JP4966501B2 - 走査型プローブメモリ装置 - Google Patents

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本発明は走査型プローブメモリ装置に係り、特に記録媒体の摩耗がないために信頼性が高く、かつ高記録密度化が可能な走査型プローブメモリ装置に関する。
ハードディスク装置(Hard Disk Drive、略してHDDと呼ぶ)はコンピュータや情報家電製品、車載情報システムのメインメモリとして現在の情報化社会を支えるキーデバイスの一つとなっている。一方、携帯電話など携帯情報端末装置の発展と共に、これらの装置に搭載可能なより小型で大量の情報記録が可能なデータ記録装置、すなわち小型で記録媒体の単位面積当たりの記録情報量(面記録密度)のより高いデータ記録装置に対する要求が強くなっている。
走査型プローブメモリは、走査型プローブ顕微鏡の原理を応用して先鋭なプローブ(以下、探針と呼ぶ)先端で固体表面(記録材料)の局所領域を物理・化学的に改変し、これを記録ビットとして用いるメモリである。先端半径がナノメートルオーダの探針を使用すると現在のHDDを遥かに超える密度記録を達成できる。記録材料として種々の有機及び無機材料を用いることが提案されている。例えば、特許文献1に記載の走査型プローブメモリでは、有機化合物の単分子膜またはその累積膜が使用される。また、非特許文献1に記載の走査型プローブメモリでは、高分子材料(ポリメチルメタクリレイト)が使用される。
特開平05−28549号公報 B. Durig et al., Tribology Letters, 9, 25 (2000)
しかしながら、先鋭な探針でこれらの記録材料表面を長時間にわたって接触摺動した場合、記録材料表面に摩耗や損傷が生じ、記録再生が不可能になる場合がある。記録媒体の摩耗防止は現在のHDDでも重要な課題であるが、記録再生ヘッドとして先端半径が小さな探針を使用する走査型プローブメモリではより大きな課題となる。探針と記録材料の直接接触を避けるため、特許文献1に記載のように走査型トンネル顕微鏡(STM)の原理を応用し、探針と記録材料との間に流れるトンネル電流を検出する方式があるが、トンネル電流の制御機構が必要となりメモリの構造が複雑になる。
一方、HDDでは記録材料(磁性膜)の摩耗や損傷を防止するため、その表面に耐摩耗性を有する高硬度のダイヤモンド状カーボン(DLC)膜が付与されている。しかしながら、DLC膜の厚みに相当する分だけ記録再生ヘッドと記録材料の間の隙間(スペーシング)が増えて漏れ磁場が大きくなり、面記録密度の増加が妨げられる。
本研究の目的は、構造が簡単で、記録材料表面の摩耗がなく高記録密度化が可能な走査型プローブメモリ装置を提供することにある。
本発明では、上記目的を達成するため、走査型プローブメモリ装置において、記録材料としてspネットワーク構造を有するカーボン膜を使用し、このカーボン膜に接触可能で、少なくともカーボン膜に接触する部分を導電性ダイヤモンドまたはspネットワーク構造を有するカーボン材料で構成した導電性探針と、カーボン膜と導電性探針との間に書き込み電圧を印加する手段と、カーボン膜と導電性探針との間に読み出し電圧を印加し、導電性探針を流れる電流を検出する手段と、導電性探針を記録媒体の表面に沿って走査させる手段とを設けた。
spネットワーク構造を有し高硬度のカーボン膜を記録材料とすることにより記録材料表面の摩耗を防止することができ、従って記録材料の表面に新たな摩耗防止用の保護膜が不要であるため記録再生ヘッド(探針)と記録材料の近接化が可能であり、高記録密度を達成することができる。さらに、高電気伝導性のspネットワーク構造を有するカーボン膜を記録材料として使用し、このカーボン膜に接触する部分を導電性ダイヤモンドまたはspネットワーク構造を有するカーボン材料で構成した導電性探針を使用することにより、探針先端の摩耗が無い導電性変化を利用した接触記録による走査型プローブメモリ装置を実現できる。これにより、記録再生ヘッド及び信号処理回路の構成が単純になる。
以下、本発明の一実施形態を図1により説明する。
図1において、1は導電性基板で例えば高濃度不純物を含有する高電気伝導性シリコン基板を使用する。導電性基板1の表面は記録材料として電子サイクロトロン共鳴(ECR)スパッタ法により堆積されたECRスパッタカーボン膜2を形成する。その膜厚は例えば20〜30nmとする。導電性基板1とECRスパッタカーボン膜2を合わせた部分が記録媒体3となる。
ECRスパッタカーボン膜2は、バルクダイヤモンドに近い耐摩耗性を有すると同時に他の成膜法により形成されたカーボン膜に比べて高い電気伝導性(電気伝導度は20〜140(Wcm)-1で、ダイヤモンドの約1019倍)を併せ持つ。一般に、カーボン膜の硬度や耐摩耗性は膜中に含まれるsp構造を持つ炭素原子の割合で決まり、電気伝導度はsp構造を持つ炭素原子の割合とその集合状態により決まる。文献(S. Hirono, S. Umemura, M. Tomita, and R. Kaneko, Appl. Phys. Lett. 80, 425 (2002))に記載されているように、ECRスパッタカーボン膜はsp結合を主体とし、導電性のグラファイトc面を構成するグラーフェンから成るカーボンナノチューブ状のナノグラファイトが膜面に垂直な方向に配向している。また、微細なナノグラファイトは高硬度のダイヤモンドを構成するsp結合によって互いに結合されている。このようなECRスパッタカーボン膜のspネットワーク構造により、同膜は高硬度と高電気伝導性を併せ持つと考えられている。
ECRスパッタカーボン膜の膜質はECRスパッタ中のイオン加速電圧に大きく依存する(廣野滋ほか、日本応用磁気学会誌、第26巻、第6号、pp.823〜828(2002年))。イオン加速電圧が50〜100Vの領域で硬度が最も高く、記録材料の耐摩耗性を向上させるためこの領域の加速電圧で成膜したECRスパッタカーボン膜を記録材料として用いるのが最適である。
4は導電性ダイヤモンド探針、5は高濃度不純物を含むシリコンで形成された導電性カンチレバー(片持ち梁)で、探針先端とカンチレバーの間は電気的な導通を有する。導電性ダイヤモンド探針4は、先端の鋭いピラミッド(角錐)状のシリコン探針の表面をホウ素などの不純物イオンを含有するダイヤモンド薄膜で被覆した構造となっており、その表面は導電性を有する。6は導電性カンチレバー5の表面に接着された圧電素子で、圧電素子駆動回路6からの電圧印加により、導電性カンチレバー5の張り出し方向(図の横方向)に伸縮する。この伸縮によるバイメタル効果により、導電性カンチレバー5は図の上下方向にたわみを生じ、導電性ダイヤモンド探針4はECRスパッタカーボン膜2と接触したり離れたりする。
また、圧電素子6に印加する電圧により、ECRスパッタカーボン膜2に対する導電性ダイヤモンド探針4の接触圧を制御できる。8は圧電アクチュエータで、圧電アクチュエータ駆動回路9からの電圧信号に応じて図の横方向に変位し、記録媒体3をその主面に平行な方向に移動させることができる。これにより、導電性ダイヤモンド探針4とECRスパッタカーボン膜2との相対的な移動、すなわち探針の走査を行う。高精度な圧電アクチュエータを使用することにより、導電性ダイヤモンド探針4とECRスパッタカーボン膜2との間で記録媒体表面に平行な方向にナノメートルオーダの位置決めが可能となる。
ECRスパッタカーボン膜2に情報を記録する際には、導電性ダイヤモンド探針4を記録材料すなわちECRスパッタカーボン膜2に接触させる。すなわち、制御回路13からの制御信号により圧電素子駆動回路7は圧電素子6にこれを伸長させるような電圧信号を印加する。圧電素子6が伸びると導電性カンチレバー5は図の下方にたわみ、導電性ダイヤモンド探針4はECRスパッタカーボン膜2の表面に接触する。
記録媒体3に記録すべきディジタル情報(入力情報)はまず入力回路10に入力される。入力回路10は入力情報及び制御回路13からの制御信号に応じてパルス発生回路11がパルス電圧を出力するためのタイミング信号を出力する。パルス発生回路11は入力回路10からのタイミング信号に応じてパルス電圧を出力する。切り替え回路13は情報の記録時と再生時でその接続状態を変化させる。記録時にはパルス発生回路11と導電性カンチレバー5とが接続され、パルス電圧は導電性カンチレバー5を介して導電性ダイヤモンド探針4に加えられる。その結果、ECRスパッタカーボン膜2と導電性ダイヤモンド探針4の間に情報の書き込み電圧が印加される。ECRスパッタカーボン膜2の表面に一連の情報を記録するため、圧電アクチュエータ8の作用により記録媒体3を図の横方向に移動させながら、すなわちECRスパッタカーボン膜2の表面で導電性ダイヤモンド探針3を走査させながらパルス発生回路11が出力するパルス電圧の列を導電性ダイヤモンド探針4に印加する。
導電性ダイヤモンド探針4をECRスパッタカーボン膜2に接触させ、両者の間に電圧を印加して電流を流すと、電流エネルギーによりECRスパッタカーボン膜2の導電性ダイヤモンド探針との接触部分の微視的構造が変化し電気抵抗が減少する。図2は、原子間力顕微鏡(AFM)を用い導電性探針をECRスパッタカーボン膜に接触させながら両者の間に2Vの直流電圧を印加しながら中央の矩形領域を走査した後の同領域を含む領域の電流分布画像(カーボン膜と探針との間に微小な直流電圧を印加しながら探針を膜表面で走査した時、探針を流れる電流の分布。明るい領域の方が流れる電流が大きい、すなわち電気抵抗が小さい。)を示す。
この時、ECRスパッタカーボン膜−探針間の印加電圧と電圧印加により電気抵抗が変化した領域の電気抵抗変化率(電圧印加による抵抗変化量/電圧印加前の抵抗。電気抵抗が減少するため、電気抵抗変化率は負の値をとる。)の一例を図3に示す。電気抵抗変化率は印加電圧の極性には依存せず、印加電圧の大きさが約2Vまでは電圧の大きさと共に減少し、それ以上ではほぼ一定となる。抵抗変化の大きさが印加電圧の極性に依存しないことから、抵抗変化は電圧の極性に依存する電気化学反応によるものではなく、印加電圧あるいは流れる電流の大きさの2乗に比例するジュール熱による熱反応、具体的には局所的な加熱領域のグラファイト化、すなわちspサイトが集まってクラスターを形成するクラスタリングやspサイトからspサイトへの転移に起因するものと考えられる。印加電圧が約2V以上で電気抵抗変化率がほぼ一定になるのは、この電圧領域でECRスパッタカーボン膜の熱的な微視的構造変化すなわちグラファイト化がほぼ飽和するためと考えられる。
ECRスパッタカーボン膜−探針間に直流電圧の代わりに連続したパルス電圧を印加しながら探針を走査すると、ECRスパッタカーボン膜表面に局所的に電気抵抗が減少した領域の列が形成できる。抵抗減少領域をディジタル情報の1(情報単位)、そうでない領域を0、あるいはその逆とすることにより一連のディジタル情報の記録が可能となる。ECRスパッタカーボン膜表面に形成した情報単位列の一例を図4に示す。ECRスパッタカーボン膜表面の単位面積当りに記録できる情報量すなわち面記録密度は、抵抗減少領域の大きさを小さくし、同領域をより高密度に配置することにより達成できる。また、図2に示すように印加電圧が約2Vまで、電気抵抗変化率が印加電圧に依存して連続的に変化することから、印加電圧の大きさを調整して1つの抵抗変化領域に電気抵抗変化率に対応した多値の情報を記録することも可能である。
ECRスパッタカーボン膜表面に記録した情報の再生は、ECRスパッタカーボン膜2と導電性ダイヤモンド探針4とを接触させ、両者の間に一定電圧を印加しながら探針を膜表面で走査し、探針を流れる電流を検出することにより行う。図1において14は直流電源であり、再生時には切り替え回路12は直流電源14と導電性カンチレバー5とを接続する。ECRスパッタカーボン膜2と導電性ダイヤモンド探針4との間に流れる電流は電流検出回路15により検出される。アクチュエータ8により記録媒体3をその主面に平行な方向に移動させることにより、導電性ダイヤモンド探針4はECRスパッタカーボン膜2上を走査され、連続した情報単位の列を読むことができる。電流検出回路15によって検出された電流信号は出力回路16により所定の形式のディジタル信号(出力情報)に変換され、出力される。
他の成膜方法で形成されたカーボン膜、例えばRF(高周波)スパッタ法で形成されたカーボン膜では、探針に対しカーボン膜に約7V以上の正電圧を印加すると大気中の水蒸気が関与する電気化学反応(電界により誘起された酸化)が起き、カーボン膜表面の電界印加部分の炭素原子が散逸して微小な溝や穴が形成されることが知られている(T. M・l et al., J. Appl. Phys. 82, 5255 (1997))。一方、RFスパッタカーボン膜には負電圧または7V以下の正電圧を印加した際に膜表面で起きる変化や反応については特に報告はない。これは、RFスパッタカーボン膜はECRスパッタカーボン膜に比べて電気伝導度が格段に小さい(約1(Wcm)-1)ため、探針との間に電圧を印加した際に流れる電流が小さく、探針とカーボン膜との接触部で発生するジュール熱が小さいため膜表面に変化を生じないか変化が軽微でその存在が確認されていないことによると考えられる。一方、ECRスパッタカーボン膜は電気伝導度が大きいため、図2に示すように比較的低い印加電圧で膜表面で電気抵抗の減少を生じるような微視的構造変化が起きるものと考えられる。
本実施形態によれば、高硬度のECRスパッタカーボン膜を記録材料として使用するため、探針との接触記録・再生時における記録材料表面の摩耗がほとんど無く、磁気記録の場合のように記録膜(磁性膜)表面に新たな耐摩耗性及び腐食防止用の保護膜を付与する必要がない。このため、記録再生ヘッド(探針)と記録材料の近接化(スペーシングの低減)が可能で、高記録密度化が可能となる。また、高電気伝導のECRスパッタカーボン膜を記録材料として使用するため、カーボン膜の電気化学反応が起きる電圧よりも低い電圧で、すなわち電気化学反応を防止しながら膜表面の局所的な電気抵抗変化による記録が可能となる。記録媒体表面の電気抵抗あるいは電気導電性を変化させることにより情報記録を行うため、記録再生ヘッドすなわち探針には電気導電性を持たせるだけでよく、磁気記録の場合と比べ記録再生ヘッドの構造が格段に単純になる。さらに、ECRスパッタカーボン膜は化学的安定性にも優れ、高信頼性のメモリ装置が可能となる。加えて、記録再生ヘッドとして導電性ダイヤモンド探針を使用するため、記録再生時における探針の耐摩耗性及び化学的安定性に優れたメモリ装置の実現が可能となる。
さらに、記録媒体3の基板材料としてシリコンを使用すると、走査型プローブメモリ装置全体の温度が変化した場合、基板材料と同じくシリコンから構成される導電性カンチレバー5の熱膨張率が等しいため、記録媒体3の表面と導電性ダイヤモンド探針4との間に位置ずれが生じない。これにより、ECRスパッタカーボン膜表面の特定の位置に微小な情報単位を形成して記録を行ったり、特定の位置に形成された微小な情報単位を再生する際に誤り(書き込み・読み出しエラー)が発生しない。
ECRスパッタカーボン膜同様spネットワーク構造を有するカーボン膜はECRスパッタ法以外の成膜方法、例えば真空雰囲気でのレーザーアーク法によっても形成可能(I. Alexandrou et al., Phys. Rev. B, 60, 10903(1999))であり、同方法によって形成されたカーボン膜を記録材料として用いても良い。
記録媒体の基板材料として、高電気伝導性シリコン基板の代わりに半導体あるいは絶縁体基板表面にECRスパッタカーボン膜に電流を流す際の一方の電極となる金属薄膜を形成した基板を用いても良い。これにより、基板材料選択の幅が広くなる。
ECRスパッタカーボン膜への情報の記録密度を向上させるには、膜表面にできるだけ微小な情報ビットを形成する必要がある。本発明の走査型プローブメモリでは、記録箇所と周囲の領域との電気抵抗の差違を利用して情報の記録、再生を行うため、情報の記録密度を向上させるにはECRスパッタカーボン膜が成膜時より有する導電性分布すなわち膜表面の場所による電気抵抗のばらつきを無くし、導電性を均一にする必要がある。あるいは電気抵抗の場所によるばらつきのサイズを記録ビットの大きさよりも十分小さくする必要がある。なぜなら、電気抵抗を変化させて形成した記録ビットを読み取る際には、周囲の領域が成膜時より有する電気抵抗の分布とは区別される必要があるからである。
ECRスパッタカーボン膜を形成する基板材料として特定の結晶構造を持たない非晶質材料あるいは少なくとも基板表面が非晶質材料で被覆された基板を使用することにより、ECRスパッタカーボン膜の導電性分布をより均一にすることができる。例えば、シリコン基板の表面に熱酸化膜や窒化シリコン膜を形成した基板を使用する。その際、導電性ダイヤモンド探針とECRスパッタカーボン膜との間に電流を流すため、ECRスパッタカーボン膜の一部に導線を接続し、この導線を接地する必要がある。
上記の実施形態では、表面を不純物イオンを含有するダイヤモンド薄膜で被覆した探針を使用したが、探針で耐摩耗性が必要とされる部分はその先端部、より一般的には記録再生ヘッドにおいて記録材料に接触する部分のみで良いから、少なくとも探針先端または記録再生ヘッドの記録材料に接触する部分を導電性ダイヤモンドで構成すれば良い。また、導電性ダイヤモンドの代わりに高硬度または機械的強度が大きくかつ高電気伝導性のspネットワーク構造を有するカーボン材料、例えばECRスパッタカーボン膜やカーボンナノチューブでこの部分を構成しても良い。また、先端が先鋭になるよう加工を施した単結晶ダイヤモンドからなる探針にホウ素などのイオンを打ち込み表面に導電性を持たせたものを使用しても良い。これら高い電気伝導性を有しかつ高硬度または機械的強度に優れた材料から構成される先端部を有する探針または記録材料との接触部を有する記録再生ヘッドを使用することにより、記録再生時における探針先端または記録再生ヘッドの記録材料との接触部の摩耗や損傷を防止できる。
記録媒体3表面で探針を走査するためのアクチュエータとしては、上記の実施形態で使用した圧電アクチュエータ以外に、磁気力を用いた磁気アクチュエータあるいは静電気力を用いた静電アクチュエータを使用しても良い。また、アクチュエータの形態としては、リニアアクチュエータまたは回転アクチュエータの何れを使用しても良い。
上記の実施形態では、記録再生ヘッドとして単一の導電性ダイヤモンド探針を使用したが、多数の探針を1次元アレイまたは2次元アレイ状に配置し、並列的に記録再生を行うことにより、記録再生の速度が探針の数に比例して増加し、高速で書き込み・読み出し可能な走査型プローブメモリ装置を実現することができる。
本発明の一実施形態を示す走査型プローブメモリ装置の構成図 ECRスパッタカーボン膜中央の矩形領域に記録電圧(カーボン膜―導電性探針間電圧)を印加した後のカーボン膜表面の導電性分布画像 ECRスパッタカーボン膜への記録電圧(カーボン膜―導電性探針間電圧)と記録部分の電気抵抗変化率との関係を示すグラフ ECRスパッタカーボン膜表面に形成した情報単位列を表す導電性分布画像
符号の説明
1 導電性基板
2 ECRスパッタカーボン膜
3 記録媒体
4 導電性ダイヤモンド探針
5 導電性カンチレバー
6 圧電素子
7 圧電素子駆動回路
8 圧電アクチュエータ
9 圧電アクチュエータ駆動回路
10 入力回路
11 パルス発生回路
12 切り替え回路
13 制御回路
14 直流電源
15 電流検出回路
16 出力回路

Claims (1)

  1. 基板上に、sp2結合されたグラーフェンが互いにsp3結合されて前記基板に対して垂直方向に配向されたナノグラファイト構造を有し、電子サイクロトロン共鳴(ECR)スパッタ法により成膜されたカーボン材料の膜の形成された記録媒体と、
    前記カーボン材料の膜に接触可能であり、少なくとも前記カーボン材料の膜との接触部が導電性ダイヤモンドまたは前記カーボン材料で構成された導電性探針と、
    前記カーボン材料の膜と前記導電性探針との間に第1の電圧を印加する手段と、
    前記カーボン材料の膜と前記導電性探針との間に第2の電圧を印加し、前記導電性探針を流れる電流を検出する手段と、
    前記導電性探針を前記記録媒体の表面に沿って走査させる手段とを有することを特徴とする走査型プローブメモリ装置。
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