本発明では、表示装置の備える画素電極を複数の画素グループに分割し、複数の画素グループのうち、第一の画素グループにおいてフレームの表示が完了する前に、第二の画素グループにおいて他のフレームの表示を開始させる。これにより複数のフレームを順次切り換えて表示させる場合のフレーム表示切換時間を短縮する。また本発明では、フレーム表示切換中に、画素グループの数を変更することにより、表示切換の速度を調整し、所望のフレームを迅速に表示させる。
(第一の実施形態)
以下に図6を参照して本発明の第一の実施形態について説明する。図6は第一の実施形態の表示装置400の構成を示すブロック図である。
表示装置400は、電気泳動素子を用いた表示部410と、表示部410を駆動させる駆動部420とを有する。本実施形態の表示装置400では、例えば複数のページを有する電子書籍などを表示するために用いられるものである。表示装置400では、表示部410に表示されるページを順次切り換えて表示することにより、複数のページをめくるように表示させることができる。尚、本実施形態の説明では、例えばこのような電子書籍におけるページのように、表示部410において表示される静止画像をフレームと呼ぶ。
表示部410において、図1の表示部120と同様の構成である部分には、図1で使用した符号と同様の符号を付与し、説明を省約する。表示部410における表示については後述する。
駆動部420は、コントローラ421、メモリ422、走査線ドライバ423、信号線ドライバ424、設定部425、操作部427とから構成されている。
コントローラ421は表示部410における表示の制御を司る。またコントローラ421は、画素グループの数を変更する変更機能を実現する変更部426を有する。変更部426についての詳細は後述する。メモリ422には、表示部410に表示される複数のフレームと、各フレームの有するパターンを形成する各画素電極毎の表示データ、表示部410において現在表示されているフレームが、複数のフレームのうち何番目のフレームであるかを認識するための識別情報等が格納されている。
走査線ドライバ423は、コントローラ421から出力される走査命令信号に基づき走査線106を走査する。信号線ドライバ424はコントローラ421からの表示命令信号に基づき、オン状態のTFT105に接続された画素電極102へ表示データを出力する。設定部425では、表示装置400における各種設定が行われる。操作部427では、表示装置400の操作が行われる。
以下に、本実施形態の表示装置400の動作を説明する。
表示装置400においてユーザにより操作部427により表示指示がなされると、コントローラ421は、走査線ドライバ423へ走査命令信号421Aを出力する。走査線ドライバ423は、この走査命令信号421Aを受けて、走査線106に順次電圧を印加し、各走査線上にあるTFT105へ電圧を印加していく。
また、コントローラ421は、表示指示を受けて、信号線ドライバ423へ表示命令信号421Bを出力し、メモリ422へアドレッシング信号421Cを出力する。メモリ422は、このアドレッシング信号421Cを受けると、アドレッシング信号421Cに基づき各フレームのパターンを形成する各画素毎の表示データ422Dを抽出し、抽出された各画素電極毎の表示データ422Dを信号線ドライバ423へ出力する。
信号線ドライバ424は、コントローラ421からの表示命令信号421Bを受けて、信号線107へ電圧を印加し、メモリ422から受けた表示データをオン状態となっているTFT105に接続された画素電極102へ表示させる。
ここで、図7を参照して表示部410における表示について説明する。図7は第一の実施形態の表示部410を2つの画素グループに分割した場合を示す図である。
表示部410では、画素電極102が走査線を単位として二つの画素グループA、画素グループBに分割されている。本実施形態では、表示部410における走査線106をX1〜Xn(nは整数)としたとき、nが奇数の走査線上にある画素電極102を画素グループAに属する画素電極とした。そして、nが偶数の走査線上にある画素電極102を画素グループBに属する画素電極とした。
このように、画素電極102を画素グループAに属する画素電極と、画素グループBに属する画素電極に分割し、各々の画素グループに属する画素電極に、それぞれ異なるフレームのパターンを形成する表示データを表示させることにより、表示部410において、同時に異なる二つのフレームを表示させることができる。
各画素グループにおける表示の制御は、設定部425の設定に基づきコントローラ421により行われる。
設定部425では、例えばメモリ422に格納された複数のフレームを、それぞれどの画素グループに表示させるかを設定することが可能であっても良い。コントローラ421は、この設定に基づき各画素グループの画素電極102に表示させる表示データの出力を制御する。
例えば設定部425において、画素グループAには複数フレームの中で偶数番目のフレームを表示させ、画素グループBには複数フレームの中で奇数番目のフレームを表示させるように設定されていたとする。この場合、コントローラ421は、走査によりオン状態となったTFT105に接続された画素グループAに属する画素電極102に対し、偶数番目のフレームを形成する表示データを出力し、表示させる。そして、コントローラ421は、オン状態となったTFT105に接続された画素グループBに属する画素電極102に対し、奇数番目のフレームを形成する表示データを出力し、表示させる。
尚本実施形態では画素電極102を走査線106単位でグループに分割したが、分割の仕方はこれに限定されるものではなく、例えば信号線107単位でグループに分割されても良いし、走査線106や信号線107を単位とせずに、各グループに属する画素電極を散在させても良い。
図8には、画素電極102を2つの画素グループに分割する他の例を示す図である。例えば表示部410において画素電極102は、図8(A)に示すように、画素グループAに属する画素電極と、画素グループBに属する画素電極が格子状となるような分割しても良い。また表示部410において画素電極102は、図8(B)に示すように、画素グループAと画素グループBが表示部410の左右に分かれるように分割しても良い。このような画素電極102の分割の仕方は、設定部425により設定されても良い。
また、本実施形態の表示装置400では、各画素グループに属する画素電極102に表示させる表示データを出力するタイミングを制御することにより、各画素グループに表示される二つのフレームの表示を開始するタイミングを独立して制御することができる。
そこで、本実施形態の表示装置400では、第一の画素グループである画素グループAにおいてフレームの表示が完了する前に、第二の画素グループである画素グループBにおいて他のフレームの表示を開始させる。係る構成によれば、表示部410において複数のフレームを順次切り換えて表示させる場合に、最初のフレームを表示してから最後のフレームの表示が完了をするまでの表示切換時間を短縮することができる。尚、以下の説明では、表示部410において最初のフレームから最後のフレームまで、順次切り換えて表示させる処理を、順次表示切換処理と呼ぶ。
以下に図9乃至図11を参照して表示部410における複数フレームの順次表示切換処理について説明する。
図9は、表示部410に表示される複数のフレームの例を示す図である。図10は、二つの画素グループにおいて、それぞれに表示されるフレームのパターンを説明するタイミングチャートである。図11は、図10のタイミングチャートに対応させた走査線、信号線への入力信号及び表示部の表示状態を説明する図である。
ここで、図10に示すFxは、表示部410において順次表示される複数のフレーム(図9参照)のうち、x番目に表示される第xフレームを示している。
また、F0は表示部410において順次表示切換処理を開始する前の初期状態において表示される初期フレーム(最初のフレーム)であり、F7はフレームの表示切換を終了するときに表示させたい目標とされる目標フレーム(最後のフレーム)である。ここで、F7のように、そのフレームにおいて表示切り換えを終了させるフレームを目標フレームと呼ぶ。
表示装置400では、図10に示す時点P0において表示切換の指示を受け付けると、表示部410において表示されたフレームF0から次のフレームであるF1へ表示切換処理を開始する。
本実施形態では、画素グループAには初期フレームF0と目標フレームF7の他に、xが偶数となるフレームが表示されるものとし、画素グループBには初期フレームF0と目標フレームF7の他に、xが奇数となるフレームが表示されるものとした。表示部410では、走査のタイミングに基づき、各画素グループに属する画素電極に電圧を印加するタイミングに時間差を設けている。画素電極に電圧が印加されるタイミングがずれると、各画素電極ごとに、各画素電極の有する白色泳動素子と黒色泳動素子が移動を開始するタイミングがずれる。よって、各画素電極において、白色泳動素子と黒色泳動素子の移動が完了し、表示データの表示が完了するタイミングもずれることとなる。本実施形態の表示装置400では、このタイミングのずれを利用し、画素グループAにフレームのパターンが表示されるタイミングと画素グループBにフレームのパターンが表示されるタイミングを互い違いにすることにより、F0を表示してからF7の表示が完了をするまでの表示切換時間を短縮する。
表示装置400は、図10に示す時点P0において表示切換指示を受け付けると、図11に示す走査時間402における走査により、表示切換の動作を開始する。
以下に時点P0における表示状態について説明する。
時点P0での表示部410の表示状態は、初期フレームF0が表示された状態となっている。この時点での表示状態をS0として図11に示す。表示部410は、この初期フレームF0をF1へ切り換える動作を開始する。ここで、F0の次のフレームF1は画素グループBにおいて表示されるので、時点P0では画素グループBにおいて表示されるフレームのみが切換られる。
画素グループBでは、表示切換が開始されると、図11に示すように走査期間302の走査において、画素グループBに属する各画素電極にF1のパターンを形成する表示データが入力される。そして画素フレームBにおいてF1のパターンの表示が開始される。この走査期間302の走査では、画素グループAにおいて表示されるフレームの切換はまだ開始されない。よって走査期間302の走査では、画素グループAには初期フレームF0のパターンを形成する表示データが継続して入力される。
次に時点P1における表示部410の表示状態について説明する。
時点P1での表示部410の表示状態をS1として図11に示す。時点P1における画素グループAでは、フレームF0のパターンの次に表示されるフレームであるF2のパターンを表示すべく表示切換が開始される。また時点P1における画素グループBでもF0のパターンからF1のパターンへの表示切換中である。よって、表示部410では、いずれのフレームも視認できない状態となっている。
次に、時点P2における表示状態について説明する。
時点P2での表示部410の表示状態をS2とし、図11に示す。時点P2における画素グループAでは、F0のパターンからF2のパターンへの表示切換中であり、いずれのフレームも視認可能に表示されていない。時点P2における画素グループBでは、F0のパターンからF1のパターンへの表示切換が完了し、F1のパターンが視認可能に表示されている。
よって、表示部410では、F1が視認可能な状態で表示された状態となる。すなわち、時点P2で、表示部410における初期フレームF0のパターンから次のフレームF1のパターンへの表示切換が完了する。ここで、F0のパターンからF1のパターンへの表示切換に係る表示切換時間をTaとする。またこのとき、表示部410では画素グループBに表示されたF1の背景に、画素グループAにおける表示切換により生じる多少の残像が表示されることが予測されるが、この残像はF1の視認性を阻害しない程度のものである。
次に、時点P3における表示部410の表示状態について説明する。
時点P3での表示部410の表示状態をS3とし、図11に示す。時点P3における画素グループAでは、時点P1から開始したF0のパターンからF2のパターンへの表示切換が完了し、F2のパターンが視認可能に表示されている。時点P3における画素グループBでは、時点P2より開始されたF1のパターンからF3のパターンへの表示切換中であるから、いずれのフレームも視認可能に表示されていない。
よって、表示部410では、F2が視認可能な状態で表示された状態となる。すなわち、時点P3で、表示部410における初期フレームF1のパターンから次のフレームF2のパターンへの表示切換が完了する。ここで、F1のパターンからF2のパターンへの表示切換に係る表示切換時間をTbとする。
次に、時点P4における表示部410の表示状態について説明する。
時点P4での画素グループA、は時点P3から開始したF2のパターンからF4のパターンへの表示切換中であり、いずれのフレームも視認可能に表示されていない。時点P4での画素グループBは、時点P2から開始したF1のパターンからF3のパターンへの表示切換が完了し、F3のパターンが視認可能に表示されている。
よって、表示部410では、F3が視認可能な状態で表示された状態となる。すなわち、時点P4で、表示部410におけるフレームF2から次のフレームF3への表示切換が完了する。
ここで、図10から明らかなように、表示切換時間Taと表示切換時間Tbを比較すると、表示切換時間Tbは表示切換時間Taの約半分の長さとなる。表示切換時間Taは、画素パターン切換時間に該当するものであり、従来の表示装置100における表示切換時間である。
以上に説明したように、本実施形態の表示装置400では、初期フレームから次のフレームへの表示切換を除き、それ以降の1フレーム毎の表示切換時間を従来の表示装置100の約半分の長さに短縮している。よって、表示装置400では、フレーム表示切換にかかる時間を短くし、複数ページを順次切り換えて目標フレームを表示させるまでの全体の表示切換時間を大幅に短縮することができる。
さらに本実施形態の表示装置400では、フレーム表示切換にかかる時間を調整することにより、より迅速に目標フレームを表示させることができる。以下にフレーム表示切換にかかる時間の調整について説明する。
本実施形態の表示装置400におけるフレームの表示切換時間は、画素グループの数に依存する。以下に、例えば本実施形態の表示装置400において、画素電極102が3つの画素グループに分割された場合のフレームの表示切換時間について説明する。ここで画素電極102は、図12に示すように画素グループA、画素グループB、画素グループCの3つに分割されるものとした。図12は、第一の実施形態の表示部410において、画素電極102が3つの画素グループに分割された場合を示す図である。
以下に図13、図14を参照して、表示部410において画素電極102が3つの画素グループに分割された場合の表示について説明する。図13は、3つの画素グループにおいて、それぞれ順次表示するフレームのパターンを説明するタイミングチャートである。図14は、図13のタイミングチャートに対応させた走査線、信号線への入力信号及び表示部の表示状態を示す図である。
以下に時点Q0における表示状態について説明する。
時点Q0での表示部410Aの表示状態は、初期フレームF0が表示された状態となっている。表示部410Aは、この初期フレームF0をF1へ切り換える動作を開始する。ここで、F0の次のフレームF1は画素グループBにおいて表示されるので、時点Q0では画素グループBにおいて表示されるフレームのパターンのみが切換られる。
画素グループBでは、表示切換が開始されると、図14に示すように走査期間602の走査において、画素グループBに属する各画素電極にF1のパターンを形成する表示データが入力される。そして、画素フレームBにおいてF1の表示が開始される。この走査期間602の走査では、画素グループA、画素グループCにおいて表示されるフレームの切換はまだ開始されない。よって走査期間602の走査では、画素グループA、画素グループCには初期フレームF0のパターンを形成する表示データが継続して入力される。
次に時点Q1における表示部410Aの表示状態について説明する。
時点Q1における画素グループAでは、フレームF0のパターンの次に表示されるフレームであるF3のパターンを表示すべく表示切換中である。よって、画素グループAにはいずれのフレームも視認可能に表示されていない。また、時点Q1での画素グループCでも、初期フレームF0のパターンの次に表示されるフレームであるF2のパターンを示すべく表示切換中である。よって、画素グループCにはいずれのフレームも視認可能に表示されていない。
これに対し、時点Q1における画素グループBでは、F0のパターンから画素グループBにおいて次に表示されるF1のパターンへの表示切換が完了し、F1のパターンが視認可能に表示されている。
よって、表示部410Aでは、F1が視認可能な状態で表示された状態となる。すなわち、時点Q1で、表示部410Aにおける初期フレームF0のパターンから次のフレームF1のパターンへの表示切換が完了する。ここで、F0のパターンからF1のパターンへの表示切換に係る表示切換時間をT2aとする。またこのとき、表示部410Aでは画素グループBに表示されたF1の背景に、画素グループA及び画素グループCにおける表示切換により生じる多少の残像が表示されることが予測されるが、この残像はF1の視認性を阻害しない程度のものである。
次に、時点Q2における表示状態について説明する。
時点Q2での画素グループAでは、フレームF0のパターンの次に表示されるフレームであるF3のパターンを表示すべく表示切換中である。よって、画素グループAにはいずれのフレームも視認可能に表示されていない。また、時点Q2での画素グループBでは、F1のパターンの次に示されるフレームであるF4のパターンを表示すべく表示切換中である。よって、画素グループBにはいずれのフレームも視認可能に表示されていない。
これに対し、時点Q2での画素グループCでは、F0のパターンから、画素グループCにおいて次に表示されるF2のパターンへの表示切換が完了し、F2のパターンが視認可能に表示されている。
よって、表示部410Aでは、F2が視認可能な状態で表示された状態となる。すなわち、時点Q2で、表示部410AにおけるF1のパターンから次のフレームF2のパターンへの表示切換が完了する。ここで、F1のパターンからF2のパターンへの表示切換に係る表示切換時間をT2bとする。
次に、時点Q3における表示状態について説明する。
時点Q3での画素グループBでは、フレームF1のパターンの次に画素グループBに表示されるフレームであるF4のパターンを表示すべく表示切換中である。よって、画素グループBにはいずれのフレームも視認可能に表示されていない。また、時点Q3での画素グループCでは、F2のパターンの次に画素グループCに表示されるフレームであるF5のパターンを表示すべく表示切換中である。よって、画素グループCにはいずれのフレームも視認可能に表示されていない。
これに対し、時点Q3での画素グループAでは、F0のパターンから、画素グループAにおいて次に表示されるF3のパターンへの表示切換が完了し、F3のパターンが視認可能に表示されている。
よって、表示部410Aでは、F3が視認可能な状態で表示された状態となる。すなわち、時点Q3で、表示部410AにおいてF2のパターンから次のフレームF3のパターンへの表示切換が完了する。
ここで、表示切換時間T2aと表示切換時間T2bを比較すると、表示切換時間T2bは表示切換時間T2aの約1/3の長さとなることがわかる。表示切換時間T2aは、画素パターン切換時間に該当するものであり、従来の表示装置100における表示切換時間である。
すなわち本実施形態の表示装置400では、画素電極102を3つの画素グループに分割することにより、初期フレームから次のフレームへの表示切換を除き、それ以降の1フレーム毎の表示切換時間を従来の表示装置100の約1/3の長さに短縮する。
よって本実施形態の表示装置400では、画素グループの数を2から3へ増やすことによりフレームの表示切換時間を、従来の表示装置の表示切換時間の約半分から約1/3へ短縮することができる。このことから、本実施形態の表示装置400において、フレームの表示切換時間を変更して調整したい場合は、画素グループの数を変更すれば良い。特に本実施形態の表示装置400において、表示切換の速度を速くし、表示切換時間を短縮したい場合には、画素グループの数を増やせば良いことがわかる。
このような表示装置において、長時間表示切換処理が継続されている場合とは、ユーザの所望するページに到達するまでに多数のページをめくる必要がある場合である。よって、所定時間以上表示切換処理が継続されている場合に、自動的に表示切換の速度を早めて表示切換時間を短縮すれば、迅速にユーザの所望するページを探しあてることができる。
そこで、本実施形態の表示装置400では、順次表示切換処理が開始されてから、所定の時間経過しても目標フレームに到達しない場合に、画素グループの数を変更して表示切換時間を短縮するものとした。尚ここで、本実施形態の表示装置400では、ユーザにより操作部427により表示切換処理の停止指示をうけたときのフレームを目標フレームとする構成とした。
本実施形態の表示装置400では、順次表示切換処理が開始されてから画素グループの数が変更されるまでの時間が予め設定されて保持されている。この時間に係る設定は、例えばメモリ422や、図示しない別の記憶手段などに格納されて保持されていても良い。表示装置400では、コントローラ421が、表示装置400に備えられた時計機能により順次表示切換処理が開始されてからの経過時間を計測する。そしてコントローラ421は、予め設定された所定時間以上経過しても、順次表示切換処理の停止指示を受け付けない場合に、変更部426により画素グループの数を変更する。
ここで変更部426について説明する。変更部426は、コントローラ421の有する画素グループ数の変更機能を実現するものである。変更部426は、画素グループの数を、表示部410において現在設定されている値から、変更後の画素グループの数として設定部425により設定されて保持されている値へ変更する。変更部426により画素グループの数が変更されると、コントローラ421は各部材へ対し画素グループ数の変更に必要な制御を行う。ここで、変更後の画素グループの数として設定部425により設定された値は、例えばメモリ422や、図示しない別の記憶手段などに格納されて保持されていても良い。
以下に図15を参照して、画素グループの数の変更の処理について説明する。図15は、第一の実施形態の表示装置400において画素グループの数を変更する動作を説明するフローチャートである。図15に示す例では、表示部410における画素グループの数は2に設定されているものとした。
本実施形態の表示装置400では、ユーザによる操作部427からの表示切換処理の開始指示を受け付けて、順次表示切換処理を開始する(S1501)。ここでコントローラ421は、処理が開始された時点で表示部410に表示されていた初期フレームを、N番目のフレームを意味する第Nフレームとし(S1502)、メモリ422よりこの第Nフレームのフレーム情報を読み出す。ここで読み出されるフレーム情報は、例えば第Nフレームが、複数のフレームのうち何番目のフレームであるかを示す識別情報などである。
次にコントローラ421は、画素グループの数を変更するか否かを判断するための時間に係る情報を読み出して設定する(S1503)。この時間に係る情報は、コントローラ421が画素グループの数を変更するか否かを判断する基準となる変更基準時間であり、設定部425により設定されて、図示しない記憶手段などに保持されていても良い。またこの時間に係る情報は、順次表示切換処理の開始時に、その都度ユーザにより操作部427を用いて入力されても良い。そしてコントローラ421は、予め設定された画素グループの数を2として順次表示切換処理を開始する(S1504)。尚以下の説明では、2つの画素グループを画素グループA、画素グループBと呼ぶ。
次にコントローラ421は、画素グループAに属する画素電極に、Nフレームのパターンを表示させ、画素グループBに属する画素電極に第(N+1)フレームのパターンを表示させるべく、走査線106及び信号線107へ信号を印加する(S1505)。すなわち、TFT105がオンになっている走査線106上に位置する画素電極102が画素グループAに属する画素電極の場合は、信号線107に第Nフレームの表示データ信号を印加する。そして、TFT105がオンになっている走査線106上に位置する画素電極102が画素グループBに属する画素電極の場合は、信号線107に第(N+1)フレームの表示データ信号を印加する。
次にコントローラ421は、第(N+1)フレームが目標フレームであるか否かを判定する(S1506)。尚本実施形態では、コントローラ421は、操作部427からの順次表示切換処理の実行命令信号が途絶えた時に表示されていたフレームを目標フレームと判定する。この判定は、ある走査が終わってから、次の走査が始まるまでの間に実行される。
S1506において、第(N+1)フレームが目標フレームであった場合、コントローラ421は、画素グループA及び画素グループBの両方に第(N+1)フレームのパターンを表示させるべく、走査線106と信号線107へ信号を印加する(S1507)。そしてコントローラ421は順次表示切換処理を終了する(S1508)。
S1506において、第(N+1)フレームが目標フレームでなかった場合、コントローラ421は、順次表示切換処理が開始されてからS1506の時点までに経過した時間、すなわち順次表示切換処理の継続時間と、S1503において設定された変更基準時間とを比較する(S1509)。そしてコントローラ421は、順次表示切換の継続時間が変更基準時間よりも長かった場合、(N=N+1)とし(S1510)、変更部426により画素グループの数を変更させる。ここで本実施形態では、変更後の画素グループの数を3とした(S1511)。尚画素グループの数を変更した後の処理についての詳細は、別途図面を参照して説明する。
S1509において順次表示切換の継続時間が変更基準時間よりも短かった場合、コントローラ421は、画素グループAに第(N+2)フレームのパターンを表示させ、画素グループBに第(N+1)フレームのパターンを表示させるべく、走査線106と信号線107に信号を印加する(S1512)。
次にコントローラ421は、第(N+2)フレームが目標フレームであるか否かを判定する(S1513)。S1512において、第(N+2)フレームが目標フレームであった場合、コントローラ421は、画素グループA及び画素グループBの両方に第(N+2)フレームのパターンを表示させるべく、走査線106と信号線107へ信号を印加し(S1514)、表示切換処理を終了する(S1508)。
S1513において、第(N+2)フレームが目標フレームでなかった場合、コントローラ421は、順次表示切換処理が開始されてからS1512の時点までに経過した時間、すなわち順次表示切換処理の継続時間と、S1503において設定された変更基準時間とを比較する(S1515)。
そしてコントローラ421は、順次表示切換の継続時間が変更基準時間よりも長かった場合、(N=N+2)とし(S1516)、変更部426により画素グループの数を変更させる(S1511)。
S1515において、第(N+2)フレームが目標フレームでなかった場合、コントローラ421は、画素グループAに第(N+2)フレームのパターンを表示させ、画素グループBに第(N+3)フレームのパターンを表示させるべく、走査線106と信号線107に信号を印加する(S1517)。コントローラ421は、この処理を、目標フレームが出現するか、または順次表示切換の継続時間が変更基準時間よりも長くなるかのいずれか一方となるまで、S1505からS1517の処理を繰り返す。
次に、図16を参照して画素グループの数が3に変更された場合の表示装置400の動作を説明する。図16は、第一の実施形態の表示装置400において画素グループの数が変更された後の動作を説明するフローチャートである。図16に示す例では、3つの各画素グループを画素グループC、画素グループD、画素グループEとして説明する。
表示装置400において、画素グループの数が3つに変更されると(S1601)、コントローラ421は、画素グループCに属する画素電極に第Nフレームのパターンを表示させ、画素グループDに属する画素電極に第(N+1)フレームのパターンを表示させ、画素グループEに属する画素電極に第(N+2)フレームのパターンを表示させるべく、走査線106及び信号線107に信号を印加する(S1602)。すなわち、TFT105がオンになっている走査線上に位置する画素電極102が、画素グループCに属する画素電極の場合は、信号線107に第Nフレームの表示データ信号を印加する。そして、TFT105がオンになっている走査線上に位置する画素電極102が、画素グループDに属する画素電極の場合は、信号線107に第(N+1)フレームの表示データ信号を印加する。さらに、TFT105がオンになっている走査線上に位置する画素電極102が、画素グループEに属する画素電極の場合は、信号線107に第(N+2)フレームの表示データ信号を印加する。
次に、コントローラ421は、第(N+1)フレームが目標フレームであるか否かを判定する(S1603)。第(N+1)フレームが目標フレームであった場合、コントローラ421は、画素グループC、画素グループD及び画素グループEの全てに第(N+1)フレームのパターンを表示させるべく、走査線106と信号線107へ信号を印加する(S1604)。そして、表示部410に第(N+1)フレームを表示させ、表示切換処理を終了する(S1605)。
S1603において、第(N+1)フレームが目標フレームでなかった場合、コントローラ421は、画素グループCに第Nフレームのパターンを表示させ、画素グループDに第(N+1)フレームのパターンを表示させ、画素グループEに第(N+2)フレームのパターンを表示させるべく、走査線106と信号線107に信号を印加する(S1606)。
次にコントローラ421は、第(N+2)フレームが目標フレームであるか否かを判定する(S1607)。S1607において、第(N+2)フレームが目標フレームであった場合、コントローラ421は、画素グループC、画素グループD及び画素グループEの全てに第(N+2)フレームのパターンを表示させるべく、走査線106と信号線107へ信号を印加する(S1608)。そして、表示部410に第(N+2)フレームを表示させ、表示切換処理を終了する(S1605)。
S1607において、第(N+2)フレームが目標フレームでなかった場合、コントローラ421は、画素グループCに第(N+3)フレームのパターンを表示させ、画素グループDに第(N+1)フレームのパターンを表示させ、画素グループEに第(N+2)フレームのパターンを表示させるべく、走査線106と信号線107に信号を印加する(S1609)。
次にコントローラ421は、第(N+3)フレームが目標フレームであるか否かを判定する(S1610)。S1610において、第(N+3)フレームが目標フレームであった場合、コントローラ421は、画素グループC、画素グループD及び画素グループEの全てに第(N+3)フレームのパターンを表示させるべく、走査線106と信号線107へ信号を印加する(S1611)。そして、表示部410Aに第(N+3)フレームを表示させ、表示切換処理を終了する(S1605)。
S1610において、第(N+3)フレームが目標フレームでなかった場合、コントローラ421は、画素グループCに第(N+3)フレームのパターンを表示させ、画素グループDに第(N+4)フレームのパターンを表示させ、画素グループEに第(N+2)フレームのパターンを表示させるべく、走査線106と信号線107に信号を印加する(S1612)。
以下、表示装置400では表示部410において目標フレームが出現するまでS1602からS1612までの処理を繰り返す。
以上に説明したように、本実施形態の表示装置400では、順次表示切換処理が開始されてか、所定時間である変更基準時間経過した場合には、画素グループの数を変更する。ここで、変更後の画素グループの数を、変更前の画素グループの数よりも大きい値とすれば、表示部410におけるフレームの表示切換の速度を早くすることができる。よって本実施形態の表示装置400では、画素グループの数を変更することにより所望のフレーム(ページ)を表示させるまでの時間を短縮し、迅速に所望のフレームを表示させることができる。
また、本実施形態の表示装置400では、例えば変更後の画素グループの数を、変更前の画素グループの数よりも小さい値とすることにより表示切換の速度を遅くすることもできる。よって、本実施形態の表示装置400では、画素グループの数を変更することによりフレームの表示切換の速度をユーザの使用形態に合わせて調整することができ、表示装置400の操作性を向上させることができる。
尚本実施形態では、図15のS1503において画素グループの数を変更する基準を所定時間情報としたが、この基準を表示された所定フレーム数としても良い。この場合には、表示装置400には、表示部410に表示されたフレーム数をカウントするカウンタ機能が備えられていることが好ましい。このカウンタ機能は、例えばコントローラ421が実現しても良い。
画素グループの数を変更する基準を所定フレーム数とした場合について、以下に説明する。画素グループの数の変更基準を所定フレーム数とする場合、コントローラ421は、図15のS1503において、変更基準時間の代わりに、変更基準フレーム数を設定する。
そしてコントローラ421は、S1509において、順次表示切換処理が開始された後、表示部410に表示されたフレーム数が、変更基準フレーム数に達しているか否かを判定する。そして、順次表示切換処理が開始されてから表示部410に表示されたフレーム数が変更基準フレーム数に達していた場合に、画素グループの数を変更する処理へ移行すれば良い。
このようにすれば、本実施形態において、変更基準時間に基づき画素グループの数を変更する場合と同様の効果を得ることができる。
(第二の実施形態)
以下に図面を参照して、本発明の第二の実施形態について説明する。
第二の実施形態の表示装置では、第一の実施形態において画素グループの数を変更するに対し、表示装置400において表示される総フレーム数に対する各画素グループで表示されるフレーム数の比率を変更する点で、第一の実施形態と相違する。よって、以下の本実施形態の説明では第一の実施形態との相違点のみを説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものに対しては、第一の実施形態の説明で使用した符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
本実施形態の表示装置400では、コントローラ421の変更部426により、表示部410に表示される総フレーム数に対する各画素グループで表示されるフレーム数の比率を変更することで、表示部410におけるフレームの表示切換の速度を調整する。尚、以下の本実施形態の説明において、表示部410に表示される総フレーム数に対する各画素グループで表示されるフレーム数の比率を単に「比率」と呼ぶ。
以下に、表示装置400において比率を変更した場合の表示切換の速度について説明する。
例えば、第一の実施形態で説明したように、画素電極102が3つの画素グループに分割されており、各画素グループに異なるフレームが表示される設定となっていた場合、フレーム毎の表示切換の速度は従来の表示装置の約1/3である。この場合、例えば表示装置400において表示される総フレーム数を30フレームとしたとき、各画素グループに表示されるフレーム数は10フレームである。よって、この場合の比率は1/3となる。
これに対し、画素電極102を3つの画素グループに分割し、3つの画素グループのうち2つの画素グループに同時に同じフレームを表示させる場合について考える。この場合、表示装置400において表示される総フレーム数を30フレームとすると、各画素グループに表示されるフレーム数は20フレームであるから、比率は2/3となる。以下にこの比率2/3の場合の表示切換の速度について説明する。
図17は、第二の実施形態において比率2/3の場合であるときの表示切換の速度を説明するタイミングチャートである。
以下に時点R0における表示状態について説明する。
時点R0での表示部410の表示状態は、初期フレームF0が表示された状態となっている。表示部410は、この初期フレームF0をF1へ切り換える動作を開始する。ここで、F0の次のフレームF1は画素グループBにおいて表示されるので、時点R0では画素グループBにおいて表示されるフレームのパターンのみが切換えられる。
次に時点R1における表示部410の表示状態について説明する。
時点R1での画素グループAでは、フレームF0のパターンの次に表示されるフレームであるF2のパターンを表示すべく表示切換中である。よって、画素グループAにはいずれのフレームも視認可能に表示されていない。また、時点R1での画素グループCでは、初期フレームF0のパターンの次に表示されるフレームであるF1のパターンを表示すべく表示切換中である。
これに対し、時点R1での画素グループBでは、F0のパターンから画素グループBにおいて次に表示されるF1のパターンへの表示切換が完了し、F1のパターンが視認可能に表示されている。よって、表示部410では、F1が視認可能な状態で表示された状態となる。すなわち、時点R1で、表示部410における初期フレームF0のパターンから次のフレームF1のパターンへの表示切換が完了する。
本実施形態では、時点R1において画素グループBではF1のパターンが表示され、画素グループCではF1のパターンが表示されようとしている。よって、三つの画素グループそれぞれが異なるフレームのパターンを表示する図13に示す例と比較すると、表示部410においてフレームF1のパターンが表示される画素電極の数が多い。
よって、本実施形態において時点R1で表示部410に視認可能に表示されたF1のパターンは、図13に示す例の時点Q1で表示されたF1のパターンよりも視認性を高くすることができる。
ここで、F0のパターンからF1のパターンへの表示切換に係る表示切換時間をT3aとする。またこのとき、表示部410では画素グループBに表示されたF1の背景に、画素グループにおける表示切換により生じる多少の残像が表示されることが予測されるが、この残像はF1のパターンの視認性を阻害しない程度のものである。
次に、時点R2における表示状態について説明する。
時点R2での画素グループBでは、フレームF1のパターンの次に表示されるフレームであるF2のパターンを表示すべく表示切換中である。よって、画素グループBにはいずれのフレームも視認可能に表示されていない。また、時点R2での画素グループCでは、F1のパターンの次に示されるフレームであるF3のパターンを表示すべく表示切換中である。よって、画素グループCにはいずれのフレームも視認可能に表示されていない。
これに対し、時点R2での画素グループAでは、F0のパターンから、画素グループAにおいて次に表示されるF2のパターンへの表示切換が完了し、F2のパターンが視認可能に表示されている。
よって時点R2では、画素グループAにF2のパターンが表示され、画素グループBではF2のパターンが表示されようとしている。よって、時点R2においても時点R1と同様に、三つの画素グループそれぞれが異なるフレームのパターンを表示する図13に示す例と比較すると、表示部410AにおいてフレームF2のパターンが表示される画素電極の数が多い。
このため、時点R2で表示部410Aに視認可能に表示されたF2のパターンは、図13に示す例の時点Q2で表示されたF2のパターンよりも視認性を高くすることができる。ここで、F1のパターンからF2のパターンへの表示切換に係る表示切換時間をT3bとする。
次に、時点R3における表示状態について説明する。
時点R3での画素グループAでは、フレームF2のパターンの次に表示されるフレームであるF3のパターンを表示すべく表示切換中である。よって、画素グループAにはいずれのフレームも視認可能に表示されていない。また、時点R3での画素グループBでは、F2のパターンの次に示されるフレームであるF4のパターンを表示すべく表示切換中である。よって、画素グループBにはいずれのフレームも視認可能に表示されていない。
これに対し、時点R3での画素グループCでは、F1のパターンから、画素グループCにおいて次に表示されるF3のパターンへの表示切換が完了し、F3のパターンが視認可能に表示されている。
よって時点R3では、画素グループCにF3のパターンが表示され、画素グループAではF3のパターンが表示されようとしている。すなわち、時点R3においても時点R1と同様に、三つの画素グループそれぞれが異なるフレームのパターンを表示する図13に示す例と比較すると、表示部410AにおいてフレームF3のパターンが表示される画素電極の数が多い。
このため、時点R3で表示部410Aに視認可能に表示されたF3のパターンは、実施形態2の時点Q3で表示されたF3のパターンよりも視認性を高くすることができる。ここで、F2のパターンからF3のパターンへの表示切換に係る表示切換時間もT3bとする。
ここで、表示切換時間T3aと表示切換時間T3bを比較すると、表示切換時間T3bは表示切換時間T3aの約2/3の長さとなる。表示切換時間T3aは、画素パターン切換時間に該当するものであり、従来の表示装置100における表示切換時間である。
すなわち本実施形態では、初期フレームから次のフレームへの表示切換を除き、それ以降の1フレーム毎の表示切換時間を従来の表示装置100の約2/3の長さに短縮する。本実施形態の表示切換時間は、図13に示す例の表示切換時間と比較して長い時間となるが、本実施形態では表示されるフレームのパターンの視認性を向上させることができる。
このように、本実施形態の表示装置では、比率を変更することにより表示切換の速度を調整することができる。そこで本実施形態では、この比率を変更することにより表示切換の速度を調整する。
以下に図18を参照して、比率の変更の処理について説明する。図18は、第二の実施形態の表示装置400において比率を変更する動作を説明するフローチャートである。図18に示す例では、表示部410において画素電極102は3つの画素グループに分割されており、比率は2/3に設定されているものとした。またここで分割された3つの画素グループを、画素グループA、画素グループB、画素グループCと呼ぶ。
本実施形態の表示装置400では、ユーザによる操作部427からの表示切換処理の開始指示を受け付けて、順次表示切換処理を開始する(S1801)。ここでコントローラ421は、処理が開始された時点で表示部410に表示されていた初期フレームを、N番目のフレームを意味する第Nフレームとし(S1802)、メモリ422よりこの第Nフレームのフレーム情報を読み出す。ここで読み出されるフレーム情報は、例えば第Nフレームが、複数のフレームのうち何番目のフレームであるかを示す識別情報などである。
次にコントローラ421は、比率を変更するか否かを判断するための時間に係る情報を読み出して設定する(S1803)。この時間に係る情報は、コントローラ421が比率を変更するか否かを判断する基準となる変更基準時間であり、設定部425により設定されて、図示しない記憶手段などに保持されていても良い。ここで本実施形態の表示装置400において予め設定された比率を2/3とし、コントローラ421は順次表示切換処理を開始する(S1804)。
コントローラ421は、画素グループAに属する画素電極に第Nフレームのパターンを表示させ、画素グループBに属する画素電極及び画素グループCに属する画素電極に第(N+1)フレームのパターンを表示させるべく、走査線106及び信号線107に信号を印加する(S1805)。すなわち、TFT105がオンになっている走査線上に位置する画素電極102が、画素グループAに属する画素電極の場合は、信号線107に第Nフレームの表示データ信号を印加する。そして、TFT105がオンになっている走査線上に位置する画素電極102が、画素グループB及び画素グループCに属する画素電極の場合は、信号線107に第(N+1)フレームの表示データ信号を印加する。
次に、コントローラ421は、第(N+1)フレームが目標フレームであるか否かを判定する(S1806)。第(N+1)フレームが目標フレームであった場合、コントローラ421は、画素グループA、画素グループB及び画素グループCの全てに第(N+1)フレームのパターンを表示させるべく、走査線106と信号線107へ信号を印加する(S1807)。そして、表示部410に第(N+1)フレームを表示させ、表示切換処理を終了する(S1808)。
S1806において、第(N+1)フレームが目標フレームでなかった場合、コントローラ421は、順次表示切換処理が開始されてからこの時点までに経過した時間、すなわち順次表示切換処理の継続時間と、S1803において設定された比率の変更基準となる変更基準時間とを比較する(S1509)。そしてコントローラ421は、順次表示切換の継続時間が変更判断基準時間よりも長かった場合、(N=N+1)とし(S1810)変更部426により比率を変更させる。ここで本実施形態では、変更後の比率を1/3とした(S1811)。尚、比率を変更した後の処理については、別途説明する。
S1809において順次表示切換の継続時間が変更基準時間よりも短かった場合、コントローラ421は、画素グループA及び画素グループBに第(N+2)フレームのパターンを表示させ、画素グループCに第(N+1)フレームのパターンを表示させるべく、走査線106と信号線107に信号を印加する(S1812)。
次にコントローラ421は、第(N+2)フレームが目標フレームであるか否かを判定する(S1813)。S1813において、第(N+2)フレームが目標フレームであった場合、コントローラ421は、画素グループA、画素グループB及び画素グループCの全てに第(N+2)フレームのパターンを表示させるべく、走査線106と信号線107へ信号を印加する(S1814)。そして、表示部410に第(N+2)フレームを表示させ、表示切換処理を終了する(S1808)。
S1813において、第(N+2)フレームが目標フレームでなかった場合、コントローラ421は、順次表示切換処理が開始されてからS1812の時点までに経過した時間、すなわち順次表示切換処理の継続時間と、S1803において設定された比率の変更基準となる変更基準時間とを比較する(S1815)。そしてコントローラ421は、順次表示切換の継続時間が変更基準時間よりも長かった場合、(N=N+2)とし(S1816)変更部426により比率を変更させる(S1811)。
S1815において順次表示切換の継続時間が変更基準時間よりも短かった場合、コントローラ421は、画素グループA及び画素グループCに第(N+3)フレームのパターンを表示させ、画素グループBに第(N+2)フレームのパターンを表示させるべく、走査線106と信号線107に信号を印加する(S1817)。
次にコントローラ421は、第(N+3)フレームが目標フレームであるか否かを判定する(S1818)。S1818において、第(N+3)フレームが目標フレームであった場合、コントローラ421は、画素グループA、画素グループB及び画素グループCの全てに第(N+3)フレームのパターンを表示させるべく、走査線106と信号線107へ信号を印加する(S1819)。そして、表示部410に第(N+3)フレームを表示させ、表示切換処理を終了する(S1808)。
S1818において、第(N+3)フレームが目標フレームでなかった場合、コントローラ421は、順次表示切換処理が開始されてからS1818の時点までに経過した時間、すなわち順次表示切換処理の継続時間と、S1803において設定された比率の変更基準となる変更基準時間とを比較する(S1820)。そしてコントローラ421は、順次表示切換の継続時間が変更基準時間よりも長かった場合、(N=N+3)とし(S1821)変更部426により比率を変更させる(S1811)。
S1820において順次表示切換の継続時間が変更基準時間よりも短かった場合、コントローラ421は、画素グループAに第(N+4)フレームのパターンを表示させ、画素グループB及び画素グループCに第(N+3)フレームのパターンを表示させるべく、走査線106と信号線107に信号を印加する(S1822)。
以下、表示装置400では表示部410において目標フレームが出現するまでS1805からS1822までの処理を繰り返す。
次にS1811において、変更部426により比率が変更された場合の処理について説明する。
本実施形態の表示装置400において、比率が1/3に変更されると、画素グループA、画素グループB及び画素グループCのそれぞれに異なるフレームが表示されることになる。
よってこの場合の表示装置400の動作は、第一の実施形態の図16におけるS1602以降の動作と同様である。よって、本実施形態において比率が1/3とされた場合の表示装置400の動作の説明は省略する。尚このとき、本実施形態の画素グループAが図16に示す例の画素グループCに該当し、本実施形態の画素グループBが図16に示す例の画素グループDに該当し、本実施形態の画素グループCが図16に示す例の画素グループEに該当する。
本実施形態の表示装置において、比率が1/3に変更されると、表示切換の速度は従来の表示装置の表示切換速度の約1/3となる。表示装置400における比率変更前の表示切換速度は、従来の表示装置の表示切換速度の約2/3であるから、本実施形態の表示装置400では比率を変更することにより表示切換の速度を変更できることがわかる。
このとき、変更後の比率の値を、変更前の比率の値よりも小さい値に設定しておけば、表示装置400における表示切換の速度を早くすることができる。よって本実施形態の表示装置400では、所望のフレーム(ページ)を表示させるまでの時間を短縮でき、迅速に所望のフレームを表示させることができる。
また本実施形態の表示装置400では、例えば変更後の比率の値を、変更前の比率の値よりも大きい値とすることにより表示切換の速度を遅くすることもできる。よって、本実施形態の表示装置400では、フレームの表示切換の速度をユーザの使用形態に合わせて調整することができ、表示装置400の操作性を向上させることができる。
尚本実施形態では、図18のS1803において比率を変更する基準を時間情報としたが、この基準を表示された所定フレーム数としても良い。この場合には、表示装置400には、表示部410に表示されたフレーム数をカウントするカウンタ機能が備えられていることが好ましい。このカウンタ機能は、例えばコントローラ421が実現しても良い。
比率を変更する基準を所定フレーム数とした場合について、以下に説明する。比率の変更基準を所定フレーム数とする場合、コントローラ421は、図18のS1803において、変更基準時間の代わりに、変更基準フレーム数を設定する。
そしてコントローラ421は、S1809において、順次表示切換処理が開始された後、表示部410に表示されたフレーム数が、変更基準フレーム数に達しているか否かを判定する。そして、順次表示切換処理が開始されてから表示部410に表示されたフレーム数が変更基準フレーム数に達していた場合に、比率を変更する処理へ移行すれば良い。
このようにすれば、本実施形態において、変更基準時間に基づき比率を変更する場合と同様の効果を得ることができる。
(第三の実施形態)
以下に図面を参照して本発明の第三の実施形態について説明する。
本発明の第三の実施形態では、表示装置400において順次表示切換処理の終了指示を受けたときの動作が第一の実施形態と相違する。よって、以下の本実施形態の説明においては第一の実施形態との相違点についてのみ説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには第一の実施形態の説明で使用した符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
本実施形態の表示装置の構成は、第一の実施形態で説明した表示装置400と同様である。以下に、図19を参照して本実施形態の表示装置400の動作について説明する。図19は、第三の実施形態の表示装置400において表示切換の終了指示を受けた場合を説明するフローチャートである。
本実施形態の表示装置400では、表示切換処理の終了指示を受けたとき、この時点で表示部410に表示されているフレームから所定フレーム数遡ったフレームを目標フレームとして表示させる。尚、図19に示す動作は、第一の実施形態で説明した画素グループ数の変更処理や、第二の実施形態で説明した比率の変更処理と組み合わされるものであっても良い。また、図19に示す例では、表示部410において画素電極102が2つの画素グループに分割されているものとし、各画素グループを画素グループA、画素グループBと呼ぶ。
本実施形態の表示装置400において、操作部427により順次表示切換処理の開始指示がなされると、コントローラ421は順次表示切換処理を開始する(S1901)。ここでコントローラ421は、処理が開始された時点で表示部410に表示されていた初期フレームを、N番目のフレームを意味する第Nフレームとし(S1902)、メモリ422よりこの第Nフレームのフレーム情報を読み出す。
次にコントローラ421は、表示装置400において表示切換処理の停止指示を受けたときに遡る所定フレーム数を設定する(S1903)。この設定は、例えば設定部425を用いて予め設定されており、メモリ422または図示しないその他の記憶手段に保持されていても良い。またこの設定は、順次表示切換処理の開始時に、ユーザにより操作部427を用いて入力されたものが保持されていても良い。この場合コントローラ421は、S1903において、保持された所定フレーム数に係る設定を読み出せば良い。S1903における所定フレーム数の設定についての詳細は後述する。
次にコントローラ421は、画素グループAに第Nフレームのパターンを表示させ、画素グループBに第(N+1)フレームのパターンを表示させるべく、走査線106および信号線107へ信号を印加する(S1904)。そしてコントローラ421は、第(N+1)フレームが目標フレームであるか否かを判定する(S1905)。尚ここで、本実施形態の表示装置400は、操作部427により順次表示切換処理の終了指示がなされた場合に、表示部410において目標フレームが表示されたものと判定する。この判定は、ある走査が終了した後、その次の走査が開始されるまでの間に実行される。
S1905において、第(N+1)フレームが目標フレームであった場合、コントローラ421は、画素グループA及び画素グループBの両方に、第(N+1)フレームからS1903において設定した所定フレーム数遡ったフレームのパターンを表示させるべく、走査線106と信号線107へ信号を印加する(S1906)。そしてコントローラ421は、表示切換処理を終了する(S1907)。尚、コントローラ421は、表示部410において目標フレームに到達し、表示切換処理を終了する際に、目標フレームが複数フレームのうち、どのフレームであったかを示す情報をメモリ422へ格納しても良い。
S1905において、第(N+1)フレームが目標フレームでなかった場合、コントローラ421は、画素グループAに第(N+2)フレームのパターンを表示させ、画素グループBに第(N+1)フレームのパターンを表示させるべく、走査線106と信号線107に信号を印加する(S1908)。
次にコントローラ421は、第(N+2)フレームが目標フレームであるか否かを判定する(S1909)。S1909において第(N+2)フレームが目標フレームであった場合、コントローラ421は、画素グループA及び画素グループBの両方に、第(N+2)フレームからS1903において設定した所定フレーム数遡ったフレームのパターンを表示させるべく、走査線106と信号線107へ信号を印加する(S1910)。そしてコントローラ421は、順次表示切換処理を終了する(S1911)。
S1909において、第(N+2)フレームが目標フレームでなかった場合、コントローラ421は、画素グループAに第(N+3)フレームのパターンを表示させ、画素グループBに第(N+2)フレームのパターンを表示させるべく、走査線106と信号線107に信号を印加する(S1911)。
以下、表示装置400では表示部410において目標フレームが出現するまでS1904からS1911までの処理を繰り返す。
以上のように、本実施形態の表示装置400では、順次表示切換処理の終了指示がなされると、この時点で表示部410に表示されているフレームよりも、所定フレーム数遡ったフレームを目標フレームとすることができる。よって、例えばユーザが所望のフレームを視認してから順次表示切換処理を停止させる操作を行うまでの間に時間のずれがあった場合でも、ユーザの所望するフレームに近いフレームを目標フレームとして表示させることができる。このため本実施形態では、より迅速に所望のページを表示させることができる。
以下に、S1903において行われる所定フレーム数の設定についてさらに説明する。
本実施形態の表示装置400では、表示切換の速度が速いほど表示部410に表示されるフレームの移り変わりが早く、表示切換の速度が遅いほどこの移り変わりが遅くなる。よって本実施形態の表示装置400では、図19の説明で述べた所定フレーム数は表示切換の速度に合わせた数値に設定されることが好ましい。すなわち、例えば表示切換の速度が速い場合には遡る所定フレーム数の値を大きく設定し、表示切換の速度が遅い場合には遡る所定フレーム数の値を小さく設定することが好ましい。
そこで本実施形態の表示装置400では、この所定フレーム数を画素グループの数、または比率により異なる値に設定するものとした。
例えば本実施形態の表示装置400において、画素グループの数が3つで比率が1/3の場合の所定フレーム数をYa、画素グループの数が2つで比率が1/2の場合の所定フレーム数をYb、画素グループの数が3つで比率が2/3の場合の所定フレーム数をYcとしたとき、それぞれの所定フレーム数の関係は、Ya>Yb>Ycであることが好ましい。その理由は、画素グループの数が3で比率が1/3の場合が最も表示切換の速度が速く、画素グループの数が3つで比率が2/3の場合が最も表示切換の速度が遅いからである。ここで、図20に画素グループの数及び比率と表示切換の速度の関係を示す。
このように所定フレーム数を設定すれば、ユーザが目標フレームを視認してから操作部427により表示切換の終了指示を出すまでにタイムラグがあった場合でも、表示切換の速度に見合ったフレーム数遡ることができる。このため表示装置400は、ユーザの所望する目標フレームにより近いフレームを表示させることができる。
尚本実施形態の表示装置400では、表示部410に表示させるフレームを所定フレーム数遡る処理において、この遡り処理の開始フレームとなるフレームを表示する画素グループが設定されていても良い。本実施形態の表示装置400における遡り処理の開始フレームについて、画素グループの数が3、比率が1/3と設定されている場合を例として説明する。
本実施形態の表示装置400において、画素グループの数が3、比率が1/3と設定されている場合、表示部410におけるフレーム表示中は、常に各画素グループで表示された異なる3つのフレームが重畳して表示されている。よって表示部410では、順次表示切換処理の終了指示が出された時点においても、3つの異なるフレームが各画素グループに表示されている状態となる。そこで本実施形態の表示装置400では、このような場合に備え、予めどの画素グループに表示されたフレームを開始フレームとするかを設定しておくことができる。
例えば表示装置400において画素グループAに表示されたフレームを開始フレームとする設定がなされていたとする。この場合、コントローラ421は、順次表示切換処理の終了指示を受けた時点で画素グループAに表示されているフレームを開始フレームとする。そしてコントローラ421は、画素グループAに表示されたフレームを起点として、所定フレーム数遡ったフレームを表示させれば良い。この設定は、設定部425により予め設定されて、メモリ422またはそれ以外の表示装置400の備える図示しない記憶手段に保持されていても良い。またはこの設定は、順次表示切換処理の開始時に、ユーザにより操作部427を用いて入力されて保持されても良い。
以上、各実施形態において説明したように、本発明によれば表示切換の速度を調整可能とし、所望のページを迅速に表示させることができる。また、上記各実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。