JP4964855B2 - 板状複合材料および長繊維編物シート - Google Patents
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Description
本発明では長繊維強化プラスチック板の芯材として、上述のように長繊維の「編物」からなるシートを用いる。編物を構成する糸は、長繊維の素線(フィラメント)を束ねたものである。撚線とした糸が使用しやすい。高強度長繊維の素線は例えば1μm〜100μm程度のものが適用できる。糸の太さは例えば0.05〜1mm程度とすることができる。素線の径および目的とする糸の太さに応じて、数本〜数千本の素線を束にして撚った長繊維束を糸として使用することができる。
上述の長繊維編物シートを用いて、樹脂で固め、長繊維強化プラスチック板を得る。樹脂の種類は、エポキシ、メラミン、フェノール、ポリアミドなど、およびこれらの共重合体などの熱硬化性樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ酢酸ビニル、アクリル、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレートなど、およびこれらの共重合体などの熱可塑性樹脂が用いられる。
長繊維強化プラスチック板と一体化させる金属板としては、用途に応じて鋼板、銅合金板、アルミニウム合金板など、種々の金属材料の適用が考えられる。鋼板としては、一般的な普通鋼板、高張力鋼板、これらの鋼板をめっき原板とする各種めっき鋼板、ステンレス鋼板などが挙げられる。
(めっき層組成); 質量%でAl:3〜22%、Mg:0.5〜8%を含有し、さらにTi:0.1%以下、B:0.05%以下、Si:2%以下の1種以上を含有し、Ca、Sr、Na、Ni、Co、Sn、Cu、Cr、Mn、希土類元素、Y、Zrの合計含有量が1%以下(0%を含む)に制限され、Feの含有量が2.5%以下に制限され、残部Znおよび不可避的不純物からなるめっき層
この場合、めっき付着量は鋼板片面あたり20〜300g/m2程度とすることが効果的である。
図5〜図7に本発明の板状複合材料の断面構造を模式的に例示する。図5の例は金属板30の片面に接着剤層20を介して長繊維強化プラスチック板10を接合したものである。長繊維強化プラスチック板10は、長繊維編物シート1および樹脂2により構成されている。図6の例は金属板30の両面に接着剤層20を介して長繊維強化プラスチック板10を接合したものである。図7の例は2枚の金属板30の間に接着剤層20を介して長繊維強化プラスチック板10を挟み込んで一体化したものである。その他、複数枚の金属板と複数枚の長繊維強化プラスチック板を交互に接合した構造としてもよい。
以下のようにして図4に示したタイプの板状複合材料を作製した。
表1に示す金属板を用意した。表1中の「伸び」および「引張強さ」は、圧延方向における引張試験値であり、JIS Z2241に準じて測定した。金属板Aは下記「化成処理1」の条件で化成処理皮膜を形成したものである。それ以外の金属板には化成処理を施していない。
(化成処理条件1)
処理液; フッ化チタン酸アンモニウム50g/L、85%リン酸20g/L、リン酸マグネシウム10g/Lを含有する水溶液
処理方法; Ti金属換算付着量が40mg/m2となるように処理液をバーコーターで金属板表面に塗布したのち、板温120℃で乾燥
表2に示す接着剤を用意した。表2中の「引張伸び」は引張最大荷重時の伸びであり、接着剤を硬化させた後、JIS K7161に準じて測定されたデータを記載した。
長繊維として、炭素繊維(三菱レイヨン社製;パイロフィルTR50S)を使用した。この炭素繊維は素線径5〜10μm(平均7μm)である。この炭素繊維の素線の束(撚線)からなる約0.1mm径の糸を素材とし、編み機を用いて図2に示した平編み構造の長繊維編物シートを作製した。ループの大きさ(伸びしろ)を調整することによって伸び率の異なる4種類の長繊維編物シートを得た。表3に各長繊維編物シートの各方向における「伸び率」を示す。伸び率の測定はJIS L1018に準じて行った。
上記の長繊維編物シートに、伸び率が異なる種々のエポキシ樹脂液を含浸させてプリプレグシートを得た。同種のプリプレグシートを用いて、その経方向が隣り合う編物シートの緯方向に相当するように交互に向きを変えて5枚重ねた状態とし、ホットプレスにより130℃、加圧力0.033MPa、120分の加熱処理を施すことにより、エポキシ樹脂を硬化させるとともに樹脂と長繊維編物シートを一体化させ、厚さ1mmの長繊維強化プラスチック板を得た。また、同様の手法にて、3枚のプリプレグシートを使用した厚さ0.6mmの長繊維強化プラスチック板、および8枚のプリプレグシートを使用した厚さ1.6mmの長繊維強化プラスチック板も作製した。
表1の金属板と、表4の長繊維強化プラスチック板を、表2の接着剤を用いて接合し、図4に示したタイプの板状複合材料を作製した。金属板、長繊維強化プラスチック板、接着剤の組合せは表5中に記載してある。金属板の圧延方向と、長繊維強化プラスチック板の表4に示した強度が得られた方向とが一致するように両者を接合した。
エポキシ系接着剤を使用する場合は、硬化剤を添加した接着剤の液をバーコーターまたはゾルコーターで金属板の表面に所定量塗布し、接着剤が硬化する前に接着剤塗布面に長繊維強化プラスチック板を載せ、加圧力0.033MPa、120分のプレスを施すことにより、長繊維強化プラスチック板と金属板とを接着剤を介して一体化させ、板状複合材料を得た。
〔引張強さ〕
引張強さは、JIS K7146に準じて測定した。引張方向は金属板の圧延方向とした。引張強さ850MPa以上のものを合格と判定した。
上記の引張強さをkg/m2に換算した値を板状複合材料の比重で除することにより比強度を算出した。この比強度が15×106以上であれば、多くの用途において金属板単体の場合よりも高強度化または軽量化に対する顕著な効果が期待されることから、比強度が15×106以上のものを合格と判定した。
板状複合材料を以下の条件で円筒絞り加工に供し、カップに絞り抜いた。パンチが当たる面を金属板側とした。
(円筒絞り条件)
ブランク直径:93mm、パンチ直径:40mm、パンチ肩半径:5mm、ダイス直径:42mm、ダイス肩半径:5mm、シワ押さえ力:10.5kN
◎:金属板、長繊維強化プラスチック板のいずれも破断せず、形状凍結性は金属板単体の場合と同等。
○:金属板、長繊維強化プラスチック板のいずれも破断せず、形状凍結性は金属板単体の場合よりわずかに劣る。
△:金属板、長繊維強化プラスチック板のいずれも破断せず、形状凍結性は金属板単体の場合より劣るが、多くの加工品用途に適用可能と判断される。
▲:金属板、長繊維強化プラスチック板のいずれも破断せず、形状凍結性は金属板単体の場合より著しく劣る。
×:金属板、長繊維強化プラスチック板の少なくとも一方に破断あり。
デュポン式落下衝撃試験機を用いて、板状複合材料の長繊維強化プラスチック板側に重錘を落下させた。重錘質量;2kg、重錘の撃ち型;曲率半径=1/16インチ、落下高さ;500mmの条件で試験を行い、以下の基準で評価し、◎評価を合格と判定した。
◎:金属板、長繊維強化プラスチック板のいずれも破断せず。
×:金属板、長繊維強化プラスチック板の少なくとも一方に破断あり。
板状複合材料から長さ200mm×幅150mmの試験片を切り出し、「70℃の熱水に10分間浸漬 → 4℃の冷水に10分間浸漬 」の加熱冷却サイクルを50サイクル実施した。試験後の試験片を平坦な盤上に置き、板のそりを評価するために急峻度(=山高さ/試験片長さ200mm×100)を測定した。測定値を以下の基準で評価し、△評価以上であれば多くの加工品用途において問題なしと判断されることから、△評価以上を合格と判定した。
◎:急峻度;0.2%未満
○:急峻度;0.2%以上0.5%未満
△:急峻度;0.5%以上0.8%未満
▲:急峻度;0.8%以上1.5%未満
×:急峻度;1.5%以上
結果を表5に示す。
2 樹脂
10 長繊維強化プラスチック板
20 接着剤層
30 金属板
Claims (8)
- 経方向、緯方向ともに伸び率10〜30%を呈する長繊維の編物シートを引張伸びが10%以上の樹脂で固めた長繊維強化プラスチック板と、金属板とを、接着剤を介して一体化した板状複合材料。
- 板厚に占める金属板のトータル厚さが10〜50%である請求項1に記載の板状複合材料。
- 前記長繊維が炭素繊維である請求項1または2に記載の板状複合材料。
- 少なくとも1方向の引張強さが850MPa以上である請求項1〜3のいずれかに記載の板状複合材料。
- 炭素繊維の長繊維束からなる糸を編むことにより経方向、緯方向ともに伸び率が10〜30%となるようにした長繊維編物シート。
- 請求項5に記載の編物シートを引張伸びが10%以上の樹脂で固めた長繊維強化プラスチック板。
- 請求項5に記載の編物シートを、隣り合うシート間での経−緯の向きが異なる場合があるように重ねて配置し、これらを引張伸びが10%以上の樹脂で固めた長繊維強化プラスチック板。
- 請求項5に記載の編物シートを、その経方向が隣り合う編物シートの緯方向に相当するように交互に向きを変えて2枚以上重ねて配置し、これらを引張伸びが10%以上の樹脂で固めた長繊維強化プラスチック板。
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