JP4969381B2 - Catvシステム,catvシステムの配線方法及びcatv装置 - Google Patents

Catvシステム,catvシステムの配線方法及びcatv装置 Download PDF

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Description

本発明は,主にCATV網からタップオフを介して引込まれた引込線に接続されるCATVシステム,該CATVシステムを構築するための配線方法及びCATV装置に関する。
CATV網はそのサービス形態に合わせて伝送帯域を拡大してきた。しかしながらCATV網の中には,その伝送帯域が例えば250MHz帯,300MHz帯,450MHz帯対応など,その時々の伝送帯域の異なる各種システムが現在も多数運用されている。このようなシステムの場合,例えばUHF帯(470から770MHzのテレビ信号の周波数帯であり,以下,特に明記しない限りUHF帯とはこの周波数帯のことを言う。)を使った地上アナログ放送は,VHF帯,ミッドバンド帯およびスーパーハイバンド帯等のチャンネルに周波数変換してから伝送することでサービスを行っていた。
ところが,近年開始された地上ディジタル放送は,UHF帯の低域側周波数帯を主に使用して放送されるため,CATV局側では次のような対応で地上ディジタル放送信号を送出することになる。それは,放送局から送られたUHF帯の地上ディジタル放送波(OFDM)をセンター局にて受信し,該受信した信号を,チャンネルを変えることなくそのまま幹線へ伝送するパススルー方式や,放送局から送られたUHF帯の地上ディジタル放送波(OFDM)を,CATVで伝送可能なVHF帯やミッドバンド帯やスーパーハイバンド帯等に周波数変換して伝送する周波数変換パススルー方式や,放送局から送られたUHF帯の地上ディジタル放送波(OFDM)をセンター局にて受信して,BSディジタル放送の再送信と同じ方式(64QAM)に変換して伝送するトランスモジュレーション方式であり,CATV網を介して地上ディジタル放送を伝送しようとする場合は,採用する伝送方式に応じてCATV網の伝送帯域を広げる必要が生じる。特に,パススルー方式であれば,市販されている地上ディジタルチューナー,地上ディジタルチューナーを内蔵したテレビや,DVDをテレビ端子等に接続すれば,地上ディジタル放送が簡単に見られるので利便性が良いが,その方式に対応するためには,CATVシステムを,少なくともUHF帯まで伝送するシステムに変更する必要が生じる。
つまり,例えば従来,伝送帯域が450MHz帯までしか対応していないCATV網を,770MHz帯の伝送帯域を有するシステムに変更するには,CATV網の幹線や分岐線上に配設される幹線増幅器等の伝送機器を770MHzに対応させると共に,引込線に接続されたビルやマンション等のCATVシステムを構築している棟内増幅器,直列ユニットや同軸ケーブルなどのテレビ受信機器が,少なくとも770MHz若しくはそれ以上の周波数(例えば,衛星放送の中間周波数帯)まで対応した機器に対応しているかの確認若しくは対応していなければ機器の変更が必要となる。
しかしながら,ビルやマンション等のCATVシステムに設置された棟内増幅器や直列ユニット等は,一般的に収納ボックスやメンテナンスルームに設置されている場合が多く簡単に取替えができるが,引回された既設の同軸ケーブルは,天井裏や壁面内部に沿わせて配線するといった同軸ケーブルの敷設の方法から考えて,古いケーブルを取外して新たに同軸ケーブルを配線し直すのは困難であるのでそのまま使えることが望ましい。
ところが,同軸ケーブルは経年変化により物理的にも電気的にも影響を受ける事が分かっており,これらの変化の中でも特に同軸ケーブルの伝送特性に大きく影響するものとして,UHF帯内の特定周波数(特に,UHF帯の低域側に発生する。)で減衰量が増加するディップ現象があり,その現象は,同軸ケーブルの種類や設置された年代によって発生する場合があることが報告されており,それに伴い,UHF帯の高域側の減衰量が大きく増えることがある。(例えば,非特許文献1参照)
また,古いCATVシステムでは,もともと770MHz帯の伝送帯域を必要としなかったために,250MHz帯,300MHz帯,450MHz帯等,それぞれの時代におけるサービスに適応するようにシステムが構築されていれば良く,それぞれのシステムに敷設されている機器や同軸ケーブルの規格が,初めから770MHzに対応していないことも考えられる。また,地上アナログ放送はVHF放送とUHF放送が行われていることから考えれば,一般的にはシステムに敷設されている機器や同軸ケーブルの規格が770MHzに対応するはずであるが,上述のようなディップ現象が見受けられなくても,実際には,UHF帯の高域側での伝送損失が,同軸ケーブルの減衰特性が有する周波数特性から予想される減衰量をはるかに上回る,すこぶる伝送特性の悪いシステムが存在する。このようなUHF帯の高域側の伝送特性が悪いシステムについて調べてみると,システムを構成する分配器や直列ユニットの伝送特性よりも,同軸ケーブルの伝送特性が大きく影響していることが調査で分かっている。その調査の結果の一例を挙げると,経年変化による特性の劣化ばかりでなく,3C−2Vのように細径の同軸ケーブルが敷設されていたり,敷設されているケーブルが,同軸ケーブルとはいい難いシールド線のような外部導体で構成されていたり,高周波伝送には適さないような同軸ケーブルを使ったシステムが見受けられた事例がある。
昭和60年6月5日付 テレビ受信向上委員会 受信向上No.14 p16〜p18
つまり,このようなCATVシステムを,地上ディジタル放送を伝送する方法の一つである上述のパススルー方式のように,チャンネルを変えることなくそのままの周波数帯で伝送してくるCATV網に接続しようとする場合,CATVシステムの引込線以降に既に設置されている同軸ケーブルに,今まで気付かなかったディップ現象が発生していないかどうか,ディップ現象が発生していなくてもUHF帯の高域側における損失が,同軸ケーブルの減衰特性が有する周波数特性から予想されるような値を示すかどうかを,予め確認する必要が生じ,ディップ現象が確認されたリ,UHF帯の高域の通過損失が同軸ケーブルの減衰特性が有する周波数特性から予想される減衰量よりはるかに大きかったりしたなら,既設の同軸ケーブルを取除いて新たに同軸ケーブルを配線し直すか,同軸ケーブルを建物の外壁に這わせてから,壁などに穴をあけて建物内に同軸ケーブルを引入れ,それぞれの部屋に引き込むなどしないと,地上ディジタル放送波の信号が伝送されないといった問題が発生したり,例え引き込むことができてもC/Nが劣化して受信できなかったりすると言った問題がある。
しかしながら,同軸ケーブルは建物の天井や壁面等の内部に沿わせて引回されているので,取除くのも困難であるし,新しい同軸ケーブルを壁面内等に引回すのは更に困難である。また,これに代わる方法として,建物等の外壁を沿わせて各部屋に引き込み,更に各部屋の内壁に同軸ケーブルを這わせて配線する方法があるが,この方法は簡単に実現できるものの,建物を傷つけたり建物の美観を損ねたりするし,各部屋の配線も美観を損ねることなく行うことは困難であリ,延いては,ビルやマンション等の価値を下げるといった問題があった。更に,加入者にとっては,長時間にわたりテレビの視聴の制限が生じると言った問題もある。
また,既設のブースターの替わりに,高利得・高出力タイプのブースターを用いて,伝送特性の悪い部分を含めて全体のレベルを上げる方法も考えられるが,ブースターにはその最大出力に法律で制限があってあまり高出力にはできないし,高利得・高出力化するためには,その回路構成や消費電力の増大に伴う発熱対策等,その分,設計も難しいしコストも掛かることになる問題がある。
そこで本願においては,こうした問題点を解決するためになされたものであり,
その目的は,同軸ケーブルのUHF帯の高域側で伝送特性が劣化した既設のCATVシステムを,同軸ケーブルを取替えることなく広帯域にわたって伝送できるCATVシステムを提供することを課題とする。
他の目的は,同軸ケーブルのUHF帯の高域側で伝送特性が劣化したUHF帯には対応していない既設のCATVシステムを,同軸ケーブルを取替えることなくUHF帯まで伝送できるCATVシステムを提供することを課題とする。
他の目的は,上記目的のCATVシステムを構成するための配線方法を提供することを課題とする。
他の目的は,上記目的のCATVシステムを構成するためのCATV装置を提供することを課題とする。
他の目的は,同軸ケーブルのUHF帯の高域側で伝送特性が劣化したUHF帯には対応していない既設のCATVシステムを,UHF帯が伝送できるようにするための改修工事が,視聴者が長時間に亘ってテレビの視聴を制限されることなくできるようにすることを課題とする。
他の目的は,同軸ケーブルのUHF帯の高域側で伝送特性が劣化したUHF帯には対応していない既設のCATVシステムを,簡単且つ安価に広帯域化することを課題とする
その他の目的も,以下に示す実施例の中で明確になるであろう。
上記課題を解決するために,請求項1の発明は,CATV網からタップオフを介して引き込まれた引込線に接続されるCATVシステムであって,少なくとも,引込線によって引込まれた下り帯域信号としての第1の周波数帯のCATV信号を,1または複数の分配器若しくは分岐器を介して複数の系統の伝送経路で端末側に伝送するように構成されたCATVシステムにおいて,該CATVシステムに伝送する下り帯域信号として,前記第1の周波数帯の信号に変わって,前記第1の周波数帯を含み,少なくとも該第1の周波数帯の最大周波数より高い周波数を有する第2の周波数帯の信号を伝送した時に,前記伝送経路の内,端末側の信号レベルが所定値レベルより低くなる特定伝送経路に対して,該特定伝送経路における,最も端末側に位置する前記分配器若しくは分岐器の出力端子の直後に,特定伝送経路による伝送損失を補償するための増幅器であって,少なくも前記第2の周波数帯の信号を所定量だけ増幅する信号補償増幅器を介設することによって,前記第2の周波数帯における端末側の信号レベルが,何れの系統の伝送経路においても所定値レベル以上となるように構成されている。
また,請求項2の発明は,請求項1のCATVシステムにおいて,該CATVシステムを実現する配線方法についての構成を示すものである。
また,請求項3の発明は,請求項1に記載のCATVシステムまたは請求項2に記載のCATVシステムの配線方法に用いるためのCATV機器において,少なくとも前記信号補償増幅器を,最も端末側に位置する前記分配器若しくは分岐器と同一の筐体に収納するように構成したものである。
更に,請求項4の発明は,CATV網からタップオフを介して引き込まれた引込線に接続されるCATVシステムであって,少なくとも,引込線によって引込まれた下り帯域信号としての第1の周波数帯のCATV信号を,1または複数の分配器若しくは分岐器を介して複数の系統の伝送経路で端末側に伝送するように構成されたCATVシステムにおいて,該CATVシステムに伝送する下り帯域信号として,前記第1の周波数帯の信号に変わって,前記第1の周波数帯を含み,少なくとも該第1の周波数帯の最大周波数より高い周波数を有する第2の周波数帯の信号を伝送した時に,前記伝送経路の内,端末側の信号レベルが所定値レベルより低くなる特定伝送経路に対して,該特定伝送経路における,最も端末側に位置する前記分配器若しくは分岐器の出力端子の直後に,特定伝送経路による伝送損失を補償するための増幅器であって,少なくとも前記第2の周波数帯の信号を所定量だけ増幅する信号補償増幅器と,該信号補償増幅器と並列に,少なくとも前記第2の周波数帯の信号を通過する信号通過回路と,少なくとも前記第2の周波数帯の信号が通過する経路が,前記信号補償増幅器を経由するか前記信号通過回路を経由するかを,選択的に切換自在となるように構成された選択手段を介設することによって,前記第2の周波数帯における端末側の信号レベルが,何れの系統の伝送経路においても所定値レベル以上となるように構成されている。
また,請求項5の発明は,請求項4のCATVシステムにおいて,該CATVシステムを実現する配線方法についての構成を示すものである。
また,請求項6の発明は,請求項4に記載のCATVシステムまたは請求項5に記載のCATVシステムの配線方法に用いるためのCATV機器少なくとも前記信号補償増幅器と信号通過回路と前記選択手段を,最も端末側に位置する前記分配器若しくは分岐器と同一の筐体に収納するように構成したものである。
本発明の請求項1から請求項6の発明によれば,例えば,今まで450MHz帯までの帯域を使ったCATVサービスに加入していたビルやマンション等の建物5に導入されている既存のCATVシステムを,例えば地上ディジタル放送の信号をそのまま伝送するためのパススルー方式等に対応させるため,770MHz帯を使ったサービスに対応させようとする場合に,例え,すでに敷設されている同軸ケーブルに伝送特性上の問題があっても,同軸ケーブルを張替えたり,新たに同軸ケーブルを配線したりすることなく,敷設されたままの同軸ケーブルを使って,既設のCATVシステムであっても770MHz帯対応の改修工事を,簡単且つ安価に実現することができるCATV機器と,これを使った配線方法及びCATVシステムを提供することができる。
つまり,地上波放送が2011年7月に完全にディジタル移行するのに備え,個別の受信システムやCATVシステムに対してアナログ対応からディジタル対応への変更が求められるなか,CATVでも既にディジタル対応への変更が進められており,これに応じるように,加入者側のCATVシステムにおいてもディジタル対応が急務となっている現状にあって,全国に現存する,上述の課題に示すような問題を有していて,容易に改修が困難,或いは上述のような伝送上の問題が今後発生するかもしれないといった相当数の既設のCATVシステムに対し,この既存の施設を利用したまま,簡単且つ安価にディジタル対応の改修工事が実現できる,極めて社会性の高い有用な発明を提供できるのである。
具体的には,請求項1から請求項3の発明によれば,既設の信号増幅器の一例としての450MHz対応の棟内ブースターに替えて,例えば770MHz対応の棟内ブースターを設置し,加えて,該棟内ブースターを使っても,端末側の信号レベルが所定レベル以上にならないような1または複数の特定伝送経路に対して,端末レベルの不足分を補償するための信号補償増幅器を介設することでシステムの改修を容易に行うことができ,しかも,少なくとも前記信号増幅器および分配器などは,一般的に,建物の屋上や建物内のメンテナンスルームに備えられた前記収納ボックスに収納されていることから,棟内ブースターの交換及び信号補償増幅器の追加による改修工事が,簡単且つ素早く行うことができるのである。
また,このような信号増幅器の交換に加え,信号補償増幅器を追加する構成にしたことによって,高利得・高出力な信号増幅器を1つ用いて対策する場合に比べ,交換用の信号増幅器として既存の770MHz帯対応の棟内ブースターを使うことができるし,信号補償増幅器も一般的な増幅器でよく,回路構成が簡単にできることから製品が安く実現できばかりでなく,消費電力が少なくて済むので電気代も掛からない等,システムの改修工事が安価にでき,更には,CATVシステムの維持費も安価になるといった効果が得られる。
更に加えて,請求項3の発明によれば,上記効果に加え,最も端末側に位置する前記分配器若しくは分岐器と,少なくとも前記信号補償増幅器を同一の筐体に収納して分配増幅器を構成したので,例えば,分配器を含め,リニューアルするような場合の施工における設置の利便性を更に改善することができる。
また,請求項4から請求項6の発明によれば,770MHz帯に対応するためのグレードアップを行う際に,CATVシステムの伝送経路に問題が無くても,システムの設置年数等から鑑みて,何れの時点かに上記問題の発生が予想される現場であれば,770MHz帯の棟内ブースタに変更し,加えて,本発明の実施形態の信号補償増幅器を予め設置しておくことによって,将来において万が一に何れか若しくは全ての伝送経路に,同軸ケーブルに依存する上記のような伝送上の問題が発生しても,前記選択手段の簡単な切換操作だけで素早く対応できるのである。
更に加えて,請求項6の発明によれば,上記効果に加え,最も端末側に位置する前記分配器若しくは分岐器と,少なくとも信号補償増幅器と信号通過回路と前記選択手段を同一の筐体に収納して分配増幅器を構成したので,例えば,分配器を含め,リニューアルするような場合の施工における設置の利便性を更に改善することができる。
更に上記効果ばかりでなく,以下に例示するような作用効果が得られる。例えば,既設のCATVシステムを地上ディジタル放送対応にすることによって,入居者は個別にアンテナを設けなくても地上ディジタル放送を見ることができるので,入居者にとって非常に便利であると共に,ビルの管理者や所有者にとっては,ビルやマンションの価値を向上させることができる。更に,地上ディジタル放送を受信するため,新たに同軸ケーブルをビルの外壁に沿わせるように這わせたり,各部屋の内壁に沿わせるようにして引込んだりしなくても良いので,ビルやマンションの美観を損なうことがなく,この点においてもビルやマンションの価値を損なうことがない。
以下に,本発明を具体化した実施形態の例を,図面を基に詳細に説明する。
図1は信号増幅器を備えてなる従来のCATVシステムの一例を示す概略構成図であり,図2は図1に示される従来のCATVシステムにおけるX点とY点間の伝送損失を示す70から770MHzまでの周波数特性である。図3は信号補償増幅器を備えてなる本発明に係るCATVシステムの第1実施形態を示す概略構成図である。図4は本発明に係るCATVシステムのことなる実施形態を示す概略構成図である。図5は本発明に係る信号補償増幅器の異なる概略構成図である。図6は分配器と信号補償増幅器を一体にした概略構成図であり,(a)は分配器の出力のそれぞれに信号補償増幅器を備えた例であり,(b)は分配器の何れか1つまたは複数の出力に信号補償増幅器を備えた例であり,(c)は分配器の出力のそれぞれに,図5に示す,信号補償増幅器の異なる実施形態の信号補償増幅器を備えた例である。
図1は従来からあるビルやマンション等に設置されたCATVシステムの概略構成を示す図であり,例えば下り帯域信号として第1の周波数帯(例として450MHz帯の伝送帯域)の信号を使ってサービスを行うCATV網に接続された既設のCATVシステムである。この図において1は図には示されていないセンター局と接続されている幹線から分岐された分岐線を示し,この分岐線1はタップオフ2を介してさらに先に延設されている。そしてタップオフ2には引込線3,4が接続され,この引込線4を介してCATV網はビルやマンション等のCATVシステムに接続されている。図における実施例では引込線4は5に示されるビルやマンション等の建物5に設置された保安器6に接続され,この保安器6から先は,同軸ケーブル7によっての建物5に引き込まれている。
図1の実施例では,建物5に引き込まれた同軸ケーブル7は,一度建物5の屋上や建物内のメンテナンスルームなどに設置された図には示されていない収納ボックス等まで引回されている。この収納ボックスは,内部にテレビ受信機器等を収納するための収納空間を有し,この収納空間の奥底には,テレビ受信機器等の取付けをするための板体等が備えられると共に,AC100Vの商用電源が得られるACコンセント等が敷設されている。そして,この収納ボックスには14に示される信号増幅器が取付けられており,収納ボックスまで引回された前記同軸ケーブル7はこの信号増幅器14に接続されている。この実施例では信号増幅器14はCATV網の伝送帯域に適した450MHz帯対応の棟内ブースターである。
更に,信号増幅器14の先には同軸ケーブル8が接続されており,同軸ケーブル8のその先には分配器9が接続されている。
本発明の実施例では,分岐器9は2分配器9aと4分配器9bであり,分配器9bのそれぞれの分配端子には同軸ケーブル10,13・・・19を介して,建物5の上の階から下の階にかけて中継用の直列ユニット11を3つと端末の直列ユニット12が接続され,建物5内で引込線7から端末に至る8系統の伝送経路41・42・・・48からなる,全部で32端子のCATVシステムを構成している。
尚,これらの分配器9,直列ユニット11,12,同軸ケーブルなどは,加入しているCATV網のサービスに対応するように,少なくとも450MHz帯の信号が伝送できる周波数特性を有するものである。また,前記分配器,直列ユニット等の下限の使用周波数は例えば70MHzのものでも良いが,例えば下限の使用周波数が10MHzのものを使用し,信号増幅器14においては,例えば上り信号の一例としての10から55MHz帯の上り帯域信号を増幅若しくは通過する上り信号回路を有するように構成すれば,双方向CATVシステムにも対応できる。また,この例では,分配器を使ってシステムを構成しているが,特にこの実施例に限定されるものではなく,分岐器等を使って構成しても良いことは言うまでも無い。これらの例は,以下の発明の説明でも同じであリ,特に明示しない限り詳細な説明は省略する。
このように構成されたCATVシステムにおいては,CATV局から送られてくる例えば70から450MHz帯の下り帯域信号を使ったサービスを受けているのであるが,CATV局において,更なる多チャンネル化や,新しく始まった地上ディジタル放送のサービスを開始しようとする場合,CATV網から送出する伝送帯域を,下り帯域信号として第2の周波数帯(例として770MHz帯までの帯域。以下の説明では,特に明示し無い限り第2の周波数帯は770MHz帯までの帯域である。)まで拡大する必要が生じる。
つまりは,多チャンネル化のためには,伝送帯域の拡大が必要であることは勿論,前記地上ディジタル放送の信号をCATV網に伝送する伝送方式の一つである,受信した地上ディジタル放送の信号を,チャンネルを変えることなく,そのまま伝送(再送信)するパススルー方式等の実施を導入するには伝送帯域の拡大が必要となるからである。
このため,CATV網の伝送帯域を下り帯域信号として第2の周波数帯の信号まで拡大することになれば,加入者(CATVシステム)側においても,これらのサービスを受けるため,建物5内のCATVシステムを770MHz帯に対応させる必要が生じるのである。
テレビ受信に一般的に使用されている分岐器,直列ユニット,同軸ケーブルなどは,既に放送が行われているVHFとUHFの地上アナログ放送を受信するため,少なくとも770MHz帯まで対応する周波数特性を有する機器で構成されているはずであるから,従来例に示すように,既設のCATVシステムであっても770MHz帯までの伝送が期待でき,例えば,既に設置されている450MHz帯対応の棟内ブースター14を,770MHz帯対応のブースターに変更するといった簡単な方法で,上記のような770MHz帯のサービスに対応させることができるはずである。つまり,一般的に棟内ブースター14は,上述のように建物5の屋上や建物内のメンテナンスルームなどに設置された図には示されていない収納ボックスに設置されていることから,ブースターの取替えだけで工事が完了すれば,改修が素早く簡単に行え,延いては,加入者に対して長時間にテレビの視聴を制限することも無いといった点ですこぶる利便性が良いのである。
ところが,古いCATVシステムでは,もともと770MHz帯の伝送帯域を必要としなかったために,250MHz帯,300MHz帯,450MHz帯等,それぞれの時代におけるサービスに適応するようにシステムが構築されていれば良く,それぞれのシステムに敷設されている機器や同軸ケーブルの規格が,初めから770MHzに対応していないことも考えられる。また,地上アナログ放送はVHFとUHFとで放送が行われていることから考えれば,一般的にはシステムに敷設されている機器や同軸ケーブルの規格が770MHzに対応するはずであるが,実際には,UHF帯の高域側での伝送損失が,予想される減衰量をはるかに上回る,すこぶる伝送特性の悪いシステムが存在する。
このようなUHF帯の高域側の伝送特性が悪いシステムについて調べてみると,システムを構成する分配器や直列ユニットの伝送特性よりも,同軸ケーブルの伝送特性が大きく影響していることが調査で分かっており,棟内ブースター14の変更といった簡単な方法だけでは770MHz帯に対応させることができない。
この原因として,単純に同軸ケーブルの引回し距離が長いと言った問題もあるが,同軸ケーブルが3C−2Vのように細径の同軸ケーブルが敷設されていたり,敷設されているケーブルが,同軸ケーブルとはいい難いシールド線のような外部導体で構成されていたり,高周波伝送には適さないような同軸ケーブルを使った事例が有る。
また,建物5内の共同受信システムが設置された時代によっては,テレビ受信用として一般的に使用されていた同軸ケーブルが持つ固有の問題によって発生する事例がある。これは,同軸ケーブルが持つ特有の問題,つまり,その伝送特性が経年変化によって物理的にも電気的にもその影響を受け,ある時期まで使われていた同軸ケーブルでは,UHF帯内の特定周波数で減衰量が増加するディップ現象が発生したり,高域側の減衰量が増大したりするのである。その結果,UHF帯のテレビ信号を使った上述のような地上ディジタル放送信号をそのままで伝送するパススルー方式を行うのに支障をきたすのである。
尚,ここでいう所定値レベルとは,例えば端末側にテレビ等を接続したときに,テレビがきれいに見える信号レベルである。
このように,伝送上の問題が発生した既設のCATVシステムにおける770MHz帯までの伝送特性を図2に示す。このデータは図1に示すCATVシステムのX点とY点(2階部分に設置された直列ユニット11の壁面端子)との間の通過損失を測定したものである。図2に示されるデータは同軸ケーブルの周波数特性に起因する伝送特性(実線で示される)を示しており,このデータによればUHF帯の高域側の伝送損失が同軸ケーブルの減衰特性から予測される値(破線で示される)に比べてすこぶる大きくなっており,UHF帯の高域側の信号は端末側まで最適レベルで伝送することができない可能性が生じることになる。
これに対応するためには,同軸ケーブルを新しく張り替えれば良いのであるが,既に述べたように,既設の同軸ケーブルは,建物の壁面等の内部に引回されているので,取外すのも困難であるばかりか,新しく配線するのも極めて難しいのが現実である。
そこで本発明は,例えば450MHz帯までの帯域に対応していて770MHz帯までは対応していない既設のCATVシステムを,770MHz帯に対応させるための改修工事において,たとえ,すでに敷設されている同軸ケーブルの伝送特性に上述のような問題があって,しかも,同軸ケーブルが壁面内部に設置されていて,既設の同軸ケーブルを取外し,新たに同軸ケーブルを壁面内部に再配線するなどによる対応が難しいシステムであっても,敷設された同軸ケーブルを交換することなくそのまま使って,770MHz対応の改修工事が行えるようにするための配線方法及びCATV機器を提供するものであり,更にはこれらの配線方法やCATV機器を用いたCATVシステムを提供するものである。
ここで,これらの問題に対応する方法について図3及び図4に示す実施形態のCATVシステムの概略構成図を用いて説明する。図3に示す実施形態のCATVシステムは,第2の周波数帯の信号を伝送するために,前記信号増幅器14に替えて,例えば770MHz対応の棟内ブースター24を同軸ケーブル8に設置する。加えて,最も端末側に位置する分配器,即ち,分配器9bの分配端子のそれぞれに接続された同軸ケーブル10・13・・・19に,信号補償増幅器25・・・を介設することで構成される。この図3に示される実施形態は,それぞれの伝送経路の同軸ケーブルに上述のような伝送上の問題があったり,伝送経路が長すぎたりして,全ての伝送経路において,端末側の信号レベルが,所定値レベルより低くなる特定伝送経路となる場合に対応する例が示されている。また,図4には異なる実施形態が示されており,この概略構成図では,複数の伝送経路を構成する同軸ケーブルの敷設の方法や,環境の違いによって,同軸ケーブルの経年変化にバラツキが生じ,一部の伝送経路においては端末側の信号レベルが所定値レベル以上得られ,伝送経路19−1のように,他の信号経路に比べて伝送上の問題の影響が大きかったり,伝送経路が長かったりして,端末側の信号レベルが所定値レベルより低くなる特定伝送経路が存在する場合に対応する例が示されている。
ここで,信号補償増幅器25について説明する。この信号補償増幅器25は,例えば高周波素子としてのトランジスタやICから構成された所定の利得を有する図には示されていない増幅回路からなり,その増幅帯域は前記第2の周波数帯の信号に対応した,例えば70から770MHzの帯域を所定量だけ増幅するように構成されている。この信号補償増幅器25の利得は,少なくとも,前記第2の周波数帯の信号が特定伝送経路を通過することによって生じる最大通過損失(一般的には770MHzにおける損失)を補償して,端末側の信号レベルが,何れの系統の伝送経路においても所定値レベル以上となるような増幅度であればよいが,端末側の受信端末レベルを最適化できるように利得が高くて高出力タイプの増幅器がよい。この信号補償増幅器25の具体例として,少なくとも上述のように構成された増幅回路を形成したプリント基板と,該プリント基板を収納する該前記増幅回路と外部とを接続するためのF型接栓座からなる入出力端子を備えた筐体とでユニット化されている。この入出力端子はF型(female)で構成しても良いが,出力端子をF型(male)にすれば,分配器の分配端子に直接に接続でき設置の工事が簡単にできる。
このような構成に加え,増幅回路に利得調整回路を備えさせることで,利得を連続的若しくは段階的に可変できるようにすれば,伝送経路の長さがそれぞれ異なっていても,それぞれの端末レベルの最適化および均等化が簡単にできる利便性の良い信号増幅器25とすることができる。また,伝送経路を信号が通過することによって,第2の周波数帯の低域側におけるレベルと高域側におけるレベルの差が大きくなる場合に備え,帯域内に発生するレベル差を補償するための,図には示されていない例えばチルト回路等の信号処理手段を信号補償増幅器25に備えるようにすれば更に良い。
また,信号補償増幅器25は下り帯域信号を増幅するように構成された説明したが,CATV上り帯域信号用の通過回路または増幅回路を備え,双方向CATVシステムに対応させるように構成しても良く,上記実施形態に限定されるものではない。
尚,図3および図4において示される実施形態では,分配器9bの直後に信号補償増幅器25を接続するよう,それぞれ別体で構成した例を示したが,図6の概略構成図に示すように,少なくとも分配器9bと信号補償増幅器25を同一筐体内に収納した構成としても良い。この図6(a)は,建物5の全ての伝送経路に問題がある場合に対応する実施例で,分配器9bの分配端子のそれぞれに信号補償増幅器25を備えてなる分配増幅器31を示す。(b)は何れか1つまたは複数の伝送経路に問題が有る場合に対応する実施例であり,分配器9bの分配端子の所定の個所に信号補償増幅器25を備えてなる分配増幅器32の一例を示す。
これらの例は,分配器9bを構成する図には示されていない分配回路と,信号補償増幅器25を構成する図には示されていない増幅回路を,筐体内の同一基板上に構成しても良いし,例えば,信号補償増幅器25をユニット化して前記筐体内に着脱自在に構成しても良い。この場合は,信号補償増幅器ユニットに替わって,図には示されていない信号通過回路ユニットを予め作っておいて,CATVシステムの状況に応じて取替え可能にしたり,信号補償増幅器ユニットを取外したら自動的に信号通過回路に切替可能にしたりするように構成しても良い。
尚,前記信号補償増幅器25は,特定伝送経路における,最も端末側に位置する前記分配器9aの分配端子の直後に介設するのであるが,この直後とは,上述のように分配器9aの分配端子に直接接続したり,収容ボックス内で同軸ケーブルを介して接続したりというように,既設のCATVシステムに設置されている分配器9aに対して格別な対応をしなくても,前記信号補償増幅器25が容易に取り付け可能な位置のことを言う。
ここで,本発明の実施形態のCATVシステムを実現するに当たり,棟内ブースターを信号増幅器24へ取り替えるのに加え,新たに前記信号補償増幅器25を備える2段構成にした理由を説明する。本発明の実施形態では,770MHz帯の下り帯域信号に対応するためには,既設の例えば450MHz対応の棟内ブースター14に替わって,770MHz帯対応の棟内ブースター24に取り替えることは必須となるので,棟内ブースター14に比べて利得が高く,また,最大出力の大きい棟内ブースターを使えば,前記信号補償増幅器25は必要がないことになる。ところが,このような高利得化には,その回路構成を複雑にするばかりでなくその回路の占める面積が大きくることで外形が大きくなるといった問題がある。また,高出力化によって消費電力も大きくなるし,それに伴い発生する熱に対する放熱手段が必要となるなど,回路構成ばかりでなく構造体も複雑になり,その結果,棟内ブースターの価格が非常に高くなってしまう。更に,CATVシステムにおける同軸ケーブルには法律に基づいて伝送できる信号レベル(20dBmW以下)が定められており,棟内ブースターの最大出力もそれに基づいて制限されてしまうことも問題である。
それに対して,本発明の実施形態のように補償が必要な利得を按分するように構成すれば,770MHz帯対応の棟内ブースター24も既存の製品を使えるし,信号補償増幅器25においても,その回路構成は一般的なものでよく汎用性のある高周波部品や構造体を使って構成できることから機器が安くでき,また,消費電力が大きくならないので電気代も安くなり,その結果,改修工事も安価なるし,施設の維持費も安価になるといった効果が期待できるのである。
次に,改修工事の具体的の方法を説明する,先ず,既設の棟内ブースター14に替わって対策用の棟内ブースターを設置する。次に,例えば電解強度測定器等を用いて,収納ボックスに引込まれた引込線8からのCATV信号のレベルや,新設の棟内ブースター24の出力レベル等を測定し,引込線8からの信号レベルが最適かどうか,棟内ブースター24から端末側に向かって適正レベルの信号が出力されているかどうか等を確認する。棟内ブースター24の接続が完了した後は,端末レベルの調査であり,それぞれの伝送経路の加入者宅の端末レベルを測定して,端末側のレベルが所定値レベルに有るか無いかの判断を行う。そして,所定値レベルが得られていない特定伝送経路が有れば,その伝送経路に対し,前記収納ボックスから端末側に向かって引き出されている特定伝送経路をなす同軸ケーブルと,分配器9bの分配端子との間に,前記信号補償増幅器25の設置を行うことで完了する。
以上,本発明の実施形態によれば,CATV網からタップオフを介して引き込まれた引込線に接続されるCATVシステムであって,少なくとも,引込線によって引込まれた下り帯域信号としての第1の周波数帯のCATV信号を,1または複数の分配器若しくは分岐器を介して複数の系統の伝送経路で端末側に伝送するように構成されたCATVシステムにおいて,既設の信号増幅器14の一例としての450MHz対応の棟内ブースターに替えて,例えば770MHz対応の棟内ブースター24を設置し,加えて,該棟内ブースター24を使っても,端末側の信号レベルが所定レベル以上にならないような1または複数の特定伝送経路に対して,端末レベルの不足分を補償するための前記信号補償増幅器25を介設することでシステムの改修工事が簡単に行える。
加えて,この改修工事の殆どの工事に係る工程は,建物の屋上や建物内のメンテナンスルームに備えられた,既設の収納ボックス内及びその近傍において行え,更に,既設の棟内ブースター用の,商用電源のACコードが既に配線済みであることから,新たに設置する必要もないので,改修工事が更に素早く且つ簡単で,しかも安価にでき,延いては,加入者が長時間にわたってテレビの視聴を制限されるといったことがなくなる。
更に,本発明の実施形態のように,信号増幅器の交換に加え,信号補償増幅器を追加する構成にしたことによって,高利得・高出力な信号増幅器を1つ用いて対策する場合に比べ,交換用の信号増幅器24として,既存の770MHz帯対応の棟内ブースターを使うことができるし,信号補償増幅器25も一般的な増幅器でよく,回路構成が簡単にできることから,製品が安く実現できばかりでなく,消費電力が少ないくて済むことで電気代も掛からない等によって,CATVシステムの維持費も安価になるといった効果が得られる。
次に前記信号補償増幅器25の異なる実施形態について図5を用いて詳しく説明する。図における28がこの実施形態の信号補償増幅器である。この信号補償増幅器28は図によく示されるように,前記信号補償増幅器25に加え,該信号補償増幅器25と並列に,少なくとも下り帯域信号を通過させる信号通過回路27を設け,更には,下り帯域信号の通過する経路が,前記信号補償増幅器25か前記信号通過回路27を選択的に切換可能であるように構成された選択手段26を備えた構成となっている。前記信号通過回路27は,少なくとも下り帯域信号に対して増幅等の処理をすることなく最小限の通過損失で通過するよう構成された,例えば,プリント基板に備えられた導電材やジャンパー線等からなる高周波信号の通過回路である。また,選択手段26は本発明の実施形態では切換スイッチによって構成されており,この切換スイッチ26の切換操作によって下り帯域信号が信号補償増幅器25か信号通過回路27のどちらかの信号経路を経由して出力されるのかを選択的に選べるのである。尚,切換スイッチ18はマニュアルで切換えできるようにしても良いし,電気的に切換えできるようにしても良い。尚,図5に示す信号補償増幅器28は概略構成図であり,例えば,信号補償増幅器25と選択手段26と信号通過回路27を同一プリント基板上に形成して,筐体に収納するように構成しても良い。
尚,図5において示される実施形態では,分配器9bと信号補償増幅器28を別体で構成した例を示したが,図6(c)の概略構成図に示すように,少なくとも分配器9bと信号補償増幅器28を同一筐体内に収納した構成としても良い。この図6(c)は全ての伝送経路に問題がある場合に対応する実施例で,分配器9bの分配端子のそれぞれに信号補償増幅器28を備えてなる分配増幅器33を示す。図には示されていないが,前記図6(b)の実施形態のように,何れか1つまたは複数の伝送経路に問題が有る場合に対応するように,分配器9bの分配端子の必要な個所に信号補償増幅器28を備えてなる分配増幅器を構成しても良い。また,分配増幅器33をユニット化して着脱自在にしても良い。
このように異なる実施形態の信号補償増幅器28を用いることによって,本発明の目的である770MHz帯に対応するためのグレードアップを行う際に,CATVシステムの伝送経路に問題が無くても,システムの設置年数等から鑑みて,何れの時点かに上記問題の発生が予想される現場であれば,既設の,例えば450MHz帯対応の棟内ブースター14に替わって770MHz帯対応の棟内ブースター24を設置し,加えて,前記信号補償増幅器28若しくは分配増幅器33を設置しておくことによって,将来において万が一に何れか若しくは全ての伝送経路に,同軸ケーブルに依存する上記のような伝送上の問題が発生しても,前記選択手段26の簡単な切換操作だけで素早く対応でき,しかも,その切換操作は,収納ボックスで行うことができるので対応が容易に行えることから,加入者に対して長時間にテレビの視聴を制限することがないといった,極めて利便性の高い効果が得られるのである。
更に本発明によれば,上述したそれぞれの実施形態の効果に加え,次に示すような作用効果が得られる。例えば,既設のCATVシステムを地上ディジタル放送対応にすることによって,入居者は個別にアンテナを設けなくても地上ディジタル放送を見ることができるので,入居者にとって非常に便利であると共に,ビルの管理者や所有者にとっては,ビルやマンションの価値を向上させることができる。更に,地上ディジタル放送を受信するため,新たに同軸ケーブルをビルの外壁に沿わせるように這わせたり,各部屋の内壁に沿わせるようにして引込んだりしなくても良いので,ビルやマンションの外観や部屋の壁面等の美観を損なうことがなく,この点においてもビルやマンションの価値を損なうことがないなど,本発明はすこぶる有用性が高いのである。
尚,本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく,以下に例示するように,本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の構成を適宜に変更して実施することも可能である。
上記実施形態では,CATV網からタップオフを介して引き込まれた引込線に接続されるCATVシステムに対応する例を示したが,例えばビル影や山影等による電波障害対策のために,ビルの屋上や山頂等の見通しの良い受信点にアンテナを設置し,該アンテナによって受信した信号を住宅などに引込線で引込んで受信するように構成された難視対策のための地上アナログ放送受信用のシステムを,地上ディジタル放送の受信に対応するように変更するような場合においても使用しても良いことは言うまでもない。
信号増幅器を備えてなる従来のCATVシステムの一例を示す概略構成図である。 図1に示される従来のCATVシステムにおけるX点とY点間の伝送損失を示す70から770MHzまでの周波数特性である。 信号補償増幅器を備えてなる本発明に係るCATVシステムの実施形態を示す概略構成図である。 本発明に係るCATVシステムの異なる実施形態を示す概略構成図である。 本発明に係る信号補償増幅器の異なる概略構成図である。 分配器と信号補償増幅器を一体にした概略構成図であり,(a)は分配器の出力のそれぞれに信号補償増幅器を備えた例であり,(b)は分配器の何れか1つまたは複数の出力に信号補償増幅器を備えた例であり,(c)は分配器の出力のそれぞれに,図5に示す,信号補償増幅器の異なる実施形態の信号補償増幅器を備えた例である。
符号の説明
1…分岐線,2…タップオフ,3・4…引込線,5…建物,6…保安器,7・8…同軸ケーブル,9a・9b…分配器,10・13・19…同軸ケーブル,11…中継用の直列ユニット,12…端末用の直列ユニット,14…信号増幅器(450MHz帯対応の棟内ブースター),16・18…入力端子,17・19…出力端子,24…信号増幅器(770MHz帯対応の棟内ブースター),25…信号補償増幅器,26…選択手段,27…信号通過回路,28…信号補償増幅回路,31…分配増幅器,32…分配増幅器,33…分配増幅器,41・・・48・48−1…伝送経路。

Claims (6)

  1. CATV網からタップオフを介して引き込まれた引込線に接続されるCATVシステムであって,少なくとも,引込線によって引込まれた下り帯域信号としての第1の周波数帯のCATV信号を,1または複数の分配器若しくは分岐器を介して複数の系統の伝送経路で端末側に伝送するように構成されたCATVシステムにおいて,
    該CATVシステムに伝送する下り帯域信号として,前記第1の周波数帯の信号に変わって,前記第1の周波数帯を含み,少なくとも該第1の周波数帯の最大周波数より高い周波数を有する第2の周波数帯の信号を伝送した時に,
    前記伝送経路の内,端末側の信号レベルが所定値レベルより低くなる特定伝送経路に対して,該特定伝送経路における,最も端末側に位置する前記分配器若しくは分岐器の出力端子の直後に,特定伝送経路による伝送損失を補償するための増幅器であって,少なくとも前記第2の周波数帯の信号を所定量だけ増幅する信号補償増幅器を介設することによって,前記第2の周波数帯における端末側の信号レベルが,何れの系統の伝送経路においても所定値レベル以上となるように構成したことを特徴としたCATVシステム。
  2. 請求項1に記載のCATVシステムを構成することを特徴としたCATVシステムの配線方法。
  3. 少なくとも前記信号補償増幅器を,最も端末側に位置する前記分配器若しくは分岐器と同一の筐体に収納したことを特徴とした請求項1に記載のCATVシステムまたは請求項2に記載のCATVシステムの配線方法に用いるためのCATV機器。
  4. CATV網からタップオフを介して引き込まれた引込線に接続されるCATVシステムであって,少なくとも,引込線によって引込まれた下り帯域信号としての第1の周波数帯のCATV信号を,1または複数の分配器若しくは分岐器を介して複数の系統の伝送経路で端末側に伝送するように構成されたCATVシステムにおいて,
    該CATVシステムに伝送する下り帯域信号として,前記第1の周波数帯の信号に変わって,前記第1の周波数帯を含み,少なくとも該第1の周波数帯の最大周波数より高い周波数を有する第2の周波数帯の信号を伝送した時に,
    前記伝送経路の内,端末側の信号レベルが所定値レベルより低くなる特定伝送経路に対して,該特定伝送経路における,最も端末側に位置する前記分配器若しくは分岐器の出力端子の直後に,特定伝送経路による伝送損失を補償するための増幅器であって,少なくとも前記第2の周波数帯の信号を所定量だけ増幅する信号補償増幅器と,該信号補償増幅器と並列に,少なくとも前記第2の周波数帯の信号を通過する信号通過回路と,少なくとも前記第2の周波数帯の信号が通過する経路が,前記信号補償増幅器を経由するか前記信号通過回路を経由するかを,選択的に切換自在となるように構成された選択手段を介設することによって,前記第2の周波数帯における端末側の信号レベルが,何れの系統の伝送経路においても所定値レベル以上となるように構成したことを特徴としたCATVシステム。
  5. 請求項4に記載のCATVシステムを構成することを特徴としたCATVシステムの配線方法。
  6. 少なくとも前記信号補償増幅器と信号通過回路と前記選択手段を,最も端末側に位置する前記分配器若しくは分岐器と同一の筐体に収納したことを特徴とした請求項4に記載のCATVシステムまたは請求項5に記載のCATVシステムの配線方法に用いるためのCATV機器。
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