JP4952368B2 - 収音装置 - Google Patents

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Description

本発明は、収音装置に関し、特に音声信号のノイズを低減させる収音装置に関する。
ビデオカメラなどの撮像装置は、被写体の撮像に合わせてその撮像装置の周囲の音源を収音するためにマイクロホンを内蔵することが多い。このマイクロホンはレンズ画角に合った収音を主な目的としているが、近年では周囲全体に対する立体的なサラウンド収音も行われるようになっている。
このような撮像装置には、収音に関する機構以外に、記録媒体であるDVD(Digital Versatile Disc)またはHDD(Hard Disc Drive)などのディスクドライブ機構や、オートフォーカス、パワーズーム、光学手振れ補正などのレンズドライブ機構も搭載されている。また、ユーザが操作する液晶モニターの開閉機構や、各種操作スイッチなども含まれている。これらの機構の動作音は、上述の収音機構に対するノイズとして入射することになり、収音機構からすれば、目的とする音声収音のS/N比(Signal to Noise ratio)を下げる要因になる。これらのノイズは、本来であれば発生側で抑制されるべきであるが、撮像装置の小型化および高機能化により益々難易度が増してきている。
また、これらのノイズは、キャビネットを伝わる振動によるものと空気中を音として伝播する音響ノイズとが同時に発生したものであり、これによりマイクロホンへのノイズ伝達経路は複雑なものとなっている。したがって、従来のように、マイクロホンをキャビネットからゴムダンパー等のインシュレータで浮かせる構造をとることや、ゴムワイヤー等で中空に浮かすような構造をとることで、キャビネットから伝わる振動を吸収しノイズが伝わらないようにするパッシブな方法だけでは十分なノイズ低減効果が得られていなかった。
さらに、このようなノイズは、クリック音に代表されるように、総じて短いタイミング期間、例えば数ミリ秒乃至数百ミリ秒の瞬時に発生する場合が多く、適応フィルタなどのノイズ低減手法では低減処理が間に合わない場合が多かった。
これに対し、人間の聴覚におけるマスキング効果を利用することによりノイズ低減を行う技術が提案されている。例えば、外部からノイズ発生タイミングを検出することにより音声信号を切り替えて、ノイズを低減する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−303681号公報(図1)
上述の従来技術は、人間の聴覚に認識されないように、上述のショックノイズ、タッチノイズ、および、クリックノイズなどを除去するものであり、ノイズ発生期間が特定できる場合には有効であった。
しかしながら、従来技術においては、入力信号にノイズ以外の音が混入している場合や、駆動装置からノイズタイミングが得られない場合には、ノイズ発生期間を特定することができないため、ノイズを除去できないという問題があった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、収音の際に指向性を利用してノイズ発生期間を特定し、ノイズを低減させることを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その第1の側面は、周囲の複数の音声信号を入力する音声入力手段と、上記複数の音声信号に基づいて第1の方向に指向性を有する第1の指向性信号および第2の方向に指向性を有する第2の指向性信号を生成する指向性生成手段と、上記第1の指向性信号からノイズ帯域を除去するノイズ除去手段と、上記第2の指向性信号に含まれるノイズを認識するノイズ認識手段と、上記認識されたノイズの発生期間に応じてノイズ除去期間を示す信号を生成するノイズ除去期間生成手段と、上記ノイズ除去期間であることが示されている場合には上記ノイズ除去手段の出力を選択し、上記ノイズ除去期間であることが示されていない場合には上記第1の指向性信号を選択する選択手段とを具備することを特徴とする収音装置である。これにより、第2の指向性信号に含まれるノイズの発生期間に応じて第1の指向性信号からのノイズ除去の有無を選択させるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記音声入力手段は、複数の双指向性マイクロホンと、1つの無指向性マイクロホンとを備えてもよい。また、上記音声入力手段は、複数の無指向性マイクロホンを備えてもよい。また、上記音声入力手段は、複数の単一指向性マイクロホンと、1つの双指向性マイクロホンとを備えてもよい。これらに基づき、指向性生成手段において第1および第2の指向性信号が生成される。
また、この第1の側面において、所定の方向を示す回転係数を生成する回転係数生成手段をさらに具備し、上記指向性生成手段は、上記回転係数の示す方向が上記第1の方向であれば上記第1の指向性信号を生成し、上記回転係数の示す方向が上記第2の方向であれば上記第2の指向性信号を生成してもよい。これにより、回転係数を基準として第1および第2の指向性信号が生成される。
また、この第1の側面において、上記ノイズ認識手段は、上記ノイズに波形近似した所定期間における平均値がゼロであるウェーブレット信号と上記第2の指向性信号との畳込み演算による出力を評価値として上記ノイズ認識を行うようにしてもよい。これにより、時間領域におけるノイズ認識結果に応じてノイズ除去の有無を選択させるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記ノイズ認識手段は、上記ノイズの周波数スペクトルに近似したパターン信号とフーリエ変換された上記第2の指向性信号との相関性を評価値として上記ノイズ認識を行うようにしてもよい。これにより、周波数領域におけるノイズ認識結果に応じてノイズ除去の有無を選択させるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記ノイズ除去手段は、ノイズ帯域を除去するフィルタにより実現することができる。この場合において、上記ノイズ除去手段は、上記ノイズ認識手段において認識されたノイズの周波数に基づいて上記フィルタの除去帯域および通過帯域を適応的に変化させるようにしてもよい。
また、この第1の側面において、上記選択手段は、クロスフェードスイッチにより実現してもよい。これにより、ノイズ除去の有無を切り替える際に所定の時定数をもってクロスフェードさせるという作用をもたらす。
また、本発明の第2の側面は、周囲の複数の音声信号を入力する音声入力手段と、上記複数の音声信号に基づいて第1の方向に指向性を有する第1の指向性信号および第2の方向に指向性を有する第2の指向性信号を生成する指向性生成手段と、上記第1の指向性信号からノイズ帯域を除去するノイズ除去手段と、上記ノイズ帯域の除去された信号に対する補間を行う信号補間手段と、上記第2の指向性信号に含まれるノイズを認識するノイズ認識手段と、上記認識されたノイズの発生期間に応じてノイズ除去期間を示す信号を生成するノイズ除去期間生成手段と、上記ノイズ除去期間であることが示されている場合には上記信号補間手段の出力を選択し、上記ノイズ除去期間であることが示されていない場合には上記第1の指向性信号を選択する選択手段とを具備することを特徴とする収音装置であってもよい。これにより、第2の指向性信号に含まれるノイズの発生期間に応じて第1の指向性信号からのノイズ除去の有無を選択させるとともに、ノイズ除去された第1の指向性信号を補間して聴感上のマスキング効果を向上させるという作用をもたらす。
また、この第2の側面において、上記信号補間手段は、上記補間のための補間源信号を生成する補間源信号生成手段と、上記補間源信号から上記ノイズ帯域以外を除去する補間外除去手段と、上記第1の指向性信号のレベル包絡線を生成するレベル包絡線生成手段と、上記レベル包絡線に基づいて上記補間のためのレベル係数を生成するレベル係数生成手段と、上記レベル係数に基づいて上記補間外除去手段の出力を変調するレベル変調手段と、上記ノイズ除去手段の出力と上記レベル変調手段の出力とを合成して上記選択手段に出力する合成手段とを具備してもよい。この場合において、上記レベル変調手段は、さらに人間の聴覚上でマスキングされるレベルに基づいて上記補間外除去手段の出力を変調するようにしてもよい。また、上記補間源信号生成手段は、所定の波形および所定の周期からなる複数もしくは単一の周期信号、音声帯域にレベルが均一なホワイトノイズ信号、または、上記周期信号および上記ホワイトノイズ信号の所定の混合比による混合信号の何れかを生成するようにしてもよい。
また、この第2の側面において、上記信号補間手段は、上記補間のための補間源信号を生成する補間源信号生成手段と、上記補間源信号から上記ノイズ帯域以外を除去する補間外除去手段と、上記ノイズ除去手段の出力の周波数スペクトル包絡線を生成するスペクトル包絡線生成手段と、上記スペクトル包絡線に基づいて上記補間のためのスペクトル係数を生成するスペクトル係数生成手段と、上記スペクトル係数に基づいて上記補間外除去手段の出力を変調するスペクトル変調手段と、上記第1の指向性信号のレベル包絡線を生成するレベル包絡線生成手段と、上記レベル包絡線に基づいて上記補間のためのレベル係数を生成するレベル係数生成手段と、上記レベル係数に基づいて上記スペクトル変調手段の出力を変調するレベル変調手段と、上記ノイズ除去手段の出力と上記レベル変調手段の出力とを合成して上記選択手段に出力する合成手段とを具備してもよい。この場合において、上記ノイズ除去手段および上記補間外除去手段は、上記ノイズ認識手段において認識されたノイズの周波数に基づいて除去帯域および通過帯域を適応的に変化させるフィルタにより実現してもよい。
本発明によれば、収音の際に指向性を利用してノイズ発生期間を特定し、ノイズを低減させることができるという優れた効果を奏し得る。
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における収音装置300の一構成例を示す図である。この収音装置300は、音声入力部310と、アンプ320と、指向性生成部330と、タイミング生成部340と、回転係数生成部350と、ノイズ検出部360と、ノイズ低減処理部370と、符号化処理部380と、記録再生部390とを備えている。
音声入力部310は、周囲の音声信号を取得して入力するものであり、例えば、複数のマイクロホンなどにより実現される。アンプ320は、音声入力部310からの音声信号を増幅して指向性生成部330に供給するものである。
指向性生成部330は、アンプ320を介して供給された音声入力部310からの音声信号に基づいて、周囲の特定の方向に対して指向性を有する指向性信号を生成するものである。指向性を有する方向については、回転係数生成部350から供給される回転係数に従う。この結果、複数の方向についてそれぞれ指向性を有する指向性信号が得られるが、これらのうちでノイズ認識のために用いられる指向性信号が信号線338を介してノイズ検出部360に供給され、それ以外の本来の音声信号として用いられる指向性信号が信号線339を介してノイズ低減処理部370に供給される。
タイミング生成部340は、指向性生成部330、回転係数生成部350、ノイズ検出部360およびノイズ低減処理部370における動作タイミングを生成するものである。このタイミング生成部340では、後述するアップサンプリング処理のために、1オーディオサンプリング期間「1/Fs」をm分割して、サンプリング期間「1/(m・Fs)」毎にタイミング信号を生成する。すなわち、サンプリング周波数は、「m・Fs」となる。このタイミング生成部340により生成されたタイミング信号は、信号線349を介して各部に供給される。
回転係数生成部350は、指向性生成部330において生成される指向性信号の指向性の方向を示す回転係数を生成するものである。この回転係数生成部350によって生成された回転係数は、信号線359を介して指向性生成部330に供給される。
ノイズ検出部360は、指向性生成部330から信号線338を介して供給された指向性信号からノイズを検出するものである。このノイズ検出部360は、ノイズが検出されると、ノイズの発生期間に応じてノイズ除去期間を示す信号を生成する。このノイズ検出部360によって生成されたノイズ除去期間は、信号線369を介してノイズ低減処理部370に供給される。
ノイズ低減処理部370は、ノイズ検出部360から供給されたノイズ除去期間に従って、指向性生成部330から供給された指向性信号に含まれるノイズを除去するものである。このノイズ低減処理部370によってノイズ除去の処理が施された指向性信号は、信号線371乃至376を介して符号化処理部380に供給される。なお、これら信号線371乃至376は、後述する5.1チャンネルサラウンド信号のそれぞれに対応するものである。
符号化処理部380は、ノイズ低減処理部370から供給された各信号について符号化(エンコード)処理を行うものである。この符号化処理部380によって符号化された記録ストリーム信号は、信号線389を介して記録再生部390に供給される。
記録再生部390は、符号化処理部380から供給された記録ストリーム信号を記録媒体に記録し、または、再生するものである。なお、この記録再生部390では、音声入力部310から入力された音声信号とともに映像信号を記録してもよいが、本発明の実施の形態では説明を省略する。
図2は、5.1チャンネルのサラウンド音源の配置および指向特性を示す図である。このサラウンド音源の5.1チャンネルは、収音装置300を基準として正面方向(FRT:Front)の指向パターン591、正面左方向(FL:Front Left)の指向パターン592、正面右方向(FR:Front Right)の指向パターン593、後方左方向(RL:Rear Left)の指向パターン594および後方右方向(RR:Rear Right)の指向パターン595の5チャンネルと、全指向方向の指向パターン596の低周波数帯域(LF:Low Frequency)の0.1チャンネルである。低周波数帯域の0.1チャンネルは、100Hz程度以下の低音の重量感を得るためのものである。
このようなサラウンド音源を収音および記録して既存のサラウンド対応システムで再生することによりサラウンド音場が得られる。なお、上述したサラウンド音場の収音や音源作成は、制作者の制作意図やノウハウに委ねられているが、5.1チャンネルサラウンド音場再生規格ITU(International Telecommunication Union)−R規格を意識して行われる場合が多い。この規格では、再生スピーカ配置として、正面方向(FRT)を0度にして、正面左方向(FL)を30度、正面右方向(FR)を30度、後方左方向(RL)を100乃至120度、後方右方向(RR)を100乃至120度とすることが推奨されている。
図3は、本発明の実施の形態におけるベクトル量抽出の一例を示す図である。本発明の実施の形態では、収音装置を中心とした各方向に対して、音源としてのベクトルと、ノイズ検出のためのベクトルとが設定される。
FRTベクトル631は正面方向に対するベクトルであり、FLベクトル632は正面左方向に対するベクトルであり、FRベクトル633は正面右方向に対するベクトルであり、RLベクトル634は後方左方向に対するベクトルであり、RRベクトル635は後方右方向に対するベクトルである。なお、低周波数帯域の0.1チャンネルは、波長が長く、方向性をほとんど持たず大きさのみと考えられることから、スカラー量として扱うこととする。
ノイズベクトルAおよびFはレンズ駆動機構から生じるノイズを想定したベクトルであり、ノイズベクトルBはグリップ部(把持部)から生じるノイズを想定したベクトルであり、ノイズベクトルCはディスク機構から生じるノイズを想定したベクトルであり、ノイズベクトルDはLCD(Liquid Crystal Display)モニターから生じるノイズを想定したベクトルであり、ノイズベクトルEは各種操作スイッチから生じるノイズを想定したベクトルである。
このように各方向から入射するノイズに方向と大きさ(収音レベル)を合わせたベクトル量抽出を行うことで、そのノイズのみを認識し易くすることができる。また、音源方向とノイズ方向とが一致する場合には、音源方向のベクトル量をノイズ認識のためにも使用する。このときの収音イメージが図3における各ベクトルを囲む実線620となる。
図4は、本発明の実施の形態における収音装置によるポーラパターンの例を示す図である。ポーラパターンは、収音装置における各マイクロホンの全周囲方向からの感度レベルを極座標表示したものである。この図では、正面方向を0度とし、また、半径方向の感度レベルは相対的なものであり、中心を感度ゼロ点としている。
図4(a)は、無指向(全指向)性のポーラパターンであり、全方向に同レベルの感度特性を有している。図4(b)は、1次(単一)指向性のポーラパターンであり、ある単方向に指向性をもたせる場合に使用される。この例では、0度方向に指向性を有している。図4(c)は、1次指向性よりもさらに強い方向選択性を有する2次指向性のポーラパターンである。図4(d)および(e)は、双指向性と呼ばれるもので、ある方向およびその方向とは対極の方向に最大感度をもち、それらと90度方向には感度ゼロを示すものである。図4(d)および(e)は、互いに直交した特性を有している。また、正極(+)特性と負極(−)特性が対極し、両者は信号位相が180度ずれている。そして、これらの指向特性は、マイクロホン単独もしくは少数のマイクロホンの組合せ演算により生成することができる。
本発明の実施の形態では、これらマイクロホンは、音声入力部310として収音装置に内蔵もしくは外付けにより搭載される。そして、これらマイクロホンは、複数方向からの音声やノイズを同時に収音する。
図5は、本発明の実施の形態におけるマイクロホンの第1の配置例を示す図である。この第1の配置例では、無指向性マイクロホン411と、双指向性マイクロホン412および413とが配置されている。
無指向性マイクロホン411は、指向性を有しないマイクロホンである。双指向性マイクロホン412は、図4(d)のように右方向および左方向の双方向に指向性を有するマイクロホンであり、無指向性マイクロホン411よりも相対的に正面方向に配置される。双指向性マイクロホン413は、図4(e)のように正面方向および後方方向の双方向に指向性を有するマイクロホンであり、無指向性マイクロホン411よりも相対的に後方方向に配置される。尚、各マイクロホン相互の位置関係は、一例でありこれに限定されず、例えばそれぞれのマイクロホンを立体的に配置しても良い。
図6は、本発明の実施の形態による第1の配置例によるマイクロホンの音源の合成例を示す図である。この音源合成機構は、指向性生成部330に含まれるものであり、レベル可変部422および423と、加算合成部426とを備える。
レベル可変部422は、双指向性マイクロホン412から供給される横方向の双指向性信号をKs倍するものである。また、レベル可変部423は、双指向性マイクロホン413から供給される縦方向の双指向性信号をKc倍するものである。ここで、KsおよびKcは、指向方向により定められる回転係数である。この回転係数については後述する。
加算合成部426は、無指向性マイクロホン411から供給される無指向性信号、レベル可変部422から供給される信号、および、レベル可変部423から供給される信号の3つの信号を加算平均処理により合成するものである。この加算合成部426によって合成された音源は任意の指向性を有する音源になる。
ここで、横方向の双指向性信号(図4(d))を時間tのサイン関数sin(t)、縦方向の双指向性信号(図4(e))を時間tのコサイン関数cos(t)として表すと、加算合成部426によって合成される音源Xは次式により表すことができる。なお、この式において、「1」は無指向性信号(図4(a))に対応する。
X=(1+Ks・sin(t)+Kc・cos(t))/2
図7は、本発明の実施の形態における回転係数を示す図である。
回転係数Ks611は指向性の回転角φに応じてサインカーブを描き、回転係数Kc612は指向性の回転角φに応じてコサインカーブを描くものである。すなわち、回転係数Ks611およびKc612は、−1から1までの範囲で指向性の回転角φに応じた実数になる。
回転角φが0度の場合、Ks=0、Kc=1で、双指向性マイクロホン413からの双指向性信号のみが加算合成部426に入力される。また、回転角φが45度の場合、KsおよびKcはともに2の平方根の逆数(≒0.7)になり、双指向性マイクロホン412および413からの双指向性信号が同レベルにより加算合成部426で加算平均処理され、さらに無指向性信号が加算平均処理される。この様子を表したものが図8である。
すなわち、回転角φが45度の場合、2つの双指向性信号が同レベルにより加算平均処理されることにより、破線による逆相部分がキャンセルされ、実線による同相部分が残り、図8(a)における指向性511の信号が得られる。そして、この指向性511の信号と無指向性512の信号が加算平均処理されることによって、破線による逆相部分がキャンセルされ、実線による同相部分が残り、図8(b)の回転角φが45度の指向性513の信号が得られることになる。
同様に、回転角φが90度の場合、双指向性マイクロホン412からの双指向性信号のみが加算合成部426に入力される。また、回転角φが90乃至180度の場合、Kcが負係数の乗算により、双指向性マイクロホン413からの双指向性信号の正負極性が反転して合成される。また、回転角φが180乃至270度の場合、KsとKcが負係数の乗算により、双指向性マイクロホン412および413からの双指向性信号の正負極性が反転して合成される。また、回転角φが270乃至0度の場合、Ksが負係数の乗算により、双指向性マイクロホン412からの双指向性信号の正負極性が反転して合成される。
このように、回転係数KsおよびKcを設定することにより、任意の回転角φに指向性を有する信号を生成することができる。また、このようにして生成された信号を用いることによってサラウンド音源を生成することができる。そして、これらの音源を図3のベクトルに振り分けることにより、ノイズ検出用信号と本来の音声信号とに峻別することができる。
図9は、本発明の実施の形態におけるマイクロホンの第2の配置例を示す図である。この第2の配置例では、無指向性マイクロホン431乃至434の4つのマイクロホンが配置されている。これら無指向性マイクロホン431乃至434の間の距離は、例えば10乃至15ミリメートル程度である。また、無指向性マイクロホン431および433を結ぶ直線と無指向性マイクロホン434および432を結ぶ直線とが直交していればよく、相互の位置関係はこれに限定されない。
これら無指向性マイクロホン431乃至434は、何れも特定方向への指向性を有しないが、これらを組み合わせて合成することにより、任意の方向に指向性を有する信号を生成することができる。
図10は、本発明の実施の形態による第2の配置例におけるマイクロホンの指向特性の生成例を示す図である。
無指向性マイクロホン431の音源から無指向性マイクロホン433の音源を減算して周波数特性を整えると、図10(a)のような双指向性信号506が生成される。また、無指向性マイクロホン434の音源から無指向性マイクロホン432の音源を減算して周波数特性を整えると、図10(b)のような双指向性信号507が生成される。さらに、無指向性マイクロホン431乃至434の音源を任意に組み合わせて加算することにより無指向性信号が生成される。
図11は、本発明の実施の形態による第2の配置例におけるマイクロホンの音源の合成例を示す図である。この音源合成機構は、指向性生成部330に含まれるものであり、加算部441と、減算部442および443と、レベル可変部444および445と、加算合成部446とを備える。
加算部441は、無指向性マイクロホン431乃至434の音源を全て加算平均処理することにより無指向性信号を生成するものである。減算部442は、無指向性マイクロホン434の音源から無指向性マイクロホン432の音源を減算して、図10(b)の横方向の双指向性信号507を生成するものである。減算部443は、無指向性マイクロホン431の音源から無指向性マイクロホン433の音源を減算して、図10(a)の縦方向の双指向性信号506を生成するものである。
レベル可変部444は、図10(b)の横方向の双指向性信号506をKs倍するものである。また、レベル可変部445は、図10(a)の縦方向の双指向性信号507をKc倍するものである。なお、これら方向係数KcおよびKsは、図7により説明したものと同じものである。
加算合成部446は、加算部441から供給される無指向性信号、レベル可変部444から供給される信号、および、レベル可変部445から供給される信号の3つの信号を加算平均処理により合成するものである。この加算合成部446によって合成された音源は任意の指向性を有する音源になる。
この第2の配置例におけるマイクロホンの音源の合成例では、加算部441の出力は第1の配置例における無指向性マイクロホン411の出力と同等であり、減算部442の出力は第1の配置例における双指向性マイクロホン412の出力と同等であり、減算部443の出力は第1の配置例における双指向性マイクロホン413の出力と同等である。したがって、加算合成部446からの出力は、加算合成部426の出力と同等のものになる。
図12は、本発明の実施の形態におけるマイクロホンの第3の配置例を示す図である。この第3の配置例では、単一指向性マイクロホン452および453と双指向性マイクロホン451の3つのマイクロホンが配置されている。尚、各マイクロホン相互の位置関係は、一例でありこれに限定されず、例えばそれぞれのマイクロホンを立体的に配置しても良い。
双指向性マイクロホン451は、図4(d)のように右方向および左方向の双方向に指向性を有するマイクロホンである。単一指向性マイクロホン452は、図4(b)のように正面方向に指向性を有するマイクロホンである。単一指向性マイクロホン453は、図4(b)とは逆に後方に指向性を有するマイクロホンである。これら各マイクロホンの間の距離は、例えば10乃至15ミリメートル程度である。
図13は、本発明の実施の形態による第3の配置例におけるマイクロホンの音源の合成例を示す図である。この音源合成機構は、指向性生成部330に含まれるものであり、レベル可変部461乃至463と、加算合成部466とを備える。
レベル可変部461は、双指向性マイクロホン451の音源をKs倍するものである。レベル可変部462は、単一指向性マイクロホン452の音源を(1+Kc)倍するものである。レベル可変部463は、単一指向性マイクロホン453の音源を(1−Kc)倍するものである。なお、これら方向係数KcおよびKsは、図7により説明したものと同じものである。
加算合成部466は、レベル可変部461乃至463から供給される3つの信号を加算平均処理により合成するものである。この加算合成部466によって合成された音源は任意の指向性を有する音源になる。
ここで、縦方向の双指向性信号を時間tのコサイン関数cos(t)として表すと、単一指向性マイクロホン452の音源は(1+cos(t))になる。また、単一指向性マイクロホン453の音源は(1−cos(t))になる。そして、横方向の双指向性信号を時間tのサイン関数sin(t)として表すと、加算合成部466によって合成される音源Yは次式により表すことができる。
Y=((1+Kc)・(1+cos(t))/2
+(1−Kc)・(1−cos(t))/2
+Ks・sin(t))/2
図14は、本発明の実施の形態による第3の配置例におけるマイクロホンの指向特性の生成例を示す図である。
図14(a)には、単一指向性マイクロホン452の音源の指向性521、単一指向性マイクロホン453の音源の指向性522、および、双指向性マイクロホン451の音源の指向性523が示されている。
加算合成部466によって合成される音源Yの式において、回転角φが0度に設定された場合、Ks=0、Kc=1になるため、加算合成部466からは単一指向性マイクロホン452の音源が出力される。指向性の回転角φが45度に設定された場合、KsおよびKcはともに2の平方根の逆数(≒0.7)になるため、加算合成部466において加算平均処理が行われて、図14(b)の指向性524のように45度方向に単一指向性の信号が生成される。
また、指向性の回転角φが90度に設定された場合、Ks=1、Kc=0になるため、レベル可変部462および463によって無指向性信号が生成され、加算合成部466によって双指向性マイクロホン451の双指向性信号と加算平均処理されることによって90度方向に単一指向性の信号が生成される。
同様に、指向性の回転角φが90乃至180度の範囲ではKcが負係数で合成され、指向性の回転角φが180乃至270度の範囲ではKsおよびkcが負係数で合成され、指向性の回転角φが270乃至0度の範囲ではKsが負係数で合成される。例えば、指向性の回転角φが315度に設定された場合、Kcは2の平方根の逆数(≒0.7)になり、Ksは2の平方根の逆数の負数(≒−0.7)になる。これにより、加算合成部466において加算平均処理が行われて、図14(b)の指向性525のように315度方向に単一指向性の信号が生成される。
なお、上述の第1乃至3の配置例では、図4(b)のような単一指向性信号を得る手法について説明したが、図4(c)のような2次指向性信号を生成することも可能である。この場合、合成される音源Zは次式により表すことができる。なお、この式において、「1」は無指向性信号(図4(a))に対応し、sin(t)は横方向の双指向性信号(図4(d))に対応し、cos(t)は縦方向の双指向性信号(図4(e))に対応する。
Z=((1+Ks・sin(t)+Kc・cos(t))
・(Ks・sin(t)+Kc・cos(t)))/2
この2次指向性信号によれば、さらに指向性を狭角にすることができるため、後述するノイズ検出のための各指向性信号の選択性を向上させることができる。
なお、上述の第1乃至3の配置例は説明のための例であり、各マイクロホンは相対的に近接していれば、本発明の目的の範囲内で変更可能である。例えば、これらは直線上や等間隔に並べる必要はなく、また、図9の配置例では、3つのマイクロホンでも同様に構成可能である。
図15は、本発明の実施の形態における指向性の回転角φの例を示す図である。指向性の回転角φ(651)は、正面方向を0度として、時計回りに回転する指向性650の成す角度を表す。
上述の音源合成機構によれば、全周囲の任意の回転角φによる複数の指向性信号を合成することができる。しかし、これらの指向性信号を個別に扱うこととすると、扱うチャンネル数が増加して、処理が大規模化もしくは複雑化するおそれがある。そこで、本発明の実施の形態では、各指向性信号を単独もしくは少数のチャンネルの指向性ストリーム信号として扱うこととする。
図16は、本発明の実施の形態における指向性ストリーム信号の内容例を示す図である。この図において、横軸は、一例として全周囲を30度毎に分割した方向チャンネルである。この例では、回転角φが0度のD_1チャンネル、回転角φが30度のD_2チャンネル、回転角φが90度のD_3チャンネルと続き、回転角φが330度のD_cチャンネルに至る12チャンネルが示されている。
また、縦軸は、オーディオサンプリング周期を表す。サンプリング周波数をFsとすると、オーディオサンプリング周期は「1/Fs」となる。オーディオサンプリング周期Ts_0では、D_1チャンネルから順にサンプリングされた指向性信号が、S(01)、S(02)、S(03)の要領で順次並べられている。また、オーディオサンプリング周期Ts_1でも、D_1チャンネルから順にサンプリングされた指向性信号が、S(11)、S(12)、S(13)の要領で順次並べられている。
このようにサンプリングされた信号を順番にスキャンニングして、1本の指向性ストリーム信号として生成したものが図17である。この指向性ストリーム信号には時間軸および方向の両者によるベクトル成分のレベルが含まれることになる。すなわち、上述の配置例により説明した指向性パターンは、指向性方向に最も強い大きさを有するベクトル量の集合体とみなすことができ、その主軸方向を回転角φに沿って変化させることにより、各主軸方向に対して収音レベルに応じたベクトル量がオーディオサンプリング周期毎に得られる。
図17に示すように、1つのオーディオサンプリング周期「1/Fs」においてそれぞれm個(mは整数)の方向チャンネルをサンプリングする場合、必要な指向性ストリーム信号のサンプリング周期は「1/(m・Fs)」となる。例えば、図16の例では、m=12であるため、サンプリング周期は「1/(12×Fs)」である。
図18は、本発明の実施の形態における指向性生成部330の一構成例を示す図である。この指向性生成部330は、アップサンプリング部331と、インターポレーションフィルタ332と、指向性生成部333とを備えている。
アップサンプリング部331は、アンプ320を介して音声入力部310から取得した音声信号をアップサンプリングするものである。すなわち、サンプリング周波数Fsでサンプリングされた音声信号は、アップサンプリング部331においてサンプリング周波数「m・Fs」で再サンプリングされる。
インターポレーションフィルタ332は、アップサンプリング部331における再サンプリングにより発生した不要な広帯域成分(偽信号)を除去するものである。このインターポレーションフィルタ332は、例えばローパスフィルタ(LPF)により実現される。
指向性生成部333は、インターポレーションフィルタ332から供給されたサンプリング周期「1/(m・Fs)」の音声信号に基づいて、指向性信号を生成するものである。この指向性生成部333は、信号線359を介して回転係数生成部350から供給された回転係数に従って、その回転係数に対応した指向性を有する指向性信号を生成する。ここでは、ノイズ検出のための指向性信号が信号線338からノイズ検出部360に供給され、それ以外の本来の音声信号として用いられる指向性信号が信号線339からノイズ低減処理部370に供給されるものとする。
図19は、本発明の実施の形態におけるダウンサンプリング機構の一構成例を示す図である。このダウンサンプリング機構は、ノイズ低減処理部370およびノイズ検出部360の内部に設けられるものであり、指向性方向抽出部371と、デシメーションフィルタ372と、ダウンサンプリング部373とを備える。
指向性方向抽出部371は、信号線349によって供給されたサンプリング周波数「m・Fs」に同期したタイミングで、各指向性信号を抽出するものである。
デシメーションフィルタ372は、指向性方向抽出部371によって抽出された指向性信号において、不要な折返し成分を除去するものであり、例えばローパスフィルタ(LPF)により実現される。
ダウンサンプリング部373は、デシメーションフィルタ372から供給された指向性信号のサンプリングレートを「1/m」倍することにより、本来のサンプリング周波数Fsに戻すものである。
これにより、ノイズ低減処理部370では、例えば、図2により説明した正面方向、正面左方向、正面右方向、後方左方向、後方右方向および低周波数帯域の5.1チャンネルのサラウンド音源に対応する指向性信号を生成することができる。また、ノイズ検出部360では、例えば、図3により説明したノイズベクトルに対応する指向性信号を生成することができる。
図20は、本発明の実施の形態におけるノイズ低減機構の第1の構成例を示す図である。このノイズ低減機構には、ノイズ検出のための指向性信号が信号線118を介して入力されるとともに、それ以外の本来の音声信号として用いられる指向性信号が信号線119を介して入力されて、この指向性信号についてノイズ低減処理が行われる。
このノイズ低減機構は、補間源信号生成部130と、ノイズ除去フィルタ141と、逆フィルタ142と、レベルエンベロープ生成部171と、レベル係数生成部172と、レベル変調部173と、合成部180と、選択スイッチ190と、ノイズ認識部210と、ノイズ除去期間生成部220とを備えている。ノイズ認識部210およびノイズ除去期間生成部220はノイズ検出部360に含まれ、それ以外の各部はノイズ低減処理部370に含まれることが想定されるが、これに限定されるものではない。
ノイズ除去フィルタ141は、音声入力部310からの指向性信号からノイズ帯域を除去するフィルタである。このノイズ除去フィルタ141は、例えば単一もしくは複数の周波数帯域を除去対象とするBEF(Band Elimination Filter)等により実現される。このノイズ除去フィルタ141の出力は信号線149を介して合成部180の一方の入力に供給される。
補間源信号生成部130は、補間のための補間源信号を生成するものである。本発明の実施の形態では、ノイズ除去フィルタ141によってノイズ帯域を除去された指向性信号に対して補間信号を合成することにより、人間の聴覚上のマスキング効果を向上させる。補間源信号生成部130は、その補間信号の源となる補間源信号として、トーン信号およびランダム信号を適宜混合したものを出力する。この補間源信号生成部130の構成については後述する。
逆フィルタ142は、補間源信号生成部130によって生成された補間源信号からノイズ帯域以外を除去するフィルタである。この逆フィルタ142は、ノイズ除去フィルタ141の逆フィルタ特性を有するものであり、ノイズ除去フィルタ141の阻止帯域が逆フィルタ142の通過帯域となり、ノイズ除去フィルタ141の通過帯域が逆フィルタ142の阻止帯域となる。この逆フィルタ142の出力は信号線148を介してレベル変調部173に供給される。
レベルエンベロープ生成部171は、音声入力部310からの指向性信号のレベルエンベロープ(レベル包絡線)を連続的に検出するものである。このレベルエンベロープ生成部171の出力は信号線177を介してレベル係数生成部172に供給される。
レベル係数生成部172は、レベルエンベロープ生成部171から供給されたレベルエンベロープに基づいてレベル係数を生成するものである。このレベル係数生成部172の出力は信号線178を介してレベル変調部173に供給される。
レベル変調部173は、逆フィルタ142から供給された補間源信号に対して、レベル係数生成部172から供給されたレベル係数に応じてレベル変調を行って補間信号として出力するものである。このレベル変調部173の出力は信号線179を介して合成部180の一方の入力に供給される。
合成部180は、ノイズ除去フィルタ141から信号線149を介して供給された指向性信号とレベル変調部173から信号線179を介して供給された補間信号とを合成するものである。この合成部180は、例えば加算器により実現される。この合成部180の出力は、信号線189を介して選択スイッチ190のオン入力端子に供給される。
ノイズ認識部210は、音声入力部310からの指向性信号に含まれるノイズを認識するものである。このノイズ認識部210の出力は、信号線219を介してノイズ除去期間生成部220に供給される。ノイズ除去期間生成部220は、ノイズ認識部210においてノイズが認識されると、ノイズの発生期間に応じてノイズ除去期間を示す信号を生成するものである。このノイズ除去期間生成部220の出力は、信号線369を介して選択スイッチ190の制御端子に供給される。
選択スイッチ190は、ノイズ除去期間生成部220から信号線369を介して供給された信号に応じて、ノイズ除去期間であれば合成部180から信号線189を介して供給された指向性信号を選択し、ノイズ除去期間でなければ音声入力部310から信号線119を介して供給された指向性信号を選択するスイッチである。この選択スイッチ190の出力は、信号線199を介して後段の処理のために供給される。
なお、ここでは、指向性信号の1チャンネル分のノイズ低減機構の例を示しているが、実際には、必要なチャンネル数に対応する数のノイズ低減機構が設けられる。
図21は、本発明の実施の形態において利用するマスキング現象を説明するための図である。人間の聴覚は、大きな騒音の中では人の声が聞き取りにくくなるように、相対的に大きな音の陰にあるような小さな音の存在に気が付かないようになっている。このような現象はマスキング現象と呼ばれ、周波数成分、音圧レベル、および、持続時間などの条件に依存することが知られている。この聴覚マスキング現象は周波数マスキングと時間マスキングに大別され、さらに時間マスキングは同時マスキングと非同時マスキング(継時マスキング)に分けられる。このマスキング現象は、例えばCD(コンパクトディスク)などにおいて、オーディオ信号を1/5乃至1/10程度に圧縮する高能率符号化として応用されるようになっている。
図21では、横方向に時間経過が示され、縦方向に時間ごとの信号レベルの絶対値が示されている。図21(a)のように、信号Aが所定レベルで入力し、無信号のギャップ期間を挟んで信号Bが所定レベルで入力した場合、人間の聴感レベルは図21(b)のように模式的に示される。すなわち、人間の聴感では、信号Aが消えた後でも信号Aのパターンが領域91のように暫くの間は感度が低下しながらも残存する。このような現象は前方(順向)マスキングと呼ばれ、この期間には別の音が存在しても人間の聴感上は聞き取れなくなる。また、信号Bが入力する直前にも、領域92のように同様の感度低下が発生する。これは後方(逆向)マスキングと呼ばれ、この期間に別の音が存在しても人間の聴感上は聞き取れなくなる。
通常は、後方マスキング量に対して前方マスキング量の方が大きく、時間的には条件にも左右されるが、最大で数百mS程度発生する。そしてある条件下においては、図21(a)のギャップ期間は数ミリ秒乃至数十ミリ秒程度が聴感上で認知されず、信号Aと信号Bが連続音として聞こえる現象が発生する。このような現象は、R.Plompのギャップ検出についての研究論文(1963)、三浦の研究論文(JAS.Journal 94.11月号)、さらに聴覚心理学概論(B.C.J.ムーア著、大串健吾監訳、誠信書房、第4章/聴覚系の時間分解能)にも示されているように、以下の特性を有することが知られている。
(第1特性):信号Aと信号Bの周波数帯域に相関性があればギャップ長は大きくなる。また、周波数的に信号Aと信号Bの連続性が保たれていればギャップ長は大きくなる。
(第2特性):単一正弦波信号よりも、帯域信号の方が、ギャップ長は大きくなる。
(第3特性):信号Aと信号Bのレベルが同じ場合、信号レベルが小さい程ギャップ長は大きくなり、ある程度以上に信号レベルが大きくなるとギャップ長は変化しない。
(第4特性):信号Aよりも信号Bのレベルが小さい方が、ギャップ長は大きくなる。
(第5特性):信号に含まれる中心周波数が低い程ギャップ長は大きくなり、中心周波数が高くなる程ギャップ長が小さくなる。
本発明の実施の形態においては、レベル係数生成部172がこれら5つの特性を鑑みて、補間のためのレベル係数を生成する。例えば、レベル係数生成部172は、音声レベルが小さい場合にギャップ期間を長くし(第3特性)、また、音声レベルが時間的に上昇傾向にある場合よりも下降傾向の場合にギャップ期間をより長くする(第4特性)。
図22は、本発明の実施の形態における補間源信号生成部130の一構成例を示す図である。この補間源信号生成部130は、トーン信号発生部131と、ホワイトノイズ信号発生部132と、混合部133とを備えている。
トーン信号発生部131は、所定周期の単一もしくは複数の正弦波やパルス波などで構成されるトーン信号を発生するものである。このトーン信号は、周波数特性上、所定周波数に単一もしくは複数のピークを有する。
ホワイトノイズ信号発生部132は、音声帯域の全帯域にレベルが均一なホワイトノイズ信号(ランダム信号)を発生するものである。このホワイトノイズ信号発生部132は、例えば、M系列の乱数発生器などにより実現される。
混合部133は、トーン信号発生部131の発生したトーン信号とホワイトノイズ信号発生部132の発生したホワイトノイズ信号とを所定の混合比により混合した混合信号を補間源信号として出力するものである。この混合部133の出力は信号線139を介して逆フィルタ142に供給される。
なお、上記所定の混合比は、ノイズ除去フィルタ141のノイズ除去帯域特性に応じて適宜設定される。但し、何れか一方をゼロとして、トーン信号のみ、または、ホワイトノイズ信号のみを補間源信号として出力してもよい。
図23は、本発明の実施の形態におけるノイズ除去フィルタ141および逆フィルタ142の周波数特性例を示す図である。ここでは、横方向に周波数、縦方向にフィルタの通過信号レベルを示している。
図23(a)は、ノイズ除去フィルタ141の周波数特性例であり、ここでは、除去帯域の中心周波数としてfa、fbおよびfcの3つを有するフィルタであることが示されている。一方、図23(b)は、逆フィルタ142の周波数特性例であり、ノイズ除去フィルタ141とは逆に、中心周波数fa、fbおよびfcを通過帯域として有するフィルタであることが示されている。
すなわち、この例では、中心周波数fa、fbおよびfcをノイズ帯域として、ノイズ除去フィルタ141ではノイズ帯域を除去帯域として扱い、逆フィルタ142ではノイズ帯域を通過帯域として扱っていることが分かる。
図24は、本発明の実施の形態におけるレベルエンベロープ生成部171の一構成例を示す図である。このレベルエンベロープ生成部171は、絶対値生成部174と、平滑化部175とを備えている。
絶対値生成部174は、信号線119を介して供給される指向性信号の絶対値を生成するものである。平滑化部175は、絶対値生成部174によって絶対値化された指向性信号から低域成分を抽出して平滑化するものであり、例えば、ローパスフィルタ(LPF)によって実現される。この平滑化により、瞬時ノイズのような急激なレベル変化による影響を取り除くことができる。
図25は、本発明の実施の形態におけるレベルエンベロープ生成部171による処理過程の一例を示す図である。図25(a)は、信号線119を介してレベルエンベロープ生成部171に供給される指向性信号(音声信号)の波形例である。この指向性信号は、絶対値生成部174によって絶対値化されることにより、図25(b)のような波形になる。
そして、図25(b)の波形を有する絶対値化された指向性信号は、平滑化部175によって平滑化されることにより、図25(c)に示す太線のような包絡線になる。
このようにして生成されたレベルエンベロープに基づいてレベル係数生成部172によりレベル係数が生成され、このレベル係数によってレベル変調部173を制御することにより、補間信号が生成される。
図26は、本発明の実施の形態における補間信号の一例を示す図である。この例では、レベルエンベロープ生成部171によって生成されたレベルエンベロープに基づいて信号Aと信号Bとの間の周波数の連続性を維持するように補正信号21を生成している。これにより、上述の第1特性によって、ギャップ長を大きくすることができる。
図27は、本発明の実施の形態における補間信号の他の例を示す図である。この例では、図21(b)に示した前方マスキングおよび後方マスキングと信号Bとの間の不足分ΔSを補うための補正信号22を生成している。これにより、聴感上でギャップが感じられないようにしている。すなわち、この図27の例では、図26の例のように信号Aと信号Bとの間の連続性を確保するものではなく、あくまでも聴感上でギャップ期間がマスキングされるようにレベル補間をしている。
図28は、本発明の実施の形態におけるノイズ認識部210の一構成例を示す図である。図28(a)は時間領域でノイズを認識するものであり、図28(b)は周波数領域でノイズを認識するものである。
図28(a)の構成例では、ノイズ認識部210は、フレーム生成部211と、ノイズパターンマッチング部212と、ノイズパターン保持部213とを備えている。
フレーム生成部211は、信号線119を介して供給された指向性信号を所定時間毎にフレーム化するものである。ここで、フレームとは複数のオーディオサンプリング信号からなるデータ列である。フレーム化されたN個(Nは整数)のオーディオサンプリング信号S(n)はノイズパターンマッチング部212に供給される。但し、nは1からNの整数を表す。
ノイズパターン保持部213は、ノイズパターンW(n)を保持するメモリである。このノイズパターン(ウェーブレットとも呼ばれる)は、さらにaおよびbの関数W((n−b)/a)として、ノイズパターン保持部213から読み出される。ここで、aはスケールパラメータ(但し、a>0)であり、この値が小さいと低い周波数成分のノイズ認識に対応する。一方、スケールパラメータが大きいと高い周波数成分のノイズ認識に対応する。また、bはシフトパラメータであり、ノイズパターンとの間のパターンマッチングの際のシフト位置(時間)を表す。ウェーブレットは信号の平均値が0で、時間0の周りに局在する関数であるが、本発明の実施の形態においては、実際のノイズ波形に近似する関数を予め選択して、ノイズパターン保持部213に保持しておくものとする。
ノイズパターンマッチング部212は、フレーム生成部211によってフレーム化された指向性信号S(n)と、ノイズパターン保持部213に保持されているノイズパターンW(n)とaおよびbを変えながら畳込み演算を行うことにより、指向性信号に存在するノイズを評価するものである。この場合の評価値Etは次式により算出される。
Figure 0004952368
すなわち、評価値Etは、音声信号S(n)の中にノイズパターンW(n)がどの程度含まれるかを示す指標であり、フレーム毎の指向性信号S(n)にノイズが存在する場合には評価値Etは大きくなり、ノイズと相関が少ない場合には評価値Etがゼロに近づくようになる。
図28(b)の構成例では、ノイズ認識部210は、フレーム生成部214と、フーリエ変換部215と、ノイズパターンマッチング部216と、ノイズパターン保持部217とを備えている。
フレーム生成部214は、フレーム生成部211と同様に、信号線119を介して供給された指向性信号を所定時間毎にフレーム化するものである。フーリエ変換部215は、フレーム生成部214によってフレーム化された指向性信号をFFT(Fast Fourier Transform)によりフーリエ変換して、時間信号から周波数信号F(n)に変換するものである。
ノイズパターン保持部217は、ノイズパターンP(n)を保持するメモリである。このノイズパターン保持部217に保持されるノイズパターンP(n)は、ノイズ発生時の周波数分布をモデル化したものである。
ノイズパターンマッチング部216は、フーリエ変換部215により変換された指向性信号F(n)と、ノイズパターン保持部213に保持されているノイズパターンP(n)との相関度を求めることにより、指向性信号に存在するノイズを評価するものである。この場合の評価値Efは次式により算出される。
Figure 0004952368
ここで、Nは1フレーム内のFFTポイント数である。すなわちnが1〜Nでノイズパターンと指向性信号の相似度が高い場合には、評価値Efは1に近づくため、所定の閾値以上であれば両者のパターンはほぼ一致していると認識することができる。
このようにしてノイズが認識された場合、ノイズ除去期間生成部220は、そのノイズ発生の始点および終点により定められる期間をノイズ除去期間として生成する。ここでは、時間領域および周波数領域のそれぞれでノイズを認識する手法について説明したが、これらを組み合わせることによりさらに認識率を向上させることができる。
なお、複数種類のノイズを想定する場合には、上述のノイズパターン保持部213およびノイズパターン保持部217において、複数種類のノイズに対応するノイズパターンを保持しておいて、それぞれのノイズを認識することになる。
図20の例では、選択スイッチ190として単純な切替スイッチを想定して説明したが、これは例えば以下のようなクロスフェードスイッチにより実現してもよい。
図29は、本発明の実施の形態における選択スイッチ190の一例としてのクロスフェードスイッチ191の構成例を示す図である。このクロスフェードスイッチ191は、アッテネータ192および193と、制御係数生成部194と、係数反転部195と、合成部196とを備えている。
アッテネータ192および193は、入力信号を制御係数に応じて減衰させる減衰器である。アッテネータ192の制御係数は制御係数生成部194から供給され、アッテネータ193の制御係数は係数反転部195から供給される。
制御係数生成部194は、信号線229を介して供給されるノイズ除去期間に基づいてアッテネータ192の制御係数を生成するものである。係数反転部195は、制御係数生成部194の出力を反転するものである。すなわち、アッテネータ192および193の制御係数は互いに反転したものとなる。
合成部196は、アッテネータ192および193の出力を合成するものであり、例えば加算器により実現される。
図30は、本発明の実施の形態におけるクロスフェードスイッチ191の波形信号例を示す図である。信号線229に図30(a)のような信号31が入力された場合、制御係数生成部194の出力信号は信号32のように所定の時定数をもってクロスフェードする。一方、係数反転部195の出力信号は、信号32の反転信号33であり、同様に所定の時定数をもってクロスフェードする。したがって、オーバーシュートやリンギングの発生を防ぐことができる。また、アッテネータ192および193の出力の切替えの際の波形の不連続性を聴感上で吸収することができ、マスキング効果に有利に働くというメリットがある。
図31は、本発明の実施の形態におけるクロスフェードスイッチ191を用いた場合の補間信号の例を示す図である。レベル変調部173において図26のような補間信号が出力されたとすると、クロスフェードスイッチ191を用いた場合には、図31のように信号AおよびBと補間信号との間の遷移においてクロスフェードされ、滑らかな切替えを実現することができる。
図32は、本発明の実施の形態におけるノイズ低減機構の第2の構成例を示す図である。このノイズ低減機構には第1の構成例と同様に、ノイズ検出のための指向性信号が信号線118を介して入力されるとともに、それ以外の本来の音声信号として用いられる指向性信号が信号線119を介して入力されて、この指向性信号についてノイズ低減処理が行われる。
この第2の構成例では、第1の構成例に加えて、ノイズ除去フィルタ143と、スペクトルエンベロープ生成部161と、スペクトル係数生成部162と、可変フィルタ163とをさらに備えている。これらはノイズ低減処理部370に含まれることが想定されるが、これに限定されるものではない。
ノイズ除去フィルタ143は、ノイズ除去フィルタ141と同様に、音声入力部310からの指向性信号からノイズ帯域を除去するフィルタである。このノイズ除去フィルタ143の出力はスペクトルエンベロープ生成部161に供給される。なお、このノイズ除去フィルタ143はノイズ除去フィルタ141と共通化することが可能であり、その場合にはノイズ除去フィルタ141の出力をスペクトルエンベロープ生成部161に供給することになる。
スペクトルエンベロープ生成部161は、音声入力部310からの指向性信号の周波数スペクトルのエンベロープ(スペクトル包絡線)を連続的に検出するものである。このスペクトルエンベロープ生成部161では、FFTや複数の帯域分割により指向性信号(音声信号)の周波数毎のレベルを検出することにより、周波数スペクトルが検出される。このスペクトルエンベロープ生成部161の出力はスペクトル係数生成部162に供給される。
スペクトル係数生成部162は、スペクトルエンベロープ生成部161から供給されたスペクトルエンベロープに基づいてスペクトル係数を生成するものである。このスペクトル係数生成部162では、スペクトルエンベロープ生成部161において検出された周波数スペクトルを再現するようにスペクトル係数が生成される。このスペクトル係数生成部162の出力は、信号線168を介して可変フィルタ163に供給される。
可変フィルタ163は、逆フィルタ142から供給された補間源信号に対して、スペクトル係数生成部162から供給されたスペクトル係数に応じて周波数変調を行うものである。これにより、レベル変調部173におけるレベル変調だけでなく、周波数成分でも連続的に補間を行うため、第1特性によってギャップ長をさらに大きくすることができる。
なお、この第2の構成例において、選択スイッチ190をクロスフェードスイッチ191に置き換えることができる点についても第1の構成例と同様である。
図33は、本発明の実施の形態におけるノイズ低減機構の第3の構成例を示す図である。このノイズ低減機構には第1および第2の構成例と同様に、ノイズ検出のための指向性信号が信号線118を介して入力されるとともに、それ以外の本来の音声信号として用いられる指向性信号が信号線119を介して入力されて、この指向性信号についてノイズ低減処理が行われる。
この第3の構成例では、第2の構成例に加えて遅延部120が備えられ、この遅延部120によって所定時間の遅延が施された出力がノイズ除去フィルタ141、143およびレベルエンベロープ生成部171に供給されている。また、ノイズ認識部210からの信号線157が可変フィルタブロック140に供給されている。この可変フィルタブロック140は、ノイズ除去フィルタ141、逆フィルタ142およびノイズ除去フィルタ143を含むブロックである。
この第3の構成例におけるノイズ認識部210は、認識したノイズについて周波数を検出して、可変フィルタブロック140にフィードバックするようにしている。ノイズ周波数の検出方法としては、図28(a)の時間領域におけるノイズ認識の際には、ノイズパターンが最も一致したスケールパラメータaからノイズ周波数を算出することができる。また、図28(b)の周波数領域におけるノイズ認識の際には、フーリエ変換部215からのノイズピーク周波数を検出することでノイズ周波数を算出することができる。
ノイズ認識部210からフィードバックされたノイズ周波数は、可変フィルタブロック140の各フィルタにおいて通過帯域または阻止帯域の調整のために用いられる。これにより、例えば、図23における中心周波数fa、fbおよびfcを、ノイズ周波数に合わせて適応的に変化させることによって、ノイズ周波数の変動や、複数のノイズ発生源からの連続的なノイズに対して効果的に対応することができる。
この第3の構成例では、ノイズ認識部210以外に対する指向性信号の供給は遅延部120を介して行われるため、ノイズ認識の結果に応じて通過帯域または阻止帯域をリアルタイムに調整することができる。
なお、この第3の構成例において、選択スイッチ190をクロスフェードスイッチ191に置き換えることができる点についても第1および第2の構成例と同様である。
次に本発明の実施の形態における撮像装置の動作について図面を参照して説明する。
図34は、本発明の実施の形態による収音装置300におけるノイズ低減方法の基本的な処理手順例を示す図である。この処理手順例は、上述の第1乃至第3の各構成例に共通のものである。
まず、ノイズ認識部210においてノイズ認識処理が行われる(ステップS910)。これにより、ノイズ除去期間生成部220ではノイズ除去期間が生成される。そして、ノイズ除去期間に該当する場合には(ステップS920)、選択スイッチ190によってノイズ除去フィルタ141から信号線149を介して供給された指向性信号が選択される(ステップS930)。一方、ノイズ除去期間に該当しない場合には(ステップS920)、音声入力部310から信号線119を介して供給された指向性信号が選択される(ステップS940)。以上の処理が繰り返される。
このように、本発明の実施の形態によれば、指向性生成部330において生成された指向性信号に基づいてノイズ検出部360においてノイズ検出を行い、その結果に従って指向性信号についてノイズ低減処理部370においてノイズ除去を行うことができる。ノイズ検出部360においてノイズに用いられる指向性信号はノイズベクトルに対応するものであり、効率的にノイズを検出することができる。また、ノイズ低減処理部370では、ノイズ認識部210において認識されたノイズからノイズ除去期間を特定し、ノイズ除去期間にはノイズ除去フィルタ141によってノイズ除去された信号を選択して、それ以外の期間にはノイズ除去されない指向性信号を選択するように選択スイッチ190を制御することにより、人間の聴感を考慮したノイズ低減処理を実現することができる。また、本発明の実施の形態によれば、ノイズ除去期間において補間信号を合成することにより、長時間継続するノイズも低減することができる。
なお、本発明の実施の形態では、指向性信号をスキャンニング処理して記録ストリーム信号を生成し、また、アップサンプリング処理およびダウンサンプリング処理によりサンプリング周波数を変更する例について説明したが、これらの処理を行うことなく、各指向性信号を個別に扱うようにしてもよい。
また、本発明の実施の形態では、5.1チャンネルサラウンド信号を想定した例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、適宜チャンネル数を増減させた場合であっても本発明の目的を逸脱しない範囲で同様に実施可能である。
また、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、以下に示すように特許請求の範囲における発明特定事項とそれぞれ対応関係を有するが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。
すなわち、請求項1において、音声入力手段は例えば音声入力部310に対応する。また、指向性生成手段は例えば指向性生成部330に対応する。また、ノイズ除去手段は例えばノイズ除去フィルタ141に対応する。また、ノイズ認識手段は例えばノイズ認識部210に対応する。また、ノイズ除去期間生成手段は例えばノイズ除去期間生成部220に対応する。また、選択手段は例えば選択スイッチ190に対応する。
また、請求項2において、双指向性マイクロホンは例えば双指向性マイクロホン412および413に対応する。また、無指向性マイクロホンは例えば無指向性マイクロホン411に対応する。
また、請求項3において、無指向性マイクロホンは例えば無指向性マイクロホン431乃至434に対応する。
また、請求項4において、単一指向性マイクロホンは例えば単一指向性マイクロホン452および453に対応する。また、双指向性マイクロホンは例えば双指向性マイクロホン451に対応する。
また、請求項5において、回転係数生成手段は例えば回転係数生成部350に対応する。
また、請求項11において、音声入力手段は例えば音声入力部310に対応する。また、指向性生成手段は例えば指向性生成部330に対応する。また、ノイズ除去手段は例えばノイズ除去フィルタ141に対応する。また、信号補間手段は例えば補間源信号生成部130、逆フィルタ142、ノイズ除去フィルタ143、スペクトルエンベロープ生成部161、スペクトル係数生成部162、可変フィルタ163、レベルエンベロープ生成部171、レベル係数生成部172、レベル変調部173および合成部180の少なくとも一部の組合せに対応する。また、ノイズ認識手段は例えばノイズ認識部210に対応する。また、ノイズ除去期間生成手段は例えばノイズ除去期間生成部220に対応する。また、選択手段は例えば選択スイッチ190に対応する。
また、請求項12において、補間源信号生成手段は例えば補間源信号生成部130に対応する。また、補間外除去手段は例えば逆フィルタ142に対応する。また、レベル包絡線生成手段は例えばレベルエンベロープ生成部171に対応する。また、レベル係数生成手段は例えばレベル係数生成部172に対応する。また、レベル変調手段は例えばレベル変調部173に対応する。また、合成手段は例えば合成部180に対応する。
また、請求項15において、補間源信号生成手段は例えば補間源信号生成部130に対応する。また、補間外除去手段は例えば逆フィルタ142に対応する。また、スペクトル包絡線生成手段は例えばスペクトルエンベロープ生成部161に対応する。また、スペクトル係数生成手段は例えばスペクトル係数生成部162に対応する。また、スペクトル変調手段は例えば可変フィルタ163に対応する。また、レベル包絡線生成手段は例えばレベルエンベロープ生成部171に対応する。また、レベル係数生成手段は例えばレベル係数生成部172に対応する。また、レベル変調手段は例えばレベル変調部173に対応する。また、合成手段は例えば合成部180に対応する。
なお、本発明の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。
本発明の実施の形態における収音装置300の一構成例を示す図である。 5.1チャンネルのサラウンド音源の配置および指向特性を示す図である。 本発明の実施の形態におけるベクトル量抽出の一例を示す図である。 本発明の実施の形態における収音装置によるポーラパターンの例を示す図である。 本発明の実施の形態におけるマイクロホンの第1の配置例を示す図である。 本発明の実施の形態による第1の配置例によるマイクロホンの音源の合成例を示す図である。 本発明の実施の形態における回転係数を示す図である。 本発明の実施の形態による第1の配置例におけるマイクロホンの指向特性の一例を示す図である。 本発明の実施の形態におけるマイクロホンの第2の配置例を示す図である。 本発明の実施の形態による第2の配置例におけるマイクロホンの指向特性の生成例を示す図である。 本発明の実施の形態による第2の配置例におけるマイクロホンの音源の合成例を示す図である。 本発明の実施の形態におけるマイクロホンの第3の配置例を示す図である。 本発明の実施の形態による第3の配置例におけるマイクロホンの音源の合成例を示す図である。 本発明の実施の形態による第3の配置例におけるマイクロホンの指向特性の生成例を示す図である。 本発明の実施の形態における指向性の回転角φの例を示す図である。 本発明の実施の形態における指向性ストリーム信号の内容例を示す図である。 本発明の実施の形態における指向性ストリーム信号とサンプリング周期の関係を示す図である。 本発明の実施の形態における指向性生成部330の一構成例を示す図である。 本発明の実施の形態におけるダウンサンプリング機構の一構成例を示す図である。 本発明の実施の形態におけるノイズ低減機構の第1の構成例を示す図である。 本発明の実施の形態において利用するマスキング現象を説明するための図である。 本発明の実施の形態における補間源信号生成部130の一構成例を示す図である。 、本発明の実施の形態におけるノイズ除去フィルタ141および逆フィルタ142の周波数特性例を示す図である。 本発明の実施の形態におけるレベルエンベロープ生成部171の一構成例を示す図である。 本発明の実施の形態におけるレベルエンベロープ生成部171による処理過程の一例を示す図である。 本発明の実施の形態における補間信号の一例を示す図である。 本発明の実施の形態における補間信号の他の例を示す図である。 本発明の実施の形態におけるノイズ認識部210の一構成例を示す図である。 本発明の実施の形態における選択スイッチ190の一例としてのクロスフェードスイッチ191の構成例を示す図である。 本発明の実施の形態におけるクロスフェードスイッチ191の波形信号例を示す図である。 本発明の実施の形態におけるクロスフェードスイッチ191を用いた場合の補間信号の例を示す図である。 本発明の実施の形態におけるノイズ低減機構の第2の構成例を示す図である。 本発明の実施の形態におけるノイズ低減機構の第3の構成例を示す図である。 本発明の実施の形態による収音装置300におけるノイズ低減方法の基本的な処理手順例を示す図である。
符号の説明
300 収音装置
310 音声入力部
320 アンプ
330 指向性生成部
331 アップサンプリング部
332 インターポレーションフィルタ
333 指向性生成部
340 タイミング生成部
350 回転係数生成部
360 ノイズ検出部
370 ノイズ低減処理部
371 指向性方向抽出部
372 デシメーションフィルタ
373 ダウンサンプリング部
380 符号化処理部
390 記録再生部
411 無指向性マイクロホン
412、413 双指向性マイクロホン
422、423 レベル可変部
426 加算合成部
431〜434 無指向性マイクロホン
441 加算部
442、443 減算部
444、445 レベル可変部
446 加算合成部
451 双指向性マイクロホン
452、453 単一指向性マイクロホン
461〜463 レベル可変部
466 加算合成部
506、507 双指向性信号

Claims (16)

  1. 周囲の複数の音声信号を入力する音声入力手段と、
    前記複数の音声信号に基づいて第1の方向に指向性を有する第1の指向性信号および第2の方向に指向性を有する第2の指向性信号を生成する指向性生成手段と、
    前記第1の指向性信号からノイズ帯域を除去するノイズ除去手段と、
    前記第2の指向性信号に含まれるノイズを認識するノイズ認識手段と、
    前記認識されたノイズの発生期間に応じてノイズ除去期間を示す信号を生成するノイズ除去期間生成手段と、
    前記ノイズ除去期間であることが示されている場合には前記ノイズ除去手段の出力を選択し、前記ノイズ除去期間であることが示されていない場合には前記第1の指向性信号を選択する選択手段と
    を具備することを特徴とする収音装置。
  2. 前記音声入力手段は、複数の双指向性マイクロホンと、1つの無指向性マイクロホンとを備えることを特徴とする請求項1記載の収音装置。
  3. 前記音声入力手段は、複数の無指向性マイクロホンを備えることを特徴とする請求項1記載の収音装置。
  4. 前記音声入力手段は、複数の単一指向性マイクロホンと、1つの双指向性マイクロホンとを備えることを特徴とする請求項1記載の収音装置。
  5. 所定の方向を示す回転係数を生成する回転係数生成手段をさらに具備し、
    前記指向性生成手段は、前記回転係数の示す方向が前記第1の方向であれば前記第1の指向性信号を生成し、前記回転係数の示す方向が前記第2の方向であれば前記第2の指向性信号を生成することを特徴とする請求項1記載の収音装置。
  6. 前記ノイズ認識手段は、前記ノイズに波形近似した所定期間における平均値がゼロであるウェーブレット信号と前記第2の指向性信号との畳込み演算による出力を評価値として前記ノイズ認識を行うことを特徴とする請求項1記載の収音装置。
  7. 前記ノイズ認識手段は、前記ノイズの周波数スペクトルに近似したパターン信号とフーリエ変換された前記第2の指向性信号との相関性を評価値として前記ノイズ認識を行うことを特徴とする請求項1記載の収音装置。
  8. 前記ノイズ除去手段は、ノイズ帯域を除去するフィルタであることを特徴とする請求項1記載の収音装置。
  9. 前記ノイズ除去手段は、前記ノイズ認識手段において認識されたノイズの周波数に基づいて前記フィルタの除去帯域および通過帯域を適応的に変化させることを特徴とする請求項8記載の収音装置。
  10. 前記選択手段は、クロスフェードスイッチであることを特徴とする請求項1記載の収音装置。
  11. 周囲の複数の音声信号を入力する音声入力手段と、
    前記複数の音声信号に基づいて第1の方向に指向性を有する第1の指向性信号および第2の方向に指向性を有する第2の指向性信号を生成する指向性生成手段と、
    前記第1の指向性信号からノイズ帯域を除去するノイズ除去手段と、
    前記ノイズ帯域の除去された信号に対する補間を行う信号補間手段と、
    前記第2の指向性信号に含まれるノイズを認識するノイズ認識手段と、
    前記認識されたノイズの発生期間に応じてノイズ除去期間を示す信号を生成するノイズ除去期間生成手段と、
    前記ノイズ除去期間であることが示されている場合には前記信号補間手段の出力を選択し、前記ノイズ除去期間であることが示されていない場合には前記第1の指向性信号を選択する選択手段と
    を具備することを特徴とする収音装置。
  12. 前記信号補間手段は、
    前記補間のための補間源信号を生成する補間源信号生成手段と、
    前記補間源信号から前記ノイズ帯域以外を除去する補間外除去手段と、
    前記第1の指向性信号のレベル包絡線を生成するレベル包絡線生成手段と、
    前記レベル包絡線に基づいて前記補間のためのレベル係数を生成するレベル係数生成手段と、
    前記レベル係数に基づいて前記補間外除去手段の出力を変調するレベル変調手段と、
    前記ノイズ除去手段の出力と前記レベル変調手段の出力とを合成して前記選択手段に出力する合成手段と
    を具備することを特徴とする請求項11記載の収音装置。
  13. 前記レベル変調手段は、さらに人間の聴覚上でマスキングされるレベルに基づいて前記補間外除去手段の出力を変調することを特徴とする請求項12記載の収音装置。
  14. 前記補間源信号生成手段は、所定の波形および所定の周期からなる複数もしくは単一の周期信号、音声帯域にレベルが均一なホワイトノイズ信号、または、前記周期信号および前記ホワイトノイズ信号の所定の混合比による混合信号の何れかを生成することを特徴とする請求項12記載の収音装置。
  15. 前記信号補間手段は、
    前記補間のための補間源信号を生成する補間源信号生成手段と、
    前記補間源信号から前記ノイズ帯域以外を除去する補間外除去手段と、
    前記ノイズ除去手段の出力の周波数スペクトル包絡線を生成するスペクトル包絡線生成手段と、
    前記スペクトル包絡線に基づいて前記補間のためのスペクトル係数を生成するスペクトル係数生成手段と、
    前記スペクトル係数に基づいて前記補間外除去手段の出力を変調するスペクトル変調手段と、
    前記第1の指向性信号のレベル包絡線を生成するレベル包絡線生成手段と、
    前記レベル包絡線に基づいて前記補間のためのレベル係数を生成するレベル係数生成手段と、
    前記レベル係数に基づいて前記スペクトル変調手段の出力を変調するレベル変調手段と、
    前記ノイズ除去手段の出力と前記レベル変調手段の出力とを合成して前記選択手段に出力する合成手段と
    を具備することを特徴とする請求項11記載の収音装置。
  16. 前記ノイズ除去手段および前記補間外除去手段は、前記ノイズ認識手段において認識されたノイズの周波数に基づいて除去帯域および通過帯域を適応的に変化させるフィルタであることを特徴とする請求項15記載の収音装置。
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