JP4953851B2 - 感光性組成物 - Google Patents
感光性組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4953851B2 JP4953851B2 JP2007032308A JP2007032308A JP4953851B2 JP 4953851 B2 JP4953851 B2 JP 4953851B2 JP 2007032308 A JP2007032308 A JP 2007032308A JP 2007032308 A JP2007032308 A JP 2007032308A JP 4953851 B2 JP4953851 B2 JP 4953851B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- photosensitive composition
- meth
- examples
- general formula
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Description
一方、光重合技術において、高い光重合反応性を有し、かつ取扱いが容易である光重合開始剤の必要性が高まってきている。また、露光光源の進歩により、種々の波長での露光が可能になったため、該光重合開始剤としては、それぞれの光源に対して高い感度を有すると共に、更に高感度であることが必要とされている。
しかし、電子材料におけるレジスト、絶縁材料、カラーフィルタ、などのパターン形成用に用いられている感光性組成物としては、硬化時の感度において未だ充分満できるものは提供されておらず、重合性化合物が短時間で効率的に重合し得る高感度な感光性組成物の速やかな提供が望まれているのが現状である。
<1> バインダーと、重合性化合物と、光重合開始剤と、増感剤とを少なくとも含有してなり、前記光重合開始剤が下記一般式(A−1)で表される化合物であり、前記増感剤が下記一般式(B−1)で表される化合物であることを特徴とする感光性組成物である。
<2> 一般式(A−1)で表される化合物が、下記一般式(A−2)で表される化合物である前記<1>に記載の感光性組成物である。
<3> 一般式(A−2)で表される化合物が、下記一般式(A−3)及び(A−4)のいずれかで表される化合物である前記<2>に記載の感光性組成物である。
<4> 一般式(B−1)で表される化合物が、下記一般式(B−2)で表される化合物である前記<1>から<3>のいずれかに記載の感光性組成物である。
前記バインダーは、感光性組成物が液体、又は粘稠な物質である場合には、添加するのが好ましい。該バインダーとしては、特に制限はなく、用途分野、及びその分野に対して必要とされる特性、例えば、水性及び有機溶媒系での現像容量、基材への接着、及び酸素に対する感度に応じて適宜選択することができる。
前記バインダーとしては、アルカリ現像性であるのが好ましく、該アルカリ現像性のバインダーとしては、例えば、ペンダント基としてカルボン酸官能を有するアクリル系重合体;エチレン性不飽和カルボン酸、(メタ)アクリル酸のエステル、ビニル芳香族化合物、アミド型不飽和化合物、ポリオレフィン型化合物、メタクリロニトリル、メチルイソプロペニルケトン、コハク酸モノ−2−〔(メタ)アクリロイルオキシ〕エチル、N−フェニルマレイミド、無水マレイン酸、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバル酸ビニルポリスチレンマクロモノマー、及びポリ(メタ)アクリル酸メチルマクロモノマーから選択される少なくとも1種の単量体を共重合させることによって得られる共重合体、などが挙げられる。
前記エチレン性不飽和カルボン酸としては、例えば(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリル酸、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸;モノ(メタ)アクリル酸ω−カルボキシポリカプロラクトンなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸のエステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、モノ(メタ)アクリル酸グリセリン、(メタ)アクリル酸トリシクロ〔5.2.1.0〕デカン−8−イル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸6,7−エポキシヘプチルなどが挙げられる。
前記ビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロロスチレン、ビニルベンジルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
前記アミド型不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリルアミドジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメタクリルアミドなどが挙げられる。
前記ポリオレフィン型化合物としては、例えばブタジエン、イソプレン、クロロプレン、などが挙げられる。
前記共重合体としては、これらの中でも、メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体、メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル/メタクリル酸共重合体、メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/スチレン共重合体、メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/メタクリル酸ヒドロキシエチル共重合体、メタクリル酸メチル/メタクリル酸ブチル/メタクリル酸/スチレン共重合体、メタクリル酸メチル/メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/メタクリル酸ヒドロキシフェニル共重合体、などが特に好ましい。
前記ポリイミドバインダー樹脂としては、例えば溶媒可溶性ポリイミド、ポリイミド前駆体(例えば、ポリアミック酸等)などが挙げられる。
前記重合性化合物としては、少なくとも1つのエチレン性二重結合を有しているのが好ましい。該重合性化合物は、低分子量(単量体性)及び高分子量(オリゴマー性)のいずれであってもよい。
前記エチレン性二重結合を1つ有する単量体としては、例えば、アルキルアクリラート、ヒドロキシアルキルアクリラート、アミノアクリラート;アルキルメタクリラート、ヒドロキシアルキルメタクリラート、アミノメタクリラート(例えば、メチルアクリラート、エチルアクリラート、ブチルアクリラート、2−エチルヘキシルアクリラート、2−ヒドロキシエチルアクリラート、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等);シリコーンアクリラート、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル等のビニルエステル;イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル;スチレン、アルキル−スチレン、ハロ−スチレン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、などが挙げられる。
これらの中でも、ビニルエーテルの基を有するオリゴマーと、国際公開第90/01512号パンフレットに記載された重合体との組合せ、ビニルエーテルとマレイン酸官能化された単量体との共重合体、などが好ましい。前記オリゴマーは、プレポリマーと呼ばれることもある。
これらの中でも、エチレン性不飽和カルボン酸とポリオール又はポリエポキシドとのエステル、主鎖中又は側鎖基にエチレン性不飽和基を有する重合体(例えば、不飽和のポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、又はこれらの共重合体等)、側鎖基に(メタ)アクリル基を有する重合体及び共重合体、などが特に好ましい。
前記芳香族ポリオールとしては、例えば、ヒドロキノン、4,4’−ヒドロキシジフェニル、2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ノボラック、レゾール、などが挙げられる。
また、前記ポリオールとしては、重合体鎖又は側鎖基中にヒドロキシル基を有する重合体や共重合体も挙げられる。該重合体又は該共重合体の具体例としては、例えば、ポリビニルアルコール及びその共重合体、ポリヒドロキシアルキルメタクリラート、その共重合体、などが挙げられる。また、前記ポリオールとしては、ヒドロキシル末端基を有するオリゴエステルも挙げられる。
前記ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,2−ブチレンジアミン、1,3−ブチレンジアミン、1,4−ブチレンジアミン、1,5−ペンチレンジアミン、1,6−ヘキシレンジアミン、オクチレンジアミン、ドデシレンジアミン、1,4−ジミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、フェニレンジアミン、ビスフェニレンジアミン、ジ−β−アミノエチルエーテル、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、ジ(β−アミノエトキシ)−エタン、ジ(β−アミノプロポキシ)−エタン、側鎖中に追加のアミノ基を有する重合体若しくは共重合体、アミノ末端基を有するオリゴアミド、などが挙げられる。
前記不飽和アミドとしては、例えば、メチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、ジエチレントリアミントリスメタクリルアミド、ビス(メタクリルアミドプロポキシ)エタン、β−メタクリルアミドエチルメタクリラート、N〔(β−ヒドロキシエトキシ)エチル〕アクリルアミド、などが挙げられる。
前記水性プレポリマーの分散物における水の含有量としては、5質量%〜80質量%が好ましく、30質量%〜60質量%がより好ましい。前記放射線硬化性の水性プレポリマー又は該プレポリマー混合物の含有量としては、20質量%〜95質量%が好ましく、40質量%〜70質量%が更に好ましい。これらの組成物で、水及びプレポリマーについて示した百分率の合計は、それぞれの場合に100質量%であり、助剤及び添加物は、使用目的に応じて変動する量で加えられる。
前記分散助剤としては、高分子量物であり、極性基を有する水溶性有機化合物が好適に用いられ、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン又はセルロースエーテル、が挙げられる。
前記乳化剤としては、非イオン乳化剤が好適に挙げられ、必要に応じて、イオン性乳化剤も用いることができる。
本発明の前記感光性組成物は、光重合開始剤として、本発明のオキシム化合物を含み、必要に応じて、該オキシム化合物以外の従来公知の光重合開始剤を含んでなる。
本発明のオキシム化合物は、下記一般式(A−1)で表される。
前記アシル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族アシル基、芳香族アシル基、複素芳香族アシル基、などが挙げられる。
前記アシル基の総炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2〜30が好ましく、2〜20がより好ましく、2〜16が更に好ましい。
前記アシル基としては、置換基で更に置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、などが挙げられる。
前記アシル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセチル基、プロパノイル基、メチルプロパノイル基、ブタノイル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、ベンジルカルボニル基、フェノキシアセチル基、2エチルヘキサノイル基、クロロアセチル基、ベンゾイル基、パラメトキシベンゾイル基、2,5−ジブトキシベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、ピリジルカルボニル基、メタクリロイル基、アクリロイル基、などが挙げられる。
前記アルキルオキシカルボニル基の総炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2〜30が好ましく、2〜20がより好ましく、2〜16が更に好ましい。
前記アルキルオキシカルボニル基は、置換基で更に置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、アルキルオキシ基、ハロゲン原子、などが挙げられる。
前記アルキルオキシカルボニル基の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニルブトキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、エトキシエトキシカルボニル基、などが挙げられる。
前記アリールオキシカルボニル基の総炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、7〜30が好ましく、7〜20がより好ましく、7〜16が更に好ましい。
前記アリールオキシカルボニル基は、置換基で更に置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、アルキルオキシ基、ハロゲン原子、などが挙げられる。
前記アリールオキシカルボニル基の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノキシカルボニル基、2−ナフトキシカルボニル基、パラメトキシフェノキシカルボニル基、2,5−ジエトキシフェノキシカルボニル基、パラクロロフェノキシカルボニル基、パラニトロフェノキシカルボニル基、パラシアノフェノキシカルボニル基、などが挙げられる。
前記アルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基、ターシャリーオクチル基、などが挙げられる。
前記芳香族環としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、などが挙げられる。
前記複素芳香族環としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ピロール環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、などが挙げられる。
なお、前記R1、及びArの詳細は、前記一般式(A−1)と同様である。
前記アシル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族アシル基、芳香族アシル基、複素芳香族アシル基、などが挙げられる。
前記アシル基の総炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2〜30が好ましく、2〜20がより好ましく、2〜16が更に好ましい。
前記アシル基としては、置換基で更に置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、などが挙げられる。
前記アシル基の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセチル基、プロパノイル基、メチルプロパノイル基、ブタノイル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、ベンジルカルボニル基、フェノキシアセチル基、2エチルヘキサノイル基、クロロアセチル基、ベンゾイル基、パラメトキシベンゾイル基、2,5−ジブトキシベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、ピリジルカルボニル基、メタクリロイル基、アクリロイル基、などが挙げられる。
前記アルキルオキシカルボニル基の総炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2〜30が好ましく、2〜20がより好ましく、2〜16が更に好ましい。
前記アルキルオキシカルボニル基は、置換基で更に置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、などが挙げられる。
前記アルキルオキシカルボニル基の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニルブトキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、エトキシエトキシカルボニル基、などが挙げられる。
前記アリールオキシカルボニル基の総炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、7〜30が好ましく、7〜20がより好ましく、7〜16が更に好ましい。
前記アリールオキシカルボニル基は、置換基で更に置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、などが挙げられる。
前記アリールオキシカルボニル基の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノキシカルボニル基、2−ナフトキシカルボニル基、パラメトキシフェノキシカルボニル基、2,5−ジエトキシフェノキシカルボニル基、パラクロロフェノキシカルボニル基、パラニトロフェノキシカルボニル基、パラシアノフェノキシカルボニル基、などが挙げられる。
前記アルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基、ターシャリーオクチル基、などが挙げられる。
前記アルキルオキシ基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、などが挙げられる。
前記アリールオキシ基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンジルオキシ基、フェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、などが挙げられる。
前記アルキルチオ基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルチオ基、ブチルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基、などが挙げられる。
前記アリールルチオ基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンジルチオ基、フェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、などが挙げられる。
前記ハロゲン原子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、などが挙げられる。
前記アルキルオキシカルボニル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、などが挙げられる。
前記アシルアミノ基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ベンゼンカルボニルアミノ基、などが挙げられる。
なお、前記mが2以上のいずれかの整数を表す場合、該R3は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよいし、互いに連結し環を形成していてもよい。該R3が互いに連結し環を形成している場合、一般式(A−2)で表されるオキシム化合物の具体例としては、下記構造式で表される化合物などが挙げられる。なお、形成された環構造部分を含め、Arで表される芳香族環には更に置換基を有していてもよく、該置換基は上記R3と同様である。Xは、−CH2−、酸素原子、及び硫黄原子のいずれかを表す。
前記芳香族環としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、などが挙げられる。
前記複素芳香族環としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ピロール環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、などが挙げられる。
前記5員環、前記6員環、又は前記7員環としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、環形成置換基により形成されることが好ましい。該環形成置換基としては、例えば、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、などが挙げられる。該環形成置換基は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよく、また、酸素原子、硫黄原子、などのヘテロ原子を有してもよい。
前記5員環、前記6員環、及び前記7員環は、置換基で更に置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、などが挙げられる。
これらの中でも、前記Aとしては、感度に優れる点で、前記5員環及び前記6員環のいずれかであるのが好ましい。
前記アルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記アルキル基は、置換基で更に置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、アルキルオキシ基、ハロゲン原子、などが挙げられる。
前記アルキル基の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、などが挙げられる。これらの中でも、感度に優れる点で、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
前記アルキルオキシ基は、置換基で更に置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、アルキルオキシ基、ハロゲン原子、などが挙げられる。
前記アルキルオキシ基の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、などが挙げられる。
なお、前記アルキル基、前記アルキルオキシ基、前記アリールオキシ基、前記アルキルチオ基、前記アリールチオ基、前記ハロゲン原子、前記アルキルオキシカルボニル基、前記ニトロ基、及び前記アシルアミノ基の詳細は、前記一般式(A−1)中、R2で表される前記アルキル基、前記アルキルオキシ基、前記アリールオキシ基、前記アルキルチオ基、前記アリールチオ基、前記ハロゲン原子、前記アルキルオキシカルボニル基、前記ニトロ基、及び前記アシルアミノ基の詳細と同様である。
これらの中でも、前記R5としては、吸収効率に優れる点で、前記アルキルオキシ基、前記アリールチオ基、前記ハロゲン原子が好ましい。
なお、前記lが2以上のいずれかの整数を表す場合、該R5は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよいし、互いに連結し環を形成していてもよい。
なお、前記5員環、及び前記6員環の詳細は、前記一般式(A−2)中、Aで表される前記5員環、及び前記6員環の詳細と同様である。
これらの中でも、前記Aとしては、感度に優れる点で、5員環であることが好ましい。
前記光重合開始剤としては、例えば、カンファーキノン、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、アセトフェノン、アセトフェノン誘導体、例えば、α−ヒドロキシシクロアルキルフェニルケトン若しくは2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパノン、ジアルキルオキシアセトフェノン、α−ヒドロキシ−若しくはα−アミノ−アセトフェノン、例えば(4−メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノエタン、(4−モルホリノベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン、4−アロイル−1,3−ジオキソラン、ベンゾインアルキルエーテル及びベンジルケタール(例えば、ジメチルベンジルケタール)、フェニルグリオキサルエステル及びその誘導体、二量体のフェニルグリオキサルエステル、ジアセチル、ペルエステル(例えば、欧州特許第126,541号公報に例えば記載されたベンゾフェノンテトラカルボン酸ペルエステル)、モノアシルホスフィンオキシド(例えば、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ジフェニルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジペントキシフェニルホスフィンオキシド、トリスアシルホスフィンオキシド)、ハロメチルトリアジン(例えば、2−〔2−(4−メトキシフェニル)ビニル〕−4,6−ビストリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビストリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン、2−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,6−ビストリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン、2−メチル−4,6−ビストリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン、2−(4−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)〔1,3,5〕トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビストリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン、2−(1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)−4,6−ビストリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン、2−〔2−〔4−(ペンチルオキシ)フェニル〕エテニル〕−4,6−ビストリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン、2−〔2−(3−メチル−2−フラニル)エテニル〕−4,6−ビストリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン、2−〔2−(5−メチル−2−フラニル)エテニル〕−4,6−ビストリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン、2−〔2−(2,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−4,6−ビストリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン、2−〔2−(2−メトキシフェニル)エテニル〕−4,6−ビストリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン、2−〔2−(4−イソプロピルオキシフェニル)エテニル〕−4,6−ビストリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン、2−〔2−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)エテニル〕−4,6−ビストリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン、2−〔2−ブロモ−4−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−4,6−ビストリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン、2−〔2−クロロ−4−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−4,6−ビストリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン、2−〔3−ブロモ−4−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−4,6−ビストリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン、2−〔3−クロロ−4−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−4,6−ビストリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン);G.Buhr,R.Dammel and C.Lindley,Polym.Mater.Sci.Eng.61,269(1989)、欧州特許第022788号公報、などに記載のその他のハロメチルトリアジン;米国特許第4,371,606号明細書、米国特許第4,371,607号明細書などに記載のハロメチルオキサゾール光開始剤;E.A.Bartmann,Synthesis 5,490(1993)などに記載の1,2−ジスルホン;ヘキサアリールビスイミダゾール、及びヘキサアリールビスイミダゾール/共開始剤系(例えば、2−メルカプトベンズチアゾール、フェロセニウム化合物);チタノセン(例えば、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−ピリルフェニル)チタンと組み合わせたo−クロロヘキサフェニル−ビスイミダゾールとの混合物)、などが挙げられる。
前記増感剤としては、下記一般式(B−1)で表される。
前記アルキル基としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、メチル基、エチル基、等の炭素数1〜10のアルキル基などが好ましい。
前記アルキル基は、置換基で更に置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、シアノ基、アルキルオキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、等)、ハロゲン原子(例えば、クロロ基、ブロモ基、等)、カルボキシル基、カルボアルキルオキシ基、スルホニル基、フェニル基、アリール基(例えば、p−ニトロフェニル基等)、ビニル基、メチルビニル基、シンナミル基、などが挙げられる。
前記アリール基は、置換基で置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシ基、シアノ基、炭素数1〜10のアルキルオキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、等)、ハロゲン原子(例えば、クロロ基、ブロモ基、等)、カルボキシル基、カルボアルキルオキシ基、スルホニル基、などが挙げられる。
前記アルケニル基は、置換基で更に置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、などが挙げられ、該置換基も更にメチル基等の炭素数1〜10のアルキル基などで置換されていてもよい。
前記環は、置換基で更に置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、置換アルキル基、置換アリール基、ヒドロキシ基、シアノ基、アルキルオキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、カルボアルキルオキシ基、スルホニル基、などが挙げられる。
前記アルキルオキシカルボニル基、前記アルキルチオ基、前記アルキルスルホニル基、及び前記フルオロアルキルスルホニル基におけるアルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、炭素数1〜10のアルキル基などが好ましい。
前記アリールオキシカルボニル基、前記アリールチオ基、及び前記アリールスルホニル基におけるアリール基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、フェニル基、ナフチル基、などが好ましい。
前記アシル基(−COR)としては、例えば、該Rが、アルキル基、アリール基及びアルキルアリール基のいずれかであるものなどが挙げられる。該アリール基及び該アルキルアリール基における、アルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、炭素数1〜10のアルキル基などが好ましい。アリール基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、フェニル基、ナフチル基、などが好ましい。
前記アルキル基及びアリール基としては、置換基で更に置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシ基、シアノ基、炭素数1〜10のアルキルオキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、カルボアルキルオキシ基、スルホニル基、スルホアルキルオキシ基、炭素数6〜18のアリール基、アシル基、ビニル基、シンナミル基、などが挙げられる。
(a)1,3−ジカルボニル核(例えば1,3−インダンジオン、1,3−シクロヘキサンジオン、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、など)
(b)ピラゾリノン核[例えば、3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−(2−ベンゾチアゾリル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン、など]
(c)イソオキサゾリノン核(例えば、3−フェニル−2−イソオキサゾリン−5−オン、3−メチル−2−イソオキサゾリン−5−オン、など)
(d)オキシインドール核(例えば、1−アルキル−2,3−ジヒドロ−2−オキシインドール)
(e)2,4,6−トリケトヘキサヒドロピリミジン核[例えば、バルビツル酸、2−チオバルビツル酸、及びその誘導体、など。該誘導体としては、例えば、1−メチル、1−エチル等の1−アルキル体;1,3−ジエチル、1,3−ジブチル等の1,3−ジアルキル体;1,3−ジフェニル、1,3−ジ(p−クロロフェニル)、1,3−ジ(p−エトキシカルボニルフェニル)等の1,3−ジアリール体;1−エチル−3−フェニル等の1−アルキル−3−アリール体、などが挙げられる]
(f)2−チオ−2,4−チアゾリジンジオン核(例えば、ローダニン及びその誘導体など。該誘導体としては、例えば、3−エチルローダニン、3−アリルローダニン等の3−アルキルローダニン;3−フェニルスーダニン等の3−アリールローダニン、などが挙げられる)
(g)2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン(2−チオ−2,4−(3H,5H)−オキサゾールジオン)核(例えば、2−エチル−2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン等)
(h)チアナフテノン核[例えば、3(2H)−チアナフテノン、3(2H)−チアナフテノン−1,1−ジオキサイド等]
(i)2−チオ−2,5−チアゾリジンジオン核(例えば、3−エチル−2−チオ−2,5−チアゾリジンジオン等)
(j)2,4−チアゾリジンジオン核(例えば、2,4−チアゾリジンジオン、3−エチル−2,4−チアゾリジンジオン、3−フェニル−2,4−チアゾリジンジオン等)
(k)チアゾリジノン核(例えば、4−チアゾリジノン、3−エチル−4−チアゾリジノン等)
(l)4−チアゾリノン核(例えば、2−エチルメルカプト−5−チアゾリン−4−オン、2−アルキルフェニルアミノ−5−チアゾリン−4−オン等)
(m)2−イミノ−2−オキソゾリン−4−オン(凝ヒダントイン)核
(n)2,4−イミダゾリジンジオン(ヒダントイン)核(例えば、2,4−イミダゾリジンジオン、3−エチル−2,4−イミダゾリジンジオン等)
(o)2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン(2−チオヒダントイン)核(例えば、2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン、3−エチル−2−チオ−2,4−イミダゾリジンジオン等)
(p)2−イミダゾリン−5−オン核(例えば、2−n−プロピル−メルカプト−2−イミダゾリン−5−オン等)
(q)フラン−5−オン核
(r)4−ヒドロキシ−2(1H)−キノリノン核又は4−ヒドロキシ−2(1H)−ピリジノン核[例えばN−メチル−4−ヒドロキシ−2(1H)−キノリノン、N−n−ブチル−4−ヒドロキシ−2(1H)−キノリノン、N−メチル−4−ヒドロキシ−2(1H)−ピリジノン等]
(s)置換基で置換されていてもよい4−ヒドロキシ−2H−ピラン−2−オン核又は4−ヒドロキシクマリン核
(t)置換基で置換されていてもよいチオインドキシル核(例えば、5−メチルチオインドキシル等)
前記アルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エチル基、ブチル基、などが好ましい。
前記アリール基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、フェニル基、などが好ましい。
前記添加剤としては、例えば、未熟な重合を防止するための熱阻害剤が挙げられる。該熱阻害剤としては、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノン誘導体、p−メトキシフェノール、β、又は立体障害性フェノール(例えば2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール等)、などが挙げられる。
また、前記添加剤としては、暗所での貯蔵の際の安定性を増大させるための安定剤も挙げられる。該安定剤としては、例えば、銅化合物(例えば、ナフテン酸、ステアリン酸若しくはオクトエ酸銅等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸トリベンジル、等)、第四級アンモニウム化合物(例えば、テトラメチルアンモニウムクロリド、トリメチルベンジルアンモニウムクロリド、等)、ヒドロキシルアミン誘導体(例えば、N−ジエチルヒドロキシルアミン等)、などが挙げられる。
また、前記添加剤としては、重合の際に雰囲気酸素を排除するための、パラフィン、該パラフィン類似のろう様物質も挙げられる。これらは、重合体中の溶解度が不適切であって、重合の初期に表面に移動し、空気の進入を妨げる透明な表面層を形成する。コーティングの表層に酸素不透過層、例えばポリ(ビニルアルコール−co−酢酸ビニル)を塗布することもできる。
また、前記アミンは、酸素捕捉剤として用いることもでき、例えば欧州特許第339,841号公報に記載されているように、置換N,N−ジアルキルオキシムが挙げられる。
また、前記添加剤としては、従来公知の界面活性剤、光学的光沢剤、顔料、染料、湿潤剤、平滑助剤、分散剤、凝集防止剤、酸化防止剤、充填剤、なども挙げられる。
前記現像工程は、前記感光性組成物から形成された前記感光層の露光後に、未露光部分を除去する工程である。
前記未硬化領域の除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば現像液を用いて未硬化部分を除去する方法などが挙げられる。また、回転ブラシによる摩擦、湿潤スポンジによる摩擦、などの方法を組み合わせることもできる。
前記現像液としては、アルカリ性物質を希釈して調製されたアルカリ現像液が好ましい。該アルカリ現像液は、感光性組成物がアルカリ可溶樹脂又はアルカリ可溶単量体若しくはオリゴマーを含有する場合に好適である。前記アルカリ現像液は、少量の水混和性有機溶媒を含有していてもよい。
前記アルカリ性物質の前記現像液における含有量としては、0.01〜30質量%が好ましい。前記アルカリ性物質のpHとしては、8〜14が好ましい。
前記水混和性有機溶媒の前記現像液における含有量としては、0.1〜30質量%が好ましい。
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチル−3−エトキシプロピオナート、メチル−3−メトキシプロピオナート、酢酸n−ブチル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、2−ペンタノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリジノン、などが挙げられる。また、必要に応じて、透明な現像液が得られ、感光性組成物の感光層中での十分な溶解性が維持される限りは、前記有機溶媒に水を添加することもできる。
前記現像液の使用時の温度としては、室温〜40℃が好ましい。また、現像時間としては、前記感光性組成物の具体的な種類、該現像液のアルカリ度及び使用時の温度、並びに、有機溶媒を加えた場合は、その種類及び濃度、などの諸条件によって異なるが、通常は、10秒間〜2分間が好ましい。また、現像工程の後に、洗浄工程を行ってもよい。
以下、本発明の感光性組成物の詳細について、主な具体的用途を挙げて説明する。
<コーティング材料>
前記コーティング材料としては、本発明の前記オキシム化合物と、本発明の前記増感剤と前記エチレン性不飽和光重合性化合物を少なくとも含み、該エチレン性不飽和光重合性化合物としては、前記ポリ不飽和単量体と前記プレポリマーとの混合物が好ましく、前記モノ不飽和単量体も追加的に含んでいてもよい。該コーティング材料の特性は、主に該プレポリマーによって決定され、該プレポリマーを適宜に変えることによって、硬化した薄膜の特性を調整することができる。
前記ポリ不飽和単量体は、前記薄膜を不溶性にする架橋剤として機能する。
また、前記モノ不飽和単量体は、反応性希釈剤として機能して、溶媒を用いる必要なしに、粘度を低下させるのに用いられる。
前記プレポリマーとしては不飽和ポリエステル樹脂が好ましく、該不飽和ポリエステル樹脂は、通常、前記モノ不飽和単量体、好ましくはスチレンと併用するのが好ましい。また、フォトレジストのためには、例えば、ドイツ国特許第2,308,830号公報に記載のようなポリマレイミド、ポリカルコン又はポリイミドが好ましい。
前記UV硬化性粉末コーティング材料としては、不飽和ポリエステル樹脂と、固体のアクリルアミド(例えば、メチルアクリルアミドグリコール酸メチル)及び本発明のオキシム化合物とを混合することによって調製することができる。このようなUV硬化性粉末コーティング材料としては、例えば、M.Wittigand Th.Gohmannによる論文“Radiation Curing of Powder Caotings”,Conference Proceedings,Radtech Europe 1933に記載のとおりである。
また、前記UV硬化性粉末コーティング材料としては、前記バインダーを含んでいてもよい。このようなUV硬化性粉末コーティング材料は、不飽和ポリエステル樹脂と、固体のアクリラート、メタクリラート又はビニルエーテルと、本発明の前記オキシム化合物と、該バインダーとを混合することによって調製することもできる。該バインダーとしては、例えば、ドイツ国特許第4,228,514号明細書及び欧州特許第636,669号公報に記載のものが挙げられる。
前記UV硬化性粉末コーティング材料としては、粉末粒子を融解した後の流動時間を遅らせて、滑らかで、強い光沢のあるコーティング薄膜が得られる点で、熱硬化性粉末コーティング材料に比べて有利である。更に、該UV硬化性粉末コーティング材料は、該熱硬化性粉末コーティング材料に比べて、耐久性を低下させることなく、より低い温度で溶融して調製することができる。そのため、木材、プラスチック等の熱に敏感な基材などに対するコーティング材料として好適に用いることができる。
また、前記UV硬化性粉末コーティング材料としては、本発明のオキシム化合物に加え、添加剤としてUV吸収剤を含んでもよい。該UV吸収剤の具体例としては、上記論文の第1〜8項に列挙されたものが挙げられる。
本発明の感光性組成物は、光に対して非常に高い感度を有し、アルカリ性現像液で、膨潤なしに現像することができる、陰画レジストとして用いることができる。これらは、レリーフ印刷用、平版印刷用、グラビア印刷用、又はスクリーン印刷用の印刷用紙の製造、レリーフコピーの製造、例えば、ブライユ点字でのテキストの製造、スタンプの製造、化学摩砕に用いるためなどに用いることができる。また、集積回路の製造の際のマイクロレジストとして好適に用いられる。該感光性組成物は、更に、コンピュータチップ、プリント板その他の電気部品や電子部品を製造する際に、光作図可能な誘電性の層若しくはコーティング材料、封入材料、隔離コーティング材料として、本発明の感光性組成物を用いてもよい。その際の層構成、支持体、基材への処理条件、などは、使用目的などに応じて適宜選択することができる。
本発明の感光性組成物は、優れた熱安定性を有し、酸素による阻害にも充分な耐性を有するため、例えば、欧州特許第320,264号公報に記載のような、カラーフィルタ又は色モザイク系の形成に用いることができる。前記カラーフィルタは、一般的に、LCD、投影装置、画像センサ、などの製造に用いられる。更に、前記カラーフィルタは、例えば、テレビ受像機、ビデオモニター、コンピュータの表示装置、画像スキャナー、平坦パネル表示技術、などに用いることができる。
本発明の感光性組成物を使用したカラーフィルタの好ましい形成方法としては、赤、緑及び青色の着色物質、染料及び顔料を、本発明の感光性組成物に添加し、前記ガラスの基板を該感光性組成物で被覆コーティングし、該コーティングを短時間の熱処理で乾燥して感光層を形成する工程と、該感光層に対して化学放射線の放射によりパターン状に露光してパターンを形成する工程と、次いで形成されたパターンをアルカリ性現像剤水溶液中で現像する工程を含む。また、場合により、現像後に熱処理する工程を含んでもよい。このようにして、赤、緑及び青色に着色された感光層を、基材の表面に所望の順序で、前記感光層形成、露光工程、及び現像工程を繰り返すことにより、赤、緑及び青色の画素を有するカラーフィルタを製造することができる。
前記顔料としては、更に、C.I.ピグメントレッド105、144、149、176、177、185、202、209、214、222、242、254、255、264、272;C.I.ピグメントイエロー24、31、53、83、93、95、109、110、128、129、138、139、166;C.I.ピグメントオレンジ43、が好適に挙げられる。
前記緑色顔料のその他の例としては、C.I.ピグメントグリーン15、25が好ましく挙げられる。
前記青色顔料のその他の例としては、C.I.ブルー15:3、15:4、15:6、16、及び60の類のもの、即ち、フタロシアニンC.I.ピグメントブルー15:3、又はフタロシアニンC.I.ピグメントブルー15:6が好適に挙げられる。また、C.I.ピグメントブルー22、28、C.I.ピグメントバイオレット14、19、23、29、32、37、177、及びC.I.オレンジ73の類のものが好適に挙げられる。
また、カラーフィルタ用の感光性組成物には、前記重合性化合物として、少なくとも1種の付加重合性単量体化合物を更に含有するのが好ましい。
更に、ヒドロキシル基を有する化合物(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリラート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラート)、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリラートと、ヘキサメチレンジイソシアナート、トルエンジイソシアナート、及びキシレンジイソシアナートのようなジイソシアナートとの反応生成物、を用いることができる。
これらの中でも、ペンタエリトリトールテトラアクリラート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリラート、ジペンタエリトリトールペンタアクリラート、トリス(2−アシロイルオキシエチル)イソシアナート、が特に好ましく挙げられる。
前記酸基としては、例えば、−COOH基、−SO3H基、−SO2NHCO−基、フェノール性ヒドロキシル基、−SO2NH−基、CO−NH−CO−基、などが挙げられる。これらの中でも、−COOH基を有する高分子化合物が特に好ましく挙げられる。
前記重合体のための共単量体としては、更に、不飽和有機酸エステル化合物、例えば、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、スチレン、などを用いて、アルカリの溶解度、接着の固さ、化学的耐性、などのような特性を均衡させるのが好ましい。
前記1個以上の−COOH基、及び1つ又は2つ以上の重合可能な不飽和結合を分子内に有する重合性化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、ビニル安息香酸、桂皮酸、などが挙げられる。
前記1個以上の−SO2NHCO−基、及び1つ又は2つ以上の重合性不飽和結合を有する重合性化合物としては、例えば、N−メチルスルホニル(メタ)アクリルアミド、N−エチルスルホニル(メタ)アクリルアミド、N−フェニルスルホニル(メタ)アクリルアミド、N−(p−メチルフェニルスルホニル)(メタ)アクリルアミド、などが挙げられる。
CH2=CHA1−Y1−A2−SO2−NH−A3・・・式(a)
CH2=CHA4−Y2−A5−NH−SO2−A6・・・式(b)
ただし、前記式(a)及び(b)中、Y1及びY2は、それぞれ、−COO−、−CONA7−、及び単結合のいずれかを表し、A1及びA4は、それぞれ、水素原子及びCH3のいずれかを表し、A2及びA5は、それぞれ、置換基シクロアルキレン、アリーレン又はアラルキレンを有する炭素数1〜12のアルキレン基;エーテル基又はチオエーテル基が挿入された炭素数2〜12のアルキレン基;シクロアルキレン;アリーレン;アラルキレンのいずれかを表す。A3及びA6は、それぞれ、水素原子、場合により置換基シクロアルキル基、アリール基若しくはアラルキル基を有する炭素数1〜12のアルキル基のいずれかを表す。A7は、水素原子;置換基シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基を有する炭素数1〜12のアルキル基のいずれかを表す。
更に、それぞれ−CO−NH−CO−基を有するメタクリル酸誘導体及びアクリル酸誘導体も用いることができる。このようなメタクリル酸誘導体及びアクリル酸誘導体としては、例えば、N−アセチルメアクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−ブタノイルメタクリルアミド、N−ペンタノイルメタクリルアミド、N−デカノイルメタクリルアミド、N−ドデカノイルメタクリルアミド、N−ベンゾイルメタクリルアミド、N−(p−メチルベンゾイル)メタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド、N−(ナフチルカルボニル)メタクリルアミド、N−(フェニルアセチル)メタクリルアミド、4−メタクリロイルアミノフタルイミド、及びこれらと同じ置換基を有するアクリルアミド誘導体、が挙げられる。これらの重合性化合物は、重合して、−CO−NH−CO−基を側鎖に有する化合物となる。
また、アリルエステル、例えば、酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリル酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリル;アリルオキシエタノールのようなアリル化合物;アルキルビニルエーテル(アルキル基は、例えば、ヘキシル、オクチル、デシル、エチルヘキシル、メトキシエチル、エトキシエチル、クロロエチル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピル、2−エチルブチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシエトキシエチル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、ブチルアミノエチル、ベンジル、及びテトラヒドロフルフリルを包含する);ビニルアリールエーテル(アリール基は、例えば、フェニル、トリル、クロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、ナフチル及びアントラニルを包含する)のようなビニルエーテル;が挙げられる。
更に、ビニルエステル、例えば、ビニルブチラート、ビニルイソブチラート、トリメチル酢酸ビニル、ジエチル酢酸ビニル、ビニルバラート、カプロン酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、ジクロロ酢酸ビニル、メトキシ酢酸ビニル、ブトキシ酢酸ビニル、フェニル酢酸ビニル、アセト酢酸ビニル、乳酸ビニル、ビニル−b−フェニルブチラート、シクロヘキシルカルボン酸ビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、クロロ安息香酸ビニル、テトラクロロ安息香酸ビニル、ナフトエ酸ビニル;が挙げられる。
また、スチレン;アルキルスチレン、例えば、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロヘキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン;アルキルオキシスチレン、例えばメトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレン;ハロゲノスチレンのようなスチレン類、例えば、クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレン、テトラクロロスチレン、ペンタクロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、トリフルオロスチレン、2−ブロモ−4−トリフルオロメチルスチレン、4−フルオロ−3−トリフルオロメチルスチレン;が挙げられる。
また、クロトン酸アルキルのようなクロトン酸エステル、例えばクロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシル、モノクロトン酸グリセリン;が挙げられる。
また、イタコン酸ジアルキル、例えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル及びイタコン酸ジブチル;マレイン酸又はフマル酸ジアルキル、例えば、マレイン酸ジメチル、フマル酸ジブチル;(メタ)アクリロニトリル;が挙げられる。
更には、側鎖にカルボキシル基を有するセルロース誘導体を用いることができ、この中でも、(メタ)アクリル酸ベンジルと(メタ)アクリル酸との共重合体、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸、及び、例えば、米国特許第4,139,391号明細書、特公昭59−44615号公報、特開昭60−159743号公報、特開昭60−258539号公報に記載されているような、その他の単量体の共重合体、が特に好ましく挙げられる。
前記感光性組成物中のバインダーの含有量としては、全固体成分に対して、10〜95質量量%が好ましく、15〜90質量%がより好ましい。
本発明の前記オキシム化合物を、カラーフィルタ用感光性組成物、例えば、上記の例に述べた感光性組成物に用いたり、該感光性組成物中の既知の光開始剤を、部分的又は全てを本発明のオキシム化合物に置き代えることができる。本発明の新規なオキシム化合物の使用は、特定のバインダー樹脂、架橋剤及び前述のカラーフィルタ用感光性組成物の配合例に限定されることなく、感光性カラーフィルターインキ又はカラーフィルタレジストを形成させるために、染料、色顔料、潜在的顔料と組み合わせて、ラジカル重合性成分として、様々な用途に用いることができる。
また、カラーフィルタのコントラストを改善するために、RGB三色の各画素間に黒色マトリックスを形成するのが好適である。
本発明による感光性組成物は、液晶表示装置、より詳細には、スィッチングデバイスとして薄膜トランジスター(TFT)を有する能動性マトリックス型、及びスィッチングデバイスなしの受動的マトリックス型の表示装置を包含する、反射型液晶表示装置の層間絶縁層又は誘電層を製造するためにも好適に用いられる。
この問題を解決する対策として、光の利用効率を高めるために、様々な反射型液晶表示装置が示唆されている。例えば、ある種の反射型液晶表示装置は、反射機能を有する画素電極を含むよう設計されている。
前記反射型液晶表示装置は、絶縁性の基板と、該絶縁物質から間隔を置いて対向する基板とを含んでなる。その製造方法としては、前記基板間の空間を、液晶で充填する。前記絶縁性基板にゲート電極を形成し、該ゲート電極と絶縁性基板との双方を、ゲート絶縁薄膜で被覆する。次に、半導体層を、ゲート絶縁薄膜上でゲート電極の上方に形成する。更に、電源電極及びドレーン電極を、ゲート絶縁薄膜上に半導体層と接して形成する。前記電源電極、ドレーン電極、半導体層並びにゲート電極が、互いに協働することにより、スイッチングデバイスとしてのボトムゲート型TFTを構成している。
前記電源電極、ドレーン電極、半導体層及びゲート絶縁薄膜を覆うように、層間絶縁薄膜を形成する。また、前記ドレーン電極上の層間絶縁薄膜全体に、接触孔を形成する。この層間絶縁薄膜と、接触孔の内側の壁との双方にアルミニウム製の画素電極を形成する。このように形成することにより、TFTのドレーン電極が、層間絶縁薄膜を介して画素電極と接触する。前記層間絶縁層は、一般的には、粗い表面を有することにより、画素電極が光を拡散して、より広い視野角(可視角)を得る反射板として作用するよう設計されている。
前記反射型液晶表示装置は、画素電極が光反射板として作用することによって、光を用いたことによる効果を著しく高めることができる。
上記の反射型液晶表示装置では、前記層間絶縁薄膜は、写真平版法によって凹凸を有するよう設計されている。この凹凸のマイクロメートル次元での微細な形状を形成かつ制御して、表面を粗くし、前記接触孔を形成するには、陽画及び陰画フォトレジストを用いた写真平版法を用いることができる。本発明の感光性組成物は、これらのレジストの形成に特に好適である。
本発明の感光性組成物は、更に、液晶表示パネル内の液晶部分のセル間隙を制御するスペーサの製造にも好適に用いることができる。液晶表示装置内の液晶層を介して透過又は反射される光の特性は、液晶セル間隙に依存することから、画素アレー全体の厚みの精度、及び均一度は、液晶表示装置ユニットの性能を左右する重要な要因である。前記液晶セルでは、該液晶セル内の基板間の間隔は、直径が数マイクロメートルのガラス又は重合体の球体を、スペーサとして基板の間に分散させることによって、一定に保たれる。したがって、これらのスペーサは、基板間の距離を一定の値に保つよう、基板間に保持されるものであり、この距離は、スペーサの直径によって決定され、該スペーサは、基板間の最小の間隔を確保する効果、即ち、基板間の距離の減少を防止する効果を有する。
しかし、スペーサを設けても、基板が互いに広い間隔で隔てられるのを、即ち基板間の距離の増大を防ぐことはできない。加えて、スペーサビーズを用いる従来方法では、スペーサビーズの直径を均一としたり、スペーサビーズをパネル上に均等に分散させることが困難である問題と共に、画素アレー領域でのスペーサの位置によっては、輝度及び光学的開口度の少なくともいずれかが減少するという問題を生じる。
近年、大型の画像表示領域を有する液晶表示装置に、多大な関心が寄せられている。しかし、液晶セルの領域が増大することにより、液晶セルを構成する基板の歪みが生じ易くなる。液晶の層構造は、基板の変形が原因で破壊される傾向にある。したがって、基板間の間隔を一定に保つために前記スペーサを用いた場合でさえ、大型の画像表示領域を有する液晶表示装置の実施は困難である。
この問題を解決するため、上記のスペーサビーズを分散させる方法に代えて、柱状のスペーサを、液晶セル間隙に形成する方法が提唱されている。この方法では、柱状の樹脂をスペーサとして、画素アレー領域と対向電極との間の領域に形成して、所定のセル間隙を形成する。この形成には、接着特性を有する感光性組成物を用いた写真平版法により行われ、例えば、カラーフィルタの製造工程に一般的に用いられる。この柱状のスペーサを形成する方法は、前記スペーサビーズを用いる慣用の方法と比較すると、スペーサの位置、数及び高さを自由に制御し得る点で有利である。カラー液晶表示パネルでは、このような柱状のスペーサを、カラーフィルタ要素の黒色マトリックス下の非結像領域に形成する。そのため、感光性組成物を用いて形成されたスペーサは、輝度及び光学的開口度を減少させることがない。
前記カラーフィルタ用スペーサで保護層を形成するための感光性組成物としては、特開2000−81701号公報に開示されている。前記スペーサのためのフィルム状の感光性組成物(フォトレジスト)も、特開平11−174459号公報及び特開平11−174,464号公報に開示されている。これらの文献に記載のとおり、液体及びフィルム状フォトレジストは、少なくともアルカリ又は酸可溶性バインダー重合体、ラジカル重合性単量体、及びラジカル開始剤を含んでなり、必要に応じて、エポキシド及びカルボン酸のような熱架橋性成分を、更に含んでもよい。
本発明の感光性組成物を用いてスペーサを形成する工程としては、下記のとおりである。即ち、感光性組成物を、基板、例えば、カラーフィルタパネルに塗布し、基板を予備焼付けした後に、マスクを通して露光させる。次に、基板を現像剤で現像し、パターン化して、所望のスペーサを形成する。前記感光性組成物が、熱硬化性成分を含有するときは、後焼付けを実施して、前記で形成されたパターンを熱硬化させる。
本発明の感光性組成物は、高感度であるため、上記のような液晶表示装置用のスペーサを製造するのに好適である。
本発明の感光性組成物は、液晶表示パネル、画像センサ、などに用いられるマイクロレンズアレーを製造するのにも好適である。前記マイクロレンズアレーは、検出器、表示装置、及び発光デバイス(例えば、発光ダイオード、横穴レーザ、縦穴レーザ)のような能動光電子工学デバイスに用いられ、それらの光学的入出力の質を向上させるための受動光学的部品である。このマイクロレンズアレーの応用の分野は広く、遠隔通信、情報技術、視聴覚サービス、太陽電池、検出器、固体光源、光学的相互連絡のような分野を網羅している。
現在の光学装置系は、様々な手法を用いて、マイクロレンズとマイクロ光学デバイスとの間の効率的な結合を達成している。
前記マイクロレンズアレーは、非発光性の表示デバイス、例えば、液晶表示デバイスの画素の領域で、照明光を集光して、表示デバイスの輝度を上昇させるために使用されたり、入射光を集光するために使用されたり、又は、例えば、ファクシミリなどに用いられるライン画像センサの光電変換領域に画像を形成して、これらのデバイスの感度を向上させる手段として使用されたり、液晶プリンター若しくは発光ダイオード(LED)プリンターに用いられる感光手段上に印刷する画像を形成するために使用される。
従来の技術によれば、マイクロレンズアレーは、例えば、下記のような方法で製造することができる。
(1)平面的配置のレンズパターンを、慣用の写真平版手法などによって、熱可塑性樹脂に描き、次いで、熱可塑性樹脂を、流動性を持つよう、その樹脂の軟化点を越える温度まで加熱し、それによってパターンのへりにたるみを生じさせる(いわゆる「再流動」)ことにより、凸レンズを得る方法である(特開昭60−38989号公報、特開昭60−165623号公報、特開昭61−67003号公報、特開2000−39503号公報参照)。この方法では、使用する熱可塑性樹脂が感光性である場合に、この樹脂の露光によってレンズのパターンを得ることができる。
(2)成形用型又はスタンパーを使用して、プラスチック又はガラスによりレンズを形成する方法である。この方法では、レンズ材料として、光硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂を用いることができる(国際公開第99/38,035号パンフレット参照)。
(3)心合わせ装置を使用して、感光性組成物を所望のパターンで露光させたとき、未反応単量体が、非露光領域から露光領域に移動する結果、露光領域が膨張することによって凸レンズを形成する方法である〔例えば、Journal of the Research Group in Microoptics Japanese Society of Applied Physics,Colloquiumin in Optics,Vol.5,No.2,pp.118−123(1987)及びVol.6,No.2,pp.87−92(1988)参照〕。
この方法では、支持基板の上面に、感光性組成物からなる感光層が形成される。その後、別個の遮光マスクを用いて、感光層の上面を、水銀灯などの光で照明して、感光層を露光させる。その結果、感光層の露光部分は、凸レンズの形状に膨張して、複数のマイクロレンズを有する集光層が形成される。
(4)感光性組成物を近接露光の手法によって露光させて、凸レンズを得る方法である。この方法では、光マスクを、樹脂に接触させないで、パターン辺縁に曇りを生じさせることにより、光化学反応生成物の量を、パターン辺縁のくもりの度合いに応じて分布させることにより(例えば特開61−153602号公報参照)、前記凸レンズが得られる。
(5)感光性組成物を特定の強度分布で露光させて、光の強さに応じて任意の分布パターンの屈折率を形成することにより、レンズ効果を発生させる方法である(例えば、特開昭60−72927号公報及び特開昭60−166946号公報参照)。
本発明の感光性組成物は、上記(1)〜(5)の方法のいずれかにおいて、マイクロレンズアレーを形成する際の光硬化性樹脂組成物として用いることができる。
必要に応じて、再流動の前に、矩形状のパターン化されたレンズユニット上に外套層を形成して、再流動工程での球形キャップへの再流動なしに、樹脂の島の中央でのたるみ形成を回避するようにしてもよい。外套層は、恒久的な保護層として作用する。コーティング層もまた、本発明の感光性組成物で形成することができる。
(1)上面に凸面部分を稠密に配置したスタンパーの成形面に、離型剤をコーティングし、高い屈折率を有する光硬化性合成樹脂材料を、スタンパーの成形面上に載置する。次に、ガラス基板を合成樹脂材料に押し付けることによって、合成樹脂材料を伸展させ、紫外線での照射又は加熱によって合成樹脂材料を硬化させることにより、凸マイクロレンズを形成するよう成形する。その後、スタンパーを剥がす。次いで、低い屈折率を有する光硬化性合成樹脂材料を、接着層として凸マイクロレンズの表面に更にコーティングし、カバーガラス板として作製したガラス基板を、合成樹脂材料に押し付けることによって合成樹脂材料を伸展させる。次いで、合成樹脂材料を硬化させることにより、平面マイクロレンズアレーを形成する。
(2)米国特許第5,969,867号明細書に開示されたように、成形用型を用いた類似の方法が、プリズムシートの製造に適用されるが、これは、カラー液晶表示パネル用のバックライトユニットの一部として、輝度を高めるために用いられる。バックライトの発光面に、プリズムシートが取り付けられ、プリズム列を形成している。前記プリズムシートを製造するには、活性エネルギー線硬化性組成物を、金属、ガラス又は樹脂で作製されたレンズ成形用型に注入して伸展させ、プリズム列等のレンズ形状を形成し、その後、透明な基板シートをその上に載置し、活性エネルギー線放出源からの活性エネルギー線を、基板シートを通して照射する。次いで、製造されたレンズシートを、レンズ成形用型から離型して、レンズシートを得る。
前記レンズ切片を形成するのに用いられる活性エネルギー線硬化性組成物は、透明な基板への接着性、及び適切な光学特性を含む、様々な特性を有する必要がある。少なくとも、従来技術のフォトレジストで形成されたマイクロレンズアレーの中には、光学スペクトルの青色端での光学的透過率に劣るものがあり、レンズの用途によっては、不適である。
本発明の感光性組成物は、熱的にも光化学的にも、低い黄化性を有するため、従来の不具合を解消でき、前記マイクロレンズアレーの製造に好適である。
本発明の感光性組成物は、特に、バリヤーリブ、蛍光層及び電極の画像形成法のための、プラズマ表示パネル(PDP)の製造法に用いられる写真平版工程に用いるのにも適している。
前記PDPは、気体放電による発光によって画像及び情報を表示するための平面表示装置である。この装置は、パネルの構成及び操作方法によって、2つの種類、即ちDC(直流)型とAC(交流)型が公知である。
例えば、DC型カラーPDPの原理を簡潔に説明する。該DC型カラーPDPでは、2枚の透明な基板(一般的にはガラス板)が空間を介して配置され、この空間は、透明基板の間に挿入された格子状のバリヤーリブによって、多数の微細なセルに分割されている。個々のセルには、放電気体、例えば、He又はXeが密閉されている。各セルの後方の壁には、蛍光層が存在し、放電気体の放電によって生成された紫外光によって励起されると、三原色からなる可視光を発する。2枚の基板の内面には、関連するセル越しに互いに対向するよう、電極が配置されている。一般に、陰極は、NESAガラスのような透明な導電性材料の薄膜で形成される。前壁及び後壁に形成されたこれらの電極間に、高電圧が印加された際に、セル内に密閉された放電気体がプラズマ放電を誘発し、結果的に放射される紫外光によって、赤、青及び緑色の蛍光要素を励起して発光し、画像を表示する。フルカラー表示系では、それぞれ、上記の赤、青及び緑色の3原色の3種類の蛍光要素は、連帯して、1つの画素を形成する。
前記DC型PDPにおけるセルは、格子構造のバリヤーリブによって分割されているのに対し、前記AC型PDPにおけるセルは、基板面に互いに平行に配置されたバリヤーリブによって分割されている。いずれの場合も、セルは、バリヤーリブによって分割されている。これらのバリヤーリブは、発光放電を固定された領域内に閉じ込めることにより、隣接する放電セル間の誤った放電又はクロストークを除外し、理想的な表示を確保することを目的として設けられている。
光硬化は、印刷技術において非常に重要であるが、それは、インクの乾燥時間が、図画生産物の生産速度にとって重要な要因であり、1秒の何分の1という次元での生産が要求されるからである。UV硬化性インクは、スクリーン印刷及びオフセット印刷に特に重要であり、本発明の感光性組成物は、このようなUV硬化性インクの材料として好適に用いることができる。
前記印刷インクでも説明した理由から、本発明の感光性組成物は、印刷原版の製造にも非常に適している。この用途に用いる感光性組成物としては、例えば、可溶性の直鎖ポリアミド、スチレン/ブタジエン、スチレン/イソプレンゴム、及びカルボキシル基の少なくともいずれかを有するポリアクリラート、ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアルコール、又はウレタンアクリラートと光重合できる単量体、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリラート、メタクリラートの少なくともいずれかの混合物、及び光開始剤を含んでなる。これらの乾燥又は湿潤系の薄膜及びプレートで、印刷された原版の陰画又は陽画を被覆して露光させ、次いで、非硬化部分を適切な溶媒又は水溶液を用いて洗い落とす。
本発明の感光性組成物を好適に用いることができる他の分野としては、金属の表面をコーティングする技術分野であり、例えば、金属の板及び管、缶、瓶のキャップのコーティングに用いるのに好適である。また、PVCを基材とする床又は壁の被覆物の重合体コーティングを、光硬化させる技術において、本発明の感光性組成物を好適に用いることができる。また、紙コーティングを光硬化する例としては、ラベル、レコードジャケット及びブックカバーの無色ワニス塗りが挙げられ、これらにも、本発明の感光性組成物を好適に用いることができる。
本発明の感光性組成物の用途として、特に好適なものとしては、複合化合物から製造された成形品を硬化させるものに用いることである。この複合化合物としては、自己支持型マトリックス材料、例えば、ガラス繊維織物、植物繊維、などからなり〔K.−P.Mieck,T.Reussmann in Kunststoffe 85(1995),366−370参照〕、これらに光硬化性の感光性組成物を含浸させる。この複合化合物を含む成形部品を、本発明の新規オキシム化合物を含む本発明の感光性組成物を用いて製造することにより、高水準の機械的安定性及び耐性を得ることができる。本発明の前記新規なオキシム化合物は、例えば、欧州特許第7,086号公報に記載のとおり、成型、含浸及びコーティング組成物における光硬化剤としても用いることができる。このような組成物の具体例としては、硬化活性及び耐黄化性に関して厳格な要件に付されるゲルコート樹脂、及び繊維強化成型品、例えば、平面的な光拡散パネル、又は長手方向若しくは横断方向に波形を有する光拡散パネルが挙げられる。このような成型品を製造する手法としては、例えば、手作業のレイアップ、吹付けレイアップ、遠心注型、又はフィラメント巻取りが挙げられ、これらは、例えば、P.H. Seldenによる“Glasfaserverstaerkte Kunststoffe”,p.610,Springer Verlag Berlin−Heidelberg−New York 1967に記載されている。これらの手法によって製造できる物品としては、例えば、ガラス繊維強化プラスチックにより両面コーティングされたボート、繊維ボード、又はチップボードパネル、管材、容器、などが挙げられる。成型、含浸及びコーティング組成物の更なる例としては、ガラス繊維(GRP)を含む成型品に対するUP樹脂ゲルコート、例えば、波形シート及びペーパーラミネート、が挙げられる。前記ペーパーラミネートは、尿素樹脂又はメラミン樹脂をベースに作製される。ラミネートの製造の前に、ゲルコートを支持体(例えば、薄膜)上に形成する。本発明の感光性組成物は、樹脂の注型、又は物品、例えば、電子部品の埋め込みなどにも好適に用いることができる。
本発明の感光性組成物は、ホログラフィ、導波路、光学スイッチの製造に用いることができ、照射領域と非照射領域との間の屈折率の差が良好に発生する利点を有するため、これらの製造に好適に用いることができる。
本発明の感光性組成物を光重合する方法としては、少なくとも、露光工程を含み、必要に応じて、現像工程、加熱処理などのその他の工程を含む。
〔写真材料用積層体の形成〕
本発明の感光性組成物を用いて光重合を行う際には、前記感光性組成物からなる感光層は、基体上へ積層されて積層体を形成していることが好ましい。
前記基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記写真情報の記録に用いられる基材としては、例えば、ポリエステルの薄膜、酢酸セルロース又は重合体被覆した紙、などが挙げられる。前記オフセット印刷用紙のための基材としては、特別に処理されたアルミニウムなどが挙げられる。前記プリント回路の製造のための基材としては、銅クラッドラミネーなどが挙げられ、集積回路の製造のための基板としては、例えば、ケイ素ウエハーなどが挙げられる。
前記写真材料及びオフセット印刷用紙のための感光層の厚みとしては、一般的には、約0.5〜10μmであるが、プリント回路のためには、0.1〜100μmが好ましい。
前記塗布及び乾燥の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記感光性組成物を含む溶液又は懸濁液を塗布し乾燥する方法などが挙げられる。
前記感光性組成物溶液の溶媒及びその濃度としては、感光性組成物の種類及びコーティング方法に応じて適宜に選択することができる。該溶媒は、不活性である必要があり、即ち、該感光性組成物中の各成分との化学的反応を生じてはならず、塗布後に、乾燥の際に除去できる必要がある。
前記溶媒としては、例えば、ケトン、エーテル、エステルが好ましい。具体的には、メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、N−メチルピロリドン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−ジメトキシエタン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピルアセタート、メチル−3−メトキシプロピオナート、2−ヘプタノン、2−ペンタノン、乳酸エチル、などが好適に挙げられる。
前記感光性組成物溶液の塗布方法としては、公知のコーティング手法、例えば、スピンコーティング、浸漬コーティング、へらコーティング、カーテンコーティング、ブラシ塗装;吹付け、特に静電吹付け及び逆ロールコーティング;電気泳動沈着、などが挙げられ、これらの手法により、基材に均一に塗布することができる。
前記感光性組成物溶液の塗布量(感光層の厚み)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択するのが好ましい。前記感光層の厚みとしては、一般的には、0.1μm以上であり、100μm以上が好ましい。また、0.1μm〜1cmがより好ましく、0.5μm〜1,000μmが更に好ましい。
前記露光工程は、本発明の感光性組成物を用いて形成された感光層に対し、露光を行う工程である。
本発明の感光性組成物では、感光度を、150〜600nmの範囲、例えば、190〜600nm(UV〜可視領域)に調製することができる。放射線として好ましいものとしては、例えば、日光、人工光源からの光、などが挙げられる。前記光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、点光源及びアレー(「ランプカーペット」)が好適であり、炭素アーク灯、キセノンアーク灯、金属ハロゲン化物のドーピングを有し得る(金属ハロゲン灯)、低、中、高及び超高圧水銀灯、マイクロ波で励起される金属蒸気灯、エキシマーランプ、スーパーアクチニック蛍光管、蛍光灯、アルゴン白熱灯、電子閃光、写真用フラッドランプ、発光ダイオード(LED)、電子ビーム、X線、などが挙げられる。前記ランプと、露光しようとする感光層との間の距離は、意図される用途、並びに、ランプの種類及び出力に応じて変動してよく、例えば、2〜150cmが好ましい。前記レーザ光源としては、例えば、エキシマーレーザが好ましく、この中でも、例えば、157nm露光でのF2エキシマーレーザ、248nmでの露光用のKrFエキシマーレーザ、193nmでの露光用のArFエキシマーレーザ、が好適に挙げられる。また、可視領域でのレーザも、用いることができる。
前記加熱処理工程としては、前記露光工程が行われた後、現像の前に、加熱処理(先焼付け)を行う工程と、後述する現像工程の後、加熱処理(後焼付け)を行う工程とが挙げられる。該加熱処理(後焼付け)を行うと、硬化膜を硬化させ、溶媒を除去することができる。
前記加熱処理に用いられる温度としては、50〜250℃が好ましく、80〜220℃がより好ましい。前記加熱処理時間としては、0.25〜60分間が好ましい。
前記現像工程は、前記露光工程後に、前記感光層の未露光部分を現像液を用いて除去する工程である。
前述のように、本発明の感光性組成物は、水性アルカリ又は有機溶媒によって現像することができる。前記水性アルカリ現像液としては、水酸化テトラアルキルアンモニウム、アルカリ金属ケイ酸塩、リン酸塩、水酸化物、炭酸塩の水溶液が好適に挙げられる。少量の湿潤剤及び有機溶媒の少なくともいずれかを、必要に応じて溶液に加えてもよい。このような現像液に少量加えてよい代表的な有機溶媒としては、例えば、シクロヘキサノン、2−エトキシエタノール、トルエン、アセトン、及びこれらの混合物、が挙げられる。
また、基材に応じて、有機溶媒、又は上述のような有機溶媒とアルカリ水溶液との混合物も、現像液として用いることができる。
前記現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチル−3−エトキシプロピオナート、メチル−3−メトキシプロピオナート、酢酸n−ブチル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、2−ペンタノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチルラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン、などが挙げられる。必要に応じて、透明な溶液が得られ、感光性組成物の非露光領域の充分な溶解度が保たれる範囲内であれば、これらの溶媒に水を加えることができる。
−感光性組成物の調製−
下記組成を混合撹拌して、実施例1の感光性組成物溶液を調製した。なお、全ての操作は黄色光下で実施した。
〔感光性組成物溶液の組成〕
・バインダー(a)
ベンジルメタアクリレートとメタクリル酸のコポリマー(ベンジルメタアクリレート:メタクリル酸=75質量%:25質量%)30質量%PGMEA溶液・・・100質量部
・重合性化合物(b)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)・・・20質量部
・光重合開始剤(c)・・・1質量部
下記式10で表される化合物
下記式で表される例示化合物No.33
・添加剤(e)(界面活性剤:ドデシルスルホン酸ナトリウム)・・・0.1質量部
・溶媒(PGMEA)・・・80質量部
前記で得られた感光性組成物溶液を、表面を研磨、水洗、乾燥したシリコーンウエハー上に塗布し、対流式オーブン内で80℃、15分間加熱することにより、溶媒を除去して乾燥させて、厚み2μmの感光層を形成した。
半導体レーザ露光装置(中心発信波長405nm)INPREX IP−3000(富士フイルム株式会社製、ピクセルピッチ=1.0μm)を用いて、0.1mJ/cm2から21/2倍間隔で60mJ/cm2までの光エネルギー量の異なる光を照射して2重露光し、前記感光層の一部の領域を硬化させた。室温にて10分間静置した後、感光層の全面に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて60秒間スプレーし、未硬化の領域を溶解除去して、残った硬化領域の厚みを測定した。次いで、光の照射量と、硬化層の厚さとの関係をプロットして感度曲線を得た。該感度曲線から、硬化領域の厚みが元の90%以上となった時の光エネルギー量を、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量とした。
上記パターン形成と同条件での評価を繰り返し行い、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量の平均値を、本発明の感度として評価した。なお、値が小さいほど感度が高く、短時間で硬化させることができることを示す。結果を表1に示す。
実施例1において、光重合開始剤(c)として下記式22で表される化合物と、増感剤(d)として下記式で表される例示化合物No.4とを用いた以外は、実施例1と同様にして、感光性組成物を調製した。
得られた各感光性組成物を用いて、実施例1と同様にして、感度の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、光重合開始剤(c)として下記式17で表される化合物と、増感剤(d)として下記式で表される例示化合物No.34とを用いた以外は、実施例1と同様にして、感光性組成物を調製した。
得られた各感光性組成物を用いて、実施例1と同様にして、感度の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、光重合開始剤(c)として下記式19で表される化合物と、増感剤(d)として下記式で表される例示化合物No.4とを用いた以外は、実施例1と同様にして、感光性組成物を調製した。
得られた各感光性組成物を用いて、実施例1と同様にして、感度の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、光重合開始剤(c)として下記式24で表される化合物と、増感剤(d)として下記式で表される例示化合物No.33とを用いた以外は、実施例1と同様にして、感光性組成物を調製した。
得られた各感光性組成物を用いて、実施例1と同様にして、感度の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、光重合開始剤(c)として下記式25で表される化合物と、増感剤(d)として下記式で表される例示化合物No.19とを用いた以外は、実施例1と同様にして、感光性組成物を調製した。
得られた各感光性組成物を用いて、実施例1と同様にして、感度の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、光重合開始剤(c)として下記式26で表される化合物と、増感剤(d)として下記式で表される例示化合物No.4とを用いた以外は、実施例1と同様にして、感光性組成物を調製した。
得られた各感光性組成物を用いて、実施例1と同様にして、感度の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、光重合開始剤(c)として下記式23で表される化合物と、増感剤(d)として下記式で表される例示化合物No.34とを用いた以外は、実施例1と同様にして、感光性組成物を調製した。
得られた各感光性組成物を用いて、実施例1と同様にして、感度の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、光重合開始剤(c)として下記式1で表される化合物と、増感剤(d)として下記式で表される例示化合物No.1とを用いた以外は、実施例1と同様にして、感光性組成物を調製した。
得られた各感光性組成物を用いて、実施例1と同様にして、感度の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、光重合開始剤(c)として下記式10で表される化合物と、増感剤(d)として下記式で表される例示化合物No.1とを用いた以外は、実施例1と同様にして、感光性組成物を調製した。
得られた各感光性組成物を用いて、実施例1と同様にして、感度の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、光重合開始剤(c)を添加せず、増感剤(d)として下記式で表される例示化合物No.4を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光性組成物を調製した。
得られた各感光性組成物を用いて、実施例1と同様にして、感度の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、増感剤(d)を添加せず、光重合開始剤(c)として下記式24で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光性組成物を調製した。
得られた各感光性組成物を用いて、実施例1と同様にして、感度の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、増感剤(d)を添加せず、光重合開始剤(c)として下記式25で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光性組成物を調製した。
得られた各感光性組成物を用いて、実施例1と同様にして、感度の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、増感剤(d)を添加せず、光重合開始剤(c)として下記式10で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、感光性組成物を調製した。
得られた各感光性組成物を用いて、実施例1と同様にして、感度の評価を行った。結果を表1に示す。
Claims (3)
- バインダーと、重合性化合物と、光重合開始剤と、増感剤とを少なくとも含有してなり、前記光重合開始剤が下記一般式(A−2)で表される化合物であり、前記増感剤が下記一般式(B−1)で表される化合物であることを特徴とする感光性組成物。
- 一般式(A−2)で表される化合物が、下記一般式(A−3)及び(A−4)のいずれかで表される化合物である請求項1に記載の感光性組成物。
- 一般式(B−1)で表される化合物が、下記一般式(B−2)で表される化合物である請求項1から2のいずれかに記載の感光性組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007032308A JP4953851B2 (ja) | 2007-02-13 | 2007-02-13 | 感光性組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007032308A JP4953851B2 (ja) | 2007-02-13 | 2007-02-13 | 感光性組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008197370A JP2008197370A (ja) | 2008-08-28 |
JP4953851B2 true JP4953851B2 (ja) | 2012-06-13 |
Family
ID=39756376
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007032308A Expired - Fee Related JP4953851B2 (ja) | 2007-02-13 | 2007-02-13 | 感光性組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4953851B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010044273A (ja) * | 2008-08-14 | 2010-02-25 | Fujifilm Corp | カラーフィルタ及びその形成方法、並びに固体撮像素子 |
JP5815215B2 (ja) * | 2009-08-27 | 2015-11-17 | 東京応化工業株式会社 | 拡散剤組成物、および不純物拡散層の形成方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2632069B2 (ja) * | 1990-04-17 | 1997-07-16 | 富士写真フイルム株式会社 | 光重合性組成物 |
JPH06129697A (ja) * | 1992-10-20 | 1994-05-13 | Fujitsu General Ltd | 空気調和機の制御方法 |
JP2007017814A (ja) * | 2005-07-08 | 2007-01-25 | Fujifilm Holdings Corp | パターン形成材料、並びにパターン形成装置及び永久パターン形成方法 |
-
2007
- 2007-02-13 JP JP2007032308A patent/JP4953851B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008197370A (ja) | 2008-08-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5312743B2 (ja) | オキシム化合物及びそれを含む感光性組成物 | |
JP6263229B2 (ja) | オキシムエステル光開始剤 | |
JP6113181B2 (ja) | オキシムエステル光開始剤 | |
JP6038033B2 (ja) | ベンゾカルバゾール化合物のオキシムエステル誘導体ならびに前記誘導体の光重合性の組成物における光開始剤としての使用 | |
JP4878028B2 (ja) | オキシムエステル光開始剤 | |
KR101526618B1 (ko) | 옥심 에스테르 광개시제 | |
TWI415838B (zh) | 肟酯光起始劑 | |
JP5289649B2 (ja) | オキシムエステルの光開始剤 | |
JP3860170B2 (ja) | 組み合わされた構造を有するオキシムエステルの光開始剤 | |
KR101604873B1 (ko) | 옥심 에스테르 광개시제 | |
TWI626238B (zh) | 肟酯光起始劑 | |
KR20090104877A (ko) | 옥심 화합물, 감광성 조성물, 컬러 필터, 그 제조방법 및 액정표시소자 | |
JP4874659B2 (ja) | アニリン化合物及びその製造方法、並びに、感光性組成物 | |
JP2009040762A (ja) | オキシムエステル光開始剤 | |
JP4953851B2 (ja) | 感光性組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090908 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110609 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110614 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110815 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120306 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120313 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150323 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |