JP4954538B2 - ワーク搬送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、リードフレームなどのワークをヒーターレールで加熱しながら非酸化雰囲気中を搬送するワーク搬送装置に関する。
リードフレームを使って半導体装置を製造する製造工程に、リードフレームの複数のアイランドに半田を供給して溶融させ、溶融した半田上に半導体チップをマウントする工程がある。この工程の製造装置は、リードフレームを加熱しながら非酸化雰囲気中を間欠搬送するヒーターレールを使用したワーク搬送装置が一般的である。
上記ヒーターレールの一例を図8に示す。同図のヒーターレール10は、下部レール10aと上部レール10bを合体させた中空レールである。下部レール10aは、ワーク搬送方向に長尺な水平レールで、上面の幅方向両側に側壁部10cを一体に有する。両側壁部10c上に上部レール10bの下面両側部分を着脱自在に載置して、下部レール10aと上部レール10bの間に矩形断面のワーク搬送路12を形成する。下部レール10aの下面にヒーター13が装着される。ヒーター13で下部レール10aを加熱して、ワーク搬送路12に送り込まれたリードフレーム(ワーク)1を半田融点程度の適温に加熱する。上部レール10bにワーク搬送方向に一列に並べて複数、例えば3つの作業用開口15が、上部レール10bを板厚方向に貫通させて形成される。各作業用開口15は、図8では同一サイズの矩形穴を示すが、形状やサイズは様々である。3つの作業用開口15は、例えばワーク搬送方向で上流側から半田供給用開口15a、半田たたき用開口15b、チップ供給用開口15cである。これら各作業用開口15a〜15cの上方には図示しない半田供給ツール、半田たたきツール、チップ供給ツールが、それぞれ単独に上下動可能に配設される。
リードフレーム1は、長手方向に等間隔で複数のアイランドを有する。このアイランドは、作業用開口15から特定の作業を受ける部所である。ヒーターレール10の片端からワーク搬送路12にリードフレーム1が挿入され、アイランドの配列ピッチで間欠搬送される。ワーク搬送路12におけるリードフレーム1の間欠搬送は、図示しない送り爪を使って行われ、ヒーターレール10には送り爪が挿入されるスリット(図示せず)が形成される。リードフレーム1の1つのアイランドが最初の半田供給用開口15aの真下に搬送されて停止すると、開口15aを半田供給ツールが下降してアイランド上に定量の半田が供給される。供給された半田は、リードフレーム1の熱で溶融する。半田供給を受けたアイランドが次の半田たたき用開口15bの真下に搬送されて停止すると、開口15bを半田たたきツールが下降してアイランド上の溶融半田を平坦に押し広げる作業(たたき作業)をして、半導体チップと同程度の大きさに整形する。半田たたきを受けたアイランドが次のチップ供給用開口15cの真下に搬送されて停止すると、開口15cをチップ供給ツールが下降してアイランド上の整形された溶融半田上に半導体チップを供給する。
ヒーターレール10のワーク搬送路12は、半田が溶融する程度の高温雰囲気であることから、リードフレーム自体とリードフレーム1に供給された半田の酸化を防止するために、ワーク搬送路12に酸化防止ガスを連続して送給している。酸化防止ガスは、例えば窒素ガスなどの不活性ガスと水素ガスなどの還元ガスの混合ガスである。ワーク搬送路12への酸化防止ガスの送給は、ヒーターレール10の全長に亘りに組み込まれた図示しないガス送給機構で行われる。ガス送給機構は、ワーク搬送路12の底面から酸化防止ガスを吹き込む上吹きタイプ(例えば、特許文献1参照)と、ワーク搬送路12の天面から酸化防止ガスを吹き込む下吹きタイプ(例えば、特許文献12参照)と、ワーク搬送路12の両側方から酸化防止ガスを吹き込む横吹きタイプ(例えば、特許文献3参照)に大別される。
上吹きタイプのガス送給機構の概要を図9に示す。ワーク搬送路12の底面となる下部レール10aの上面に複数のガス吹出穴17の吹出口を形成する。下部レール10aの全長に亘り形成された複数のガス吹出穴17に共通のガス供給源16から酸化防止ガスを送給し、ワーク搬送路12を非酸化雰囲気にする。図9のリードフレーム1は、アイランドなどの断面部分が示される。ワーク搬送路12を間欠送りされて停止したリードフレーム1は、アイランドなどの断面部分がガス吹出穴17の真上から外れる。ガス吹出穴17から吹き出された酸化防止ガスは、リードフレーム1のアイランド周辺に設けた空隙からワーク搬送路12内に吹き込まれる。
下吹きタイプのガス送給機構の概要を図10に示す。上部レール10bの複数箇所に板厚方向に貫通させてガス吹出穴18を形成する。上部レール10bの上面に複数のガス吹出穴18と連通するガス流路を形成するガス流路蓋19を固定し、ガス流路蓋19にガス配管20を連接する。ガス配管20にガス供給源16から送給した酸化防止ガスをガス流路蓋19内のガス流路に送り、ガス吹出穴18からワーク搬送路12内に吹き込む。
横吹きタイプのガス送給機構の概要を図11に示す。下部レール10aの両側壁部10cにレール幅方向に貫通させて複数のガス吹出穴21を形成する。ガス吹出穴21は、ワーク搬送路12を搬送されるリードフレーム1より上位にある。各ガス吹出穴21に共通のガス供給源16から酸化防止ガスを送給して、リードフレーム1の上方に酸化防止ガスを吹き込む。
特開平015−90310号公報(図4) 特開平09−112961515号公報(図1) 特開120012−170830号公報(図12)
図9の上吹きタイプのガス送給機構は、下部レール10aにおけるガス吹出穴17の形成箇所をリードフレーム1の品種に対応させる必要がある。すなわち、ワーク搬送路12を間欠送りされて停止したリードフレーム1は、アイランド周辺に設けた空隙がガス吹出穴17の真上に位置する必要がある。このようなリードフレーム1におけるガス吹出用空隙の位置、大きさは、リードフレームの品種が異なると相違することから、リードフレームの品種毎に下部レールのガス吹出穴の位置や数を設計する必要がある。そのため、ヒーターレールの製作コストが高くなり、複数種類あるリードフレームに対応させてヒーターレールを複数種類用意しなければならない不具合がある。
図10の下吹きタイプと図11の横吹きタイプのガス送給機構は、リードフレーム1の上方に酸化防止ガスを送給するため、リードフレーム1に対応した設計が不要であり、複数種類のリードフレーム1に共通に使用できる有利さがある。しかし、図10のガス送給機構の場合、上部レール10bの上面側に設置した多数本のガス配管20が、作業用開口15に出入りして各種の作業をする周辺ユニットと干渉し易く、ワーク搬送設備全体の設計が難しくなる。また、ガス配管20は、金属管とゴムホースを接続して構成されるが、メンテナンス時にゴムホースの着脱などの作業が必要であり、メンテナンス性が悪い。また、図11のガス送給機構は、リードフレーム1の両側方から吹き込まれた酸化防止ガスがリードフレーム1の幅方向中央部上で乱流となって合流するため、アイランド上での非酸化雰囲気が不安定になり易い不具合がある。
また、以上の従来のガス送給機構は、ワーク搬送路を全体的に非酸化雰囲気に保つようにしている。ワーク搬送路で最も安定した非酸化雰囲気が要求されるのは半田供給などが行われる作業用開口の真下の領域である。そこで、作業用開口の領域を良好な非酸化雰囲気に保つために、ワーク搬送路の高さを大きめに設定して断面積を大きくし、ワーク搬送路に多めの酸化防止ガスを連続して送給している。そのため、酸化防止ガスの消費量が増え、ランニングコストを低減させることが難しい。また、作業用開口のサイズが大きくなるほど、作業用開口から外気が侵入し易くなり、この外気侵入を防止するためにもガス消費量を増やす必要があり、さらにランニングコストが増大するという不具合がある。
本発明の目的とするところは、中空のヒーターレール内のワーク搬送路を効率的、性能的有利に非酸化雰囲気に保つ、しかも、酸化防止ガスのガス消費量を低減させ得るワーク搬送装置を提供することにある。
本発明は、下部レールと上部レール間に形成したトンネル状ワーク搬送路にワークを加熱しながら搬送するヒーターレールと、ワーク搬送路に酸化防止ガスを送給するガス送給機構とを有し、上部レールに部分的に貫通させた作業用開口を利用してワークに対して作業をするワーク搬送装置において、ガス送給機構は、下部レール内に形成した第一ガス流路と、この第一ガス流路に連通させて上部レール内に形成した第二ガス流路と、この第二ガス流路に連通させて上部レールの下面で作業用開口のワーク搬送方向での前後両側に形成したガス吹出口とを具備し、酸化防止ガスを第一ガス流路から第二ガス流路を介してガス吹出口に送給し、作業用開口の前後両側のガス吹出口からワークに向けて下吹きで送給した酸化防止ガスを作業用開口の真下のワーク上で合流させて、作業用開口から流出させることを特徴とする。
ここで、ワークは、非酸化雰囲気中で製造される電気部品、機械部品であり、例えば半導体製造設備に使用されるリードフレーム、電気部品を製造するプリント基板が適用される。ヒーターレールの下部レールと上部レールは、レールの下部と上部の意味であり、下部レールの上面がワーク搬送路の底面となり、上部レールの下面がワーク搬送路の天面となる。上部レールの下面のガス吹出し口は、作業用開口の前後両側で作業用開口から等距離の箇所に形成され、ガス吹出し口から酸化防止ガスがワーク搬送路のワークに向けて下吹きで送給される。作業用開口の前後両側のガス吹出し口からのガス吹出し量、吹出し速度は同じで、吹き出された酸化防止ガスは作業用開口の真下のワーク上で合流して整流状態で作業用開口へと真上に流れ、作業用開口を抜け出る。ワーク上で整流化された酸化防止ガス流は、ワーク上方に安定した非酸化雰囲気を作成し、ワーク上の作業環境を安定した非酸化雰囲気に保つ。この安定した非酸化雰囲気は、作業用開口のサイズの大小を問わず良好に保たれるため、ワーク搬送路の高さを低くして断面積を小さくするようにして、酸化防止ガスの消費量を低減させ、ランニングコストを低下させることができる。また、上部レール下面のガス吹出し口への酸化防止ガスの送給を、下部レール内の第一ガス流路と上部内の第二ガス流路を介して行うことで、上部レールにガス配管を配備する必要がなくなり、ヒーターレールを構造簡単でメンテナンス性良好なものにすることができる。
本発明においては、上部レールに複数の作業用開口をワーク搬送方向に並べて形成し、各作業用開口のそれぞれの前後両側にガス吹出口を形成することができる。この場合、隣接する作業用開口の間に設けるガス吹出し口は、隣接する両作業用開口に共通のもの、または、両作業用開口のそれぞれに専用のものが適用できる。この隣接する両作業用開口に共通のガス吹出し口、それぞれに専用のガス吹出し口の選択は、隣接する作業用開口の離間距離、サイズに基づいて行えばよい。また、作業用開口の前後両側のガス吹出し口は、レール幅方向に長いスリット形状にする他、小孔状の複数の吹出し口をレール幅方向に一列または複数列に配置して形成することができる。
本発明においては、ヒーターレールにおける作業用開口の無い領域のワーク搬送路に下部レール側より酸化防止ガスを送給することができる。この場合、ヒーターレールの作業用開口の在る領域のワーク搬送路には、上部レールの下面のガス吹出し口から酸化防止ガスが送給され、このガス吹出し口の無い領域には下部レール側から酸化防止ガスを送給するようにして、ワーク搬送路を安定した非酸化雰囲気に保つ。
本発明のワーク搬送装置によれば、ヒーターレールのワーク搬送路を加熱されながら搬送されるワークが上部レールの作業用開口の真下に移動すると、作業用開口の前後両側に設けたガス吹出し口から吹き出される酸化防止ガスが作業用開口真下のワーク上で合流して安定した非酸化雰囲気を作成するので、ワークへの半田供給といった作業が常に安定した非酸化雰囲気で行え、ワーク搬送路に酸化防止ガスを供給するガス送給機構の信頼性改善が図れるという優れた効果を奏し得る。また、ワーク搬送路での作業用開口の在る作業領域での安定した非酸化雰囲気の確保で、ワーク搬送路を断面積の小さなものにして、使用する酸化防止ガスの消費量を低減させ、ランニングコストを低下させることができるという効果がある。
さらに、上部レールのガス吹出し口へのガス供給を下部レール内の第一ガス流路から上部レール内の第二ガス流路を介して行うので、上部レール上にガス配管を設置する必要がなくなり、上部レールの作業用開口の数や形状の設計や、上部レールの上方スペースに設置される作業ユニットなどの周辺設備の設計の自由度が増すという効果も奏し得る。
以下、本発明の実施の形態を添付の図1〜図7を参照して説明する。
図1〜図6は発明を実施する形態の一例であって、搬送対象のワークは図8〜図11のリードフレーム1である。図1にリードフレーム1の部分平面図を示す。リードフレーム1は、ワーク搬送方向に長尺な平板で、半導体チップがマウントされる複数のアイランド2を等間隔で有する。図1に示されるアイランド2は矩形で、アイランド2の周辺にリード3が形成され、これらはタイバー4で一体化される。
図1および図2のワーク搬送装置は、略水平なヒーターレール30と、ヒーターレール30に組み付けた二種類のガス送給機構40、50を備える。ヒーターレール30は、下部レール30aと上部レール30bを上下に合体させた矩形断面の中空レールである。下部レール30aは、ワーク搬送方向(図1で右方向)に長尺な水平レールで、上面の幅方向両側に側壁部30cを一体に有する。両側壁部30cの上面に、上部レール30bの両側下面がパッキング61を介して載置される。パッキング61は省略することもできる。下部レール30aと上部レール30bの間に、矩形断面のワーク搬送路32を形成する。下部レール30aの下面に装着されたヒーター33で下部レール30aを加熱して、ワーク搬送路32に送り込まれたリードフレーム1を半田融点程度の適温に加熱する。
上部レール30bにワーク搬送方向に一列に並べて3つの作業用開口35が、上部レール30bを板厚方向に貫通させて形成される。3つの各作業用開口35は、図8と同様な矩形穴である。例えば、ワーク搬送方向で上流側から半田供給用開口35a、半田たたき用開口35b、チップ供給用開口35cである。図5は半田たたき用開口35bの断面が示される。各作業用開口35a〜35cの上方には、図2と図6の鎖線で示す半田供給ツール71、半田たたきツール72、チップ供給ツール73の各作業ユニットが、それぞれ単独に上下動可能に配設される。各作業用開口35a〜35cの配列ピッチは、リードフレーム1の隣接するアイランド2の配列ピッチに設定され、この配列ピッチでリードフレーム1がワーク搬送路32を間欠搬送される。
ヒーターレール30のワーク搬送方向での領域を、3つの作業用開口35a〜35cの在る作業領域W2と、この作業領域W2よりワーク搬送方向で上流側の上流領域W1、下流側の下流領域W3の3領域に分けると、上流領域W1と下流領域W3に同じタイプのガス送給機構50が設置され、作業領域W2に異なるタイプのガス送給機構40が設置される。
まず、作業領域W2のガス送給機構40の構造例を説明する。ガス送給機構40は、下部レール30aの両側壁部30cの内部に形成した第一ガス流路41と、第一ガス流路41に連通させて上部レール30bの内部に形成した第二ガス流路42と、第二ガス流路42に連通させて上部レール30bの下面に形成したガス吹出し口43を有する。
側壁部30cの第一ガス流路41は、側壁部30c内をワーク搬送方向に作業領域W2の長さで延在する直線状のガス通路で、両端部と中央部の2箇所の計4箇所が側壁部30cの上面へと貫通し、上部レール30bの第二ガス流路42と連通する。この連通は、パッキング61に部分的に形成した穴を通して行われる。パッキング61は、第一ガス流路41から第二ガス流路42に流通する酸化防止ガスの洩れを阻止し、外気侵入を阻止して、ワーク搬送路32での非酸化雰囲気をより良好に保つ。第一ガス流路41の中央部が、側壁部30cの外面に連結されたガス管37に連通する。ガス管37は、外部のガス供給源36に配管される。
上部レール30bの第二ガス流路42は、上部レール30bの両側で作業領域W2の長さで延在する直線状のガス通路42aと、この両側のガス通路42aの両端部と中央部2箇所を連通させる4条の平行なガス通路42bを有する。両側のガス通路42aが対応する第一ガス流路41に4箇所で連通する。4条のガス通路42bは、3つの作業用開口35a〜35cのそれぞれの前後両側に形成される。1つの作業用開口35aのワーク搬送方向で前後に一対のガス通路42bが配置され、同様にして他の作業用開口35b、35cのワーク搬送方向前後に一対のガス通路42bが配置される。図1においては、隣接する一組の作業用開口35a、35bの間に共通の1条のガス通路42bが形成され、隣接する他の一組の作業用開口35b、35cの間に共通の1条のガス通路42bが形成される。これら4条の各ガス通路42bの底面の複数箇所に上部レール30bの下面に達する貫通穴が形成され、この貫通穴の下端開口がガス吹出し口43となる。各ガス吹出し口43は、ワーク搬送路32に直交するガス吹出角度の孔で、ワーク搬送路32内に直交する真上から酸化防止ガスを吹き出す。1条のガス通路42bにおけるガス吹出し口43の口径と形成箇所は、作業用開口35のサイズ、形状に対応させて設計され、この設計でガス吹出し口43から吹き出された酸化防止ガスは作業用開口35の真下で適宜に合流して整流された状態で作業用開口35から外部に放出される。
次に、上流領域W1と下流領域W2のガス送給機構50の構造例を説明する。図4に、上流領域W1のガス送給機構50の断面を示す。このガス送給機構50は、下部レール30a側からワーク搬送路32に酸化防止ガスを送給するもので、下部レール30aの両側壁部30cの内部にワーク搬送方向に形成したガス通路53と、ガス通路53から側壁部30cの内面に向けて貫通させたガス吹出し穴54を有する。ガス通路53の一部が、側壁部30cの外面に連結されたガス管52に連通する。ガス管52は、外部のガス供給源36’に配管される。ガス吹出し穴54は、ワーク搬送路32のリードフレーム1より上位にあり、リードフレーム1の上方に酸化防止ガスを吹き出す。なお、下流領域W3のガス送給機構50は、上流領域W1のガス送給機構50と同一構造でよく、詳細説明は省略する。
以上の実施の形態のワーク搬送装置によるワーク搬送と、半田供給などの各種作業を説明する。
図1で左側からリードフレーム1がヒーターレール30のワーク搬送路32に挿入され、送り爪(図示せず)を使って図1で右方向に間欠搬送される。リードフレーム1がワーク搬送路32の上流領域W1を搬送される間、横吹きタイプのガス送給機構50からリードフレーム1の上方に酸化防止ガスが供給され、下部レール30aで加熱されながら搬送されるリードフレーム1の酸化を防止する。リードフレーム1が3つの作業用開口35a〜35cの在る領域W2に入ると、下吹きタイプのガス送給機構40で、図6に示すようにリードフレーム1の上方からリードフレーム1上に向けて酸化防止ガスが吹き出される。
リードフレーム1の1つのアイランド2が最初の作業用開口35aの真下に移動して停止すると、作業用開口35aの前後両側にあるガス吹出し口43からアイランド2の前後両側に向けて酸化防止ガスが下吹きされる。アイランド2の前後両側に下吹きされた酸化防止ガスはリードフレーム1とワーク搬送路32の底面で流れが水平方向に変わり、アイランド2の上方で合流しながら整流化されて、作業用開口35aへと上方に流れ、作業用開口35aから放出される。この酸化防止ガスのアイランド2周辺での下吹きと、アイランド2上方での水平流れからの上吹きのガス流で、アイランド2の上方空間が非酸化雰囲気に保たれる。作業用開口35aのサイズ、形状に対応させてアイランド2の前後両側でのガス量と、前後のガス量のバランスを制御することで、アイランド2の上方空間の非酸化雰囲気が安定して保たれる。このような安定した非酸化雰囲気の確保は、半田たたき用開口35bとチップ供給用開口35cの真下空間においても同様である。
なお、作業用開口35aの前後両側から酸化防止ガスを下吹きすると共に、下部レール30aの側壁部30cの内面からも酸化防止ガスを横吹きすることも考えられる。しかし、ここでの横吹きは、下吹きによるアイランド2上でのガス合流を乱す要因となり、アイランド2の上方空間の非酸化雰囲気が不安定になる。
作業用開口35a内の安定した非酸化雰囲気で、アイランド2に対して定量の半田供給の作業が行われる。例えば、半田供給ツール71が開口35aを下降してアイランド2上に定量の半田5を供給すると、半田供給ツール71が上昇する。アイランド2上に供給された半田5は、アイランド2の熱で溶融する。開口35aの真下は安定した非酸化雰囲気にあるので、半田5はアイランド2に良好に接合し、表面の酸化が防止されて後の半導体チップ6のマウント性を良好なものにする。
半田供給を受けたアイランド2が次の半田たたき用開口35bの真下に移動すると、半田たたきツール72が下降して、アイランド2上で溶融した半田5を押し広げて整形する。この半田たたき作業も安定した非酸化雰囲気の中で行われるので、整形される半田5の酸化が防止される。半田たたき作業を受けたアイランド2が、次のチップ供給用開口35cの真下に移動すると、チップ供給ツール73が下降して、アイランド2上で整形された半田5に半導体チップ6を供給する。このチップ供給も安定した非酸化雰囲気の中で行われて、半導体チップ6のマウントを良好に行うことができる。
なお、本発明のワーク搬送装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、上記の実施の形態は、ヒーターレール30の作業領域W2を除く上流領域W1と下流領域W3のガス送給機構50横吹きタイプであるが、図7に示すような上吹きタイプであってもよい。図7のガス送給機構50は、下部レール30aの上面両側に形成した凸段部30dに上下に貫通させてガス吹出し穴55を形成している。ガス吹出し穴55は外部のガス供給源36'に配管される。ガス吹出し穴55の上端が凸段部30dの上面に開口して、酸化防止ガスを真上に吹き出す。ヒーターレール30の上流領域W1と下流領域W3は作業用開口の無い領域であり、ワーク搬送路32に酸化防止ガスを多少乱流させて送給しても問題ないことから、ここでのガス送給機構50は図4の横吹きタイプ、図7の上吹きタイプのいずれであっても有効に適用できる。
本発明の実施の形態を示す部分断面を含む部分平面図である。 図1装置の正面図である。 図1のT1−T1線に沿う拡大断面図である。 図1のT2−T2線に沿う拡大断面図である。 図1のT3−T3線に沿う拡大断面図である。 図1装置におけるヒーターレールの作業領域断面図である。 他の実施の形態を示すヒーターレールの断面図である。 ヒーターレールの部分斜視図である。 従来のワーク搬送装置におけるヒーターレールの断面図である。 他の従来のワーク搬送装置におけるヒーターレールの断面図である。 他の従来のワーク搬送装置におけるヒーターレールの断面図である。
符号の説明
1 ワーク、リードフレーム
2 アイランド
5 半田
6 半導体チップ
30 ヒーターレール
30a 下部レール
30b 上部レール
30c 側壁部
30d 凸段部
32 ワーク搬送路
33 ヒーター
35 作業用開口
36 ガス供給源
37 ガス管
40 ガス送給機構
41 第一ガス流路
42 第二ガス流路
43 ガス吹出口
50 ガス送給機構
52 ガス管
53 ガス通路
61 パッキング
W1 上流領域
W2 作業領域
W3 下流領域

Claims (3)

  1. 下部レールと上部レール間に形成したトンネル状ワーク搬送路にワークを加熱しながら搬送するヒーターレールと、前記ワーク搬送路に酸化防止ガスを送給するガス送給機構とを有し、前記上部レールに部分的に貫通させた作業用開口を利用して前記ワークに対して作業をするワーク搬送装置において、
    前記ガス送給機構は、前記下部レール内に形成した第一ガス流路と、この第一ガス流路に連通させて前記上部レール内に形成した第二ガス流路と、この第二ガス流路に連通させて前記上部レールの下面で前記作業用開口のワーク搬送方向での前後両側に形成したガス吹出口とを具備し、
    前記酸化防止ガスを前記第一ガス流路から第二ガス流路を介して前記ガス吹出口に送給し、前記作業用開口の前後両側の前記ガス吹出口から前記ワークに向けて下吹きで送給した前記酸化防止ガスを前記作業用開口の真下の前記ワーク上で合流させて、前記作業用開口から流出させることを特徴とするワーク搬送装置。
  2. 前記上部レールに複数の前記作業用開口をワーク搬送方向に並べて形成し、各作業用開口のそれぞれの前後両側に前記ガス吹出口を形成したことを特徴とする請求項1に記載のワーク搬送装置。
  3. 前記ヒーターレールの前記作業用開口の無い領域でのワーク搬送路に、前記下部レール側より酸化防止ガスを送給することを特徴とする請求項1または2に記載のワーク搬送装置。
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