JP4955476B2 - 遮蔽繊維およびそれからなる布帛 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、かかる従来の問題を解決し、透け防止性に優れた淡色系布帛に用いることの出来る遮蔽繊維を提供することを課題としたものである。
本発明は、次の構成を採用する。即ち、少なくとも一部に遮蔽機能部を含む遮蔽繊維であって、遮蔽機能部は、白色顔料として、アナターゼのチタニアを4.0wt%以上、9.0wt%以下含有するとともにカーボンブラックを含有し、カーボンブラック含有量CBと白色顔料含有量WPの関係が下記の式(i)を満足した樹脂組成物からなり、繊維横断面において、遮蔽機能部の面積比率が25%以上であることを特徴とする遮蔽繊維である。
WP×0.7≦CB≦WP×1.6+7 ・・・ (i)
(ただし、WP:白色顔料の含有量をwt%で示した値
CB:カーボンブラックの含有量をppmで示した値である。)
また、本発明は、上記遮蔽繊維からなる布帛でもある。
即ち、本発明の遮蔽繊維は、白色顔料とカーボンブラックを上記の範囲とした遮蔽機能部が、繊維横断面積の25%以上占めることにより、淡色系布帛とした際に、淡色を保ったまま、従来の布帛と比べて、通常時でも、水に濡れた状態でも、優れた透け防止性を得ることができる。また白色顔料がチタニアであると、さらに高い透け防止効果を有する。
白色顔料の含有量が2.0wt%未満の場合には、実質的に遮蔽効果を十分に発揮する事が出来ない。また、白色顔料含有量が15.0wt%を超える場合には、白色顔料が凝集しやすくなり遮蔽繊維用樹脂への均一な分散が難しかったり、繊維化する際や織編みの際の糸道に対する摩擦磨耗が大きく、工業的な生産性が著しく低下する。
上記カーボンブラックの含有量は、上記白色顔料との比率が重要であり、相対的に少ない場合には散乱光を吸収する効果が小さくなる。逆に相対的に多い場合には、布帛全体がグレーっぽくくすんでしまい、遮蔽性は高くなるものの本来の淡色系布帛として用いる事が出来なくなる。
但し、遮蔽機能部の繊維横断面積に対する比率は、繊維横断面全体に対し、25%以上であることが肝要である。好ましくは、33%以上であり、更に好ましくは50%以上であり、最も好ましくは、75%以上である。
遮蔽機能部の繊維横断面積に対する比率が25%未満の場合には、非遮蔽機能部を透過する光の影響が大きく遮蔽効果が激減する。
例えば、白色顔料とカーボンブラックを予備ブレンドした後、上述した遮蔽機能部の原料となる樹脂に二軸押出混練機を用い複合化し、遮蔽機能部の樹脂組成物を得る。次いで、得られた樹脂組成物を所定形状に紡糸して、もしくは得られた樹脂組成物と上述した非遮蔽機能部の原料となる樹脂とを所定の形状に複合紡糸して、遮蔽繊維を得ることができる。
各種試料の調整および試料評価に関しては、次の方法で実施した。
事前に所定比率の白色顔料とカーボンブラックを予備ブレンドしたものと遮蔽機能部のベースとなる樹脂を、その樹脂融点+30℃にて二軸押出混練機(株式会社日本製鋼所製TEX30α)にて複合化を実施して遮蔽機能部に用いる樹脂組成物(遮蔽機能樹脂組成物)を得た。
芯および鞘の比率を所定通りに各々変えて猫目状サンドイッチ構造(図2(c))の未延伸糸を得、常法にて3.2倍の延伸を行い56dtex/24fの繊維を得た。
ニュアンス巻き機を用い、表面が白、裏面が黒の7cm角の巻板に直交方向に4回巻付けを実施した。
日本電色工業株式会社製カラーメーターZE2000を用い、ニュアンス巻プレートを反射光測定でL値(白さの尺度で、L値=100が最も白く、L値が小さくなるとグレーから黒となる)を測定した。白面側でのL値をLw、黒面側でのL値をLbとした。LwとLbの差をΔLとし遮蔽性の指標(ΔLが小さいと遮蔽性が高く、ΔLが大きいと遮蔽性が低い。)とした。
遮蔽性評価:遮蔽性の判断基準として、ΔLが1以下のものを◎(非常に良い)、1を超え3以下のものを○(良好)、3を超えるものを×(不良)とした。
総合評価:白度評価と遮蔽性評価がいずれも◎のものを◎(非常に良い)、白度評価と遮蔽性評価のいずれかが◎または○でかつ残りが○のものを○(良好)、白度評価および遮蔽性評価で一つでも×のあるものを×(不良)とした。
KBセーレン株式会社製のブライトポリエステル樹脂に対し、富士チタン工業株式会社製チタニアTA301を5wt%とCabot社製カーボンブラックMONARCH800を10ppmとなるように、上記A.樹脂複合化方法にて複合化を実施し、遮蔽機能樹脂組成物<1>を得た。得られた遮蔽性機能樹脂組成物を芯とし、鞘にはKBセーレン製セミダルポリエステル樹脂を用い、芯/鞘=2/1の比率にて紡糸し猫目状サンドイッチ構造の繊維を得た。得られた繊維に関し、白度評価および遮蔽性評価を行いその結果を表1に示した。
実施例1と同様に表1に示したチタニアとカーボンブラックの比率にて複合化を行い、遮蔽機能樹脂組成物<2>〜<10>を得、同様に紡糸して繊維化を実施した。得られた繊維に関して、実施例1と同様に白度評価および遮蔽性評価を行いその結果を表1に合わせて示した。
実施例1に対し、カーボンブラックを含有していない組成にて樹脂複合化を行い、更に紡糸して繊維化を実施した。得られた繊維に関して、実施例1と同様に白度評価および遮蔽性評価を行いその結果を表1に合わせて示した。
チタニアの複合比率およびカーボンブラックの含有量を各々変えて実施例1と同様に樹脂複合化および紡糸を行い繊維を得た。得られた繊維に関して、同様に白度評価および遮蔽性評価を行いその結果を表1に合わせて示した。
実施例1で用いたニュアンス巻試料に霧吹きで水を吹きかけて試料を湿らせた後、白度評価および遮蔽性評価を実施し、その結果を表2に示した。
比較例1で用いたニュアンス巻試料に霧吹きで水を吹きかけて試料を湿らせた後、白度評価および遮蔽性評価を実施し、その結果を表2にあわせて示した。
本発明の遮蔽性繊維においては、水にぬらした後でも遮蔽性の低下が僅かであるのに対し、比較例では大きく遮蔽性が低下した。
実施例1で用いた遮蔽性樹脂組成物を用い芯鞘比率を夫々1/3、1/1および1/0として紡糸し、実施例1と同様に評価を実施し、その結果を表3に纏めて示した。
実施例1で用いた遮蔽性樹脂組成物を用い芯鞘比率を1/4とした以外は同様に紡糸および評価を実施し、その結果を表3に纏めて示した。
遮蔽機能部の繊維横断面積に占める割合が25%未満になると遮蔽機能が低減した。
上記実施例1、13、14で製造した繊維を用いて夫々筒編布を製造した。これを腕に通して肌の様子が透けて見えるかどうか確認した。乾いた状態でも濡れた状態でも筒編に覆われた部分の肌の様子は全く分からなかった。
2 鞘部
Claims (2)
- 少なくとも一部に遮蔽機能部を含む遮蔽繊維であって、遮蔽機能部は、白色顔料として、アナターゼのチタニアを4.0wt%以上、9.0wt%以下含有するとともにカーボンブラックを含有し、カーボンブラックの含有量CBと白色顔料の含有量WPとの関係が下記の式(i)を満足した樹脂組成物からなり、繊維横断面において、遮蔽機能部の面積比率が25%以上であることを特徴とする遮蔽繊維。
WP×0.7≦CB≦WP×1.6+7 ・・・ (i)
(ただし、WP:白色顔料の含有量をwt%で示した値
CB:カーボンブラックの含有量をppmで示した値である。) - 請求項1に記載の遮蔽繊維からなる布帛。
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JP2007183674A JP4955476B2 (ja) | 2007-07-12 | 2007-07-12 | 遮蔽繊維およびそれからなる布帛 |
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JP2007183674A JP4955476B2 (ja) | 2007-07-12 | 2007-07-12 | 遮蔽繊維およびそれからなる布帛 |
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