JP4956078B2 - 車両の走行シミュレーション装置 - Google Patents
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Description
また、車両の走行シミュレーション装置として、路線データと車両データおよび消費エネルギーに関する評価関数の設定条件に基づいて車両の走行状態を模擬し、省エネルギーの観点で最適な走行パターンを算出するものが提案されている。
さらに、ガス状排出物の排出量を推定する装置として、道路状況に応じたアクセル操作量や運転者の運転特徴に基づいた運転パターン情報を用いて排出ガス量の重み付け係数を求め、ガス状排出物の排出量を堆定するものが提案されている。
車両条件および路線・運転条件が入力される計算条件入力部2と、
この計算条件入力部2に入力された車両条件および路線・運転条件に基づいて、車両の模擬の走行状態を算出する走行状態算出処理部3aと、
この走行状態算出処理部3aによって算出された車両の模擬の走行状態におけるエンジン運転状態を算出するエンジン運転状態算出処理部3bと、
このエンジン運転状態算出処理部3bによって算出されたエンジン運転状態において排気されるガス状排出物の排出率を算出する排出率算出処理部3cと、
この排出率算出処理部3cによって算出されたガス状排出物の排出率に基づいてエンジン運転状態におけるガス状排出物の排出量を算出し、さらに当該ガス状排出物の排出量を積算して車両の模擬の走行状慈におけるガス状排出物の総排出量を算出する排出量算出処部3dとを備え、
前記走行状態算出処理部3aは、ノッチ毎に速度と引張力の関係を車両形式別に分類して記憶させた車両性能データ6bと、距離毎に曲線情報、分岐器情報および勾配情報を路線別に分類して記憶させた路線データ6aを用いて、車両の模擬の走行状態である走行距離、走行速度、走行時間および走行モードを算出し、
前記エンジン運転状態算出処理部3bは、ノッチ毎に速度とエンジン回転速度の関係を車両形式別に分類して記憶させた車両性能データ6bを用いて、エンジン運転点であるノッチおよびエンジン回転速度の関係と、当該エンジン運転点のエンジン運転時間とからなるエンジン運転状態を算出し、
前記排出率算出処理部3cは、ノッチ毎に、エンジン回転速度とガス状排出物の排出率の関係をエンジン形式別に分類して記憶させたエンジン排出ガスデータ6cを用いて、前記エンジン運転状態におけるガス状排出物の排出率を算出することを特徴とする。
また、エンジン運転状態算出処理部によって算出されたエンジン運転状態において排気されるガス状排出物の排出率を排出率算出処理部によって算出することができ、この算出されたガス状排出物の排出率に基づいて、排出量算出処理部によって、エンジン運転状態におけるガス状排出物の排出量を算出し、さらに当該ガス状排出物の排出量を積算して車両の模擬の走行状態におけるガス状排出物の総排出量を算出することができるので、車両の模擬の走行状態において排気されるガス状排出物の排出量を正確に算出することができる。
車両条件および路線・運転条件が入力される計算条件入力部2と、
この計算条件入力部2に入力された車両条件および路線・運転条件に基づいて、車両の模擬の走行状態を算出する走行状態算出処理部3aと、
この走行状態算出処理部3aによって算出された車両の模擬の走行状態におけるエンジン運転状態を算出するエンジン運転状態算出処理部3bと、
このエンジン運転状態算出処理部3bによって算出されたエンジン運転状態において運転に必要な燃料の燃料消費率を算出する燃料消費率算出処理部3eと、
この燃料消費率算出処理部3eによって算出された燃料消費率に基づいてエンジン運転状態における燃料消費量を算出し、さらに当該燃料消費量を積算して車両の模擬の走行状態における燃料総消費量を算出する燃料消費量算出処理部3fとをさらに備え、
前記走行状態算出処理部3aは、ノッチ毎に速度と引張力の関係を車両形式別に分類して記憶させた車両性能データ6bと、距離毎に曲線情報、分岐器情報および勾配情報を路線別に分類して記憶させた路線データ6aを用いて、車両の模擬の走行状態である走行距離、走行速度、走行時間および走行モードを算出し、
前記エンジン運転状態算出処理部3bは、ノッチ毎に速度とエンジン回転速度の関係を車両形式別に分類して記憶させた車両性能データ6bを用いて、エンジン運転点であるノッチおよびエンジン回転速度の関係と、当該エンジン運転点のエンジン運転時間とからなるエンジン運転状態を算出し、
前記燃料消費率算出処理部3eは、ノッチ毎にエンジン回転速度と燃料消費率の関係をエンジン形式別に分類して記憶させたエンジン燃費データ6dを用いて、前記エンジン運転状態における燃料消費率を算出することを特徴とする。
また、エンジン運転状態算出処理部によって算出されたエンジン運転状態において運転に必要な燃料の燃料消費率を燃料消費率算出処理部によって算出することができ、この算出された燃料消費率に基づいて、燃料消費量算出処理部によって、エンジン運転状態における燃料消費量を算出し、さらに当該燃料消費量を積算して車両の模擬の走行状態における燃料総消費量を算出することができるので、車両の模擬の走行状態において運転に必要な燃料消費量を正確に算出することができる。
車両の模擬の走行状態、エンジン運転状態、ガス状排出物の排出量、燃料消費量などの各種算出データを出力し保存する算出データ出力処理部4aをさらに備えたことを特徴とする。
車両の模擬の走行状態における走行距離に対応づけてエンジン運転状態、ガス状排出物の排出量、燃料消費量などの各種算出データをグラフ表示する算出データ表示処理部4bをさらに備えたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両の走行シミュレーション装置おいて、データベース部に格納された前記路線データ、前記車両性能データ、前記エンジン排出ガスデータおよびエンジン燃費データのいずれかを読み出し、必要に応じて内容を修正した後、データベース部へ再び格納するデータ編集部を備えることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の車両の走行シミュレーション装置において、前記データ編集部は新規データとして新たな車両形式の車両性能データを作成した後、前記データベース部へ格納することを特徴とする。
図1は本発明に係る車両の走行シミュレーション装置のブロック構成図である。本走行シミュレーション装置1は、計算条件入力部2、演算処理部3、データ出力・表示部4、データ編集部5、データベース部6およびデータベース部7で構成されている。
また、走行シミュレーション装置1は、ハード構成として、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク装置等の記憶装置、キーボードやマウスなどからなる入力装置、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、プリンタなどから構成された表示装置等を備えており、これらは内部バスを介して相互に接続されている。データ出力・表示部4は前記表示装置によって構成され、データ編集部5はCPU、RAM、ハードディスク装置等によって構成され、データベース部6およびデータベース部7はハードディスク装置等によって構成されている。また、ハードディスク装置には、演算処理部3で行う演算プログラムが格納されている。
なお、計算条件入力部2に入力条件を入力するには、例えば、キーボードやマウス等によって行う。その場合、表示装置の画面に、図2に示すような表が表示されるので、この表の入力欄にそれぞれ入力条件を入力する。
走行状態算出処理部3aは、計算条件入力部2の入力条件に基づいて車両の走行シミュレーションを行い、指定の車両が指定の運転条件で指定の路線を走行した場合の模擬の走行状態を算出するものである。つまり、図3に示すような処理手順に従って模擬の走行状態を算出する。
車両性能データ6bは、図8に示すように、エンジンの出力特性、変速機の入出力特性および車輪径などから得た車両の走行性能を示すもので、ノッチ毎に速度と引張力およびエンジン回転速度の関係を車両形式別に分類して記憶したものである。ここで、ノッチは自動車のアクセルペダルの踏み込み量と同様なアクセル操作量を表し、エンジンのアクセル開度と捉えてもよい。また、路線データ6aは、図7に示すように、実路線の各種情報を示すもので、曲線位置と曲線半径(例えばR300m、R400m)を表す曲線情報、分岐器の位置と速度制限(例えば、35km/h、45km/h)を表す分岐器情報および勾配位置と勾配値(例えば−10/1000、18/1000)を表す勾配情報などを路線別に分類して記憶したものである。なお、路線データ6aの曲線半径において上凸の部分は例えば右凸の曲線、下凸の部分は左凸の曲線を意味している。また、勾配値がマイナスの場合は下り勾配、プラスの場合は上り勾配を意味している。
ds/dt=v ・・・(1)
dv/dt=(F−Rr−Rg−Rc)/W ・・・(2)
ここで、Fは車両の引張力を表し、車両性能データ6bの引張力データD_F(p,v)を用いて、走行状態R(n)におけるノッチP(n)と走行速度V(n)より引張力F(n)を求める。
Rrは走行抵抗力を表し、入力条件の総重量Wと走行速度V(n)より走行抵抗力Rr(n)を求める。
例えば、Rr=(a+bv)W+cv2 という式によって走行抵抗力Rr(n)を求める。なお、この式において、a、b、cは常数であり、「速度定数査定基準規定」に定められた気動車の場合、a=2.50、b=0.0186、c=0.0269+0.0079(n-1)である。n =編成両数である。
Rgは勾配抵抗力を表し、総重量Wと路線データ6aの勾配情報より勾配抵抗力Rg(n)を求める。
例えば、Rg=iWという式によって勾配抵抗力Rg(n)を求める。iは路線データ6bにおける勾配値(例えば−10/1000、18/1000)である。
Rcは曲線抵抗力を表し、総重量Wと路線データ6aの曲線情報より曲線抵抗力Rc(n)を求める。
例えば、Rc=800W/rという式によって曲線抵抗力Rcを求める。Rは路線データ6bにおける曲線半径(例えばR=300、R=400)である。
なお、nは微小単位の変化量である距離ds、走行速度dv、あるいは時間dtによるデータの順番、またはデータの刻み数を表す。
まず、ステップ20では走行状態算出処理部3aで得た走行状態R(n)のノッチP(n)、速度V(n)および走行モードM(n)を読み込む。さらにステップ21でデータベース部6から、入力条件の車両形式に該当する車両性能データ6b(図8参照)を読み込む。
Te(n)=Ts(n+1)−Ts(n) ・・・(3)
まず、ステップ30ではエンジン運転状態算出処理3bで得たエンジン運転状態E(n)であるノッチP(n)、エンジン回転速度Ne(n)およびエンジン運転時間Te(n)を読み込む。
まず、ステップ40では排出率算出処理部3cで得た各種のガス状排出物の排出率g(n)を読み込む。
G(n)=g(n)×Te(n) ・・・(4)
さらに、次式(5)を用いて各種のガス状排出物の排出量G(n)を積算し、入力条件の始発駅から終着駅まで模擬走行した場合に排気される各種のガス状排出物の総排出量TGを算出する。
TG=SUM(G(n)) ・・・(5)
まず、ステップ50ではエンジン運転状態算出処理部3bで得たエンジン運転状態E(n)であるノッチP(n)、エンジン回転速度Ne(n)およびエンジン運転時間Te(n)を読み込む。
まず、ステップ60では燃料消費率算出処理部3eで得た燃料消費率f(n)を読み込む。
F(n)=f(n)×Te(n) ・・・(6)
TF=SUM(F(n)) ・・・(7)
例えば、図11に示すように走行状態R(n)、エンジン運転状態E(n)、ガス状排出物の排出率g(n)、ガス状排出物の排出量G(n)、燃料消費率f(n)および燃料消費量F(n)などの算出データを時系列に編集した形態で出力する。データベース部7は、算出データ出力処理4aによって出力された算出データ7aを保存し格納する。
このように、算出データ出力処理部4aによって、車両の模擬の走行状態、エンジン運転状態、ガス状排出物の排出量、燃料消費量などの各種算出データを出力することによって、この出力結果を容易に確認することができる。なお、この出力結果は表示装置の画面やプリンタに表示させる。
例えば、図12に示すように横軸には走行距離Sを、縦軸には走行モードM、ノッチP、エンジン回転速度Ne、走行速度V、各種のガス状排出物の排出率gと排出量Gおよび燃料消費率fと燃料消費量Fの項目を示す形態でグラフ表示する。
このように、算出データ表示処理部4bによって、エンジン運転状態、ガス状排出物の排出量、燃料消費量などの各種算出データをグラフ表示することによって、これら算出データを視覚的に確認することができる。なお、このグラフは表示装置の画面やプリンタに表示させる。
データ編集処理5aは、データベース部6に格納された既存データの路線データ6a、車両性能データ6b、エンジン排出ガスデータ6cおよびエンジン燃費データ6dのいずれかを読み出し、必要に応じた内容を修正した後、データベース部6へ再び格納する。あるいは、例えば新規データとして新たな車両形式の車両性能データ6bを作成した後、データベース部6へ格納する。
また、データベース部7は、前述したようにデータ出力・表示部4の算出データ出力処理4aによって出力された算出データ7aを格納して記憶するとともに、算出データ表示処理4bによって算出データ7aが読み出される。
2 計算条件入力部
2a 計算条件設定処理
3 演算処理部
3a 走行状態算出処理部
3b エンジン運転状態算出処理部
3c 排出率算出処理部
3d 排出量算出処理部
3e 燃料消費率算出処理部
3f 燃料消費量算出処理部
4 データ出力・表示部
4a 算出データ出力処理部
4b 算出データ表示処理部
5 データ編集部
5a データ編集処理
6 データベース部
6a 路線データ
6b 車両性能データ
6c エンジン排出ガスデータ
6d エンジン燃費データ
7 データベース部
7a 算出データ
Claims (6)
- 車両の走行を模擬する車両の走行シミュレーション装置において、
車両条件および路線・運転条件が入力される計算条件入力部と、
この計算条件入力部に入力された車両条件および路線・運転条件に基づいて、車両の模擬の走行状態を算出する走行状態算出処理部と、
この走行状態算出処理部によって算出された車両の模擬の走行状態におけるエンジン運転状態を算出するエンジン運転状態算出処理部と、
このエンジン運転状態算出処理部によって算出されたエンジン運転状態において排気されるガス状排出物の排出率を算出する排出率算出処理部と、
この排出率算出処理部によって算出されたガス状排出物の排出率に基づいてエンジン運転状態におけるガス状排出物の排出量を算出し、さらに当該ガス状排出物の排出量を積算して車両の模擬の走行状態におけるガス状排出物の総排出量を算出する排出量算出処部とを備え、
前記走行状態算出処理部は、ノッチ毎に速度と引張力の関係を車両形式別に分類して記憶させた車両性能データと、距離毎に曲線情報、分岐器情報および勾配情報を路線別に分類して記憶させた路線データを用いて、車両の模擬の走行状態である走行距離、走行速度、走行時間および走行モードを算出し、
前記エンジン運転状態算出処理部は、ノッチ毎に速度とエンジン回転速度の関係を車両形式別に分類して記憶させた車両性能データを用いて、エンジン運転点であるノッチおよびエンジン回転速度の関係と、当該エンジン運転点のエンジン運転時間とからなるエンジン運転状態を算出し、
前記排出率算出処理部は、ノッチ毎に、エンジン回転速度とガス状排出物の排出率の関係をエンジン形式別に分類して記憶させたエンジン排出ガスデータを用いて、前記エンジン運転状態におけるガス状排出物の排出率を算出することを特徴とする車両の走行シミュレーション装置。 - 車両の走行を模擬する車両の走行シミュレーション装置において、
車両条件および路線・運転条件が入力される計算条件入力部と、
この計算条件入力部に入力された車両条件および路線・運転条件に基づいて、車両の模擬の走行状態を算出する走行状態算出処理部と、
この走行状態算出処理部によって算出された車両の模擬の走行状態におけるエンジン運転状態を算出するエンジン運転状態算出処理部と、
このエンジン運転状態算出処理部によって算出されたエンジン運転状態において運転に必要な燃料の燃料消費率を算出する燃料消費率算出処理部と、
この燃料消費率算出処理部によって算出された燃料消費率に基づいてエンジン運転状態における燃料消費量を算出し、さらに当該燃料消費量を積算して車両の模擬の走行状態における燃料総消費量を算出する燃料消費量算出処理部とをさらに備え、
前記走行状態算出処理部は、ノッチ毎に速度と引張力の関係を車両形式別に分類して記憶させた車両性能データと、距離毎に曲線情報、分岐器情報および勾配情報を路線別に分類して記憶させた路線データを用いて、車両の模擬の走行状態である走行距離、走行速度、走行時間および走行モードを算出し、
前記エンジン運転状態算出処理部は、ノッチ毎に速度とエンジン回転速度の関係を車両形式別に分類して記憶させた車両性能データを用いて、エンジン運転点であるノッチおよびエンジン回転速度の関係と、当該エンジン運転点のエンジン運転時間とからなるエンジン運転状態を算出し、
前記燃料消費率算出処理部は、ノッチ毎にエンジン回転速度と燃料消費率の関係をエンジン形式別に分類して記憶させたエンジン燃費データを用いて、前記エンジン運転状態における燃料消費率を算出することを特徴とする車両の走行シミュレーション装置。 - 車両の模擬の走行状態、エンジン運転状態、ガス状排出物の排出量、または燃料消費量などの各種算出データを出力し保存する算出データ出力処理部をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両の走行シミュレーション装置。
- 車両の模擬の走行状態における走行距離に対応づけてエンジン運転状態、ガス状排出物の排出量、燃料消費量などの各種算出データをグラフ表示する算出データ表示処理部をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両の走行シミュレーション装置。
- データベース部に格納された前記路線データ、前記車両性能データ、前記エンジン排出ガスデータおよびエンジン燃費データのいずれかを読み出し、内容を修正した後、データベース部へ再び格納するデータ編集部を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両の走行シミュレーション装置。
- 前記データ編集部は新規データとして新たな車両形式の車両性能データを作成した後、前記データベース部へ格納することを特徴とする請求項5に記載の車両の走行シミュレーション装置。
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