JP4957445B2 - 真空成形装置 - Google Patents
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特許文献1に記載の真空成形装置は、細かいアルミニウムの粒を樹脂で固めることにより成形型が形成されている。成形型の型面には樹脂製のシート状部材が貼着されており、前記成形型及び前記シート状部材を貫通するようにして表皮材を前記型面に向けて吸引するための複数の真空吸引孔が設けられている。このような真空成形装置は、例えば、天然繊維ボードあるいは合成樹脂ボード等からなる基材の表面に表皮材を被覆した車両用内装材を製造する際において、表皮材の表面に凹凸状の模様を転写する加工(「シボ加工」などと呼ばれる)を施す場合に用いられる。
第1発明は、金属製の成形型の型面に樹脂製のシート状部材が貼着されており、前記成形型及び前記シート状部材を貫通するようにして表皮材を前記型面に向けて吸引するための複数の真空吸引孔が設けられている真空成形装置であって、前記成形型の下面側には金属製のベース部材が配置されており、前記ベース部材の下面側には真空室を形成するための枠部材が配置されており、前記複数の真空吸引孔は、前記ベース部材を上下方向に貫通する複数の貫通孔を介して前記真空室に連通しており、かつ、前記成形型の下面側、あるいは、前記ベース部材の上面側に形成された連通溝を介して互いに連通していることを特徴とする真空成形装置である。
図1は、本実施形態の真空成形装置10の分解斜視図である。図2は、真空成形装置10の成形型12の下面図である。図3は、図2のA−A線に対応する真空成形装置10の断面図である。図4は、図2のB−B線に対応する真空成形装置10の断面図である。
複数の貫通孔28は略一定の間隔で配列されており、複数の貫通孔28の間には、成形型12の型面12aの温度を調節するための温調管路30が設けられている。
温調管路30は、ベース部材14の内部を水平方向に貫通するようにして設けられている。温調管路30の内部に水を流すことによって、成形型12の型面12aの温度を調節することができる。
シート状部材20に複数の真空吸引孔22を設けるためには、まず、金属製の成形型12にドリル等によって複数の真空吸引孔22を穿設する。次に、成形型12の型面12aに樹脂製のシート状部材20を貼着した後に、成形型12に穿設されている複数の真空吸引孔22に針、小径ドリル等の穴あけ工具34を下方から差し込む。これにより、シート状部材20に複数の真空吸引孔22を穿設することができる。この方法を用いた場合には、成形型12に設けられた複数の真空吸引孔22とシート状部材20に設けられた複数の真空吸引孔22との正確な位置決めが不要となり、作業効率が向上するという効果がある。
表皮材42を成形するためには、まず、成形型12の型面12aの上に加熱した表皮材42を載置する。つぎに、図示しない真空吸引装置によって真空室26の内部の空気を吸引して真空状態にする。これにより、成形型12の型面12aに向けて表皮材42を真空吸引することができる。この結果、表皮材42を成形型12の型面12aに対応した形状に成形できるのと同時に、表皮材42の表面に対して凹凸模様を転写する加工(シボ加工)を施すことができる。
表皮材42及び基材40を同時に成形するためには、まず、成形型12の型面12aに加熱した表皮材42を載置した後に、成形型12の型面12aに表皮材42を真空吸引する。つぎに、真空吸引した表皮材42の上面に加熱したケナフなどの天然繊維材料と熱可塑性樹脂の混合材による基材成形原体40aを載置する。最後に、成形型12の上方に配置された可動型36をシリンダ等によって下動させることによって、成形型12及び可動型36の間で表皮材42及び基材40を同時に圧縮して成形する。なお、このとき、成形型12及び可動型36のうち少なくとも一方をヒータ等で加熱することによって、表皮材42及び基材40を加熱しながら成形することも可能である。
このように、本実施形態の真空成形装置10によれば、型面12aの形状等に応じて複数の真空吸引孔22を設ける箇所や個数を変化させることが可能である。したがって、成形型12の型面12aに向けてより確実に表皮材42を真空吸引することが可能であり、表皮材42に対してより確実にシボ加工等を施すことが可能である。
図9は、図8に示す真空成形装置10によって表皮材42及び基材40を同時に成形する工程を示している。
したがって、本実施形態の真空成形装置10によれば、表皮材42の周縁部が立ち上がっている場合であっても、表皮材42の表面にシボ加工等を均一に施すことが可能である。
図3、図10に示すように、複数の真空吸引孔22を互いに連通するための連通溝24は、成形型12の下面側に設けられても良いし、ベース部材14の上面側に設けられても良い。
また、本実施形態の真空成形装置10によれば、表皮材42の表面にシボ加工等を均一に施すことが可能となる。
さらに、本実施形態の真空成形装置10によれば、表皮材42の周縁部が立ち上がっている場合であっても、その立ち上がっている箇所に対して均一にシボ加工等を施すことが可能である。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、真空成形装置10によって表皮材42及び基材40を同時に成形する例を示したが、表皮材42のみを成形した後に、その表皮材42に接着剤を塗布し、別途準備した基材40の表面に貼着することも可能である。
(2)上記実施形態では、表皮材42及び基材40を同時に成形することで車両用内装材を製造する例を示したが、これ以外の成形品を製造することも可能である。
(3)上記実施形態では、表皮材42の表面にシボ加工を施す例を示したが、シボ加工を施さない場合であっても本発明を適用することができる。また、表皮材42の表面にシボ加工以外の加工(例えば木目模様を転写する加工)を施す場合であっても、本発明を適用することができる。
(4)上記実施形態では、ベース部材14、枠部材16、及び蓋部材18がそれぞれ別体の部材で構成される例を示したが、これらの全部もしくは一部が一体の部材で構成される場合であっても本発明を適用することができる。
(5)上記実施形態では、連通溝24が格子状に形成されている例を示したが、連通溝が互いに交差するように形成されるのであれば、連通溝の形状は特に限定しない。
12…成形型
12a…型面
14…ベース部材
16…枠部材
18…蓋部材
20…シート状部材
22…真空吸引孔
24…連通溝
26…真空室
28…貫通孔
30…温調管路
32…ダクト
42…表皮材
Claims (4)
- 金属製の成形型の型面に樹脂製のシート状部材が貼着されており、前記成形型及び前記シート状部材を貫通するようにして表皮材を前記型面に向けて吸引するための複数の真空吸引孔が設けられている真空成形装置であって、
前記成形型の下面側には金属製のベース部材が配置されており、前記ベース部材の下面側には真空室を形成するための枠部材が配置されており、
前記複数の真空吸引孔は、前記ベース部材を上下方向に貫通する複数の貫通孔を介して前記真空室に連通しており、かつ、前記成形型の下面側、あるいは、前記ベース部材の上面側に形成された連通溝を介して互いに連通していることを特徴とする真空成形装置。 - 請求項1に記載の真空成形装置であって、
前記連通溝は、格子状に形成されていることを特徴とする真空成形装置。 - 請求項1または請求項2に記載の真空成形装置であって、
前記成形型の型面がその周縁部の少なくとも一部において立ち上がっていることを特徴とする真空成形装置。 - 請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の真空成形装置であって、
前記複数の貫通孔は略一定の間隔で配列されており、前記複数の貫通孔の間に前記成形型の型面の温度を調節するための温調管路が設けられていることを特徴とする真空成形装置。
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