JP4947613B2 - 造粒組成物の製造方法 - Google Patents
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(1)保水量が400%以上、ゲル押込み荷重が100〜3000g、水溶性成分が40〜95%である機能性澱粉粉末を結合剤として用い、水への溶解度が0.0001〜10g/Lの1種以上の活性成分を含む粉粒体を湿式造粒することを特徴とする、造粒組成物の製造方法、
(2)結合剤としての機能性澱粉粉末が1箇所以上がくぼんだ構造を有し、粒子径が50〜500μmの澱粉粒子を含有している機能性澱粉粉末を用いる、(1)に記載の造粒組成物の製造方法、
(3)水への溶解度が0.0001〜10g/Lの1種以上の活性成分が、医薬品薬効成分、農薬成分、肥料成分、飼料成分、食品成分、化粧品成分、色素、香料、金属、セラミックス、触媒、及び界面活性剤から選択される、(1)または(2)に記載の造粒組成物の製造方法、
(4)結合剤としての機能性澱粉粉末が澱粉質原料を水存在下60℃以上100℃未満で加熱し、澱粉質原料の澱粉粒子を膨潤させる工程、次いで該膨潤させた澱粉粒子を乾燥させ、澱粉粒子と該澱粉粒子の外部に存在するアミロースとアミロペクチンとを含有する混合物の粉末を得る工程を含む方法によって製造される機能性澱粉粉末である、(1)〜(3)の何れか1つに記載の造粒組成物の製造方法、
(5)結合剤としての機能性澱粉粉末が、減圧下、100〜130℃で加熱処理された澱粉質原料を、さらに水存在下60〜150℃で加熱し、澱粉質原料の澱粉粒子を膨潤させる工程、次いで膨潤させた澱粉粒子を乾燥させ、澱粉粒子と該澱粉粒子の外部に存在するアミロースとアミロペクチンとを含有する混合物の粉末を得る工程を含む方法によって製造される機能性澱粉粉末である、(1)〜(3)の何れか1つに記載の造粒組成物の製造方法、
(6)澱粉質原料が馬鈴薯澱粉である、(4)または(5)に記載の造粒組成物の製造方法、
に関する。
水溶性成分は、澱粉粉末が加熱処理により糊化し水溶性となった糊成分の量を表す値である。水溶性成分が40%より少ないと結合性が弱いため、造粒が進まず、錠剤の硬度も低くなる等の点で好ましくない。水溶性成分が95%より多いと錠剤の硬度は高くなるが、崩壊時間が長くなる等の点で好ましくない。水溶性成分を40%〜95%の範囲にすることで、造粒不十分による小さな粒子を残したまま粒子が大きく成長してしまうような造粒の偏りを抑えることができるため、適度な大きさと均一な粒度分布を有し、粒度毎の薬物含量均一性が高く、圧縮成形して得られる錠剤等の組成物が高い硬度と良好な崩壊時間を兼ね備えた圧縮成形特性を有する造粒組成物を製造することができる。
小粒子側の粒度分布の均一度=D10/D50
従来の結合剤を用いた造粒方法では、例えば、平成13年度標準処方研究会講演要旨集の28〜31ページには、結合剤にHPC−Lを用いてエテンザミドを0.1%含む乳糖とコーンスターチの混合粉末(7:3)を高速攪拌造粒する場合、未整粒下では1000μm以上が30.3%、1000〜710μmが10.3%、710〜500μmが9.3%と粗大粒子が非常に多く発生し、或いは、乾燥の前後に粉砕を伴う整粒処理を行う方法では500μm以上の粗大粒子は少なく抑えられるが逆に75μ以下の粒子が9.6%と多く発生してしまうことが掲載されているように、特別な処理無しで均一な粒度分布を得ることは難しかった。また、水への溶解性が0.0001〜10g/Lである活性成分を配合しないと、比較例1〜5に記載しているように、粒度分布の均一度が大粒子側、小粒子側ともに0.4以上となる造粒組成物を得るのは難しかった。
(1)保水量(%)
乾燥した澱粉粉末W0(g)(約1g)を、約15mlの20℃±5℃の純水が入った50cm3遠沈管へ少しずつ入れ、かき混ぜながら透明〜半透明になるまで純水に分散させる。50cm3沈降管の7割程度になるよう20℃±5℃の純水を追加して遠心分離(2000G、10分)する。遠心分離終了後すぐに分離した上層を切り捨てた後、下層に残る重量W(g)(澱粉+澱粉が保持する純水量)から下式により保水量を求める。
(2)ゲル押込み荷重(g)
澱粉粉末0.5gを50MPaで圧縮して得られる直径1.13cmの円柱状成型体を20℃±5℃の純水中に4時間浸漬しゲル化させた後、0.1mm/secの速度で3mm円柱状のアダプターを押込んだ時の最大荷重と定義する。最大荷重とはゲル層の破断があれば破断時の、破断がなければアダプターがゲル化した円柱状成型体に5mm侵入するまでに示した最大の荷重値とする。
(3)水に分散させたときの沈降体積
乾燥した澱粉粉末1.0gを20℃±5℃の純水に分散させて100mlの沈降管に移し、全量を100cm3とし、16時間放置した後、上下に分かれた下層の容積を読み取る。
(4)水溶性成分
澱粉1.0gに20℃±5℃の純水99.0gを加えてマグネチックスターラーで2時間攪拌して分散させ、得られた分散液40cm3を50cm3の遠沈管に移し、5000Gで15分間遠心分離し、この上澄液30cm3を秤量瓶に入れ、110℃で一定重量になるまで乾燥する。試験に用いた澱粉1.0中の絶乾重量W0(g)と、乾燥後の重量W(g)から下式により水溶性成分を求める。
(5)くぼみを有する澱粉粒子の粒子径(μm)
澱粉粒子の粒子径は、SEM(JEOL JSM−5510LV、日本電子製、蒸着はPt、JEOL JFC−1600 AUTO FINE COATER、日本電子製)を用い、倍率200倍〜1500倍で観察する時、単一粒子の最大径で定義する。1つ以上の粒子が凝集して単一粒子と判定できない場合は、本発明でいう粒子径ではないとみなす。また、粒子が凝集していても、凝集粒子が小さいなど、粒子界面が明確であれば、単一粒子の最大径が明確であるため、本発明でいう粒子径とみなすことができる。
(6)外殻構造
外殻構造は、澱粉粉末1gを100cm3の純水に分散させ16時間放置し、上下に分かれた下層部分を光学顕微鏡(倍率10倍)で観察する。本発明の澱粉粉末は澱粉質原料が本来有する外殻構造が完全に失われることなく存在しているのに対して、α化澱粉では何も観察されないか、一度膨潤・溶解したアミロースやアミロペクチンがβ化することなどにより形成される薄片状、塊状の構造体が観察される。
[実施例1]
バレイショ澱粉をステンレスバット(50cm×25cm)中に層厚5cmで充填して耐圧容器内で5分減圧(600mmHg)後、加圧蒸気(120℃)にて20分処理したものを原料とし、固形分濃度5%の澱粉乳液を調製した。この澱粉乳液を20L/hrでジェットクッカーで加熱、糊化(出口温度100℃)させ、3L容器の滞留管(100℃)を連続的に通した後噴霧乾燥して澱粉粉末Aを得た。滞留時間は9分であった。
粒度分布は、IS篩の目開き45、75、106、150、212、250、500μmを使用し、打錠用課粒20gを15分間ロータップ篩分機で篩分した時、各篩上に残存する重量百分率より求めた値とする。また、篩過累積50%の粒径を平均粒径とする。
小粒子側の粒度分布の均一度=D10/D50
粒度毎の薬物含量は、各篩上に残存する造粒組成物の一部W0(g)(約200mg)を分取し、該造粒組成物に純水を加えて1Lとし、エテンザミドを完全に溶解させた後、波長420nmの吸光度を利用して求める造粒組成物W0(g)中のエテンザミドW(g)から下式より求める。
なお、錠剤の硬度は錠剤10個の硬度を錠剤硬度計(MODEL6D型、フロイント製)を用いて測定した平均値であり、錠剤の崩壊時間は、錠剤6個の崩壊時間を崩壊試験機(MODELNT−40HS型、富山産業製)を用いて37℃、純水、ディスク無しの条件で測定した平均値である。
[比較例1]
実施例1で得られた澱粉粉末A32gと、200M乳糖(ファーマトース200M、DMV製)1120gと局方コーンスターチ(日澱化学製)480gとを攪拌造粒機(バーチカルグラニュレーターFM−VG−10、パウレック社製)に入れ、ブレード回転数280rpm、クロススクリュー回転数3000rpmの条件で3分間予備混合を行った。その後、結合水として純水340gを一括添加し、ブレード回転数280rpm、クロススクリュー回転数3000rpmの条件で3分間湿式造粒を行った。得られた造粒物は60℃、16時間棚段乾燥を行った後、目開き1410μmの篩で篩過して打錠用顆粒Bとした。打錠用顆粒Bにステアリン酸マグネシウムを外割で0.5%添加し、ロータリー打錠機(クリーンプレス、correct12HUK、菊水製作所製)を用いて、54rpm、φ8mm−12R杵装着、オープンフィードの条件にて10kN、15kNの打錠圧で錠剤を製した。
[実施例2]
バレイショ澱粉をステンレスバット(50cm×25cm)中に層厚5cmで充填して耐圧容器内で5分減圧(600mmHg)後、加圧蒸気(130℃)にて20分処理したものを原料とし、固形分濃度5%の澱粉乳液を調製した。この澱粉乳液を20L/hrでジェットクッカーで加熱、糊化(出口温度115℃)させ噴霧乾燥して澱粉粉末Bを得た。
[比較例2]
比較例1の澱粉粉末Aを澱粉粉末Bとする以外は比較例1と同様に操作し、打錠用顆粒D、および錠剤を製した。打錠用顆粒Dの粒度分布特性および錠剤物性を表2に示した。同じ澱粉粉末Bを用いた実施例1の打錠用顆粒Cに比べると、大粒子側、小粒子側ともに粒度分布の均一度が小さく、不均一な粒度分布となった。
[実施例3]
バレイショ澱粉をステンレスバット(50cm×25cm)中に層厚5cmで充填して耐圧容器内で5分減圧(600mmHg)後、加圧蒸気(120℃)にて20分処理したものを原料とし、固形分濃度5%の澱粉乳液を調製した。この澱粉乳液を20L/hrでジェットクッカーで加熱、糊化(出口温度120℃)させ噴霧乾燥して澱粉粉末Cを得た。滞留時間は9分であった。
[比較例3]
比較例1の澱粉粉末Aを澱粉粉末Cとする以外は比較例1と同様に操作し、打錠用顆粒F、および錠剤を製した。打錠用顆粒Fの粒度分布特性および錠剤物性を表2に示した。同じ澱粉粉末Cを用いた実施例3の打錠用顆粒Eに比べると、大粒子側、小粒子側ともに粒度分布の均一度が小さく、不均一な粒度分布となった。
[実施例4]
バレイショ澱粉をステンレスバット(50cm×25cm)中に層厚5cmで充填して耐圧容器内で5分減圧(600mmHg)後、加圧蒸気(120℃)にて20分処理したものを原料とし、固形分濃度5%の澱粉乳液を調製した。この澱粉乳液をジャケット付攪拌槽(4L)で95℃、45分加熱し糊化した後、60℃温水で2倍に希釈し、60℃で保温しながら、流量8.3L/hrで連続して噴霧乾燥して澱粉粉末Dを得た。
[比較例4]
比較例1の澱粉粉末Aを澱粉粉末Dとする以外は比較例1と同様に操作し、打錠用顆粒H、および錠剤を製した。打錠用顆粒Hの粒度分布特性および錠剤物性を表2に示した。同じ澱粉粉末Dを用いた実施例4の打錠用顆粒Gに比べると、大粒子側、小粒子側ともに粒度分布の均一度が小さく、不均一な粒度分布となった。
[実施例5]
バレイショ澱粉を原料とし、固形分濃度5%の澱粉乳液を調製した。この澱粉乳液をジャケット付攪拌槽(4L)で95℃、45分加熱し糊化した後、60℃温水で2倍に希釈し、60℃で保温しながら、流量8.3L/hrで連続して噴霧乾燥して澱粉粉末Eを得た。
[比較例5]
比較例1の澱粉粉末Aを澱粉粉末Eとする以外は比較例1と同様に操作し、打錠用顆粒J、および錠剤を製した。打錠用顆粒Jの粒度分布特性および錠剤物性を表2に示した。同じ澱粉粉末Eを用いた実施例5の打錠用顆粒Jに比べると、大粒子側、小粒子側ともに粒度分布の均一度が小さく、不均一な粒度分布となった。
[比較例6]
澱粉粉末Aを市販バレイショα化澱粉(マツノリンM、松谷化学製)とする以外は実施例1と同様に操作し、打錠用顆粒K、および錠剤を製した。市販バレイショα化澱粉の物性を表1に、打錠用顆粒Kの粒度分布特性、および錠剤物性を表2に示した。市販のα化バレイショ澱粉を用いて製した打錠用顆粒Kは、実施例1〜5で得られた造粒組成物A〜Eに比べて、大粒子側、小粒子側ともに粒度分布の均一性が小さく不均一な粒度分布であり、打錠用顆粒Kを用いて製造した錠剤は崩壊時間が著しく遅い錠剤となった。
[比較例7]
澱粉粉末Aを市販コーンα化澱粉(コーンα化澱粉、松谷化学製)とする以外は実施例1と同様に操作し、打錠用顆粒M、および錠剤を製した。市販コーンα化澱粉の物性を表1に、打錠用顆粒Mの粒度分布特性、および錠剤物性を表2に示した。市販のコーンα化澱粉を用いて製した打錠用顆粒Mは、実施例1〜5で得られた造粒組成物A〜Eに比べて、大粒子側、小粒子側ともに粒度分布の均一性が小さく不均一な粒度分布であり、打錠用顆粒Mを用いて製造した錠剤は崩壊時間が著しく遅い錠剤となった。
[比較例8]
澱粉粉末Aを市販ハイアミロースα化澱粉(ハイアミロースα化澱粉、松谷化学製)とする以外は実施例1と同様に操作し、打錠用顆粒N、および錠剤を製した。市販コーンα化澱粉の物性を表1に、打錠用顆粒Nの粒度分布特性、および錠剤物性を表2に示した。市販のコーンα化澱粉を用いて製した打錠用顆粒Nは、実施例1〜5で得られた造粒組成物A〜Eに比べて、大粒子側、小粒子側ともに粒度分布の均一性が小さく不均一な粒度分布であり、打錠用顆粒Nを用いて製造した錠剤は崩壊時間が著しく遅い錠剤となった。
[比較例9]
澱粉粉末Aを市販ワキシーコーンα化澱粉(ワキシーコーンα化澱粉、松谷化学製)とする以外は実施例1と同様に操作し、打錠用顆粒O、および錠剤を製した。市販のワキシーコーンα化澱粉の物性を表1に、打錠用顆粒Oの粒度分布特性、および錠剤物性を表2に示した。市販のコーンα化澱粉を用いて製した打錠用顆粒Oは、実施例1〜5で得られた造粒組成物A〜Eに比べて、大粒子側、小粒子側ともに粒度分布の均一性が小さく不均一な粒度分布であり、打錠用顆粒Oを用いて製造した錠剤は崩壊時間が著しく遅い錠剤となった。
[比較例10]
局方コーンスターチを流動層造粒機(ユニ・グラット、大河原製作所製)中で、コーンスターチ糊液を結合液として表面α型のβ型澱粉である澱粉粉末Fを得た。噴霧されたα化澱粉の割合は約14%であった。
澱粉粉末Aを澱粉粉末Fとする以外は実施例1と同様に操作し、打錠用顆粒P、および錠剤を製した。澱粉粉末Fの物性を表1に、打錠用顆粒Pの粒度分布特性、および錠剤物性を表2に示した。澱粉粉末Fを用いて製した打錠用顆粒Pは、実施例1〜5で得られた造粒組成物A〜Eに比べて、大粒子側、小粒子側ともに粒度分布の均一性が小さく不均一な粒度分布であり、打錠用顆粒Pを用いて製造した錠剤は崩壊時間が著しく遅い錠剤となった。
[比較例11]
澱粉粉末Aを市販の部分α化澱粉(PCS、三和澱粉工業製)とする以外は実施例1と同様に操作し、打錠用顆粒Q、および錠剤を製した。市販の部分α化澱粉の物性を表1に、打錠用顆粒Qの粒度分布特性、および錠剤物性を表2に示した。市販の部分α化澱粉を用いて製した打錠用顆粒Qは、実施例1〜5で得られた造粒組成物A〜Eに比べて、大粒子側、小粒子側ともに粒度分布の均一性が小さく不均一な粒度分布であり、打錠用顆粒Qを用いて製造した錠剤は崩壊時間が著しく遅い錠剤となった。
[比較例12]
澱粉粉末Aを市販の部分α化澱粉(Starch1500)とする以外は実施例1と同様に操作し、造打錠用顆粒R、および錠剤を製した。市販の部分α化澱粉の物性を表1に、打錠用顆粒Rの粒度分布特性、および錠剤物性を表2に示した。市販の部分α化澱粉を用いて製した打錠用顆粒Rは、実施例1〜5で得られた造粒組成物A〜Eに比べて、大粒子側、小粒子側ともに粒度分布の均一性が小さく不均一な粒度分布であり、打錠用顆粒Rを用いて製造した錠剤は崩壊時間が著しく遅い錠剤となった。
[比較例13]
局方コーンスターチを3重量%のスラリーとし90℃に加熱して完全に糊化し、二流体ノズルを有する噴霧乾燥機を用いて入り口温度180℃、出口温度90℃の雰囲気中に5L/hrのスラリー供給速度で噴霧し澱粉粉末Gを得た。得られた澱粉粉末を用いる以外は実施例1と同様に操作し、打錠用顆粒S、および錠剤を製した。
[比較例14]
澱粉粉末Aを非澱粉系の市販結合剤(HPC−L、日本曹達製)とする以外は実施例1と同様に操作し、打錠用顆粒T、および錠剤を製した。市販の結合剤の物性を表1に、打錠用顆粒Tの粒度分布特性、および錠剤物性を表2に、打錠用顆粒UTの粒度毎の薬物(エテンザミド)含量を表3に示した。市販の結合剤を用いて製した、打錠用顆粒Tは、実施例1〜5で得られた造粒組成物A〜Eに比べて、大粒子側、小粒子側ともに粒度分布の均一性が小さく不均一な粒度分布であり、打錠用顆粒Tを用いて製造した錠剤は崩壊時間が著しく遅い錠剤となった。
[比較例15]
純水500gを容器に入れ80℃に加熱し、TKホモミキサー(MARKII型、特殊機化工業製)を用いて5000rpmの条件で攪拌しながら、非澱粉系の市販結合剤(HPC−L、日本曹達製)40gを少量ずつ加え、全量を加えた後30分間攪拌を行い、均一なHPC−Lの懸濁液をとした後、室温まで冷却してHPC−L水溶液を得た。エテンザミド(エトキシベンツアミドP、エーピーアイコーポレーション)480gと200M乳糖(ファーマトース200M、DMV社製)784gと局方コーンスターチ(日澱化学製)336gとを攪拌造粒機(バーチカルグラニュレーターFM−VG−10、パウレック社製)に入れ、ブレード回転数280rpm、クロススクリュー回転数3000rpmの条件で3分間予備混合を行った。その後、上記で得られたHPC−L水溶液340gを結合剤として一括添加し、ブレード回転数280rpm、クロススクリュー回転数3000rpmの条件で3分間湿式造粒を行った。得られた造粒物は60℃、16時間棚段乾燥を行った後、目開き1410μmの篩で篩過して打錠用顆粒Uとした。打錠用顆粒Uにステアリン酸マグネシウムを外割で0.5%添加し、ロータリー打錠機(クリーンプレス、correct12HUK、菊水製作所製)を用いて、54rpm、φ8mm−12R杵装着、オープンフィードの条件にて10kN、15kNの打錠圧で錠剤を製した。
打錠用顆粒Uの粒度分布特性、および錠剤物性を表2に、打錠用顆粒Uの粒度毎の薬物(エテンザミド)含量を表3に示した。HPC−Lを用いて製造した打錠用顆粒Uは、実施例1〜5で得られた造粒組成物A〜Eに比べて、大粒子側、小粒子側ともに粒度分布の均一性が小さく不均一な粒度分布であり、打錠用顆粒Uを用いて製造した錠剤は崩壊時間が著しく遅い錠剤となった。
Claims (6)
- 保水量が400%以上、ゲル押込み荷重が100〜3000g、水溶性成分が40〜95%である機能性澱粉粉末を結合剤として用い、水への溶解度が0.0001〜10g/Lの1種以上の活性成分を含む粉粒体を湿式造粒することを特徴とする、造粒組成物の製造方法。
- 結合剤としての機能性澱粉粉末が1箇所以上がくぼんだ構造を有し、粒子径が50〜500μmの澱粉粒子を含有している機能性澱粉粉末を用いる、請求項1に記載の造粒組成物の製造方法。
- 水への溶解度が0.0001〜10g/Lの1種以上の活性成分が、医薬品薬効成分、農薬成分、肥料成分、飼料成分、食品成分、化粧品成分、色素、香料、金属、セラミックス、触媒、及び界面活性剤から選択される、請求項1または2に記載の造粒組成物の製造方法。
- 結合剤としての機能性澱粉粉末が、澱粉質原料を水存在下60℃以上100℃未満で加熱し、澱粉質原料の澱粉粒子を膨潤させる工程、次いで該膨潤させた澱粉粒子を乾燥させ、澱粉粒子と該澱粉粒子の外部に存在するアミロースとアミロペクチンとを含有する混合物の粉末を得る工程を含む方法によって製造される機能性澱粉粉末である、請求項1〜3の何れか1つに記載の造粒組成物の製造方法。
- 結合剤としての機能性澱粉粉末が、減圧下、100〜130℃で加熱処理された澱粉質原料を、さらに水存在下60〜150℃で加熱し、澱粉質原料の澱粉粒子を膨潤させる工程、次いで膨潤させた澱粉粒子を乾燥させ、澱粉粒子と該澱粉粒子の外部に存在するアミロースとアミロペクチンとを含有する混合物の粉末を得る工程を含む方法によって製造される機能性澱粉粉末である、請求項1〜3の何れか1つに記載の造粒組成物の製造方法。
- 澱粉質原料が馬鈴薯澱粉である、請求項4または5に記載の造粒組成物の製造方法。
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