JP4950340B2 - プラスチックシートのマイクロ波加熱を制御及び最適化するための方法 - Google Patents

プラスチックシートのマイクロ波加熱を制御及び最適化するための方法 Download PDF

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Description

本明細書において開示される実施形態は、一般に、マイクロ波エミッタ、及び、熱可塑性ポリマー系を選択的に加熱するためのマイクロ波エネルギーの使用に関する。
熱可塑性ポリマーペレットは、一般に、商業的価値のあるパーツを作るために、一次変換プロセス、例えば押出又は射出成形などにおいて溶融、再成形及び冷却する必要がある。場合によっては、商品価値のあるパーツを獲得するために、さらなる加熱、再成形及び冷却を伴う二次加工プロセス、例えば熱成形などが必要とされる。一次プロセス及び二次プロセスの両方において、熱エネルギーが熱可塑性物質に加えられ、その後、再成形が起こった後に除去される。
熱可塑性ポリマー系のための従来の加熱メカニズムは、多くの場合、接触又は放射熱源に依存する。放射エネルギーは、一般に赤外線と呼ばれ、1〜10μmの範囲内の波長を有し、約1〜2μmの深さまで吸収材料に浸透するまでに利用可能なエネルギーの半分が熱として放散されてしまう。熱伝達プロセスは、伝導のプロセス(固体材料の場合)又は溶融材料の場合には伝導、対流及び機械的混合の組合せを通じて続いていく。同様に、接触加熱は、材料の「バルク」を加熱するために高温接触表面からの伝導(又は伝導、対流及び混合の組合せ)に依存する。
伝導性熱伝達プロセスに関連する伝熱率(RHT)は、一般に、次の関係:RHT=f(A、Ct、ΔT)(式中、Aは熱伝達に利用可能な面積であり、Ctはその材料の熱拡散率であり、ΔTは利用可能な温度推進力であり、これは加熱される材料の温度が上昇するにつれて時間とともに低下する)により説明することができる。未改質熱可塑性物質の熱拡散率、Ctは本質的に低く、そのために従来の放射若しくは接触加熱システムにおいて熱伝達を妨げている。さらに、放射若しくは接触加熱は、望ましくない温度勾配をもたらす可能性があり、場合によっては加熱されている材料の表皮を過熱又はスコーチしかねない。
対照として、マイクロ波は、赤外線の波長と比較して大きい、約12.2cmの波長を有する。マイクロ波は、利用可能なエネルギーが熱として放散される前に、赤外若しくは放射エネルギーと比較してはるかに大きい深度、一般には数センチメートルまで吸収材料に浸透することができる。マイクロ波吸収材料では、マイクロ波エネルギーは、マイクロ波がその材料の中を通って浸透する結果としてその材料を「体積的に」加熱するために使用される。しかし、材料が良好なマイクロ波吸収体でない場合、その材料は本質的にマイクロ波エネルギーに対して「透過性」である。
マイクロ波加熱に関連する一部の潜在的な問題としては、不均一な加熱及び熱暴走が挙げられる。不均一な加熱は、マイクロ波エネルギーがそのパーツ全体にわたって不均一に分布することに起因する場合が多く、例えば従来の家庭用電子レンジでは、回転台を用いて加熱される品物を支持することにより、ある程度克服することができる。熱暴走は、上に概説される不均一な加熱と、温度の関数として変化する誘電損率との組合せによるものと考えることができる。
マイクロ波エネルギーは、例として、平面構造、例えば濡れた織物などを乾燥させるために使用されている。水はマイクロ波感受性であり、十分な期間にわたって十分なマイクロ波エネルギーに曝されると蒸発する。しかし、織物は一般にマイクロ波に透過性であり、それにより、基本的に材料中の唯一のマイクロ波感受性構成材である水にマイクロ波が集中する結果となる。マイクロ波エネルギーはまた、その他の材料、例えば以下の参照文献中の材料などを加熱するためにも使用することができる。
米国特許第5,519,196号には、酸化鉄、炭酸カルシウム、水、ケイ酸アルミニウム、エチレングリコール、及びミネラルスピリットを含有するポリマーコーティングが開示されており、それは食品容器の内層として使用される。そのコーティング層はマイクロ波エネルギーにより加熱することができ、それによって容器中の食品がきつね色になるか又は焦げ目がつく。
米国特許第5,070,223号には、マイクロ波感受性材料及び玩具における蓄熱体としてのその使用が開示されている。開示されるマイクロ波感受性材料としては、フェライト及びフェライト合金、炭素、ポリエステル、アルミニウム及び金属塩が含まれる。米国特許第5,338,611号には、熱可塑性基材を接着するために使用するカーボンブラックを含有するポリマーのストリップが開示されている。
国際公開第2004048463A1号に、電磁放射の影響下で急速に加熱させることのできるポリマー組成物、及び関連用途及び加工方法が開示されている。
ポリマー材料を加熱するためのマイクロ波の使用の主要な制約は、多くの有用なポリマーの低いマイクロ波受容力である。そのポリマーのマイクロ波受容力が低いということは、従ってかかるポリマー系を加熱するために大きな電力か又は長時間の照射を必要とする。マイクロ波吸収のために特に設計されるポリマーにおいては、そのマイクロ波特性と、機械的若しくは熱的特性との間にトレードオフがある場合が多く、すなわち機械的及び熱的特性が望ましい程度より低い場合が多い。
ポリマー材料を加熱するためのマイクロ波の使用のもう一つの主要な制約は、連続的又は半連続的にポリマー材料を効果的に加工及び加熱するために適した、又はそのような加工及び加熱する能力のあるマイクロ波加熱装置の利用可能性に制限があることである。これは、加工される材料の寸法が大きい場合に特に当てはまる。
米国特許出願公開第20030183972号には、マイクロ波エネルギーを用いてバルーンカテーテルを成形するための方法及び装置が開示されている。ジャイロトロンにより発生したマイクロ波エネルギーは型の方向に導かれ、型を加熱することなくポリマー材料を加熱する。このバルーンは、さらなるマイクロ波エネルギーによりさらに加熱することができる。また、製品形成よりも前に、ポリマー原材料を押出機チップ及びダイの中で加熱するためにマイクロ波エネルギーを利用するポリマー押出装置も開示される。
国際公開第2004/009646号には、形状を変えるために、また、繊維強化複合材料の製造後加工に役立つマイクロ波エネルギーの使用が開示されている。シランに基づく繊維のサイジングは、予熱ダイの中で熱によって分解され、炭素が繊維の上に堆積する。次に、この繊維は引抜成形され、押出された熱可塑性物質に覆われる。次に、炭素堆積物は、物品の製造後加工(例えば、物理的な変形及び溶接のための加熱など)においてマイクロ波エネルギーの使用を可能にする。
米国特許第3,843,861号には、ゴム若しくは合成材料のマイクロ波加熱及び加硫のための装置が開示されている。米国特許第6,211,503号には、マイクロ波吸収プラスチックでできた加熱構成材の装置及び方法が開示されている。この装置は、マイクロ波発生器、アンテナ、及び管状の装置を使用して材料を加工する。その中にマイクロ波が注入される管状装置は、外部をマイクロ波から遮断し、波長の半分(マイクロ波に関して約12cm)よりも小さな内径を有するように設計されており、非常に強力な、単一モード場を空洞の中に形成する。この装置は、大体均一なパーツの加熱を可能にすることができるが、非常に小さいパーツ(サイズ6cm未満)に限定される。
米国特許第7,034,266号には、使い捨て吸収体の製造に使用するための調節可能なマイクロ波装置が開示されている。マイクロ波はバインダー繊維材料を活性化させて、吸収性繊維とバインダー繊維の間に複数の相互接続を動作可能なように提供する。このマイクロ波装置は、相互接続材料の連続ウェブ、あるいは、ティッシュ、不織布、又はその他のキャリア材料のウェブにより接続された一連の個々の吸収体のマイクロ波加熱に使用することができる。
米国特許第5,302,993号には、マイクロ波加熱システムを利用して流体を加熱するコンパクト現像装置が開示されている。流体の温度はフィードバック又はフィードフォワード制御ループを用いて制御されて、マイクロ波出力が制御される。
従って、マイクロ波エネルギーを使用する、ポリマー材料の急速で制御可能な体積加熱のための、マイクロ波加熱装置(機器)、及びそれを使用するプロセスが必要性とされている。その上、バルク材料を流動可能にするために十分な、ポリマー材料のごく一部分だけを制御して加熱又は溶融する能力を有する、そしてそのポリマーの成形又はさらなる加工を促進する、材料、機器、及びプロセスが必要とされている。
一態様では、本明細書において開示される実施形態は、熱可塑性材料を加工するための方法に関し、この方法は、熱可塑性材料を選択された供給量でマイクロ波加熱装置に通過させること;この際、マイクロ波加熱装置には、マイクロ波エネルギーを共振空洞に供給するためのマイクロ波エミッタ;少なくとも1つの入口と少なくとも1つの出口を含む共振空洞であって、この入口及び出口が集合的に、熱可塑性材料が共振空洞を通過するための通路を形成している、共振空洞;及び、共振空洞の長さを調節するように設定されている可動ピストンが含まれる;共振空洞内で熱可塑性材料をマイクロ波に曝露すること、この際、この曝露により熱可塑性材料の少なくとも一部分の温度の上昇が引き起こされる;マイクロ波エミッタにより生成された電場を測定すること;測定された電場に応答して可動ピストンの位置を調節すること;並びに、熱可塑性材料を加工することを含む。
もう一つの態様において、本明細書において開示される実施形態は、熱可塑性材料を加熱するための装置に関し、この熱可塑性材料はマイクロ波感受性ポリマー領域を有し、この装置には、マイクロ波エネルギーを共振空洞に供給するためのマイクロ波エミッタ;少なくとも1つの入口と少なくとも1つの出口を含む共振空洞であって、この入口及び出口が集合的に、熱可塑性材料が共振空洞を通過するための通路を形成している、共振空洞;共振空洞の長さを調節するように設定されている可動ピストン;マイクロ波エミッタにより生成された電場を測定するための電場センサ;及び、電場センサから受け取ったデータに基づいて可動ピストンの位置を調節するための制御系が含まれる。
本明細書において開示される実施形態のその他の態様及び利点は、以下の説明及び添付される特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
複数のマイクロ波回路を含むマイクロ波加熱装置の実施形態を例示する図である。 本明細書において開示される実施形態において有用なマイクロ波加熱及び熱成形装置を例示する図である。 本明細書において開示される実施形態に従うマイクロ波回路の簡略図である。 本明細書において開示される実施形態に従う、ピストン変位を関数とする、ピストンのマイクロ波回路の共振を例示する図である。 本明細書において開示されるマイクロ波のチューニング回路の実施形態において有用なフラッタリングピストン(fluttering piston)を例示する図である。 静止サンプルを用いてチューニングしたマイクロ波回路と比較した、本明細書において開示される実施形態に従うマイクロ波回路の動的チューニングを表すグラフである。
一態様では、本明細書において開示される実施形態は、ポリマーを加熱するためのマイクロ波加熱装置に関する。もう一つの態様において、本明細書において開示される実施形態は、大型のポリマー構造を加工する際に有用な多重マイクロ波エミッタを有するマイクロ波加熱装置に関する。ポリマーは、マイクロ波受容性構成材を、ポリマーの主鎖に、あるいは、そのポリマー中のポリマー性又は非ポリマー性添加剤として組み込んでもよく、それによりそのポリマーは、マイクロ波エネルギーの適用によって急速且つ制御可能に加熱される。その他の態様では、実施形態は、マイクロ波加熱装置においてマイクロ波加熱可能なポリマー組成物を加工するための方法に関し、その場合、マイクロ波加熱装置には、マイクロ波回路の動的チューニングのための制御系が含まれる。
代替加熱方法、例えば放射、対流、又は接触加熱などと比較して、マイクロ波エネルギーを使用すると、非常に急速な体積加熱をもたらすことができる。マイクロ波エネルギーの使用により、従来の加熱システムの2つの基本的な制限:パーツ表面からの熱エネルギーの輸送に対する、ポリマーの熱伝導率への依存;及び、ポリマー表面の最大許容温度(それが、順に、最大利用可能温度推進力を決定する)への依存を克服することができる。
ポリマーは、本質的にその化学組成によってマイクロ波に対して感受性である可能性がある。あるいは、マイクロ波感受性ポリマー組成物を、マイクロ波受容性添加剤と、マイクロ波に対して非受容性のベースポリマーを混合することにより形成してもよい。本明細書において開示される実施形態において有用な、適したベースポリマー、マイクロ波受容性ポリマー、及びマイクロ波受容性添加剤は、PCT出願第PCT/US2007/012821号、PCT/US2007/012822号、及びPCT/US2007/012817号、並びに米国特許仮出願第60/932,790号に記載されており、その各々は参照により本明細書に組み込まれる。結果として生じるマイクロ波受容性又はマイクロ波感受性ポリマーは、放射、対流、又は接触加熱の代わりに、あるいは放射、対流、又は接触加熱と組み合わせて、マイクロ波エネルギーを使用して加熱することができる。次に、加熱されたポリマーを加工(例えば混合、移動、造形、型押し、射出、形成、成形、押出、又は有用な物品を形成するための一次変換プロセス又は二次加工プロセスで用いられる別法など)することができる。
本明細書において開示される実施形態は、熱可塑性材料の一部分の体積を選択的に加熱することによる、電磁エネルギーを使用する熱可塑性材料の効率的な変換に関し、その一部分はその後の二次成形技術でこの材料を加工処理可能にするために十分なものである。本明細書の使用において、加工処理可能とは、混合、移動、造形、型押し、射出、形成、押出などを行うバルクプラスチックが製品を形成するために、熱可塑性物質の少なくとも一部分の十分な溶融状態又は軟化を提供することを意味する。熱可塑性基材の加熱は、熱可塑性物質を電磁エネルギー、例えばマイクロ波などに曝露することにより達成することができ、マイクロ波は基材の全体積を貫通し、マイクロ波感受性領域に優先的に吸収される能力を有する。
マイクロ波放射を適用することにより、局所的に、ポリマー試験片の体積、バルク、又は一部分の所定領域で熱が生成され得る。従って、適用したエネルギーの量は注意深く制御され、集中されてもよい。その他の領域は使用する放射線に対して透過性である非吸収材料で構成される可能性があるためである。例えば、未処理のポリプロピレン及びポリエチレンは、マイクロ波放射に対して透過性である。マイクロ波に対して受容性の材料を集中させることにより、使用するエネルギーを減らすことができ、サイクル時間を短くすることができ、且つ、最終材料の機械的特性及びその他の特性を様々な要件及び用途に適合及び最適化させることができる。
マイクロ波感受性材料の中の部位は、電磁エネルギーの吸収に好ましいものであっても好ましくないものであってもよい。有利に吸収性の部位は、電磁エネルギーの影響により容易に且つ急速に加熱される。言い換えれば、基材の体積の指定された部分だけが、その材料のその他の領域と比較して、電磁エネルギーの影響を強く受ける。
このように、電磁エネルギーは、基材、又は、基材の特定の領域と相互作用し、それにより電磁エネルギーが存在する場合に温度が上昇する。材料は体積的に加熱されるので、従来の加熱技法と比較してより急速に加工に適した状態に材料を変換することができる。さらに、その材料は、バルク材料全体が表面伝導により加熱(赤外線加熱)された場合に通常存在する熱エネルギーよりも少ない熱エネルギーを含むので、エネルギーの相当な節約となり得る。例えば、赤外線加熱は、大気に対して相当なエネルギー損失をもたらし、且つ、パーツ表面からパーツの中心へ許容される伝熱率を達成し、コア温度を加工に必要な温度まで上昇させるために、そのパーツの表面温度は所望のバルク温度よりも相当に高いことが必要とされる。対照的に、マイクロ波加熱は、マイクロ波感受性ポリマーの温度を急速に且つ体積的に加工温度まで加熱させるので、相当に低いポリマー表面温度を生じる結果となり得る。マイクロ波加熱はまた、システムからエネルギーが失われる傾向がより少ない可能性があり、エネルギーを、主にそれが必要とされる場所、すなわち、マイクロ波感受性ポリマーに移動させる。マイクロ波加熱はまた、変換プロセスのためのサイクル時間の相当な節約をもたらす可能性がある。マイクロ波加熱メカニズムは(熱伝導とは対照的に)そのバルク全体にわたって急速に起こるためばかりでなく、そのパーツの総エネルギー含量が少ないために、この加熱時間を減少させることができる。材料の非加熱領域が、周辺の加熱領域から熱を抜き取るための冷却用放熱子として効果的に働き、そのバルク材料全体の冷却速度を有意に促進するので、冷却サイクルも減少させることができる。
マイクロ波感受性ポリマーは、一次変換又は二次加工プロセス中に使用してもよい。例えば、一部の実施形態では、マイクロ波感受性ポリマーは、フィルム、発泡体、異形材、配合ペレット、繊維、織布及び不織布、成形品、複合材料、積層品、又は1又はそれ以上のポリマー材料から製造されたその他の物品を含む、ポリマー物品の二次加工中に使用することができる。その他の実施形態では、マイクロ波感受性ポリマーを変換プロセス、例えば、数ある中でも、シート押出、同時押出、フォーム押出、射出成形、フォーム成形、ブロー成形、射出延伸ブロー成形、及び熱成形などにおいて使用することができる。
マイクロ波加熱装置及び電場の制御
工業用マイクロ波オーブンには、一般に3つの主な構成材:目的物にマイクロ波を衝突させることのできるオーブンキャビティ、マイクロ波を生じるマグネトロン、及びマイクロ波をオーブンキャビティに移動させる導波管、が含まれる。連続マイクロ波オーブンには、一般に、全ての非吸収マイクロ波エネルギーを捕捉する役割を果たし得るベスチビュール(vestibule)が含まれ、それにより放射が環境に逃げていくのを防ぐことができる。本明細書において開示される実施形態において有用なマイクロ波加熱装置は、PCT/US2007/012821号、PCT/US2007/012822号、及びPCT/US2007/012817号のPCT出願、並びに米国特許仮出願第60/932,790号に開示されており、その各々は参照により本明細書に組み込まれ、複数の共振空洞を有するマイクロ波装置がそれに含まれる。
複数の共振空洞を使用することにより、均一なエネルギー密度及び高い電場強さが提供され、その結果、マイクロ波感受性材料が急速且つ均一に加熱される。複数の共振空洞は、加熱される予定の材料が単一のエミッタを用いて効果的に加熱できるよりも大きい場合、例えば相当な幅のポリマーシートなどに好ましいであろう。
ここで図1を参照すると、多重共振空洞アレイのための一構成が例示されている。加熱装置40には、マイクロ波エネルギーを制御し、多重共振空洞43に導くための少なくとも1つのマイクロ波発生器及びその他の機器(下に記載)を含む、1又はそれ以上のマイクロ波回路41が含まれ得る。次に、マイクロ波エネルギーは、共振空洞43中のマイクロ波感受性若しくはマイクロ波受容性材料46、例えばマイクロ波感受性ポリマーシートなどに衝撃を与え得る。マイクロ波チョーク47を用いてマイクロ波エネルギーがアレイから漏れることを最小限に抑えることができる。
マイクロ波エネルギーを制御するか又は多重共振空洞43に導くために使用することのできるマイクロ波回路及びその他の機器に関して、マイクロ波エネルギーを加工するために使用することのできるあらゆる機器を使用してもよい。例えば、セクション42には、マイクロ波発生器からのエネルギーを共振空洞43に導き、且つ制御するための機器が含まれてもよく、それには、チューニング装置及び、反射エネルギーのマイクロ波発生器へのフィードバックを最小化するためのその他の回路が含まれる;さらに、導波管44はホーン45を通じてマイクロ波エネルギーを導いてもよく、ホーンは共振空洞43に広がる均一なマイクロ波エネルギー密度をもたらすことができる。使用することのできるその他の機器としては:ホーン、導波管、マイクロ波アンテナ、サーキュレータ、アイソレータ、デュプレクサ、移相器、ツインスタブチューナー、フォースタブチューナー、EHチューナー、ネットワーク・アナライザ、電場プローブ、赤外線パイロメータ、可変電源、及びその他の当業者に公知の機器が挙げられる。
図解されるように、加熱装置40は、並列された12個のマイクロ波回路41(6個が2列)を含み、それらが連動して動作して均一にシート46を加熱することができる。マイクロ波回路の多様なその他の配置を用いてもよく、それには、直線配列が含まれ、この場合、配置はポリマーシート46の所望の部分が加熱されるようになっている。この変化に富んだ配置によって、隣接するマイクロ波回路41が、加熱される予定の材料、例えばシート46などの、隣接しているか又は重なっている部分を加熱することが起こり得る。
上記の供給スロット49は、共振空洞を通過して加熱される材料の単一の通路であり得る(アレイは、全体として、1つの入口及び1つの出口を有する)。一部の実施形態では、熱可塑性材料を選択された及び/又は変動する供給量でマイクロ波加熱装置に通過させてもよい。一部の実施形態では、供給量は、0.1mm/秒〜100mm/秒;その他の実施形態では0.5〜75mm/秒;その他の実施形態では1〜50mm/秒の範囲であってもよく;且つ、さらにその他の実施形態では下限の0.5、1、2、3、4、5、又は10mm/秒から、上限の5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、又は100mm/秒までであってもよく、この際、上限と下限のいずれの組合せを使用してもよい。
マイクロ波チョーク47は、入口及び出口を通じて多重共振空洞からマイクロ波がもれることを最小限に抑えるよう構成されてもよい。その上、供給スロット49は、入口及び出口を通過する様々なサイズ(厚さ及び/又は幅)のシートに適応できるよう調節可能であってもよく、また、このシートが共振空洞43の中を最大の電場で通過することができるように、空洞43に関しても調節可能であってもよい。
可動ピストン48は、垂直に調節して共振空洞の効果的な長さを変えることができる。可動ピストン48は、例えば、絞り板から共振空洞の底部までの長さを効果的に調節して、マイクロ波振動数に関して共振空洞のチューニングを可能にし、定在波を発生させることができる。制御系は、多重空洞アレイを単一ユニットとして制御することができる。このように、個々のピストンを個別に調節してそれぞれの共振空洞をチューニングしてもよい。各々のマイクロ波エミッタ−共振空洞の組合せについてのパラメータを操作する際の小さな変化によって、各マイクロ波回路を微調整することができることが好ましい。
図1には12個のマイクロ波回路を有する実施形態が例示されているが、その他の実施形態は、シート試験片を加熱するための1又はそれ以上のエミッタを含んでもよい。例えば、マイクロ波回路の数は、その他の変数の中でも、マイクロ波発生器のサイズ、加工される材料のサイズ、及び所望の加熱速度に基づいてもよい。
ここで図2を参照すると、本明細書に記載されるマイクロ波加熱装置を組み込んでいる熱成形機器30の実施形態が図解される。熱成形機器30には、供給ステージ31、加熱ステージ32、及び形成ステージ33が含まれ、その各々は、電気キャビネット34からの配線により制御され、且つ、又は電力供給され得る。ポリマーシート又はブランク35は、ポリマーシート又はブランク35を輸送するための駆動ベルト36を用いて間欠的に加熱ステージ32に供給されてもよい。ひとたび加熱ステージ32に装入されると、ポリマーシート又はブランク35をマイクロ波エネルギーに曝露するためにマイクロ波加熱装置37が使用される、そのマイクロ波加熱装置37には上記の機器が含まれてもよい(マイクロ波発生器、チューナー、ホーン、導波管、その他)。ひとたび加熱されると、ポリマーシート又はブランク35は、熱成形ステージ33に輸送され得る。熱成形ステージ33への輸送の間、赤外線カメラ38又はその他の機器を用いてポリマーシート35の温度をモニターして、ポリマーシート35が所望の温度又は温度プロフィールであることを確認することができ、またマイクロ波加熱装置37を制御することもできる。ひとたび熱成形ステージ33に装入されると、所望の形状又はパーツが形成されるように、型39を用いてポリマーシート35を形成してもよい。
上述のように、1個より多くのマイクロ波回路を用いてマイクロ波感受性ポリマーを加熱することができる。多重マイクロ波回路は、加熱される予定の材料が、単一のカイロを用いて効果的に加熱されるよりも大きい場合に好ましいことが多い。多重回路アレイのための一構成は、直線配列の加熱ユニットであり得る。この場合、各ユニットは隣接するユニットの横に一列に並んでもよい。これらのユニットは相互に機械的に密接に連結されて、多重空洞の入口及び出口供給スロットが一体となった供給スロットを形成し、単一のエミッタが個別に扱うことのできるものよりも大きいサイズの材料を扱うことができる。隣接する共振空洞間の分離は、比較的小さく、加工の間、シート全体にわたって比較的均一な温度上昇が達成されるように設計されている。個々のマイクロ波回路は、アレイを通過する材料の隣接する領域を加熱する可能性がある。一部の実施形態では、個別に電力供給されるユニットは、ポリマーシート全体にわたって均一で高強度マイクロ波場を確立することができ、シートがアレイを進む時に、材料を要望どおり造形又は形成するために必要な温度までシートを急速に加熱し、成形作業より前の加熱プロセスの全体的なサイクル時間を減少させる。
上述のように、所定の長さの共振空洞、及びマイクロ波発生器から放射されるマイクロ波放射の振動数に関して、定在波が共振空洞の内部に構築され得る。この定在波は、非常に高い電場強度を共振空洞内部に構築することを可能にすることができる。
マイクロ波回路及び共振空洞のチューニングは、調節可能なピストンを静止サンプルと共に移動させることによって、電場を最適化することにより行うことができる。例えば、サンプルを加熱ユニットに配置し、マイクロ波チョークを調節してマイクロ波の漏れを最小化し、マイクロ波発生器に電力を供給することができる。結果として得られる電場はダイオードセンサで測定することができ、可動ピストンはマイクロ波を共振させるために単一の位置に調節することができる。チューニング後、マイクロ波場を通ってサンプルを運び、熱成形温度まで加熱してもよい。電場及びサンプル温度はそれがプロセスを通過するときに、前に述べた機器、例えば電場プローブ、IRセンサなどを用いてモニターしてもよい。
マイクロ波回路をチューニングする一例を、図3A及び3Bに図解する。図3Aに図解されるように、基板60がマイクロ波加熱装置62の中に配置されており、それには、マグネトロン64、ホーン66、共振空洞68、可動ピストン70、及びマイクロ波チョーク72が含まれてもよい。電場は、ピストン変位の関数として測定され、その結果は図3Bに説明される。電場は、ピストン変位が約12.5mmで最大である。このことは、ピストン70の位置を調節することにより共振空洞68中のマイクロ波の電場及び共振を制御する能力を説明する。
ポリマーシートを含む、マイクロ波加熱可能な基材は、例として、押出プロセスの結果生じる平均厚さを有し得る。しかし、この厚さは、シートの幅及び長さよりも変動する可能性がある。その上、シートの幅及び長さにわたって組成による相違にも遭遇する可能性がある。マイクロ波回路チューニングに影響を及ぼし得るその他の変数には、空洞内の基材の位置、基材物質の種類、(基材内部又は大気の)湿分、及びその他の因子が含まれ得る。これらの変数は、移動基材を加工する際に不安定な電場をもたらす可能性があり、それは不十分な基材の加熱又は不均一な基材の加熱をもたらす可能性がある。これは、順に、適切に基材を加工すること、例えばシートを熱成形することなどができないという結果をもたらし得る。
移動基材の加工は、電場の閉ループ制御を必要とし得る。一貫した電場は、均一な加熱及び均一な温度分布をシートにわたってもたらし、熱成形プラスチックシートに必須である。電場の閉ループ制御は、基材がマイクロ波場の中を運ばれる時に基材の軽微であるか又は著しくさえある差異を克服することができる。共振は、例えば、空洞又は導波管の内部の電場をモニターすることにより、又は空洞の内部か若しくは外部のいずれかの関心対象の材料の温度をモニターすることにより、測定することができる。閉ループ制御は、調節可能なピストンの位置、マイクロ波発生器への入力、移相器の設定、絞り板の直径、シートの温度又は誘電特性、及びその他の1又はそれ以上を制御することにより達成することができる。
一実施形態では、ピストンの位置による電場の閉ループ制御は、例えば、電場ダイオードセンサ、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)、及びピストン作動装置ハードウェアによって達成することができる。プログラム可能なソフトウェアを用いて、コントローラの応答を最適化してもよい。ピストンの動きは、いかなる手段、例えば水圧、空気圧、又は、電気的若しくは磁気的方法を含む、ピストンを直線的に移動させるその他の公知の方法などによって行われてもよい。
ポリマーシートの加熱のさらなる制御は、マイクロ波場の強度の制御を組み込むことによってもたらされ得る。例えば、可変電源を、マイクロ波発生器に動作可能に連結してもよい。PLC及び関連ソフトウェアを用いて、例えば、マイクロ波加熱装置から出るシートの温度に応答して、マイクロ波発生器への入力を制御することができる。
ここで図4を参照すると、閉ループ制御は、ピストンの頂面を「素早く不規則に振動させる」こと(フラッタリング・fluttering)により共振を探すことのできる新しいピストンで達成することもできる。ピストン80の位置は、上記のように調節可能である。図4に図解されるように、ピストンは、ロッド82及び空気圧シリンダ84によって調節可能であり得る。電気機械的に言えば、このピストンは、上記の固体金属ピストンとして機能する。ピストン80には、ケーシング86、コイル88、及びピストン頂面90が含まれ得る。コイル88は、ピストン頂面90を振動させるために使用され得る。一部の実施形態では、コイル88は、ピストン頂面90を1mm以下の間隔で移動させることができる。
ピストン頂面を十分速く振動させることにより、ピストン位置は共振位置を行き過ぎ、且つ共振位置に到達しない結果となる。これは、共振位置がピストン頂面のDCオフセット(又は平均位置)に類似していることを意味する。そのため、新しいDCオフセットが現在のDCオフセットからどの方向にあるかをPLCに知らせる派生的な情報が明らかになる可能性がある。
ピストン頂面90は、適応更新され得る振動数で振動させておくことができる。探索速度(スルー・レート及び感度)は材料の誘電率及び磁気透過性に依存するので、この適応制御はシステムに利益をもたらし得る。その上、新しいDCオフセットに必要なスルー・レートが達成されるように、適応的に確認され得る最小振動数が存在する可能性がある。言い換えれば、ピストンは、加熱速度が維持されるように、共振条件を維持するのに十分な速さで動く必要がある。
マイクロ波システムの制御を実現するためのアルゴリズムは一意的である必要はない。しかし、一部の実施形態では、特定の最適化が起こらざるを得ない。例えば、内臓マイクロコントローラ記憶装置(ROM及びRAM)での、実行速度の最適化は、一般的に知られていない特定のアルゴリズム的特徴を必要とし得る。
ピストン頂面90の振動数は、測定された制御シグナルが変化する速度に比例するはずである。典型的な振動数は、アプリケーターの中を通る材料輸送の速度、及びその後の様々な電場に応じて、1Hz〜1kHzの範囲内であってもよい。しかし、もし輸送速度が速く、電場変化が同等に大きい場合、より多くの振動数が使用され得る。制御系は、制御測定値を変えるために十分な速さでデータを取得し、且つ、応答するために十分に速くあるべきである。一部の実施形態では、フラッタリングピストンは、ポリマーシートの加熱が影響を受けない十分に高い振動数で、DCオフセットが連続的に調節することができるように十分な速さで、且つ、電場を測定することができる十分な遅さで振動させることができる。
上記のように、本明細書に記載される実施形態で使用されるマイクロ波加熱装置には、共振空洞の長さを調節するための可動ピストンが含まれ得る。上記のように、所定の空洞長さ及びマイクロ波放射の振動数に関して、定在波を共振空洞内部に確立することができる。この定在波は、非常に高い電場強度を共振空洞内に確立することが可能である。可動ピストンにより提供される、(定在波の方向に)共振空洞の長さを変動できることは、共振空洞を微調整することを可能にすることができる。この共振空洞を微調整する能力により、様々なサイズ及び誘電特性を有する材料のマイクロ波加熱が可能となり得る。さらに、可動ピストンの位置を用いて、空洞の入口及び出口を経由する共振空洞6からのマイクロ波エネルギーの漏れの量を減少させるか又は最小限に抑えることができる。マイクロ波チョーク(示さず)を使用して、空洞の入口及び出口を経由するマイクロ波エネルギーの漏れを防いでもよい。
上記のように、マイクロ波加熱装置をチューニングし、定在波を生成し、漏れを減らし、反射エネルギーの悪影響を最小化し、且つ、マイクロ波加熱装置で加熱される予定の材料の共振周波数を適合させることができる。チューニングには、移相器、チューニング装置、マイクロ波発生器に対して絞り板の位置を変えること、共振空洞の長さを変えること、及び、空洞内で加熱される予定の材料の位置を変えることも含まれ得る。
結果として生じる共振空洞内の電(電磁)場は、加熱されている材料の全域で均一な加熱帯をもたらし得る。材料(例えばシートなど)を入口及び出口(供給スロット)を通じて動かすことにより、その材料は共振空洞を通過し、マイクロ波場に暴露されて加熱される。共振空洞の中を移動する材料の加熱速度は、例えば共振空洞の中を材料が通過する速度を変えることによるか、又は共振空洞内部の電場強度を変えることによるかなど、(例えば可動ピストンの位置又はマイクロ波発生器への入力を操作することによるなど)、様々であってもよい。
その他の実施形態では、本明細書において開示されるマイクロ波装置には、マイクロ波システムで一般に使用され、当業者に公知であるその他の構成材が含まれてもよい。例えば、本明細書において開示されるマイクロ波システムには、数ある中でも、方向性結合器、増幅器、減衰器、変圧器、伝送回線、アンテナ、コネクター、カップラー、スプリッタ、発振器、及びマイクロ波インピーダンスチューナーが含まれてもよい。
本明細書において開示されるマイクロ波加熱装置は、材料を共振空洞の中に通すことによりマイクロ波加熱可能な領域を有する熱可塑性材料を加熱するために使用され得る。マイクロ波発生器から共振空洞に送られるマイクロ波エネルギーは、マイクロ波加熱可能な領域を加熱することができ、上記のように、熱可塑性材料を加工させる。
本明細書において開示されるマイクロ波加熱装置は、ポリマーの急速且つ均一な加熱が可能であり、且つ、マイクロ波感受性ポリマーの性質(受容体の種類、受容体の濃度、マトリックスの種類、その他)及び加工される材料の形態(厚さ、形状、その他)に適合させることができる。例えば、様々な実施形態において、本明細書において開示されるマイクロ波加熱装置には、可変電源が含まれてもよく、ホーンは均一なエネルギー密度分布をもたらすことができる;さらに、様々なチューニング装置は、放出されるマイクロ波波長の細かいチューニングを可能にすることができる。このように、マイクロ波加熱装置は、特定の基材を効率的に加熱するように調整することができる。
分析測定装置(示さず)も、マイクロ波加熱装置の性能をモニターするか又は促進するために提供されてもよい。ホーンの内部、共振空洞の内側又は外側、あるいは任意のその他の適した位置に取り付けられた、熱画像形成装置、例えば赤外線パイロメータ、温度センサ、熱電対、及び同類のものは、加工される材料の温度をモニターすることができ、その材料のリアルタイムな温度測定値を提供することができる。これらの熱画像形成装置を用いて、通常加熱材料の成形の前に、加工中の温度の発生(evolution)をモニターすることができる。例えば、赤外線パイロメータは、ホーンの内部に設置し、空洞内で加熱されている材料を見下ろしてもよい。この赤外線パイロメータは、リアルタイムのサンプル表面温度をモニターすることができる。赤外線パイロメータからのデータはコントローラに供給され、次にコントローラが加熱されている材料の通過速度、マイクロ波入力、及びその他の加工変数を変えて、所望の程度の加熱を達成することができる。このように、加熱を制御することにより、軸方向と軸に垂直な方向の両方に(シートの幅及び厚さにわたって)、最終的に加熱されている材料全体にわたって均一な温度分布を可能にすることができる。
使用されるマイクロ波エミッタのために選択される定格電力は、加熱されているポリマー試験片のサイズ又は厚さによって決まり得る。定格電力はまた、変数、例えば加熱ステージの上流又は下流で起こる運転のサイクル時間などに基づいても選択される。ある種の実施形態では、加工柔軟性、例えばパーツサイズ又は組成(マイクロ波受容性添加剤の量又は種類)を変える能力などを提供する可変電源を用いることもできる。
一部の実施形態では、マイクロ波エミッタは、100W〜1,000kWの範囲の一定な、又は変動する定格電力を有し得る。その他の実施形態では、この定格電力の範囲は500W〜500kW;その他の実施形態では1kW〜100kW;その他の実施形態では5kW〜75kW;さらにその他の実施形態では10kW〜50kWであってもよい。ある種の実施形態では、定格電力の範囲は、15kW〜40kW;さらにその他の実施形態では20kW〜30kWであってもよい。その他の実施形態では、定格電力は、下限の10、20、50、100、500、1000、又は5000Wから、上限の5、10、15、20、25、又は30MWまでの範囲であってもよい。
その他の実施形態は、シート試験片を加熱するための1又はそれ以上のエミッタを含んでもよく、その場合用いられるエミッタの数は、エミッタサイズ、シートサイズ、所望の加熱速度、及びその他の変数に基づき得る。一部の実施形態では、シート厚さは、0.01mm〜10cm;その他の実施形態では0.1mm〜7.5cm;さらにその他の実施形態では0.25cm〜5cmの範囲であり得る。その他の実施形態では、本明細書において開示される多重エミッタアレイは、厚手シート適用に使用することができ、その場合シートの厚さは15cm以下;その他の実施形態では10cm以下;その他の実施形態では5cm以下;さらにその他の実施形態では2.5cm以下であり得る。
本明細書に記載される多重エミッタアレイはまた、相当大きい幅を有するシートの加工も可能にさせる。例えば、本明細書において開示される実施形態は、10フィート以上;その他の実施形態では8フィート以上;その他の実施形態では6フィート以上;その他の実施形態では4フィート以上;さらにその他の実施形態では2フィート以上の幅を有するシートを加工することができる。
多重エミッタアレイで加工され得るシートのアスペクト比は、一部の実施形態では1〜5000の範囲であってもよく、この場合、アスペクト比は、平均厚さで除算された平均幅と定義される。その他の実施形態では、アスペクト比は、10〜2500;その他の実施形態では50〜1000;さらにその他の実施形態では100〜500の範囲であってもよい。
上記のシート厚さ、幅、及びアスペクト比に関して、シート長さは任意の所望の長さであってもよい。シート長さは、例えば、下流の加工が連続シートを、例えばロールから加工するよう設定されているか、又は限定された長さのシートを加工するよう設定されているどうかによって決まり得る。したがって、シート長さは、数センチメートルから無限の長さまで変動する可能性がある。
シート幅、長さ、又は厚さに関わらず、本明細書の使用において開示される多重エミッタアレイは、一部の実施形態においては選択されたシート領域の選択的加熱を提供し、さらに、その他の実施形態において、シートの急速で均一な加熱を提供することができる。本明細書の使用において、急速な加熱とは、一部の実施形態では少なくとも5℃/秒の速度で;その他の実施形態では少なくとも10℃/秒;その他の実施形態では少なくとも20℃/秒;その他の実施形態では少なくとも30℃;さらにその他の実施形態では少なくとも50℃で、シートの少なくとも一部を加熱することをさし得る。本明細書の使用において、均一な加熱とは、シート、又はシートの少なくとも選択された部分の加熱をさし、この際、加熱される部分の最大温度分散は、一部の実施形態では10℃以下;その他の実施形態では7.5℃以下;その他の実施形態では5℃以下;その他の実施形態では4℃以下;さらにその他の実施形態では3℃以下である。従来の赤外線加熱と比較して、本明細書において開示されるマイクロ波加熱装置の様々な実施形態により提供されるこの加熱速度及び温度分散は、サイクル時間に利点をもたらし、過剰な熱への曝露によるポリマーへの有害作用を減らすと同時に、改良された加工を提供することができる。
上記のマイクロ波加熱装置を用いて、マイクロ波受容性ポリマー、及び、ポリマー材料とマイクロ波受容性添加剤を含む複合材料を含む、様々なポリマー材料を加熱することができる。
適用
上記のように、本明細書において開示されるマイクロ波加熱装置は、その後の加工、例えば混合、移動、造形、型押し、射出、形成、成形、押出、又はさらに加工される別法などのためにポリマーを加熱するために使用することができる。一部の実施形態では、本明細書において開示されるマイクロ波加熱装置は、例として、厚手シートの熱成形プロセス、例えば冷蔵庫ライナーを形成するためなどに有用であり得る。その他の実施形態では、本明細書において開示されるマイクロ波加熱装置は、例として、エアレイドバインダー繊維の加熱、結合、又は加工に有用であり得る。その他の実施形態では、本明細書において開示されるマイクロ波加熱装置は、例として、ブロー成形プロセスに、例えば吹込み成形ボトルの形成に、有用であり得る。
その他の実施形態では、本明細書において開示されるマイクロ波加熱装置は、加工されるポリマーを完全に溶融しない用途において有用であり得る。例えば、マイクロ波加熱装置を用いて、ポリマーの選択部分をこの装置に通して選択的に加熱し、それにより、例えば形成、成形、又は型押しプロセスなどによってさらに加工される部分だけに熱エネルギーを集中させることができる。これは、加工中に扱われる材料の構造上の完全性を強化し、サイクル時間を減らし、且つ、その材料を所望の形状に加工するために必要なエネルギーを減らすことができる。
その他の実施形態では、本明細書において開示されるマイクロ波加熱装置は、エンボスシート熱成形を含む、エンボスシートを加工する際に有用であり得る。従来の赤外線熱成形では、入熱はシートの表面を通過する必要があり、多くの場合エンボス構造又は表面細部の保持力を低下させる。上記のような加熱サイクルの低下に加えて、マイクロ波加熱装置は、シートに付与されるエネルギーフットプリントの低下に起因して加工中のエンボス構造の保持力を増大させることができる。
その他の実施形態では、選択的加熱は、非感受性層が間に散在しているポリマーのマイクロ波感受性層の使用を可能にすることができる。積層ポリマーは、最適な温度プロファイリング;ポリマー加工中のパルスマイクロ波エネルギーの使用;パーツの特定領域の加熱をもたらすマイクロ波エミッタの選択的配置;及び、1又はそれ以上の熱可塑性物質パーツ又は層のマイクロ波感受性のおかげで優先的又は選択的過熱をもたらすことのできるその他の顕在化をもたらし得る。
実施例1:
図2に図解されるものに類似する、マイクロ波加熱装置には、定格2.425〜2.475GhzのPhilips 2722 IGS 2004サーキュレータと組み合わせた、Industrial Microwave SystemsによるGU 300 SMPS 3kWマイクロ波発生器ユニットが含まれる。これらの構成材は、ポリマーシートの加熱のための共振空洞に動作可能なように接続されている。輸送システムも、共振空洞に動作可能に連結されて、加熱されているサンプルをサンプルマガジンからマイクロ波アプリケーターを通じて加工用の熱成形ステージまで輸送する。共振空洞内部の電場のチューニングは、回転によりピストンを上下に移動させるLenzoサーボモーターを用いるピストン位置の調節によって制御される。
4mm厚さの、14重量%のゼオライトAを有するポリプロピレンシート(ホモポリマー)を、1200ワットの電力設定のマイクロ波加熱装置を用いて通過させて加熱し、共振空洞を出るこのシートの温度を、時間を関数として測定する。比較目的のため、静止サンプルを用いてチューニングしたマイクロ波加熱装置を用いて3回実行する。次に2回実行し、その間に制御系を介して調節可能なピストンの位置を制御する。1回の実行は約90秒間制御され、もう一方は130秒間制御される。
制御を行う及び行わない移動サンプルの加工は、図5に説明されるようにサンプル温度に大幅な違いをもたらす。共振空洞のチューニングを行わないで実行すると、サンプル温度に30℃の相違が得られ、一方、ピストン位置を制御して共振空洞のチューニングを達成すると、適度に一定なサンプル温度、設定点から約5℃の偏差がもたらされた。時間とともに、このチューニングにさらなる改良を、例えば、設定点からの偏差の比例、積分及び/又は導関数測定に対するシステムゲインの設定を改良することなどにより、行ってもよい。
上記の結果に説明されるように、システムドリフト及び材料の構造変化及び組成変化は、システム制御を事実上不可能にすることがある。一部の実施形態において熱示度数及び電場プローブに基づく電力制御と組み合わせた、連続チューニングを導入することにより、加熱されているポリマーシート全体にわたって一定の温度分布を得ることが可能となり得る。この連続的な微調整は、あらゆる手段、例えばサーボモーター、又は水圧若しくは空気圧ピストン変位、又は測定される電場に対して事実上瞬時に反応することができる、より高性能の素早く不規則に振動させる装置により達成されてもよい。
輸送システム自体は、空洞の内側の誘電状態に最小の影響を有するべきである。理想的な輸送システムは、空洞自体に入らないが、外的手段、例えば材料を押したり引いたりすることなどにより空洞の内側に材料を移動させる。パーツのサイズが空洞と同じような寸法である場合、空洞の内側に落ちないように材料を支える必要があろう。これは、使用されるマイクロ波条件で加熱されない誘電不活性材料によって、あるいは、マイクロ波によるか、又は加熱される予定の材料による伝導によるかのいずれかで、輸送システム自体の加熱を回避するために、空洞を通じて定期的に供給される支持(横から又は重力による支持)システムによって、達成することができる。輸送システムが空洞を通過する場合、そのチューニングは、それに応じてチューニングすることにより輸送システムによる電場の変化を適応させるようなものであるべきである。
本明細書において開示される実施形態は、熱可塑性材料の急速な体積加熱を提供することができる。実施形態はまた、熱可塑性構造の別個のパーツ、例えば例として、積層されたか又は共押出された多層構造中の個々の層などの選択的加熱を提供することができる。ポリマー加工に関して、この技術は、設計者及び処理装置に多くの利点を提供することができ、それには、選択的な急速加熱;加熱/冷却サイクル時間の減少(高速);高いエネルギー効率及びその他の環境的利益、例えば放出物の低減(煙を出さない乾式プロセスであるため)及びリサイクル可能性の増大(自己強化型単一材料構成材のより広範な使用を可能にすることによる);自己強化型パーツの特性保存(戻りのリスクを低下させる);生産性の増加;改良されたパーツ品質及び強度;並びに熱プロセスにおける滞留時間の減少に起因する熱崩壊の最小化(それにより、ポリマー配合物中の熱安定化添加剤を減らすことができる)が含まれる。
本明細書において開示される実施形態は、均一なエネルギー密度及び高い電場強さをもたらすマイクロ波加熱ユニットを提供することができる。このマイクロ波加熱装置は、マイクロ波エネルギーの適用を通じて急速且つ制御可能に吸収ポリマーを非常に弱く加熱するための、非常に高い電場を確立することができる。その上、制御系を用いて電場を維持すると同時に移動基材を加工することができ、その場合制御系は加熱されている材料の組成、サイズ、及びその他の分散の原因となるマイクロ波加熱装置を適合させる。
有利には、本明細書において開示される実施形態は、加熱時間の減少、全体的な二次加工サイクル時間の減少、故にピースパーツコストの低減を提供することができる。本明細書において開示される実施形態はまた、「冷却用放熱子」を加工されている材料の中に導入することによる選択的加熱を使用する結果として冷却時間の減少をもたらすことができる。その上、体積加熱は、「表面」又は「接触」加熱の必要をなくし、そのため、高いポリマー表面温度の有害作用の可能性をなくす。体積加熱はまた、シート厚さによる望ましくない温度勾配をなくす。
本明細書において開示される実施形態は、全体的なサイクル時間の減少及びシステムエネルギー必要量の減少を通じて、改良された生産性も有利に提供することができる。本明細書において開示される実施形態はまた、全ての熱可塑性材料に最適な熱成形条件を提供し、且つ、特に、(そうでなければ許容されないほど狭い処理ウィンドウを有する)厚手の熱可塑性ポリオレフィンシートの熱成形を可能にする、調整された熱プロファイリングも提供することができる。
本発明に限定されるいくつかの実施形態に関して説明してきたが、本開示の利益を得る当業者であれば、本明細書に開示される本発明の範囲から逸脱することなくその他の実施形態が考案され得ることを理解するであろう。特に、本発明の実施形態はまた、多重エミッタよりもむしろ単一エミッタを使用してもよい。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限されるべきである。

Claims (5)

  1. 熱可塑性材料を加工するための方法であって、
    熱可塑性材料を選択された供給量でマイクロ波加熱装置に通過させることであって;
    前記マイクロ波加熱装置が、
    マイクロ波エネルギーを共振空洞に供給するためのマイクロ波エミッタと;
    少なくとも1つの入口と少なくとも1つの出口を含む共振空洞であって、前記入口及び出口が集合的に、前記熱可塑性材料が前記共振空洞を通過するための通路を形成している、共振空洞と;
    前記共振空洞の長さを調節するように設定されている可動ピストンとを含むことと;
    前記共振空洞内で前記熱可塑性材料をマイクロ波に曝露することであって、前記曝露により前記熱可塑性材料の少なくとも一部分の温度の上昇が引き起こされることと;
    前記マイクロ波エミッタにより生成された電場をピストン変位の関数として測定することと;
    前記測定された電場に応答して前記可動ピストンの位置を調節することと;
    前記熱可塑性材料を加工することと
    を含む、方法。
  2. 前記熱可塑性材料の温度を測定すること;及び、
    前記可動ピストンの位置、前記マイクロ波発生器への入力、及び前記熱可塑性材料の供給レートのうちの少なくとも1つを、前記測定された温度に応答して調節すること
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記可動ピストンが、フラッタリングピストンをさらに含み、前記方法が、前記フラッタリングピストンをフラッタリングさせることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. マイクロ波感受性ポリマー領域を含む熱可塑性材料加熱に適した装置であって、前記装置が、
    マイクロ波エネルギーを共振空洞に供給するためのマイクロ波エミッタと;
    少なくとも1つの入口と少なくとも1つの出口を含む前記共振空洞であって、前記入口及び出口が集合的に、前記熱可塑性材料が前記共振空洞を通過するための通路を形成している、前記共振空洞と;
    振動する頂面を有し、前記共振空洞の長さを調節するように設定されている可動ピストンと;
    前記マイクロ波エミッタにより生成された電場をピストン変位の関数として測定するための電場センサと;
    前記電場センサから受け取ったデータに基づいて前記可動ピストンの位置を調節するための制御系と
    を含む、装置。
  5. 前記可動ピストンが、フラッタリングピストンを含む、請求項4に記載の装置。
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