JP4958368B2 - 架橋ヒアルロン酸 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な架橋ヒアルロン酸に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒアルロン酸は、N−アセチル−D−グルコサミンとD−グルクロン酸が交互にβ−1,4結合とβ−1,3結合で結合した、二糖単位から形成された直鎖状の高分子多糖である。ヒアルロン酸は哺乳動物の結合組織に分布するほか、ニワトリのとさか、連鎖球菌の夾膜などにも存在が知られている。ニワトリのとさか、臍帯等が抽出材料として用いられているほか、連鎖球菌の培養物からも精製物が調製されている。
【0003】
ヒアルロン酸は、分子量について多分散性であるが、種及び臓器特異性をもたず、生体に移植または注入した場合であっても優れた生体適合性を示すことが知られている。さらに、新しい物性を有するヒアルロン酸誘導体を得るために、多種多様な化学修飾、化学架橋が提案されている。ヒアルロン酸の化学修飾、化学架橋によってヒアルロン酸の水溶性を制御する技術が多く報告されており、3次元架橋によるヒアルロン酸ゲルの形成も知られている。
【0004】
これらの代表的なものとしては、ジビニルスルホン、ビスエポキシド類、ホルムアルデヒド等の二官能性試薬を架橋剤に使用して、得られた高膨潤性の架橋ヒアルロン酸ゲルを挙げることができる(米国特許第4,582,865号明細書、特公平6−37575号公報、特開平7−97401号公報、特開昭60−130601号公報参照)。
【0005】
また、ヒアルロン酸のテトラブチルアンモニウム塩がジメチルスルフォキシド等の有機溶媒に溶解する特徴を利用したヒアルロン酸の化学的修飾方法が開示されている(特開平3−105003号)。
【0006】
また、共有結合を形成する化学的試薬を使用しない方法として、ヒアルロン酸とアミノ基あるいはイミノ基を有する高分子化合物とを、ヒアルロン酸のカルボキシル基と高分子化合物のアミノ基あるいはイミノ基をイオン複合体として結合させてヒアルロン酸高分子複合体を調製する方法が開示されている(特開平6−73103号公報参照)。
【0007】
二官能性試薬を使用してヒアルロン酸を架橋する場合、ヒアルロン酸水溶液が低濃度であるため、架橋効率は著しく低くなる。つまり二官能性試薬のひとつの反応性基がヒアルロン酸と反応し、もうひとつの反応性基が未反応のまま残留してしまう。二官能性試薬の両方の反応性基がヒアルロン酸と反応して架橋が形成される効率は低くなる。最終的にヒアルロン酸の構造単位に対する置換度が高い架橋物が得られる。このような架橋ヒアルロン酸では、ヒアルロン酸の分子構造が持っている本来の性質が著しく減じるばかりではなく、化学的反応性物質の結合量が多くなるため、毒性や生体不適合性等の危険性を本質的に抱え込まざるをえなくなる。
【0008】
二官能性試薬による架橋ブリッジを介さずに架橋ヒアルロン酸を得る方法も提案されている。ヒアルロン酸のテトラブチルアンモニウム塩をジメチルスルフォキシド中で、トリエチルアミンとヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウムを加え反応させ、ヒアルロン酸のカルボキシル基と水酸基間でエステル結合を形成させる方法も開示されている(欧州特許0341745A1)。
この方法では、ヒアルロン酸のカルボキシル基を活性化剤と反応させ活性化エステル中間体を形成し、活性化エステル中間体が無水環境下でヒアルロン酸の水酸基と反応し、二官能性試薬による架橋ブリッジを介さない内部エステルが形成するとしている。しかし、ヒアルロン酸を構成する2糖単位の4種類の水酸基と、ラクトン結合を含めてどのような構造のエステル結合が形成されるか明示されていない。
【0009】
ヒアルロン酸のカルボキシル基を利用してエステル結合によって架橋したヒアルロン酸架橋物の生分解性が良好なことが知られている。活性化試薬として二または多官能性エポキシドを使用し、ヒアルロン酸のカルボキシル基とエポキシ基を反応させてエステル結合を形成する。二官能性試薬による架橋ブリッジを介したエステル結合による架橋ヒアルロン酸が得られる。この方法で得られた架橋ヒアルロン酸のリン酸緩衝生理的食塩水中での分解性が良好なこと、すなわちこのエステル結合の加水分解性が良好なことが開示されている(特公平7−116242公報、特表紹3−503551公報参照)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ヒアルロン酸自体が本来持っている優れた生体適合性の特徴を最大限生かすために、ヒアルロン酸の構造単位に対する置換度が最小限で、すなわち架橋効率が高く、生体適合性医用材料として使用可能な安定性を有している、品質管理可能な分子構造が制御されている架橋ヒアルロン酸は未だ開発されていない。
【0011】
本発明者らは、上記目的を達成するために、ヒアルロン酸自体の物理化学的性質を鋭意検討してきた。その結果、新規な(1)ヒアルロン酸のカルボキシル基と水酸基にエステル結合によって架橋している架橋ヒアルロン酸、特に(2)ヒアルロン酸のカルボキシル基が同一のヒアルロン酸分子のN−アセチル−D−グルコサミン単位の6位の1級水酸基に、及び/又は別のヒアルロン酸分子のN−アセチル−D−グルコサミン単位の6位の1級水酸基にエステル結合によって架橋している架橋ヒアルロン酸が、ヒアルロン酸自体が本来持っている優れた生体適合性の特徴を最大限生かすことのできる架橋効率が高い、生体適合性医用材料として使用可能な安定性を有している、品質管理可能な分子構造が制御されている架橋ヒアルロン酸であることを見出した。
【0012】
また、従来法による改質ヒアルロン酸は、幾多の努力にもかかわらず化学的反応性物質を用いるため、新たな改質による毒性や生体不適合性等の危険性を本質的に抱え込まざるをえないという課題があった。
【0013】
例えば、化学的修飾・架橋、及び金属塩等を用いるイオン的方法による、ヒアルロン酸誘導体は、たとえ生体内の貯留性等を改善できても、改質されたヒアルロン酸は架橋物質や金属等を共有結合やイオン結合でヒアルロン酸の分子中に内包するため、もはや天然ヒアルロン酸と構造が異なり、その生理作用や生体適合性、毒性を含む安全性が本質的にヒアルロン酸と同等であるとは言い難く、さらにこれら架橋剤等の残留毒性や、生体内に於ける分解産物に含まれる架橋剤の安全性の問題を完全に回避することは難しかった。
【0014】
二官能性試薬等の架橋剤を使用しないで、ヒアルロン酸に架橋構造を導入する方法として、ヒアルロン酸自体が有する官能基、つまりカルボキシル基、水酸基、アセトアミド基を直接結合させる方法がある。この方法で得られる架橋構造はエステル結合とアミド結合である。分子間エステル結合で形成した架橋構造は、生体内において加水分解してヒアルロン酸自体の構造に戻るため、生体適合性の面で有利である。
【0015】
ヒアルロン酸を構成する二糖単位に存在する官能基は、N−アセチル−D−グルコサミンのアセトアミド基、C−4に結合した2級水酸基とC−6に結合した1級水酸基、D−グルクロン酸のカルボキシル基、C−2に結合した2級水酸基とC−3に結合した2級水酸基である。エステル結合は1種類のカルボキシル基と4種類の水酸基間で形成することができる。糖環に直接結合した2級水酸基とカルボキシル基間のエステル結合は、糖環に直接結合していない1級水酸基間のエステル結合に比べて不安定である。
【0016】
加水分解等に対して不安定な分子間エステル結合によって架橋した架橋ヒアルロン酸は、最終製品である医用材料の貯蔵安定性が乏しく、実用上の大きな障害となる。また安定性の異なる4種類の分子間エステル結合が混在していることは、品質管理上に致命的な問題を生起し、実用上の大きな障害となる。
【0017】
本発明者らは、本発明で得られた架橋ヒアルロン酸が医用材料として理想的な生体適合性を有し、しかも生体適合性医用材料として使用可能な安定性と、品質管理可能に分子構造が制御されていることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0018】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明によれば、ヒアルロン酸のカルボキシル基が同一のヒアルロン酸分子のN−アセチル−D−グルコサミン単位の6位の1級水酸基に、及び/又は別のヒアルロン酸分子のN−アセチル−D−グルコサミン単位の6位の1級水酸基にエステル結合によって架橋している架橋構造を主要な架橋構造として有する、架橋ヒアルロン酸が提供される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるヒアルロン酸は、動物組織から抽出したものでも、また発酵法で製造したものでもその起源を問うことなく使用できる。
発酵法で使用する菌株は自然界から分離されるストレプトコッカス属等のヒアルロン酸生産能を有する微生物、又は特開昭63−123392号公報に記載したストレプトコッカス・エクイFM−100(微工研菌寄第9027号) 、特開平2−234689号公報に記載したストレプトコッカス・エクイFM−300(微工研菌寄第2319号) のような高収率で安定にヒアルロン酸を生産する変異株が望ましい。上記の変異株を用いて培養、精製されたものが用いられる。
【0020】
本発明でいう架橋ヒアルロン酸は、ヒアルロン酸が架橋構造を保持し、溶媒に可溶性であれば、原料となるヒアルロン酸よりも分子量が増大している。分子量は一般的にGPCを使って測定することができるが、架橋構造を保持している、すなわち分岐構造を有しているヒアルロン酸の分子量はGPC−MALLS(多角度光散乱)を用いて測定する方が正確である。
原料として使用するヒアルロン酸の分子量と架橋度を制御することにより、溶媒に対して不溶性の架橋ヒアルロン酸も得られる。
【0021】
本発明でいう架橋ヒアルロン酸の架橋度、すなわち導入する分子間エステル結合量は、架橋ヒアルロン酸の使用目的や要求特性に合わせて任意に制御することができる。エステル結合量は、ヒアルロン酸中のカルボキシル基の全数に対する割合として定義できる。
関節注入剤等ではヒアルロン酸は水溶液として使用される。ヒアルロン酸水溶液の粘弾性特性を改善する目的で水溶性の架橋ヒアルロン酸を調製する場合、原料として使用するヒアルロン酸の分子量にも左右されるが、導入する分子間エステル結合量は0.5%未満が好ましい。
【0022】
溶媒に不溶性の架橋ヒアルロン酸の場合、原料として使用するヒアルロン酸の分子量にも左右されるが、導入する分子間エステル結合量は1%未満が好ましい。導入する分子間エステル結合量が1%以上では、不十分な膨潤特性の架橋ヒアルロン酸となり、ヒアルロン酸本来の特性が発現し難くなる。
【0023】
本発明でいう架橋ヒアルロン酸の分子構造はNMRを使って確かめることができる。ヒアルロン酸自体の分子構造はNMRを使って、その末端基まで含めて詳しく解析されている(Carbohydr.Res.Vol245,p113-128,1993、Macromolecules Vol29,p2894-2902,1996)。
ヒアルロン酸の修飾や架橋によってヒアルロン酸の構造が改変された場合、スペクトル上の新規のピークを、多次元NMR等の各種手法を用いて帰属し、構造を決定することができる。
構造が改変された割合が小さく、その検出が難しい場合、酵素分解等の分子構造に対する認識性の大きい分解反応を利用して、検出目的の構造を濃縮してから解析することもできる。
【0024】
ヒアルロン酸を分解する酵素は、放線菌由来ヒアルロニダーゼや羊睾丸由来ヒアルロンダーゼ等多種類存在する。ヒアルロン酸の主鎖の分解部位が使用する酵素の種類によって異なることが知られている。羊睾丸由来ヒアルロンダーゼで分解したヒアルロン酸オリゴ糖では、生成する末端基の構造まで含めて構造が解析されている。
ヒアルロン酸の酵素分解では、分解条件によってトランスグリコシレーションが起こることが知られている。トランスグリコシレーションを避けるために、ヒアルロン酸水溶液のpHを低く調製する必要がある(The Journal Biological Chemistry.Vol. 270 ,p3741-3747,1995)。
【0025】
本発明でいう架橋ヒアルロン酸はラクトン結合を含まない。ラクトン結合はエステル結合の一種である。ラクトン結合は閉環によるひずみを持ったエステル結合であり、赤外線吸収スペクトルで観測されるカルボニルの伸縮振動が、ひずみを持たないエステル結合に比べて高波数側へシフトしていることが知られている。本発明でいう架橋ヒアルロン酸では、ひずみを持ったエステル結合は、赤外線吸収スペクトルで観測されない。
【0026】
本発明に用いられるヒアルロン酸は、動物組織抽出又は発酵法で得られた高分子精製品でも、更に加水分解処理等をして得た低分子量のものでも同様に好ましく使用できる。
なお、本発明にいうヒアルロン酸は、そのアルカリ金属塩、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウムの塩をも包含する概念で使用される。
【0027】
本発明に用いられるヒアルロン酸の水溶液は、ヒアルロン酸の粉末と水を混合し、撹拌して得られる。
【0028】
本発明では、温和な反応条件でエステル化することにより、エステル化反応の選択性を向上させている。ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウム等の活性化剤を使用した活性化エステル中間体は反応性が強いため、ヒアルロン酸を構成する2糖単位の4種類の水酸基に対する反応の選択性がない。よって、ひずみを持ったエステル結合まで形成されてしまう。
【0029】
温和な反応条件でエステル化することにより、エステル化反応以外の副反応を抑制することができる。ヒアルロン酸は容易に主鎖切断反応によって低分子量化する。加水分解による主鎖切断反応は、中性と比較して酸性やアルカリ性で著しく促進される。ラジカル分解によって、主鎖切断が著しく促進されることも知られている。加熱によってこれらの反応は更に促進される。副反応による低分子量化は結果的に架橋効率の低下を引き起こす。
【0030】
本発明では、ヒアルロン酸水溶液を酸性に調整し、解離しているカルボキシル基を酸型に変換して架橋ヒアルロン酸を得る。
ヒアルロン酸水溶液を酸性に調製し加熱する方法が、低分子量ヒアルロン酸の調製方法として開示されている。(特開平1−266102公報参照)ヒアルロン酸水溶液を酸性で加熱すると、N−アセチル−D−グルコサミン単位の脱アセチル化反応も起こることが記載されている。
【0031】
分子間エステル化反応による架橋形成と競争する、酸加水分解による低分子量化を抑制するためには、反応温度を低くすることが必要になる。架橋形成を優先させる反応温度としては、室温以下が好ましく、更に好ましい反応温度は10℃以下である。
【0032】
分子間エステル化反応を促進するためには、ヒアルロン酸濃度を高くする必要がある。脱水縮合によるエステル化反応が平衡反応であることからも、反応系中に存在する水の量を減ずるため、ヒアルロン酸濃度を高くする必要がある。ヒアルロン酸濃度は5質量%以上が好ましく、更に好ましくは10質量%以上である。
【0033】
反応系に脱水縮合反応を触媒する物質を添加することは、分子間エステル化反応を促進するために重要である。脱水縮合反応を促進する触媒としては、酸性触媒が一般的であり、硫酸、塩酸や芳香族スルホン酸誘導体等が使用できる。
【0034】
架橋度は、反応温度、ヒアルロン酸濃度、添加する脱水縮合触媒の種類及び量と共に、反応時間で制御できる。
【0035】
得られた架橋ヒアルロン酸は、ヒアルロン酸の酸加水分解を避けるために、酸性に調整するために用いた酸等の成分を除く必要がある。酸等の成分を除くためには、通常は水性溶媒による洗浄もしくは透析を行う。架橋ヒアルロン酸の機能を損なわないものであれば特に制限はないが、例えば、水、生理食塩水、リン酸緩衝液等が用いられるが、好ましくは、生理食塩水、リン酸緩衝液等が用いられる。
【0036】
洗浄された架橋ヒアルロン酸に酸型のカルボキシル基が残っている場合には、ヒアルロン酸の酸加水分解を避けるために、ナトリウム型等に塩化する必要がある。水酸化ナトリウム水溶液で架橋ヒアルロン酸水溶液のpHを7に調製するか、架橋ヒアルロン酸を生理的食塩水やリン酸緩衝生理的食塩水に浸漬することで塩化することができる。
【0037】
この洗浄、塩化された架橋ヒアルロン酸は、その使用目的に応じて、溶液状、溶媒中に浸漬した状態、溶媒を含ませた湿潤状態、風乾、減圧乾燥あるいは凍結乾燥等の処理を経た乾燥状態で医用材料として供される。
【0038】
医用材料として用いるためには、生体適合性が高いことが必須であり、一般的に細胞毒性がないことを証明する必要がある。本発明の架橋ヒアルロン酸は、これらの条件を十分に満たすものであり、生体分解性医用材料としてまたヒアルロン酸が用いられる分野であれば特に制限なく使用することができる。例えば、癒着防止材、関節注入剤、軟質組織注入剤、代用硝子体、化粧料、診断・治療に用いる医療器具・医療用具等の生物医学的製品又は医薬組成物への使用が挙げられる。
【0039】
架橋ヒアルロン酸及びその成形加工品は、単一形態での使用は当然ながら、異なる架橋ヒアルロン酸の形態との混合又は併用、更にヒアルロン酸溶液との混合又は併用による組合せ処方により効果の増強が期待できる。
【0040】
医用材料として用いるために、ヒアルロン酸と同様に生体適合性に優れる材料、例えば、コンドロイチン硫酸、カルボキシメチルセルロース等を架橋ヒアルロン酸に添加することができる。これらの材料を架橋ヒアルロン酸を形成させる反応中で、混合、複合化することもできるものであり、何ら制限されないものである。
また、架橋ヒアルロン酸に、薬学的又は生理学的に活性な物質を添加して、これらを含有する架橋ヒアルロン酸を調製させることもできるものであり、何ら制限されないものである。
【0041】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。なお、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0042】
実施例1
分子量が2.8×104 ダルトンのヒアルロン酸ナトリウムを蒸留水に溶解し、6.0質量%のヒアルロン酸の水溶液を調整した。調整されたヒアルロン酸の水溶液のpHは、6.0であった。この水溶液のpHを、1N塩酸でpH1.2に調整した。ヒアルロン酸の酸性水溶液50mlを−20℃に設定した冷凍庫に入れた。150日間凍結した後、25℃で解凍した。その結果、架橋ヒアルロン酸が得られた。架橋ヒアルロン酸の酸性水溶液を0.2NのNaOH水溶液でpH7.0に中和した。中和したヒアルロン酸水溶液を凍結乾燥し、架橋ヒアルロン酸を回収した。分子量は8.7×104であった。
【0043】
実施例2
分子量が2.0×106ダルトンのヒアルロン酸ナトリウムを蒸留水に溶解し、1.0質量%のヒアルロン酸の水溶液を調整した。調整されたヒアルロン酸の水溶液のpHは、6.0であった。この水溶液のpHを、1N硝酸でpH1.5に調整した。ヒアルロン酸の酸性水溶液50mlを凍結乾燥した。得られた乾燥体を冷蔵庫に一晩放置した。溶媒に不溶化した架橋ヒアルロン酸が得られていた。得られた架橋ヒアルロン酸を蒸留水で水洗し、続いて生理的食塩水に50mM濃度でリン酸緩衝成分を加えてpH7に調整したリン酸緩衝生理的食塩水に浸漬、洗浄し、続いて蒸留水で洗浄した。乾燥して架橋ヒアルロン酸を回収した。
【0044】
実施例3
実施例1で得られた架橋ヒアルロン酸と原料として使用したヒアルロン酸ナトリウムのH1−NMRとC13−NMRを測定した。NMRの測定は日本電子社製JNMα−500を使用して行った。測定溶媒は0.15MのNaClと20mMのリン酸緩衝成分(pD=6.5)を溶解した重水を使用した。
【0045】
架橋ヒアルロン酸のH1−NMRとC13−NMRのスペクトルは、原料として使用したヒアルロン酸ナトリウムのスペクトルと完全に一致した。すなわち架橋ヒアルロン酸の架橋点の構造と架橋ヒアルロン酸を調製する反応中の副反応に起因する構造変化は検出されていない。ヒアルロン酸を対象とするNMR測定の検出感度は、ヒアルロン酸の2糖構造単位に対して約1モル%である。
架橋ヒアルロン酸に存在する微量の架橋点の構造を検出するため、架橋点を濃縮する必要がある。
【0046】
実施例4
架橋ヒアルロン酸の酵素分解
実施例1で得られた架橋ヒアルロン酸2.0gを0.1M酢酸緩衝液(pH5.0、NaCl0.15M)40mlに溶解した。この溶液を無菌的に0.2μmのメンブランフィルターでろ過した。ヒアルロニダーゼ(シグマ、タイプ5、約3000単位/mg)80mgを0.1M酢酸緩衝液に溶解し、無菌的に加えた。40℃で40時間攪拌後、冷却し、酵素分解物溶液を得た。
【0047】
比較例1
ヒアルロン酸の酵素分解
分子量が2.8×104 ダルトンのヒアルロン酸ナトリウムを0.2gを0.1M酢酸緩衝液(pH5.0、NaCl0.15M)4mlに溶解した。この溶液を無菌的に0.2μmのメンブランフィルターでろ過した。ヒアルロニダーゼ(シグマ、タイプ5、約3000単位/mg)8mgを0.1M酢酸緩衝液に溶解し、無菌的に加えた。40℃で40時間攪拌後、冷却し、酵素分解物溶液を得た。
【0048】
実施例5
架橋ヒアルロン酸の加水分解
実施例1で得られた架橋ヒアルロン酸25mgを0.1M酢酸緩衝液(pH5.0、NaCl0.15M)0.5mlに溶解した。この溶液に酵素を添加せず、40℃で40時間放置し、冷却した。この溶液中の架橋ヒアルロン酸の分子量は8.4×104であった。すなわち、架橋ヒアルロン酸の加水分解は、実施例4の酵素分解条件下ではほとんど起こらないことがわかる。
【0049】
実施例6
酵素分解物の分子サイズ測定
実施例4と比較例1で得られた酵素分解物の分子サイズは、GPCを使って測定した。
GPCカラムとして昭和電工社製SB802.5HQを1本使用し、示差屈折率検出器として日本分光社製830−RIを使用して、溶媒硝酸ナトリウムの0.2M水溶液、測定温度40℃、流速0.6ml/分で測定した。測定結果を図1に示す。
【0050】
図1の結果から、ヒアルロン酸の酵素分解物では6糖、4糖、2糖単位のオリゴ糖の混合物が生成しているのに対して、架橋ヒアルロン酸の酵素分解物では6糖単位よりも分子サイズの大きいオリゴ糖が存在していることがわかる。
架橋ヒアルロン酸の架橋点の立体的構造は、直鎖構造を有するヒアルロン酸の立体的構造と異なるため、ヒアルロニダーゼによる分解が6糖単位以下の分子サイズまで進行しない。
【0051】
実施例7
架橋ヒアルロン酸由来の分子サイズの大きいオリゴ糖の精製
実施例4で得られた酵素分解物溶液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した。この溶液約40mlに、塩化ナトリウム1.2gを加え、更にエタノール約150mlを攪拌下で滴下した。得られた析出物をろ別し、硝酸ナトリウムの0.2M水溶液30mlに溶解した。不溶化したヒアルロニダーゼをろ別し、溶液を回収した。
GPCカラムとして昭和電工社製SB2002.5HQを1本使用し、日本分析工業社製LC−908を使用して、溶媒硝酸ナトリウムの0.5M水溶液、室温、流速2.0ml/分、サンプル注入量1mlで分取精製した。分取GPCクロマトグラムを図2に示す。19.0〜20.5分を分子サイズの大きいオリゴ糖として分取した。
分取溶液は0.2μmメンブランフィルターでろ過した。分取溶液に対して、5倍容積のエタノールを加えて、分子サイズの大きいオリゴ糖を析出させた。析出物を重水に溶解し、凍結乾燥して回収した。
【0052】
比較例2
ヒアルロン酸オリゴ糖の精製
実施例7で分取GPCクロマトグラムの23.0〜23.5分をヒアルロン酸オリゴ糖として分取した。
分取溶液は0.2μmメンブランフィルターでろ過した。分取溶液に対して、5倍容積のエタノールを加えて、ヒアルロン酸オリゴ糖を析出させた。析出物を重水に溶解し、凍結乾燥して回収した。
【0053】
実施例8
架橋点成分のNMR測定
実施例7で回収した分子サイズの大きいオリゴ糖と比較例2で回収したヒアルロン酸オリゴ糖を、実施例2で使用した溶媒に溶解してNMRの測定を行った。化学シフトはTSPを基準物質とした。測定結果を図3及び図4に示す。すなわち、分子サイズの大きいオリゴ糖のC13−NMRスペクトルを図3に、ヒアルロン酸オリゴ糖のC13−NMRスペクトルを図4に示した。
【0054】
図3と図4のC13−NMRスペクトルの結果から、分子サイズの大きいオリゴ糖ではヒアルロン酸オリゴ糖に見られない小強度のピークが多数存在している。ここで主ピークから大きくシフトしているピークは171ppmと67ppmのピークである。この両者のピークは、ヒアルロン酸のD−グルクロン酸単位のカルボキシル基とN−アセチル−D−グルコサミン単位の1級水酸基間のエステル結合の形成により主ピークからシフトし、それぞれエステル結合したD−グルクロン酸単位のC−6とN−アセチル−D−グルコサミン単位のC−6に帰属される。171ppmと67ppm以外の小強度のピークは、エステル結合の導入に伴う遠隔効果により主ピークから分離したピークである。
すなわち、本発明の架橋ヒアルロン酸はヒアルロン酸のD−グルクロン酸単位のカルボキシル基とN−アセチル−D−グルコサミン単位の1級水酸基間の選択的なエステル結合の形成により架橋していることがわかる。
図4のC13−NMRスペクトルの結果は、Carbohydr. Res. Vol245,p113-128,1993記載のヒアルロン酸オリゴ糖のC13−NMRスペクトルと一致している。
【0055】
実施例9
実施例2で得られた架橋ヒアルロン酸を実施例2記載のリン酸緩衝生理的食塩水に入れ、室温で2日間放置し、十分膨潤させた。膨潤した架橋ヒアルロン酸を蒸留水で洗浄し、実施例4記載の溶媒50mlに膨潤させた。アジ化ナトリウムを10mg加えた。実施例4記載のヒアルロニダーゼ30mgを加え、40℃で40時間攪拌後、冷却し、酵素分解物溶液を得た。この溶液から実施例7と同じ方法で分子サイズの大きいオリゴ糖を回収し、実施例8と同様にC13−NMRを測定した。
図3と同じパターンのスペクトルが得られた。すなわち、実施例2で得られた架橋ヒアルロン酸もヒアルロン酸のD−グルクロン酸単位のカルボキシル基とD−N−アセチルグルコサミン単位の1級水酸基間の選択的なエステル結合の形成により架橋していることがわかる。
【0056】
【発明の効果】
以上、本発明によって得られた架橋ヒアルロン酸は、ヒアルロン酸の分子構造の改変に起因する生体適合性への悪影響が避けられ、実用可能な安定性と品質管理上の優位性を有するため、生体適合性材料分野に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4記載の架橋ヒアルロン酸の酵素分解物と比較例1記載のヒアルロン酸の酵素分解物のGPCクロマトグラムである。
【図2】実施例4記載の架橋ヒアルロン酸の酵素分解物の分取GPCクロマトグラムである。
【図3】実施例7で回収した分子サイズの大きいオリゴ糖のC13−NMRスペクトルである。
【図4】比較例2で回収したヒアルロン酸オリゴ糖のC13−NMRスペクトルである。
【符号の説明】
1 実施例4記載の架橋ヒアルロン酸の酵素分解物のGPCクロマトグラム
2 比較例1記載のヒアルロン酸の酵素分解物のGPCクロマトグラム

Claims (1)

  1. ヒアルロン酸の安定化方法であって、
    1)5質量%以上の濃度のヒアルロン酸水溶液に、硫酸、塩酸及び芳香族スルホン酸誘導体からなる群から選択される酸性触媒を加える工程と、
    2)反応温度−20℃以下で分子間エステル化反応させることにより、カルボキシル基が同一のヒアルロン酸分子のN−アセチル−D−グルコサミン単位の6位の1級水酸基及び/又は別のヒアルロン酸分子のN−アセチル−D−グルコサミン単位の6位の1級水酸基と、エステル結合によって架橋している架橋構造を有するように、ヒアルロン酸を架橋化する工程と、
    3)酸を除く工程と
    を含み、
    該架橋化ヒアルロン酸には、以下の(i)〜(iii)の架橋構造:
    (i)ヒアルロン酸のカルボキシル基が同一のヒアルロン酸分子のN−アセチル−D−グルコサミン単位の4位の2級水酸基に、及び/又は別のヒアルロン酸分子のN−アセチル−D−グルコサミン単位の4位の2級水酸基にエステル結合によって架橋している第1の異なる架橋構造、
    (ii)ヒアルロン酸のカルボキシル基が同一のヒアルロン酸分子のD−グルクロン酸単位の2位の2級水酸基に、及び/又は別のヒアルロン酸分子のD−グルクロン酸単位の2位の2級水酸基にエステル結合によって架橋している第2の異なる架橋構造、および
    (iii)ヒアルロン酸のカルボキシル基が同一のヒアルロン酸分子のD−グルクロン酸単位の3位の2級水酸基に、及び/又は別のヒアルロン酸分子のD−グルクロン酸単位の3位の2級水酸基にエステル結合によって架橋している第3の異なる架橋構造、
    がNMRの検出限界以下しか含まれておらず、かつ
    ラクトン結合による架橋構造が赤外線吸収スペクトルの検出限界以下である、方法。
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