JP4960755B2 - 繊維強化プラスチック成形体の製造方法 - Google Patents
繊維強化プラスチック成形体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4960755B2 JP4960755B2 JP2007118540A JP2007118540A JP4960755B2 JP 4960755 B2 JP4960755 B2 JP 4960755B2 JP 2007118540 A JP2007118540 A JP 2007118540A JP 2007118540 A JP2007118540 A JP 2007118540A JP 4960755 B2 JP4960755 B2 JP 4960755B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- fiber
- compatible
- manufacturing
- impregnated
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Reinforced Plastic Materials (AREA)
- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
しかし、この成形法は、比較的大型の厚肉の成形体を製造するには、好ましくなく、コストがかかりすぎるし、また、製造中にスチレン等が揮散するという問題がある。 そこで、近年、真空下、例えば真空吸引による真空下で、強化繊維材料からなる空隙をもつ基材に樹脂を注入して成形を行う真空注入成形法が採用されつつあり、その基本的な技術として、成形型の上に、被含浸物を戴置し、さらに、離型材を介して樹脂流動層を設け、これを覆うバッグフイルムを、その周囲がシールされ、真空吸引されうるように設置し、このバッグフィルム内に、樹脂を注入して成形させる方法が提示されている(例えば特許文献1参照)。
このように、強化繊維を結合・固着させるのにバインダーとして上記相溶性樹脂を用いているので、本発明の成形法においては、樹脂拡散部材は一定時間形状が保持され、真空下で被含浸物上に吸引一体化されたのち、相溶性樹脂は経時的にマトリックス樹脂と相溶されてマトリックス樹脂に吸収され、樹脂拡散部材も被含浸物共々マトリックス樹脂で含浸され、一体化された成形体が形成されることになる。
強化繊維は短繊維でも、また長繊維でもよく、短繊維の場合には細すぎたり、短かすぎたりすると樹脂が流れる空間を確保しにくいし、また、太すぎたり、長すぎたりしても層の均一性が確保しにくいので、通常、繊維径0.2〜1.5mm、長さ5〜50mm、好ましくは、繊維径0.3〜1mm、長さ10〜30mmの範囲とするのがよく、また、長繊維の場合には繊維径が細すぎると樹脂溶解時の繊維の広がりが小さくなるため、織物の繊維間隔を小さくする必要が生じ、樹脂が流れる空間を確保しにくいし、また、太すぎても織物の繊維交差部が盛り上がり、固化後の製品外観に凹凸が目立つようになるので、繊維径を、通常0.2〜1.5mm、好ましくは0.3mm〜1mmの範囲とするのがよい。
強化繊維の形状については、繊維を重ねた時に樹脂の流れる空間が確保し易い断面形状、例えば円形、楕円形や表面に凹凸のある円形とするのが好ましい。
短繊維を用いてなる樹脂拡散部材としては、短繊維を上記相溶性樹脂をバインダーとしてマット状に固めたシート等が挙げられる。
長繊維を用いてなる樹脂拡散部材としては、長繊維を上記相溶性樹脂をバインダーとして交差結合させ固着した織物等が挙げられ、樹脂が流れる空間を増やして、含浸速度を早めるために、織物を複数枚使用してもよい。織物の形状としては正方形、菱形の二軸組布、3軸組布、4軸組布等が挙げられる。
相溶性樹脂による結合、固着状態としては、該樹脂が繊維の中まで入り込んで分散していてもよく、また、繊維の周りに被覆されていてもよい。
相溶性樹脂の用量は、真空注入成形において注入されるマトリックス樹脂の含浸時間、固化時間等に応じて適宜設定することができる。
この状態で上からバッグフィルム5を被せ、下縁部にシール材6を成形型基台1との間に配置して真空シールする。
そして、真空バルブ7、8をバッグフィルム5にセットし、バルブ13、15を開くとバッグフィルム5内の空気はドレイン12を経て真空引き系ライン14に排出され、バッグフィルム5内は真空状態に維持される。
この状態で、バルブ10を開くと、第2図に示すように、樹脂貯留槽9の含浸用のマトリックス樹脂11が、真空バルブ7を通してバッグフィルム5内に供給され、(不織布4を用いた場合はそれを通して)樹脂拡散部材3内に流動可能状態で充満し、被含浸物2に供給され、含浸される。
成形型基台には、サイズ800mm幅×1300mm長さの鋼板を用い、その上に戴置される被含浸物として、ロービングクロスWR800C[(商品名、日東紡社製、番手:800(g/m2)]2層と、チョップストランドマットMC900A[商品名、日東紡社製、番手:900(g/m2)]3層とを、幅300mm、長さ500mmで交互に積層したものを用い、樹脂拡散部材として、ガラスロービングERS290−554A(商品名、セントラルグラスファイバー社製、番手:290g/1000m)を、ケミチレンPEB−13ST(商品名、三洋化成工業社製、質量比でガラス短繊維7に対し3)をバインダーとして、結合、固着させ、短繊維(形状:円形、繊維径:0.5mm、長さ10mm)に成形した後、上記不飽和ポリエステル樹脂にて積層量400g/m2に固着、積層してなる、図3に示されるような積層マットを用い、マトリックス樹脂としてネオポール8250(商品名、日本ユピカ社製)を用い、図1、2に基づき、不織布4は用いず、上記したようにして、真空注入成形を行った。
樹脂拡散部材を、ガラスロービングERS290−554A(商品名、セントラルグラスファイバー社製、番手:290g/m2の繊維2本を合糸)を、ケミチレンPEB−13ST(商品名、三洋化成工業社製)をバインダーとして結合、固着させ、織成してなる、図4に示されるような織物(繊維形状:円形、繊維径:0.8mm、繊維間隔:1.5mm、織り形状:正方形)に変えた以外は実施例1と同様にして真空注入成形を行った。
さらに、不織布4として、スパンボンド10606WTD(商品名、ユニチカ社製、厚さ0.26mmの不織布)を用いた以外は実施例2と同様にして真空注入成形を行った。
樹脂拡散部材を用いない以外は実施例1と同様にして真空注入成形を行った。
市販の樹脂拡散シートであるGREENFLOW 75(商品名、AIRTECH社製、0.89mm厚のポリプロピレン製ネット)及び市販の離型布であるBLEEDER LEASE B(商品名、AIRTECH社製、0.011mm厚 シリコーンコートされたポリアミド布)を用いた以外は実施例3と同様にして真空注入成形を行った。
樹脂流動性の評価は図5に示されるような試験方法で行なった。
すなわち、所定の被含浸物、樹脂拡散部材、ポリアミド製バッグフィルムを平板の成形型基台の上にセットした後、真空ポンプを用いてマトリックス樹脂を注入し、一定時間毎に樹脂流動距離を測定し、以下の基準で評価した。
○:3分後の流動距離 300mm以上
×:3分後の流動距離 100mm以下
また、外観は、以下の基準で評価した。
◎:表面平滑、色調均一
○:表面平滑
×:表面凹凸有り(布目跡)
また、市販の樹脂拡散部材を用いた比較例2に較べて、やや劣るが実用上問題のない流動性が得られ、また離型布を使用していないので、比較例2に較べて平滑な外観が得られた。
不織布を用いた場合は、さらに外観の平滑性が向上し、色調が均一な成形品が得られた。
2 被含浸物
3 樹脂拡散部材
4 不織布
5 バッグフィルム
6 シール材
7,8 真空バルブ
9 樹脂貯留槽
10,13,15 バルブ
11 マトリックス樹脂
12 ドレイン
14 真空引き系ライン
Claims (7)
- 成形型基台上にシート状強化繊維材料からなる被含浸物を配設し、被含浸物上に、液状マトリックス樹脂を拡散流動させうる樹脂拡散部材を敷設し、これらの被含浸物及び樹脂拡散部材をバッグフィルムによって成形型基台上に気密に被覆させ、真空下でバッグフィルム内に液状マトリックス樹脂を注入させ、該樹脂を固化させて成形する繊維強化プラスチック成形体の製造方法であって、樹脂拡散部材が液状マトリックス樹脂と相溶性のある相溶性樹脂で結合させた強化繊維材料からなるものであって、一定時間形状が保持され、その間真空下で被含浸物上に吸引一体化されたのち、相溶性樹脂を、経時的にマトリックス樹脂と相溶させてマトリックス樹脂に吸収させることを特徴とする繊維強化プラスチック成形体の製造方法。
- 液状マトリックス樹脂が熱硬化性樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- 熱硬化性樹脂が不飽和ポリエステル樹脂またはビニルエステル樹脂であることを特徴とする請求項2記載の製造方法。
- 樹脂拡散部材が、相溶性樹脂で結合させた短繊維を同一樹脂で接着してマット状にしたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 樹脂拡散部材が、相溶性樹脂で結合させた長繊維を同一樹脂で接着してシート状にしたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 樹脂拡散部材が、網目状構造を有するものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
- さらに、樹脂拡散部材の上に不織布を敷設することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007118540A JP4960755B2 (ja) | 2007-04-27 | 2007-04-27 | 繊維強化プラスチック成形体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007118540A JP4960755B2 (ja) | 2007-04-27 | 2007-04-27 | 繊維強化プラスチック成形体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008273010A JP2008273010A (ja) | 2008-11-13 |
JP4960755B2 true JP4960755B2 (ja) | 2012-06-27 |
Family
ID=40051615
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007118540A Active JP4960755B2 (ja) | 2007-04-27 | 2007-04-27 | 繊維強化プラスチック成形体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4960755B2 (ja) |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004122527A (ja) * | 2002-10-01 | 2004-04-22 | Toray Ind Inc | Frp成形品の製造方法 |
JP4104960B2 (ja) * | 2002-11-11 | 2008-06-18 | シキボウ株式会社 | 残置型の強化繊維製樹脂パス媒体 |
JP4333178B2 (ja) * | 2003-03-26 | 2009-09-16 | 東レ株式会社 | 繊維強化複合材料の製造方法 |
JP4330364B2 (ja) * | 2003-03-31 | 2009-09-16 | 東邦テナックス株式会社 | 樹脂トランスファー成形法 |
JP2005001306A (ja) * | 2003-06-13 | 2005-01-06 | Toray Ind Inc | 繊維強化樹脂成形体の製造方法およびその製造装置 |
JP2005336407A (ja) * | 2004-05-28 | 2005-12-08 | Toho Tenax Co Ltd | 表面平滑性に優れた複合材料 |
JP2007261014A (ja) * | 2006-03-28 | 2007-10-11 | Toray Ind Inc | 繊維強化樹脂板および製造方法 |
-
2007
- 2007-04-27 JP JP2007118540A patent/JP4960755B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008273010A (ja) | 2008-11-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
AU2008227492B2 (en) | Method of vacuum-assisted RTM | |
JP4803028B2 (ja) | プリフォーム、frpおよびそれらの製造方法 | |
US10427330B2 (en) | Hybrid lay-up mold | |
CA2582183C (en) | Infusion fabric for molding large composite structures | |
CN101394979B (zh) | 纤维增强树脂的制造方法 | |
CA2656541A1 (en) | Multiaxially reinforced laminated moldings and process for production thereof | |
JP2005280348A (ja) | 強化繊維基材の製造方法および該基材を用いた複合材料の製造方法 | |
JP2006192745A (ja) | 強化繊維基材、プリフォーム、繊維強化樹脂成形体およびその製造方法 | |
KR20170112396A (ko) | 다공성의 입체 섬유강화복합재료 및 이의 제조방법 | |
JP2008246690A (ja) | 樹脂トランスファー成形法 | |
JP4989822B2 (ja) | プリプレグの製造方法 | |
JP4984973B2 (ja) | 繊維強化樹脂の製造方法 | |
JP4960755B2 (ja) | 繊維強化プラスチック成形体の製造方法 | |
JP2008290441A (ja) | 強化プラスチック製サンドイッチ材の製造方法 | |
JP2000043172A (ja) | Frpサンドイッチ構造体およびその製造方法 | |
JP2018154675A (ja) | 強化繊維基材の製造方法、強化繊維プリフォームの製造方法および繊維強化複合材料成形体の製造方法 | |
WO2004037505A1 (ja) | プリプレグ及びその製造方法 | |
WO2013025115A1 (en) | Three- dimensional (3d) knitted reinforced composite structure production method thereof | |
JP4371671B2 (ja) | 樹脂トランスファー成形法及びサンドイッチ積層板の製造方法 | |
JP4330364B2 (ja) | 樹脂トランスファー成形法 | |
JP2018192717A (ja) | 強化繊維基材及びプリフォーム。 | |
JP2011202303A (ja) | 繊維構造体およびその製造方法、ならびにプリフォーム | |
JP2012111957A (ja) | プリプレグ | |
JP2011168936A (ja) | 繊維強化樹脂用シート及びこれを用いた繊維強化樹脂成形体 | |
CN211492897U (zh) | 一种复合材料结构 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100118 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120127 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120228 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120323 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150330 Year of fee payment: 3 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 4960755 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |