から順に、油分離器(87)、高圧圧力スイッチ(88)、逆止弁(CV15)が設けられている。油分離器(87)には、キャピラリーチューブ(91)が設けられた油戻し管(92)が接続されている。また、ブースタ回路(81)には、ブースタ圧縮機(86)をバイパスするバイパス管(95)が設けられている。バイパス管(95)には、逆止弁(CV16)が設けられている。
〈圧縮機の構成〉
各圧縮機(14a,14b,14c)の構成を図2及び図3に従って説明する。なお、各圧縮機(14a,14b,14c)は同様の構成であるため、ここでは第1圧縮機(14a)の構成について説明する。
第1圧縮機(14a)は、縦長で密閉容器状のケーシング(70)を備えている。ケーシング(70)の内部には、下から上へ向かって、電動機(85)と流体機械(82)とが配置されている。
電動機(85)は、ステータ(83)とロータ(84)とを備えている。ステータ(83)は、ケーシング(70)の胴部に固定されている。一方、ロータ(84)は、ステータ(83)の内側に配置され、クランク軸(90)が連結されている。
流体機械(82)は、可動スクロール(76)と固定スクロール(75)とを備えている。可動スクロール(76)は、略円板状の可動側鏡板(76b)と、渦巻き状の可動側ラップ(76a)とを備えている。可動側ラップ(76a)は可動側鏡板(76b)の前面(上面)に立設されている。また、可動側鏡板(76b)の背面(下面)には、クランク軸(90)の偏心部が挿入された円筒状の突出部(76c)が立設されている。可動スクロール(76)は、オルダムリング(79)を介して、可動スクロール(76)の下側に配置されたハウジング(77)に支持されている。一方、固定スクロール(75)は、略円板状の固定側鏡板(75b)と、渦巻き状の固定側ラップ(75a)とを備えている。固定側ラップ(75a)は固定側鏡板(75b)の前面(下面)に立設されている。流体機械(82)では、固定側ラップ(75a)と可動側ラップ(76a)とが互いに噛み合うことによって、両ラップ(75a,76a)の接触部の間に複数の圧縮室(73)が形成されている。
なお、本実施形態の各圧縮機(14)では、いわゆる非対称渦巻き構造が採用されており、固定側ラップ(75a)と可動側ラップ(76a)とで巻き数(渦巻きの長さ)が相違している。上記複数の圧縮室(73)は、固定側ラップ(75a)の内周面と可動側ラップ(76a)の外周面との間に構成される第1圧縮室(73a)と、固定側ラップ(75a)の外周面と可動側ラップ(76a)の内周面との間に構成される第2圧縮室(73b)とから構成されている。
流体機械(82)では、固定スクロール(75)の外縁部に吸入ポート(98)が形成されている。吸入ポート(98)には、ケーシング(70)の頂部を貫通する第1吸入管(57a)が接続されている。吸入ポート(98)は、可動スクロール(76)の公転運動に伴って、第1圧縮室(73a)と第2圧縮室(73b)のそれぞれに間欠的に連通する。また、吸入ポート(98)には、圧縮室(73)から第1吸入管(57a)へ戻る冷媒の流れを禁止する吸入逆止弁が設けられている(図示省略)。
また、流体機械(82)では、固定側鏡板(75b)の中央部に吐出ポート(93)が形成されている。吐出ポート(93)は、可動スクロール(76)の公転運動に伴って、第1圧縮室(73a)と第2圧縮室(73b)のそれぞれに間欠的に連通する。吐出ポート(93)は、固定スクロール(75)の上側に形成されたマフラー空間(96)に開口している。
また、流体機械(82)の固定側鏡板(75b)には、第1分岐注入管(36a)が接続された中間圧ポート(99)が形成されている。中間圧ポート(99)は、固定側鏡板(75b)の中心と外周との間付近の位置において、固定側ラップ(75a)を跨ぐように形成されている。中間圧ポート(99)は、中間圧の第1圧縮室(73a)及び中間圧の第2圧縮室(73b)の両方に連通する。
ケーシング(70)内は、円盤状のハウジング(77)によって、上側の吸入空間(101)と下側の吐出空間(100)とに区画されている。吸入空間(101)は、図示しない連通ポートを通じて、吸入ポート(98)に連通している。吐出空間(100)は、固定スクロール(75)とハウジング(77)とに亘ってに形成された連絡通路(103)を通じて、マフラー空間(96)に連通している。運転中の吐出空間(100)は、吐出ポート(93)から吐出された冷媒がマフラー空間(96)を通じて流入するので、流体機械(82)で圧縮された冷媒で満たされる高圧空間になる。吐出空間(100)には、ケーシング(70)の胴部を貫通する第1吐出管(56a)が開口している。
また、ケーシング(70)の底部には、冷凍機油が貯留される油溜まりが形成されている。また、クランク軸(90)の内部には、油溜まりに開口する第1給油通路(104)が形成されている。また、可動側鏡板(76b)には、第1給油通路(104)に接続する第2給油通路(105)が形成されている。この圧縮機(14)では、油溜まりの冷凍機油が第1給油通路(104)及び第2給油通路(105)を通じて低圧側の圧縮室(73)に供給される。
−運転動作−
次に、冷凍装置(1)が行う運転動作について各運転毎に説明する。この冷凍装置(1)は、8種類の運転モードを設定可能に構成されている。具体的には、<i>室内ユニット(50)の冷房のみを行う冷房運転、<ii>室内ユニット(50)の暖房のみを行う暖房運転、<iii>冷蔵ユニット(60a)と冷凍ユニット(60b)での庫内の冷却のみを行う冷却運転、<iv>冷蔵ユニット(60a)及び冷凍ユニット(60b)での庫内の冷却と共に室内ユニット(50)での冷房を行う第1冷房冷却運転、<v>第1冷房冷却運転時の室内ユニット(50)の冷房能力が不足した場合の第2冷房冷却運転、<vi>庫外熱交換器(15)を用いずに、冷蔵ユニット(60a)及び冷凍ユニット(60b)での庫内の冷却と室内ユニット(50)での暖房とを行う第1暖房冷却運転、<vii>第1暖房冷却運転で室内ユニット(50)の暖房能力が余るときに行う第2暖房冷却運転、そして<viii>第1暖房冷却運転で室内ユニット(50)の暖房能力が不足するときに行う第3暖房冷却運転が選択可能に構成されている。
〈冷房運転〉
冷房運転では、図4に示すように、第1四路切換弁(31)及び第2四路切換弁(32)が共に第1状態に設定された状態で、第2圧縮機(14b)の運転が行われる。冷房運転では、冷房能力が不足する場合に、第3圧縮機(14c)の運転も行われる。その際、第3四路切換弁(33)は第2状態に設定される。第1圧縮機(14a)は常に停止している。
冷房運転中は、室内膨張弁(53)の開度が、例えば室内熱交換器(54)の出口の冷媒の過熱度が所定値(5℃)になるように過熱度制御される。この点は、以下の冷房を行う運転でも同じである。また、第2庫外膨張弁(19)の開度は第2液温度センサ(45)の検出値が一定値になるように制御され、第3庫外膨張弁(110)の開度は適宜調節される。この点は、以下の運転でも同じである。第1庫外膨張弁(18)、及び各庫内膨張弁(63)は閉状態に設定される。冷房運転では、庫外熱交換器(15)が凝縮器となって室内熱交換器(54)が蒸発器となる蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。
具体的に、冷房運転では、第2圧縮機(14b)から吐出された冷媒が、庫外熱交換器(15)で凝縮し、レシーバ(16)を経て室内回路(52)に流入する。室内回路(52)では、流入した冷媒が、室内膨張弁(53)で減圧された後に、室内熱交換器(54)で室内空気から吸熱して蒸発する。冷媒によって冷却された室内空気は店内空間へ供給される。室内熱交換器(54)で蒸発した冷媒は、第2圧縮機(14b)に吸入されて再び吐出される。なお、室内熱交換器(54)での冷媒の蒸発温度は、例えば10℃に設定される。
〈暖房運転〉
暖房運転では、図5に示すように、第1四路切換弁(31)が第2状態に設定されて第2四路切換弁(32)が第1状態に設定された状態で、第2圧縮機(14b)の運転が行われる。暖房運転では、暖房能力が不足する場合には、第3圧縮機(14c)の運転も行われる。その際、第3四路切換弁(33)は第2状態に設定される。第1圧縮機(14a)は常に停止している。
暖房運転中は、室内膨張弁(53)の開度が、例えば室内熱交換器(54)の出口の冷媒の過冷却度が所定値(5℃)になるようにサブクール制御される。この点は、以下の暖房を行う運転でも同じである。第1庫外膨張弁(18)は開状態に設定される。各庫内膨張弁(63)は閉状態に設定される。暖房運転では、室内熱交換器(54)が凝縮器となって庫外熱交換器(15)が蒸発器となる蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。
具体的に、第2圧縮機(14b)から吐出された冷媒は、室内回路(52)に流入して、室内熱交換器(54)で室内空気に放熱して凝縮する。冷媒によって加熱された室内空気は店内空間へ供給される。室内熱交換器(54)で凝縮した冷媒は、室内膨張弁(53)で減圧された後に庫外熱交換器(15)で蒸発し、第2圧縮機(14b)に吸入されて再び吐出される。
〈冷却運転〉
冷却運転では、図6に示すように、第1四路切換弁(31)が第1状態に設定された状態で、第1圧縮機(14a)の運転が行われる。冷却運転では、庫内の冷却能力が不足する場合には、第3圧縮機(14c)の運転も行われる。その際、第3四路切換弁(33)は第1状態に設定される。第2圧縮機(14b)は常に停止している。
冷却運転中は、各庫内膨張弁(63)の開度がそれぞれ過熱度制御される。この点は、以下の庫内の冷却を行う運転でも同じである。第1庫外膨張弁(18)及び室内膨張弁(53)は閉状態に設定される。冷却運転では、庫外熱交換器(15)が凝縮器となって各庫内熱交換器(64)が蒸発器となる蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。
具体的に、冷却運転では、第1圧縮機(14a)から吐出された冷媒が、庫外熱交換器(15)で凝縮する。そして、庫外熱交換器(15)で凝縮した冷媒は、レシーバ(16)を経て、第1庫内回路(61a)及び第2庫内回路(61b)にそれぞれ分配される。
第1庫内回路(61a)では、流入した冷媒が、庫内膨張弁(63a)で減圧された後に、庫内熱交換器(64a)で庫内空気から吸熱して蒸発する。冷媒によって冷却された庫内空気は、冷蔵ショーケースの庫内へ供給される。また、第2庫内回路(61b)では、流入した冷媒が、庫内膨張弁(63b)で減圧された後に、庫内熱交換器(64b)で庫内空気から吸熱して蒸発する。冷媒によって冷却された庫内空気は、冷凍ショーケースの庫内へ供給される。庫内熱交換器(64b)で蒸発した冷媒は、ブースタ圧縮機(86)によって圧縮される。そして、庫内熱交換器(64a)で蒸発した冷媒と、ブースタ圧縮機(86)によって圧縮された冷媒とは、合流後に第1圧縮機(14a)に吸入されて再び吐出される。
なお、冷却運転では、庫内熱交換器(64a)での冷媒の蒸発温度が例えば0℃に設定され、庫内熱交換器(64b)での冷媒の蒸発温度が例えば−30℃に設定される。
〈第1冷房冷却運転〉
第1冷房冷却運転では、図7に示すように、第1四路切換弁(31)及び第2四路切換弁(32)が共に第1状態に設定された状態で、第1圧縮機(14a)及び第2圧縮機(14b)の運転が行われる。第1冷房冷却運転では、庫内の冷却能力が不足する場合には、第3圧縮機(14c)の運転も行われる。その際、第3四路切換弁(33)は第1状態に設定される。
第1冷房冷却運転中は、第1庫外膨張弁(18)は閉状態に設定される。第1冷房冷却運転では、庫外熱交換器(15)が凝縮器となって室内熱交換器(54)及び各庫内熱交換器(64)が蒸発器となる蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。
具体的に、第1冷房冷却運転では、第1圧縮機(14a)及び第2圧縮機(14b)から吐出された冷媒が、庫外熱交換器(15)で凝縮する。そして、庫外熱交換器(15)で凝縮した冷媒は、レシーバ(16)を経て、第1庫内回路(61a)、第2庫内回路(61b)、及び室内回路(52)に分配される。
第1庫内回路(61a)及び第2庫内回路(61b)に分配された冷媒は、冷却運転と同様の流れで流通し、第1圧縮機(14a)に吸入されて再び吐出される。室内回路(52)に分配された冷媒は、冷房運転と同様の流れで流通し、第2圧縮機(14b)に吸入されて再び吐出される。
なお、第1冷房冷却運転では、室内熱交換器(54)での冷媒の蒸発温度が例えば10℃に設定され、庫内熱交換器(64a)での冷媒の蒸発温度が例えば0℃に設定され、庫内熱交換器(64b)での冷媒の蒸発温度が例えば−30℃に設定される。室内熱交換器(54)における冷媒の蒸発温度は、庫内熱交換器(64)における冷媒の蒸発温度よりも高い値に設定される。この点は、以下の第2冷房冷却運転でも同じである。
〈第2冷房冷却運転〉
第2冷房冷却運転は、第1冷房冷却運転で冷房能力が不足する場合に、第3四路切換弁(33)を第2状態に切り換えることによって行われる。第2冷房冷却運転では、第3圧縮機(14c)が室内ユニット(50)側に切り換えられる。第2冷房冷却運転時の設定は、第3四路切換弁(33)以外は、基本的に第1冷房冷却運転と同じである。
〈第1暖房冷却運転〉
第1暖房冷却運転では、図8に示すように、第1四路切換弁(31)が第2状態に設定されて第2四路切換弁(32)が第1状態に設定された状態で、第1圧縮機(14a)の運転が行われる。第1暖房冷却運転では、庫内の冷却能力が不足する場合に、第3圧縮機(14c)の運転も行われる。その際、第3四路切換弁(33)は第1状態に設定される。
第1暖房冷却運転中は、第1庫外膨張弁(18)、第2庫外膨張弁(19)、及び第3庫外膨張弁(110)が閉状態に設定される。第1暖房冷却運転では、室内熱交換器(54)が凝縮器となって各庫内熱交換器(64)が蒸発器となる蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。第1暖房冷却運転中は、冷蔵ユニット(60a)と冷凍ユニット(60b)との冷却能力(蒸発熱量)と、室内ユニット(50)の暖房能力(凝縮熱量)とがバランスし、100%の熱回収が行われる。
具体的に、第1圧縮機(14a)から吐出された冷媒は、室内熱交換器(54)で室内空気に放熱して凝縮する。室内熱交換器(54)で凝縮した冷媒は、第1庫内回路(61a)及び第2庫内回路(61b)にそれぞれ分配される。第1庫内回路(61a)及び第2庫内回路(61b)に分配された冷媒は、冷却運転と同様の流れで流通し、第1圧縮機(14a)に吸入されて再び吐出される。
〈第2暖房冷却運転〉
第2暖房冷却運転は、第1暖房冷却運転の際に暖房能力が余っている場合に、図9に示すように、第2四路切換弁(32)を第2状態に切り換えることによって行われる。第2暖房冷却運転では、庫外熱交換器(15)が凝縮器として機能する。第2暖房冷却運転時の設定は、第2四路切換弁(32)以外は、基本的に第1暖房冷却運転と同じである。
第2暖房冷却運転では、第1圧縮機(14a)から吐出した冷媒の一部が、庫外熱交換器(15)に流入する。庫外熱交換器(15)では、流入した冷媒が庫外空気に放熱して凝縮する。庫外熱交換器(15)で凝縮した冷媒は、室内熱交換器(54)で凝縮した冷媒と合流して、第1庫内回路(61a)及び第2庫内回路(61b)にそれぞれ分配される。第2暖房冷却運転では、冷蔵ユニット(60a)と冷凍ユニット(60b)との冷却能力(蒸発熱量)と、室内ユニット(50)の暖房能力(凝縮熱量)とはバランスせずに、余る凝縮熱が庫外熱交換器(15)で放出される。
〈第3暖房冷却運転〉
第3暖房冷却運転は、第1暖房冷却運転の際に暖房能力が不足する場合に、図10に示すように、第2四路切換弁(32)を第1状態に設定すると共に、第1庫外膨張弁(18)を開状態に設定した状態で、第3圧縮機(14c)の運転を行うことによって行われる。第3暖房冷却運転では、室内熱交換器(54)が凝縮器となって各庫内熱交換器(64)及び庫外熱交換器(15)が蒸発器となる蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。
第3暖房冷却運転では、室内熱交換器(54)で凝縮した冷媒が、第1庫内回路(61a)及び第2庫内回路(61b)だけでなく、庫外回路(11)側へ分配される。庫外回路(11)に分配された冷媒は、第1庫外膨張弁(18)で減圧された後に庫外熱交換器(15)で蒸発して、第2圧縮機(14b)に吸入されて再び吐出される。第3暖房冷却運転では、冷蔵ユニット(60a)と冷凍ユニット(60b)との冷却能力(蒸発熱量)と、室内ユニット(50)の暖房能力(凝縮熱量)とはバランスせずに、不足する蒸発熱が庫外熱交換器(15)で吸熱される。
なお、本実施形態では、例えば第1冷房冷却運転など庫外熱交換器(15)が凝縮器として動作する際に、図11に示すように、第2庫外膨張弁(19)を開状態に設定すると、過冷却熱交換器(17)において、高圧側流路(17a)を流れる高圧冷媒と、低圧側流路(17b)を流れる中間圧冷媒との間で熱交換が行われる。低圧側流路(17b)には第2庫外膨張弁(19)で減圧された冷媒が流入する。
過冷却熱交換器(17)では、低圧側流路(17b)の中間圧冷媒が高圧側流路(17a)の高圧冷媒によって加熱される。一方、高圧側流路(17a)の冷媒は、低圧側流路(17b)の中間圧冷媒によって冷却されて過冷却状態になる。低圧側流路(17b)で加熱された冷媒は、インジェクション管(30)を通じて、各圧縮機(14)の中間圧の圧縮室(73)へ流入する。インジェクション管(30)からの冷媒は、油戻し管(38)を通じて油分離器(37)から圧縮機(14)へ戻る冷凍機油と合流してから、中間圧の圧縮室(73)へ流入する。本実施形態1では、圧縮機(14)の中間圧の圧縮室(73)に流入する冷媒に油滴が混じることで、冷媒が流入する際の音を低減させることができる。
また、本実施形態では、第1圧縮機(14a)と第2圧縮機(14b)の両方が運転する冷房冷却運転の際に、室内熱交換器(54)における冷媒の蒸発温度が庫内熱交換器(64)における冷媒の蒸発温度よりも高くなる。このため、第1圧縮機(14a)及び第2圧縮機(14b)では、中間圧の圧縮室(73)への冷媒の注入がなければ、蒸発温度が高い方の冷媒を吸入する第2圧縮機(14b)の方が吐出冷媒の温度が低くなる。従って、第1圧縮機(14a)及び第2圧縮機(14b)のうち第2圧縮機(14b)だけに中間圧の圧縮室(73)への冷媒の注入が必要になることがないので、第2圧縮機(14b)の中間圧の圧縮室(73)への冷媒の注入を停止できるように、中間圧の圧縮室(73)へ冷媒を注入するか否かを調節する上流側開閉弁(SV2)が、第1分岐注入通路(36a)及び第2分岐注入通路(36b)のうち第2分岐注入通路(36b)だけに設けられている。
なお、第2冷房冷却運転の際には、第3圧縮機(14c)が室内熱交換器(54)で蒸発した冷媒を吸入するので、中間圧の圧縮室(73)への冷媒の注入がなければ、第1圧縮機(14a)よりも第3圧縮機(14c)の方が吐出冷媒の温度が低くなる。このため、第3圧縮機(14c)の中間圧の圧縮室(73)への冷媒の注入を停止できるように、第3分岐注入通路(36c)にも上流側開閉弁(SV3)が設けられている。
−実施形態1の効果−
本実施形態では、中間圧の圧縮室(73)へ冷媒を注入するか否かを調節する上流側開閉弁(SV2)が、第1分岐注入通路(36a)及び第2分岐注入通路(36b)のうち第2分岐注入通路(36b)だけに設けられている。つまり、第1分岐注入通路(36a)には、中間圧の圧縮室(73)へ冷媒を注入するか否かを調節する開閉弁が設けられていない。第1圧縮機(14a)及び第2圧縮機(14b)のうち蒸発温度が高い方の冷媒を吸入する第2圧縮機(14b)だけに、中間圧の圧縮室(73)への冷媒の注入が必要になることはないので、このような開閉弁を第1分岐注入通路(36a)に設けなくても、圧縮機構(40)における吐出冷媒の温度の適正化を図ることが可能である。従って、圧縮機構(40)における吐出冷媒の温度の適正化を保ちつつ、冷媒回路(4)の構成を簡素化することができる。
また、本実施形態では、第1分岐注入通路(36a)に下流側開閉弁(SV1)を設けることで、停止中の第1圧縮機(14a)の中間圧の圧縮室(73)に第1分岐注入通路(36a)からの冷媒が流入すること、さらに停止中の第1圧縮機(14a)の中間圧の圧縮室(73)に油戻し通路(38)からの冷凍機油が流入することを阻止することができるようにしている。ここで、停止中の第1圧縮機(14a)の中間圧の圧縮室(73)に冷媒や冷凍機油が流入すると、停止中の第1圧縮機(14a)の圧縮室(73)に冷媒や冷凍機油が溜まってしまい、第1圧縮機(14a)が起動する際に液圧縮を生じるおそれがある。これに対して、本実施形態では、停止中の第1圧縮機(14a)の中間圧の圧縮室(73)に冷媒及び冷凍機油が流入することが阻止されるので、停止中の第1圧縮機(14a)の圧縮室(73)に冷媒や冷凍機油が溜まることを回避できる。従って、第1圧縮機(14a)の起動時の液圧縮を防止することができる。
そして、本実施形態では、下流側開閉弁(SV1)が、停止中の第1圧縮機(14a)の中間圧の圧縮室(73)に冷媒が流入することを阻止する開閉弁と、停止中の第1圧縮機(14a)の中間圧の圧縮室(73)に冷凍機油が流入することを阻止する開閉弁とを兼ねている。このため、分岐注入通路(36)と油戻し通路(38)とのそれぞれに開閉弁を設ける場合に比べて、冷媒回路(4)の構成を簡素化することができる。
また、本実施形態では、第2油戻し通路(38b)に油戻し側開閉弁(SV4)を設けることで、停止中の第2圧縮機(14b)の中間圧の圧縮室(73)に第2油戻し通路(38b)からの冷凍機油が流入することを阻止することができるようにしている。従って、停止中の第2圧縮機(14b)の圧縮室(73)に冷凍機油が溜まることを回避できるので、第2圧縮機(14b)の起動時の液圧縮を防止することができる。
−実施形態1の変形例−
本実施形態の変形例について説明する。この変形例では、図12に示すように、第1吸入連通通路(55)と第2吸入連通通路(59)とが設けられている。各吸入連通通路(55,59)には開閉自在の電磁弁(SV9,SV10)が設けられている。電磁弁(SV9,SV10)は吸入側開閉弁を構成している。
第1吸入連通通路(55)の一端は、第2分岐注入通路(36b)における逆止弁(CV8)と第2圧縮機(14b)との間に接続されている。第1吸入連通通路(55)の他端は、第2吸入管(57b)に接続されている。第2吸入連通通路(59)の一端は、第3分岐注入通路(36c)における逆止弁(CV9)と第3圧縮機(14c)との間に接続されている。第2吸入連通通路(59)の他端は、第1吸入連通通路(55)に接続されている。
この変形例では、第2圧縮機(14b)の運転中に、電磁弁(SV9)を開状態に設定すると、第2圧縮機(14b)が吸入側から油分離機構(37)からの冷凍機油を吸入する。このため、第2圧縮機(14b)が吸入側から吸入する室内熱交換器(54)からの冷媒流量が冷凍機油の分だけが減少し、第2圧縮機(14b)から室内熱交換器(54)へ供給される冷媒流量が減少する。従って、電磁弁(SV9)を開閉することで、第2圧縮機(14b)が運転容量が固定の圧縮機であるにも拘わらず、室内熱交換器(54)へ供給する冷媒流量を調節することが可能である。また、電磁弁(SV10)を開閉することで、第3圧縮機(14c)が運転容量が固定の圧縮機であるにも拘わらず、室内熱交換器(54)へ供給する冷媒流量を調節することが可能である。このように室内熱交換器(54)側へ供給する冷媒流量を調節することは、冷媒回路(4)に室内ユニット(50)が複数台設けられている場合に、運転している室内ユニット(50)の台数によって室内熱交換器(54)側で必要となる冷媒流量が大きく変化するので、特に有効である。
また、この変形例では、第1吸入連通通路(55)が、第2分岐注入通路(36b)における第2圧縮機(14b)と電磁弁(SV2)との間に接続されているので、電磁弁(SV2)が開状態であっても閉状態であっても、第1吸入連通通路(55)から第2圧縮機(14b)の吸入側に冷凍機油を送ることができ、室内熱交換器(54)へ供給する冷媒流量の調節が可能である。また、第2吸入連通通路(59)が、第3分岐注入通路(36c)における第3圧縮機(14c)と電磁弁(SV3)との間に接続されているので、電磁弁(SV3)が開状態であっても閉状態であっても、第2吸入連通通路(59)から第3圧縮機(14c)の吸入側に冷凍機油を送ることができ、室内熱交換器(54)へ供給する冷媒流量の調節が可能である。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態について、油分離機構(37)が1つの油分離器(37)により構成されていてもよい。この場合、油分離器(37)は吐出合流管(21)に配置される。油分離器(37)から延びる油戻し管(38)は、各圧縮機(14)に対して分岐して、各圧縮機(14)の中間圧の圧縮室(73)に接続される。
また、上記実施形態について、圧縮機構(40)が2台の圧縮機(14)により構成されていてもよいし、4台以上の圧縮機(14)により構成されていてもよい。
また、上記実施形態について、圧縮機(14)が対称渦巻き構造の圧縮機であってもよいし、圧縮機(14)がスクロール圧縮機以外の圧縮機であってもよい。
また、上記実施形態について、冷凍装置(1)が、冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力よりも高い値に設定される超臨界サイクルを行うように構成されていてもよい。この場合、冷凍サイクルの高圧が冷媒の臨界圧力よりも低い値に設定される通常の冷凍サイクルでは凝縮器となる熱交換器が、ガスクーラとして動作する。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、複数の圧縮機により構成された圧縮機構が冷媒回路に設けられた冷凍装置について有用である。
本発明の実施形態に係る冷凍装置の冷媒回路図である。 実施形態1の圧縮機の縦断面図である。 実施形態1の圧縮機の固定スクロールの横断面図である。 実施形態における冷房運転時の冷媒の流れを表す冷媒回路図である。 実施形態における暖房運転時の冷媒の流れを表す冷媒回路図である。 実施形態における冷却運転時の冷媒の流れを表す冷媒回路図である。 実施形態における第1冷房冷却運転時の冷媒の流れを表す冷媒回路図である。 実施形態における第1暖房冷却運転時の冷媒の流れを表す冷媒回路図である。 実施形態における第1暖房冷却運転時の冷媒の流れを表す冷媒回路図である。 実施形態における第1暖房冷却運転時の冷媒の流れを表す冷媒回路図である。 実施形態における第1冷房冷却運転時に圧縮機の中間圧の圧縮室へ冷媒を注入する場合の冷媒の流れを表す冷媒回路図である。 本発明の実施形態の変形例に係る冷凍装置の冷媒回路図である。
符号の説明
1 冷凍装置
4 冷媒回路
14a 第1圧縮機
14b 第2圧縮機
30 インジェクション管(冷媒注入通路)
37 油分離器(油分離機構)
36a 第1分岐注入管(第1分岐注入通路)
36b 第2分岐注入管(第2分岐注入通路)
38a 第1油戻し管(第1油戻し通路)
38b 第2油戻し管(第2油戻し通路)
40 圧縮機構
54 室内熱交換器
56 吐出管
64 庫内熱交換器
SV1 下流側開閉弁
SV2 上流側開閉弁
SV4 油戻し側開閉弁

Claims (4)

  1. 互いに並列に接続された第1圧縮機(14a)及び第2圧縮機(14b)を有する圧縮機構(40)と、庫内を冷却する庫内熱交換器(64)と、室内を空調する室内熱交換器(54)とが設けられた冷媒回路(4)を備え、
    上記冷媒回路(4)では、上記庫内熱交換器(64)及び上記室内熱交換器(54)が共に蒸発器として動作して、該庫内熱交換器(64)で蒸発した冷媒が上記第1圧縮機(14a)に吸入されると共に、該室内熱交換器(54)で蒸発した冷媒が上記第2圧縮機(14b)に吸入される冷房冷却運転が行われ、
    上記冷房冷却運転では、上記室内熱交換器(54)における冷媒の蒸発温度が上記庫内熱交換器(64)における冷媒の蒸発温度よりも高くなる冷凍装置であって、
    上記圧縮機構(40)における各圧縮機(14)の中間圧の圧縮室(73)へ冷媒を注入するための冷媒注入通路(30)と、
    上記圧縮機構(40)の吐出冷媒から冷凍機油を分離する油分離機構(37)と、
    上記油分離機構(37)で分離された冷凍機油を上記冷媒注入通路(30)のうち各圧縮機(14)に対して分岐した各分岐注入通路(36)へ供給するための油戻し通路(38)とを備え、
    上記第1圧縮機(14a)に接続する第1分岐注入通路(36a)及び上記第2圧縮機(14b)に接続する第2分岐注入通路(36b)のうち第2分岐注入通路(36b)のみに、上記油戻し通路(38)との接続箇所の上流側の位置に、開閉自在の上流側開閉弁(SV2)が設けられていることを特徴とする冷凍装置。
  2. 請求項1において、
    上記第1分岐注入通路(36a)には、上記油戻し通路(38)との接続箇所の下流側の位置に開閉自在の下流側開閉弁(SV1)が設けられていることを特徴とする冷凍装置。
  3. 請求項2において、
    上記油戻し通路(38)は、上記第1分岐注入通路(36a)に接続する第1油戻し通路(38a)と、上記第2分岐注入通路(36b)に接続する第2油戻し通路(38b)とを備え、
    上記第1油戻し通路(38a)及び上記第2油戻し通路(38b)のうち第2油戻し通路(38b)のみに、開閉自在の油戻し側開閉弁(SV4)が設けられていることを特徴とする冷凍装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか1つにおいて、
    上記第2圧縮機(14b)は、運転容量が固定の圧縮機として構成される一方、
    上記第2分岐注入通路(36b)における該第2圧縮機(14b)と上記上流側開閉弁(SV2)の間と、該第2圧縮機(14b)の吸入側とを連通させる吸入連通通路(55)と、
    上記吸入連通通路(55)に配置された開閉自在の吸入側開閉弁(SV9)とを備えていることを特徴とする冷凍装置。
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