JP4964423B2 - 被熱処理物品用クランプ装置及びそのクランプ方法 - Google Patents

被熱処理物品用クランプ装置及びそのクランプ方法 Download PDF

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Description

本発明は、被熱処理物品を、加熱と、その後の冷却とを施す焼入れ等の熱処理作業に供する際にクランプするための被熱処理物品用クランプ装置及びそのクランプ方法に係り、例えば、板材からなる細長形状の被熱処理物品を誘導加熱法等で焼入れする際に利用できるものである。
下記の特許文献1には、自動車の細長形状となっているセンターピラー用補強材を被熱処理物品とする焼入装置が示され、高周波電流の誘導加熱でこの被熱処理物品を焼入れするためのこの装置では、加熱装置が被熱処理物品の上側に配置され、被熱処理物品の下側には、加熱後の被熱処理物品に冷却液を噴射する冷却装置が配置されている。被熱処理物品には上側に隆起して長手方向に延びる隆起部が形成されているとともに、この隆起部の幅方向両側にはフランジ部が形成されている。そして、隆起部の一部は焼入れされる熱処理領域になっており、フランジ部は焼入れされない非熱処理領域となっており、これらの熱処理領域と非熱処理領域は被熱処理物品の長手方向へ延設画定されていて幅方向に並設されており、焼入れ時には、フランジ部が長手方向に複数配設されたクランプ手段でクランプされる。
このような被熱処理物品の熱処理領域を焼入れするために、熱処理領域を上記加熱装置で被熱処理物品の厚さ全体が所定温度になるまで加熱した後に、上記冷却装置で急冷すると、この急冷が行われた瞬間時に、被熱処理物品の厚さ方向の冷却側とその反対の側とで大きな温度差が生じて、冷却側の冷却により、非冷却側に圧縮降伏が生ずることがあり、この圧縮降伏によって生ずる非冷却側の長さ寸法の減少のため、焼入作業終了後にクランプ手段のクランプを解除したとき、被熱処理物品には、冷却装置が配置された側へ、すなわち、長手方向と幅方向とに直交する方向である下側へ凸となる反り変形が発生する場合がある。
このため、センターピラー用補強材の焼入れに関する下記の非特許文献1に開示されている技術では、被熱処理物品の長手方向に配設されている複数個のクランプ手段により、焼入れ前の被熱処理物品に加熱装置が配置された側へ被熱処理物品を湾曲凸変形させる荷重を付与しておき、これにより、焼入れ後の上記反り変形の発生をなくす又は少なくできるようにしている。
特開2000−256733(図1、図2) 「まてりあ」第37巻 第6号(1998)
このように焼入れ前の被熱処理物品に、被熱処理物品の長手方向に配設されている複数個のクランプ手段により、加熱装置が配置された側へ被熱処理物品を湾曲凸変形させる荷重を付与する場合には、被熱処理物品を弾性変形させてこの湾曲凸変形を生じさせるため、これらのクランプ手段を単に同時に作動させて被熱処理物品の非熱処理領域をクランプしたのでは、被熱処理物品に無理な荷重がかかるおそれがあり、このような問題を解消できる工夫が求められる。
本発明の目的は、被熱処理物品の長手方向に配設されている複数個のクランプ手段により、被熱処理物品に所定の方向へ湾曲凸変形させる荷重を付与する場合に、被熱処理物品に無理な荷重がかかることがないようにできる被熱処理物品用クランプ装置及びそのクランプ方法を提供するところにある。
本発明に係る被熱処理物品用クランプ装置は、長手方向と幅方向とに直交する方向における一方の側に配置された加熱装置による加熱後に他方の側に配置された冷却装置によって冷却されることで熱処理される少なくとも1個の熱処理領域と、熱処理されない少なくとも1個の非熱処理領域との両方が前記長手方向へ延設画定されていて、これらの熱処理領域と非熱処理領域とが前記長手方向と直交する前記幅方向に並設されている細長形状の被熱処理物品について、熱処理作業時に前記非熱処理領域においてクランプするための被熱処理物品用クランプ装置であって、前記被熱処理物品の長手方向に配設された複数個のクランプ手段を有し、これらのクランプ手段は、前記被熱処理物品を前記一方の側へ湾曲凸変形させるための荷重を前記非熱処理領域に付与する被熱処理物品用クランプ装置において、前記複数個のクランプ手段が前記非熱処理領域をクランプする順番を制御するための制御装置を備え、この制御装置による前記順番は前記長手方向にしたがった順番となっていることを特徴とするものである。
また、本発明に係る被熱処理物品のクランプ方法は、長手方向と幅方向とに直交する方向における一方の側に配置された加熱装置による加熱後に他方の側に配置された冷却装置によって冷却されることで熱処理される少なくとも1個の熱処理領域と、熱処理されない少なくとも1個の非熱処理領域との両方が前記長手方向へ延設画定されていて、これらの熱処理領域と非熱処理領域とが前記長手方向と直交する前記幅方向に並設されている細長形状の被熱処理物品について、熱処理作業時に前記非熱処理領域においてクランプするための被熱処理物品のクランプ方法であって、前記被熱処理物品の長手方向に配設された複数個のクランプ手段により、前記被熱処理物品を前記一方の側へ湾曲凸変形させるための荷重を前記非熱処理領域に付与する被熱処理物品のクランプ方法において、前記複数個のクランプ手段が前記非熱処理領域をクランプする順番を、前記長手方向にしたがった順番としたことを特徴とするものである。
本発明では、長手方向に複数個が配設されているクランプ手段は、被熱処理物品の非熱処理領域を同時にクランプせず、これらのクランプ手段によるクランプの順番は長手方向にしたがった順番となっているため、被熱処理物品を湾曲凸変形させるために非熱処理領域に荷重を付与する順番は長手方向にしたがった順番となり、このため、被熱処理物品に無理な荷重がかかることなく被熱処理物品を所定どおり湾曲凸変形させることができる。
このような作用効果は、長手方向に配設されているそれぞれのクランプ手段のうち、長手方向の一方の端部に配置されている1個のクランプ手段で最初に非熱処理領域をクランプし、次いで、他のクランプ手段による非熱処理領域のクランプを、この1個のクランプ手段に近い順番で行うことによっても達成でき、また、長手方向の途中に配置されている1個のクランプ手段で最初に非熱処理領域をクランプし、次いで、この1個のクランプ手段の長手方向両側に配置されている他のクランプ手段による非熱処理領域のクランプを、長手方向両側について、この1個のクランプ手段に近い順番で行うことによっても達成でき、これらのクランプの順番のいずれをも本発明に含まれる。
また、複数個のクランプ手段のそれぞれにおける非熱処理領域をクランプする位置は、長手方向と幅方向とに直交する方向に調整可能とすることが好ましい。
これによると、形状が異なる各種の被熱処理物品に対して対応できるようになり、クランプ装置は汎用性を有することになる。また、それぞれのクランプ手段から付与される荷重によって被熱処理物品を湾曲凸変形させる量を調整することもできる。
複数個のクランプ手段のそれぞれにおける非熱処理領域をクランプする位置を長手方向と幅方向とに直交する方向に調整可能とするためには、例えば、クランプ手段がクランプ本体と押え部材とを含んで構成されている場合には、クランプ本体の長さを調整可能とすることや、クランプ本体が作業テーブルの上に設置されている場合には、各種厚さのスペーサをクランプ本体と作業テーブルとの間に介入することにより行える。
また、本発明に係る被熱処理物品のクランプ方法において、それぞれのクランプ手段は、本発明に係る被熱処理物品用クランプ装置のクランプ手段と同様に、制御装置で作動が制御されるものでもよく、手動で操作されるものでもよい。すなわち、本発明に係る被熱処理物品のクランプ方法におけるクランプ手段は、自動クランプ手段でもよく、手動クランプ手段でもよい。
さらに、本発明において、複数個のクランプ手段のうちの1個のクランプ手段を、非熱処理領域を挟着固定するタイトクランプ手段とし、他のクランプ手段を、熱処理領域の側が凸側となって被熱処理物品が湾曲変形するのを許容するルーズクランプ手段とすることが好ましい。
これによると、タイトクランプ手段によって被熱処理物品を所定位置に定置セット状態にできるとともに、熱処理領域が加熱装置で加熱されたときに被熱処理物品が熱処理領域の側が凸側となって湾曲変形しようとするのをルーズクランプ手段は阻止しないことになり、この結果、熱処理領域には非熱処理領域の拘束による圧縮降伏は生じないことになり、焼入れ作業等の熱処理作業後に非熱処理領域が波形状に変形しているのをなくすことができる。
このように複数個のクランプ手段のうちの1個のクランプ手段をタイトクランプ手段とし、他のクランプ手段をルーズクランプ手段とする場合には、先にタイトクランプ手段で非熱処理領域をクランプし、次いでルーズクランプ手段で非熱処理領域をクランプさせる順番とする。
また、複数個のクランプ手段のうちの1個のクランプ手段をタイトクランプ手段とし、他のクランプ手段をルーズクランプ手段とする場合には、タイトクランプ手段とルーズクランプ手段をそれぞれ1個としてもよく、タイトクランプ手段を1個とし、ルーズクランプ手段を複数個としてもよい。後者の場合の一例は、タイトクランプ手段を長手方向の一方の端部に配置し、複数個のルーズクランプ手段を、このタイトクランプ手段から間隔を開けて長手方向に配設することである。
さらに複数個のクランプ手段のうちの1個又は複数個をルーズクランプ手段とする場合には、ルーズクランプ手段に、被熱処理物品の長手方向への非熱処理領域の動きを円滑にするための動き円滑手段を設けることが好ましい。
これによると、上述のように、熱処理領域の側が凸側となって被熱処理物品が湾曲変形する際に、非熱処理領域はルーズクランプ手段に対して被熱処理物品の長手方向に動くため、この動きを動き円滑手段によって円滑化でき、熱処理領域の熱膨張が非熱処理領域によって拘束されないことを助長させることができる。
動き円滑手段は、任意な手段でよく、例えば、ルーズクランプ手段の構成部材に対して行う焼入処理やメッキ処理、研磨加工でもよく、あるいは、ルーズクランプ手段に、摩擦抵抗を軽減できるローラ等の回転部材や滑り摩擦が小さい部材を取り付けることでもよい。
本発明によって熱処理作業時にクランプされる被熱処理物品は、3次元形状のものでもよく、平面形状のものでよい。その被熱処理物品の一例は、板材からなる物品であって、長手方向と直交する幅方向の途中に、長手方向と幅方向とに直交する方向に隆起しかつ長手方向へ延びる隆起部が設けられた3次元形状を有するとともに、この隆起部における幅方向の両側の隆起基端部から幅方向の外側へ延びる2個のフランジ部を有しており、隆起部の少なくとも一部が熱処理領域となっている物品である。この被熱処理物品のためのクランプ装置では、非熱処理領域となっている2個のフランジ部ごとに、前述した複数個のクランプ手段が被熱処理物品の長手方向に配設されることになる。
さらに、本発明において、被熱処理物品の熱処理領域を加熱するための加熱装置は、高周波電流による誘導加熱方式のものでもよく、ガス火炎によるものでもよく、レーザー光線によるものでよく、任意である。
また、加熱装置は、熱処理領域の全域を同時に一括して加熱する一括加熱方式のものでもよく、あるいは、熱処理領域の一部を加熱する加熱部を有し、被熱処理物品に対して移動することにより、又は加熱部に対して被熱処理物品が移動することにより、熱処理領域の全域をこの加熱部が加熱するものでもよい。
また、本発明に係るクランプ装置は、任意な用途に用いられる物品を熱処理する際に使用でき、その物品の一例は、四輪車両のセンターピラー用補強部材であり、他の例は、四輪車両のフロントバンパーやリヤバンパーであり、さらに他の例は、ドアのインパクトビームである。
さらに、本発明における熱処理の代表例は焼入れであるが、本発明は、焼入作業だけではなく、焼入れ後の焼戻し作業や、焼鈍作業等の他の熱処理作業、さらには、形状矯正を伴うこれらの熱処理作業を行う場合にも適用できる。また、本発明は、焼入れされた領域をそのまま焼戻し領域とするための熱処理作業や、1個又は複数個の焼入領域を含む包括領域を焼戻し領域とし、この包括領域以外の領域が非焼戻し領域となる熱処理作業にも適用できる。さらに、本発明は、プレス加工されるブランクの一部にある高度の変形を受ける領域についての加工性を改善するため、当該領域を対象とした焼鈍等の軟化処理作業を行う場合や、プレス成形品の一部の領域に、この領域を座屈しやすいように軟化させる等の熱処理作業を行う場合にも適用できる。
本発明によると、被熱処理物品の長手方向に配設されている複数個のクランプ手段により、被熱処理物品に所定の方向へ湾曲凸変形させる荷重を付与する場合に、被熱処理物品に無理な荷重がかかることがないという効果を得られる。
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係る熱処理は焼入れであって、被熱処理物品である被焼入物品は、四輪車両のセンターピラー用補強部材である。図1に示すように、このセンターピラー用補強部材10は車両のサイドパネル1を構成する部材であって、前部ドア2と後部ドア3との間において、側面衝突に対するサイドパネル1の強度を大きくするため、サイドパネル1のルーフ部1Aとフロア部1Bとの間に上下に架設される。
また、図2で示されているとおり、鋼板のプレス成形品であるこのセンターピラー用補強部材10は細長形状となっており、その長手方向と直交する幅方向の途中には、長手方向と幅方向とに直交する方向に隆起した隆起部11が設けられ、補強部材10の長手方向へ延びているこの隆起部11における幅方向の両側の隆起基端部12からは2個のフランジ部13が幅方向外側へ延びている。このため、補強部材10の長手方向途中における断面形状はハット形状であり、フランジ部13と隆起部11の頂面部11Aとは、隆起部11の側面部11Bで接続され、この側面部11Bとフランジ部13との接続部が、上記隆起基端部12となっている。
図2においてハッチングの表示範囲で示されている熱処理領域である焼入領域14は、隆起部11の頂面部11Aと側面部11Bとに跨って画定され、補強部材10の長手方向へ延びているこの焼入領域14は、隆起部11の幅方向両側にあり、これらの焼入領域14のそれぞれの幅方向両側は、非熱処理領域である非焼入領域15となっている。このため、3次元の細長形状となっている補強部材10には、その長手方向に延設画定されている焼入領域14が長手方向と直交する幅方向に2個設けられているとともに、非焼入領域15は幅方向に3個設けられ、これらの焼入領域14と非焼入領域15とが幅方向に交互に並設されている。
フランジ部13は非焼入領域15の一部となっており、このフランジ部13において、補強部材10は焼入作業のために図3で示したクランプ装置20でクランプされる。このクランプ装置20によるクランプは、焼入作業の対象物である補強部材10の長手方向を水平方向又は略水平方向としてなされるため、以下の説明では、補強部材10を被熱処理物品10と称するとともに、被熱処理物品10が延びている水平方向をX方向、このX方向と直交する被熱処理物品10の幅方向をY方向、X方向とY方向とに直交する方向をZ方向とする。
クランプ装置20は、被熱処理物品10が焼入作業のためにセットされる作業テーブル21に、第1クランプ手段22と第2クランプ手段23とを設置したものとなっている。言い換えると、作業テーブル21は、クランプ装置20付きのテーブルになっている。X方向に配設されている第1クランプ手段22と第2クランプ手段23は、フランジ部13をクランプするものとなっており、X方向につき、第1クランプ手段22の個数は1個であり、この第1クランプ手段22からX方向に離間して配設されている第2クランプ手段23の個数は複数個、本実施形態では4個である。前述のようにフランジ部13はY方向に2個あり、これらのフランジ部13ごとに、第1クランプ手段22及び第2クランプ手段23は上記個数分設けられているため、クランプ装置20は、上記個数の2倍の第1クランプ手段22及び第2クランプ手段23を備えている。被熱処理物品10は、第1クランプ手段22と第2クランプ手段23により、クランプ装置20に水平姿勢又は略水平姿勢とされて定置セットされる。
図4には、クランプ装置20の正面図が示され、図4のS5−S5線断面図である図5には、X方向の一方の端部に配設されている第1クランプ手段22の構造が示されている。また、図4のS6−S6線断面図である図6には、第1クランプ手段22からX方向の他方の端部の側へ互いに分離した状態で配設されている4個の第2クランプ手段23のうち、第1クランプ手段22から3番目の第2クランプ手段23の構造が示されているが、全部の第2クランプ手段23の構造は同じである。
図3及び図4で示されているとおり、第1クランプ手段22は、作業テーブル21に設置固定された基台24と、この基台24の上面に取り外し可能な締結具26Aで締結される押え部材25とで構成され、図5で示されているように、フランジ部13は、基台24に押え部材25を締結具26Aで締結することにより、基台24と押え部材25とで上下に挟着固定される。このため、第1クランプ手段22は、下クランプ部材と上クランプ部材になっている基台24と押え部材25とにより、フランジ部13を不動にクランプするためのタイトクランプ手段となっている。
それぞれの第2クランプ手段23は、図3及び図4で示されているとおり、作業テーブル21に立設されたブラケット26に結合されているクランプ本体27と、このクランプ本体27に連結部材28を介して連結された押え部材29とで構成されている。図6で示されているように、クランプ本体27の上部に配置されている押え部材29は、連結部材28に対して軸30を中心に上下に揺動自在となっているとともに、押え部材29と連結部材28とに形成されている孔を一致させ、これらの孔にピン31を挿入することにより、押え部材29は、クランプ本体27に対してZ方向の所定の隙間32を開けて上下に対向配設される。このため、この隙間32の中へのフランジ部13の配置セットは、軸30を中心とする押え部材29の下向き揺動と、上記孔へのピン31の挿入とによって行える。そして、隙間32の大きさはフランジ部13の厚さよりも大きい。
このため、第2クランプ手段23は、フランジ部13をX方向とZ方向とに移動可能にクランプするルーズクランプ手段となっており、クランプ本体27は第2クランプ手段23の下クランプ部材であって、押え部材29は第2クランプ手段23の上クランプ部材となっている。
また、前述のように第1クランプ手段22及び第2クランプ手段23でフランジ部13がクランプされて作業テーブル21にセットされたときの被熱処理物品10は、図4の2点鎖線で示す無負荷の自然状態となっている被熱処理物品10’と比較すると、上下方向であるZ方向の上側へ湾曲凸変形した状態となっている。すなわち、被熱処理物品10を隆起部11の隆起方向である被熱処理物品10の表面側へ湾曲凸変形させる荷重が、第1クランプ手段22と第2クランプ手段23とによってフランジ部13に付与された状態となって、被熱処理物品10はクランプ装置20でクランプされている。このため、図6で示されているとおり、第2クランプ手段23の配設位置では、押え部材29がフランジ部13の上面に当接し、フランジ部13の下面とクランプ本体27との間に隙間が生じている。
この被熱処理物品10の湾曲凸変形量を微調整するため、本実施形態では、第1クランプ手段22におけるフランジ部13をクランプする位置と、第2クランプ手段23におけるフランジ部13をクランプする位置とを調整できるようにしており、Z方向についてのこの調整は、図4に示すように、作業テーブル21と第1クランプ手段22の基台24との間、及び作業テーブル21と第2クランプ手段23のブラケット26との間に、スペーサーとしての適切な厚さを有するシム33を介入することにより行われる。
また、被熱処理物品10のクランプ時にフランジ部13と上下に対向する第2クランプ手段23の図6で示すクランプ本体27の上面27Aと、押え部材29の下面29Aとには、焼入れによる硬化処理と研磨加工とがなされている。これにより、第2クランプ手段23は、フランジ部13のX方向への動きを円滑にするための動き円滑手段を備えている。
また、クランプ本体27の上面27Aと押え部材29の下面29Aは、フランジ部13と平行又は略平行に対面する面となっている。
図4で示すように、作業テーブル21の上方には、クランプ装置20でクランプされた被熱処理物品10の焼入領域14を加熱するための加熱装置40が昇降自在に配設され、本実施形態におけるこの加熱装置40は高周波電流で焼入領域14を誘導加熱するものであるため、この加熱装置40には、図5及び図6で示すように、図示しない電源装置から供給される高周波電流が通電される誘導子41が設けられている。これらの誘導子41は、焼入領域14の全体をカバーして加熱装置40に配設されているため、この加熱装置40は、焼入領域14の全域を同時に一括して加熱できる一括加熱方式の誘導加熱装置となっている。
加熱装置40は昇降手段で昇降し、被熱処理物品10がクランプ装置20でクランプされると、加熱装置40は下降して被熱処理物品10の上にセットされる。
また、図4で示されているように、作業テーブル21には、冷却装置である冷却液流通管42が取り付けられており、被熱処理物品10がクランプ装置20でクランプされて作業テーブル21にセットされたとき、冷却液噴出口が形成されているこれらの冷却液流通管42が、図5及び図6で示すように、下向きに開口している隆起部11の内部に挿入された状態となる。
被熱処理物品10がクランプ装置20でクランプされて作業テーブル21にセットされた後、加熱装置40が下降し、この加熱装置40が被熱処理物品10の上にセットされる。そして、加熱装置40への前記電源装置からの高周波電流の通電により、被熱処理物品10の焼入領域14の全域が被熱処理物品10の表面側から一括かつ同時に誘導加熱され、焼入領域14が所定温度まで加熱された後、通電が停止される。次いで、冷却液流通管42の噴出口から冷却液が噴出することにより、被熱処理物品10が裏面側から冷却され、焼入領域14の焼入れがなされる。この後、クランプ装置20による被熱処理物品10のクランプが解除され、被熱処理物品10は塗装工程等の次工程に送られる。
以上において、クランプ装置20でクランプされた被熱処理物品10の焼入領域14が加熱装置40で加熱されたとき、図2で説明したように前記隆起部11の頂面部11Aや側面部11Bの一部に画定されている焼入領域14は、側面部11Bの他の部分やフランジ部13に設けられている非焼入領域15に対して熱膨張する。焼入領域14はX方向に延びているため、これらの焼入領域14の熱膨張によって被熱処理物品10は、X方向について、焼入領域14が設けられている隆起部11の頂面部11Aの側が凸側となって全体が湾曲変形しようとする。言い換えると、被熱処理物品10には、X方向の中央部とX方向の端部とのZ方向の高さの差が大きくなる湾曲変形が生じようとする。
本実施形態のクランプ装置20では、前述したとおり、X方向の一方の端部に配設されている第1クランプ手段22はフランジ部13を挟着固定するタイトクランプ手段となっているが、この第1クランプ手段22からX方向の他方の端部の側に配設されているそれぞれの第2クランプ手段23は、フランジ部13の厚さよりもZ方向の大きな隙間32を有するルーズクランプ手段となっているため、クランプ装置20は、隆起部11の頂面部11Aの側が凸側となって被熱処理物品10が湾曲変形することを許容する。これにより、焼入領域14の熱膨張は非焼入領域15によって抑え込まれず、又は非焼入領域15による抑え込みは緩和される。
このため、被熱処理物品10が加熱されたときに、この焼入領域14に圧縮降伏は生ぜず又は生じにくくなり、圧縮降伏が生じたときに発生する焼入領域14のX方向における長さ寸法の減少も生ぜず又は生じにくくなる。したがって、クランプ装置20によるクランプを解除した焼入作業の終了時において、圧縮降伏が発生した場合に焼入領域14に生ずる引張応力に対応する応力として、非焼入領域15に弾性限界を超える大きな圧縮応力が生ずるのを抑えることができ、これにより、非焼入領域15となっているフランジ部13が波形状に変形するのをなくす又は低減することができる。
また、焼入領域14の加熱による熱膨張のために隆起部11の頂面部11Aの側が凸側となって被熱処理物品10が湾曲変形したときには、ルーズクランプ手段となっている第2クランプ手段23において、フランジ部13は僅かではあるがX方向の一方の側へ動く。この動きは、フランジ部13が、第2クランプ手段23を構成している図6のクランプ本体27の上面27A又は押え部材29の下面29Aに接触しながらなされるが、本実施形態では、前述したように、クランプ本体27の上面27Aと押え部材29の下面29Aについて、焼入れによる硬化処理と研磨加工とがなされ、これにより、第2クランプ手段23は、フランジ部13が円滑に動くようにした動き円滑手段を備えているため、フランジ部13は第2クランプ手段23に対して円滑に動くことになる。
このため、この点でも、非焼入領域15となっているフランジ部13は、焼入領域14の熱膨張を抑え込むことはなく、これにより、焼入領域14で圧縮降伏が生じないことを助長させることができる。
また、前述したように、クランプ本体27の上面27Aと押え部材29の下面29Aは、フランジ部13と平行又は略平行に対面する面となっているため、これらの上面27Aと下面29Aは、面積をもってフランジ部13からのZ方向における荷重を受けることになり、これにより、第2クランプ手段23の配設位置で、フランジ部13に窪みなどの変形が生ずるのを抑制できる。
ところで、本実施形態では、冷却液流通管42から冷却液を噴出して行う焼入領域14の急冷は、被熱処理物品10に対して下側からなされ、言い換えると、被熱処理物品10の裏側からなされる。このため、X方向に延設画定されている焼入領域14について考察すると、この焼入領域14において、被熱処理物品10の厚さ全体が同じ又は略同じ温度まで加熱された後、冷却液の噴出によって被熱処理物品10の裏側が冷却されると、この冷却がなされた瞬間時に、被熱処理物品10の厚さ内において、高温を維持している表側の厚さ部分と、常温近くまで降温した裏側の厚さ部分とが生じることになる。この結果、表側の厚さ部分には、裏側の厚さ部分の拘束によってX方向の圧縮降伏が生じ、この圧縮降伏によって生ずる表側の厚さ部分におけるX方向の長さ寸法の減少のため、クランプ装置20によるクランプを解除した焼入作業の終了時において、被熱処理物品10に、裏側が凸側となる反り変形が生じてしまう。
しかし、本実施形態に係るクランプ装置20は、前述したように、第1クランプ手段22と第2クランプ手段23において、被熱処理物品10を隆起部11の隆起方向へ湾曲凸変形させる荷重をフランジ部13に付与しており、これにより、被熱処理物品10は表側が凸側となった湾曲変形の状態でクランプ装置20によってクランプされ、焼入作業のための加熱と冷却はこの状態でなされるため、上記反り変形が被熱処理物品10に生ずるのをなくす又はその発生量を低減できる。
さらに、本実施形態では、第1クランプ手段22におけるフランジ部13をクランプする位置と、第2クランプ手段23におけるフランジ部13をクランプする位置は、図4で示した作業テーブル21と基台24との間及び作業テーブル21とブラケット26との間に介入するシム33の厚さを変更することによって調整できることから、クランプ装置20でクランプされたときの被熱処理物品10の上記湾曲凸変形量を調整でき、これにより、この湾曲凸変形量を、被熱処理物品10に生ずる上記反り変形をなくす又は少なくするために必要な量に正確に設定することが可能となる。
なお、以上の反り変形はX方向についてのものであったが、焼入領域14は、その寸法は小さいが、Y方向にも寸法を有しているため、以上と同様の反り変形は、Y方向について、隆起部11の開口部の開口幅を広げる方向にも生ずる。しかし、焼入領域14のY方向の寸法は小さく、被熱処理物品10全体のY方向の寸法も、X方向の寸法に比較すると小さく、したがって、Y方向についての反り変形はそれ程問題にならないため、また、被熱処理物品10の隆起部11の側面部11Bは、頂面部11Aに対してY方向へのばね性を有していることから、被熱処理物品10のY方向についての反り変形を、被熱処理物品10と他の部材との組立作業等の後作業時に矯正することも可能であるため、本実施形態に係るクランプ装置20には、Y方向についての反り変形を解消又は低減するための手段を設けていない。
もちろん、クランプ装置に、Y方向についての反り変形を解消又は低減するための手段を設けることもでき、このようなクランプ装置の実施形態は、図23〜図25で説明する。
また、本実施形態によると、ルーズクランプ手段となっている第2クランプ手段23は、X方向へ連続する大きな長さを有するものにはなっておらず、第2クランプ手段23は、X方向の寸法が短くて、X方向に複数個が点在配置されたものになっているため、第2クランプ手段23がクランプするフランジ部13が、X方向に延びるにしたがいZ方向に変形する形状となっていても、フランジ部13が配置される図6で示した前記隙間32を形成しているクランプ本体27や押え部材29の生産作業を容易に行え、また、クランプ装置20の組立作業を容易に行える。
図7及び図8は、フランジ部13のクランプ作業とクランプ解除作業とを自動化して行えるようにした第1クランプ手段52及び第2クランプ手段53を示す。
図7の第1クランプ手段52は、下クランプ部材となっている基台54に設けたブラケット54Aに、上クランプ部材となっている押え部材55を軸55Aを中心に上下揺動自在に取り付け、レバー式となっているこの押え部材55に油圧シリンダ56を連結したものである。油圧シリンダ56による揺動によって押え部材55は、基台54と共にフランジ部13を挟着固定するクランプと、クランプ解除とを行う。
また、図8の第2クランプ手段53も、下クランプ部材となっているクランプ本体57に設けたブラケット57Aに、上クランプ部材となっている押え部材59を軸59Aを中心に上下揺動自在に取り付け、レバー式となっているこの押え部材59に油圧シリンダ58を連結したものとなっており、油圧シリンダ58による揺動によって押え部材59は、クランプ本体57と共にフランジ部13をルーズにクランプすることと、クランプ解除とを行う。
そして、押え部材59がクランプ本体57と共にフランジ部13をルーズにクランプできるようにするために、押え部材59のフランジ部13側の先端部の下面に、フランジ部13を挿入できる欠部60が形成され、押え部材59の下面59Bがクランプ本体57の上面に当接したときにおけるこの欠部60の上下寸法は、フランジ部13の厚さよりも大大きなものとなっている。
なお、図7と図8において、押え部材55,59を揺動させるシリンダは、エアシリンダでもよい。
図9は、クランプ装置20のルーズクランプ手段である第2クランプ手段73がトグル機構の構造となっている実施形態を示し、図10は、この第2クランプ手段73のクランプ解除時を示す。これらの図は、被熱処理物品10のY方向両側に配置される第2クランプ手段73がY方向について対称形状の構造となっているため、一方の側の第2クランプ手段73だけを示している。
クランプ装置20の作業テーブル21に固定されているベース部材71には昇降部材72が取り付けられ、昇降部材72の上面に第2クランプ手段73のクランプ本体77が設置されている。ベース部材71への昇降部材72の取り付けは、ベース部材71に上下方向に長く形成されている長孔71Aにボルトである締結具74を挿入し、この締結具74を昇降部材72のねじ孔に螺入することによってなされているため、締結具74を緩めて昇降部材72を昇降させることにより、第2クランプ手段73の高さ位置が調整される。
第2クランプ手段73の下クランプ部材となっているクランプ本体77の上側には、第2クランプ手段73の上クランプ部材となっている押え部材79が配置され、この押え部材79は、被熱処理物品10とは反対側の端部の軸80でクランプ本体77に上下に揺動自在に取り付けられている。また、クランプ本体77には屈曲リンク部材81の下端が軸83で連結され、この屈曲リンク部材81の上端には、クランプ本体77に軸84で揺動自在に取り付けられているシリンダ85のピストンロッド85Aが軸86で連結されている。このシリンダ85は油圧シリンダでもよく、エアシリンダでもよい。押え部材79の長さ方向の途中部と、屈曲リンク部材81の屈曲部とは連結リンク部材87で連結され、押え部材79と連結リンク部材87との接続は軸88でなされ、屈曲リンク部材81と連結リンク部材87との接続は軸89でなされている。
さらに、第2クランプ手段73には、被熱処理物品10のフランジ部13をルーズにクランプするために必要とされる押え部材79とクランプ本体77との間の隙間82を確保する隙間確保手段90が設けられている。本実施形態における隙間確保手段90は、クランプ本体77に下向きに螺入されたボルト91と、このボルト91をクランプ本体77に対してロックするためのロックナット92とを備えて構成されている。図9で示されているように、押え部材79の下面の受け部79Aがボルト91の頭部91Aに当接することにより、押え部材79とクランプ本体77との間に、フランジ部13の厚さよりも大きい隙間82ができる。
図10で示しているように、シリンダ85のピストンロッド85Aが縮み作動したときは、押え部材79は、屈曲リンク部材81と連結リンク部材87の作用のために軸80を中心に大きく開き回動する。このように押え部材79が開き回動したときに、焼入れされる被熱処理物品10のクランプ装置20へのセット作業がなされる。また、図9で示すように、シリンダ85のピストンロッド85Aが伸び作動したときには、押え部材79は、クランプ本体77との間に隙間82を開けてフランジ部13をルーズにクランプする位置まで閉じ回動し、この隙間82の大きさは隙間確保手段90で設定されている大きさとなる。このようにフランジ部13が第2クランプ手段73でルーズにクランプされたときに、被熱処理物品10についての焼入れ作業がなされる。そして、ピストンロッド85Aの縮み作動によって押え部材79が開き回動したときに、言い換えると、押え部材79によるクランプが解除されたときに、焼入れされた被熱処理物品10はクランプ装置20から取り出される。
シリンダ85のピストンロッド85Aの伸び作動によって押え部材79が軸80を中心に閉じ回動した際、屈曲リンク部材81と連結リンク部材87の作用により、ピストンロッド85Aの同じ伸び量に対する押え部材79の回動量は、次第に小さくなる。屈曲リンク部材81と連結リンク部材87は、第2クランプ手段73を構成しているトグル機構において、ピストンロッド85Aからの荷重を押え部材79に次第に大きくして伝達するための部材となっているため、押え部材79がフランジ部13の上面を下向きに押圧したときには、この押え部材79がフランジ部13をルーズにクランプするためのクランプ力は、大きくなっている。
したがって、図9及び図10では示されていないタイトクランプ手段である第1クランプ手段と、第2クランプ手段73とで、前述したように、被熱処理物品10をクランプ装置20に定置セットする際、被熱処理物品10を上側へ湾曲凸変形させるための大きな荷重を第2クランプ手段73に生じさせることができる。また、第1クランプ手段も第2クランプ手段73と同様なトグル機構の構造で構成することにより、この第1クランプ手段にも、被熱処理物品10を上側へ湾曲凸変形させるための大きな荷重を生じさせることができる。
図11は、押え部材79がフランジ部13をルーズにクランプしているときにおける第2クランプ手段73の一部拡大図である。フランジ部13が押え部材79からの荷重でルーズにクランプされたときには、フランジ部13からの反力として、押え部材79には、軸80を中心に押え部材79を上向きに回動させようとする上向き力Fが作用する。この上向き力Fは、押え部材79と連結リンク部材87との連結部である軸88において、連結リンク部材87を軸89を中心に回動させるための力となるが、押え部材79がフランジ部13をルーズにクランプしたときにおける連結リンク部材87の向きは、連結リンク部材87の上端の軸89の位置が、軸88に作用する上向き力Fを基準として被熱処理物品10側の位置となっている向きであるため、連結リンク部材87が上向き力Fで軸89を中心に被熱処理物品10側へ回動することはない。
このため、押え部材79がフランジ部13をルーズにクランプした後は、押え部材79がフランジ部13からの反力によって軸80を中心に開き回動することはなく、したがって、たとえシリンダ85のピストンロッド85Aを伸び作動させている圧力流体の圧力を解除しても、押え部材79によるフランジ部13のルーズクランプ状態を維持することができる。また、第2クランプ手段73をシリンダを用いない手動式とした場合には、軸80を中心に手動で回動操作されるレバーとなる押え部材79に、押え部材79がフランジ部13をルーズにクランプした後は、手動操作力を加え続ける必要がない。
また、この実施形態の第2クランプ手段73は、押え部材79がフランジ部13をルーズにクランプしたときにおける押え部材79とクランプ本体77との間の隙間82を確保するための図9及び図10で示した隙間確保手段90を備えており、この手段90は、ボルト91とロックナット92を備えて構成されたものとなっているため、ロックナット92を緩めてボルト91を回転させることにより、フランジ部13が挿入配置される隙間82の大きさを調整することができる。このため、この隙間82の大きさを、被熱処理物品10の焼入領域14を前記加熱装置で加熱したときに生ずる被熱処理物品10の前述した湾曲変形量と対応する適切な大きさに調整することができる。
さらに、第2クランプ手段73は、長孔71Aで高さ位置が変更可能な昇降部材72に取り付けられているため、フランジ部13をルーズクランプするための第2クランプ手段73のクランプ位置をZ方向に調整することができる。このため、例えば、フランジ部13をタイトにクランプするための図示しない第1クランプ手段におけるクランプ位置を、長孔71Aと同様な手段又は他の手段によってZ方向に調整可能とすることにより、Z方向の位置がX方向に変化する各種形状の被熱処理物品についての焼入れ作業を、同じクランプ装置20を用いて行えることになり、また、被熱処理物品10を第1クランプ手段と第2クランプ手段73とでクランプしたときにおいて、被熱処理物品10の前記反り変形をなくす又は少なくするために必要となる被熱処理物品10の前記湾曲凸変形量の大きさを調整することもできる。
なお、第1クランプ手段と第2クランプ手段73におけるフランジ部13をクランプするためのクランプ位置をZ方向に調整可能とすることは、上記長孔71Aによる方式を採用せず、作業テーブル21の上に、クランプ本体77が上面に設置されたベース部材を取り付け、取り外し可能に配置し、これらのベース部材と作業テーブル21との間に厚さが異なるシム等によるスペーサを介在させることによっても達成できる。この方式によると、水平方向に対する平行度を確保しながらそれぞれのクランプ手段の高さ位置を変更できる。
図12は、タイトクランプ手段である第1クランプ手段222と、ルーズクランプ手段である複数の第2クランプ手段223とによって被熱処理物品10をクランプするときにおけるクランプの順番に関する実施形態を示す。
この実施形態のクランプ装置220も、これまで説明した実施形態と同じく、作業テーブル221にそれぞれのクランプ手段222,223が設置されたものとなっている。また、それぞれのクランプ手段222,223は、被熱処理物品10の非焼入領域となっているフランジ部13を上クランプ部材と下クランプ部材とでクランプするクランプ部222A,223Aと、不動部材となっている下クランプ部材に対して上クランプ部材を開閉させる駆動部222B,223Bとからなり、駆動部222B,223Bは、エアシリンダによって形成されている。駆動部222B,223Bへのエアの給排によってエアシリンダのピストンロッドが往復動し、これにより、レバー式となっている上クランプ部材が被熱処理物品10をクランプ、クランプ解除するための回動を行う。このため、この実施形態のクランプ手段222,223は自動クランプ手段となっている。
それぞれのクランプ手段222,223は、制御装置240に一対のエア給排管241、242で接続されており、この制御装置240は、電磁式切替弁部240Aと、リレーやタイマー等で形成され、切替弁部240Aの作動を制御する制御部240Bとを備えており、一対のエア給排管241、242でクランプ手段222,223と接続されている切替弁部240Aには、エアコンプレッサー243から圧縮エアが供給されている。切替弁部240Aは、上記エアシリンダのピストンロッドに往復動を行わせるために、エア給排管241、242のうちの一方によるエアシリンダへの圧縮エアの供給と、他方によるエアシリンダからの圧縮エアの排出との切り替えを行い、この切り替えはそれぞれのクランプ手段222,223ごとに行われる。また、クランプ部222A,223Aの上クランプ部材を下クランプ部材に対して閉じ回動させる切替弁部240Aの切り替えは、言い換えると、クランプ部222A,223Aに被熱処理物品10をクランプさせる切替弁部240Aの作動は、制御部240Bのタイマーで設定された順番にしたがい、第1クランプ手段222と第2クランプ手段223との間、及びX方向に複数個配設されている第2クランプ手段223同士の間において、時間差をもって行われる。
これを具体的に説明すると、それぞれのクランプ手段222,223の不動部材となっている下クランプ部材の上に被熱処理物品10が載置された後、操作装置244から作業開始信号を制御装置240の制御部240Bに入力すると、切替弁部240Aは、制御部240Bのタイマーからの信号にしたがい、最初に第1クランプ手段222に被熱処理物品10をクランプさせ、次に、X方向に複数個配設されている第2クランプ手段223のうち、第1クランプ手段222に最も近い第2クランプ手段223に被熱処理物品10をクランプさせ、この後、第1クランプ手段222に2番目に近い第2クランプ手段223に被熱処理物品10をクランプさせ、このようにして、複数個の第2クランプ手段223による被熱処理物品10のクランプは、第1クランプ手段222に近い順番にしたがって行われる。
全部のクランプ手段222,223によって被熱処理物品10がクランプされたときには、被熱処理物品10は、前述した実施形態と同じく、これらのクランプ手段222,223から、隆起部11の隆起方向である上側へ被熱処理物品10が湾曲凸変形する荷重を受けている。また、全部のクランプ手段222,223で被熱処理物品10がクランプされた後、図12では図示されていない高周波電流誘導加熱式の加熱装置により、被熱処理物品10の焼入領域が被熱処理物品10の表側から加熱され、次いで、この焼入領域が、冷却液流通管から噴出する冷却液によって被熱処理物品10の裏側から急冷される。
この後、制御装置240の制御部240Bのタイマーで設定されている所定時間が経過すると、言い換えると、前記操作装置244から作業開始信号が制御部240Bに入力してから所定時間が経過した後、切替弁部240Aは、制御部240Bからの信号により、全部のクランプ手段222,223に被熱処理物品10のクランプを解除させる作動を行い、これにより、被熱処理物品10はクランプ解除される。
この実施形態によると、タイトクランプ手段である第1クランプ手段222が被熱処理物品10をクランプした後、被熱処理物品10の長手方向であるX方向に複数配設されている第2クランプ手段223は、第1クランプ手段222に近い順番にしたがって被熱処理物品10を順次クランプするため、言い換えると、第1クランプ手段222が配置されたX方向の一方の端部から他方の端部に向かってこれらの第2クランプ手段222は被熱処理物品10を順次クランプし、この順番はX方向にしたがった順番となっているため、それぞれのクランプ手段222,223から被熱処理物品10に、Z方向の一方の側であって加熱装置が配置された側となっている隆起部11の隆起方向へ被熱処理物品10を湾曲凸変形させる荷重を付与するための作業を、被熱処理物品10に無理な荷重がかからずに円滑に行えることになる。
なお、この実施形態では、第1クランプ手段222も制御装置240で制御されていたが、第1クランプ手段222を手動式クランプ手段とし、被熱処理物品10をクランプする順番が制御装置で制御されるクランプ手段を、第2クランプ手段だけとしてもよい。しかし、第1クランプ手段も制御装置で制御されるようにすると、被熱処理物品10に、上記のように無理な荷重がかからずに湾曲凸変形させるための荷重を付与する作業を自動化して行えることになる。
図13〜図17は、第1クランプ手段及び第2クランプ手段の上クランプ部材と下クランプ部材とが、それぞれ別の部材に配置され、上クランプ部材に対する下クランプ部材の昇降により、被熱処理物品10のクランプ、クランプ解除が自動的になされるようになっているクランプ装置100の実施形態を示す。
図13で示すとおり、この実施形態に係るクランプ装置100は、柱や水平梁等の組み合わせで形成された枠状本体101と、この枠状本体101に上向きに設置された油圧シリンダ102に取り付けられている昇降部材103と、昇降部材103の真上において枠状本体101に結合された不動部材104とを備えている。第1クランプ手段112のそれぞれブロック状に形成されている上クランプ部材114と下クランプ部材115は、これらの不動部材104と昇降部材103に分離して配設され、第2クランプ手段113のそれぞれ板状に形成されている上クランプ部材116と下クランプ部材117も、不動部材104と昇降部材103に分離して配設されている。被熱処理物品10は、レール118に案内されて走行する走行体119に設けられた受け部119A,119Bに載せられ、走行体119が、支柱118Aで高位置に設置されているレール118に案内されて昇降部材103及び不動部材104の配置位置まで走行して停止すると、図14に示されているように、昇降部材103は油圧シリンダ102で上昇を開始する。
図16は、図14のS16−S16線断面図を示している。この図16で示されているように、第2クランプ手段113の下クランプ部材117の上部には、下向きに延びるにしたがいY方向内側へ延びる案内部117Aが形成され、この案内部117Aの下部が窪み部117Bとなっている。このため、上述のように昇降部材103により下クランプ部材117が上昇すると、走行体119の受け部119A,119Bに載せられていた被熱処理物品10のフランジ部13は、案内部117Aの案内作用により、Y方向に並設されている2個の下クランプ部材117に対してY方向へ位置決めされながら、窪み部117Bに落ち込むことになる。
これにより、被熱処理物品10は、第1クランプ手段112と第2クランプ手段113のそれぞれの下クランプ部材115,117に載置セットされ、走行体119の受け部119A,119Bから受け渡されるこの被熱処理物品10の下クランプ部材115,117への載置セットは、昇降部材103による下クランプ部材115,117の上昇途中でなされる。
また、被熱処理物品10が下クランプ部材115,117に載置セットされたとき、昇降部材103に取り付けられている図13で示す冷却装置の冷却液流通管120は、図14で示されているとおり、被熱処理物品10の裏側から隆起部11の内部に侵入する。また、昇降部材103には、図13で示すように、先細り状の位置決めピン121が支柱122を介して上向きに取り付けられているため、図2及び図3で示されているように、被熱処理物品10にこの物品10の機能上必要なために形成されている孔10Aに位置決めピン121が挿入し、これにより、被熱処理物品10はX方向に位置決めされる。
この後、さらに昇降部材103が上昇すると、昇降部材103が最高位置に達したときを示している図15のS17−S17線断面図である図17に示すように、第2クランプ手段113の上クランプ部材116の下部に形成されている傾斜部116Aが下クランプ部材117の案内部117Aに係合し、これにより、これらの上下のクランプ部材116,117のY方向の位置決めがなされるとともに、図15で示すように、フランジ部13は第1クランプ手段112の上下のクランプ部材114,115で挟着固定され、また、フランジ部13は、図17で示すように、第2クランプ手段113の上下のクランプ部材116,117によってルーズにクランプされる。このルーズのクランプは、上クランプ部材116の傾斜部116Aの下部に突設されている突部116Bが下クランプ部材117の窪み部117Bに挿入したとき、突部116Bの先端面と窪み部117Bの底面との間に、フランジ部13の厚さよりも大きい隙間123が生じることによりなされる。
また、このようにフランジ部13が第1クランプ手段112と第2クランプ手段113とでクランプされたとき、図3〜図6の実施形態のクランプ装置20と同じく、これらのクランプ手段112,113により、被熱処理物品10を隆起部11の隆起方向へ湾曲凸変形させる荷重がフランジ部13に付与されている。
この実施形態において、被熱処理物品10を湾曲凸変形させるための荷重の調整は、昇降部材103と、第1クランプ手段112及び第2クランプ手段113の下クランプ部材115,117との間や、不動部材104と、第1クランプ手段112及び第2クランプ手段113の上クランプ部材114,116との間に、厚さの異なるシムを介入することにより行われる。
上述のように第1クランプ手段112と第2クランプ手段113とで被熱処理物品10がクランプされたときには、不動部材104に取り付けられている加熱装置124が被熱処理物品10の上にセットされた状態となっており、この加熱装置124の高周波電流による誘導加熱によって被熱処理物品10の焼入領域14が加熱され、また、被熱処理物品10は冷却液流通管120から噴出する冷却液で冷却される。
このようにして焼入領域14の焼入作業が終了した後、油圧シリンダ102によって昇降部材103は下降し、この下降の途中において被熱処理物品10は走行体119の受け部119A,119Bに受け渡される。次いで、被熱処理物品10は、走行体119の走行によって塗装工程等の次工程に送られる。
この実施形態のクランプ装置100によると、被熱処理物品10を第1クランプ手段112と第2クランプ手段113でクランプする位置まで搬入する作業と、焼入作業が終了した被熱処理物品10を次工程へ搬出する作業とを、走行体119の走行によって自動作業として行えることになり、作業性が向上する。
また、この実施形態のクランプ装置100によると、加熱装置124は、昇降しない不動部材104に取り付けられているため、大型の加熱装置124自体及びこの加熱装置124と電源装置とを繋ぐ電気ケーブル等を昇降させない構成とすることができ、このため、クランプ装置100全体の構造を簡単化できる。
図18及び図19の実施形態に係るクランプ装置130は、図13〜図17の実施形態のクランプ装置100と比較すると、このクランプ装置100におけるレール118と走行体119が省略され、これに代わり、枠状本体131の床部に敷設されたレール132に案内されて走行する走行体133が採用され、この走行体133に、昇降部材103を昇降させるための油圧シリンダ102が設置されている。これ以外の構造はクランプ装置100と同じである。
この実施形態に係るクランプ装置130では、走行体133が枠状本体131の外部に達しているときに、被熱処理物品10は第1クランプ手段112及び第2クランプ手段113の下クランプ部材115,117に載置セットされ、図18に示すとおり、走行体133の走行によって昇降部材103が不動部材104の真下に達した後、図19に示されているように、昇降部材103が油圧シリンダ102によって最高位置まで上昇する。これにより、被熱処理物品10のフランジ部13が、第1クランプ手段112と第2クランプ手段113でクランプされる。
このように、この実施形態では、下クランプ部材115,117への被熱処理物品10の載置セットは、油圧シリンダ102で昇降部材103及び下クランプ部材115,117が上昇を開始するよりも前になされる。このため、この実施形態によると、図13〜図17の実施形態と異なり、昇降部材103の上昇途中の高さ位置において、被熱処理物品10を載置するための受け部119A,119Bを備えた走行体119を待機させておくという複雑な構造は不要になり、クランプ装置130全体の構造を簡単化できる。
図20及び図21は、図13〜図17の実施形態と図18及び図19の実施形態のように、第1クランプ手段及び第2クランプ手段の上クランプ部材と下クランプ部材とが、不動部材と昇降部材とに分離して配設されている場合における別実施形態を示す。
図20で示されているように、下クランプ部材137に設けたブラケット137Aに、押え部材138が軸138Aを中心に上下揺動自在に取り付けられ、押え部材138に油圧シリンダ139が連結されている。このため、図示外の昇降部材に配設されている下クランプ部材137に被熱処理物品10が載置セットされることは、図20で示されているとおり、被熱処理物品10のフランジ部13が、下クランプ部材137と押え部材138とで挟着固定されることによりなされる。
図21で示されている上クランプ部材136は、押え部材138に対してX方向へずれて図示外の不動部材に配設されており、上記昇降部材が最高位置まで上昇すると、この図21で示すように、上クランプ部材136の下面がフランジ部13に当接し、この後、押え部材138は油圧シリンダ139により軸138Aを中心に上向きに揺動し、フランジ部13の挟着固定を解除する。これにより、フランジ部13は上クランプ部材136と下クランプ部材137とでクランプされる。
図20及び図21で示されている上下のクランプ部材136,137は、フランジ部13をルーズにクランプする第2クランプ手段のものであるため、フランジ部13のクランプ時において、上クランプ部材136の下面と下クランプ部材137の上面との間には、フランジ部13の厚さよりも大きい隙間140が生じている。
この実施形態によると、被熱処理物品10を上クランプ部材136と下クランプ部材137とでクランプするまでの間は、押え部材138でフランジ部13を下クランプ部材137に確実に押えておくことができる。
なお、図20で示すように、油圧シリンダ139で揺動する押え部材138を下クランプ部材137に設けることは、第1クランプ手段についても行え、また、第1クランプ手段と第2クランプ手段のうちのいずれか一方だけについても行える。
図22は、ルーズクランプ手段となっている第2クランプ手段の上クランプ部材と下クランプ部材とが不動部材と昇降部材とに分離して配設されている場合において、これらの上クランプ部材と下クランプ部材によるルーズクランプ位置をターンバックル式調整手段でZ方向に調整できる実施形態を示す。
上クランプ部材146は、長ナット148で連結された右ねじ軸149と左ねじ軸150とで構成され、下クランプ部材147も、長ナット151で連結された右ねじ軸152と左ねじ軸153とで構成されている。下クランプ部材147は図示外の昇降部材に取り付けられ、この下クランプ部材147の左ねじ軸153の上端に形成されている受け部153Aに被熱処理物品10のフランジ部13が載置セットされる。昇降部材によって下クランプ部材147が、図示外の不動部材に取り付けられている上クランプ部材146に向って最高位置まで上昇すると、図22で示されているとおり、フランジ部13が、受け部153Aと、上クランプ部材146の右ねじ軸149の下端に形成されている押え部149Aとでルーズにクランプされる。
上クランプ部材146の長ナット148及び下クランプ部材147の長ナット151を、右ねじ軸149,152及び左ねじ軸150,153の回転を止めながら回転させることにより、上クランプ部材146と下クランプ部材147の上下長さが変更され、この結果、受け部153Aと押え部149Aの高さ位置が変更され、フランジ部13がルーズにクランプされるZ方向の位置が調整される。このため、フランジ部13が第1クランプ手段と第2クランプ手段とでクランプされたときにおいて、隆起部11の隆起方向への被熱処理物品10の湾曲凸変形量を調整できることになる。
なお、このようなターンバックル式の調整手段は、昇降部材による下クランプ部材147の最高位置を変更可能とすることにより、上クランプ部材146と下クランプ部材147のうちの一方だけに採用してもよい。
そして、第1クランプ手段と第2クランプ手段の上クランプ部材と下クランプ部材の長さ調整のためにも、上述のようなターンバックル機構を採用することができる。これによると、それぞれのクランプ手段における被熱処理物品の非焼入領域をクランプする位置をZ方向に調整できることになり、これにより、非焼入領域のZ方向の位置がX方向において変化している各種形状の被熱処理物品に対して同じクランプ装置を共通使用できることになり、クランプ装置は汎用性を有することになる。
また、上述のようなターンバックル機構によるZ方向の長さ調整手段は、各種の構造で構成されているルーズクランプ手段としての第2クランプ手段の上クランプ部材と下クランプ部材のうちの少なくとも一方の長さ調整のためにも、採用することもできる。これによると、ルーズクランプ手段における被熱処理物品の非焼入領域が挿入配置される隙間の大きさを調整できることになり、これにより、この隙間の大きさを、焼入領域が加熱されたときにこの焼入領域の側が凸側となって生ずる被熱処理物品の湾曲変形の量に対して適切な大きさに設定することが可能になり、また、湾曲変形量が異なる各種の被熱処理物品に対しても対応できることになる。
図24及び図25は、図23で示す被熱処理物品160の焼入領域164を加熱した後に、この焼入領域164を被熱処理物品160の裏側から冷却した場合に生ずるY方向についての被熱処理物品160の反り変形の発生をなくす又は低減するための実施形態に係るクランプ装置170を示す。
図23に示されているとおり、鋼板のプレス成形品である被熱処理物品160は、図2の被熱処理物品10と同様に、長手方向であるX方向へ延びる長さを有するとともに、X方向と直交する幅方向であるY方向の途中に、X方向とY方向とに直交するZ方向に隆起した隆起部161が設けられた3次元形状を有し、また、隆起部161におけるY方向の両側の隆起基端部162からY方向の外側へ延びる2個のフランジ部163を備えている。
隆起部161はX方向へ連続的に延びているとともに、この隆起部161のY方向の寸法は、図2の隆起部11と異なり、X方向について同じになっている。また、被熱処理物品160の焼入領域164は、図2の焼入領域14と同様に、隆起部161の一部においてY方向に2個画定され、それぞれX方向へ延設されている焼入領域164と非焼入領域165とがY方向に並設されている。
図24は、クランプ装置170のうち、非焼入領域165となっているフランジ部163のX方向における一方の端部を挟着固定するタイトクランプ手段となっている第1クランプ手段172を示し、図25は、第1クランプ手段172からX方向の他方の端部の側へ配設されているルーズクランプ手段となっている第2クランプ手段173を示す。2個のフランジ部163ごとに配設されている第1クランプ手段172の個数は、X方向において、1個であり、第2クランプ手段173のX方向の個数は複数個であり、これらの第2クランプ手段173はX方向に分離している。
第1クランプ手段172及び第2クランプ手段173の基本構造は、図5及び図6で説明した第1クランプ手段22及び第2クランプ手段23と同じである。
すなわち、図24に示すように、第1クランプ手段172は、クランプ本体174と、このクランプ本体174の上面に取り外し可能な締結具176Aで締結される押え部材175とで構成され、フランジ部163は、クランプ本体174と押え部材175とで挟着固定される。また、図25に示すように、第2クランプ手段173は、クランプ本体177と、このクランプ本体177に連結部材を介して連結された押え部材179とで構成され、押え部材179は、連結部材に対して軸180を中心に上下に揺動自在となっているとともに、押え部材179と連結部材とに形成されている孔を一致させ、これらの孔にピン181を挿入することにより、押え部材179は、クランプ本体177に対して、フランジ部163の厚さよりも大きいZ方向の隙間182を開けて上下に対向する。
第1クランプ手段172の図24で示す押え部材175は、被熱処理物品160の隆起基端部162まで達するに充分なY方向の長さを有し、第2クランプ手段173の図25で示す押え部材179も、被熱処理物品160の隆起基端部162まで達するに充分なY方向の長さを有する。このため、図24及び図25で示すように、フランジ部163が第1クランプ手段172と第2クランプ手段173とでクランプされたとき、図24及び図25の2点鎖線で示されている無負荷の自然状態における被熱処理物品160’と比較すると、被熱処理物品160のY方向両側の2個の隆起基端部162は、Y方向の内側へ押圧変位されている。
そして、このように押え部材175,179からの荷重により2個の隆起基端部162が押圧変位されている方向は、隆起部161の内外のうち、冷却装置の冷却液流通管192が配置されている隆起部161の内側である。
焼入作業のため、加熱装置190で被熱処理物品160の焼入領域164が、焼入領域164における被熱処理物品160の厚さの全体について同じ又は略同じ高温まで加熱され、この後、この厚さ内における裏側の厚さ部分が、隆起部161の内側に配置されている冷却液流通管192から噴出する冷却液で冷却されると、前述したように、表側の厚さ部分で生ずる圧縮降伏のため、隆起部161の開口部を広げようとする前述したY方向の反り変形が、本来は、被熱処理物品160に生じてしまう。
しかし、本実施形態では、2個の隆起基端部162がこの反り変形とは逆側へ押圧変位されながら焼入作業がなされるため、クランプ装置170によるクランプが解除されたときの被熱処理物品160にY方向の反り変形が生じているのをなくす又は低減できる。
このようなY方向反り変形発生抑制手段は、押え部材175,179の先端が被熱処理物品160の隆起基端部162を隆起部161の内側へ押圧変位させるものとなっているため、第1クランプ手段と第2クランプ手段とがこの反り変形発生抑制手段を備えているクランプ装置を、図2で示す被熱処理物品10のクランプのためにそのまま適用すると、この被熱処理物品10の隆起部11のY方向の幅は、加熱による熱膨張によってフランジ部13が動こうとするX方向の一方の側へ先細りとなっているため、この動きが阻止されてしまう問題がある。
しかし、第1クランプ手段と第2クランプ手段とが上記反り変形発生抑制手段を備えているクランプ装置によって図2で示す被熱処理物品10をクランプする場合に、このクランプ装置における第1クランプ手段と第2クランプ手段の配置位置を、X方向において、図3及び図4におけるクランプ装置20の第1クランプ手段22と第2クランプ手段23の配置位置とは反対側とすることにより、上記問題を解消することができる。したがって、上記反り変形発生抑制手段は、図2の被熱処理物品10をクランプするためのクランプ装置にも適用できる。
また、図24及び図25における反り変形発生抑制手段は、図7及び図8で説明したクランプ装置、図9〜図11で説明したクランプ装置、図12で説明したクランプ装置、図13〜図17で説明したクランプ装置、図18及び図19で説明したクランプ装置、図20及び図21で説明したクランプ装置、図22で説明したクランプ装置のそれぞれにも適用できる。
さらに、図12で説明したそれぞれのクランプ手段による被熱処理物品のクランプの順番は、図3〜図6で説明したクランプ装置、図7及び図8で説明したクランプ装置、図9〜図11で説明したクランプ装置、図13〜図17で説明したクランプ装置、図18及び図19で説明したクランプ装置、図20及び図21で説明したクランプ装置、図22で説明したクランプ装置、図24及び図25で説明したクランプ装置のそれぞれにも適用できる。
本発明は、例えば、四輪車両の細長形状物品であるセンターピラー用補強部材のように、その長手方向に熱処理領域と非熱処理領域とが延設画定されていて、幅方向に熱処理領域と非熱処理領域とが並設されている被熱処理物品を熱処理する際に、この被熱処理物品をクランプするために利用することができる。
本発明の一実施形態に係るクランプ装置でクランプされるセンターピラー用補強部材が使用されている四輪車両のサイドパネルの一部を示す拡大図である。 被熱処理物品であるセンターピラー用補強部材の全体を示す斜視図である。 センターピラー用補強部材を被熱処理物品としてクランプするクランプ装置の全体を示す斜視図である。 図3のクランプ装置の正面図である。 図4のS5−S5線断面図である。 図4のS6−S6線断面図である。 被熱処理物品のクランプ、クランプ解除を自動化して行える実施形態の第1クランプ手段を示す図5と同様の図である。 被熱処理物品のクランプ、クランプ解除を自動化して行える実施形態の第2クランプ手段を示す図6と同様の図である。 第2クランプ手段がトグル機構の構造となっている実施形態を示す図であって、被熱処理物品の幅方向の両側に配置される第2クランプ手段のうちの一方を示す図である。 図9の実施形態の第2クランプ手段がクランプを解除したときを示す図である。 図9の一部拡大図である。 ルーズクランプ手段である複数個の第2クランプ手段による被熱処理物品のクランプの順番を、タイトクランプ手段である第1クランプ手段に近い順番とする実施形態を示す平面図である。 第1クランプ手段と第2クランプ手段の上下のクランプ部材が昇降部材と不動部材とに分かれて配設されている実施形態のクランプ装置を示す正面図である。 図13のクランプ装置において、昇降部材の上昇途中を示す正面図である。 図13のクランプ装置において、昇降部材が最高位置に達して被熱処理物品が第1クランプ手段と第2クランプ手段でクランプされたときを示す正面図である。 図14のS16−S16線断面図である。 図15のS17−S17線断面図である。 昇降部材の上昇開始前から、第1クランプ手段及び第2クランプ手段の下クランプ部材に被熱処理物品が載置セットされている実施形態のクランプ装置を示す正面図であって、昇降部材が上昇する前を示す図である。 図18のクランプ装置において、昇降部材が最高位置に達して被熱処理物品が第1クランプ手段と第2クランプ手段でクランプされたときを示す正面図である。 第1クランプ手段と第2クランプ手段の上下のクランプ部材が昇降部材と不動部材とに分かれて配置されている場合における別実施形態を示す図であって、昇降部材が最高位置に達する前の図である。 図20の実施形態において、昇降部材が最高位置に達したときの図である。 第2クランプ手段の上クランプ部材と下クランプ部材によるルーズクランプ位置をターンバックル式調整手段で高さ方向に調整できる実施形態を示す図である。 被熱処理物品の幅方向についての反り変形発生抑制手段を備えたクランプ装置によってクランプされる被熱処理物品の全体を示す斜視図である。 図23の被熱処理物品をクランプするクランプ装置の第1クランプ手段を示す図5と同様の図である。 図23の被熱処理物品をクランプするクランプ装置の第2クランプ手段を示す図6と同様の図である。
符号の説明
10,160 被熱処理物品
11,161 隆起部
12,162 隆起基端部
13,163 フランジ部
14,164 熱処理領域である焼入領域
15 ,165非熱処理領域である非焼入領域
20,100,130,170,220 クランプ装置
21,221 作業テーブル
22,52,112,172,222 タイトクランプ手段である第1クランプ手段
23,53,73,113,173,223 ルーズクランプ手段である第2クランプ手段
32,82,123,140,154,182 隙間
40,124,190 加熱装置
42,120,192 冷却装置である冷却液流通管
103 昇降部材
104 不動部材
114,116,136、146 上クランプ部材
115,117,137,147 下クランプ部材
240 制御装置

Claims (7)

  1. 長手方向と幅方向とに直交する方向における一方の側に配置された加熱装置による加熱後に他方の側に配置された冷却装置によって冷却されることで熱処理される少なくとも1個の熱処理領域と、熱処理されない少なくとも1個の非熱処理領域との両方が前記長手方向へ延設画定されていて、これらの熱処理領域と非熱処理領域とが前記長手方向と直交する前記幅方向に並設されている細長形状の被熱処理物品について、熱処理作業時に前記非熱処理領域においてクランプするための被熱処理物品用クランプ装置であって、前記被熱処理物品の長手方向に配設された複数個のクランプ手段を有し、これらのクランプ手段は、前記被熱処理物品を前記一方の側へ湾曲凸変形させるための荷重を前記非熱処理領域に付与する被熱処理物品用クランプ装置において、
    前記熱処理領域の前記幅方向の両側に前記非熱処理領域が設けられているとともに、前記複数個のクランプ手段はこれらの非熱処理領域ごとに設けられており、
    前記複数個のクランプ手段が前記非熱処理領域をクランプする順番を制御するための制御装置を備え、この制御装置による前記順番は前記長手方向にしたがった順番となっており、
    前記複数個のクランプ手段のうちの1個のクランプ手段は、前記非熱処理領域を挟着固定するタイトクランプ手段であり、他のクランプ手段は、前記熱処理領域の側が凸側となって前記被熱処理物品が湾曲変形するのを許容するルーズクランプ手段となっており、前記制御装置による前記順番は、先に前記タイトクランプ手段に前記非熱処理領域をクランプさせ、次いで前記ルーズクランプ手段に前記非熱処理領域をクランプさせる順番となっており、
    前記タイトクランプ手段は前記長手方向の一方の端部に配置され、前記ルーズクランプ手段の個数は、このタイトクランプ手段から間隔を開けて前記長手方向に配設された複数個となっており、
    これらのルーズクランプ手段は、前記タイトクランプ手段に近い順番にしたがって前記非熱処理領域をクランプすることを特徴とする被熱処理物品用クランプ装置。
  2. 請求項1に記載の被熱処理物品用クランプ装置において、前記複数個のクランプ手段のそれぞれにおける前記非熱処理領域をクランプする位置が、前記長手方向と前記幅方向とに直交する方向に調整可能となっていることを特徴とする被熱処理物品用クランプ装置。
  3. 請求項1又は2に記載の被熱処理物品用クランプ装置において、前記ルーズクランプ手段には、前記長手方向への前記非熱処理領域の動きを円滑にするための動き円滑手段が設けられ、この動き円滑手段が、前記ルーズクランプ手段の構成部材に対して行われた焼入れによる硬化処理と研磨加工によるものとなっていることを特徴とする被熱処理物品用クランプ装置。
  4. 請求項1又は2に記載の被熱処理物品用クランプ装置において、前記ルーズクランプ手段には、前記長手方向への前記非熱処理領域の動きを円滑にするための動き円滑手段が設けられ、この動き円滑手段が、前記ルーズクランプ手段の構成部材に対して行われたメッキ処理によるものとなっていることを特徴とする被熱処理物品用クランプ装置。
  5. 請求項1又は2に記載の被熱処理物品用クランプ装置において、前記ルーズクランプ手段には、前記長手方向への前記非熱処理領域の動きを円滑にするための動き円滑手段が設けられ、この動き円滑手段が、前記ルーズクランプ手段に取り付けられた回転部材となっていることを特徴とする被熱処理物品用クランプ装置。
  6. 請求項1又は2に記載の被熱処理物品用クランプ装置において、前記ルーズクランプ手段には、前記長手方向への前記非熱処理領域の動きを円滑にするための動き円滑手段が設けられ、この動き円滑手段が、前記ルーズクランプ手段に取り付けられた滑り摩擦が小さい部材となっていることを特徴とする被熱処理物品用クランプ装置。
  7. 長手方向と幅方向とに直交する方向における一方の側に配置された加熱装置による加熱後に他方の側に配置された冷却装置によって冷却されることで熱処理される少なくとも1個の熱処理領域と、熱処理されない少なくとも1個の非熱処理領域との両方が前記長手方向へ延設画定されていて、これらの熱処理領域と非熱処理領域とが前記長手方向と直交する前記幅方向に並設されている細長形状の被熱処理物品について、熱処理作業時に前記非熱処理領域においてクランプするための被熱処理物品のクランプ方法であって、前記被熱処理物品の長手方向に配設された複数個のクランプ手段により、前記被熱処理物品を前記一方の側へ湾曲凸変形させるための荷重を前記非熱処理領域に付与する被熱処理物品のクランプ方法において、
    前記熱処理領域の前記幅方向の両側に前記非熱処理領域が設けられているとともに、前記複数個のクランプ手段はこれらの非熱処理領域ごとに設けられており、
    前記複数個のクランプ手段のうちの1個のクランプ手段は、前記非熱処理領域を挟着固定するタイトクランプ手段であり、他のクランプ手段は、前記熱処理領域の側が凸側となって前記被熱処理物品が湾曲変形するのを許容するルーズクランプ手段となっており、
    前記複数個のクランプ手段によるクランプの順番が、前記長手方向の一方の端部に配置された前記タイトクランプ手段が先に前記非熱処理領域をクランプし、次いで、このタイトクランプ手段から間隔を開けて前記長手方向に配設された複数個となっている前記ルーズクランプ手段が、前記タイトクランプ手段に近い順番にしたがって前記非熱処理領域をクランプする順番となっていることを特徴とする被熱処理物品のクランプ方法。
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