JP3605065B2 - 放電ランプの発光管封止用閉塞体の製造方法、発光管封止用閉塞体及び放電ランプ - Google Patents

放電ランプの発光管封止用閉塞体の製造方法、発光管封止用閉塞体及び放電ランプ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電ランプの発光管封止用閉塞体及びその製造方法並びにそのような閉塞体を備えた放電ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
放電ランプ、特にアーク放電を利用する高圧放電ランプは、高出力・高輝度特性を有する反面、点灯時に発光管内が高温・高圧となる。このような高温・高圧下でも発光管内の発光物質が漏洩しないように、高圧放電ランプは、従来から金属箔を発光管の端部に封着する方法を採用している。
【0003】
ところが、この方法では、点灯回数の少ないうちは特に問題は生じないものの、点灯回数が増加すると、金属箔と発光管との熱膨張係数の違いから生じる熱応力により封着部にクラックが発生するという問題がある。このクラックは、発光管内の発光物質を管外に漏洩させるため、ランプの短命化を招き、高圧放電ランプの性能を著しく低下させるものである。
【0004】
特開平5−290810号公報には、上記問題を解決するため、発光管の端部を閉塞体により閉塞する方法が提案されている。
この閉塞体は、電極接続用の金属導入線に同心状に複数積層された構造の成形体を設け、この成形体を焼成して得られている。そして、各層の構成成分は、内周側から外周側に移るに従って、金属導入線の成分が少なくなり、逆に発光管の成分が多くなっている。このため、閉塞体は、その熱膨張係数が金属導入線のそれから発光管のそれに徐々に変化する構造となっている。従って、発光管内の温度が上昇しても、金属導入線と発光管との間で生じる熱応力を閉塞体の中間層で徐々に緩和でき、上記のようなクラックの発生を防止できるのである。
【0005】
このような閉塞体の製造方法として、各層の構成成分に対応する金属導入線及び発光管の各成分の粉末、有機バインダ、有機溶媒、分散剤等からスラリーを調製し、このスラリーを金属導入線に塗布・乾燥を繰り返して各層を積層して、作製された成形体を焼成する方法、各スラリーから各層に対応するグリーンシートを製作して、このグリーンシートを金属導入線に順次積層し、作製された成形体を焼成する方法等が上記公報に記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記閉塞体を用いる方法は、クラックの発生を防止できる有用な方法でありながら、その閉塞体の品質及び生産性に難があるという問題がある。
すなわち、前者のスラリーを金属導入線に塗布・乾燥して積層する方法では、スラリーの塗布量及び塗布位置によって層の厚みが変わり、各層が金属導入線に対して同心円状にならず、寸法・形状面で一定品質の閉塞体が得られ難い。
【0007】
一方、後者のグリーンシートを金属導入線に積層する方法では、厚み制御されたグリーンシートを用いるため、寸法・形状が一定になり易く、一定品質のものが得られ易いが、スラリーからグリーンシートを製作するため、前者に比べてコストアップを招いてしまう。その上、金属導入線に巻きつけたグリーンシートの巻き始めと巻き終わりとを、重なり無く且つ隙間無く合致させるのに手間がかかり生産性が悪い。
【0008】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、寸法・形状の制御が容易で、しかも生産性の高い放電ランプの発光管封止用閉塞体の製造方法、発光管封止用閉塞体及び放電ランプを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る放電ランプの発光管封止用閉塞体の製造方法は、発光管内の電極に給電するための金属導入線の外周に、略同心円状に複数積層された構造の成形体を設け、当該成形体を焼成して閉塞体を得る方法であって、前記成形体の各層用のスラリーを調製するスラリー調製工程と、前記金属導入線を最内層のスラリーにディップし、付着したスラリーを乾燥した後、2層以降最外層のスラリーに至るまで、順次ディップして付着、乾燥を繰り返す成形体作製工程と、を含み、前記成形体には金属層があり、前記成形体の前記金属層を除く金属導入線寄りの層用のスラリーは、前記発光管の熱膨張係数よりも前記金属導入線の熱膨張係数に近い熱膨張係数を有する第1の金属材料の粉末を含み、前記スラリー調製工程は、前記金属導入線の融点及び前記第1の金属材料の融点より低い融点である第2の金属材料の粉末を含んだ前記金属層用のスラリーを調製する工程を含み、前記成形体作製工程は、前記成形体の複数層の内、前記金属層を除く少なくとも1つの層を積層する前に、前記金属導入線を、前記第2の金属材料の粉末を含んだスラリーにディップし、付着したスラリーを乾燥して前記金属層を積層する工程を含み、前記成形体作成工程で作製された成形体を、前記第2の金属材料の融点より高く且つ前記金属導入線の融点及び前記第1の金属材料の融点より低い温度で焼成することを特徴とする。
また、発光管内の電極に給電するための金属導入線の外周に、略同心円状に複数積層された構造の成形体を設け、当該成形体を焼成して閉塞体を得る方法であって、前記成形体の各層用のスラリーを調製するスラリー調製工程と、前記金属導入線を最内層のスラリーにディップし、付着したスラリーを乾燥した後、2層以降最外層のスラリーに至るまで、順次ディップして付着、乾燥を繰り返す成形体作製工程と、を含み、前記成形体には結合層があり、前記成形体の前記結合層を除く金属導入線寄りの層用のスラリーは、前記発光管の熱膨張係数よりも前記金属導入線の熱膨張係数に近い熱膨張係数を有する第3の金属材料の粉末を含み、前記スラリー調製工程は、前記金属導入線の材料の粉末と前記第3の金属材料の粉末との少なくとも一方の粉末と、マンガンの粉末とを含む合金スラリーを調製する工程と、アルミナ粉末とシリカ粉末とを含むアルミナスラリーを調製する工程とを含み、前記成形体作製工程は、前記成形体の複数層の内、前記結合層を除く少なくとも1つの層を積層する前に、
前記金属導入線を、前記合金スラリーにディップし、付着した合金スラリーを乾燥させて合金層を積層する工程と、前記合金層が積層された金属導入線を、前記アルミナスラリーにディップし、付着したアルミナスラリーを乾燥させてアルミナ層を積層する工程と、前記アルミナ層が積層された金属導入線を、前記合金スラリーにディップし、付着した合金スラリーを乾燥させて合金層を積層する工程とからなる結合層形成工程を含み、前記成形体作成工程で作製された成形体を、露点が−20℃〜−5℃に調整された水素雰囲気中で、マンガンの融点より高く且つ前記金属導入線の融点及び前記第3の金属材料の融点より低い温度で焼成することを特徴とする。
【0010】
この方法によれば、金属導入線をスラリーにディップしているので、スラリーを金属導入線に容易に付着させることができると共に、生産性を向上させることができる。例えば、前記成形体作製工程において、前記金属導入線を、その軸心を鉛直にした状態の姿勢のまま、スラリーにディップし、引き上げると、金属導入線を中心とした同心円状にスラリーを付着させることができ、さらに各層における厚みが均一な成形体を得ることができ、容易に高品質の閉塞体を得ることができる。
【0011】
前記成形体作製工程の後に、成形体から金属導入線が露出するように、前記金属導入線を残して前記成形体を所定長さに切断する切断工程を含むことを特徴としている。
さらに、発光管内の電極に給電するための金属導入線の外周に、略同心円状に複数積層された構造の成形体を設け、当該成形体を焼成して閉塞体を得る方法であって、前記成形体の各層用のスラリーを調製するスラリー調製工程と、前記金属導入線を最内層のスラリーにディップし、付着したスラリーを乾燥した後、2層以降最外層のスラリーに至るまで、順次ディップして付着、乾燥を繰り返す成形体作製工程と、を含み、前記成形体には有機物層があり、前記スラリー調製工程は、易分解性の有機材料を含んだ前記有機物層用のスラリーを調製する工程を含み、前記成形体作製工程は、前記成形体の複数層の内、前記有機物層を除く少なくとも1つの層を積層する前に、前記金属導入線を、前記易分解性の有機材料を含んだスラリーにディップし、付着したスラリーを乾燥させて前記有機物層を積層する工程を含むことを特徴とする。
特に、前記有機物層は、前記成形体の最内層として積層されることを特徴とし、前記易分解性の有機材料は、ワニスであることを特徴としている。このように構成することで、有機物層に空隙層が残り、焼成後の降温時に閉塞体が径方向に収縮でき、クラックの発生を防止できる。
【0012】
特に、前記金属層は、前記成形体の最内層として積層する前に積層されることを特徴とし、さらに、前記第2の金属材料はマンガンであることを特徴としている。このようにすれば、焼成時にマンガンが溶融して、その内外層を液相焼結により強固に結合できる。
【0013】
特に前記結合層形成工程は、前記成形体の最内層を積層する時に実行されることを特徴とし、さらに、前記金属導入線の材料は、タングステン又はモリブデンであることを特徴とする。この構成によれば、アルミナ層の内外層のマンガンが一部酸化されて一酸化マンガンとなり、アルミナ、シリカと共に固着力の高いガラス層を形成することができる。
【0014】
前記第3の金属材料の粉末は、タングステンの粉末とモリブデンの粉末との内、少なくとも一方を含んでいることを特徴とし、さらに、前記スラリー調製工程において、合金スラリーのマンガンの含有量を1〜30wt%とし、前記アルミナスラリーのシリカの含有量を1〜5wt%とすることを特徴とする。
このようにすれば、焼成時にガラス層を現出させるために好適な配合を与えることができる。
【0015】
上記製造方法により製造された発光管封止用閉塞体は、生産性が高く、また各層における厚みが均一で、金属導入線に対して略同心円状となる。また、上記の発光管封止用閉塞体を用いて発光管が封止されている放電ランプでは、各層における厚みが均一で、金属導入線に対して略同心円状な閉塞体を用いるので、発光管を確実に封止でき長寿命化が可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る閉塞体を利用した高圧放電ランプの実施の形態について図面を参照しながら説明する。
1.第1の実施の形態
1−1.高圧放電ランプの構成
図1は、本発明に係る閉塞体を利用した高圧放電ランプ1の構成を示す概観斜視図であり、その内部の構成がわかるように断面図で示している。なお、本実施の形態における高圧放電ランプ1は左右対称であるため、同図では一方の端部(右側)のみを示している。
【0017】
高圧放電ランプ1は、略回転楕円形状の発光空間7を有する本管6とこの本管6の両側に設けられた側管8とからなる発光管2と、この本管6の発光空間7に対向して配置された一対のタングステン電極3と、このタングステン電極3に給電するためのモリブデン線5と、発光管2の側管8を閉塞する閉塞体9とを備えている。
【0018】
発光管2は、石英ガラスにより形成され、その内部には、例えば、発光物質である水銀及び始動補助用のアルゴン、クリプトン、キセノンなどの希ガスの他、沃素、臭素等のハロゲン物質が封入されている。なお、ハロゲン物質は、ハロゲンサイクル作用によりタングステン電極3から蒸発して発光管2内面に付着したタングステンを元のタングステン電極3に戻して発光管2の黒化を抑制するためのものである。また、本実施の形態では、発光管2は、本管6と側管8とを同一材料を用いて一体に構成しているが、本管6と側管8とを別材料で形成し、その後一体に組み立てたものでも良い。
【0019】
モリブデン線5は、その断面が略円形状で、タングステン線4を介してタングステン電極3に接続されている。閉塞体9は、発光管2の側管8内に挿入できるように、モリブデン線5上に円筒状に設けられており、発光管2の側管8内に挿入されている。
図2は、発光管2の側管8が閉塞体9により閉塞されている部分の縦断面図である。
【0020】
閉塞体9は、モリブデン線5の原料であるモリブデン成分と、発光管2の成分であるシリカ成分とを含む少なくとも2以上の材料成分から構成されている。閉塞体9は、モリブデン線5を中心として同心円状に複数の層(例えば5層)が積層された成形体を焼成して得られる。
なお、閉塞体9における各層と、焼成前の成形体における各層とを区別するために、閉塞体9の層を以下「焼結層」といい、また成形体の層を以下「成形層」という。
【0021】
閉塞体9は、上述のように5つの焼結層からなり、モリブデン線5上の最内層を第1の焼結層91とし、発光管2の側管8の内周面に接する最外層を第5の焼結層95とし、またこれらの間の各焼結層を、内層側から順に第2の焼結層92、第3の焼結層93、第4の焼結層94としている。
閉塞体9の各焼結層91〜95は、モリブデン線5に近い程、モリブデン成分の含有量が多くシリカ成分の含有量が少なく、逆に側管8に近い程、シリカ成分の含有量が多くモリブデン成分の含有量が少なくなる構成になっている。
【0022】
1−2.発光管の閉塞方法
1−2−1.閉塞体の製作方法
まず、第1から第5までの各焼結層91〜95に対応するスラリーをボールミル等公知の方法で調製する。第1スラリーは第1の焼結層91用のスラリーであり、第2スラリーは第2の焼結層92用のスラリーで、以下同様に、第3スラリー、第4スラリー、第5スラリーは、第3の焼結層93用、第4の焼結層94用、第5の焼結層95用のそれぞれのスラリーである。
【0023】
各スラリー10は、次の表1に示すように、モリブデン線5の成分のモリブデン粉末と、発光管2の成分のシリカ粉末と、有機バインダ、有機溶媒、分散剤等を混合させている。
【0024】
【表1】
Figure 0003605065
【0025】
ここで、表1のモリブデン及びシリカは微粉末で、その粒径の大きさは、各焼結層の厚み、全焼結層における各焼結層の位置、焼成条件により適宜決定される。
有機バインダは、一般的なセラミックス成形用のバインダであればよく、例えば、ポリビニルアルコール、水溶性アクリル、ポリビニルブチラール等が用いられ、本実施の形態では水溶性アクリルを使用している。また、有機溶媒には、酢酸ブチルカルビトールを、分散剤には、カルボン酸アンモニウムを夫々使用している。
【0026】
なお、表1に示すように、シリカ成分が増加するに従って、有機溶媒の配合比も増加している。つまり第1スラリーから第5スラリーの内、外周側(第5スラリー)に移るに従って、有機溶媒の配合比が高くなっている。これは、スラリー10内のシリカ成分が増加するとスラリー10の粘度が高くなり、有機溶媒の配合比が増加させてスラリー10の粘度を調整しているためである。粘度の調整を行うのは、モリブデン線5をスラリー10にディップしたときに、モリブデン線5に付着するスラリー10量を制御するためである。
【0027】
図3は、本実施の形態である閉塞体の製造工程を説明するための概略図である。同図に示すように、モリブデン線5(直径0.4mm)を、その軸心が鉛直にした状態で、第1スラリー10内にディップさせる。このとき、モリブデン線5の所定位置までをスラリーに浸漬させる。そして、所定の速度、例えば10cm/分で鉛直方向に引き上げる。そして、引き上げたモリブデン線5を所定の条件、例えば70℃、3分間乾燥して第1の成形層を形成する。なお、引き上げ速度は、各成形層の厚さ、スラリー10の粘度により適宜決定される。
【0028】
その後、第2から第5までのスラリー10を用いて、上述と同様の方法で各成形層を順次積層して径方向に構成成分の比率が変化する成形体11(外径約1.3mm)を作製する。なお、第2から第5までのスラリー10にモリブデン線5をディップさせる際にも、第1の成形層の上端とスラリーの上面とが一致するように、モリブデン線5を各スラリーにディップさせる。このようにすることにより、成形体11の各層の上端面を略直線状に揃えることができる。
次に、得られた成形体11の先端(図3において成形体11の下端)を、所定の長さ(例えば15mm)となるようにモリブデン線5を残して切断して、成形体11の先端からモリブデン線5を露出させる。なお、成形体11の切断は、その両端をモリブデン線5を残して切断して所定長さとなるようにしても良い。この場合は、成形体11の両端が切断されるため、成形体11の端面を直線状に仕上げることができる。
【0029】
次に、所定長さに切断された成形体11を非酸化性雰囲気中、例えば窒素雰囲気中で、500℃、4時間乾燥させて脱バイする。続いて、真空中で、1600℃、30分の焼成を電気炉で行うことで、成形体11の焼結体である閉塞体9が製作される。なお、焼成には、電気炉以外に、レーザ、放電プラズマ等を熱源として利用した加熱装置を使用しても良い。
【0030】
次に、タングステン線4を用意し、モリブデン線5の一端と溶接し、さらにそのタングステン線4の他端にタングステン電極3を溶接等の方法で接合する。
このようにして、モリブデン線5にタングステン電極3が接続された閉塞体9を、タングステン電極3が発光空間7側となるように、発光管2の側管8の端部から発光空間7側に挿入した後、バーナー、レーザ等の熱源を用いる公知のランプ封止方法に従って側管8の外周部を1700℃〜1900℃に加熱して、閉塞体9の外周部と側管8の内周部とを閉塞体9の長さ方向に亘って溶着、封止する。
【0031】
上記の製造方法によると、円筒状の閉塞体9を容易に製作することができる。即ち、各スラリー10内にモリブデン線5を所定位置まで浸漬させて、一定の速度で引き上げるので、モリブデン線5にスラリー10を容易に付着させることができる。しかも、モリブデン線5を、その軸心を鉛直にした状態の姿勢のまま、スラリー10内にディップして引き上げるので、モリブデン線5の外周にスラリー10が均一に付着する。
【0032】
このとき、付着したスラリー10は、流下しないようにその粘度が最適化されているので、その成形層内における厚みムラを少なくできると共に、各成形層の形状を、モリブデン線5を中心とした円状にできる。そして、このモリブデン線5に対して同心円状の成形体を焼成するので、各焼結層91〜95の厚みが制御された同心円状の閉塞体9を容易に得ることができる。また、各成形層の厚みを変更する場合も、引き上げ速度もしくはスラリー10の粘度を調整することにより容易にできる。なお、スラリー10の粘度調整は、主に有機溶媒の配合比率を増減させることで行っている。
2.第2の実施の形態
図4は、第2の実施の形態における成形体の側面図である。
本発明の第2の実施の形態である閉塞体は、第1の実施の形態で示した閉塞体9と同様な構成であるが、異なっているのは、前記閉塞体の焼成前の成形体11が、モリブデン線5と、第1の実施の形態における成形体の間にワニス層20を備えたことである。
【0033】
このワニス層20は、易分解性の有機材料からなり、成形体11の成形時には、図4に示すように、モリブデン線5と第1の成形層111との間に介在しているが、焼成後の閉塞体にはワニス層20自体は無くなる。
ここでいう易分解性とは、加熱することによりその成分が容易に分解されることをいい、本実施の形態では、易分解性の有機材料にワニスを使用し、脱バイ工程でワニス層20が熱により分解される。なお、図4において符号112〜115は、成形体11における第2の成形層〜第5の成形層を示している。
【0034】
以下、成形時にワニス層20を備えた閉塞体の製造方法について以下に説明する。まず、第1の実施の形態と同様に、ワニス、有機バインダ、有機溶媒、分散剤を混合させて、ワニス層20用のスラリーを調製する。モリブデン線5への積層は、第1の実施の形態と同様に、ワニス層20用のスラリーにモリブデン線5を、その軸心を鉛直にした状態でワニス層20用のスラリーにディップし引き上げ、モリブデン線5の外周に付着したスラリーを乾燥して、モリブデン線5上に、約5μmの厚さのワニス層20を成形する。
【0035】
次に、上記の第1の実施の形態と同様に第1の成形層111から第5の成形層115までを順次積層して成形体11を製作し、この成形体11が所定長さとなるようにその先端を切断して、成形体11の先端からモリブデン線5を露出させた後、第1の実施の形態と同様な焼成条件で、成形体11をモリブデン線と一体に、脱バイ・焼成を行って焼結体である閉塞体を得る。
【0036】
このモリブデン線5と第1の成形層111との間のワニス層20は、有機物であるため脱バイ工程で分解し、焼成前のモリブデン線5と第1の成形層111との間に環状の空隙層が残る。そして、この空隙層を残した状態で成形体11を焼成すると、この空隙層が焼成時のモリブデン線5と閉塞体との膨張・収縮のミスマッチングを相殺する役割を果たし、閉塞体の無欠陥焼成を容易に実現することができる。
【0037】
即ち、焼成を終了して室温に降温させる際に、閉塞体の収縮は、モリブデン線5よりも大きく、ワニス層20を設けずに焼成すると、成形体の第1の成形層とモリブデン線とが接しているため、焼成後の降温時に閉塞体が径方向に収縮できずにクラックが発生することがある。しかし、本実施の形態のように、モリブデン線5と第1の成形層111との間にワニス層20を備えた成形体11を焼成すると、焼成前に第1の成形層111とモリブデン線5との間に空隙層が環状に残るため、降温時に閉塞体が径方向に収縮でき、従来のようなクラックの発生を防ぐことができる。従って、ワニス層20を備えることで、ワニス層を備えていない成形体を焼成する場合に比べて、製造歩留まりを向上させることができる。
3.第3の実施の形態
3−1.構成
図5は、本発明の第3の実施の形態を示す閉塞体の側面図である。第3の実施の形態における閉塞体9は、同図に示すように、第1の実施の形態と同様な構成の閉塞体とモリブデン線5との間に、これらを結合させる結合層21を備えたものである。
【0038】
結合層21は、モリブデン線5の外周に形成され且つマンガンとモリブデンとを含んだ合金焼結層211と、この合金焼結層211の外周に形成され且つシリカとアルミナとを含んだアルミナ焼結層212と、このアルミナ焼結層212の外周に形成され且つ最内層の合金焼結層211の成分と略同様な合金焼結層213とを備えている。合金焼結層211、213内のマンガンは、閉塞体9を構成する主成分の金属材料(モリブデン)及びモリブデン線5より、融点が低い金属材料である。
【0039】
なお、本実施の形態における結合層21においても、閉塞体9の各層と、焼成前である成形体の各層とを区別するために、閉塞体9の層を、「合金焼結層」、「アルミナ焼結層」といい、また成形体の層を、「合金成形層」、「アルミナ成形層」という。
3−2.製造方法
結合層21の合金焼結層211、213用の合金スラリーとアルミナ焼結層212用のアルミナスラリーとを次の表2に示す配合で調製する。なお、結合層21の外周に積層される各焼結層用のスラリーは、第1の実施の形態と同様であり、表1に示す配合で調製する。
【0040】
【表2】
Figure 0003605065
【0041】
そして、調製された各焼結層211〜213の各スラリーを第1の実施の形態と同様にモリブデン線5に積層させる。つまり、モリブデン線5を合金焼結層211用の合金スラリーにディップして、モリブデン線5の外周に合金スラリーを付着させる。そしてモリブデン線5に付着した合金スラリーを乾燥して合金成形層を積層する。
【0042】
次に、アルミナ焼結層212用のアルミナスラリーに、モリブデン線5上の合金成形層の全体が浸漬するように、モリブデン線5をディップして、合金成形層の外周に付着したアルミナスラリーを乾燥してアルミナ成形層を積層する。そして、再度合金焼結層213用の合金スラリーに、モリブデン線5上のアルミナ成形層の全体が浸漬するように、モリブデン線5をディップして、アルミナ成形層の外周に合金成形層を積層する。
【0043】
次に、第1の実施の形態と同様に、第1の成形層から第5の成形層までを順次積層して、結合成形層(焼成前の結合層21)を備えた成形体が成形される。そして、この成形体が所定の長さとなるようにモリブデン線5を残して、その先端を切断してモリブデン線5を成形体の先端から露出させる。
そして、得られた成形体を非酸化性雰囲気中、例えば、窒素雰囲気中で、500℃、4時間脱バイし、続いて、露点が−5℃に調整された水素雰囲気中で、マンガンの融点以上の温度、例えば、1600℃、30分の焼成を行って、成形体を焼成した閉塞体9を得る。
【0044】
このようにして得られた閉塞体9は、焼成時に、アルミナ成形層の内外に積層された両合金成形層のマンガンが、水素雰囲気内の蒸気により酸化されて一酸化マンガンとなり、この一酸化マンガンとアルミナ成形層内のアルミナとシリカとにより、固着力の高いガラス層(MnO+Al+SiO)がアルミナ焼結層212に成形される。
【0045】
また、焼成時に、内外の合金成形層内のモリブデンが、アルミナ成形層の表面側に析出する。このため、内側の合金焼結層211では溶融したマンガンにより液相焼結が進み、モリブデン線5との濡れ性が増大して、モリブデン線5との密着力が強くなる。また外側の合金焼結層213では、溶融したマンガンにより、合金成形層から析出したモリブデンと、その外側の第1の成形層内におけるモリブデンとが液相焼結して、強固な固着力が得られる。その結果、閉塞体9は、モリブデン線5にその結合層21を介して強固に結合することができる。
【0046】
本実施の形態では、結合層21の合金焼結層211は、表2に示すように、マンガンの調合比率を20wt%としているが、1wt%〜30wt%であれば良い。これは、マンガンの調合比率が0wt%であれば、結合層21が液相焼結されず、固相焼結となるため、結合力を向上させることができないためである。逆にマンガンの調合比率を30wt%より多くすると、高圧放電ランプ1が点灯して発光管2内の温度が上昇したときに、合金焼結層211、213内のマンガンが蒸発して、高圧放電ランプ1の発光色を変えるおそれがあるからである。
【0047】
アルミナ焼結層212は、表2に示すように、シリカの調合比率を4wt%としているが、1wt%〜5wt%であれば良い。これは、シリカの調合比率が0wt%であれば、結合層21にガラス層を現出させることができず、逆にシリカを5wt%より多くすると、アルミナ焼結層212の機械的強度が低下してしまうためである。
【0048】
成形体は、脱バイ後に、露点が−5℃に調整された水素雰囲気中で、焼成されているが、水素雰囲気中の露点が−20℃〜−5℃であればよい。これは水素雰囲気中の露点が−20℃〜−5℃の範囲であれば、合金成形層のマンガンが選択的に水素雰囲気中の蒸気と反応して、一酸化マンガンに酸化されるからである。以上、本発明を各実施の形態に基づいて説明したが、本発明の内容が、上記各実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば以下のような変形例を実施することができる。
【0049】
(1)成形体作製工程
上記の各実施の形態では、成形体11を製作する製作工程において、金属導入線(モリブデン線5)を、その軸心を鉛直にした状態のままで、スラリー10内にディップした後に引き上げて、金属導入線にスラリー10を付着させているが、例えば、金属導入線を、その軸心を水平にした状態で、スラリー10内にディップして、金属導入線にスラリー10を付着させても良い。
【0050】
但し、水平状態で金属導入線をスラリー10から引き上げる場合、付着したスラリー10が金属導入線から垂下する可能性があり、同心円状の成形体11を得難いが、例えば、金属導入線を回転させることにより、このような不具合をなくすことができる。
さらに、金属導入線をスラリー10に水平状にディップさせる方法において、金属導入線上に成形層が積層されている場合は、金属導入線をスラリー10内にディップさせなくても、金属導入線上の成形層の表面層だけをスラリー10にディップさせるだけでも、スラリー10を成形層に付着させることができる。
【0051】
(2)有機物層
a)有機物層の位置
上記の第2の実施の形態では、有機物層(ワニス層20)を第1の成形層111の前に、すなわち金属導入線(モリブデン線5)上に積層したが、第1の成形層111以外の成形層112〜115の前に有機物層を積層しても良い。この場合においても、閉塞体9の焼成後の常温に降温する際の熱応力を緩和でき、クラックの発生をある程度防止することができる。但し、閉塞体9の焼成後の収縮を考えると、成形体11の内周が最も大きいので、第2の実施の形態のように、第1の成形層111の前に有機物層を積層するのが、クラックの発生に対しては最も効果があると考えられる。
【0052】
第2の実施の形態では、有機物層を金属導入線と第1の成形層111との間にのみ、つまり1層だけ配した場合について説明したが、有機物層は1層に限定されることなく、閉塞体9及び金属導入線に選択した材料の焼結特性を考慮して、成形体11の成形層111〜115の内、複数の層の下層に設けても何ら差し支えない。但し、成形体11に多くの有機物層を設けると、脱バイ工程でこの有機物層が空隙層として残るので、成形体11を焼成したときに、閉塞体9の焼結層91〜95間の密着力が低下するおそれがある。従って、有機物層の層数は、閉塞体の焼結層数、寸法、材料(線膨張係数)等により適宜決定しなければならない。
【0053】
b)有機物層の材料
有機物層の有機材料にワニスを用いたが、有機物層が脱バイ工程で分解して空隙層を形成するような易分解性の有機材料であれば良く、例えば、蝋、でんぷん等を用いることができる。さらに、有機物層用のスラリーは、閉塞体9を構成する成分、例えば金属成分を含んでいないが、有機物層が脱バイ工程で分解して成形体11内に空隙層を形成できれば、閉塞体9を構成する金属成分の粉末或いは他の金属の粉末を若干含んでも良い。
【0054】
c)有機物層の厚さ
第2の実施の形態では、ワニス層20の厚さを5μm程度にしている。このワニス層20の厚さは、薄すぎると、焼成時の焼成温度から常温に降温する際に、閉塞体9の内周が金属導入線に接して径方向に収縮できず、クラックが発生するおそれがあり、逆に厚すぎると、常温に降温したときに閉塞体9と金属導入線との間に空隙が残ったり、また高圧放電ランプ1が点灯して発光管2内の温度が上昇したときに、閉塞体9と金属導入線とが膨張してその間に空隙が発生したりするおそれがある。
【0055】
従って、有機物層の厚さは、焼成時から常温に降温した際に、閉塞体9の内周側にクラックが発生しない程度で、しかも、高圧放電ランプ1が点灯して、金属導入線、発光管2、閉塞体9の温度が上昇したときに、金属導入線と閉塞体9との間、又は閉塞体9内の焼結層間に空隙が生じない程度であれば良い。このため、有機物層の厚さは、金属導入線、閉塞体9及び発光管2におけるそれぞれの寸法(直径)及び熱膨張係数により、その都度適宜決定する必要がある。
【0056】
(3)結合層
a)結合層の位置
上記の第3の実施の形態において、結合層21を第1の焼結層91の下層に、すなわち金属導入線上に設けたが、第1の焼結層91以外の焼結層92〜95の下層に結合層21を設けても良い。
【0057】
さらに、第3の実施の形態では、結合層21を金属導入線と第1の焼結層91との間にのみ、つまり1層だけ配した場合について説明したが、結合層21は1層に限定されるものではなく、閉塞体9の焼結層91〜95の内、複数の焼結層の下層に結合層21を備えても良い。
上記のように結合層21の層数、位置を実施の形態と異なっても、結合層21は、その内側の金属導入線と第1の焼結層91又はその内外両側の焼結層と強固に結合することができる。
【0058】
なお、閉塞体9における結合層21の位置については、高圧放電ランプ1の点灯時において発光管2内が高温になることを考慮すると、熱膨張係数の違いにより生じる熱応力は、金属導入線と閉塞体9の最内層との間が最も大きく、この間で剥離し易い。従って、閉塞体9は、その最内層に結合層21を備えるのが最も効果的と考えられる。
【0059】
b)結合層における合金焼結層の材料
第3の実施の形態では、結合層21内の合金焼結層211、213を構成する第3の金属材料の粉末として、金属導入線と同じ材料であるモリブデンの粉末を用いたが、例えばタングステンの粉末或いはモリブデンとタングステンを混合した粉末を用いても良い。さらには他の金属材料の粉末でも良い。但し、他の金属材料を使用する場合、その金属材料の融点が、マンガンより高く、しかも焼成温度より高い必要がある。これは、焼成時に合金焼結層211、213内のマンガンにより金属材料の粉末を液相焼結させるためである。
【0060】
(4)金属層
第3の実施の形態において、結合層21は、合金焼結層211、213に、モリブデンとマンガンとを用い、アルミナ焼結層212にガラス層が形成されるようにしたが、例えば、結合層21の代わりに、金属導入線の融点及び成形体の金属導入線寄りの層を構成する第3の金属材料の融点よりも低い金属材料、例えばマンガンを含む金属層のみで構成しても良い。勿論、結合層21と金属層とを併用しても良い。
【0061】
この場合においても、金属層は、第1の成形層111のモリブデンと金属導入線のモリブデンとの両者を溶融したマンガンにより液相焼結するので、閉塞体9は、その金属層を介して金属導入線に強固に結合することができる。
なお、金属層のマンガンの比率が高くなると、第3の実施の形態でも述べたように、高圧放電ランプ1が点灯して発光管2内の温度が上昇したときに、合金焼結層211、213内のマンガンが蒸発して、高圧放電ランプ1の発光色を変えるおそれがある。このため、金属層に含まれるマンガンの調合比率は、第3の実施の形態と同様に、1wt%〜30wt%が好ましい。この場合、第3の実施の形態における結合層21の合金層とここでの金属層とは同じ構成のものとなる。
【0062】
a)金属層の位置及び層数
上述の例では、第3の実施の形態と同様に、閉塞体9は、第1の焼結層91の下層に金属層を備えていたが、第1の焼結層91以外の焼結層92〜95の下層に金属層を備えても良い。さらに、金属層は1層に限定されるものではなく、閉塞体9の焼結層91〜95の内、複数の焼結層の下層に金属層を備えても良い。このような場合も、金属層は、その内外両側の成形層のモリブデンと液相焼結するので、金属層の両側の焼結層と強固に結合することができる。なお、閉塞体9における金属層の位置については、上記3−1と同様の理由により、閉塞体9の最内層に備えるのが最も効果的と考えられる。
【0063】
b)金属層の材料及びその融点
上述の金属層では、金属導入線及び成形体の金属導入線寄りの層を構成する第1の金属材料にモリブデン(融点:約2620℃)を使用し、このモリブデンの融点より低い第2の金属材料としてマンガン(融点:約1244℃)を使用した例で説明したが、第2の金属材料としてマンガン以外を用いても良い。例えば、金属導入線及び第1の金属材料にモリブデン、タングステン(融点:約3380℃)を使用した場合には、鉄(融点は約1535℃)、クロム(融点は約1900℃)等を使用することができる。
【0064】
これらの第2の金属材料の融点は、高圧放電ランプ1の点灯時における発光管2の温度を考慮すると、その温度(900℃程度になるものもある)よりも高い方が良い。これは、点灯時に第2の金属材料が溶融しないようにするためである。なお、上記に例示した第2の金属材料の中では、マンガンがモリブデン、タングステン等の金属との濡れ性がもっとも良好である。
【0065】
(5)閉塞体について
a)閉塞体の材料について
上記の各実施の形態は、石英ガラスの発光管2とモリブデンの金属導入線とを前提にして、閉塞体9を構成する成分をモリブデン―シリカの組み合わせ(表1参照)で説明したが、他に組み合わせでも良い。例えば、金属導入線にタングステンを用いた場合はタングステン―シリカ、また、発光管2に透光性アルミナを用いた場合は、タングステン―アルミナ、モリブデン―アルミナ等の組み合わせにしても良い。
【0066】
さらに、金属導入線の材料と、閉塞体9を構成する材料とを合わせる必要はなく、例えば、金属導入線にモリブデンを使用し、閉塞体9を構成する成分をタングステン−シリカ、タングステン−アルミナ等にしても良いし、さらには、閉塞体9を構成する金属成分をタングステンとモリブデンとの2つの材料を混合させたものでも良い。
【0067】
また、閉塞体9は、モリブデン、タングステン、シリカ、アルミナ以外の材料により構成することも可能である。このような材料としては、高圧放電ランプ1が点灯して発光管2内の温度が上昇したときに、この温度下の使用に充分耐えられるもので或ることは言うまでもない。
さらに高圧放電ランプ1の点灯時における発光管2と金属導入線との熱膨張特性の違いを考慮すると、発光管2の熱膨張係数よりも金属導入線の熱膨張係数に近い特性を有する金属材料と、金属導入線の熱膨張係数よりも発光管2の熱膨張係数に近い特性を有する材料とにより閉塞体9を構成するのが好ましい。なお、閉塞体9の構成を他の材料に換えると、成形体の焼成条件も当然変更になる。
【0068】
b)閉塞体の層数について
上記の各実施の形態では、5層構造の閉塞体9の場合について説明したが、閉塞体9の層構成は、金属導入線と発光管2との熱膨張係数の違いにより生じる熱応力を緩和させる観点からできるだけ多層構造をとることが好適であると思われる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる放電ランプの発光管封止用閉塞体の製造方法では、発光管内の電極に給電するための金属導入線の外周に、略同心円状に複数積層された構造の成形体を設け、当該成形体を焼成して閉塞体を得る方法であって、前記成形体の各層用のスラリーを調製するスラリー調製工程と、前記金属導入線を最内層のスラリーにディップし、付着したスラリーを乾燥した後、2層以降最外層のスラリーに至るまで、順次ディップして付着、乾燥を繰り返す成形体作製工程と、を含み、前記成形体には金属層があり、前記成形体の前記金属層を除く金属導入線寄りの層用のスラリーは、前記発光管の熱膨張係数よりも前記金属導入線の熱膨張係数に近い熱膨張係数を有する第1の金属材料の粉末を含み、前記スラリー調製工程は、前記金属導入線の融点及び前記第1の金属材料の融点より低い融点である第2の金属材料の粉末を含んだ前記金属層用のスラリーを調製する工程を含み、前記成形体作製工程は、前記成形体の複数層の内、前記金属層を除く少なくとも1つの層を積層する前に、前記金属導入線を、前記第2の金属材料の粉末を含んだスラリーにディップし、付着したスラリーを乾燥して前記金属層を積層する工程を含み、前記成形体作成工程で作製された成形体を、前記第2の金属材料の融点より高く且つ前記金属導入線の融点及び前記第1の金属材料の融点より低い温度で焼成することとしている。
また、発光管内の電極に給電するための金属導入線の外周に、略同心円状に複数積層された構造の成形体を設け、当該成形体を焼成して閉塞体を得る方法であって、前記成形体の各層用のスラリーを調製するスラリー調製工程と、前記金属導入線を最内層のスラリーにディップし、付着したスラリーを乾燥した後、2層以降最外層のスラリーに至るまで、順次ディップして付着、乾燥を繰り返す成形体作製工程とを含み、前記成形体には結合層があり、
前記成形体の前記結合層を除く金属導入線寄りの層用のスラリーは、前記発光管の熱膨張係数よりも前記金属導入線の熱膨張係数に近い熱膨張係数を有する第3の金属材料の粉末を含み、前記スラリー調製工程は、前記金属導入線の材料の粉末と前記第3の金属材料の粉末との少なくとも一方の粉末と、マンガンの粉末とを含む合金スラリーを調製する工程と、アルミナ粉末とシリカ粉末とを含むアルミナスラリーを調製する工程とを含み、前記成形体作製工程は、前記成形体の複数層の内、前記結合層を除く少なくとも1つの層を積層する前に、前記金属導入線を、前記合金スラリーにディップし、付着した合金スラリーを乾燥させて合金層を積層する工程と、前記合金層が積層された金属導入線を、前記アルミナスラリーにディップし、付着したアルミナスラリーを乾燥させてアルミナ層を積層する工程と、前記アルミナ層が積層された金属導入線を、前記合金スラリーにディップし、付着した合金スラリーを乾燥させて合金層を積層する工程とからなる結合層形成工程を含み、前記成形体作成工程で作製された成形体を、露点が−20℃〜−5℃に調整された水素雰囲気中で、マンガンの融点より高く且つ前記金属導入線の融点及び前記第3の金属材料の融点より低い温度で焼成することとしている。
さらに、発光管内の電極に給電するための金属導入線の外周に、略同心円状に複数積層された構造の成形体を設け、当該成形体を焼成して閉塞体を得る方法であって、前記成形体の各層用のスラリーを調製するスラリー調製工程と、前記金属導入線を最内層のスラリーにディップし、付着したスラリーを乾燥した後、2層以降最外層のスラリーに至るまで、順次ディップして付着、乾燥を繰り返す成形体作製工程と、を含み、前記成形体には有機物層があり、前記スラリー調製工程は、易分解性の有機材料を含んだ前記有機物層用のスラリーを調製する工程を含み、前記成形体作製工程は、前記成形体の複数層の内、前記有機物層を除く少なくとも1つの層を積層する前に、前記金属導入線を、前記易分解性の有機材料を含んだスラリーにディップし、付着したスラリーを乾燥させて前記有機物層を積層する工程を含むこととしている。
このため、スラリーを金属導入線に容易に付着させることができると共に、生産性を向上させることができる。しかも、例えば、金属導入線を、その軸心を鉛直にした状態で、スラリー内にディップして引き上げると、金属導入線を中心とした同心円状にスラリーを付着させることができると共に、各層における厚みが制御された成形体を得ることができる。このため、高品質の閉塞体を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における高圧放電ランプの構成を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における発光管の側管の縦断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態である閉塞体の製造工程を説明するための概略図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における成形体の側面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態における閉塞体の側面図である。
【符号の説明】
1 高圧放電ランプ
2 発光管
3 タングステン電極
5 モリブデン線
7 発光空間
8 側管
9 閉塞体
91 第1の焼結層
92 第2の焼結層
93 第3の焼結層
94 第4の焼結層
95 第5の焼結層
20 ワニス層
21 結合層
211 合金焼結層
212 アルミナ焼結層
213 合金焼結層

Claims (15)

  1. 発光管内の電極に給電するための金属導入線の外周に、略同心円状に複数積層された構造の成形体を設け、当該成形体を焼成して閉塞体を得る方法であって、
    前記成形体の各層用のスラリーを調製するスラリー調製工程と、
    前記金属導入線を最内層のスラリーにディップし、付着したスラリーを乾燥した後、2層以降最外層のスラリーに至るまで、順次ディップして付着、乾燥を繰り返す成形体作製工程と、
    を含み、
    前記成形体には金属層があり、
    前記成形体の前記金属層を除く金属導入線寄りの層用のスラリーは、前記発光管の熱膨張係数よりも前記金属導入線の熱膨張係数に近い熱膨張係数を有する第1の金属材料の粉末を含み、
    前記スラリー調製工程は、前記金属導入線の融点及び前記第1の金属材料の融点より低い融点である第2の金属材料の粉末を含んだ前記金属層用のスラリーを調製する工程を含み、
    前記成形体作製工程は、前記成形体の複数層の内、前記金属層を除く少なくとも1つの層を積層する前に、前記金属導入線を、前記第2の金属材料の粉末を含んだスラリーにディップし、付着したスラリーを乾燥して前記金属層を積層する工程を含み、
    前記成形体作成工程で作製された成形体を、前記第2の金属材料の融点より高く且つ前記金属導入線の融点及び前記第1の金属材料の融点より低い温度で焼成する
    ことを特徴とする放電ランプの発光管封止用閉塞体の製造方法。
  2. 発光管内の電極に給電するための金属導入線の外周に、略同心円状に複数積層された構造の成形体を設け、当該成形体を焼成して閉塞体を得る方法であって、
    前記成形体の各層用のスラリーを調製するスラリー調製工程と、
    前記金属導入線を最内層のスラリーにディップし、付着したスラリーを乾燥した後、2層以降最外層のスラリーに至るまで、順次ディップして付着、乾燥を繰り返す成形体作製工程と、
    を含み、
    前記成形体には結合層があり、
    前記成形体の前記結合層を除く金属導入線寄りの層用のスラリーは、前記発光管の熱膨張係数よりも前記金属導入線の熱膨張係数に近い熱膨張係数を有する第3の金属材料の粉末を含み、
    前記スラリー調製工程は、
    前記金属導入線の材料の粉末と前記第3の金属材料の粉末との少なくとも一方の粉末と、マンガンの粉末とを含む合金スラリーを調製する工程と、
    アルミナ粉末とシリカ粉末とを含むアルミナスラリーを調製する工程と
    を含み、
    前記成形体作製工程は、前記成形体の複数層の内、前記結合層を除く少なくとも1つの層を積層する前に、
    前記金属導入線を、前記合金スラリーにディップし、付着した合金スラリーを乾燥させて合金層を積層する工程と、
    前記合金層が積層された金属導入線を、前記アルミナスラリーにディップし、付着したアルミナスラリーを乾燥させてアルミナ層を積層する工程と、
    前記アルミナ層が積層された金属導入線を、前記合金スラリーにディップし、付着した合金スラリーを乾燥させて合金層を積層する工程と
    からなる結合層形成工程を含み、
    前記成形体作成工程で作製された成形体を、露点が−20℃〜−5℃に調整された水素雰囲気中で、マンガンの融点より高く且つ前記金属導入線の融点及び前記第3の金属材料の融点より低い温度で焼成することを特徴とする放電ランプの発光管封止用閉塞体の製造方法。
  3. 前記成形体作製工程において、前記金属導入線を、その軸心を鉛直にした状態の姿勢のまま、スラリーにディップし、引き上げることを特徴とする請求項1又は2に記載の放電ランプの発光管封止用閉塞体の製造方法。
  4. 前記成形体作製工程の後に、成形体から金属導入線が露出するように、前記金属導入線を残して前記成形体を所定長さに切断する切断工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放電ランプの発光管封止用閉塞体の製造方法。
  5. 発光管内の電極に給電するための金属導入線の外周に、略同心円状に複数積層された構造の成形体を設け、当該成形体を焼成して閉塞体を得る方法であって、
    前記成形体の各層用のスラリーを調製するスラリー調製工程と、
    前記金属導入線を最内層のスラリーにディップし、付着したスラリーを乾燥した後、2層以降最外層のスラリーに至るまで、順次ディップして付着、乾燥を繰り返す成形体作製工程と、
    を含み、
    前記成形体には有機物層があり、
    前記スラリー調製工程は、易分解性の有機材料を含んだ前記有機物層用のスラリーを調製する工程を含み、
    前記成形体作製工程は、前記成形体の複数層の内、前記有機物層を除く少なくとも1つの層を積層する前に、前記金属導入線を、前記易分解性の有機材料を含んだスラリーにディップし、付着したスラリーを乾燥させて前記有機物層を積層する工程を含む
    ことを特徴とする放電ランプの発光管封止用閉塞体の製造方法。
  6. 前記有機物層は、前記成形体の最内層として積層されることを特徴とする請求項5に記載の放電ランプの発光管封止用閉塞体の製造方法。
  7. 前記易分解性の有機材料は、ワニスであることを特徴とする請求項5又は6に記載の放電ランプの発光管封止用閉塞体の製造方法。
  8. 前記金属層は、前記成形体の最内層として積層されることを特徴とする請求項1に記載の放電ランプの発光管封止用閉塞体の製造方法。
  9. 前記第2の金属材料はマンガンであることを特徴とする請求項1又は8に記載の放電ランプの発光管封止用閉塞体の製造方法。
  10. 前記結合層形成工程は、前記成形体の最内層を積層するに実行されることを特徴とする請求項2に記載の放電ランプの発光管封止用閉塞体の製造方法。
  11. 前記金属導入線の材料は、タングステン又はモリブデンであることを特徴とする請求項2又は10に記載の放電ランプの発光管封止用閉塞体の製造方法。
  12. 前記第3の金属材料の粉末は、タングステンの粉末とモリブデンの粉末との内、少なくとも一方を含んでいることを特徴とする請求項2、10、11のいずれか1項に記載の放電ランプの発光管封止用閉塞体の製造方法。
  13. 前記スラリー調製工程において、
    合金スラリーのマンガンの含有量を1〜30wt%とし、
    前記アルミナスラリーのシリカの含有量を1〜5wt%とすることを特徴とする請求項2、10〜12のいずれか1項に記載の放電ランプの発光管封止用閉塞体の製造方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたことを特徴とする発光管封止用閉塞体。
  15. 請求項14に記載の発光管封止用閉塞体を用いて発光管が封止されていることを特徴とする放電ランプ。
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