JP4947494B2 - タブレット一体型ガラス管及びその製造方法 - Google Patents

タブレット一体型ガラス管及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明はタブレット一体型ガラス管に関するものである。
プラズマディスプレイパネル(PDP)等の平面ディスプレイパネルには、その内部を排気、または排気した後にガスを充填する目的で、排気管と呼ばれるガラス管が取り付けられている。このガラス管は、平面ディスプレイパネルの裏面に設けられた排気孔の位置と、ガラス管先端の開口の位置が一致するように取り付けられる。
ガラス管の取り付けにあたっては、排気設備への接続工程等を容易にできるようにガラス管の傾きばらつきをできる限りなくすことや、パネルの発光能力を低下させないように接合部分の気密性を保つことが求められる。また、後工程でガラス管が折損したり、取り付け部分が外れたりしないように注意を払う必要がある。
ガラス管をパネルに接着させる方法として、従来、融点の低いガラス粉末を所定の形状に圧粉成形した後、仮焼きしたタブレットが用いられている。このようなタブレットには、ガラス管を挿入することができる貫通孔が形成されており、このタブレットの貫通孔とパネルの排気孔の位置を合わせ、さらにガラス管先端部の位置をタブレットの貫通孔の位置に合わせた後、貫通孔内にガラス管先端部を挿入し、この状態でタブレットを焼成して軟化流動させることにより、ガラス管をパネルに取り付けている。
以上のような従来の取り付け方法では、パネル、タブレット、及びガラス管の3つの部品の位置合わせを同時に行う必要があり、排気管取り付け工程が煩雑となっていた。
そこで特許文献1や特許文献2においては、タブレットを予めガラス管に固着させることにより、部品点数を減らして、排気管取り付けの工程を簡易にする方法が提案されている。
特開2001−84892号公報 特開2001−307635号公報
特許文献1や特許文献2には、ガラス管とタブレットとを接触させた状態で加熱してタブレットをガラス管に融着させて一体化する方法が記載されている。またその他の方法として、接着剤を用いてガラス管にタブレットを接着する方法も知られている。
ところが上記した融着を利用する一体化方法では、タブレットが過度に軟化変形してガラス管へのタブレットの封着形状が不適切になったり、タブレット底面の平坦性が損なわれたりすることがある。前者の場合、ガラス管に不当な応力が集中し易くなり、後の排気管取り付け工程等において、ガラス管が折損するおそれがある。また後者の場合、タブレット一体型ガラス管の直立安定性が悪く、パネルへの排気管取り付け後に排気管開放端の位置がずれ、排気パイプとの接続が困難となる。
さらにタブレットが結晶性ガラスから構成される場合には、融着時の熱処理によって結晶が析出してしまうことがあり、後のパネルへの取り付け工程において封着不良を起こすおそれがある。
一方、接着剤を用いてタブレットを固定する方法では上記の不都合は生じない。ところが、この方法で作製したタブレット一体型ガラス管は、後のパネルへの取り付け工程で接着剤成分が揮発して、ディスプレイパネル内部に拡散する可能性がある。この場合、ディスプレイパネルの輝度低下という事態を引き起こしてしまう。
本発明の目的は、タブレットの不当な変形や結晶の析出がなく、また接着剤を必要としないタブレット一体型ガラス管及びその製造方法を提供することである。
本発明のタブレット一体型ガラス管は、図1(c)に示すように、一端に拡径部11を有するガラス管1と、低融点ガラスからなる環状のタブレット2とからなるタブレット一体型ガラス管であって、前記タブレット2が、ガラス管1の拡径部11が収容可能な凹部21を上面に有しており、当該凹部21がガラス管1の拡径部11に締着してなることを特徴とする。ここで「凹部がガラス管の拡径部に締着してなる」とは、凹部内にガラス管の拡径部の少なくとも一部が収容され、且つタブレットの寸法変化により凹部が拡径部を締め付けた状態で固定されていることを意味する。なおタブレットが締着しているか否かは、タブレットの充填率から判断することも可能である。即ち、プレス成形直後のタブレットの充填率は一般に60〜80%であり、ガラス管とタブレットを融着させた従来品の充填率は一般に92〜97%である。本発明においては、完全に融着しない温度条件で熱処理することから、一体化後のタブレットの充填率は、プレス直後よりも高く、且つ従来品より低い範囲、即ち、80〜92%となる。なお本発明における充填率とは、以下の式で求められる値である。
充填率=タブレットの嵩比重/タブレットの比重
また本発明のタブレット一体型ガラス管は、図1(c)に示すように、一端に拡径部を有するガラス管1と、低融点ガラスからなる環状のタブレット2とからなるタブレット一体型ガラス管であって、前記タブレット2の充填率が92%以下であることを特徴とする。
本発明のタブレット一体型ガラス管の製造方法は、図1(a)に示すように、一端が拡径されたガラス管1と、低融点ガラス粉末からなり、ガラス管の拡径部11を収容可能な凹部21を上面に有する環状のタブレット2とを用意する工程と、図1(b)に示すように、タブレット2の凹部21にガラス管1の拡径部11を挿入する工程と、図1(c)に示すように、タブレット2の収縮によってガラス管1の拡径部11がタブレット2の凹部21内に固定されるようにタブレット2を熱処理する工程とを含むことを特徴とする。ここで「タブレットの収縮によってガラス管の拡径部がタブレットの凹部内に固定される」とは、以下の状態を意味する。即ち、熱処理によってタブレットが収縮し、ガラス管拡径部を収容しているタブレット凹部の寸法が小さくなることに起因して、ガラス管拡径部の外壁面の略全周部が、タブレット凹部の内壁面によって外方から押圧される結果、タブレットの凹部がガラス管の拡径部に締着した状態となる。本発明においては、ガラス管とタブレットがこのような状態で固定される。
本発明の方法においては、ガラス粉末の軟化点以下の温度で熱処理することが好ましい。本発明におけるガラスの軟化点は、DTA装置を用いて求めたものである。
この構成によれば、熱処理時にタブレットが殆ど軟化流動することがないため、タブレットが不当に変形するという事態を回避することができる。
本発明の方法においては、タブレットが、低融点ガラス粉末の圧粉体であることが好ましい。本発明において「圧粉体」とは、ガラス粉末(或いはその造粒物)をプレス成形により圧縮一体化させたものであるが、その後に脱バインダー処理、仮焼等の熱処理が行われていない成形体を意味する。
この構成によれば、脱バインダー処理を一体化のための熱処理時に行うことができ、工程を簡略化できるために好ましい。
本発明の方法においては、タブレットが低融点ガラス粉末の圧粉体である場合に、タブレットの凹部の内径が、ガラス管の拡径部の外径の103〜120%であることが好ましい。本発明において「タブレットの凹部の内径が、ガラス管拡径部の外径の103〜120%である」とは、(ガラス管拡径部の内径)/(タブレットの凹部の内径)×100(%)で求められる値が103〜120%の範囲にあることを意味する。
この構成によれば、タブレットが低融点ガラス粉末の圧粉体である場合に、タブレットの収縮によって、ガラス管拡径部へのタブレット凹部の締着を確実に行える。
本発明の方法においては、タブレットが仮焼体であることが好ましい。本発明において「仮焼体」とは、前記圧粉体を軟化点以下の温度で焼成したものを意味する。
この構成によれば、熱処理によってガラス粉末同士が若干融着することになるため、圧粉体に比べて機械的強度が高く、取り扱いが容易になる。
本発明の方法においては、タブレットが低融点ガラス粉末の仮焼体である場合に、タブレットの凹部の内径が、ガラス管の拡径部の外径の100〜115%であることが好ましい。
この構成によれば、タブレットが低融点ガラス粉末の仮焼体である場合に、タブレットの収縮によって、ガラス管拡径部へのタブレット凹部の締着を確実に行える。
本発明の方法においては、タブレットの凹部がタブレットの内孔と同心状に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、熱処理によってガラス管の管軸とタブレット内孔とが同心状に固定されることになり、平面ディスプレイパネルの排気管取り付け工程において、ガラス管と排気孔の軸合わせを確実に行うことが可能になる。
本発明の方法においては、低融点ガラス粉末として結晶性ガラスを採用することができる。本発明において「結晶性ガラス」とは、示差熱分析(DTA)装置の測定(大気中、昇温速度10℃/分、室温から測定開始)で530℃までに結晶化ピークが発現するものを指す。
この構成によれば、本発明方法の効果をより一層享受することができる。即ち、結晶性ガラスから構成されるタブレットを使用する場合、タブレット一体型ガラス管作製時の熱処理で結晶が析出し易いが、本発明方法によれば、この熱処理が低温で行われることから、結晶の析出を効果的に抑制することができる。それゆえ平面ディスプレイパネルの排気管取り付け工程において、確実に封着不良の発生を防止することが可能になる。
本発明のタブレット一体型ガラス管は、上記方法によって作製されてなることを特徴とする。
本発明のタブレット一体型ガラス管においては。平面ディスプレイパネルの排気孔に融着されるものであることが好ましい。
この構成によれば、排気管を気密に、且つ精度良く平面ディスプレイパネルに取り付けることができる。それゆえ容易且つ確実にパネルの排気工程を実施することができる。
本発明のタブレット一体型ガラス管においては、平面ディスプレイパネルが、プラズマディスプレイパネルであることが好ましい。
この構成によれば、排気管を気密に、且つ精度良くプラズマディスプレイパネルに取り付けることができる。それゆえ容易且つ確実にパネルの排気及び希ガス注入工程を実施することができる。
本発明のタブレット一体型ガラス管は、平面ディスプレイパネルの排気管取り付け工程において、排気管の折損や封着不良、或いは排気パイプとの接続不良を起こさず、またディスプレイパネルの輝度低下を引き起こすおそれもない。
本発明の方法によれば、タブレットをガラス管に固定する際に、タブレットの不当な軟化流動によるタブレットの不当な変形を防止することができる。また結晶性ガラスからなるタブレットを使用した場合であっても、タブレット一体型ガラス管作製時の熱処理によって不適切に結晶が析出することがない。しかも接着剤を使用せずにタブレットとガラス管を一体化させるものであるから、後の焼成工程で、接着剤成分の揮発逸散がない。それゆえタブレット一体型ガラス管の製造方法として好適である。
本発明のタブレット一体型ガラス管は、ガラス管の拡径部にタブレットの凹部が締着している、或いはタブレットの充填率が比較的低い状態でガラス管と一体化している。
一体化(締着)のための熱処理は、タブレットの収縮が起こり、且つ軟化流動しない温度で行われる。それゆえタブレットの変形が殆どない。またタブレットが結晶性ガラスから構成されていても、低温での熱処理で作製されることから、タブレットに結晶が析出していないという特徴がある。
ガラス管とタブレットとは、締着により一体化しており、全く融着していないか、或いは若干の融着が認められる程度である。タブレットの不当な変形や結晶の析出防止の観点からは全く融着していないことが好ましいが、機械的強度等の観点からは若干融着している方がよい。
なおタブレットとガラス管が融着により一体化している従来のタブレット一体型ガラス管は、タブレットが軟化変形しているためにタブレット表面が平滑でガラス光沢がある。この場合のタブレットの充填率は通常92%以上である。一方、本発明のタブレット一体型ガラス管は、タブレットが殆ど軟化変形しておらず、初期のタブレット形状を維持している。タブレット表面はガラス光沢が殆どなく、マット状である。またタブレットの充填率は92%以下、91%以下、特に90%以下が好ましい。充填率が高くなると、タブレットの変形が生じる危険性が高くなる。なおタブレットの充填率は80%以上、85%以上、特に88%以上であることが好ましい。
本発明のタブレット一体型ガラス管の製造方法は、まずガラス管1と、低融点ガラス粉末からなるタブレット2を用意することを特徴とする。(図1(a))
ガラス管1は、先端部分が拡径されている。拡径部11の形状としては、例えばフレア状またはフランジ状であることが好ましい。なおガラス管の先端部分を拡径する方法として、種々の方法を採用することができる。特に、ガラス管の先端部を回転させながらガスバーナーを用いて加熱し、数種類の治具を用いて所定の形状に加工する方法が量産性に優れるため好ましい。
ガラス管材質については、排気工程に耐える耐熱性を有し、且つ、排気工程後に封止切り可能な材料であれば特に制限はない。例えばアルカリ金属酸化物を所定量含有させたSiO2−Al23−B23系ガラスからなるものが好ましく、特に日本電気硝子株式会社製の商品グレード「FE−2」が好適である。このガラス管は、熱膨張係数が85×10-7/℃、耐熱温度が550℃であり、寸法が、例えば外径5mm、内径3.0mmである。
タブレット2は結晶性又は非結晶性の低融点ガラスからなる。結晶性ガラスからなるタブレットの場合、排気管取り付け時に結晶化する。それゆえ、排気管取り付け後の熱処理工程において、封着部分が再軟化するおそれがなく、高い気密性を維持することができる。一方、非結晶性ガラスからなるタブレットの場合、排気管取り付け工程前の熱処理、即ち、タブレット一体型ガラス管の作製時に結晶が析出することがない。それゆえ排気管取り付けの際に封着不良を起こすことがない。なおタブレットは、熱膨張係数の調整、機械的強度の向上等の目的で、耐火性フィラー粉末を含有させることが望ましい。
結晶性ガラス材質としては、PbO―B23―ZnO系ガラス、Bi23―B23―ZnO系ガラス等が使用可能である。非結晶性ガラス材質としては、同じくPbO―B23―ZnO系ガラス、Bi23―B23―ZnO系ガラス等が使用可能である。
タブレット2は、略環状の形状を有しており、その一方の面にガラス管1の拡径部11が挿入される凹部21が形成されている。ガラス管拡径部の外径と凹部の内径の関係は、タブレットがどの程度収縮するかによって決まる。本発明において使用するタブレットは、低融点ガラス粉末の圧粉体又は仮焼体であり、タブレットの収縮率は、圧粉体の場合と仮焼体の場合で異なる。つまり熱処理を経験した仮焼体は、熱処理されていない圧粉体よりも収縮率が小さい。圧粉体の場合、ガラス管拡径部の外径に対して、凹部の外径が103〜120%、特に105〜120%、さらには105〜112%であることが好ましい。仮焼体の場合、ガラス管拡径部の外径に対して、凹部の外径が100〜115%、特に101〜105%であることが好ましい。ガラス管拡径部の外径に対して、凹部の外径が大きすぎるとタブレットの収縮によってガラス管とタブレットを一体化することが困難になり、逆に凹部の外径が小さすぎると凹部内にガラス管を挿入し難くなる。なおガラスが結晶性である場合、不要な結晶の析出を避けるために、圧粉体を採用することがより好ましい。
またガラス管拡径11部の最外方に突出した部分111の高さより、タブレット凹部21の深さが大きいことが望ましい。ここでいう「最外方に突出した部分の高さ」とは、ガラス管拡径部の開口部を含む平面から最外方に突出した部分までの最短距離を意味する。また「凹部の深さ」とは、タブレット凹部の開口部を含む平面から凹部底面まで距離を意味する。ガラス管拡径部の最外方に突出した部分の高さより、タブレット凹部の深さが大きければ、図2に示すように、一体化時の収縮により、ガラス管拡径部11の最外方に突出した部分111を包み込むようにタブレット凹部21の内壁211が収縮し、ガラス管1からのタブレット2の脱落を効果的に防止することができる。
またタブレットは、凹部とタブレットの内孔が同心状に形成されていることが好ましい。同心状でない場合、得られるタブレット一体型ガラス管のガラス管軸と、平面ディスプレイパネルの排気孔の位置合わせが難しくなる。
タブレットの作製は、例えば以下のようにして作製することができる。まず、ガラス粉末にバインダーや溶剤を添加し、スラリーを形成する。その後、このスラリーをスプレードライヤー等の造粒装置に投入し、顆粒を作製する。顆粒は、溶剤が揮発する程度の温度(50〜100℃程度)で熱処理を施しておく。さらに、作製された顆粒を所定の寸法に設計された雌金型に充填し、雄金型によって上方からプレスして、圧粉体タブレットを作製する(乾式プレス成形)。プレス条件は、圧力が1〜5t、特に1.5〜2.5t程度であることが好ましい。仮焼体タブレットを得るには、さらに圧粉体をベルト炉等の熱処理炉に入れ、圧粉体に残存するバインダーを分解揮発させた後、ガラスの軟化点から軟化点より20℃程度低い温度範囲まで昇温して焼結させればよい。
本発明のタブレット一体型ガラス管の製造方法は、次に、タブレット2の凹部21にガラス管1の拡径部11を挿入することを特徴とする。(図1(b))
タブレットに形成された凹部は、その外径がガラス管拡径部の外径よりも大きく形成されている。この凹部内に、ガラス管の拡径部を挿入した状態で保持する。なおこの工程においては、タブレット上にガラス管を直立させてもよいし、或いは直立させたガラス管上にタブレットを被せるようにして載置してもよい。タブレット上にガラス管を直立させる場合、タブレットの載置部材にタブレットが部分的に融着し欠損する、また載置部材の表面付着物により汚染される懸念がある。このため後者の方法を採用することが好ましい。
さらに、本発明のタブレット一体型ガラス管の製造方法は、タブレットの収縮によってガラス管の拡径部がタブレットの凹部内に固定されるようにタブレットを熱処理することを特徴とする。
熱処理は、タブレットが収縮するのに十分な温度で行う。ただし温度が高くなり過ぎるとタブレットが変形してしまうため、ガラスが殆ど軟化流動しない温度で行うことが重要である。このような温度条件で熱処理すれば、ガラス管とタブレットが全く或いは殆ど融着せず、収縮によってタブレット凹部がガラス管に締着して両部材が一体化する。より詳細な熱処理条件としては、低融点ガラスの軟化点以下、特に(軟化点−10℃)〜軟化点の範囲で行うことが好ましい。例えばガラス転移点が380℃、軟化点が480℃のBi23―B23―ZnO系ガラスの場合、480℃以下、特に470〜480℃の範囲で熱処理することが好ましい。またガラス転移点が320℃、軟化点が390℃のPbO―B23―ZnO系ガラスの場合、390℃以下、特に380〜390℃の範囲で熱処理することが好ましい。
上記の方法で作製されるタブレット一体型ガラス管は、ガラス管1の拡径部11にタブレット2の凹部21が締着しており、これによって両部材が一体化している(図1(c))。
このようにして作製されたタブレット一体型ガラス管は、例えばPDP等の平面ディスプレイパネルの排気管の形成に用いることができる。
実施例に基づき、本発明のタブレット一体型ガラス管を説明する。なお本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
表1〜3は、本発明の方法により作製したタブレット一体型ガラス管の実施例(No.1、2、4〜8)および比較例(No.3、9)を示している。
各試料は以下のようにして作製した。
まずガラス管及びタブレットを用意した。
ガラス管の準備は以下のようにして行った。まず、日本電気硝子株式会社製のガラス管(材質名:FE−2)を用意した。このガラス管は、熱膨張係数が85×10-7/℃、耐熱温度が550℃であり、外径5.0mm、内径3.0mm、長さ70mmの大きさを有するものを使用した。次にこのガラス管を回転させながら、その一端をガスバーナーで加熱し、数種類の冶具を用いて、図3に示すような先端部分にフランジ部を有するフレア状の拡径部を形成した。なお拡径部の外径及び厚みは表に示す寸法となるように加工した。
タブレットの作製は以下のようにして行った、まず各表に示す低融点ガラス粉末と耐火性フィラー粉末にバインダーを添加し、造粒器にて造粒した後、この造粒物を所定の金型に充填し、3tの圧力でプレス成形して、円形の凹部が同心状に形成された環状の圧粉体タブレット(試料No.7)を得た。さらに試料No.1〜6、8、9については、ガラスの軟化点より10℃低い温度で10分間加熱して、図4に示すような、環状の仮焼体タブレットを得た。なおプレス成形を行うに当たっては、タブレットの外径、内径及び高さ、凹部の深さ及び内径が表に示す寸法となるように、金型を選択した。
なお表中の「Bi23―B23―ZnO系」は、ガラス転移点350℃、軟化点480℃のBi23―B23―ZnO系非結晶性ガラスを表しており、「PbO―B23―ZnO系」は、ガラス転移点310℃、軟化点385℃のPbO―B23―ZnO系結晶性ガラスである。これらのガラスのガラス転移点は押棒式熱膨張係数測定(TMA)装置により、軟化点はDTA装置により確認した。これらの測定は、大気中において、昇温速度10℃/分で行い、室温から測定を開始した。また非結晶性又は結晶性の判断は、DTA装置により、530℃以下の温度で結晶化ピークが発現するかどうかで行った。
次に図1(b)に示すように、タブレット2の凹部21にガラス管1の拡径部11を挿入し、その状態で保持した。
その後、表に示す温度で10分間熱処理することにより、図1(c)に示すようなタブレット一体型ガラス管を作製した。得られた試料について、タブレットとガラス管の固定状態、変形の有無及び直立安定性を評価した。結果を各表に示す。
なおタブレットとガラス管の固定方法が締着か融着かは次のように判断した。「締着」で一体化している場合、タブレットを強く動かすとがたつきが確認される(締着のみ)、或いは管ガラス-タブレット融着面を目視で見た場合融着部と非融着部が斑状に見える(一部融着あり)。「融着」で一体化している場合、前記の斑模様が確認出来ない。なお締着か融着かは一体化後のタブレットの充填率を目安として判断することも可能である。即ち、充填率が92%以下の場合を「締着」、92%を超える場合を「融着」とみなすことができる。タブレットの充填率は、アルキメデス法によりタブレットの嵩比重を求め、またJIS Z8807の方法にて比重を求めることによって算出した。タブレットとガラス管の固定状態が良好かどうかは、一体化した製品を高さ15cmの位置から木製の板上に落下させることを3回繰り返し、タブレットが脱落しないかどうかを評価することにより確認した。タブレットの変形は、タブレットの角が丸みを帯びおらず、且つタブレット底面が当初の面形状を保っているものを「変形なし」、角は丸みを帯びているものの、タブレットの底面が当初の面形状を保っているものを「若干変形あり」、タブレットの底面が当初の面形状を保っていないものを「変形あり」とした。直立安定性は、一体化した試料を、タブレット側を下にして立てた際、タブレットとは反対側にあるガラス管の先端が90°±1°の範囲内に収まるかで確認した。
次に得られたタブレット一体型ガラス管を、40mm×40mm×2.8mm厚の高歪点ガラス基板の中央部分に自立させた状態で焼成炉内に入れ、10℃/分の速度で昇温して480℃で30分間保持した後、室温まで10℃/分で降温するスケジュールで焼成した。このようにして高歪点ガラス基板に排気管を形成した。その後、排気管の破壊の可能性について評価を行った。結果を各表に示す。
なお排気管強度は比較対照を作製し、これよりも低い荷重で折損するものを「不良」、同等以上の荷重で折損するものを「良好」とした。比較対照は以下の方法で作製した。まず各試料で使用したものと同じガラス管及びタブレット、並びに上記と同様の高歪点ガラス基板を用意した。次に高歪点ガラス基板上に、タブレット及びガラス管を設置し、各試料と同様の条件で熱処理することによって、比較対照となる排気管を形成した。
本発明の方法により作製されるタブレット一体型ガラス管は、PDP等の平面ディスプレイパネルの排気管の形成に好適に用いることができる。またこれ以外にも、例えばフィールドエミッションディスプレイ、蛍光表示管等の平面表示装置、平面バックライト等の照明装置に好適に使用することができる。
本発明の製造方法の一例を示す説明図であり、図1(a)は準備するガラス管及びタブレットを示しており、図1(b)はタブレットの凹部にガラス管の拡径部を挿入した状態を示しており、図1(c)は熱処理して得られたタブレット一体型ガラス管を示している。 本発明の製造方法の一例を示す部分拡大説明図であり、図2(a)はタブレットの凹部にガラス管の拡径部を挿入した状態を示しており、図2(b)は熱処理してガラス管拡径部の最外方に突出した部分を包み込むようにタブレット内壁が収縮した状態を示している。 実施例で使用するガラス管の拡径部の説明図である。 実施例で使用するタブレットの説明図である。
符号の説明
1 ガラス管
11 拡径部
111 最外方に突出した部分
2 タブレット
21 凹部
211 内壁

Claims (13)

  1. 一端に拡径部を有するガラス管と、低融点ガラスからなる環状のタブレットとからなるタブレット一体型ガラス管であって、前記タブレットが、ガラス管の拡径部が収容可能な凹部を上面に有しており、当該凹部がガラス管の拡径部に締着してなることを特徴とするタブレット一体型ガラス管。
  2. 一端に拡径部を有するガラス管と、低融点ガラスからなる環状のタブレットとからなるタブレット一体型ガラス管であって、前記タブレットの充填率が92%以下であることを特徴とする請求項1のタブレット一体型ガラス管。
  3. 一端が拡径されたガラス管と、ガラス管の拡径部が収容可能な凹部を上面に有し、低融点ガラス粉末からなる環状のタブレットとを用意する工程と、タブレットの凹部にガラス管の拡径部を挿入する工程と、タブレットの収縮によってガラス管の拡径部がタブレットの凹部内に固定されるようにタブレットを熱処理する工程とを含むことを特徴とするタブレット一体型ガラス管の製造方法。
  4. ガラス粉末の軟化点以下の温度で熱処理することを特徴とする請求項3のタブレット一体型ガラス管の製造方法。
  5. タブレットが、低融点ガラス粉末の圧粉体であることを特徴とする請求項3又は4のタブレット一体型ガラス管の製造方法。
  6. タブレットの凹部の内径が、ガラス管の拡径部の外径の103〜120%であることを特徴とする請求項5のタブレット一体型ガラス管の製造方法。
  7. タブレットが、仮焼体であることを特徴とする請求項3又は4のタブレット一体型ガラス管の製造方法。
  8. タブレットの凹部の内径が、ガラス管の拡径部の外径の100〜115%であることを特徴とする請求項7のタブレット一体型ガラス管の製造方法。
  9. タブレットの凹部がタブレットの内孔と同心状に形成されていることを特徴とする請求項3〜8の何れかのタブレット一体型ガラス管の製造方法。
  10. 低融点ガラス粉末が結晶性ガラスからなることを特徴とする請求項3〜9の何れかのタブレット一体型ガラス管の製造方法。
  11. 請求項3〜10の何れかの方法によって作製されてなることを特徴とするタブレット一体型ガラス管。
  12. 平面ディスプレイパネルの排気孔に融着されることを特徴とする請求項1、2又は11のタブレット一体型ガラス管。
  13. 平面ディスプレイパネルが、プラズマディスプレイパネルであることを特徴とする請求項12のタブレット一体型ガラス管。
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