JP4972414B2 - コンクリート部材の結合装置 - Google Patents

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本発明は、隣接するコンクリート部材の結合のために、一方のコンクリート部材にインサートナットを埋め込み、インサートナットに螺合する結合ボルトを他方のコンクリート部材に回転可能に組み込み、結合ボルトをインサートナットに螺合させる構成を備えた装置に関するものである。
隣接して配置されるコンクリート部材を結合する従来の方法には、コンクリート部材の結合端部に、予め、結合方向に直角にナットなどの結合部材を植え込み、両結合部材にねじ込むボルトにより連結プレートをボルト止めする方法があった。この方法は、連結プレートのボルト孔の一方を長孔にしておき、コンクリート部材間の間隔を狭めることができるが、連結の際にコンクリート部材同士を引き寄せることは、別の作業によって行なわなければならない。これに対して、コンクリート部材の双方に結合プレートを埋め込んで取り付けるとともに、結合プレートの内方に作業用空所を成形しておき、その空所から結合方向のボルトを操作して、コンクリート部材同士を締結する方法がある。しかしこの構成では、ボルトの緊締力によって結合プレートが変形し易いため、引き寄せ力の限界が低いものであった。しかも、作業用空所を最後に埋めなければならず、また、結合プレートの構造には溶接箇所があるため、単価が高く付くということも問題であった。
そこで、本発明者は、隣接して配置されるコンクリート部材にインサートナットと連結具を夫々取り付け、それらに螺合するターンバックル式のボルトを用いるコンクリート製品の連結構造及び連結具を開発した(特開2003−239392号)。しかし、市販のインサートナットに合せて構成されているために無理があり、ボルトの長さが制限され、必要な調節量を得るのが困難であった。また、ボルト操作を行なうための切欠部が少なくともコンクリート製品の一方に必要であり、作業性が良くない上、切欠部を埋める必要もある。
また、本発明者は、接続部における剛性の低下のない、コンクリート部材間の連結や引き寄せ、或いは打ち継ぎなどの作業を実質上完全に行なえるようにした接続装置を開発した(特開2006−70622号)。この発明のものは、溶接の必要のない構造を選択可能であり、単価を低く抑制可能であるが、ボルト締めの作業口が開口しているため、後工程でこれを閉じる必要性も依然として残っている。
特開2003−239392号 特開2006−70622号
本発明は前記の点に着目してなされたものであり、その課題は、前記切欠部の必要性をなくし、隣接コンクリート部材間の目地部だけで、必要な連結作業を完了することができるコンクリート部材の結合装置を提供することである。また、本発明の他の課題は、コンクリート部材を引き寄せるために必要十分な調節量を得ることができ、かつ、単価も十分に低く抑制可能なコンクリート部材の結合装置を提供することである。
前記の課題を解決するため、本発明は、隣接するコンクリート部材の結合のために、一方のコンクリート部材にインサートナットを埋め込み、インサートナットに螺合する結合ボルトを他方のコンクリート部材に回転可能に組み込み、結合ボルトをインサートナットに螺合させる構成を備えた装置であって、結合ボルトとして、他方のコンクリート部材のボルト保持部に回転可能に組み込まれる頭部と、一方のコンクリート部材のインサートナットに螺合するボルト部と、結合ボルトを回転させる工具の作用部を掛けるために、上記頭部とボルト部の間に形成したボルト掛け部を具備し、上記工具の作用部は板状の部材を用いて形成されており、その部材の板厚が両方のコンクリート部材間の最小の隙間となるように構成するという手段を講じたものである(請求項1記載の発明)。
本発明に係る装置では、隣接するコンクリート部材の一方に、インサートナットを埋め込み、他方のコンクリート部材には、インサートナットに螺合する結合ボルトを組み込むものとする。結合ボルトは、他方のコンクリート部材において回転するように組み込まれるもので、他方のコンクリート部材のボルト保持部に回転可能に保持される頭部と、一方のコンクリート部材のインサートナットに螺合するボルト部と、結合ボルトを回転させる工具の作用部を掛け止めるために、上記頭部とボルト部の間に形成したボルト掛け部を具備している必要がある。
本発明において、工具は、それを掛ける作用部の板厚が両方のコンクリート部材間の最小の隙間となるように構成される。その構成は、板状の部材を用いて作用部を形成することによって得られる。これに対して、結合ボルトに設けられるボルト掛け部は、工具の作用部を掛け止められるように、最小限度、板状の部材の板厚より大きい程度の範囲に設けられれば良いことになる。なお、ボルト掛け部の差し渡し寸法はボルト直径よりも大きくても、また、小さくてもどちらでも選択可能である。
本発明においては、両方のコンクリート部材間の最小の隙間が、板状の部材の板厚寸法によって決められることになるが、このことは、工具によって結合ボルトを締め付ける最終の緊締段階において、ボルト掛け部が隣接コンクリート部材間の目地に相当する位置に配置されることになる、ということでもある。結合ボルトが、ほぼ一定位置で回転可能(空転可能)である場合、本発明の装置をコンクリート部材間に適用する状態において、ボルト掛け部もほぼ一定の位置にあるということである。このことから、ボルト掛け部は、結合ボルトの頭部を他方のコンクリート部材に正しくセットした状態において、他方のコンクリート部材の端部に位置するということになる。
このような結合ボルトのボルト掛け部の一例としては、頭部から先端側のボルトまでの領域の所定の範囲に、一様な断面形状をもって形成されており、かつ、結合ボルトが他方のコンクリート部材に組み込まれた状態において、少なくとも工具の作用部を掛け止められる分だけ、他方のコンクリート部材の端部から外部に出るように構成することができる(請求項2記載の発明)。ボルト掛けが設けられる所定の範囲は、上記他方のコンクリート部材の端部に位置する範囲である。
また、ボルトが他方のコンクリート部材に組み込まれて、それから外れないようになっていることは当然である。この当然のことを行なうために、ボルト保持部として、他方のコンクリート部材に筒状の埋め込み胴部を埋め込み、上記埋め込み胴部に螺合手段によってプラグ部材を取り付け、上記プラグ部材に、結合ボルトを回転可能に組み込んで構成することができる(請求項3)。上記構成は、プラグ部材の内側に結合ボルトの頭部を配置し、結合ボルトを一定位置で回転可能(空転可能)にする手段の一例である。空転可能なプラグ部材の形態の具体例を示せば、底を有するコップのような筒状のものがその形態に相当し、結合ボルトは底に開けた孔から組み込むことにより、ボルトを一定位置で回転可能に組み込めることになる。
他方のコンクリート部材に埋め込まれた埋め込み胴部の内方の端部と、結合ボルトの頭部との間に、ボルト軸方向の圧縮力を吸収して変形可能な弾性変形部材を介在させて構成することができる(請求項4)。前記形態のプラグ部材を例に取れば、筒状に形成したものの底に孔を開け、結合ボルトを通すとともに、頭部を係止して回転可能な状態に組み込むことができるので、頭部を係止するプラグ部材の部分に外力の吸収手段を設けることにより、耐震連結機能を具備させることが可能になる。
また、インサートナットの一方のコンクリート部材に埋め込まれる内方端部、そして他方のコンクリート部材に埋め込まれる埋め込み胴部の内方端部は、夫々他の部分に対して大型に形成されたアンカー部を構成しており、かつ、インサートナットおよび埋め込み胴部のアンカー部は別部材によって閉じているものとすることができる(請求項5)。このようなインサートナットは、設計変更程度で強力なアンカー効果を発揮し、また、埋め込み胴部も、インサートナットに類似の形態を持ち、例えばダクタイル鋳鉄(FCD)などを材料として鋳造することにより低コストで量産可能である。
本発明は以上のように構成されかつ作用するものであるから、前記従来の技術に見られたような切欠部をコンクリート部材に設ける必要性がなく、隣接コンクリート部材間の目地部だけで、必要な連結作業を完了することができるものであるから、作業性が著しく良好になるとともに、後加工による上記切欠部の穴埋めの必要がなく、特に、本発明によれば、結合ボルトによりコンクリート部材を引き寄せるために必要十分な調節量を得ることができ、かつ、単価も十分に抑制可能なコンクリート部材の結合装置を提供することができるという効果を奏する。
以下、図示の実施形態を参照して本発明をより詳細に説明する。図1は、本発明に係るコンクリート部材の結合装置10の例1を示すもので、隣接するコンクリート部材11、12を結合するために、一方のコンクリート部材11にはインサートナット13を埋め込み、他方のコンクリート部材12にはボルト保持部14を埋め込んでいる。
図1に示すように、図示のインサートナット13は、一方のコンクリート部材11に埋め込まれる内方端部と、一方のコンクリート部材11の端部に露出する外方端部の両端が開口したパイプ状のものである。その内方端部の外周面には、抵抗になるように他の部分に対して大型に形成され肥大化したアンカー部15が形成されており、外方端部の内周面には雌ねじ部16が形成されている。また、インサートナット13及び後述する埋め込み胴部18の外周面全体にはコンクリートの固着力増大を図る凹凸状の粗面部17が設けられている。
図示のボルト保持部14は、他方のコンクリート部材12に埋め込まれる閉じた内方端部と、他方のコンクリート部材12の端部に露出する開口した外方端部を設けた円筒状の埋め込み胴部18を有している。埋め込み胴部18は、外方端部の内周面に螺合手段として雌ねじ部19を有し、それに螺合するおねじ部21によって取り付けられるプラグ部材20を有しており、上記プラグ部材20に、後述する構成によって結合ボルト22を回転可能に組み込んでいる。インサートナット13の内方端部は、施工時にキャップ23により閉塞するが、ボルト保持部14の内方端部には予め閉じた壁面24として成形されている。その理由は、埋め込み胴部18が大形になると、キャップを特注しなければならず、コスト高になるからである。
結合ボルト22は、一端に頭部25、先端側にインサートナット13との螺合手段としてボルトねじ部26を有し、頭部と25先端側のボルトねじ部までの領域の所定の範囲には、一様な六角形の断面形状をもってボルト掛け部27が形成されている。27aは先端誘導部であり、インサートナットへ13の誘導のために設けられている。また、上記プラグ部材20にはボルト通し孔28が設けられており、その直径はボルト頭部25の外形よりも小径であることにより、頭部25を係止して結合ボルト22を回転可能(空転可能)になっている。
図示の結合ボルト22におけるボルト掛け部27は、頭部25からボルトねじ部26に至るまでの殆どの部分を設けられている。これにより、他方のコンクリート部材12の端部に、工具の作用部を掛け止められる分に止まらず、必ずボルト掛け部27の位置することが約束されることになるが、これはまた、ボルト支持部の長い方が作業性が良いという利点につながるからでもある。そして、図1〜図3に示されたとおりの、後述する弾性変形部材を結合ボルトに介在させない構成によっても、本発明のコンクリート部材の結合装置10が構成される。
このような構成を有する本発明にかかるコンクリート部材の結合装置10の例1では、隣接する一方のコンクリート部材11に埋め込んだインサートナット13に、他方のコンクリート部材12に回転可能に組み込まれた結合ボルト22を螺合させることにより、両方のコンクリート部材11、12を結合する。即ち、プラグ部材20に結合ボルト22を通してから、プラグ部材20をボルト保持部14に螺合させ、かつその頭部25を、ワッシャー29を介してプラグ部材20の内方端部に係止させた状態において、ボルトねじ部26をインサートナット13の雌ねじ部16に螺合する。図2参照。結合ボルト22を回転させるには、他方のコンクリート部材12の端部に露出しているボルト掛け部27に、工具30の作用部31を掛けて行なう。工具30の作用部31は板状の部材を用いて形成されているので、工具30を図2に示すように回転操作すると、工具30の板厚tが両方のコンクリート部材間の最小の隙間(目地間隔)となるまで、一方のコンクリート部材11を他方のコンクリート部材13に引き寄せることができるものである。
図3以下は、本発明に係る装置の例2を示すもので、例1の構成に加えて、他方のコンクリート部材12に埋め込まれた埋め込み胴部18の内方の端部と、結合ボルト22の頭部25が係止されるワッシャー29との間に、ボルト軸方向の圧縮力を吸収して変形可能な弾性変形部材33を介在させて構成されるものである。例2の弾性変形部材33は、鋼管を材料として胴回りに外方へ膨らんだ弾性変形部32を形成した短い円筒状の部品である。他の構成については例1と同様でよいので、詳細な説明を繰り返さずに符号のみ援用する。なお、例1、例2のいずれについても、インサートナット13、ボルト保持部14はダクタイル鋳鉄より成る鋳造品である。また、インサートナット13の一方のコンクリート部材11に埋め込まれる内方端部、そして他方のコンクリート部材12に埋め込まれるボルト保持部14の内方端部は、夫々他の部分に対して大型に形成されていてアンカー部34、35を構成している。
例2の装置10に関連する構成について説明すると、図3において、Bは作業口幅、Fはワッシャー内面から他方のコンクリート部材12の端部までの寸法、Aは引き寄せに必要となる螺合(予定)寸法、Gはスパナ代、即ち工具の作用部を掛ける部分の寸法、を夫々示している。従って、結合ボルト22のいわゆる首下寸法は、B+F+Aとなる。図4は、図3の状態から螺合寸法Aだけ結合ボルト22を螺進させた状態を示すもので、Aは螺合寸法、H=G+Aである。また、図5は、工具30を用いて結合ボルト22をさらにねじ込み、他方のコンクリート部材12を最大限度まで引き寄せた最終工程を示しており、Cは両方のコンクリート部材11、12間の最小の隙間(目地間隔)である。従って、作用部31の板厚tよりも僅かに大きいか或いは限りなく近い寸法になる。また、Dは、雌ねじ部16とボルトねじ部26との螺合寸法であるが、両方のコンクリート部材11、12の締結に必要な強度を負担し得る範囲だけの螺合寸法を有する。
上記の各例を実際に適用する場合において、本発明に係る装置10をただ1箇所のみ設けることは少ないと考えられるので、装置群全体で両方のコンクリート部材11、12の締結に必要な強度を負担できれば良い。また、上記例1、例2では一方のコンクリート部材側にインサートナットの開口を底とする凹部36を形成しているが、これは上記開口へ結合ボルト22の先端部を誘導するためである。
本発明に係る装置10の例2の実験結果について図6、図7により説明する。実験例におけるインサートナット13及び埋め込み胴部18は、共に前記と同じくFCDより成る鋳造品、プラグ部材20は鋼製の機械加工品、弾性変形部材33は鋼製の成形品、結合ボルト22はダクタイル鋳鉄製で、47KNの弾性変形部材33を使用しており、また引き寄せられる一方のコンクリート部材11の重量は約2200キログラムである。これらの条件において、工具30の作用部31の板厚5ミリ、最初の目地間隔を40ミリ、雌ねじ部16の有効長さ35ミリ、結合ボルトの雄ねじ部26の長さ、プラグ部材20のねじ部の有効長さ40ミリ、結合ボルト22の全長を150ミリのとき、工具30を使用した作業における仕事量は、トルク値で5.32kgfmであった。このように、本発明によれば、板状の部材より成る工具30を用いて、比較的軽い操作力で、大重量のコンクリート部材を、5ミリという至近距離まで容易に引き寄せることができた。
さらに、本発明に係る装置10の例3について、図8、図9により説明する。例3は、インサートナット13とボルト保持部14の位置ずれを吸収するために誤差対策を施したもので、ワッシャーとしてボルト保持部14の側にてルーズに配置されるワッシャー39を使用する。このワッシャー39は、図8に示すように、ワッシャー39に通すボルト孔37を直径方向に長い長孔として形成し、結合ボルト22の位置が中心Cからずれた場合に長孔方向への移動と中心点周りの回転により調整できるようにしたもので、ボルト保持部14の側との係合手段として突起部38をボルト孔37の両側に有する。
図9は、上記のワッシャー39を使用した本発明に係る装置10の例3を示しており、ボルト保持部として2個の脚部41、42と二股構造を有するボルト保持部44を使用したもので、その股部拡大部43にボルト通し孔48が形成されている。ワッシャー49はボルト通し孔48の内側の孔内に上記突起部38を差し入れられるように形成されているが、例3の場合には、そこにまず弾性変形部材33が端部にて嵌め合わされており、その弾性変形部材33の内方の端部45の開口内に上記突起部38を差し入れて、ワッシャー39を配置している。なお、例3の場合、弾性変形部材33の端部をボルト通し孔48の内側の孔内に嵌め合わせる配置方法をとることでも、例2のものと相違している。他の構成は、例1或いは例2のものと同様であるので符号を援用し、詳細な説明は省略する。
本発明に係る例3の装置10でも、隣接する一方のコンクリート部材11に埋め込んだインサートナット13に、他方のコンクリート部材12に回転可能に組み込まれた結合ボルト22を螺合させることにより、両方のコンクリート部材11、12を結合することができる。即ち、結合ボルト22は、ボルト保持部44の内方の端部45の開口部に弾性変形部材33を配置し、それから、ワッシャー39を介してボルトの頭部25をプラグ部材20の内方端部に係止させた状態とする。ここにおいて、ボルトねじ部26をインサートナット13の雌ねじ部16に螺合するが、それらのねじ部16、26の軸心が一致していない場合には、ワッシャー39を回転させるとともに、結合ボルト22をボルト孔37の範囲で移動させることにより、位置を合わせるものとする。結合ボルト22は、他方のコンクリート部材12の端部に露出しているボルト掛け部27に、工具30の作用部31を掛け、回転させて行なうことにより、工具30の板厚tが両方のコンクリート部材間の最小の隙間(目地間隔)となるまで、一方のコンクリート部材11を他方のコンクリート部材13に引き寄せることができる。
本発明に係るコンクリート部材の結合装置の例1を示すもので、Aはインサートナットと埋め込み胴部の側面断面図、Bは結合ボルトの側面図、Cは同じくBに対する左側面図、Dは同じくBに対する右側面図、Eはプラグ部材の正面図、そしてFはEに対する右側面図である。 同上の装置のコンクリート部材への適用例を示すもので、Aは一部断面側面図、Bは使用する工具の側面図と正面図を示す。 本発明の装置の例2を示す側面説明図である。 図3の状態から結合ボルトをインサートナットにねじ入れた状態を示す説明図である。 さらに図3の状態から工具を用いて一方のコンクリート部材を引き寄せる作業を完了した状態を示す説明図である。 本発明に係る装置の実験例を示すもので、引き寄せ前の断面図である。 同じく引き寄せ完了後の断面図である。 本発明の装置の例3に使用するワッシャーの一例を示すもので、Aは正面図、Bは図8AのVIIIB−VIIIB線断面図、Cは図8AのVIIIC−VIIIC線断面図である。 本発明の装置の例3を示すもので、Aは一部破断平面図、Bはボルト保持部の側面図、Cは同じく正面図である。
符号の説明
10 コンクリート部材の結合装置
11 一方のコンクリート部材
12 他方のコンクリート部材
13 インサートナット
14、44 ボルト保持部
15 アンカー部
16、19 雌ねじ部
17 粗面部
18 埋め込み胴部
20 プラグ部材
21 雄ねじ部
22 結合ボルト
23 キャップ
24 壁面
25 頭部
26 ボルトねじ部
27 ボルト掛け部
27a 先端誘導部
28、48 ボルト通し孔
29、39 ワッシャー
30 工具
31 作用部
32 弾性変形部
33 弾性変形部材
34、35 アンカー部
36 凹部
37 ボルト孔
38 突起部
41、42 脚部
43 股部
45 内方の端部

Claims (6)

  1. 隣接するコンクリート部材の結合のために、一方のコンクリート部材にインサートナットを埋め込み、インサートナットに螺合する結合ボルトを他方のコンクリート部材に回転可能に組み込み、結合ボルトをインサートナットに螺合させる構成を備えた装置であって、結合ボルトとして、他方のコンクリート部材のボルト保持部に回転可能に組み込まれる頭部と、一方のコンクリート部材のインサートナットに螺合するボルト部と、結合ボルトを回転させる工具の作用部を掛けるために、上記頭部とボルト部の間に形成したボルト掛け部を具備し、上記工具の作用部は板状の部材を用いて形成されており、その部材の板厚が両方のコンクリート部材間の最小の隙間となるように構成されていることを特徴とする
    コンクリート部材の結合装置。
  2. 結合ボルトのボルト掛け部は、頭部から先端側のボルトまでの領域の所定の範囲に、一様な断面形状をもって形成されており、かつ、結合ボルトが他方のコンクリート部材に組み込まれた状態において、少なくとも工具の作用部を掛け止められる分だけ、他方のコンクリート部材の端部から外部に出るように構成されている請求項1記載のコンクリート部材の結合装置。
  3. ボルト保持部として、他方のコンクリート部材に筒状の埋め込み胴部を埋め込むとともに、上記埋め込み胴部に螺合手段によってプラグ部材を取り付け、上記プラグ部材に、結合ボルトを回転可能に組み込んで構成されている請求項1記載のコンクリート部材の結合装置。
  4. 他方のコンクリート部材に埋め込まれた埋め込み胴部の内方の端部と、結合ボルトの頭部との間に、ボルト軸方向の圧縮力を吸収して変形可能な弾性変形部材を介在させて構成されている請求項3記載のコンクリート部材の結合装置。
  5. インサートナットの一方のコンクリート部材に埋め込まれる内方端部、そして他方のコンクリート部材に埋め込まれる埋め込み胴部の内方端部は、夫々他の部分に対して大型に形成されたアンカー部を構成しており、かつ、インサートナット及び埋め込み胴部のアンカー部は別部材によって閉じている請求項3記載のコンクリート部材の結合装置。
  6. インサートナットとボルト保持部の位置ずれを吸収する対策として、ボルト保持部の側にてルーズに配置されるワッシャーを使用し、上記ワッシャーに通すボルト孔を直径方向に長い長孔として形成するとともに、結合ボルトの位置が中心からずれた場合に長孔方向への移動と中心点周りの回転により調整できるようにした請求項1記載のコンクリート部材の結合装置。
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