JP4953402B1 - 冷蔵施設および冷凍施設の少なくとも一方を備える建造物の床下構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】
冷凍施設および冷蔵施設の少なくとも一方を備える建造物の床下構造において、建造物下における地盤の冷却による凍上現象を防止し、且つ、建造物内に備わる冷蔵施設、冷凍施設の熱損失の低減が可能な床下構造を提供する。
【解決手段】
冷蔵施設および冷凍施設の少なくとも一方を備える建造物の床下構造において、建造物基礎と、これに続く床材とを備え、上記床材と建造物基礎との間に第一断熱層を備え、建造物基礎を含む建造物構造下面における面構造と、地盤との間に第二断熱層を備え、第一断熱層と第二断熱層との間に屋外外気を貫通させるための貫通孔を有しない空気層を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷蔵施設および冷凍施設の少なくとも一方を備える建造物の床下構造に関する。
冷蔵倉庫、冷凍倉庫をはじめとする、冷蔵施設および冷凍施設の少なくとも一方を備える構造物は、一般的に室内を−20℃〜−55℃程度の温度に維持される必要がある。そのため、建造物内の冷熱が、床から建造物の基礎構造を介して地盤に伝導し、建造物下の地盤が凍結し、凍上現象が発生する場合があることが知られる。例えば、床下に断熱材を敷いた場合であっても、長時間に亘り断熱材が冷やされることにより、徐々に冷熱が地盤に伝導し、凍上現象が発生し得る。
凍上現象は、地盤中の水分が凍結することにより発生する現象であり、詳しくは、地盤凍結面下における水分が毛細現象によって水分補充を行い、水分が凍結し氷塊が成長するため地盤体積が膨張し、地表面方向に隆起する現象をいう。このような凍結による凍土の現象による隆起が建造物下において生じると、建造物の基礎構造の破損や、建造物の床面の一部が隆起し、あるいは建造物が傾ぐなどの被害が発生し問題である。
そこで、建造物下において凍上現象の発生し易い、冷蔵倉庫、冷凍倉庫など冷蔵施設、冷凍施設を備える建造物の床下ならびに基礎構造においては、一般的に、床下に屋外外気との空気の入れ替えが可能な貫通孔を有する通気層が設けられている。これにより、床上から伝導した冷熱が地盤に伝導する前に、通気層において、外気と冷熱により冷やされた冷気とを入れ替えることによって、冷熱が地盤まで伝導して地盤が凍結することを防止することを可能としている。例えば、特許文献1の図2には、床スラブ20の下に発泡樹脂17が設置され、その下に通気管19により凍上防止のための換気が行われる床下空間8が設けられた冷凍・冷蔵庫の床構造が示されている。このように、床下において、床上から伝導する冷熱を屋外に逃がすことにより、通気層内の温度を冷気温度より高くし、もって地盤が凍結可能な冷熱の伝導を効果的に防止することができる。
特開平11−22091号公報
しかしながら、上記通気層を設ける床構造では、凍上現象の発生や地盤の凍結は防止可能であるものの、冷凍施設、冷蔵施設に対する床からの熱損失が大きく、施設のエネルギー効率を下げる他、庫内商品の品質低下という問題があった。即ち、冷蔵施設、冷凍施設から床下に伝導する冷熱が通気層において屋外に逃がされ、また、外気が通気層に流入されると、該通気層における空気が冷熱を上回る温度になる。かかる温度上昇は、夏季において高い温度の外気が通気層に流入した場合に顕著であるが、冬季においても冷蔵施設、冷蔵施設から伝導する冷熱のほうが外気温よりも十分に低いため、同様の傾向にある。すると熱勾配により、外気によって暖められた通気層内の熱エネルギーが、床上方向に向かって熱伝導し、冷凍施設、冷蔵施設において熱損失を発生せしめるのである。
このように冷凍施設、冷蔵施設において熱損失が発生すると、冷凍施設、冷蔵施設の温度が設定温度を上回らないよう調整するための冷却エネルギーが必要となり、冷蔵施設、冷凍施設のエネルギー効率を下げる他に、庫内温度管理に支障を生じる結果となる。
従来、冷凍施設および冷蔵施設の少なくとも一方を備える建造物の床下構造において、上述する凍上問題ばかりが着眼され、上記熱損失あるいは上記エネルギー効率の低下については充分に認識されていなかった。
しかしながら、本発明者は鋭意検討により、昨今の環境問題、エネルギー問題とも相まって、これら熱損失、エネルギー効率低下の問題が非常に重要な課題であることを認識し、しかして本発明を提供するものである。即ち、本発明は、冷凍施設および冷蔵施設の少なくとも一方を備える建造物の床下構造において、建造物下における地盤の冷却による凍上現象を防止し、且つ、建造物内に備わる冷蔵施設、冷凍施設の熱損失の低減が可能な床下構造の提供を目的とするものである。
即ち本発明は、
(1)冷蔵施設および冷凍施設の少なくとも一方を備える建造物の床下構造において、
建造物基礎と、これに続く床材とを備え、
上記床材と建造物基礎との間に第一断熱層を備え、
建造物基礎を含む建造物構造下面における面構造と、地盤との間に第二断熱層を備え、
第一断熱層と第二断熱層との間に屋外外気を貫通させるための貫通孔を有しない空気層を備えることを特徴とする冷蔵施設および冷凍施設の少なくとも一方を備える建造物の床下構造、
(2)冷蔵施設および冷凍施設の少なくとも一方を備える建造物の床下構造において、
床材と、建造物基礎との間に第一断熱層を備え、
建造物基礎と、これに続く床材とを備え、
建造物基礎を含む建造物構造下面における面構造と、地盤との間に第二断熱層を備え、
第一断熱層と第二断熱層との間に冷気保持可能な空気層を備えることを特徴とする冷蔵施設および冷凍施設の少なくとも一方を備える建造物の床下構造、
(3)建造物基礎下面を構成する面構造略全面および建造物基礎間における建造物下面を構成する面構造略全面の少なくとも一方に直接または間接に接して第二断熱層が設けられていることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の冷蔵施設および冷凍施設の少なくとも一方を備える建造物の床下構造、
(4)基礎構造を含む建造物構造体の外周側面であって少なくとも地盤に埋設されている面に直接または間接に第三断熱層が設けられていることを特徴とする上記(1)から(3)のいずれかに記載の冷蔵施設および冷凍施設の少なくとも一方を備える建造物の床下構造、
を要旨とするものである。
本発明の冷凍施設および冷蔵施設の少なくとも一方を備える建造物の床下構造は、床材と建造物基礎との間に第一断熱層を備え、且つ、建造物基礎を含む建造物構造体の下面と地盤との間に第二断熱層を備えることにより、二重の断熱層構造が採用されるため、冷蔵施設あるいは冷凍施設と地盤とにおける熱伝導が効果的に断熱される。さらに、第一断熱層と第二断熱層との間には空気層が設けられるため、冷蔵施設あるいは冷凍施設から伝達される冷熱による地盤の冷却の程度を低減することができる。この結果、建造物下における地盤が凍結し、凍上現象が発生することを防止することができる。
また、本発明における空気層は、外気との空気の入れ替えが実質的に行われない空気層であり、内部の空気は、第一断熱層を介して冷凍施設あるいは冷蔵施設から伝導する冷熱により、冷却された状態が維持可能である。その結果、冷凍施設あるいは冷蔵施設内と空気層との温度勾配を小さくすることができ、冷凍施設あるいは冷蔵施設において従来問題であった熱損失を小さくすることができる。
本発明の一実施態様における部分概略断面図である。 建造物基礎としてベタ基礎が採用される場合の本発明の一実施態様の断面概略図である。 建造物基礎として杭基礎が採用される場合の本発明の一実施態様の断面概略図である。 従来の冷蔵施設および冷蔵施設の少なくとも一方を備える建造物の床下構造を説明するための部分概略断面図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。尚、以下に示す図面は、図示容易化および理解のし易さのために便宜上、適宜縮尺、縦横の寸法比率等を、実際の数値に対し変更して示す場合がある。
[実施態様1]
まず、図4に示す従来の冷蔵施設および冷蔵施設の少なくとも一方を備える建造物の床下構造(以下、単に「従来の床下構造」ともいう)を説明するための部分概略断面図を示し、次いで、本発明の冷蔵施設および冷蔵施設の少なくとも一方を備える建造物の床下構造(以下、単に「本発明の床下構造」ともいう)の一実施態様における部分概略断面図を図1に示して、本発明を説明する。
図4に示す従来の床下構造101は、ベタ基礎である土間コンクリート108上に続く床材102を備えて構成されている。床材102の上には、図示省略される冷蔵施設および冷凍施設の少なくとも一方を備える建造物が存在してよい。
床材102と土間コンクリート108との間であって、床材102の下面に接して、断熱材103が設けられており、床材102上方から伝導する冷気がなるべく下方、即ち地盤に伝導しないように断熱が図られている。ただし、断熱材103のみでは、断熱効果は十分ではなく、そのために、後述するとおり、外気の貫通可能な空気層がさらに設けられる。
即ち、断熱層103の下方には、均しモルタル104を介して方塊状の複数のコンクリートブロック105が配列されている。コンクリートブロック105内部には空洞が形成されており、当該空洞が空気層106をなしている。隣り合う空洞、即ち、隣り合う空気層106は、貫通孔107により貫通されており、屋外より取り込んだ外気がこの空気層106および貫通孔107をとおって貫通し、さらに、貫通した空気が屋外に放出されるよう構成されている。このように、空気層106の空気が、外気と入れ替え可能となる構成が採用される。この結果、床下構造101上方に存在する冷凍施設あるいは冷蔵施設からの冷気により空気層106内の空気が冷却された場合でも、冷却された空気と、冷凍施設内あるいは冷蔵施設内よりも温度が高く、地盤を凍結させない温度である外気とが入れ替えられることによって、空気層106の温度を、上部に存在する冷凍施設等から伝導する冷熱により冷却された空気に比べて十分に高い温度に保持することが可能である。そのため、床下構造101下方の地盤が凍結して凍上現象が発生することを防止することができるのである。このように空気層106において外気を貫通可能とすることにより外気と空気層106内の空気を入れ替えることは、凍上現象の発生を防止する上では、重要な役割を有している。尚、従来の床下構造における空気層としては、上述するコンクリートブロックの空洞以外にも、例えば、コンクリート枠体により形成される空間や、複数のコンクリート束を形成し、その上にコンクリート板を設け、該コンクリート束と該コンクリート板によって形成される空間であって、屋外より取り込んだ外気が貫通可能な孔を有しているものも含まれる。
しかしながら本発明者の検討により、上記従来の空気層106は、床下構造101上方に設けられる冷凍施設あるいは冷蔵施設において熱損失を発生せしめ、施設のエネルギー効率を下げるという負の影響をももたらすことを見出した。
例えば、建造物に備わる冷凍施設内の温度を−55℃に設定し、地表面から深度3m地点の地盤温度が16.75℃である環境において、床下構造101の各構成の厚みおよび熱伝導率を表1に示す条件とした場合に、本発明者のシミュレーションによれば、符号110で示す温度計算位置Aでは−54.12℃であり、符号111で示す温度計算位置Bでは、+1.51℃となる。これは、空気層106の存在により地盤付近においては0℃以上の温度が示され、凍上現象を充分に防止することができる反面、−55℃という設定温度の冷凍施設に対し熱損失を与えるに充分な高温であり、これを補い−55℃に室温を維持するためには、熱損失を補填する熱エネルギーを要する。
次に図1にて本願発明の一実施態様である床下構造を説明する。
図1に示す本願発明の床下構造1は、ベタ基礎である土間コンクリート7上に続く床材2を備えて構成されている。床材2の上には、図示省略される冷蔵施設および冷凍施設の少なくとも一方を備える建造物が存在してよい。尚、図1においては、土間コンクリート7を採用する例を示したが、本発明における基礎構造あるいは基礎構造間において、土間コンクリートに替わってスラブコンクリートなどの床面構造が採用されてもよい。
床材2と土間コンクリート7との間であって、床材2の下面に接して第一断熱層3が設けられており、第一断熱層3と土間コンクリート7との間には、方塊状のコンクリートブロック5が複数配列されている。コンクリートブロック5の内部には複数の空洞が形成されており、この空洞により空気層6が形成されている。空気層6は、屋外外気との貫通を貫通させるための貫通孔を有していないという特徴を有する。
尚、土間コンクリート7上に形成される均しモルタル4は、本願発明における必須の構成ではないが、空気層6を形成するコンクリートブロック5上において、第一断熱層3を設置する設置面を平坦化する他、床材と断熱材を支持する趣旨等で、このような均しモルタル4を設けてもよい。
土間コンクリート7の下面と地盤との間であって、土間コンクリート7の下面に接して第二断熱層8が形成されている。第二断熱層8の下面は、直接に地盤と接していても良いが、水はけなどを良くするために、地盤上に砕石層10を形成し、その上に調整砂を敷き詰めた調整砂層9を形成した上で、第二断熱層8を設置することができる。以下に床下構造1の各構成についてさらに詳細に説明する。
(建造物)
本願発明は、冷凍施設および冷蔵施設の少なくとも一方を備える建造物の床下構造であることが予定される。冷凍施設あるいは冷蔵施設は、冷凍品や冷蔵品を貯蔵する倉庫、冷凍品や冷蔵品の製造、調理、仕分け、荷捌き等を行う作業室を含み、使用の目的によらず、冷凍または冷蔵するための施設をいう。冷凍施設あるいは冷蔵施設内の温度は特に限定されないが、凍上現象の発生の虞がある−20℃〜−55℃程度の温度の施設を有する建造物の床下構造として、本発明は好適であり、凍上現象の発生を防止するとともに、冷凍施設あるいは冷蔵施設の熱損失を従来に比べて大きく低減することが可能である。
(建造物基礎)
本発明における建造物基礎は、上述する建造物の基礎構造として選択され得るいずれの基礎構造であってもよい。一般的な分類では、ベタ基礎、杭基礎、あるいは布基礎等が汎用されるが、これらに限定されず、建造物の規模や地盤に適した任意の基礎構造であってよい。また、冷凍施設あるいは冷蔵施設の特殊性に応じて変形された基礎構造であってもよい。例えば、冷凍施設あるいは冷蔵施設において荷物の収納などのために多段棚を設置する際には、棚を支える支柱の根元が埋めこまれた基礎スラブなどであってもよい。
尚、従来の床下構造において、多段棚の支柱の根本が埋め込まれた基礎スラブは、埋め込まれた支柱からも冷熱が伝導し、建造物基礎を冷却し、ひいてはその下方に存在する地盤を冷却する虞があったことから、埋め込まれた支柱の周囲を断熱材で覆うといった構成が採用されていた。しかし、本発明の床下構造では、冷凍施設あるいは冷蔵施設と地盤とが十分に断熱されているため、基礎スラブに多段棚の支柱の根本を埋め込んだ場合であっても、支柱の周囲を断熱材で覆わずに凍上現象の発生を防止可能である。もちろん、本発明において、上記支柱の周囲を断熱材で覆うことを禁止するものではない。
(床材)
本発明における床材は、後述する第一断熱層と直接または間接に連続する床材であって、例えば、建造物が2階以上であるか地下室を有する建物である場合には、実質的に建造物基礎と最も近い、最下階の床面を構成する床材を指す。例えば、地下室を有しない建造物であれば、1階床面を構成する床材を意味し、地下室を有する建造物である場合には、最も最下階における地下室の床面を構成する床材を意味する。
上記床材は、床面を構成する部材であれば特に限定されず、建造物の設計や使用により適宜選択されるものである。冷凍施設あるいは冷蔵施設における床材としては、土間コンクリートのように、コンクリートを平にうって形成される態様が一般的であるが、これに限定されない。床面を構成する部材が2層以上からなる場合には、それら部材の積層された全体を本発明の床材として理解してよい。
上記床材の厚みについても特に限定されるものではない。冷凍施設あるいは冷蔵施設に収容される物品の荷重に対する充分な強度、床下構造における熱伝導性、材質などを勘案し、適宜決定してよい。例えば、本発明における床材として土間コンクリートが採用される場合には、例えば100mm〜200mm程度に設計される場合が一般的であるが、この下限または上限を超えた厚みとすることを除外するものではない。
(第一断熱層)
本発明における第一断熱層は、上記床材と建造物の基礎構造との間に位置する、断熱作用を発揮する層である。第一断熱層は、連続的であっても、断続的であってもよいが、効率的な断熱作用を発揮させるためには、床材の下面においてその他の建造物の構成を避けた上、連続的に設けることが望ましい。また、建造物において、少なくとも冷蔵施設あるいは冷凍施設が設けられた床面下方においては、第一断熱層が連続的に設けられることが望ましい。
第一断熱層は、冷凍施設あるいは冷蔵施設における冷気と、床材より下の構成およびその下に位置する地盤とを断熱するために重要な構成の1つである。第一断熱層において、効果的に、冷凍施設あるいは冷蔵施設から下方への冷熱の熱伝導を断熱するためには、熱伝導率を0.023〜0.04W/mK程度にすることが好ましいが、当該範囲を外れた場合であっても、その他の構成、例えば後述する第二断熱層の熱伝導率により総合的に、冷凍施設あるいは冷蔵施設と地盤との断熱が図られればよい。
第一断熱層を構成する部材は、断熱作用を発揮可能な部材と知られるものであれば適宜選択することができる。中でも、発泡系断熱材は、断熱性、耐久性やコスト等の観点から床下構造に用いられる断熱部材として優れている。第一断熱層の構成部材として、より具体的には、発泡ポリスチレン、ウレタン、発泡ポリプロピレンなどが好ましく、中でもビーズ発泡ポリスチレンが圧縮クリープ性能に優れているという理由から好ましく選択される。
本発明における第一断熱層として選択される発泡樹脂板材は、好ましくは、熱抵抗値が、5〜25m・K/Wであり、より好ましくは、10〜15m・K/Wである。発泡樹脂板の熱抵抗値は、発泡樹脂板の厚みを熱伝導率で除した値に相当する。
上記熱抵抗値の数値範囲は、本発明の第一断熱層である発泡樹脂材を限定するものではないが、かかる数値範囲内における熱抵抗値を示す発泡樹脂材を第一断熱層とすることにより、該発泡樹脂材おいて充分な断熱効果を発揮させることができ、冷凍施設あるいは冷蔵施設からの冷熱の下方への伝達を有意に小さくすることができる。
第一断熱層の厚みは、特に限定されず、選択される構成部材の種類や熱伝導率、あるいは、床下構造が採用される自然環境、冷凍施設あるいは冷蔵施設の予定される設定温度などの種々の要素を勘案して、決定してよい。
(第二断熱層)
本発明における第二断熱層は、建造物基礎を含む建造物構造下面における面構造と地盤との間に備えられる断熱層である。
ここで本発明において面構造とは、建造物の荷重を面で受けて荷重分散可能な面構造(以下、「面構造1」ともいう)、または建造物基礎に含まれて建造物の内部を外界から遮蔽するための面構造(以下、「面構造2」ともいう)、あるいは、建造物基礎と一体化されて建造物の内部を外界から遮蔽するための面構造(以下、「面構造3」ともいう)あればよい。上記面構造1としては、ベタ基礎自体、パイルドラフト工法基礎や杭基礎における基礎スラブ、任意の基礎の底部におけるフーチングなどが含まれるがこれに限定されない。また、上記面構造2としては、一般的な杭基礎における基礎スラブなどが含まれるがこれに限定されない。また上記面構造3としては、任意の基礎構造に一体化して設けられる土間コンクリートなどが含まれるがこれに限定されない。
本発明の建造物基礎は、上述のとおり、ベタ基礎や、基礎スラブと杭体とを備える杭基礎など種々の基礎構造であってよい。したがって、例えば、ベタ基礎が採用される場合であって当該ベタ基礎が、一般的なベタ基礎、即ち、柱脚を適当な位置において縦横に連続した地中梁と、それに囲まれた基礎スラブとから構成される場合には、該基礎スラブが面構造と理解され、該基礎スラブと地盤との間に第二断熱層が設けられる。また、基礎スラブと杭体とを備える杭基礎が採用される場合、該基礎スラブが面構造と理解されるため、杭体部分を除いた領域であって上記基礎スラブ下面と地盤との間に、第二断熱層が設けられる。
本発明の床下構造は、従来の床下構造のように一つの断熱層ではなく、後述する空気層を間において、二層の断熱層を備えることにより、非常に優れた断熱効果を発揮する。特に、第二断熱層は、地盤、あるいは地盤上に設けられた砕石層などと、建造物構造体が直接に地盤と接することが防止されるため、断熱効果が大きい。より詳しく説明すれば、一般的に、地盤の温度は、地表より10m以上深い地点では、一年を通じて温度が安定する傾向にあるが、地表付近の地盤温度は、外気温に左右されて、大きく変動する傾向にある。この地盤温度の変動は、建造物下においても同様の傾向にある。したがって、特に冬季は、外気温に左右されて冷凍施設あるいは冷蔵施設を備える建造物下の地盤温度の低下が著しく、上方から伝導する冷気と相俟って凍上現象が生じ易かった。これに対し、本出願人は、建造物構造体と地盤との間に断熱層を設けることによって、建造物に備わる冷凍施設あるいは冷蔵施設からの冷熱の伝導を地盤に対し防止あるいは低減させることができるだけでなく、建造物構造体の下方における表層地盤が外気温から影響を受け難くすることができるという優れた効果をも発揮することを見出した。しかして、本発明において、上述する第一断熱層および空気層とともに、第二断熱層を設け、これによって、従来の課題である凍上現象の防止を図り、しかも、冷蔵施設あるいは冷蔵施設の熱損失を低減することを可能とした。
断熱効果をより充分に発揮させるためには、特に、建造物基礎下面を構成する面構造略全面あるいは、建造物基礎間における建造物下面を構成する面構造略全面に直接または間接に接して第二断熱層が設けられていることが望ましい。一つの床下構造において、建造物基礎下面を構成する面構造および建造物基礎間における建造物下面を構成する面構造のいずれをも備える場合には、いずれかの面構造、あるいは全ての面構造の略全面に直接または間接に接して第二断熱層が設けられていることが望ましい。
第二断熱層に関する熱伝導率、構成部材および厚みについては、上述する第一断熱層の説明が適用されるため、ここではその説明を割愛する。ただし、第一断熱層および第二断熱層の熱伝導率、構成部材および厚みは、いずれも同じであってもよいし、これらのいずれかあるいは全てが異なった値、あるいは部材を選択されてもよい。第一断熱層および第二断熱層の設計は、建造物に備わる冷蔵施設あるいは冷凍施設の構造、所望の設定温度、床下構造が建築される地域の環境など種々の事項を勘案して決定してよい。
(空気層)
本発明における空気層は、第一断熱層と第二断熱層との間に設けられる、空気の充填された閉空間であり、該閉空間内の空気と屋外外気との入れ替えが実質的に行われない空気層である。即ち、本発明の空気層は、従来の床下構造における空気層のように、屋外外気を貫通させるための貫通孔を有しない。
本発明者は上述する床下構造101に示される従来の課題を鋭意検討した結果、空気層における外気との空気の入れ替えを行わず、屋外外気を貫通させるための貫通孔を有しない空気層を床下構造内に設けることにより、従来の空気層を有する床下構造に比べ、空気層内の温度により冷凍施設あるいは冷蔵施設の熱損失を著しく低減することが可能であることを見出した。
上記貫通孔を有しない本発明の空気層は、完全に密閉された空気層および、外気との換気は行わないが空気の出入りが可能な程度の閉空間である空気層のいずれも含む。また、空気層は、その大きさや、空気層を形成するための構成について特に制限されない。たとえば、図1に示すように内部に空洞を有する、方塊状且つ定型のコンクリートブロックを配列し、当該空洞を空気層としてもよいし、あるいは、コンクリートなどで枠体を形成し、枠体に囲まれる閉空間を空気層としてもよく、また、複数のコンクリート束を空気層が設けられる面に形成し、該コンクリート束上にコンクリート板を設置して、該コンクリート束と該コンクリート板との間に形成される空間を空気層としてもよい。さらには、後述するように、建造物の下方に設けられる、所謂、地下ピット呼ばれる地下空間を本発明における空気層と理解することもできる。もちろん、これらは、貫通孔を有さず、内部の空気と屋外外気との入れ替えが行われないことが前提である。また、本発明の空気層は、一層であってもよいし、2層以上であってもよい。たとえば、図1に示す本発明の床下構造であって、空気層6と第二断熱層8との間に、地下ピットを形成し、これを2つめの空気層とすることもできる。
尚、上述のとおり本発明における空気層を設けるためのコンクリートブロックやコンクリート枠体に、空気層上に設けられる床材、断熱材、さらには床材上に載置が見込まれる荷物等の荷重を支持する強度を持たせるよう設計することにより、本発明の床下構造の強度を向上することができるので好ましい。
本願発明における空気層は、従来の床下構造の設置における「外気と空気層内の空気とを入れ替えることによって空気層内の温度を上昇させる」という技術的思想とは全く反対の技術思想に基づく構成である。本発明における空気層は、内部の空気が上方に存在する冷凍施設等から伝導する冷気により冷却され、その冷却された内部空気である冷気を保持可能な空気層とするものである。このように冷気保持可能な空気層とすることにより、従来の空気層のように空気層内の温度が上方へ熱伝導し、冷凍施設あるいは冷蔵施設において熱損失を与えるという虞がなく、あるいは熱損失を低減することを可能とする。
しかも本発明の床下構造は、空気層を介して、第一断熱層および第二断熱層を有する。かかる構成により、床下構造下における地盤の凍上現象の発生を防止するとともに、冷凍施設あるいは冷蔵施設の熱損失の防止が実現される。
即ち、第一断熱層は上述のとおり、床材下にあるために、直接的に冷凍施設あるいは冷蔵施設からの冷気が下方向に伝導することを妨げるための構成である。また、第二断熱層は、建造物と地盤とを直接的に断熱するため、凍上現象の発生防止に非常に有効である。そして本発明における空気層は、上述のとおり、外気との空気の入れ替えが行われないため、空気層内の空気の温度は、外気により換気された場合に比べて、非常に低い。しかしながら、当該空気層があることで、第一断熱層を介して上方から伝導する冷熱を有意に低減することができるのである。これは、空気層が貫通孔を有しないため、内部の空気がほぼ静止した状態となり、空気により熱伝導率が0.01〜0.03W/mK程度に示されることによる。したがって、本発明における空気層は、内部を従来の空気層により低温に維持することによって、冷凍施設あるいは冷蔵施設の熱損失を防止するだけではなく、上方から伝導する冷気の熱伝導を低減し、しかして凍上現象の発生防止にも大きく寄与するのである。
上述にて図4を用いて示すシミュレーションと同様のシミュレーションを図1においても示す。即ち、冷凍施設内の温度−55℃に設定し、地表面から深度3m地点の地盤温度が16.75℃である環境において、床下構造1の各構成の厚みおよび熱伝導率を表1に示す条件とした場合に、本発明者のシミュレーションによれば、符号11で示す温度計算位置Aでは−54.58℃であり、符号12で示す温度計算位置Bでは、−28.23℃となる。これは、空気層6内の空気が外気と入れ替えられないため、低温となっていることを示す。上記温度計算位置Bにて示される温度であれば、設定温度が−55℃である冷凍施設に対し、大きく熱損失を与える虞がない。
さらに、符号13で示される温度計算位置Cでは、+11.5℃となる。この結果から、第二断熱層の設置により、非常に優れた断熱作用が発揮され、空気層内の空気を外気と入れ替えることなく、充分に凍上現象の発生を防止することができることが理解される。
尚、図1および図4に関する上記シミュレーションは、宇田川光弘著「パソコンによる空気調和計算法」の参照および有限要素法解析ソフトウェアの利用により実施した。
[実施態様2]
基礎構造として直接基礎であるベタ基礎が採用される本発明の床下構造の一実施態様を示す概略断面図を図2に示す。
尚、本発明において選択されるベタ基礎は、建造物の基礎構造として知られるベタ基礎として理解される基礎構造であれば、適宜選択して実施することができる。たとえば、建造物の下面略全面に相当する面積を含む地盤を必要量だけ掘り、そこに鉄筋を配筋しコンクリートを流し込んで作られる基礎スラブを有し、鉄筋コンクリート面全面で建造物の荷重を分散し支持する構造を主体とするものが一般的である。ベタ基礎は、ベタ基礎の主体である基礎スラブが面構造と理解することができる。
図2に示す本発明の床下構造21は、基礎スラブ22と梁23とを備えるベタ基礎(直接基礎)24、および、これに続く、床材28を含む。床下構造21の上方には、図示省略する冷凍施設あるいは冷蔵施設などがあってよい。床下構造21は、床材28の下面に接して第一断熱層29が設けられ、均しモルタル30を介して、複数の閉空間が水平方向に配列されてなる第一空気層31が設けられている。第一空気層31は、内部に複数の閉空間を備えるコンクリート枠体32から形成されており、屋外外気が貫通される孔を有していない。第一空気層31の下側には、コンクリートスラブ25が略全面に存在し、床材28側からの荷重の支持を担うとともに、基礎スラブ22と梁23とにより、地下ピット26を形成している。地下ピット26は、最下階の床下であって、用途は特に限定されず、例えば配管や配線などが収納される空間として使用されてよい。地下ピット26は、第一断熱層29と、後述する第二断熱層35との間に位置し、屋外外気を貫通させるための貫通孔を有しない閉空間であって、本発明における空気層としても機能する。したがって、地下ピット26を第二空気層33と理解することができる。
このように本発明における空気層は、一層である必要はなく、二層以上であってもよい。また、空気層としての機能以外の用途と兼用される閉空間であっても、第一断熱層および第二断熱層間に位置し、屋外外気を貫通させるための貫通孔を有しない空間であれば、本発明における空気層と理解することができる。即ち、そのような閉空間であれば、冷凍施設あるいは冷蔵施設からの冷気により内部の空気は冷気保持可能であり、したがって、冷凍施設あるいは冷蔵施設に対し熱損失を十分に従来よりも低減することができる。
また、本発明における空気層は、外気との空気の入れ替えを行なわず、内部の空気が静止し、あるいは静止に近い状態にあるため、熱伝導率が低く、優れた断熱効果をも発揮する。したがってこの観点から、空気層を二層以上に設けることは、凍上現象の発生を防止するために効果的である。
地下ピット26の底面を構成する基礎スラブ22の下面には、均しモルタル34を介して第二断熱層35が設けられる。第二断熱層35の下面側には、任意で、水はけなどを良好とするために調整砂層36、砕石層37が設けられてよい。
床下構造21における第二断熱層35は、ベタ基礎24を構成する面構造である基礎スラブ22下面略全面に均しモルタル34を介して設けられている。本発明における第二断熱層は、建造物基礎を含む建造物構造下面における面構造と地盤との間において、連続的に、または断続的に設けられて良い。ただし、建造物基礎において構造上、下方に凸となる部分を除いて、建造物基礎下面を構成する面構造略全面に第二断熱層が設けられることによって、地盤と、基礎を含む建造物との断熱が非常に効率的に果たされるため、望ましい。以上のとおりに、ベタ基礎が採用される、床下構造21の主たる構成が完成される。
また図示省略するが、本発明における第二断熱層は、建造物基礎間における建造物下面を構成する面と地盤との間に設けられてもよく、かかる場合においても、建造物基礎間における建造物下面を構成する面構造略全面に直接または間接に接して第二断熱層が設けられていることが、エネルギー効率の観点で好ましい。
また床下構造21には、さらなる任意の構成として、梁23の外側側面に沿って第三断熱層38が設けられている。第三断熱層38は、梁23の延長上であって、建造物壁面の一部まで伸長しているが、少なくとも梁23の地盤に埋設されている外側側面に設けられることが望ましい。このように、基礎構造を含む建造物構造体の外周側面であって少なくとも地盤に埋設されている面に直接または間接に第三断熱層が設けられることによって、外側側面からの冷熱の放出を防止し、凍上現象の発生を防止するとともに、冷熱の放出による熱損失をも低減することができるため望ましい。
本発明における第三断熱層は、上述する第一断熱層、第二断熱層と同様の材料で形成することができるが、1つの床下構造において、必ずしも、第一断熱層あるいは第二断熱層と同一の材料で形成されなくてもよい。第三断熱層の厚みは、第三断熱層の構成部材や、床下構造の実施環境、地下室あるいは地下ピットの有無、冷凍施設あるいは冷蔵施設の予定される設定温度などを勘案して適宜設定してよいが、例えば第三断熱層を発泡樹脂板で構成する場合には、100mm〜300mm程度で、有意な断熱効果が示されうる。
また、第三断熱層38の外側面に、排水板39を設置してもよい。排水板39を設置することにより、第三断熱層の周囲の水はけを良くし、地盤の状態を良好に維持することができる。排水板39は、降雨などにより地盤に浸透した水分を速やかに下方に流す作用を発揮するものであればよく、例えば、発泡樹脂板の内部あるいは側面に水が流通可能な孔や溝が設けられたものや、発泡樹脂ビーズの一部を互いに熱融着させてビーズ間に空隙を設けた状態で板状とし、発泡樹脂ビーズ間において流通可能な構成としてものなどが挙げられるが、これに限定されない。
[実施態様3]
次に、基礎構造として杭基礎が採用される本発明の床下構造の一実施態様を示す概略断面図を図3に示す。
尚、本発明において選択される杭基礎は、建造物の基礎構造として知られる杭基礎として理解される基礎構造であって、少なくとも杭体と、基礎スラブを備える杭基礎であれば、適宜選択して実施することができる。杭基礎においては、基礎スラブが本発明における面構造と理解される。より詳細に述べれば、建造物の下面に位置する地盤において、適宜決定された位置に、杭体を埋設し、且つ、地盤の表層を必要だけ掘り下げ、上記杭体と直接または間接に結合される基礎スラブが構築される杭基礎構造であればよい。
図3に示す床下構造は、杭体41および杭頭42と基礎スラブ43とを備える杭基礎、基礎スラブ43と梁44と床コンクリートスラブ45とによって囲まれる閉空間である地下ピット46、床材47を備える。そして床材47と床コンクリートスラブ45との間には第一断熱層48を備え、基礎スラブ43の下面であって杭体41および杭頭42を避けた略全面に第二断熱層50が備えられている。第一断熱層48と第二断熱層50との間に位置する地下ピット46は、屋外外気との空気の入れ替えを可能とする孔を有さず、空気層49として理解することができる。このように、地下ピットを備える本発明の床下構造は、該地下ピットが外気の貫通孔を有しない構造であれば、これを唯一の空気層としてもよい。
図3に示す床下構造は、多層階を有する建造物51に設けられている。かかる建造物51は、少なくともいずれかの階に冷凍施設あるいは冷蔵施設を備えればよいが、特に、建造物51の最下層である一階部屋52が冷凍施設あるいは冷蔵施設となる場合に、地盤に対する冷熱の伝導の影響が大きく、したがって本発明を採用することにより得られる実質的な効果が大きい。
また、図3において、第二断熱層50は、杭頭42の露出面略全面を覆って設けられている。本発明は、他の態様として、杭頭42の厚み以下の厚みを有する第二断熱層であって、杭頭42の下面は覆わずに設けられる第二断熱層も含む。ただし、図3に示す第二断熱層50のように、杭頭の露出面略全面に設けられる態様では、該杭頭と地盤との熱伝導が有意に妨げられるので、本発明の課題である凍上現象の防止に対し、より優れた効果を発揮する。
図3に示す床下構造では、さらに、第三断熱層53が設けられている。第3断熱層53は、杭基礎の最も外側に設けられる杭頭42の側面側から、空気層49である地下ピット46の側面を覆って設けられている。即ち、杭基礎構造を含む床下構造と建造物51とを含む建造物構造体の外周側面であって、地盤に埋設されている面に第三断熱層53が設けられている。さらに第三断熱層53は上方に伸長し、床材47と略同一面となる高さまで設けられている。本発明において任意で第三断熱層53を設ける場合は、少なくとも、杭基礎構造を含む床下構造と建造物51とを含む建造物構造体の外周側面であって、少なくとも地盤に埋設されている面を覆って設けられるが、さらに地盤上に現れる本発明の床下構造の側面まで覆うことにより、本発明における床下構造の熱効率をより向上させることが可能である。
また、第三断熱層53は、さらに上方に延長し、壁面断熱層54に連続していてもよい。壁面断熱層54は、建造物51の屋外に露出する壁面を覆う断熱層であって、一般的には壁面断熱層54のさらに外側に、建造物51の外壁面が設けられる(尚、図3において外壁面は図示省略する)。
尚、地下室を有する建造物であって、冷凍施設あるいは冷蔵施設を備える建造物の床下構造としても、本発明の床下構造は適用される。かかる場合には、地下室の最下階の床が、本発明における床材となり、床材下方の構成については、上述する本発明の態様と同様とすることができる。
1 本発明の床下構造
2 床材
3 第一断熱層
4 均しモルタル
5 コンクリートブロック
6 空気層
7 土間コンクリート
8 第二断熱層
9 調整砂層
10 砕石層
11 温度計算位置A
12 温度計算位置B
13 温度計算位置C
21 本発明の床下構造
22 基礎スラブ
23 梁
24 ベタ基礎
25 コンクリートスラブ
26 地下ピット
28 床材
29 第一断熱層
30 均しモルタル
31 第一空気層
32 コンクリート枠体
33 第二空気層
34 均しモルタル
35 第二断熱層
36 調整砂層
37 砕石層
38 第三断熱層
39 排水板
41 杭体
42 杭頭
43 基礎スラブ
44 梁
45 床コンクリートスラブ
46 地下ピット
47 床材
48 第一断熱層
49 空気層
50 第二断熱層
51 建造物
52 一階部屋
53 第三断熱層
54 壁面断熱層
101 従来の床下構造
102 床材
103 断熱材
104 均しモルタル
105 コンクリートブロック
106 空気層
107 貫通孔
108 土間コンクリート
109 砕石層
110 温度計算位置A
111 温度計算位置B

Claims (4)

  1. 冷蔵施設および冷凍施設の少なくとも一方を備える建造物の床下構造において、
    建造物基礎と、これに続く床材とを備え、
    上記床材と建造物基礎との間に第一断熱層を備え、
    建造物基礎を含む建造物構造下面における面構造と、地盤との間に第二断熱層を備え、
    第一断熱層と第二断熱層との間に屋外外気を貫通させるための貫通孔を有しない空気層を備えることを特徴とする冷蔵施設および冷凍施設の少なくとも一方を備える建造物の床下構造。
  2. 冷蔵施設および冷凍施設の少なくとも一方を備える建造物の床下構造において、
    床材と、建造物基礎との間に第一断熱層を備え、
    建造物基礎と、これに続く床材とを備え、
    建造物基礎を含む建造物構造下面における面構造と、地盤との間に第二断熱層を備え、
    第一断熱層と第二断熱層との間に冷気保持可能な空気層を備えることを特徴とする冷蔵施設および冷凍施設の少なくとも一方を備える建造物の床下構造。
  3. 建造物基礎下面を構成する面構造略全面および建造物基礎間における建造物下面を構成する面構造略全面の少なくとも一方に直接または間接に接して第二断熱層が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の冷蔵施設および冷凍施設の少なくとも一方を備える建造物の床下構造。
  4. 基礎構造を含む建造物構造体の外周側面であって少なくとも地盤に埋設されている面に直接または間接に第三断熱層が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の冷蔵施設および冷凍施設の少なくとも一方を備える建造物の床下構造。
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