JP4954575B2 - 銅または銅含有合金からなる放熱板およびその接合方法 - Google Patents
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Description
たとえば特許文献1には、W−Cu,Mo−Cu等の金属−金属系複合材料を用いた放熱板が開示されている。この特許文献1では高価なWやMoを使用するのに対して、比較的安価なCrを使用し、熱膨張率を熱処理にて調整したCr−Cu材を放熱板に適用する技術も検討されている。
これらの放熱板を使用する際には、放熱板の片方の面に電子部品をロウ付またはハンダ付し、放熱板の他方の面に電子部品の熱を効率良く放散するための熱放散部材を接合する。たとえば、電子部品(すなわち半導体素子)の基板として使用するAlNにAl電極をダイレクトボンディングした基板(いわゆるDBA基板)の熱膨張率は5〜7×10-6K-1であるのに対して、放熱板として使用されるW−Cu系複合材料の熱膨張率は6〜9×10-6K-1,Mo−Cu系複合材料の熱膨張率は7〜14×10-6K-1であり、いずれも大差のない熱膨張率を有している。
放熱板の上下面の特性を変化させる材料として、熱間圧延を用いたクラッド材が知られている。たとえばW板とCu板を組み合わせたクラッド材の場合は、熱膨張率の差が大きいので、高温で接合を行なった後の冷却時に両者の熱膨張率の差に起因して反りが発生する。したがってクラッド材を用いた電子部品を安定して製造するのは困難である。
クラッド材を製造するためには圧延等の工程が必要であるから、同じ材質のクラッド材の大量生産に適しているが、多品種の少量生産には適していない。
すなわち本発明は、熱膨張率の異なるCuまたはCu含有合金の接合方法において、直径0.1〜0.5mmの粒状のSn基合金をCuまたはCu含有合金の間に挟み込み、Sn基合金の融点以上かつ融点+100℃以下の温度で5秒〜1時間加熱することによって、CuまたはCu含有合金を接合する接合方法である。
本発明を適用する低熱膨張率のCu含有合金は、熱膨張率が6〜13×10-6K-1の範囲のものが好ましい。そのCu含有合金はCu−W系合金,Cu−Mo系合金,Cu−Cr系合金等が好ましい。ただし、Cu含有量が10体積%未満では、十分な熱伝導率が得られない。したがって、Cu含有量は10体積%以上が好ましい。
次に、CuまたはCu含有合金の接合に用いるSn基合金について説明する。
本発明で使用するSn基合金の成分は特に限定しない。つまり、純Snの他に一般のハンダ用合金を使用することができる。ただし、Pbの使用に関する規制が厳しくなっているので、Sn−Ag系合金,Sn−Cu系合金,Sn−Ag−Cu系合金,Sn−Zn系合金等のPbを含有しないハンダ用合金が好ましい。
箔状のSn基合金を使用する場合は、その厚さが0.25mmを超えると耐熱衝撃性および経済性で不利である。したがって、箔状のSn基合金の厚さは0.25mm以下が好ましい。
粒状のSn基合金を使用する場合は、その直径が0.5mmを超えると耐熱衝撃性および経済性で不利である。したがって、粒状のSn基合金の直径は0.5mm以下が好ましい。また、粒状のSn基合金が接合面に安定して定着するように、ペースト(たとえばソルダーペースト等)を使用しても良い。
本発明の接合方法では、CuまたはCu含有合金の間にSn基合金を挟み、そのSn基合金の融点以上に加熱する。この加熱温度の上限は、下記の (a),(b) のうちのいずれか低い温度とする。
(a) Sn基合金の沸点
(b) CuまたはCu含有合金の融点
ただし加熱温度がSn基合金の融点+100℃を超えると、SnとCuが反応して延性や熱伝導性の低い金属間化合物が生成するので、放熱板としての特性が劣化する。したがって、加熱温度はSn基合金の融点+100℃以下が好ましい。
ところでCr−Cu系合金は、熱処理によって熱膨張率を調整することが可能である。例えば550℃で熱処理を施してCr−Cu系合金の熱膨張率を低下することができる。したがって550℃に加熱して接合すれば、Cr−Cu系合金の接合と熱膨張率の調整を同時に達成できる。
加熱する際の雰囲気は、不活性ガス雰囲気,還元性ガス雰囲気,真空雰囲気であることが好ましい。加熱炉内をこれらの雰囲気に保ちながら加熱しても良いし、あるいはこれらの雰囲気に保たれた密閉容器内に封入した後に加熱しても良い。また不活性ガスや還元性ガスの吹き付け(いわゆるパージ)を行ないながら加熱しても良い。
また、本発明の接合方法を適用して接合した放熱板は、2種または3種以上のCuまたはCu含有合金を接合したままの状態で使用できるが、必要に応じて腐食あるいは電食に対する性能を向上させるため,あるいはDBA基板やアルミ板をハンダ接合するために、表面にNiめっき等を施して使用することも可能である。
熱膨張率の差に起因する反りの防止が厳しく要求される用途に用いる放熱板1は、図2に示すように、低熱膨張率のCu含有合金1aを2枚の高熱膨張率のCuまたはCu含有合金1bで挟み、それらをSn基合金1cを介して接合した構成としても良い。
Cr粉を型枠内に充填し、さらに水素雰囲気中で焼結して、気孔率が50体積%の焼結体(50mm×50mm×2mm)を作製した。この焼結体の上にCu板を載置し、真空中で1200℃に加熱してCuを溶解して、焼結体内に含浸させた。こうして得られたCr−Cu複合金属材料に対して、熱処理(550℃,1時間)を施し、熱膨張率が室温〜200℃の範囲で平均11×10-6K-1となるように調整した。次いで、フライス盤で厚さ1.5mmに加工した。
このようにして作製したCr−Cu複合金属材料と純Cu板(熱膨張率17.6×10-6K-1)の間に純Sn箔(厚さ0.05mm)を挟み、さらに水素ガスをパージした炉内で熱処理(加熱温度:232℃以上での保持時間が30分で最高到達温度が250℃)を行ない、Cr−Cu複合金属材料と純Cu板とを接合して放熱板を作製した。その後、電解Niめっきを施して、放熱板の表面に厚さ5μmのNiめっき層を形成した。
一方、比較例1として、上記のCu−Mo合金の3mm厚のものを放熱板として用いて、同様の電子部品冷却体を作製した。
これに対して参考例1,2の電子部品冷却体は、3000サイクル終了した後でも剥離やクラックは認められなかった。
〔実施例〕
Cr粉を型枠内に充填し、さらに水素雰囲気中で焼結して、気孔率が50体積%の焼結体(50mm×50mm×2mm)を作製した。この焼結体の上にCu板を載置し、真空中で1200℃に加熱してCuを溶解して、焼結体内に含浸させた。こうして得られたCr−Cu複合金属材料に対して、熱処理(550℃,1時間)を施し、熱膨張率が室温〜200℃の範囲で平均11×10-6K-1となるように調整した。次いで、フライス盤で厚さ1.5mmに加工した。
このようにして作製したCr−Cu複合金属材料と純Cu板(熱膨張率17.6×10-6K-1)の間に粒状のSn(直径0.1mm)を挟み、さらに水素ガスをパージした炉内で熱処理(加熱温度:232℃以上での保持時間が30分で最高到達温度が250℃)を行ない、Cr−Cu複合金属材料と純Cu板とを接合して放熱板を作製した。
この放熱板1の低熱膨張率のCu含有合金1a(すなわちCr−Cu複合金属材料)の側にDBA基板2をハンダ付し、高熱膨張率のCuまたはCu含有合金1b(すなわち純Cu板)の側に熱放散部材3をハンダ付した。また、DBA基板2に半導体素子4をハンダ付した。なお熱放散部材3には、冷却フィンを有するAl合金板を使用した。これを発明例の電子部品冷却体とする。
さらに比較例3として、厚さ1.5mmで50mm×50mmのCu−Mo合金(熱膨張率10×10-6K-1)を放熱板1として用いて、発明例と同様に電子部品冷却体を作製した。
発明例と比較例2,3の電子部品冷却体の熱衝撃試験を行なった。熱衝撃試験は、WINTEC LT20型(楠本化成製)液槽式熱衝撃試験器を用い、設定温度を−40℃,120℃とし、各槽での保持時間を5分として行なった。こうして繰り返し熱衝撃を付加し、各電子部品冷却体の超音波探傷試験を行なって、熱衝撃の付加回数(以下、サイクルという)とクラックや剥離の発生との関係を調査した。
これに対して発明例の電子部品冷却体は、3000サイクル終了した後でも剥離やクラックは認められなかった。
1a 低熱膨張率のCu含有合金
1b 高熱膨張率のCuまたはCu含有合金
1c Sn基合金
2 DBA基板
3 熱放散部材
4 半導体素子
5a ハンダ
5b ハンダ
5c ハンダ
Claims (2)
- 熱膨張率の異なるCuまたはCu含有合金の接合方法において、直径0.1〜0.5mmの粒状のSn基合金をCuまたはCu含有合金の間に挟み込み、前記Sn基合金の融点以上かつ融点+100℃以下の温度で5秒〜1時間加熱することによって、前記CuまたはCu含有合金を接合することを特徴とするCuまたはCu含有合金の接合方法。
- 請求項1に記載の接合方法によって2種または3種以上のCuまたはCu含有合金を接合してなることを特徴とする放熱板。
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