本発明は、例えば、スピーカユニットを自動車のドアパネルなどの構造物に取り付けるためのスピーカ用取付部材及びこのスピーカ用取付部材を備えたスピーカユニットの固定構造に関する。
従来から自動車のドアパネルなどの構造物にスピーカユニットをじかに取り付けられない場合には、従来から種々のスピーカ用の取付部材(以下、単に取付部材と記し、特許文献1乃至特許文献4参照)が用いられてきた。この種の取付部材は、スピーカユニットと構造物との間に配置されて、これらの双方に取り付けられることで、前述したスピーカユニットを構造物に固定してきた。
特開2003−274473号公報
特開2004−320265号公報
特開2003−111178号公報
特開2003−111179号公報
前述した特許文献1乃至特許文献4などに示された取付部材を用いると、当該取付部材が中実材で構成されているので、スピーカユニットの特にフレームから構造物に当該スピーカユニットの振動板などの振動が伝播することで、構造物が振動(固有振動や共振の発生による振動)し、構造物と取付部材とが互いに接触してこれらの間から異音が発生すること等の問題があった。
また、スピーカユニットから発せられる音波によって振動した構造物が異音を発生するという問題もあった。さらに、スピーカユニットからの振動が構造物に伝播した際に、構造物が共振して、更にスピーカユニットも共振する。そのため、スピーカユニットの振動板から発せられる音波に、前記振動板以外(フレーム等)から発せられる音波、取付部材や構造物から発せられる音波が混在し、スピーカユニットが本来提供するのとは異なる音響特性が提供されてしまうという問題があった。このように、従来の取付部材を用いると、所望の音響特性を得ることができないという問題があった。
また、剛性が大きい又は比重が大きい素材で取付部材を用いることで制振性を大きくすることは可能であるが、構造物、例えば、自動車のドアパネル等に前述した素材を用いた場合、ドアパネル等の重量が増し、自動車自体の重量が大きくなってしまうという問題が生じる。
本発明は、このような問題点に対処することを課題の一例とするものである。本発明の目的は、剛性が大きい又は比重が大きい素材を用いることなく、構造体へスピーカユニットが生じる振動が伝播することを抑止でき、スピーカユニットの所望の音響特性を得ることができるスピーカ用取付部材及びこのスピーカ用取付部材を備えたスピーカユニットの固定構造を提供することにある。
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のスピーカ用取付部材は、スピーカユニットを構造物に取り付けるためのスピーカ用取付部材において、枠状に形成され、かつ内部にその周方向に延在した開口部が設けられた筐体を備え、前記開口部内に前記筐体の材料と異なる内部構成部材が収容されていることを特徴としている。請求項19に記載の本発明のスピーカ用取付部材は、スピーカユニットを構造物に取り付けるためのスピーカ用取付部材において、枠状に形成され、かつ内部にその周方向に延在した開口部が設けられた筐体と、前記開口部を覆うように前記筐体に取り付けられる蓋体とを備え、前記筐体と前記蓋体とが互いに異なる金属材料で構成されていることを特徴としている。
参考例にかかるスピーカユニットの固定構造の分解斜視図である。
(a)は図1に示されたスピーカユニットの固定構造の取付部材の筐体の平面図であり、(b)は図2(a)中のIIB−IIB線に沿う断面図であり、(c)は図2(a)に示された筐体の背面図である。
本発明の第1の実施例にかかるスピーカユニットの固定構造の分解斜視図である。
図3に示されたスピーカユニットの固定構造の筐体と蓋体とを示す斜視図である。
図4に示されたスピーカユニットの固定構造の筐体と蓋体とを背面からみた斜視図である。
(a)は図3に示されたスピーカユニットの固定構造の断面図であり、(b)は図6(a)中のIVB部を拡大して示す断面図である。
(a)は図3に示されたスピーカユニットの固定構造の取付部材の筐体の平面図であり、(b)は図7(a)中のVIIB−VIIB線に沿う断面図であり、(c)は図7(a)に示された筐体の背面図である。
(a)は図3に示されたスピーカユニットの固定構造の取付部材の蓋体の一方の蓋部材の平面図であり、(b)は図3に示されたスピーカユニットの固定構造の取付部材の蓋体の他方の蓋部材の平面図である。
本発明の第2の実施例にかかるスピーカユニットの固定構造の分解斜視図である。
図9に示されたスピーカユニットの固定構造の筐体と蓋体とを示す斜視図である。
図9に示されたスピーカユニットの固定構造の筐体と蓋体とを背面からみた斜視図である。
(a)は図9に示されたスピーカユニットの固定構造の断面図であり、(b)は図12(a)中のXIIB部を拡大して示す断面図である。
(a)は図9に示されたスピーカユニットの固定構造の取付部材の筐体の平面図であり、(b)は図13(a)中のXIIIB−XIIIB線に沿う断面図であり、(c)は図13(a)に示された筐体の背面図である。
図3に示されたスピーカユニットの固定構造の取付部材の蓋体の一方の蓋部材の平面図である。
(a)は本発明の第3の実施例にかかるスピーカユニットの固定構造の筐体の表面側からみた平面図であり、(b)は図15(a)に示された筐体の裏面側からみた平面図であり、(c)は図15(b)中のXVC−XVC線に沿う断面図である。
(a)は本発明の第3の実施例にかかるスピーカユニットの固定構造の蓋体の蓋部材の表面側からみた平面図であり、(b)は図16(a)に示された蓋体の蓋部材の裏面側からみた平面図である。
(a)は本発明の第3の実施例にかかるスピーカユニットの固定構造の取付部材の断面図であり、(b)は図17(a)中のXVIIB部を拡大して示す断面図である。
図6(b)に示された取付部材の変形例の断面図である。
図6(b)に示された取付部材の他の変形例の断面図である。
(a)は図4などに示されたスピーカユニットの固定構造の筐体と蓋体との変形例を示す斜視図であり、(b)は図20(a)に示された固定構造の締付部材を示す斜視図である。
比較例1としての木製の中実の取付部材の振動の減衰状況を示す説明図である。
比較例2としての開口部が形成された樹脂製の取付部材の振動の減衰状況を示す説明図である。
本発明品1としてのアルミニウム製の開口部が設けられた取付部材の振動の減衰状況を示す説明図である。
本発明品2としての本発明品1の開口部内に粒体としての砂を収容した取付部材の振動の減衰状況を示す説明図である。
1 スピーカユニットの固定構造
2 スピーカユニット
3 スピーカ用取付部材
9 筐体
10 ねじ(締め具)
11 本体部
12 フランジ部
13 開口部
16 ねじ孔(スピーカ取付部)
17 ねじ通し孔(構造物取付部)
18 蓋体
19 内部構成部材
22 ねじ(締め具)
30 接着用樹脂(内部構成部材)
40 ドアパネル(構造物)
以下、本発明の一実施形態にかかるスピーカ用取付部材を説明する。本発明の一実施形態にかかるスピーカ用取付部材(以下、単に、取付部材と記す)は、筐体に開口部を設けて、当該筐体を中空に形成することで、当該筐体すなわち取付部材自体の重量の低減を図りながらも、筐体すなわち取付部材の剛性の向上を図っている。こうすることで、取付部材は、スピーカユニットの振動板の振動が構造物に伝播することを抑止でき、取付部材と構造物との間などから異音が発生することを抑止して、スピーカユニットの所望の音響特性を得ることを可能としている。
また、取付部材は、開口部を塞ぐように筐体に取り付けられる蓋体を備えている。この場合、開口部が筐体即ち取付部材の内部に形成されているので、取付部材は構造物との接触面積を充分に確保することができ、取付部材と構造物との間に空間が発生することを抑止でき、取付部材の構造物に対する(がたつき)の発生を抑止することができる。
筐体と蓋体とが互いに異なる材料で構成されても良い。この場合、特に、筐体と蓋体とが互いに異なる金属材料で構成されるのが望ましい。この場合、筐体と蓋体との共振周波数を互いに異ならしめることが可能となる。さらに、筐体と蓋体とを接触させることで、筐体と蓋体との振動を相殺させることができ、構造物へスピーカユニットの振動が伝播することを抑止することが可能となる。
開口部が複数設けられていても良い。この場合、筐体内の空間が複数に仕切られているので、周状に連続的に形成された開口部を有する筐体よりもその剛性を大きくすることができる。
筐体が、開口部が設けられた本体部と、この本体部の外周面より突出したフランジ部とを備えても良い。この場合、本体部とフランジ部とのうち一方にスピーカユニットを取り付け、他方に構造物を取り付けることができるので、取付部材を介して容易にスピーカユニットを構造物に取り付けることができる。
本体部にスピーカ取付部を設け、フランジ部に構造物取付部を設けても良い。この場合、取付部材におけるスピーカユニットと構造物の取付箇所間に所定の距離を設けることとなり、スピーカユニットから生じた振動を筐体にて積極的に減衰させることができる。
即ち、スピーカユニットから発生した振動の伝播径路の1つとして、スピーカユニットのフレームなどから筐体の本体部に設けられたスピーカ取付部を介して筐体へ伝播し、さらに筐体からフランジ部の構造物取付部を介して構造物へ伝播するという径路が考えられる。この径路において、スピーカ取付部と構造物取付部との距離を出来るだけ大きくすることで、筐体内で前記振動を出来るだけ減衰でき、構造物へ振動を伝播することを抑止することができる。
スピーカ取付部同士及び構造物取付部同士を互いに間隔をあけて配置しても良い。この場合、スピーカユニットと構造物との双方に対して取付部材をがたつくことなく取り付けることができ、取付部材と構造物との間から異音が生じることを防止できる。
筐体と蓋体との双方を貫通して、これらを互いに固定する締め具を備えても良い。この場合、筐体と蓋体との双方と異なる材料にて締め具を構成することで、この締め具の共振周波数が筐体や蓋部に対し異なることとなり、さらにスピーカユニットの振動が構造物へ伝播することが抑止できる。
開口部内に筐体と異なる材料で構成された内部構成部材を収容しても良い。この場合、スピーカユニットを駆動させた際に、取付部材を介して構造物へ伝播する振動が筐体内で減衰するため、構造物が振動板となって異音を発生すること、構造物が振動して取付部材と接触等により異音が発生することを抑止すること等が可能となる。
内部構成部材を粒体で構成しても良い。この場合、取付部材が振動しようとしても、取付部材に伝播してきた振動が筐体内で減衰するため、構造物との接触により異音が発生することを抑止することができる。
内部構成部材を粒体と弾性を有する樹脂とで構成しても良い。この場合、低音域から中音域、中音域から高音域にかけて、スピーカユニット、取付部材及び構造物の共振が発生しにくくなる。
内部構成部材を粒体と発泡体とで構成しても良い。この場合、取付部材が振動しようとしても、取付部材に伝播してきた振動が筐体内で減衰するため、構造物との接触により異音が発生することを抑止することができる。
なお、内部構成部材の重量を大きくすることで、取付部材そのものが振動しにくくなり、例えばスピーカユニットの振動が構造物へ伝播することが抑止される。しかし、このような大きい重量となる取付部材を構造物特に自動車のドアパネルに取り付けることは困難であること、一方で取付部材の重量が小さくなると、スピーカユニットの振動が構造物へ伝播しやすいという、相反する関係がある。
そこで、筐体内の内部構成部材の重量を調整し、かつ振動の伝播を抑止すること、構造物と取付部材との接触による異音の発生を抑止することが可能となるよう、筐体内の内部構成部材を例えば砂(粒体)と弾性体、砂(粒体)と発泡体とを組み合わせて、筐体内に配置することが好ましい。
筐体が非磁性体で構成されても良い。この場合、スピーカユニットの磁気回路内の磁束に対して筐体即ち取付部材が磁性体である場合、スピーカユニットの磁気回路の近傍での磁束が磁性体である筐体即ち取付部材へ漏れてしまうことを抑止できる。
また、開口部内に筐体と蓋体との双方と異なる材料で構成された弾性体を内部構成部材として収容しても良い。この場合、スピーカユニットを駆動させた際に、取付部材を介して構造物へ伝播する振動が筐体内で減衰するため、構造物が振動板となって異音を発生すること、構造物が振動して取付部材と接触等により異音が発生することを抑止すること等が可能となる。さらに、内部構成部材を筐体と蓋体とを接着する接着用樹脂で構成しても良い。この場合、取付部材が振動しようとしても、取付部材に伝播してきた振動が筐体内で減衰して、構造物との接触により異音が発生することを抑止することができることに加え、筐体と蓋体との間から異音が発生することを抑止することができる。
また、本実施形態のスピーカユニットの固定構造は、前述した取付部材を備えているので、取付部材と構造物との間などから異音が発生することを抑止して、スピーカユニットの所望の音響特性を得ることを可能とすることができる。
さらに、構造物に制振部材を取付けるのが望ましい。この場合、スピーカユニットの生じる音波などにより構造物が振動することを抑止できる。
本発明の実施例ではないが、理解の参考となる参考例を、図1及び図2に基づいて説明する。参考例に係るスピーカユニットの固定構造(以下、単に、固定構造と記す)1は、図1に示すように、移動体としての自動車の車体を構成する構造物としてのドアパネル40と、スピーカユニット2と、前記スピーカユニット2とドアパネル40との双方に取り付けられて、該スピーカユニット2をドアパネル40に取り付けるスピーカ用取付部材(以下、単に、取付部材と記す)3と、前記ドアパネル40に取り付けられた制振部材5とを備えている。即ち、自動車は、前記固定構造1を備えている。
ドアパネル40は、図1に示すように、アウタパネル41と、このアウタパネル41に取り付けられるインナパネル42などを備えている。パネル41,42は、鋼板をロール成形することにより得られる。パネル41,42間に図示しないドアガラスなどが格納される。ドアパネル40は、ヒンジを介して自動車のボディに取り付けられて、前述したヒンジにより回動自在に支持される。ドアパネル40は、ヒンジにより回動されることで、乗員室を開閉する。
また、インナパネル42には、前述したスピーカユニット2と、図示しない電子機器としてのパワーウィンドモータと、ドアロックアクチュエータなどが取り付けられる。インナパネル42には、前述したスピーカユニット2と、図示しない電子機器としてのパワーウィンドモータと、ドアロックアクチュエータなどを収容するために孔43が複数設けられている。また、インナパネル42には、スピーカユニット2収容するために孔43の周りに部材固定用のねじ孔44が設けられている。
スピーカユニット2は、図1に示すように、フレーム6と、振動部と、この振動部の振動板を振動させて音を生じさせる磁気回路部とを備えている。フレーム6は、外観が接頭円錐状の筒状に形成されて、内側に振動部及び磁気回路とを収容する。フレーム6は、円環状のフランジ7が一体に設けられている。フランジ7には、後述するねじ10を通す孔8が設けられている。孔8は、図示例では、四つ(複数)設けられ、フランジ7の周方向に間隔をあけて配置されている。
スピーカユニット2は、振動板に取り付けられたボイスコイルに音声電流が供給されることで、当該ボイスコイルに電磁気力(ローレンツ力)が作用して、振動部の振動板が振動し、音波が放射される。
取付部材3は、図2(a)乃至図2(c)に示す筐体9と、複数の締め具としてのねじ10(図1に示す)とを備えている。
筐体9は、スピーカユニット2のフレーム6のフランジ7と同じ又は異なる材料の金属(材料)で構成されている。また、筐体9は、非磁性体で構成されている。筐体9は、図2(a)乃至図2(c)に示すように、円環状の本体部11と、フランジ部12とを備えている。本体部11は、スピーカユニット2のフランジ7と略同形状でほぼ同じ大きさの円環状に形成されている。なお、本発明では、外縁が円形の円環状及び外縁が四角形などの種々の形状に形成された枠状のものを総称して、枠状と記す。即ち、本体部11即ち筐体9は、枠状に形成されている。
本体部11には、その一方の表面から凹の開口部13が複数設けられている。開口部13は、本体部11内に設けられた空間であり、仕切り壁14によって互いに仕切られて、本体部11の周方向に互いに間隔をあけて配置されている。さらに、開口部13は、本体部11に沿って円弧状に湾曲して形成されている。即ち、開口部13は、本体部11即ち筐体9の周方向に延在する溝状に形成されている。
フランジ部12は、複数のフランジ15を備えている。フランジ15は、それぞれ、本体部11の外周面から当該本体部11の径方向に突出した平板状に形成されている。フランジ15は、例えば、本体部11の周方向に等間隔に配置されている。フランジ15は本体部11の周方向に、異なる間隔にて配置されていても構わない。図示例では、フランジ15は、三つ設けられている。
また、筐体9は、スピーカ取付部としてのねじ孔16と、構造物取付部としてのねじ通し孔17とを備えている。ねじ孔16は、図2(a)に示すように、本体部11の他方の表面を貫通して、図2(c)に示すように、互いに隣り合う開口部13同士を仕切る仕切り壁14に設けられている。ねじ孔16は、前述した孔8と同数即ち図示例では四つ(複数)設けられ、互いに本体部11の周方向に互いに間隔をあけて配置されている。ねじ孔16は、筐体9の他方の表面にスピーカユニット2のフレーム6のフランジ7が重ねられると、前述した孔8と重なる位置に設けられている。ねじ孔16には、孔8を通されたねじ10がねじ込まれる。
ねじ通し孔17は、フランジ部12の各フランジ15に設けられ、勿論、各フランジ15を貫通している。図示例では、ねじ通し孔17は、各フランジ15に一つ設けられている。このため、ねじ通し孔17は、各フランジ部12に形成されており、互いに間隔をあけて複数設けられている。
ねじ通し孔17は、筐体9がインナパネル42の内面に重ねられると、前述したねじ孔44と重なる位置に設けられている。ねじ通し孔17には、ねじ孔44にねじ込まれるねじ10が通される。
ねじ10は、前述した取付部材3とスピーカユニット2のフレーム6のフランジ7との双方と同じ又は異なる材料の金属で構成されている。
制振部材5は、周知の吸音材又は制振材で構成され、所定の形状に形成されて、ドアパネル40のインナパネル42の適宜箇所に取り付けられている。制振部材5は、ドアパネル40の振動を減衰させる。
前述した構成の取付部材3は、筐体9の本体部11の内側にスピーカユニット2を通して、本体部11の一方の表面にスピーカユニット2のフレーム6のフランジ7を重ね、ねじ10を孔8に通してねじ孔16にねじ込んで、スピーカユニット2に取付部材3を取り付ける。
そして、孔43内にスピーカユニット2を通して、取付部材3の本体部11の一方の表面をインナパネル42の内面に重ねる。ねじ通し孔17内にねじ10を通して、当該ねじ10をねじ孔44にねじ込む。こうして、取付部材3は、スピーカユニット2をインナパネル42即ちドアパネル40に取り付けて、前述した固定構造1が組み立てられる。
参考例によれば、筐体9に開口部13を設けて、当該筐体9を中空にすることで、当該筐体9すなわち取付部材3自体の重量の低減を図りながらも、筐体9すなわち取付部材3の剛性の向上を図ることができる。このため、取付部材3は、スピーカユニット2の振動板の振動がドアパネル40に伝播することを抑止でき、取付部材3とドアパネル40との間などから異音が発生することを抑止して、スピーカユニット2の所望の音響特性を得ることができる。
開口部13が複数設けられているため、筐体9内の空間が複数に仕切られているので、周状に連続的に形成された開口部を有する筐体よりもその剛性を大きくすることができる。
筐体9が、開口部13が設けられた本体部11と、この本体部11の外周面より突出したフランジ部12とを備えているため、本体部11とフランジ部12とのうち一方にスピーカユニット2を取り付け、他方にドアパネル40を取り付けることができる。したがって、取付部材3で容易にスピーカユニット2をドアパネル40に取り付けることができる。
本体部11にスピーカ取付部としてのねじ孔16を設け、フランジ部12に構造物取付部としてのねじ通し孔17を設けているため、取付部材3におけるスピーカユニット2とドアパネル40の取付箇所間に所定の距離を設けることとなり、スピーカユニット2から生じた振動を筐体9にて積極的に減衰させることができる。
即ち、スピーカユニット2から発生した振動の伝播径路の1つとして、スピーカユニット2のフレーム6などから筐体9の本体部11に設けられたスピーカ取付部としてのねじ孔16を介して筐体9へ伝播し、さらに筐体9からフランジ部12の構造物取付部としてのねじ通し孔17を介してドアパネル40へ伝播するという径路が考えられる。この径路において、スピーカ取付部としてのねじ孔16と構造物取付部としてのねじ通し孔17との距離を出来るだけ大きくすることで、筐体9内で前記振動を出来るだけ減衰でき、ドアパネル40へ振動を伝播することを抑止することができる。
複数のスピーカ取付部としてのねじ孔16同士及び複数の構造物取付部としてのねじ通し孔17同士を互いに間隔をあけて配置しているため、スピーカユニット2とドアパネル40との双方に対して取付部材3をがたつくことなく取り付けることができ、取付部材3とドアパネル40との間から異音が生じることを防止できる。
また、締め具としてのねじ10を筐体9とスピーカユニット2のフレーム6などと異なる材料にて構成することで、この締め具としてのねじ10の共振周波数が筐体9などに対し異なることとなり、さらにスピーカユニット2の振動がドアパネル40へ伝播することが抑止できる。
筐体9が非磁性体で構成されても良い。この場合、スピーカユニット2の磁気回路内の磁束に対して筐体9即ち取付部材3が磁性体である場合、スピーカユニットの磁気回路の近傍での磁束が磁性体である筐体即ち取付部材へ漏れてしまうことを抑止できる。
また、参考例のスピーカユニットの固定構造1は、前述した取付部材3を備えているので、取付部材3とドアパネル40との間などから異音が発生することを抑止して、スピーカユニット2の所望の音響特性を得ることを可能とすることができる。
さらに、ドアパネル40に制振部材5を取付けているので、スピーカユニット2の生じる音波などによりドアパネル40が振動することを抑止できる。
次に、本発明の第1の実施例を、図3乃至図8に基づいて説明する。なお、前述した参考例と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。本発明の第1の実施例に係るスピーカユニットの固定構造(以下、単に、固定構造と記す)1は、前述した筐体9とねじ10に加えて、図3乃至図6に示すように、蓋体18と、内部構成部材19(図6に示す)とを備えている。
蓋体18は、図8に示すように、二つの蓋部材20を備えている。蓋部材20即ち蓋体18は、筐体9又はスピーカユニット2のフレーム6と異なる材料、又筐体9とスピーカユニット2のフレーム6の双方に対し異なる材料で構成されている。蓋部材20は、図8(a)及び図8(b)に示すように、半円環状の平板に形成されている。蓋部材20には、それぞれ、ねじ10を通す通し孔21が設けられている。蓋部材20は、筐体9の一方の表面上に重ねられて、開口部13を覆う。そして、蓋部材20は、ねじ10が通し孔21を通ってねじ孔16にねじ込まれることで、開口部13を覆うように筐体9(図7(a)乃至図7(c)に示す)に取り付けられる。
内部構成部材19は、筐体9と材料の異なり、かつ砂、鉄などの金属、樹脂のいずれか構成された粒体のみで構成されているとともに、図7に示された筐体9の開口部13内に収容されている。このように、開口部13内には、図6(a)及び図6(b)に示すように、筐体9と材料の異なる内部構成部材19が収容されている。
本実施例では、開口部13内に内部構成部材19を収容した後に、蓋体18の蓋部材20で開口部13を覆う。その後、蓋部材20にスピーカユニット2のフレーム6のフランジ7を重ねて、ねじ10を孔8及び通し孔21に通してねじ孔16にねじ込んで、スピーカユニット2、蓋体18及び筐体9を互いに固定する。そして、取付部材3は、前述した参考例と同様に、ドアパネル40に取り付けられて、前述した固定構造1が組み立てられる。
本実施例によれば、前述した参考例と同様に、筐体9に開口部13を設けて、当該筐体9を中空に形成することで、当該筐体9すなわち取付部材3自体の重量の低減を図りながらも、筐体9すなわち取付部材3の剛性の向上を図ることができる。このため、取付部材3は、スピーカユニット2の振動板の振動がドアパネル40に伝播することを抑止でき、取付部材3とドアパネル40との間などから異音が発生することを抑止して、スピーカユニット2の所望の音響特性を得ることができる。
また、取付部材3は、開口部13を塞ぐように筐体9に取り付けられる蓋体18を備えているため、開口部13が筐体9即ち取付部材3の内部に形成されているので、取付部材3のドアパネル40との接触面積を充分に確保することができ、取付部材3とドアパネル40との間に空間が発生することを抑止でき、取付部材3のドアパネル40に対する(がたつき)の発生を抑止することができる。
さらに、筐体9と蓋体18とが互いに異なる材料で構成されている。特に、筐体9と蓋体18とが互いに異なる金属材料で構成されるのが望ましい。このため、筐体9と蓋体18との共振周波数を互いに異ならしめることが可能となる。さらに、筐体9と蓋体18とを接触させることで、筐体9と蓋体18との振動を相殺させることができ、ドアパネル40へスピーカユニット2の振動が伝播することを抑止することが可能となる。
開口部13内に筐体9と異なる材料で構成された内部構成部材19を収容しているので、スピーカユニット2を駆動させた際に、取付部材3を介してドアパネル40へ伝播する振動が筐体9内で減衰するため、ドアパネル40が振動して異音を発生すること、ドアパネル40が振動して取付部材3と接触等により異音が発生することを抑止すること等が可能となる。
内部構成部材19を粒体で構成しているので、取付部材3が振動しようとしても、取付部材3に伝播してきた振動により粒体間に摩擦が生じ、この摩擦により当該振動が筐体9内で減衰するため、ドアパネル40との接触により異音が発生することを抑止することができる。
次に、本発明の第2の実施例を、図9乃至図14に基づいて説明する。なお、前述した参考例及び第1の実施例と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。本発明の第2の実施例に係るスピーカユニットの固定構造(以下、単に、固定構造と記す)1は、図9乃至図12、図14に示すように、前述した第1の実施例で示された蓋体18が一つの蓋部材20で構成されており、蓋部材20を筐体9に取り付けるための締め具としてのねじ22と、ねじ22を通すねじ孔23が、ねじ孔16とは別に筐体9に設けられている。
本実施例では、蓋部材20即ち蓋体18は、筐体9(図13(a)乃至図13(c)に示す)とスピーカユニット2のフレーム6との双方と異なる材料で構成されている。蓋部材20は、円環状の平板に形成されている。蓋部材20には、ねじ22を通す通し孔21が貫通している。蓋部材20は、筐体9の一方の表面上に重ねられて、開口部13を覆う。そして、蓋部材20は、ねじ22がねじ孔23にねじ込まれることで、開口部13を覆うように筐体9に取り付けられる。
また、本実施例では、図13(c)に示すように、開口部13間に仕切り壁14が設けられずに、一つの開口部13が筐体9の本体部11の全周に亘って設けられている(即ち、開口部13は、筐体9の本体部11の周方向に延在している)。さらに、開口部13内に内部構成部材19が収容されている。
本実施例では、開口部13内に内部構成部材19を収容した後に、蓋体18の蓋部材20で開口部13を覆う。その後、筐体9の本体部11の他方の表面にスピーカユニット2のフレーム6のフランジ7を重ねて、ねじ10をねじ孔16にねじ込んで、スピーカユニット2及び筐体9を互いに固定し、ねじ22をねじ孔23にねじ込んで蓋部材20及び筐体18とを固定する。そして、取付部材3は、前述した参考例及び第1の実施例と同様に、ドアパネル40に取り付けられて、前述した固定構造1が組み立てられる。
本実施例によれば、前述した参考例と同様に、筐体9に開口部13を設けて、当該筐体9を中空に形成することで、当該筐体9すなわち取付部材3自体の重量の低減を図りながらも、筐体9すなわち取付部材3の剛性の向上を図ることができる。このため、取付部材3は、スピーカユニット2の振動板の振動がドアパネル40に伝播することを抑止でき、取付部材3とドアパネル40との間などから異音が発生することを抑止して、スピーカユニット2の所望の音響特性を得ることができる。
また、取付部材3は、開口部13を塞ぐように筐体9に取り付けられる蓋体18を備えているため、開口部13が筐体9即ち取付部材3の内部に形成されているので、取付部材3のドアパネル40との接触面積を充分に確保することができ、取付部材3とドアパネル40との間に空間が発生することを抑止でき、取付部材3のドアパネル40に対する(がたつき)の発生を抑止することができる。
さらに、筐体9と蓋体18とが互いに異なる材料で構成されている。特に、筐体9と蓋体18とが互いに異なる金属材料で構成されるのが望ましい。このため、筐体9と蓋体18との共振周波数を互いに異ならしめることが可能となる。さらに、筐体9と蓋体18とを接触させることで、筐体9と蓋体18との振動を相殺させることができ、ドアパネル40へスピーカユニット2の振動が伝播することを抑止することが可能となる。
開口部13内に筐体9と異なる材料で構成された内部構成部材19を収容しているので、スピーカユニット2を駆動させた際に、取付部材3を介してドアパネル40へ伝播する振動が筐体9内で減衰するため、ドアパネル40が振動して異音を発生すること、ドアパネル40が振動して取付部材3と接触等により異音が発生することを抑止すること等が可能となる。
内部構成部材19を粒体で構成しているので、取付部材3が振動しようとしても、取付部材3に伝播してきた振動により粒体間に摩擦が生じ、この摩擦により当該振動が筐体9内で減衰するため、ドアパネル40との接触により異音が発生することを抑止することができる。
次に、本発明の第3の実施例を、図15乃至図17に基づいて説明する。なお、前述した参考例乃至第2の実施例と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。本発明の第3の実施例に係るスピーカユニットの固定構造(以下、単に、固定構造と記す)1は、図16(a)、図16(b)、及び図17(a)に示すように、前述した第1の実施例と同様に、蓋体18が二つの蓋部材20で構成されており、通し孔21が、図15(a)及び図15(b)に示すように、筐体9に設けられ、ねじ孔16が、図16(a)及び図16(b)に示すように、蓋部材20に設けられ、ねじ通し孔17が、図16(a)及び図16(b)に示すように、蓋部材20に設けられている。
また、筐体9は、図15(a)及び図15(b)に示すように、その中心を挟む一対の幅狭部25と、これら幅狭部25と連なりかつ当該幅狭部25よりも幅が広い一対の幅広部26とを一体に備えて、その外縁の外形の平面形状が小判型に形成されている。さらに、筐体9の前記幅広部26には、図15(c)に示すように、前述した開口部13が設けられている。
また、本実施例では、図16(b)に示すように、蓋部材20の前記筐体9の幅広部26に重なる表面から当該筐体9に向かって凸状に形成された突起部27が設けられている。この突起部27は、その平面形状が開口部13に沿って形成され、かつ筐体9に蓋部材20が取り付けられると、図17(a)及び図17(b)に示すように、前記開口部13に侵入する。
本実施例では、前記筐体9に蓋部材20を取り付ける際には、前記開口部13と突起部27上に内部構成部材としてのこれら筐体9と蓋体18とを互いに接着する接着用樹脂30(図17(a)及び図17(b)に示す)を塗布する。この接着用樹脂30は、筐体9と蓋体18の蓋部材20との双方と異なる材料で構成されている。接着用樹脂30は、弾性変形自在な材料で構成されている。
そして、本実施例では、筐体9と蓋部材20とが、内部構成部材としての接着用樹脂30にて接合され、さらにねじ10を蓋部材20のねじ孔16、筐体9のねじ孔21に挿入し互いに固定される。その後、筐体9にスピーカユニット2のフレーム6のフランジ7を重ねて、ねじ10を筐体9のねじ孔50にねじ込み、さらに蓋部材20のねじ孔51(内側がねじ切りされている)にねじ込んで、スピーカユニット2、筐体9及び蓋体18を互いに固定する。そして、取付部材3は、蓋体18の蓋部材20をドアパネル40に重ねられて、ねじ10をねじ通し孔17内に通して、ねじ孔44にねじ込んで、ドアパネル40に取り付けられて、前述した固定構造1が組み立てられる。なお、筐体9に形成される開口部13を蓋部材20に形成し、蓋部材20に形成される突起部27を筐体9に形成しても構わなく、適宜変更しても構わない。
本実施例によれば、前述した参考例と同様に、筐体9に開口部13を設けて、当該筐体9を中空に形成することで、当該筐体9すなわち取付部材3自体の重量の低減を図りながらも、筐体9すなわち取付部材3の剛性の向上を図ることができる。このため、取付部材3は、スピーカユニット2の振動板の振動がドアパネル40に伝播することを抑止でき、取付部材3とドアパネル40との間などから異音が発生することを抑止して、スピーカユニット2の所望の音響特性を得ることができる。
さらに、本実施例では、開口部13内に筐体9と蓋体18との双方と異なる材料で構成された弾性体を内部構成部材として収容している。このため、スピーカユニット2を駆動させた際に、取付部材3を介してドアパネル40へ伝播する振動が筐体9内で減衰するため、ドアパネル40が振動板となって異音を発生すること、ドアパネル40が振動して取付部材3と接触等により異音が発生することを抑止すること等が可能となる。さらに、内部構成部材を筐体9と蓋体18とを接着する接着用樹脂30で構成している。このため、取付部材3が振動しようとしても、取付部材3に伝播してきた振動が筐体9内で減衰して、ドアパネル40との接触により異音が発生することを抑止することができることに加え、筐体9と蓋体18との間から異音が発生することを抑止することができる。
次に、本発明の発明者は、本発明の効果を確認した。結果を図21乃至図24に示す、図21は、比較例1としての木製の中実の取付部材の振動の減衰状況を示し、図22は、比較例2としての樹脂製の中空の取付部材の振動の減衰状況を示し、図23は、本発明品1としてのアルミニウム製の開口部13が設けられた取付部材3の振動の減衰状況を示し、図24は、本発明品2としての本発明品1の開口部13内に粒体としての砂を収容した取付部材3の振動の減衰状況を示している。図21乃至図24では、各比較例1、2及び本発明品1、2を除振台にスペーサー等を介して固定し、比較例1、2及び本発明品1、2に力を加えたときの振幅を測定した。なお、図21乃至図24の横軸は経過時間を示し、縦軸は振動加速度を示している。
測定結果によれば、図21及び図22に示す比較例1及び2よりも、図23及び図24に示す本発明品1及び2が著しく早く振動が減衰して、スピーカユニット2の振動をドアパネル40に伝えづらいことが明らかとなった。
また、前述した実施例では、スピーカユニット2をドアパネル40に取り付けた場合を示しているが、本発明では、スピーカユニット2を取り付ける構造物として、ドアパネル40以外の種々のものを用いても良いことは勿論である。
さらに、前述した第1及び第2の実施例では、内部構成部材19を粒体のみで構成したが、本発明では、図18に示すように、内部構成部材19を粒体と該粒体を分散した弾性を有する樹脂で構成しても良く、図19に示すように、内部構成部材19を粒体と該粒体を分散した発泡体で構成しても良い。これらの場合、取付部材3が振動しようとしても、取付部材3に伝播してきた振動が筐体9内で減衰するため、低音域から中音域、中音域から高音域にかけて、スピーカユニット2、取付部材3及び構造物の共振が発生しにくくなり、取付部材3がドアパネル40との接触により異音が発生することを抑止することができる。
また、本発明では、図20(a)に示すように、蓋部材20の通し孔21に連通するねじ孔16を有する締付部材24を、筐体9に挿入しても構わない。締付部材24は、図示例では、図20(b)に示すように、四角柱状のナットで構成され、筐体9に挿入することによって取り付けられている。また、締付部材24は、蓋部材20又はスピーカユニット2のフレーム7に対し異なる材料、又は蓋部材20及びスピーカユニット2のフレーム7に対し異なる材料にて形成されていることが好ましい。締付部材24を筐体9とスピーカユニット2のフレーム6などと異なる材料にて構成することで、この締付部材24の共振周波数が筐体9などに対し異なることとなり、さらにスピーカユニット2の振動を相殺することでドアパネル40へ伝播することが抑止できる。なお、図20(a)及び図20(b)において、前述した参考例及び実施例と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
要するに、本発明は、内部構成部材19の重量を大きくすることで、取付部材3そのものが振動しにくくなり、例えばスピーカユニット2の振動がドアパネル40へ伝播することが抑止される。しかし、このような大きい重量となる取付部材3をドアパネル40などに取り付けることは困難であること、一方で取付部材3の重量が小さくなると、スピーカユニット2の振動がドアパネル40へ伝播しやすいという、相反する関係がある。
そこで、筐体9内の内部構成部材19の重量を調整し、かつ振動の伝播を抑止すること、ドアパネル40などと取付部材3との接触による異音の発生を抑止することが可能となるよう、筐体9内の内部構成部材19を例えば砂(粒体)と弾性体、砂(粒体)と発泡体とを組み合わせて、筐体9内に配置することが好ましい。
また、前述した実施例では、取付部材3の本体部11を円環状に形成したが、本発明では、円環状に限らず例えば、額縁状の外縁が例えば四角形の枠状としても良い。
前述した実施例によれば、以下のスピーカ用取付部材3が得られる。
(付記) スピーカユニット2をドアパネル40に取り付けるためのスピーカ用取付部材3において、 枠状に形成され、かつ内部にその周方向に延在した開口部13が設けられた筐体9を備えたことを特徴とするスピーカ用取付部材3。
付記によれば、筐体9に開口部13を設けて、当該筐体9を中空に形成することで、当該筐体9すなわち取付部材3自体の重量の低減を図りながらも、筐体9すなわちスピーカ用取付部材3の剛性の向上を図ることができる。このため、スピーカ用取付部材3は、スピーカユニット2の振動板の振動がドアパネル40に伝播することを抑止でき、スピーカ用取付部材3とドアパネル40との間などから異音が発生することを抑止して、スピーカユニット2の所望の音響特性を得ることができる。
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。