JP4165856B2 - フランジ付き部品の製造方法並びに熱処理装置及び熱処理方法 - Google Patents

フランジ付き部品の製造方法並びに熱処理装置及び熱処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、周縁から張り出したフランジが形成されたフランジ付き部品の製造方法並びに熱処理装置及び熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、周縁から張り出したフランジが形成されたフランジ付き部品が様々な産業分野で使用されている。このようなフランジ付き部品の一例として、乗用車のセンターピラーレインフォースが挙げられる。このセンターピラーレインフォースは、車両が側面から衝突された場合にこの衝突力(衝撃力)を緩和して乗員を保護するためのものである。この衝突力を緩和するために、センターピラーレインフォースは焼入れされて硬化されるが、その全体を硬化するのではなくて、その一部分だけを硬化することにより衝突力を分散させて緩和することがある。
【0003】
ところで、センターピラーレインフォースは、一般に、プレス成型によって作製される。このプレス成型品などの被加工物を焼入れして硬化する技術として、種々の技術が提案されている(特開昭54−78311号公報、特開平4−72010号公報、特開平6−330165号公報、特開平10−17933号公報参照)。
【0004】
これらの公報のうち、特開昭54−78311号公報には、被加工物にレーザビームを照射して、この照射した部分を硬化する技術が開示されている。この技術によれば被加工物の一部だけを硬化できる旨が開示されている。
【0005】
また、特開平4−72010号公報には、プレス成型品のうち強度が必要とされる部分のみにレーザビームなどの高密度エネルギを照射し、この照射した部分を硬化する技術が開示されている。この技術によれば、上記の技術と同様に、被加工物の一部だけを硬化できる旨が開示されている。
【0006】
また、特開平6−330165号公報には、平板を焼入れし、その後、この平板をプレス成型する技術が開示されている。この技術によれば焼入れで生じた歪みはプレス成型によって消滅する旨が開示されている。
【0007】
また、特開平10−17933号公報には、プレス成型品の一部が硬度変化を呈するように焼入れする技術が開示されている。この技術によれば山形の硬度分布が形成されるので衝撃エネルギの吸収性が高まる旨が開示されている。
【0008】
ところで、上記した4件の公報のうち特開平6−330165号公報を除く3件に開示された技術では、焼入れ後に生じるであろう歪みがほとんど考慮されていない。従って、例えば薄板で作製したプレス成型品に上記の技術を適用した場合、このプレス成型品には相当量の歪みが発生するおそれがある。
【0009】
また、特開平6−330165号公報に開示された技術では、平板を焼入れた後にプレス成型するので平板が硬化しており、平板を曲げる程度には限界がある。
【0010】
そこで、センターピラーレインフォースなどのフランジ付き部品を焼入れする際に、クランプ装置を用いてフランジを固定する(クランプする)と共にこのフランジを強制的に弾性変形させる技術が開示されている(まてりあ第37巻第6号(1998)(Materia Japan))。この技術では、フランジ付き部品のフランジをクランプした状態で焼入れし、焼入れ後にクランプを外すとフランジ付き部品がスプリングバックするので、このときの変位量を記録しておく。次に、この変位とは逆向きになるようにフランジ付き部品を支える支柱の高さを調節して、フランジを弾性変形させてクランプしたうえで焼入れを行う。この焼入れ後にクランプを外すと、変位が無いフランジ付き部品が得られる。このような技術内容が上記の文献に記載されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、フランジを弾性変形させる上記の技術では、フランジを単に一定の間隔で固定する。この場合、フランジの形状によっては剛性の弱い部分があるので、この部分が折れるおそれがある。特に、薄板をプレス成型した部品には折れが発生し易い。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑み、薄板をプレス成型してフランジ付き部品を製造しても、折れも無く、且つ変形も抑えたフランジ付き部品を製造できるフランジ付き部品の製造方法、並びに熱処理装置及び熱処理方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明のフランジ付き部品の製造方法は、周縁から張り出したフランジが形成されたフランジ付き部品の製造方法において、
(1)所定の原材料をプレス成型して上記フランジ付き部品を形成し、
(2)このフランジ付き部品のフランジのうち予め決められた所定の第1部分のみに所定方向の外力を加えてこの第1部分を弾性変形させ、
(3)この第1部分を弾性変形させた状態で、上記フランジ付き部品のうち上記フランジ以外の所定の第2部分のみを焼入れし、
(4)この焼入れ後に上記外力を解除してフランジ付き部品を製造することを特徴とするものである。
【0014】
ここで、上記第1部分に外力を加える際に、
(5)上記第1部分の上面に上方から所定の接触部材を接触させるか、もしくは上記第1部分の下面に下方から上記接触部材を接触させ、
(6)上記接触部材が接触している面とこの接触部材との間に、上記所定方向の外力に対応する厚さのスペーサを挿入して上記第1部分にこの外力を加えてもよい。 また、上記第1部分及び上記所定方向を予め決める際に、
(7)所定の原材料をプレス成型して形成されたフランジ付き部品に外力を加えない状態で上記第2部分のみを焼入れし、
(8)この焼入れ後に、上記フランジの複数箇所における変形量及び変形方向を測定し、
(9)上記複数箇所のうちその変形量が所定量を超えた部分を上記第1部分として決めると共に、上記変形方向とは反対の方向を上記所定方向として決めてもよい。
【0015】
さらに、上記所定部分を弾性変形させる際に、
(10)上記フランジのうち上記第1部分以外の部分を、上記フランジ付き部品が焼入れされる以前の形状に倣って所定の支持部材で下から支えてもよい。
【0016】
さらにまた、上記フランジのうち上記第1部分以外の部分を上記支持部材で下から支える際に、
(11)上記第1部分以外の部分が移動するに伴ってこの部分と共に上記支持部材が移動するようにこの部分をこの支持部材で下から支えてもよい。
【0017】
さらにまた、上記フランジのうち上記第1部分以外の部分を上記支持部材で下から支える際に、
(12)この支えた部分から所定間隔だけ上方若しくは下方に離れた位置に、この支えた部分がこの位置よりも上方若しくは下方に移動すること禁止する禁止具を配置しておいてもよい。
【0018】
さらにまた、上記第2部分を焼入れする際に、
(13)上記第2部分の一端部及びこの一端部とは反対側の他端部近傍双方それぞれに電極を接触させると共に、上記第2部分に電流を流すための導電性部材を上記第2部分に近接させておき、
(14)上記導電性部材を流れる電流と上記第2部分を流れる電流が互いに引き寄せられる周波数の交流電流を上記導電性部材に流すことにより、上記第2部分を焼入温度に加熱してもよい。
【0019】
さらにまた、上記一端部及び上記他端部近傍双方にそれぞれ電極を接触させる際に、
(15)上記一端部及び上記他端部近傍が移動するに伴って上記一端部及び上記他端部近傍と共に上記電極が移動するようにこの電極を接触させてもよい。
【0020】
さらにまた、上記導電性部材を上記第2部分に近接させておく際に、
(16)絶縁性部材を介して上記導電性部材と上記第2部分とを接触させることにより上記導電性部材と上記第2部分との間隔を一定に保ってもよい。
【0021】
さらにまた、焼入温度に加熱された上記第2部分を冷却する際に、
(17)上記第2部分のうち上記電極が接触している面とは反対側の面から略均等な距離に位置する複数の噴射口から上記反対側の面に冷却液を噴射してもよい。
【0022】
さらにまた、所定の原材料をプレス成型してフランジ付き部品を形成する際に、
(18)所定方向に延びると共に横断面が鍔付きの帽子形であるフランジ付き部品を形成してもよい。
【0023】
さらにまた、所定の原材料をプレス成型してフランジ付き部品を形成する際に、
(19)フランジ付き部品として車両のセンターピラーレインフォースを形成してもよい。
【0024】
また、上記目的を達成するための本発明の熱処理装置は、周縁から張り出したフランジが形成されたフランジ付き部品を熱処理する熱処理装置において、
(20)上記フランジ付き部品のフランジのうち予め決められた所定の第1部分の上方もしくは下方からこの第1部分のみに接触する接触部材と、
(21)この接触部材とこの接触部材が接触している上記第1部分との間に挿入される所定厚さのスペーサと、
(22)上記フランジのうち上記第1部分以外の部分を、上記フランジの形状に倣って下から支える支持部材とを備えたことを特徴とするものである。
【0025】
ここで、
(23)上記支持部材は、上記フランジのうち上記第1部分以外の部分が移動するに伴ってこの部分と共に移動するものであってもよい。
【0026】
さらに、上記の熱処理装置は、
(24)フランジ付き部品のうち上記フランジ以外の所定の第2部分の一端部及びこの一端部とは反対側の他端部近傍双方それぞれに接触する電極と、
(25)上記第2部分に電流を流すための導電性部材とを備えてもよい。
【0027】
さらにまた、上記の熱処理装置は、
(26)上記導電性部材と上記第2部分との間隔を一定に保つ、上記導電性部材に固定された間隔保持部材を備えてもよい。
【0028】
さらにまた、上記の熱処理装置は、
(27)上記第2部分のうち上記電極が接触している面とは反対側の面から略均等な距離に位置すると共に冷却液が噴出する複数の噴射口が形成された冷却ジャケットを備えてもよい。
【0029】
また、上記目的を達成するための本発明の熱処理方法は、周縁から張り出したフランジが形成されたフランジ付き部品を熱処理する熱処理方法において、
(28)上記フランジ付き部品のフランジのうち予め決められた所定の第1部分のみに所定方向の外力を加えてこの第1部分を弾性変形させ、
(29)この第1部分を弾性変形させた状態で、上記フランジ付き部品のうち上記フランジ以外の所定の第2部分のみを焼入れることを特徴とするものである。
【0030】
ここで、上記第1部分に外力を加える際に、
(30)上記第1部分の上面に上方から所定の接触部材を接触させるか、もしくは上記第1部分の下面に下方から上記接触部材を接触させ、
(31)上記接触部材が接触している面とこの接触部材との間に、上記所定方向の外力に対応する厚さのスペーサを挿入して上記第1部分にこの外力を加えてもよい。
【0031】
さらに、上記第1部分及び上記所定方向を予め決める際に、
(32)上記フランジ付き部品に外力を加えない状態で上記第2部分のみを焼入れ、
(33)この焼入れ後に、上記フランジの複数箇所における変形量及び変形方向を測定し、
(34)上記複数箇所のうちその変形量が所定量を超えた部分を上記第1部分として決めると共に、上記変形方向とは反対の方向を上記所定方向として決めてもよい。
【0032】
さらにまた、上記所定部分を弾性変形させる際に、
(35)上記フランジのうち上記第1部分以外の部分を、上記フランジ付き部品が焼入れされる以前の形状に倣って所定の支持部材で下から支えてもよい。
【0033】
さらにまた、上記フランジのうち上記第1部分以外の部分を上記支持部材で下から支える際に、
(36)上記第1部分以外の部分が移動するに伴ってこの部分と共に上記支持部材が移動するようにこの部分をこの支持部材で下から支えてもよい。
【0034】
さらにまた、上記フランジのうち上記第1部分以外の部分を上記支持部材で下から支える際に、
(37)この支えた部分から所定間隔だけ上方若しくは下方に離れた位置に、この支えた部分がこの位置よりも上方若しくは下方に移動すること禁止する禁止具を配置しておいてもよい。
【0035】
さらにまた、上記第2部分を焼入れする際に、
(38)上記第2部分の一端部及びこの一端部とは反対側の他端部近傍双方にそれぞれ電極を接触させると共に、上記第2部分に電流を流すための導電性部材を上記第2部分に近接させておき、
(39)上記導電性部材を流れる電流と上記第2部分を流れる電流が互いに引き寄せられる周波数の交流電流を上記導電性部材に流すことにより、上記第2部分を焼入温度に加熱してもよい。
【0036】
さらにまた、上記一端部及び上記他端部近傍双方それぞれに電極を接触させる際に、
(40)上記一端部及び上記他端部近傍が移動するに伴って上記一端部及び上記他端部近傍と共に上記電極が移動するようにこの電極を接触させてもよい。
【0037】
さらにまた、上記導電性部材を上記第2部分に近接させておく際に、
(41)絶縁性部材を介して上記導電性部材と上記第2部分とを接触させることにより上記導電性部材と上記第2部分との間隔を一定に保っておいてもよい。
【0038】
さらにまた、焼入温度に加熱された上記第2部分を冷却する際に、
(42)上記第2部分のうち上記電極が接触している面とは反対側の面から略均等な距離に位置する複数の噴射口から上記反対側の面に冷却液を噴射してもよい。
【0039】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0040】
図1から図5までを参照して、本発明にいうフランジ付き部品の一例であるセンターピラーレインフォースについて説明する。
【0041】
図1は、センターピラーレインフォースが組み込まれた車両の概略構成を示す斜視図である。図2は、図1の車両のセンターピラーを構成する、(a)は、センターピラーアウターの概略構成を示す斜視図、(b)はセンターピラーレインフォースの概略構成を示す斜視図、(c)はセンターピラーインナーの概略構成を示す斜視図、(d)は図1のD―D断面図である。図3は、センターピラーレインフォースの一例を示す斜視図である。図4は、図3のセンターピラーレインフォースを示す平面図である。図5は、図3のセンターピラーレインフォースを示す背面図である。
【0042】
図1に示すように、車両2のセンターピラー4は、センターピラー4の外壁に相当するセンターピラーアウター6と、センターピラー4の内壁に相当するセンターピラーインナー8と、これらの間に挟みこまれるセンターピラーレインフォース10とから構成されている。
【0043】
センターピラーレインフォース(以下、ワークという)10は、平らで薄い板(板厚1.6mm程度)をプレス成型することにより形成される。但し、ワーク10は、後述する焼入れを経て完成品となる。なお、薄板の材質は、0.1〜0.2%Cを含有するSPCC材である。
【0044】
ワーク10は矢印A方向に延びる長尺な部品であり、全体として見た場合、背面を内側にして湾曲した弓形に形成されている。ワーク10は、図2に示すように、矢印A方向に向かうにつれて頂面が徐々に狭くなった凸部12と、この凸部12の周縁から張り出したフランジ14から構成されている。凸部12には様々な形状の幾つかの孔12aが形成されている。フランジ14にも幾つかの孔14aが形成されている。ワーク10の横断面は、後述する図5に示すように、鍔付きの帽子形である。このように薄くて細長い形状の部品は焼入れによって変形し易い。また、断面剛性の弱い部分は焼入れの際に折れ易い。なお、ワーク10は、周知のように、矢印A方向の上流側部分(細くなった部分)を上にして車両に組み込まれる。
【0045】
上記のように変形し易く折れ易いフランジ付き部品を、変形を抑えると共に折れないように焼入れする焼入装置(本発明にいう熱処理装置の一例である)と焼入方法(本発明にいう熱処理方法の一例である)を説明する。なお、後述するように、焼入れされる部分はワーク10の凸部12の一部分だけである。
【0046】
図6、図7、及び図8を参照して焼入装置を説明する。
【0047】
図6は、ワークがセットされた焼入装置を示す側面図である。図7(a)は、図6の焼入装置を示す正面図であり、(b)はボルトとセラミック製の球を示す正面図である。図8(a)は、焼入れ中のワークが禁止具に当接している状態を模式的に示す側面図であり、(b)はスペーサ(シム)によって弾性変形されたワークを示す模式図である。
【0048】
焼入装置20は、ベースになる基台30と、この基台30の上面32から立上った複数本の柱40,42を備えている。複数本の柱40,42それぞれは、ワーク10のフランジ14の形状に倣ってこのフランジ14を下から支えるような高さになっている。従って、フランジ14を柱40,42の上端面40a,42aに載置した場合、これらの上端面40a,42aにフランジ14の下面が接触する。上記した柱40は、本発明にいう接触部材の一例であり、以下、接触柱40という。また、柱42は、本発明にいう支持部材の一例であり、以下、支持柱42という。
【0049】
接触柱40の上端面40aはフランジ14の下面に直接には接触せず、図8(b)に示すように、所定厚さのスペーサ44を介してフランジ14の下面に接触している。即ち、接触柱40の上端面40aとフランジ14の下面との間にはスペーサ44が挿入されている。このスペーサ44のために、フランジ14のうち接触柱40の上端面40aがスペーサ44を介して接触している接触部分(本発明にいう所定の第1部分の一例である)は、上向きに弾性変形させられている。また、この接触部分はクランプ46で固定されている。
【0050】
なお、図6に示す例では、接触柱40は下方からフランジ14に接触して接触部分を上向きに弾性変形させているが、接触柱40を上方からフランジ14に接触させて接触部分を下向きに弾性変形させることもある。この弾性変形の程度やスペーサ44の厚さ等については後述する。
【0051】
支持柱42の上方には、その上端面42aからフランジ14の厚さの数倍程度離れた位置に禁止具45が配置されている。この禁止具45は、フランジ14のうち支持柱42で支えられている部分が焼入れの際に禁止具45の位置よりも上方に移動することを禁止するものである。なお、ここでは、上記の部分が上方に移動することを禁止する禁止具45を配置したが、上記の部分が下方に移動することを禁止する禁止具を配置してもよい。
【0052】
また、支持柱40,42(図6の左側3本が一セット)の下端部は基台30に固定されておらず、支持柱固定プレート43に固定されている。この支持柱固定プレート43はリニアボールベアリング47を介してガイドレール49などによって、ワーク10の長手方向(矢印B方向)及び幅方向(図4の紙面に直交する方向)に自在に移動できるように構成されている。従って、ワーク10の一部を焼入れる際の加熱・冷却によってフランジ14が移動(変位)しても、この移動(変位)に伴って支持柱42も移動する。従って、支持柱42はフランジ14を拘束しない。なお、支持柱固定プレート49はシリンダ51によって初期位置に戻される。
【0053】
ここでは、ワーク10の凸部12の一部が焼入れされる。この一部は、図7に示すように、凸部12の肩に相当する肩部(本発明にいう第2部分の一例である)16である。肩部16は2か所あり、ワーク10の長手方向(矢印A方向)に延びている。
【0054】
焼入装置20は、肩部16の長手方向一端部に接触する電極54と、この一端部とは反対側の他端部の下方に位置するフランジ14の上面(本発明にいう他端部近傍の一例である)に接触する電極52とを備えている。これら2つの電極52,54は、後述する図9に示すように、フランジ14や肩部16が加熱・冷却によって移動(変位)しても、この移動(変位)に伴って移動する。従って、電極52,54はフランジ14や肩部16を拘束しない。
【0055】
また、焼入装置20は、上記した肩部16に電流を流すための導電性部材56を備えている。導電性部材56は肩部16に近接してその長手方向に延びる長尺なものである。導電性部材56の横断面は、図7(a)に示すように、弓形である。
【0056】
導電性部材56の複数箇所にはボルト孔が形成されており、このボルト孔にはそれぞれボルト58がねじ込まれている。各ボルト58の先端部にはセラミック製の球60(本発明にいう絶縁性部材の一例である)が接着されている。このセラミック製の球60が肩部16に接触する。従って、ボルト58は肩部16に直接には接触していない。ボルト58と球60が無い場合、導電性部材56はその自重によって肩部16に直接に接触する。しかし、ボルト58と球60が有るので、導電性部材56と肩部16との間隔が一定に保たれている。
【0057】
従って、肩部16が加熱される際に変形してその一部分が導電性部材56に接近したり導電性部材56から離れたりしようとしても、導電性部材56と肩部16との間隔がボルト58と球60によって一定に保たれているので、肩部16の全体を均一に焼入温度に加熱できる。なお、ここでは、ボルト58とセラミック製の球60によって、本発明にいう間隔保持部材が構成されている。
【0058】
ワーク10のうち電極52,54が接触している面とは反対側の面(背面)には、冷却液を噴射する冷却ジャケット70が配置されている。冷却ジャケット70には、冷却液を噴射する複数の噴射口72が形成されている。複数の噴射口72はワーク10の背面から略均等な距離に位置している。
【0059】
図9を参照して、電極52をフランジ14と共に移動させる移動装置について説明する。
図9は、電極とこの電極をフランジの移動に伴って移動させる移動装置を示す斜視図である。この図では、図7に示された構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0060】
移動装置100は、電極52を上方から押える上押え具102と、この上押え具02の下方からフランジ14の下面を押える下押え具104とを備えている。これら上押え具102と下押え具104はエアーチャック106に取り付けられており、電極52の厚さやフランジ14の厚さに応じてその位置を変えられる。
【0061】
エアーチャック106はボールベアリング108を介して移動板110に矢印E方向に回転自在に固定されている。移動板110のうちボールベアリング108が取り付けられた面とは反対側の面(裏面)には、上下一対のリニアモーションボールベアリング112が取り付けられている。このリニアモーションボールベアリング112には、焼入装置20(図6等参照)のベース壁120に形成されたガイドレール122がはめ込まれている。ガイドレール122はフランジ14の長手方向(ワーク10の長手方向であり、矢印A方向及びその反対方向である)に延びている。従って、移動板110は矢印A方向及びその反対方向に自在に移動できる。
【0062】
上記のような構成の移動装置100を使用して電極52をフランジ14に押し付けているので、ワーク10を加熱・冷却する際にフランジ14が移動(変位)しても,この移動に伴って電極52も移動するので,ワーク10に無理な応力が作用せず、ワーク10の折れを確実に防止できる。なお、電極54にも同様に移動装置100を使用してもよい。
【0063】
上記した焼入装置20には、ワーク10の折れや変形をいっそう確実に防止するために、上記した以外の器具を取り付けられる。このような器具を、図10,図11,図12を参照して説明する。
【0064】
図10(a)は、フランジを下方から冷却するサブ冷却ジャケットを示す斜視図であり、(b)は、(a)の正面図であり、(c)は、他の形状のワークとこのワークに用いるサブ冷却ジャケットを示す正面図である。図11は、上クランプで上面を押えられたフランジを示す側面図である。図12(a)は、上クランプで先端部を押えられたフランジを示す側面図であり、(b)は、(a)の正面図である。これらの図では、図6と図7に示された構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0065】
図10(a)、(b)に示すように、フランジ14の下面に冷却液を噴射するサブ冷却ジャケット130をフランジ14の下方に配置した。肩部16を加熱中はその影響を受けてフランジ14も加熱される。しかし、肩部16を加熱中にサブ冷却ジャケット130から冷却液を噴射してフランジ14を冷却することにより、フランジ14が加熱されることを防止できる。このため、フランジ14の加熱に起因してフランジ14が歪むことを防止できる。このようなサブ冷却ジャケット130を焼入装置20に組み込んでも良い。
【0066】
図10(a)、(b)では、フランジ14の下面に冷却液を噴射したが、ワーク10の形状が(c)に示すようなものである場合は、側面132に冷却液を噴射するサブ冷却ジャケット134を使用してもよい。
【0067】
図11に示すように、フランジ14の上面を押えるクランプ140を焼入装置20に組み込んでも良い。この場合、クランプ140の下方には、フランジ14が下方に一定量以上変位することを禁止する禁止具142を配置する。これにより、下方に変位しようとしたフランジ14は禁止具142に当接して、禁止具142よりも下方には変位できない。従って、フランジ14の変形が抑えられることとなる。
【0068】
図12に示すように、フランジ14の先端部を上から押え付ける上クランプ150,152を焼入装置20に組み込んでも良い。上クランプ150,152の上面にはそれぞれスペーサ154,156が載置されており、一枚の押え板158でクランプ150,152が加圧される。この場合、スペーサ154,156の厚さを適宜に変えることにより加圧力G1,G2を変更し、2つのクランプ150,152それぞれがフランジ14を押え付ける量を適宜に変更する。これにより、ワーク10の捩れを抑制できる。
【0069】
上述した焼入装置20を用いてワーク10の肩部16を焼入れする方法を説明する。
【0070】
焼入装置20を用いてワーク10の肩部16を焼入れするに先立って、焼入装置20を用いずにワーク10に何ら外力を加えない状態(フリーな状態)で肩部16を焼入れした。この焼入れ後に、フランジ14の複数箇所における変形量及び変形方向を測定した。この結果を、図13を参照して説明する。
【0071】
図13(a)は、上記した複数箇所における変形量を示すグラフであり、(b)は、(a)に対応する変形箇所を示すワーク10の側面図である。図13(a)の横軸はワーク10の長手方向に対応しており、縦軸は変形量を表わす。横軸の1Zから11Zまでは変形量を測定した箇所である。図13では、図6に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。なお、図13(b)に示す二点鎖線は焼入れ前の形状を示す。
【0072】
上記したようなフリーな状態で焼入れした場合、ワーク10のうち矢印A方向上流側部分(11Zや9Zの部分であり、細くなった部分)は変形し易い。例えば11Zの箇所では約7mmほど反り上がり、9Zの箇所では約6mmほど反り上がった。このような反り上りは、ワーク10の矢印A方向下流側部分ほど少なくなった。
【0073】
そこで、これらの変形量や変形方向を考慮して、焼入装置20を用いてワーク10の肩部16を焼入れした。この場合、フランジ14のうち上記した接触柱40を接触させる部分(接触部分)は、11Zの部分とした。この11Zの部分に接触柱40を接触させ、この11Zの部分と接触柱40との間にスペーサ44を挿入した。フランジ14のうちスペーサ44が挿入された部分(上記した接触部分)を、上記の変形方向とは逆の方向に弾性変形させた。ここでは、弾性変形させる量を3mmにしたケース(第1ケース)と、5mmにしたケース(第2ケース)との2種類として焼入れした。また、上記した移動装置100、サブ冷却ジャケット130、クランプ140、禁止具142の全てを焼入装置20に組み込んだ装置(以下、単に「装置」という。)を使ってワーク10を焼入れした(第3ケース)。この場合、5mmの弾性変形とした。
【0074】
図14を参照して、上記の第1ケース、第2ケース、及び第3ケースの実験について説明する。
【0075】
図14(a)は、上記の1Zから11Zまでの位置における実験後の変形量を示すグラフであり、(b)は、(a)に対応する位置を示すワーク10の側面図である。図14(a)の横軸はワーク10の長手方向に対応しており、縦軸は変形量を表わす。横軸の1Zから11Zまでは変形量を測定した箇所である。図14では、図6に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0076】
上述したように焼入装置20を用いて実験した。従って、焼入れ前の状態では、フランジ14のうち上記の接触部分を除いた複数箇所の部分が支持柱42で支えられている。また、これら複数箇所の部分及びその近傍部分が、焼入れの際の加熱中に変形して上方に移動(変位)しようとした場合、図8(a)に示すように、上方に変位しようとした部分は禁止具45に当接する。このため、上方に変位しようとした部分は禁止具45よりも上方には変位できない。従って、フランジ14の変形が抑えられることとなる。
【0077】
また、上述したように、支持柱42の下端部は基台30に固定されておらず、ガイドレール(図示せず)などによって、ワーク10の長手方向(矢印A方向)及び幅方向(図6の紙面に直交する方向)に自在に移動できるようになっている。従って、ワーク10の一部を焼入れる際の加熱・冷却によってフランジ14が移動(変位)しても、この移動(変位)に伴って支持柱42も移動する。従って、支持柱42はフランジ14を拘束せず、この拘束に起因するフランジ14の折れなどを防止できる。
【0078】
肩部16を焼入温度に加熱する際は、導電性部材56を肩部16に近接させておき、導電性部材56を流れる電流と肩部16を流れる電流が互いに引き寄せられる周波数の交流電流を導電性部材56に流す。これにより、肩部16が焼入温度に加熱される。この場合、肩部16が複雑な形状であっても、この形状に対応する形状の導電性部材56を肩部16に近接して配置するだけで、肩部16を容易に加熱できることとなる。
【0079】
また、肩部16に接触している電極52,54は、肩部16が加熱・冷却によって移動(変位)しても、この移動(変位)に伴って移動する。従って、電極52,54は肩部16の長手方向一端部と他端部を拘束しない。このため、この拘束に起因する変形も折れも生じない。
【0080】
また、肩部16が加熱される際に変形してその一部分が導電性部材56に接近したり導電性部材56から離れたりしようとしても、導電性部材56と肩部16との間隔がボルト58と球60によって一定に保たれているので、肩部16の全体を均一に焼入温度に加熱できる。従って、肩部16の温度むらに起因する変形や折れを防止できる。
【0081】
肩部16を焼入温度に加熱した後、急冷する際には噴射口72から冷却液を噴射する。この場合、上述したように、複数の噴射口72はワーク10の背面から略均等な距離に位置しているので、肩部16はほぼ均一に冷却される。従って、冷却むらに起因する変形や折れを防止できる。
【0082】
以上のように、熱処理装置20には、変形を抑えると共にフランジ14が折れないように種々の工夫がなされている。この結果、焼入れによってフランジ14が折れず、しかも、図14に示すように変形量が少ない。
【0083】
また、第3ケースの装置を使って実験では、図14の黒丸で示すように、変形量を非常に低くできた。もちろん、ワーク10に折れは発生しなかった。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のフランジ付き部品の製造方法(請求項1に記載の製造方法)では、フランジのうち予め決められた所定の第1部分のみに所定方向の外力を加える。この際、この第1部分及びその近傍部分が折れないように外力を調整できる。従って、フランジが折れることは無い。また、フランジの第1部分が変形する方向とは反対の方向を所定方向として、この所定方向の外力を第1部分に加えて第1部分を弾性変形できる。このように第1部分を上記の所定方向に弾性変形させた状態で第2部分のみを焼入れし、その後、外力を解除する。これにより、プレス成型で生じた内部応力と第2部分の焼入れで生じた応力(加熱・冷却による膨張・収縮やマルテンサイト変態などによって生じる応力)とに起因してフランジが変形しようとしても、焼入れの間、この変形の方向とは反対の方向の外力がフランジに加えられているので、フランジは変形しにくく変形が抑えられる。以上の結果、フランジを含めたフランジ付き部品全体の変形を抑えられると共に、折れの無いフランジ付き部品を製造できる。
【0085】
ここで、上記第1部分に外力を加える際に、上記第1部分の上面に上方から所定の接触部材を接触させるか、もしくは上記第1部分の下面に下方から上記接触部材を接触させ、上記接触部材が接触している面とこの接触部材との間に、上記所定方向の外力に対応する厚さのスペーサを挿入して上記第1部分にこの外力を加える場合は、スペーサの厚さを変更することにより外力の大きさを容易に調整できるので、折れをいっそう確実に防止できる。
【0086】
また、上記第1部分及び上記所定方向を予め決める際に、所定の原材料をプレス成型して形成されたフランジ付き部品に外力を加えない状態で上記第2部分のみを焼入れし、この焼入れ後に、上記フランジの複数箇所における変形量及び変形方向を測定し、上記複数箇所のうちその変形量が所定量を超えた部分を上記第1部分として決めると共に、上記変形方向とは反対の方向を上記所定方向として決める場合は、変形量の大きい箇所に、変形し易い方向とは反対方向の外力を加えるので、フランジの変形がいっそう確実に抑えられる。
【0087】
さらに、上記所定部分を弾性変形させる際に、上記フランジのうち上記第1部分以外の部分を、上記フランジ付き部品が焼入れされる以前の形状に倣って所定の支持部材で下から支える場合は、フランジの変形がさらにいっそう確実に抑えられると共に、フランジの折れもさらにいっそう確実に防止できる。
【0088】
さらにまた、上記フランジのうち上記第1部分以外の部分を上記支持部材で下から支える際に、上記第1部分以外の部分が移動するに伴ってこの部分と共に上記支持部材が移動するようにこの部分をこの支持部材で下から支える場合は、焼入れの際に上記の部分が移動してもこの移動に追従して支持部材が移動し、上記の部分に無理な力が作用しないので上記の部分が折れない。
【0089】
さらにまた、上記フランジのうち上記第1部分以外の部分を上記支持部材で下から支える際に、この支えた部分から所定間隔だけ上方若しくは下方に離れた位置に、この支えた部分がこの位置よりも上方若しくは下方に移動すること禁止する禁止具を配置しておく場合は、フランジのうち第1部分以外の部分が上方若しくは下方に変形することが禁止具によって抑えられるので、フランジの変形がいっそう確実に抑えられる。
【0090】
さらにまた、上記第2部分を焼入れする際に、上記第2部分の一端部及びこの一端部とは反対側の他端部近傍双方それぞれに電極を接触させると共に、上記第2部分に電流を流すための導電性部材を上記第2部分に近接させておき、上記導電性部材を流れる電流と上記第2部分を流れる電流が互いに引き寄せられる周波数の交流電流を上記導電性部材に流すことにより、上記第2部分を焼入温度に加熱する場合は、第2部分に交流電流が流れてこの第2部分が加熱される。従って、この第2部分が複雑な形状であっても、この形状に対応する形状の導電性部材を第2部分に近接して配置するだけで、第2部分を容易に加熱できることとなる。
【0091】
さらにまた、上記一端部及び上記他端部近傍双方にそれぞれ電極を接触させる際に、上記一端部及び上記他端部近傍が移動するに伴って上記一端部及び上記他端部近傍と共に上記電極が移動するようにこの電極を接触させる場合は、焼入れの際の膨張・収縮に起因して第2部分が移動(変位)しても、この移動に追従して電極も移動(変位)するので、フランジ付き部品に無理な応力が作用せず、フランジ付き部品の折れをいっそう確実に防止できる。
【0092】
さらにまた、上記導電性部材を上記第2部分に近接させておく際に、絶縁性部材を介して上記導電性部材と上記第2部分とを接触させることにより上記導電性部材と上記第2部分との間隔を一定に保っておく場合は、第2部分が加熱される際に変形してその一部分が導電性部材に接近したり導電性部材から離れたりしようとしても、導電性部材と第2部分との間隔が一定に保たれるので、第2部分の全体を均一に焼入温度に加熱できる。
【0093】
さらにまた、焼入温度に加熱された上記第2部分を冷却する際に、上記第2部分のうち上記電極が接触している面とは反対側の面から略均等な距離に位置する複数の噴射口から上記反対側の面に冷却液を噴射する場合は、上記した反対側の面にほぼ均一に冷却液が衝突して第2部分がほぼ均一に冷却されるので、フランジ付き部品の変形がさらにいっそう抑えられると共に、その折れもいっそう確実に防止できる。
【0094】
さらにまた、所定の原材料をプレス成型してフランジ付き部品を形成する際に、所定方向に延びると共に横断面が鍔付きの帽子形であるフランジ付き部品を形成する場合は、焼入後の変形が充分に抑えられと共に折れのない上記形状のフランジ付き部品を製造できる。
【0095】
さらにまた、所定の原材料をプレス成型してフランジ付き部品を形成する際に、フランジ付き部品として車両のセンターピラーレインフォースを形成する場合は、焼入後の変形が充分に抑えられると共に折れの無いセンターピラーレインフォースを製造できる。
【0096】
また、本発明のフランジ付き部品の熱処理装置では、所定厚さのスペーサを挿入することにより、フランジの第1部分が焼入後に変形する方向とは反対方向にこの第1部分を弾性変形できる。この際、スペーサの厚さを適宜に変更することにより、第1部分及びその近傍部分が折れないように弾性変形の程度を調整できる。このように第1部分を上記の反対方向に弾性変形させた状態で、フランジ付き部品のうち第1部分以外の第2部分のみを焼入れし、その後、スペーサを取り外す。これにより、フランジ付き部品が有する内部応力と第2部分の焼入れで生じた応力(加熱・冷却による膨張・収縮やマルテンサイト変態などによって生じる応力)とに起因してフランジが変形しようとしても、焼入れの間、この変形の方向とは反対の方向の外力がフランジに加えられているので、フランジは変形しにくくその変形が抑えられる。以上の結果、フランジを含めたフランジ付き部品全体の変形を抑えると共に折れ無いようにフランジ付き部品を熱処理できる。
【0097】
ここで、上記支持部材は、上記フランジのうち上記第1部分以外の部分が移動するに伴ってこの部分と共に移動するものである場合は、焼入れの際に上記の部分が移動してもこの移動に追従して支持部材が移動し、上記の部分に無理な応力が作用しないので、上記の部分が折れない。
【0098】
さらに、フランジ付き部品のうち上記フランジ以外の所定の第2部分の一端部及びこの一端部とは反対側の他端部近傍双方それぞれに接触する電極と、上記第2部分に電流を流すための導電性部材とを備えた場合は、上記の一端部及び他端部近傍双方それぞれに電極を接触させると共に、上記の導電性部材を上記第2部分に近接させておき、導電性部材を流れる電流と第2部分を流れる電流が互いに引き寄せられる周波数の交流電流を導電性部材に流すことにより、第2部分を焼入温度に加熱できる。従って、この第2部分が複雑な形状であっても、この形状に対応する形状の導電性部材を第2部分に近接して配置するだけで、第2部分を容易に加熱できることとなる。
【0099】
さらにまた、上記導電性部材と上記第2部分との間隔を一定に保つ、上記導電性部材に固定された間隔保持部材を熱処理装置が備えた場合は、第2部分が加熱される際に変形してその一部分が導電性部材に接近したり導電性部材から離れたりしようとしても、導電性部材と第2部分との間隔が間隔保持部材によって一定に保たれるので、第2部分の全体を均一に焼入温度に加熱できる。
【0100】
さらにまた、上記第2部分のうち上記電極が接触している面とは反対側の面から略均等な距離に位置すると共に冷却液が噴出する複数の噴射口が形成された冷却ジャケットを備えた場合は、上記した反対側の面にほぼ均一に冷却液が衝突して第2部分がほぼ均一に冷却されるので、フランジ付き部品の変形がいっそう抑えられると共に、その折れもいっそう確実に防止できる。
【0101】
また、本発明のフランジ付き部品の熱処理方法によれば、フランジのうち予め決められた所定の第1部分のみに所定方向の外力を加える。この際、この第1部分及びその近傍部分が折れないように外力を調整できる。従って、フランジが折れることは無い。また、フランジの第1部分が変形する方向とは反対の方向を所定方向として、この所定方向の外力を第1部分に加えて第1部分を弾性変形できる。このように第1部分を上記の所定方向に弾性変形させた状態で第2部分のみを焼入れする。これにより、フランジ付き部品に残留している内部応力と第2部分の焼入れで生じた応力(加熱・冷却による膨張・収縮やマルテンサイト変態などによって生じる応力)とに起因してフランジが変形しようとしても、焼入れの間、この変形の方向とは反対の方向の外力がフランジに加えられているので、フランジは変形しにくく変形が抑えられる。以上の結果、フランジを含めたフランジ付き部品全体の変形を抑えられると共に、折れの無いフランジ付き部品を製造できる。
【0102】
ここで、上記第1部分に外力を加える際に、上記第1部分の上面に上方から所定の接触部材を接触させるか、もしくは上記第1部分の下面に下方から上記接触部材を接触させ、上記接触部材が接触している面とこの接触部材との間に、上記所定方向の外力に対応する厚さのスペーサを挿入して上記第1部分にこの外力を加える場合は、スペーサの厚さを変更することにより、外力の大きさを容易に調整できる。
【0103】
さらにまた、上記第1部分及び上記所定方向を予め決める際に、上記フランジ付き部品に外力を加えない状態で上記第2部分のみを焼入れ、この焼入れ後に、上記フランジの複数箇所における変形量及び変形方向を測定し、上記複数箇所のうちその変形量が所定量を超えた部分を上記第1部分として決めると共に、上記変形方向とは反対の方向を上記所定方向として決める場合は、変形量の大きい箇所に、変形し易い方向とは反対方向の外力を加えるので、フランジの変形がいっそう確実に抑えられる。
【0104】
さらにまた、上記所定部分を弾性変形させる際に、上記フランジのうち上記第1部分以外の部分を、上記フランジ付き部品が焼入れされる以前の形状に倣って所定の支持部材で下から支える場合は、フランジの変形がさらにいっそう確実に抑えられると共に、フランジの折れもさらにいっそう確実に防止できる。
【0105】
さらにまた、上記フランジのうち上記第1部分以外の部分を上記支持部材で下から支える際に、上記第1部分以外の部分が移動するに伴ってこの部分と共に上記支持部材が移動するようにこの部分をこの支持部材で下から支える場合は、焼入れの際に上記の部分が移動してもこの移動に追従して支持部材が移動し、上記の部分に無理な応力が作用しないので、上記の部分が折れない。
【0106】
さらにまた、上記フランジのうち上記第1部分以外の部分を上記支持部材で下から支える際に、この支えた部分から所定間隔だけ上方若しくは下方に離れた位置に、この支えた部分がこの位置よりも上方若しくは下方に移動すること禁止する禁止具を配置しておく場合は、フランジのうち第1部分以外の部分が上方若しくは下方に変形することが禁止具によって抑えられるので、フランジの変形がさらにいっそう確実に抑えられる。
【0107】
さらにまた、上記第2部分を焼入れする際に、上記第2部分の一端部及びこの一端部とは反対側の他端部近傍双方にそれぞれ電極を接触させると共に、上記第2部分に電流を流すための導電性部材を上記第2部分に近接させておき、上記導電性部材を流れる電流と上記第2部分を流れる電流が互いに引き寄せられる周波数の交流電流を上記導電性部材に流すことにより、上記第2部分を焼入温度に加熱する場合は、第2部分に交流電流が流れてこの第2部分が加熱される。従って、この第2部分が複雑な形状であっても、この形状に対応する形状の導電性部材を第2部分に近接して配置するだけで、第2部分を容易に加熱できることとなる。
【0108】
さらにまた、上記一端部及び上記他端部近傍双方それぞれに電極を接触させる際に、上記一端部及び上記他端部近傍が移動するに伴って上記一端部及び上記他端部近傍と共に上記電極が移動するようにこの電極を接触させる場合は、焼入れの際の膨張・収縮に起因して第2部分が移動(変位)しても、この移動に追従して電極も移動(変位)するので、フランジ付き部品に無理な応力が作用せず、フランジ付き部品の変形をさらにいっそう抑えられる。
【0109】
さらにまた、上記導電性部材を上記第2部分に近接させておく際に、絶縁性部材を介して上記導電性部材と上記第2部分とを接触させることにより上記導電性部材と上記第2部分との間隔を一定に保っておく場合は、第2部分が加熱される際に変形してその一部分が導電性部材に接近したり導電性部材から離れたりしようとしても、導電性部材と第2部分との間隔が一定に保たれるので、第2部分の全体を均一に焼入温度に加熱できる。
【0110】
さらにまた、焼入温度に加熱された上記第2部分を冷却する際に、上記第2部分のうち上記電極が接触している面とは反対側の面から略均等な距離に位置する複数の噴射口から上記反対側の面に冷却液を噴射する場合は、上記した反対側の面にほぼ均一に冷却液が衝突して第2部分がほぼ均一に冷却されるので、フランジ付き部品の変形がさらにいっそう抑えられると共に、その折れもいっそう確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】センターピラーレインフォースが組み込まれた車両の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1の車両のセンターピラーを構成する、(a)は、センターピラーアウターの概略構成を示す斜視図、(b)はセンターピラーレインフォースの概略構成を示す斜視図、(c)はセンターピラーインナーの概略構成を示す斜視図、(d)は図1のD―D断面図である。
【図3】センターピラーレインフォースの一例を示す斜視図である。
【図4】図1のセンターピラーレインフォースを示す平面図である。
【図5】図1のセンターピラーレインフォースを示す背面図である。
【図6】ワークがセットされた焼入装置を示す側面図である。
【図7】(a)は、図4の焼入装置を示す正面図であり、(b)はボルトとセラミック製の球を示す正面図である。
【図8】(a)は、焼入れ中のワークが禁止具に当接している状態を模式的に示す側面図であり、(b)はスペーサ(シム)によって弾性変形されたワークを示す模式図である。
【図9】電極とこの電極をフランジの移動に伴って移動させる移動装置を示す斜視図である。
【図10】(a)は、フランジを下方から冷却するサブ冷却ジャケットを示す斜視図であり、(b)は、(a)の正面図であり、(c)は、(c)は、他の形状のワークとこのワークに用いるサブ冷却ジャケットを示す正面図である。
【図11】上クランプで上面を押えられたフランジを示す側面図である。
【図12】(a)は、上クランプで先端部を押えられたフランジを示す側面図であり、(b)は、(a)の正面図である。
【図13】(a)は、上記した複数箇所における変形量を示すグラフであり、(b)は、(a)に対応する変形箇所を示すワーク10の側面図である。
【図14】(a)は、上記の1Zから11Zまでの位置における実験後の変形量を示すグラフであり、(b)は、(a)に対応する位置を示すワーク10の側面図である。
【符号の説明】
10 センターピラーレインフォース
14 フランジ
16 肩部
20 焼入装置
40 接触柱
42 支持柱
44 スペーサ
45 禁止具
52,54 電極
56 導電性部材
58 ボルト
60 セラミック製の球
70 冷却ジャケット
72 噴射口

Claims (8)

  1. その長手方向一端部に向かうにつれて頂面が徐々に狭くなった凸部と、この凸部の周縁から張り出したフランジとから構成される長尺のセンターピラーレインフォースをプレス成型によって形成し、該センターピラーレインフォースの前記凸部の肩部を焼入れするセンターピラーレインフォースの製造方法において、
    前記センターピラーレインフォースに外力を加えない状態で、前記肩部に倣って延びる形状の導電性部材を前記肩部に近接させて該導電性部材に電流を流して該肩部を焼入温度に加熱して冷却することにより焼入れし、
    この焼入れされたセンターピラーレインフォースの前記長手方向一端部とは反対側の長手方向他端部を基準として前記フランジの長手方向の複数箇所における変形量及び変形方向を測定しておき、
    プレス成型によって形成された新たなセンターピラーレインフォースの前記肩部に前記導電性部材を近接させて該導電性部材に電流を流して該肩部を焼入温度に加熱して冷却することにより焼入れする際に、
    前記フランジの前記複数箇所のうちの前記長手方向一端部に位置する箇所を、前記測定しておいた変形方向とは逆の方向に弾性変形させると共に、前記複数箇所のうち前記長手方向一端部に位置する箇所以外の箇所が、これらの箇所において測定された変形方向に一定量だけ移動できるように、前記これらの箇所から該一定量に相当する間隔だけ離れた位置に、前記これらの箇所の前記一定量を超える移動を禁止する禁止具を配置して前記これらの箇所の前記一定量を超える移動を禁止させることを特徴とするセンターピラーレインフォースの製造方法。
  2. 前記新たなセンターピラーレインフォースの前記肩部を焼入れする際に、
    前記弾性変形させられた前記長手方向一端部に位置する箇所を、前記焼入れに伴う前記フランジの変位に伴って前記センターピラーレインフォースの長手方向及び幅方向に移動させることを特徴とする請求項1に記載のセンターピラーレインフォースの製造方法。
  3. 前記新たなセンターピラーレインフォースの前記肩部を焼入れする際に、
    前記肩部の長手方向両端にそれぞれ配置される電極を、前記焼入れに伴う前記フランジの変位に伴って移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンターピラーレインフォースの製造方法。
  4. 前記新たなセンターピラーレインフォースの前記肩部を焼入れする際に、
    前記肩部を焼入温度に加熱中に前記フランジを冷却することを特徴とする請求項1、2、又は3に記載のセンターピラーレインフォースの製造方法。
  5. その長手方向一端部に向かうにつれて頂面が徐々に狭くなった凸部と、この凸部の周縁から張り出したフランジとから構成される長尺のセンターピラーレインフォースをプレス成型によって形成し、該センターピラーレインフォースの前記凸部の肩部を焼入れする熱処理方法において、
    前記センターピラーレインフォースに外力を加えない状態で、前記肩部に倣って延びる形状の導電性部材を前記肩部に近接させて該導電性部材に電流を流して該肩部を焼入温度に加熱して冷却することにより焼入れし、
    この焼入れされたセンターピラーレインフォースの前記長手方向一端部とは反対側の長手方向他端部を基準として前記フランジの長手方向の複数箇所における変形量及び変形方向を測定しておき、
    プレス成型によって形成された新たなセンターピラーレインフォースの前記肩部に前記導電性部材を近接させて該導電性部材に電流を流して該肩部を焼入温度に加熱して冷却することにより焼入れする際に、
    前記フランジの前記複数箇所のうちの前記長手方向一端部に位置する箇所を、前記測定しておいた変形方向とは逆の方向に弾性変形させると共に、前記複数箇所のうち前記長手方向一端部に位置する箇所以外の箇所が、これらの箇所において測定された変形方向に一定量だけ移動できるように、前記これらの箇所から該一定量に相当する間隔だけ離れた位置に、前記これらの箇所の前記一定量を超える移動を禁止する禁止具を配置して前記これらの箇所の前記一定量を超える移動を禁止させることを特徴とする熱処理方法。
  6. 前記新たなセンターピラーレインフォースの前記肩部を焼入れする際に、
    前記弾性変形させられた前記長手方向一端部に位置する箇所を、前記焼入れに伴う前記フランジの変位に伴って前記センターピラーレインフォースの長手方向及び幅方向に移動させることを特徴とする請求項5に記載の熱処理方法。
  7. 前記新たなセンターピラーレインフォースの前記肩部を焼入れする際に、
    前記肩部の長手方向両端にそれぞれ配置される電極を、前記焼入れに伴う前記フランジの変位に伴って移動させることを特徴とする請求項5又は6に記載の熱処理方法。
  8. 前記新たなセンターピラーレインフォースの前記肩部を焼入れする際に、
    前記肩部を焼入温度に加熱中に前記フランジを冷却することを特徴とする請求項5、6、又は7に記載の熱処理方法。
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