JP4965777B2 - 弾性複合シート及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、使い捨ておむつ等の使い捨て着用物品に使用するのに好適な弾性複合シート及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平4−227260号公報には、使い捨て体液処理用品のバックシートに使用する不透液性防漏シートとして弾性的に伸長するフィルムと弾性的に伸長する不織布とを接合したものが開示されている。体液処理用品の一例はパンツ型のおむつであって、このおむつのトップシートには、例えば透液性で弾性的に伸長する不織布が使用され、トップシートとバックシートとの間には吸液性コアが介在する。このように形成されたおむつは、例えば胴周り方向へ弾性的に伸長可能なもので、着用したときに胴周りによくフィットする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来例のように弾性的に伸長するバックシートとトップシートとが使用されて、胴周り方向への弾性的な伸長性を有するおむつでは、胴周りに対してゆるくフィットするように伸長応力の低い、即ち伸び易いバックシートとトップシートとが使用されると、おむつの股下域も同様に伸び易くなり、コアが体液を吸収して重くなったときに、垂れ下がり易いということがある。おむつがそのような状態になれば、股下域が着用者の脚周りから離れて体液が漏れ易くなるとか、着用者の歩行の妨げになるとかということがある。
【0004】
この発明は、このような従来例の問題を解消することができる弾性複合シートと、その製造方法の提供を課題にしている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題解決のためのこの発明は、弾性複合シートに係る第1,第2発明と、そのシートの製造方法に係る第3発明とからなる。
【0006】
前記第1,第2発明が対象とするのは、互いに直交する二方向のうちの少なくとも一方向へ弾性的に伸長可能な第1シートの少なくとも片面に前記一方向へ非弾性的に伸長可能な第2シートが前記一方向へ間欠的に接合している弾性複合シートである。
【0007】
かかる弾性複合シートにおいて、前記第1発明が特徴とするところは、以下のとおりである。前記第2シートは、一様な坪量を有するものであって、連続繊維から形成されたものである。前記第1シートでは、前記一方向へ所要倍率だけ弾性的に伸長した部位と、前記所要倍率ほどには伸長していない部位とが前記一方向と直交する方向へ並び、前記所要倍率だけ弾性的に伸長した部位に接合している前記第2シートでは前記連続繊維が非弾性的に伸長して永久変形した状態にある。前記所要倍率だけ弾性的に伸長した部位が弾性的な復元力によって収縮した状態にある前記弾性複合シートでは、前記一方向と直交する方向において、前記所要倍率だけ弾性的に伸長した部位に接合している前記第2シートの見かけの密度が前記所要倍率ほどには伸長していない部位に接合している前記第2シートの見かけの密度よりも低くなっている。
かかる弾性複合シートにおいて、前記第2発明が特徴とするところは、以下のとおりである。前記第2シートが、一様な坪量を有するものであって、連続繊維によって形成されている。前記一方向と直交する方向において見かけの密度の高い部位と見かけの密度の低い部位とが並ぶとともに、前記見かけの密度の低い部位における前記連続繊維の径は、前記見かけの密度の高い部位における前記連続繊維の径よりも細くなっている。
【0008】
また、前記第3発明が対象とするのは、互いに直交する二方向のうちの少なくとも一方向へ弾性的に伸長可能な第1シートの少なくとも片面に、前記一方向へ非弾性的に伸長可能な第2シートが前記一方向へ間欠的に接合してなる複合シートを前記一方向へ伸長し、しかる後に前記第1シートの弾性復元力によって収縮させて弾性複合シートを製造する方法である。
【0009】
かかる製造方法において、前記第3発明が特徴とするのは、次のとおりである。前記複合シートは、前記一方向と直交する方向へ延びる両側縁部を有し、その両側縁部を把持して前記第1シートの弾性限界内であって破断伸度以下かつ前記第2シートの破断伸度以下で前記一方向へ伸長・収縮させて前記弾性複合シートとする。前記両側縁部は少なくとも一方が前記直交する方向において把持部と把持部との間に非把持部が存在するように把持する。
【0010】
前記第1発明には、次のような好ましい実施態様がある。
(1)前記弾性複合シートの前記一方向への弾性的伸長応力が、前記見かけの密度の高い部位では高く、前記見かけの密度の低い部位では低くなるように前記一方向と直交する方向の各部位において変化している。
(2)前記弾性複合シートは、前記一方向と直交する方向において、前記一方向への伸長応力が伸長率の増加とともに徐々に大きくなった後に急激に大きくなるように変化する部位と、伸長率の増加とともに急激に大きくなるように変化する部位とを有している。
前記第1,第2発明には、次のような実施態様がある。
すなわち、使い捨ておむつが肌当接面と着衣当接面とを有し、これら両面のいずれかが前記弾性複合シートによって形成され、前記弾性複合シートの前記一方向が前記おむつの幅方向に一致させてある。
【0011】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照し、この発明に係る弾性複合シートと、その製造方法の詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0012】
図1、2は、弾性複合シート11がバックシート3として使用されているパンツ型使い捨ておむつ1の斜視図と、おむつ1の分解斜視図である。おむつ1は、図2において砂時計型を呈しているトップシート2と、バックシート3と、これら両シート2,3間に介在する吸液性コア4とを有する。両シート2,3は、同形同大で、コア4の周縁から延出する部分で重なり合って互いに接合し、おむつ1の前胴周り域6と、後胴周り域7と、股下域8とを形成している。前後胴周り域6,7は、トップシート2を内側にして重なり合い、互いの側縁部17,18どうしが上下方向へ間欠的に形成された溶着部位9で接合している。おむつ1は、胴周り開口12と、一対の脚周り開口13とを有し、それぞれの開口12,13の縁部では、胴周り弾性部材14と脚周り弾性部材16とが開口12,13の周り方向へ延びている。これら弾性部材14,16は、トップシート2とバックシート3との間にあって、これらシート2,3の少なくとも一方に伸長状態で接合している。
【0013】
かように形成されているおむつ1において、トップシート2とバックシート3とは、おむつ1の幅方向へ弾性的に伸長可能なものである。バックシート3は、前後胴周り域6,7が股下域8に比べて幅方向へ伸長容易に形成され、トップシート2は、その全体がバックシート3の前後胴周り域6,7よりも伸長容易であるかまたは同程度に伸長容易に形成されている。このおむつ1では、これを着用すると、前後胴周り域6,7において、トップシート2とバックシート3とが胴周り方向へ、つまりおむつ1の幅方向へ弾性的に容易に伸長して着用者の胴周りにフィットする。一方、股下域8においては、トップシート2とバックシート3とが殆ど伸長しないか、伸長するにしても前後胴周り域6,7ほどではなく、容易には伸びることがない。そうしたおむつ1では、コア4が体液を吸収して重くなっても、股下域8は簡単に垂れ下がることがない。
【0014】
トップシート2は、透液性のものであって、弾性的な伸長性を有する不織布や開孔プラスチックフィルムによって得ることができる。その場合の不織布には、ウレタン等からなる弾性繊維や捲縮した繊維、捲縮した複合繊維を使うことができ、フィルムには、プラスチックエラストマー等からなるものを使うことができる。
【0015】
バックシート3は、不透液性のもので、図2においておむつ1の前後方向へ延びる直状の側縁部17,18と、脚周り開口13を形成するための湾曲した縁部26と、幅方向へ延びる前後端縁部19a,19bとを有し、おむつ1の内側に位置する第1シート21と外側に位置する第2シート22とを積層し、多数の溶着部位23で接合してなる弾性複合シート11(図2参照)で形成されている。第1シート21は、おむつ1の幅方向への弾性的な伸長性を有するもので、不織布やプラスチックフィルムで形成される。図では、バックシート3を不透液性のものにするために、不透液性フィルムが使用されている。第2シート22は、連続繊維24の集合体であって、第1シート21がおむつ1の幅方向へ弾性的に伸長すると、それに付随しておむつ1の幅方向へ非弾性的に伸長する。また、第1シート21が弾性的に収縮するときには、その収縮に付随して第2シート22も収縮する。第2シート22の収縮では、連続繊維24が溶着部位23と23との間でたわんだ状態になる。
【0016】
図3(a)は、図1,2のバックシート3を形成している弾性複合シート11を得るために使用される素材シート30の斜視図であり、(b)はその素材シート30から得られた弾性複合シート11即ちバックシート3の斜視図である。(b)は、図1のバックシート3の拡大図でもある。素材シート30は、バックシート3の第1シート21と第2シート22と溶着部位23とに対応する第1層31と第2層32とこれら両層31,32を接合する溶着部位33とからなり、バックシート3の側縁部17,18と前後端縁部19a,19bとに対応する側縁部47,48と前後端縁部49a,49bと、脚周り縁部26に対応する湾曲した縁部46とを有する。第1層31は、おむつ1の幅方向に対応する双頭矢印A方向へ100%以上、より好ましくは200%以上、さらに好ましくは400%以上弾性的に伸長可能な厚さ5〜100μmのフィルム35によって形成されている。第2層32は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、これら高分子の2種類以上の混合物等からなる繊維径0.1〜50μmの連続繊維34からなり、坪量2〜100g/m2の繊維集合体で形成されている。ただし、図では連続繊維34のうちの一部のもののみが示されている。連続繊維34の破断伸度は、200%以上であることが好ましい。フィルム35と連続繊維34とが接合する部位33は、個々の面積が0.03〜10mm2であり、全体がフィルム35の面積に対して占める割合は1〜50%の範囲にあることが好ましい。かかる素材シート30は、これを双頭矢印A方向へ伸長した後、フィルム35の弾性的な復元力で収縮させることによって、図3(b)のバックシート3として使用できる弾性複合シート11になる。
【0017】
図4は、図3の素材シート30を伸長して弾性複合シート11とするために使用される伸長機50の側面図である。伸長機50は、上下一対のチャック51,52と、チャック51から上方へ延びる上部シリンダ53と、チャック52から下方ヘ延びる下部シリンダ54とを有する。上部シリンダ53および/または下部シリンダ54は、双頭矢印B方向へ上下動可能であり、チャック51,52は、素材シート30の両側縁部47,48を把持することができる。ただし、湾曲した縁部46を把持することはない。図示例では、下部シリンダ54を静止させておいて上部シリンダ53のみを上昇させて、素材シート30をその幅方向である図の上方へ所要倍率だけ伸長し、次いで元の位置にまで下降させてチャック51,52の把持を解く。収縮した素材シート30は、チャック51,52で把持されていた部位を切り落とすと、図3(b)の弾性複合シート11(バックシート3)となる。
【0018】
図4において、伸長機50による素材シート30の伸長量は、フィルム35の弾性限界内であって破断伸度以下であり、かつ連続繊維34の破断伸度以下の範囲にある。連続繊維34は、それがフィルム35に接合している溶着部位33と33との間において、双頭矢印B方向へ向きを変え、径を細くしながら非弾性的に伸長し、その伸長は連続繊維34の永久変形となって残る。伸長機50のシリンダ53を下降させるときには、素材シート30がフィルム35の弾性的な復元力によってほぼ図4の実線の状態にまでに収縮する。このような伸長・収縮過程において、素材シート30では、上下のチャック51,52で把持されていた側縁部47間の部位37と側縁部48間の部位38とが上方シリンダ53の上昇量に等しい量だけ伸長するが、チャック51,52で直接的には把持されていなかった湾曲した側縁部46間の部位39は、上部シリンダ53が上昇したときに生じる素材シート30に対しての張力が及び難く、殆ど伸長しないか、または部位37,38に比べて僅かしか伸長しない。その結果として、連続繊維34は部位37,38において長く延び、素材シート30が収縮すると、第2層32はこれらの部位37,38の見掛けの嵩が増す。しかし、もう一方の部位39の連続繊維34は長く延びることがなく、素材シート30が収縮したときに、第2層32は部位39の見かけの嵩が伸長前と同じであるか、または伸長前に比べて殆ど高くなることがない。伸長前の第2層32では、連続繊維34が一様に分布していて坪量にむらがなく、伸長後の第2繊維層32では、部位37,38で見かけの密度が低くなり、部位39では見かけの密度が殆ど変らないという状態になる。これらの部位37,38は、弾性複合シート11(バックシート3)の前後胴周り域6,7となり、部位39は股下域8となる。図3(b)で明らかなように、第2層32の嵩が相対的に変化した前後の胴周り域6,7と股下域8との間では、連続繊維34による濃淡の差が生じる。
【0019】
この発明において、図示例のおむつ1は、これをトレーニングパンツとして使用することが可能であり、その場合には、バックシート3として使用した弾性複合シート11を不透液性のものから透液性のものに代えることができる。そのようにして得られるトレーニングパンツは、コア4の吸収能力にもよるが、トレーニング中の着用者が尿を漏らすと、尿の一部がパンツの外へ滲出して着用者に不快感を与え、トレーニング効果を高めるということがある。また、図示例のおむつ1は、公知ないし周知の尿とりパッドを身体に密着させるためのパッドホルダーとして使用することもできる。この場合の尿とりパッドが防漏構造のものであれば、おむつ1ではコア4を除いたり、バックシート3を透液性のものにしたりすることができる。コア4を除く場合には、トップシート2を併せて除くこともできる。これらトレニングパンツやパッドホルダーとしてパンツ型おむつ1が使用され、弾性複合シート11として透液性のものの使用が許される場合には、図2に例示のフィルム35からなる第1シート21に代えて、そのフィルム35と同程度に弾性的に伸長可能な繊維集合体からなる第1シート21を使用することができる。この繊維集合体には、スチレン系エラストマーやウレタン等の弾性高分子からなる長繊維または連続繊維を使用して得られるスパンボンド不織布やメルトブローン不織布がある。繊維集合体の坪量は、15〜250g/m2であることが好ましい。
【0020】
この発明では、図示例の他に、図3(a)の素材シート30は、第1層31の下面側に連続繊維34からなる伸長性の第3層を設け、その素材シートから3層構造のバックシート3を得ることも可能である。この第3層と第2層32との間では、連続繊維の性状や坪量を変えることができる。
【0021】
図5は、図3(a)の素材シート30の第1層31に弾性的に伸長可能な繊維集合体を使用し、さらに第1層31の下面側に第2層32と同じ構成の第3層を設けた素材シート30を図4の伸長機50で伸長して得られた弾性複合シート11(バックシート3)の応力/歪曲線である。素材シート30と、これを伸長したときの条件は、以下のとおりである。
1.素材シートの構成
1)第1層 スチレン系エラストマーからなる繊維径15μmを有する繊維
の不織布
2)第2層 ポリプロピレンからなる繊維径12μmの連続繊維集合体
3)第3層 第2層に同じ
4)坪量 第1層:第2層:第3層=45:15:15(g/m2)
5)各層の接合 106℃で溶着、溶着面積率11%
6)破断伸度 300%
7)試片形状 幅(図4の縦方向)150×長さ(図4の横方向)250mm
湾曲部 R=30mm
2.引張条件
1)チャック間距離 130mm、引張速度130mm/min
2)引張速度 130mm/min
3)伸長率 100%
3.引張試験結果
素材シート30を伸長・収縮させて得られた弾性複合シート11について、図4に示した部位L,M,Nにおいて幅25mm、長さ50mmの試片を採取し、この試片をチャック間距離30mm、引張速度30mm/minで引張試験した結果は、図5のとおりであった。
【0022】
図5が示しているように、弾性複合シート11は、チャック51と52とに直接的に把持されていた部位L,Mをシート11の幅方向へ引っ張ると、伸長応力は徐々に大きくなった後に急激に大きくなるように変化する。チャック51と52とに直接的には把持されていなかった部位Nでは、シート11を幅方向へ引張ると伸長応力が急激に大きくなる。つまり、弾性複合シート11は、伸長の初期段階において部位L,Mが伸び易く、部位Nが伸び難い。これらの部位L,Mは、図3(a)においては部位37,38に対応し、Nは部位39に対応する。また、バックシート3についていえば、部位L,Mは前後胴周り域6,7に対応し、部位Nは股下域8に対応する。
【0023】
素材シート30は、図4における幅方向への伸長率が高くなるほど、連続繊維34は長く伸びて永久変形量が大きくなるから、シート30の収縮後に得られる弾性複合シート11では、それを伸長するときの応力が初期段階では弾性的な第1シート21を伸長するのに必要な力だけで足りる。しかし、さらに伸長して、第2シート22および/または第1シート21のたわんでいた連続繊維34が伸びきった状態になると、それ以降の伸長応力には連続繊維34を伸長するために必要な力が加わり、応力/歪曲線は図5のL,Mのように急激に立ち上がる。
【0024】
図4、5によって明らかなように、この発明では、素材シート30の側縁部46,47,48をチャック51,52で把持するときに、それらの側縁部46,47,48では把持部分(側縁部47)と把持部分(側縁部48)との間に非把持部分(湾曲した縁部46)が介在するような態様で、換言すると側縁部46,47,48に沿って把持部分(47,48)が間欠的に並ぶような態様で把持して、素材シート30を幅方向(図4の上方)へ伸長するから、その伸長後に得られる弾性複合シート11では、幅方向の伸長応力がその幅方向に直交する長さ方向の各部位において変化する。このような変化を有するこの発明の弾性複合シートは、素材シートにおいて互いに向かい合う両側縁部のうちの一方だけを間欠的に把持して得ることも可能である。
【0025】
このように弾性複合シートの幅方向への伸長応力が縦方向の各部位で異なるこの発明に係る弾性複合シートは、パンツ型の使い捨ておむつやトレーニングパンツ、尿とりパッドホルダとしてのパンツの他に、開放型の使い捨ておむつやその他の各種使い捨て着用物品に使用することができる。
【0026】
【発明の効果】
この発明に係る製造方法によって得られる弾性複合シートは、一方向へ弾性的に伸長可能であるとともに、伸長応力がその一方向と直交する方向において変化するから、これを例えばパンツ型の着用物品に使用すれば、その物品の胴周り域においては物品の幅方向への伸長応力を低くし、股下域においては物品の幅方向への伸長応力を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】使い捨ておむつの斜視図。
【図2】図1のおむつの分解組立図。
【図3】(a)バックシートを作るための素材シートの斜視図。
(b)バックシートの拡大斜視図。
【図4】伸長機の側面図。
【図5】弾性複合シートの応力/歪曲線。
【符号の説明】
1 おむつ
11 弾性複合シート
21 第1シート
22 第2シート
30 複合シート(素材シート)
46 縁部、非把持部
47 縁部、把持部
48 縁部、把持部
Claims (6)
- 互いに直交する二方向のうちの少なくとも一方向へ弾性的に伸長可能な第1シートの少なくとも片面に前記一方向へ非弾性的に伸長可能な第2シートが前記一方向へ間欠的に接合している弾性複合シートにおいて、
前記第2シートは、一様な坪量を有するものであって、連続繊維から形成されたものであり、
前記第1シートでは、前記一方向へ所要倍率だけ弾性的に伸長した部位と、前記所要倍率ほどには伸長していない部位とが前記一方向と直交する方向へ並び、前記所要倍率だけ弾性的に伸長した部位に接合している前記第2シートでは、前記連続繊維が非弾性的に伸長して永久変形した状態にあり、
前記所要倍率だけ弾性的に伸長した部位が弾性的な復元力によって収縮した状態にある前記弾性複合シートでは、前記一方向と直交する方向において、前記所要倍率だけ弾性的に伸長した部位に接合している前記第2シートの見かけの密度が前記所要倍率ほどには伸長していない部位に接合している前記第2シートの見かけの密度よりも低くなっていることを特徴とする前記弾性複合シート。 - 前記所要倍率だけ弾性的に伸長した部位が弾性的な復元力によって収縮した状態にある前記弾性複合シートでは、前記所要倍率だけ弾性的に伸長した部位に接合している前記連続繊維が非弾性的に伸長して永久変形した状態にあることによって、前記所要倍率だけ弾性的に伸長した部位での前記弾性複合シートの前記一方向への伸長応力が低く、前記所要倍率ほどには伸長していない部位での前記弾性複合シートの前記一方向への伸長応力が高くなるように、前記一方向と直交する方向の各部位において変化している請求項1記載の弾性複合シート。
- 前記所要倍率だけ弾性的に伸長した部位が弾性的な復元力によって収縮した状態にある前記弾性複合シートでは、前記所要倍率だけ弾性的に伸長した部位に接合している前記連続繊維が非弾性的に伸長して永久変形した状態にあることによって、前記所要倍率だけ弾性的に伸長した部位での前記弾性複合シートの前記一方向への伸長応力が伸長率の増加とともに徐々に大きくなった後に急激に大きくなるように変化し、前記所要倍率ほどには伸長していない部位での前記弾性複合シートの前記一方向への伸長応力が、伸長率の増加とともに急激に大きくなるように、前記一方向と直交する方向の各部位において変化している請求項1または2記載の弾性複合シート。
- 互いに直交する二方向のうちの少なくとも一方向へ弾性的に伸長可能な第1シートの少なくとも片面に前記一方向へ非弾性的に伸長可能な第2シートが前記一方向へ間欠的に接合している弾性複合シートにおいて、
前記第2シートが、一様な坪量を有するものであって、連続繊維によって形成され、前記一方向と直交する方向において見かけの密度の高い部位と見かけの密度の低い部位とが並ぶとともに、前記見かけの密度の低い部位における前記連続繊維の径は、前記見かけの密度の高い部位における前記連続繊維の径よりも細くなっていることを特徴とする前記弾性複合シート。 - 使い捨ておむつが肌当接面と着衣当接面とを有し、これら両面のいずれかが前記弾性複合シートによって形成され、前記弾性複合シートの前記一方向が前記おむつの幅方向に一致させてある請求項1〜4のいずれかに記載の弾性複合シート。
- 互いに直交する二方向のうちの少なくとも一方向へ弾性的に伸長可能な第1シートの少なくとも片面に、前記一方向へ非弾性的に伸長可能な第2シートが前記一方向へ間欠的に接合してなる複合シートを前記一方向へ伸長し、しかる後に前記第1シートの弾性復元力によって収縮させて前記複合シートから弾性複合シートを製造する方法において、
前記複合シートは、前記一方向と直交する方向へ延びる両側縁部を有し、その両側縁部を把持して前記第1シートの弾性限界内であって破断伸度以下かつ前記第2シートの破断伸度以下で前記一方向へ伸長・収縮させて前記弾性複合シートとし、前記両側縁部は少なくとも一方が前記直交する方向において把持部と把持部との間に非把持部が存在するように把持することを特徴とする前記方法。
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JP2003041470A (ja) | 2003-02-13 |
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