JP4952759B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
請求項2に記載された定着装置によれば、支持材を介して押当て体を回転体に向かって押し当てない場合に比べて、簡素な構成であっても記録媒体に対する圧力分布のばらつきを抑制することができる。
請求項3に記載された定着装置によれば、押当て機構から受ける力が支持材を介して押当て体に伝達されるので、無端ベルトが回転しても位置精度を保つことができる。
請求項4に記載された定着装置によれば、支持材が折り曲げられていない場合に比べて、その支持材の強度が増して記録媒体に対する圧力分布のばらつきが更に抑制される。
請求項5に記載された定着装置によれば、無端ベルトの回転方向下流側の領域を回転体に向かって押し当ててない場合に比べて、支持材が記録媒体の搬送方向下流側にずれて湾曲するように撓むことが抑制される。
請求項6に記載された定着装置によれば、支持材が鋼板で長辺部が裁断加工されて形成されていない場合に比べて、支持材の撓み変形が発生しにくく、記録媒体に対する圧力分布のばらつきを抑制することができる。
請求項7に記載された画像形成装置によれば、板状の支持材を介して押当て体を回転体に向かって押し当てない場合に比べて、記録媒体に対する圧力分布のばらつきを抑制することができる。
(1)第1実施形態
図1は、第1実施形態に係る画像形成装置1の要部の構造を示す図である。
画像形成装置1は、図示していない筐体の内部に、画像情報に応じたトナー像を形成して用紙等の記録媒体9に転写する作像装置2と、記録媒体9を搬送して作像装置2に供給する給紙装置3と、作像装置2によって転写されたトナー像を記録媒体9に定着させる定着装置4とを備えている。図1中の矢印付き一点鎖線は、記録媒体9の主な搬送経路を示している。
まず、作像装置2において、感光ドラム12が回転し始め、その回転する感光ドラム12の表面が帯電装置13により予め決められた帯電電位に帯電させられる。次に、帯電した感光ドラム12の表面に露光装置14から画像情報に応じた光が照射されて静電潜像が形成される。続いて、その静電潜像が感光ドラム12の回転に伴って移動して現像装置15を通過する際に、その潜像部分に現像装置15の現像ロール15aから供給されるトナーが静電的に付着することで現像され、トナー像が形成される。この後、感光ドラム12上のトナー像が、転写装置16と対向する転写位置において、給紙装置3から搬送されてくる記録媒体9に転写される。トナー像の転写が終了した後の感光ドラム12は、清掃装置17によって清掃される。次いで、作像装置2において未定着のトナー像が形成された記録媒体9は、定着装置4に搬送され、加熱回転体5と加圧回転体6との圧接部NPに至る。定着装置4では、記録媒体9が圧接部NPにおいて加熱回転体5及び加圧回転体6に挟まれた状態で搬送され、その際に未定着のトナー像が加熱及び加圧されて記録媒体9に定着させられる。記録媒体9は、排出口ール39により定着装置4から排出された後に、図示しない排出収容部に送られる。
図2は、第1の実施形態に係る定着装置の斜視図である。
加熱回転体5は、加熱ロール51と、加熱ロール51をその両端部において回転自在に支持する加熱支持フレーム53とを備えている。加熱ロール51は、記録媒体9の搬送方向に交差する方向の幅より大きい寸法の長さを有する金属製の円筒基材の表面に、弾性層と離型層が形成されたものである。加熱ロール51は、その両端部がベアリング式の軸受け54を介して加熱支持フレーム53に回転自在に支持されている。加熱支持フレーム53は、その取付け両部59が、定着装置4の筐体41(図1)にねじ止め等により固定された状態で取り付けられる。
加熱ロール51の一方の端部には、ギア55が取り付けられている。このギア55に画像形成装置1に内蔵されたモータなどの駆動源からの回転動力が伝達されると、加熱ロール51は図4の矢印で示す方向に回転する。
加熱回転体5は、加熱ロール51と、加熱ロール51を加熱する熱源52と、加熱ロール51をその両端部において軸受け54を介して回転自在に支持する加熱支持フレーム53とを備えている。熱源52は、例えば加熱ロール51の円筒内部に設置される2本のハロゲンランプで構成されており、その長手方向の両端部が定着装置4の筐体41(図1)に支持されている。加熱ロール51の表面温度は図示しない温度検出器により検出され、その検出情報に基づいて熱源52の発熱量が図示せぬコントローラによって制御される。これにより、加熱ロール51の表面温度が予め決められた温度に保たれる。
前述したように、加圧回転体6は、加熱ロール51の回転軸方向A(図2)に沿う表面部分に接触して回転する無端ベルト61と、無端ベルト61をその内周面側から加熱ロール51の表面部分に押し当てて圧接部NPを形成する押当て体62と、押当て体62を支持する支持材8と、無端ベルト61を回転可能に保持するベルト保持体83とを備えている。無端ベルト61は、加熱ロール51の長さとほぼ同じ寸法の幅を有する円筒状のベルトである。この無端ベルト61としては、ポリイミド等の合成樹脂にて薄肉の円筒状に形成されるベルト基材の表面に、フッ素系樹脂等からなる離型層を形成したものが使用される。押当て体62は、無端ベルト61の幅とほぼ同じ長さを有する細長い形状からなるヘッド部64で構成されている。ヘッド部64は、合成樹脂、金属等で構成される非弾性部材で形成されるものである。ベルト保持体83は、無端ベルト61の両端部を除く内側の内周面に設けられ、無端ベルト61が潰れることを防ぐものである。また、ベルト保持体83には、オイルパッド83cが設けられ、当該オイルパッド83cにて無端ベルト61の内周面にオイルを供給させて摺動性を良好にしている。ベルト保持体83は、側面部83a及び底面部83bが形成された断面ほぼ∪字状の形態からなる合成樹脂製の保持材である。また、無端ベルト61の両端部には、ベルト保持体83の両端部に設けられる不図示のベルトガイド部材が設けられる。このベルトガイド部材によって無端ベルト61は回転方向および回転方向と直行する回転軸方向とをガイドされている。
図6は、支持材8を示す斜視図である。支持材8は、図6に示すように、予め決められた厚さEを有する鋼板が、その長手方向に沿った領域で折り曲げられたものである。厚さEについては、支持材として要求される物理的強度、設置スペース、コスト等の観点から選定されるものであって特に限定されないが、例えば1.0〜2.0mmである。支持材8は、基本的に、押当て体62の長さ(加熱ロール51の回転軸方向の長さ)よりも少し大きい長さを有する長方形の板状に形成されている。鋼板としては、例えば亜鉛メッキ鋼板が使用される。この支持材8は、上長辺部81aと下長辺部81bを有しており、その2つの長辺部のうち少なくとも上長辺部81aについては裁断(せん断)加工(例えばプレス機械によるせん断加工)を施して寸法精度の高い部分として形成している。また、この支持材8は、その両端部81cの上長辺部の一部領域を裁断加工により除去している。このような支持材8で構成される平板状の支持材8は、簡素な板状の形状であるので、高価な二次加工を施すこともなく低コストで良好な寸法精度が容易に得られる。支持材8は、平板の下長辺部81bの一部領域を折り曲げ加工した折り曲げ部85を有する形態にしている。折り曲げは、その折り曲げる下長辺部81bの2箇所に切り欠き部86を形成し、その2つの切り欠き部86に挟まれた下長辺部の領域をほぼ直角に折り曲げることで行っている。このときの折り曲げ加工は、例えばプレス成形機等の装置を用いて行う。このような折り曲げ加工を施すことで、もともとは平板状であった支持材8が長手方向において撓みにくくしている。但し、折り曲げ加工を施す際に、裁断加工された上長辺部81aが歪んでしまうと、寸方精度に悪い方向に影響がでるので、折り曲げ部85の長さは、平板状の支持材8において折り曲げられていない部位の長さよりも短いものとなっている。尚、上長辺部81aと下長辺部81bは、説明の便宜上の都合で、「上」とか「下」といった表現で説明しているが、実施上においては上下左右斜めの何れの方向にあるものであってもよい。
圧接部NPにおける加熱ロール51にかかる圧力分布は、ヘッド部64において圧接部NPの記録媒体搬送方向上流側の領域がおよばす圧力に比べて、その搬送方向下流側の領域がおよばす圧力のほうが大きくなる。
図10は、第2の実施形態に係る定着装置の要部を示す説明図である。
この定着装置4は、ロール形態の回転ロール60と、回転ロール60の回転軸方向に沿う表面部分に接触して回転する無端ベルト91と、無端ベルト91をその内周面側から回転ロール60の当該表面部分に押し当てて庄接部NPを形成するとともに加熱する押当て加熱体95と、押当て加熱体95を支持する支持材8と、支持材8を介して押当て加熱体95を回転ロール60にむけて押し当てる図示しない押当て機構とを備えたものである。
(3−1)変形例1
図6,8に示した支持材8に代えて、図11,12に示した支持材8aを用いてもよい。この支持材8aには、支持材8が有していたような切り欠き部86を有していない。
(3−2)変形例2
図5の構造に代えて、図13に示すような構造の加圧回転体6aを用いてもよい。この加圧回転体6aは、図5に示した無端ベルト61と支持材8とベルト保持体83とを備えているが、押当て体62に代えて、無端ベルト61をその内周面側から加熱ロール51の表面部分に押し当てて圧接部NPを形成する押当て体62aを備えている。この押当て体62aは、無端ベルト61の幅とほぼ同じ長さを有する細長い形状からなるヘッド部64とパッド部65で構成されている。ヘッド部64は、合成樹脂、金属等で構成される非弾性部材で形成されるものである。パッド部65は、ゴム材料等の弾性部材で形成されている。支持材8は、その上長辺部81aを押当て体62a(のヘッド部64の接触面部64c)に加熱ロール51の回転軸方向A(図2)に沿って接触させた状態で設置されている。これにより、支持材8は、押当て体62a(のヘッド部64)をその押当て面部とは反対側の接触面部64cに直接接触した状態で支持する。そして、この支持材8は、前述の押当て機構7で発生する押し当て力Gを受けて、押当て体62aを加熱ロール51にむけて押し当てる。押当て体62aが無端ベルト61を加熱ロール51に押し当てることで、その加熱ロール51と無端ベルト61(押当て体62a)との間に、無端ベルト61が加熱ロール51の表面と予め決められた幅(回転方向の長さ)で接触した定着用の圧接部NPが形成される。このとき圧接部NPは、押当て体62aのヘッド部64及びパッド部65の双方が加熱ロール51の表面に無端ベルト61を介して接触した状態になって形成される。圧接部NPにおける定着は、次のようにして行われる。すなわち、定着対象である記録媒体9が圧接部NPに導入されると、はじめに庄接部NPの記録媒体搬送方向上流側に配置されているパッド部65が、無端ベルト61を介して、その記録媒体9を加熱されて回転する加熱ロール51に押し当て、続いて、圧接部NPの記録媒体搬送方向下流側に配置されているヘッド部64(の接触部64a)が、無端ベルト61を介して、その記録媒体9を上記加熱ロール51に押し当てる。支持材8は、押当て体62aのヘッド部64における接触部64aと対向する部位に接触してヘッド部64を支持する状態に設置される。このときの支持材8は、加熱ロール51の回転中心点Kから押当て体62aのヘッド部64(の接触部64a)が加熱ロール51と接触する領域に伸ばした直線Mの延長線上において、その上長辺部81aがヘッド部64の接触面部64cに接触し、その回転中心点Kにむけて押当て体62aのヘッド部64を加熱ロール51に押し当てて支持するように設置される。支持材8のヘッド部64下への設置により、その支持材8が受ける押当て機構7の押し当て力Gを押当て体62aのヘッド部64に対して直接的に効率よく伝達させることができ、これによって圧接部NPの回転軸方向における圧力分布がより安定したものになる。
支持材8は、耐熱性を有して塑性変形しにくいものであれば、鋼板以外のもので構成してもかまわない。この他、画像形成装置1における作像装置2としては、複数色のトナー像を形成して記録媒体9にそれぞれ転写することができる多色像形成型の作像装置を適用してもよい。作像装置2における転写方式には、中間転写体を用いる公知の中間転写方式などを採用することも可能である。
Claims (7)
- 回転することにより記録媒体を搬送し、当該記録媒体を加熱する回転体と、
前記回転体に接触した状態で回転される無端ベルトと、
前記無端ベルトの内周面側に設けられ、前記回転体に向かって押し当てられる押当て体と、
長手方向を有する支持材であって、当該長手方向に沿って延びる長辺部を有し、当該長辺部を前記押当て体に接触させた状態で当該押当て体を支持する板状の支持材と、
前記支持材を介して前記押当て体を前記回転体に向かって押し当てる押当て機構とを備え、
前記押当て体は、前記回転体と接触する側とは反対側において、当該回転体の長手方向に沿って延びる溝部を有し、
前記支持材は、前記長辺部が前記溝部に挿入され、当該長辺部が当該溝部に接触した状態で前記押当て体を支持し、
前記支持材の前記長辺部の下長辺部と上長辺部とを結ぶ直線上に、前記回転体の回転中心と、前記無端ベルトと前記回転体とが接触する領域とが存在する
ことを特徴とする定着装置。 - 回転することにより記録媒体を搬送する回転体と、
前記回転体に接触した状態で回転される無端ベルトと、
前記無端ベルトの内周面側に設けられて、当該無端ベルトを加熱し、前記回転体に向かって押し当てられる押当て体と、
長手方向を有する支持材であって、当該長手方向に沿って延びる長辺部を有し、当該長辺部を前記押当て体に接触させた状態で当該押当て体を支持する板状の支持材と、
前記支持材を介して前記押当て体を前記回転体に向かって押し当てる押当て機構とを備え、
前記押当て体は、前記回転体と接触する側とは反対側において、当該回転体の長手方向に沿って延びる溝部を有し、
前記支持材は、前記長辺部が前記溝部に挿入され、当該長辺部が当該溝部に接触した状態で前記押当て体を支持し、
前記支持材の前記長辺部の下長辺部と上長辺部とを結ぶ直線上に、前記回転体の回転中心と、前記無端ベルトと前記回転体とが接触する領域とが存在する
ことを特徴とする定着装置。 - 前記押当て機構は、
前記回転体を回転自在に支持する加熱支持フレームに対して揺動可能に設けられ前記支持材を支持する加圧揺動支持フレームと、
前記加圧揺動支持フレームを前記加熱支持フレームに近づける方向に付勢する付勢手段とを有し、
前記加圧揺動支持フレームには前記支持材が嵌められる溝が設けられている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。 - 前記支持材は、その長手方向に沿った領域で折り曲げられている
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の定着装置。 - 前記押当て機構は、前記押当て体において前記無端ベルトと接している領域のうち、前記無端ベルトの回転方向下流側の領域を前記回転体に向かって押し当てる
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着装置。 - 前記支持材が鋼板であり、前記長辺部が裁断加工されて形成されている
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の定着装置。 - 画像を形成して記録媒体に転写する作像装置と、
転写された画像を前記記録媒体に定着する請求項1〜6のいずれか1項に記載の定着装置と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
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