JP4967272B2 - Cu2O薄膜の結晶化方法及びCu2O薄膜を有する積層体 - Google Patents

Cu2O薄膜の結晶化方法及びCu2O薄膜を有する積層体 Download PDF

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Description

本発明は、CuO薄膜の結晶化方法及び高結晶性のCuO薄膜を有する積層体に関する。
I. 二酸化チタンを利用した色素増感型太陽電池が、安価でクリーンな太陽電池として注目され、種々の提案がなされている(例えば特開2003−123853号)。しかし、二酸化チタンはバンドギャップが3.2eV程度であるために可視光には殆ど応答を示さず、紫外光に対してのみ応答を示す材料である。
II. CuOはエネルギーギャップが2.2eVの可視光吸収材料である。このため、CuOは太陽電池用材料として有望視されている。
特開2003−123853号公報
通常、太陽光吸収材料は、高結晶性で電子や正孔の移動度が高いことが望ましい。しかし、高結晶性のCuO薄膜をスパッタ法によって製造する場合、成膜時の基板加熱や成膜後の熱処理が必要となる。このため、処理に時間がかかるだけでなく、高分子フィルムなどの耐熱性の低い基材には適用が不可能であるという不都合がある。
本発明は、CuO薄膜を低温で高結晶化させる方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、結晶性が高く、ホール移動度の高いCuO薄膜が、高分子フィルムよりなる基板上に積層されてなる積層体を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)のCuO薄膜の結晶化方法は、CuO薄膜にプラズマを照射することを特徴とするものである。
請求項2のCuO薄膜の結晶化方法は、請求項1において、プラズマ照射時におけるCuO薄膜の温度が70℃以下であることを特徴とするものである。
請求項3のCuO薄膜の結晶化方法は、請求項1又は2において、前記CuO薄膜は、異種金属及び窒素の少なくとも1種がドープされていることを特徴とするものである。
請求項4のCuO薄膜の結晶化方法は、請求項3において、前記異種金属は、V、Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Tc,Re,Fe,Co,Ni,Pt,Ag,Au,Zn,Al,Ga,In,Tl,B,C,Si,Ge,Sn,Pb,Bi,Ti,Zr,Hf,Sc,Y及びランタノイドの少なくとも1種であることを特徴とするものである。
請求項5のCuO薄膜の結晶化方法は、請求項1ないし4のいずれか1項において、前記CuO薄膜はスパッタ法、CVD法、蒸着法、ゾルゲル法、スピンコート法、グラビア塗工及びスプレー法のいずれかによって基板上に形成されたものであることを特徴とするものである。
請求項6のCuO薄膜の結晶化方法は、請求項5において、前記基板は高分子フィルムであることを特徴とするものである。
請求項7のCu O薄膜の結晶化方法は、請求項5又は6において、前記基板上にCu O薄膜を形成してなる積層体を入れたチャンバ内を真空に引いた後、該チャンバ内にガスを導入して該チャンバ内を所定圧力に維持した状態で高周波電源を作動させてプラズマ処理を行う方法であって、上記真空引き時の真空度が、1×10 −4 〜10 −2 Paで、プラズマ処理時のチャンバ内の圧力が、1Pa〜30Paで、上記ガスが、Ar,He,Ne,Kr,Xe,Rnのいずれかの不活性ガスであることを特徴とするものである。
本発明(請求項)のCuO薄膜を有する積層体は、基板上にCuO薄膜が積層されてなる積層体において、該基板は高分子フィルムであり、該Cu O薄膜は、請求項1ないし7のいずれか1項に記載のCu O薄膜の結晶化方法により結晶化されたものであり、該CuO薄膜のホール移動度が1.0cm/Vsec以上であることを特徴とするものである。
請求項のCuO薄膜を有する積層体は、請求項において、前記高分子フィルムは、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリル、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、トリアセテート(TAC)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン及びセロファンの少なくとも1種よりなることを特徴とするものである。
請求項10のCuO薄膜を有する積層体は、請求項又はにおいて、前記CuO薄膜は、異種金属及び窒素の少なくとも1種がドープされていることを特徴とするものである。
請求項11のCuO薄膜を有する積層体は、請求項10において、前記異種金属は、V、Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Tc,Re,Fe,Co,Ni,Pt,Ag,Au,Zn,Al,Ga,In,Tl,B,C,Si,Ge,Sn,Pb,Bi,Ti,Zr,Hf,Sc,Y及びランタノイドの少なくとも1種であることを特徴とするものである。
本発明のCuO薄膜の結晶化方法にあっては、CuO薄膜にプラズマを照射する。これにより、結晶性の高いCuO薄膜が得られる。
かかるCuO薄膜の結晶化方法において、プラズマ照射時におけるCuO薄膜の温度を70℃以下としても、CuO薄膜を高結晶化させることができる。
かかるCuO薄膜に異種金属及び窒素の少なくとも1種をドープすることにより、CuO薄膜のエネルギーギャップ及びキャリア密度を制御することができる。
該異種金属としては、V、Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Tc,Re,Fe,Co,Ni,Pt,Ag,Au,Zn,Al,Ga,In,Tl,B,C,Si,Ge,Sn,Pb,Bi,Ti,Zr,Hf,Sc,Y及びランタノイドの少なくとも1種が好ましい。
本発明のCuO薄膜の成膜方法には特に制限はなく、スパッタリング法、CVD法、蒸着法などの乾式成膜法であっても、ゾルゲル法、スピンコート法、グラビア塗工、スプレー法などの湿式成膜法であっても良い。
本発明のCuO薄膜を有する積層体にあっては、基板が高分子フィルムであることから、軽量であると共に、基板の材料費が安価なものとなる。また、CuO薄膜のホール移動度が1.0cm/Vsec以上と極めて高いことから、かかるCuO薄膜を太陽光吸収材料として用いる場合、光電交換効率の極めて高いものとなる。
該高分子フィルムの樹脂材料としては、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリル、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、トリアセテート(TAC)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファン等の少なくとも1種が挙げられるが、特に強度面でPET、PC、PMMA、TAC、とりわけPET、TACが好ましい。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は、CuO薄膜を有する積層体をプラズマ処理する方法を説明する斜視図である。
本実施の形態に係るCuO薄膜を有する積層体は、基板上にCuO薄膜が積層されてなるものである。
該基板は高分子フィルムよりなる。該高分子フィルムの樹脂材料としては、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリル、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、トリアセテート(TAC)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファン等が挙げられるが、特に強度面でPET、PC、PMMA、TAC、とりわけPET、TACが好ましい。かかる高分子フィルムは、ガラス等の耐熱材料と比べて軽量かつ安価である。
該基板の厚みは、例えば1nm〜100μm、特に100nm〜1μmである。
CuO薄膜の成膜方法には特に制限はなく、スパッタリング法、CVD法、蒸着法などの乾式成膜法であっても、ゾルゲル法、スピンコート法、グラビア塗工、スプレー法などの湿式成膜法であっても良い。
CuO薄膜には、銅以外の異種金属及び窒素の少なくとも1種がドープされていてもよい。該異種金属としては、V、Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Tc,Re,Fe,Co,Ni,Pt,Ag,Au,Zn,Al,Ga,In,Tl,B,C,Si,Ge,Sn,Pb,Bi,Ti,Zr,Hf,Sc,Y及びランタノイドの少なくとも1種が好適に用いられる。
該異種金属は、銅100atm%に対して例えば0.1〜30atm%特に1.0〜10atm%程度ドープされる。また、窒素は、CuO薄膜中の酸素に対して例えば0.01〜30atm%特に0.1〜10atm%程度ドープされる。
CuO薄膜のホール移動度は1.0cm/Vsec以上、例えば1.0〜80cm/Vsec程度である。かかるCuO薄膜を太陽光吸収材料として用いる場合、光電交換効率の極めて高いものとなる。
該CuO薄膜の厚みは、例えば1nm〜100μm、特に100nm〜1μmである。
かかるCuO薄膜を有する積層体は、基板上にCuO薄膜を上記の方法で積層した後、該CuO薄膜のプラズマ処理を行うことにより得られる。このプラズマ処理の一例を図1を用いて説明する。
円筒形のガラスチャンバ1内に、電極2,3が間隔をあけて向かい合って配置されている。上部電極2は、導線4を介して図示しない高周波電源に接続されている。下部電極3は、導線5を介してアースに接続されている。ガラスチャンバ1の底部付近から支持治具6,7が立設されており、これら支持治具6,7の水平部が電極2,3同士の間に位置している。
該ガラスチャンバ1には、ガスを導入するための導入管8と、ガスを排気するための排気管9が接続されている。導入管8はガス供給源に接続されており、排気管9は排気ポンプに接続されている。
かかる構成の装置を用いてプラズマ処理を行う際には、まず、基板上にCuO薄膜を積層してなる積層体を、支持治具6,7の水平部上に載置する。このとき、該積層体のCuO薄膜側が上部電極2と対面するようにして載置する。
次いで、排気ポンプを作動してガラスチャンバ1内を真空に引く。その後、導入管8を介してガラスチャンバ1内にガスを導入し、排気管9からガスを排気し、ガラスチャンバ1内を所定圧力に維持する。この状態で高周波電源を作動し、積層体10のプラズマ処理を行う。
上記真空時の真空度は、例えば1×10−4〜10−2Pa程度である。また、プラズマ処理時のガラスチャンバ1内の圧力は、1Pa〜30Pa程度例えば10Paである。
上記ガスとしては、Ar,He,Ne,Kr,Xe,Rn等の不活性ガスが好適に用いられる。
高周波電源の印加条件としては、例えば以下の通りである。
電力 :10〜500W
周波数 :10KHz〜100MHz例えば13.56MHz
処理時間:1分〜180分
上記プラズマ照射時におけるCuO薄膜の温度は、100℃以下とすることが好ましい。この場合、PETフィルムなどの高分子基板への適用が可能となる。さらに、100℃以下であれば、100μm以下の薄いフィルムへも適用可能である。
このように、CuO薄膜にプラズマを照射することにより、CuO薄膜が高結晶化し、CuO薄膜のホール移動度が向上する。この理由は、プラズマ中のArイオンなどが基材に入射することによりCuO膜に運動エネルギーを与え、それにより原子の再配列が効率的に生じるためである。
なお、上記のCuO薄膜の結晶化方法は、ガラス等の耐熱性の高い基板に積層されたCuO薄膜にも適用することができる。
図1のプラズマ処理の装置は一例であり、例えば電極はガラスチャンバの外に配置されてもよい。ガラスチャンバの形状は円筒形に限定されるものではなく、例えば中空直方体などであってもよい。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をより詳細に説明する。
<比較例1>
DC反応性スパッタ法によって、基板加熱を行うことなくCuO薄膜を製造した。成膜条件は以下の通りとした。
ターゲット :Cu(5N、75mmφ)
成膜時の圧力 :0.7Pa
成膜時のガス流量:Ar/O=85/15(sccm)
成膜時の電力 :DC150W
成膜時間 :30分
基板 :無アルカリガラス(Corning7059)
得られた薄膜を段差測定器Dektak6Mで測定したところ、膜厚は約500nmであった。また、得られた薄膜をX線回折測定によって解析したところ、CuOの単相膜であることが確認された。なお、XRDパターンのメインピークは36.9°に位置する(111)ピークである。ピーク強度は3800cpsであり、半値幅は0.71°であった。このようにして得られたCuO薄膜を比較例1とする。
<実施例1>
比較例1と同様にして得られたCuO薄膜に対して、図1の装置を用いて以下の通りプラズマ処理を行った。なお、図1の装置の詳細は以下の通りである。
ガラスチャンバの寸法 :直径30cm×長さ45cm
電極の寸法 :10cm×15cm
電極の材質 :ステンレス
電極間距離 :10cm
上部電極−薄膜間距離 :6cm
支持治具の材質 :テフロン
まず、支持治具の水平部に、比較例1と同様にして得られた積層体を配置した。
次に、一旦ガラスチャンバを1×10−1Torr以下にまで排気した。次いで、排気管9に設けられた図示しない排気バルブを絞りつつ、チャンバ内にArガスを導入し、チャンバ内をArガスで1.0Paまで加圧した。この状態で、高周波電源を作動させた。投入する高周波電力は100Wであり、処理時間は5分とした。このようにしてプラズマ処理を行った試料を実施例1とする。なお、この処理による試料の温度上昇をサーモラベルで測定したところ、70℃未満であった。
実施例1と比較例1の両方に対して、van der Pauw法によるホール測定を東陽テクニカ製ホール測定装置ResiTest8300を用いて行い、両薄膜のホール移動度を測定した。その結果、比較例1のホール移動度が0.47cm/Vsecであるのに対して、実施例1では5.92cm/Vsecであり、大幅なホール移動度の向上が見られた。また、比較例1と同様のXRD測定を実施例1に対しても行ったところ、(111)メインピークのピーク強度は4700cpsであり、半値幅は0.62°まで減少していることが確認され、結晶性が向上していることを確認することができた。
<実施例2>
実施例1の積層体に対して、実施例1と同様のプラズマ処理を再度同じ条件で行い、その特性を評価した。その結果、ホール移動度は6.21cm/Vsec、(111)ピークの強度は4900cps、半値幅は0.60°まで向上させることができた。
<比較例2>
DC反応性スパッタ法によって、基板加熱を行うことなくNドープCuO薄膜を製造した。成膜条件は以下の通りとした。
ターゲット :Cu(5N、75mmφ)
成膜時の圧力 :0.7Pa
成膜時のガス流量:Ar/O/N=85/15/15(sccm)
成膜時の電力 :DC150W
成膜時間 :30分
基板 :無アルカリガラス(Corning7059)
得られた薄膜を段差測定器Dektak6Mで測定したところ、膜厚は約450nmであった。また、得られた薄膜をX線回折測定によって解析したところ、比較例1と同様、CuOの単相膜であることが確認された。なお、XRDパターンのメインピークは37.1°に位置する(111)ピークである。ピーク強度は3500cpsであり、半値幅は0.77°であった。
このようにして得られたNドープCuO薄膜を比較例2とする。
<実施例3>
比較例2と同様にして得られたNドープCuO薄膜に対して、プラズマ処理を行った。プラズマ処理方法は、実施例1と同様とした。なお、この処理による試料の温度上昇をサーモラベルで測定したところ、70℃未満であった。このようにして得られた試料を実施例3とする。
実施例3と比較例2の両方に対して、van der Pauw法によるホール測定を東陽テクニカ製ホール測定装置ResiTest8300を用いて行い、両薄膜のホール移動度を測定した。その結果、比較例2のホール移動度が0.23cm/Vsecであるのに対して、実施例3では2.98cm/Vsecであり、大幅なホール移動度の向上が見られた。また、比較例2と同様のXRD測定を実施例3に対しても行ったところ、(111)メインピークのピーク強度は4200cpsであり、半値幅は0.67°まで減少していることが確認され、結晶性が向上していることを確認することができた。
<比較例3>
DC反応性スパッタ法によって、基板加熱を行うことなくVドープCuO薄膜を製造した。成膜条件は以下の通りとし、CuターゲットとVターゲットの同時放電によりVドーピングを行った。
ターゲット1 :Cu(5N、75mmφ)
ターゲット2 :V(3N up、75mmφ)
成膜時の圧力 :0.7Pa
成膜時のガス流量:Ar/O=88/12(sccm)
成膜時の電力 :DC150W(Cu)、DC50W(V)
成膜時間 :30分
基板 :無アルカリガラス(Corning7059)
得られた薄膜を段差測定器Dektak6Mで測定したところ、膜厚は約480nmであった。また、得られた薄膜をX線回折測定によって解析したところ、比較例1と同様、CuOの単相膜であることが確認された。なお、XRDパターンのメインピークは36.6°に位置する(111)ピークである。ピーク強度は3800cpsであり、半値幅は0.75°であった。
このようにして得られたVドープCuO薄膜を比較例3とする。
<実施例4>
比較例3と同様にして得られたVドープCuO薄膜に対して、プラズマ処理を行った。プラズマ処理方法は、実施例1と同様とした。なお、この処理による試料の温度上昇をサーモラベルで測定したところ、70℃未満であった。このようにして得られた試料を実施例4とする。
実施例4と比較例3の両方に対して、van der Pauw法によるホール測定を東陽テクニカ製ホール測定装置ResiTest8300を用いて行い、両薄膜のホール移動度を測定した。その結果、比較例3のホール移動度が0.27cm/Vsecであるのに対して、実施例4では2.25cm/Vsecであり、大幅なホール移動度の向上が見られた。また、比較例3と同様のXRD測定を実施例4に対しても行ったところ、(111)メインピークのピーク強度は4400cpsであり、半値幅は0.69°まで減少していることが確認され、結晶性が向上していることを確認することができた。
CuO薄膜を有する積層体をプラズマ処理する方法を説明する斜視図である。
符号の説明
1 ガラスチャンバ
2,3 電極
4,5 導線
6,7 支持治具
8 導入管
9 排気管
10 積層体

Claims (11)

  1. CuO薄膜にプラズマを照射することを特徴とするCuO薄膜の結晶化方法。
  2. 請求項1において、プラズマ照射時におけるCuO薄膜の温度が70℃以下であることを特徴とするCuO薄膜の結晶化方法。
  3. 請求項1又は2において、前記CuO薄膜は、異種金属及び窒素の少なくとも1種がドープされていることを特徴とするCuO薄膜の結晶化方法。
  4. 請求項3において、前記異種金属は、V、Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Tc,Re,Fe,Co,Ni,Pt,Ag,Au,Zn,Al,Ga,In,Tl,B,C,Si,Ge,Sn,Pb,Bi,Ti,Zr,Hf,Sc,Y及びランタノイドの少なくとも1種であることを特徴とするCuO薄膜の結晶化方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記CuO薄膜はスパッタ法、CVD法、蒸着法、ゾルゲル法、スピンコート法、グラビア塗工及びスプレー法のいずれかによって基板上に形成されたものであることを特徴とするCuO薄膜の結晶化方法。
  6. 請求項5において、前記基板は高分子フィルムであることを特徴とするCuO薄膜の結晶化方法。
  7. 請求項5又は6において、前記基板上にCu O薄膜を形成してなる積層体を入れたチャンバ内を真空に引いた後、該チャンバ内にガスを導入して該チャンバ内を所定圧力に維持した状態で高周波電源を作動させてプラズマ処理を行う方法であって、
    上記真空引き時の真空度が、1×10 −4 〜10 −2 Paで、プラズマ処理時のチャンバ内の圧力が、1Pa〜30Paで、
    上記ガスが、Ar,He,Ne,Kr,Xe,Rnのいずれかの不活性ガスであることを特徴とするCu O薄膜の結晶化方法。
  8. 基板上にCuO薄膜が積層されてなる積層体において、
    該基板は高分子フィルムであり、
    該Cu O薄膜は、請求項1ないし7のいずれか1項に記載のCu O薄膜の結晶化方法により結晶化されたものであり、
    該CuO薄膜のホール移動度が1.0cm/Vsec以上であることを特徴とするCuO薄膜を有する積層体。
  9. 請求項において、前記高分子フィルムは、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリル、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、トリアセテート(TAC)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン及びセロファンの少なくとも1種よりなることを特徴とするCuO薄膜を有する積層体。
  10. 請求項又はにおいて、前記CuO薄膜は、異種金属及び窒素の少なくとも1種がドープされていることを特徴とするCuO薄膜を有する積層体。
  11. 請求項10において、前記異種金属は、V、Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Tc,Re,Fe,Co,Ni,Pt,Ag,Au,Zn,Al,Ga,In,Tl,B,C,Si,Ge,Sn,Pb,Bi,Ti,Zr,Hf,Sc,Y及びランタノイドの少なくとも1種であることを特徴とするCuO薄膜を有する積層体。
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