JP4947463B2 - 流量計測装置および流量計測方法 - Google Patents

流量計測装置および流量計測方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4947463B2
JP4947463B2 JP2007101335A JP2007101335A JP4947463B2 JP 4947463 B2 JP4947463 B2 JP 4947463B2 JP 2007101335 A JP2007101335 A JP 2007101335A JP 2007101335 A JP2007101335 A JP 2007101335A JP 4947463 B2 JP4947463 B2 JP 4947463B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluid
heater
flow rate
flow
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007101335A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008256633A (ja
Inventor
博義 小泉
陽一 内記
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THE UNIVERSITY OF ELECTRO-COMUNICATINS
Original Assignee
THE UNIVERSITY OF ELECTRO-COMUNICATINS
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THE UNIVERSITY OF ELECTRO-COMUNICATINS filed Critical THE UNIVERSITY OF ELECTRO-COMUNICATINS
Priority to JP2007101335A priority Critical patent/JP4947463B2/ja
Publication of JP2008256633A publication Critical patent/JP2008256633A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4947463B2 publication Critical patent/JP4947463B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Measuring Volume Flow (AREA)

Description

本発明は、流量計測装置および流量計測方法に関し、特に極微少流量の計測にも利用可能な流量計測装置および流量計測方法に関するものである。
流量の計測は工業分野において必要不可欠であり、これまでに数多くの検出方法が考案されている。しかし、半導体の製造及びマイクロ流体関連などで需要のある1 ml/min以下の微小流量計については、現在、高価で複雑な構造の装置が必要である。
例えば、微小流量を計測する手段としてレーザドップラ流速計(LDV)のような、レーザ光を用いたものが挙げられる(例えば特許文献1参照)。しかしながら、こうしたレーザ光を用いた計測装置は、高価であり、しかも装置サイズが大きくなりがちであるなどの問題がある。
また、安価な微小流量計測手段として、例えば特開昭56-43559号に記載の計測装置が挙げられる。特開昭56-43559号に記載の流量計測方法では、上流側で流体を加熱し該加熱流体を温度マーカーとして、マーカーの移動時間から流速を計測する手段である。無論、流速が求まれば流路断面積を乗じることで流量が求まるわけであるが、微小流量領域では熱拡散の影響が大きく、加熱流体がマーカーとしての役目を果たし難いという問題があった。
特許3279116号 特開昭56-43559号
本発明は、上記従来事情に鑑みてなされたものであり、その課題とする処は、保守の必要性の少ない、安価で単純、かつ高精度な微小流量計を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る流量計測装置は、流体を通過させる流路と、前記流路を流れる流体を加熱する加熱器と、前記流路の途中に設けられ、前記加熱器における加熱による加速の影響を緩和し流体の拡散を促す拡散部と、流体の温度を検出する温度検出部とを備え、前記加熱器は前記流路中または拡散部中に配置されており、前記温度検出部は前記加熱器の下流側に設けられていることを特徴とする。
本発明では、ヒータにより加熱された流体が、ヒータ下流に設置されたセンサを通過したときの、加熱前と比べた温度上昇量ΔTを測定し、ΔTと流量Qが線形となるという関係を利用する(本願発明者が導出した後述する関係式に基づく)。さらに、本発明によれば、装置内にレデューサ等の流体を拡散させる作用を有する機構を設けることで、出力の安定化、および感度の向上を図ることができる。また、前記加熱器の制御および/または前記温度検出部からの検出信号の信号処理を行う情報処理装置を備えた構成とすることも可能である。
さらに、上記課題を解決するため、本発明に係る流量計測装置では、流路を流れる流体が重力と略逆向きに通過するように流路が保持されるような構成としてもよい。 これにより、上記加熱器によって加熱された流体は主流方向と同一方向に加速される(加熱された流体はその密度変化によって重力と逆方向に加速される)。この加熱流体の加速を上記拡散部によって抑制し、十分な熱拡散を促すことで後述のモデルへの適用が可能となり、微小流量の計測が実現される。
また、本発明に係る流量計測装置では、流路を流れる流体が重力と略同一方向に通過するように流路が保持されるような構成としてもよい。 これにより、上記加熱器によって加熱された流体は主流方向と反対方向に加速される。すなわち、これは加熱に基づく流体の加速方向と主流方向が対向することを意味し、それぞれの流れの衝突によって温度均一化が促される。このような構成とした場合には、温度拡散部を設けなくとも温度の均一化がされるため、更に安価に微小流量計を実現することができる。また、条件(例えば、加熱量や主流速度)によっては加速流と主流の衝突のみでは十分な温度拡散作用が得られないため、さらに温度拡散部を設けることで精度向上、感度向上が図られる。
さらに、上記課題を解決するため、本発明に係る流量計測装置では、前記拡散部が、前記流路の管径を縮小するレデューサによって構成されるようにしてもよい。
また、本発明に係る流量計測装置では、前記拡散部が、少なくとも一つの穴を有するプレートが流れ方向に対し直角に挿入してあるように構成してもよい。
さらに、前記加熱器による前記流体の加熱位置は、前記流体の流れ方向に直交する仮想面において、ほぼ中央となるように構成することが好ましい。
さらに、本発明に係る流量計測装置では、流路を流れる流体の流量が1ml /min以下であっても計測が可能である。
また、本発明の流量計測方法は、加熱による加速の影響を緩和し流体の拡散を促す拡散部を有する流路を流れる流体の流量を計測する方法であって、前記流体の一部を加熱して加熱流体とするステップと、前記加熱流体の温度を計測するステップと、前記加熱流体の上昇温度と前記流体の流量との関係を示す検量線を用いて、前記流体の流量を計測するステップとを備えることを特徴とする。
また、本発明の流量計測方法は、加熱による加速の影響を緩和し流体の拡散を促す拡散部を有する流路を流れる流体の流量を計測する方法であって、前記流体の一部を加熱して加熱流体とし、この加熱流体の上昇温度と前記流体の流量との関係を示す検量線を作成するステップと、前記流体の一部を加熱して加熱流体とするステップと、前記加熱流体の温度を計測するステップと、前記検量線を用いて前記流体の流量を計測するステップとを備えることを特徴とする。
本発明によれば、保守の必要性の少ない、安価で単純な微小流量計を提供することが可能となる。
以下、本発明に係る好適な実施の形態を添付図面とともに詳細に説明する。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置などを下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
[第一の実施形態]
先ず、本発明の第一の実施形態に係る流量計測装置を図1を参照しながら説明する。この実施形態に係る流量計測装置は、流体を通過させる大断面積の上流側流路1と、小断面積の下流側流路3と、流路1と流路3の間を連結し、流路1の管径を流路3の管径まで縮小するレデューサ2と、流体を加熱する加熱用ヒータ4と、熱電対からなる温度検出部5を主要な構成要素として備えている。
流路1は、断面形状が円形であって、かつ、その内部は、流体(液体でも気体でもよい)を通過させるように形成されている。この実施形態では、流路1は鉛直方向に延長されており、これによって、流路1を流れる流体は重力と略逆向きに通過可能になっている。なお、ここで「略逆向き」とは、方向が180度異なる場合だけでなく、重力方向と逆向き方向のベクトル成分を有する場合を含むものとする。
レデューサ2は、加熱用ヒータ4によって加熱された流体を拡散させる(温度を一様化させる)機能を担う。この作用により、本流量計を後述するモデル(流量と上昇温度が線形関係になる)へ適用することが可能となる。なお、レデューサは流体を拡散させる拡散部として好ましい一態様である。例えば、内径6mmの流路1にはアクリル管を、その他の部分も合成樹脂性の部品を用い、流路1、レデューサ2、流路3の各部品同士の接着を、接着剤によって行うことでレデューサ部を流路の途中に設けることができる。この他にも、例えば予めレデューサ部が一体として形成されているような継ぎ目の無い管を用いても良い。
流路3は、レデューサ2の下流側に設けられている。流路3の内径はレデューサの出口部分の径と同一であり、その他の構成は上述の流路1と同様である。
加熱用ヒータ4は、温度検出部5よりも上流側に設けられている。上述のレデューサによる拡散作用を考慮すると、この作用を十分得るために加熱用ヒータ4はレデューサの入り口付近に設けることが好ましい。加熱用ヒータ4は、図2に示されるように、環状に形成されたリング部4aと、リング部4aに接続された導線4bとを備えている。リング部4aは軸心と流体の流れ方向がほぼ平行となるように設置されている。また、リング部4aは、流体の加熱位置が、流体の流れ方向に直交する仮想面においてほぼ中央となるように配置されている。これによって、加熱用ヒータ4は、流体の最大流速点となる位置の近傍に配置されることになる。
良く知られているように、直円管内での流体の流れは、レイノルズ数が約2000以下では、直管入口の流れの状態によらず、図3に示されるようなポアズイユ流れとなる。ポアズイユ流れでは、図3に示すように流れ方向にはその流速分布が変わらない、放物形の流速分布をした層流となる。特に、レイノルズ数Reの小さい管内流の場合、非常に短い助走距離Lでポアズイユ流れとなることが知られている。助走距離Lは次式で得られる。
L=0.065Re×d
ただし、
Re≡Ud/γ:レイノルズ数
d : 流路の直径( m )
U : 管内平均流速( m / s )
γ : 流体の動粘性係数( m 2 / s )
である。
ポアズイユ流れについては従来からよく知られているため、これ以上は述べないが、本発明において重要なのは図3に示されるような速度分布となることである。つまり、加熱用ヒータ4が位置している中央付近において流路1を流れる流体の流速が最大となることである。これにより、流路の中央付近に設けられた加熱器によって軸対称流であるポアズイユ流れを軸対称に加熱することができ、拡散も対称に生じるため、流路全体に温度均一化を図ることができる。
加熱用ヒータ4は、パルス電圧発生装置41からの方形波電圧によって時間thの間加熱される。図4は、加熱用ヒータ4をパルス加熱するために用いた装置の一例である。同装置は、加熱用ヒータ4、パルス電圧発生装置41、定電圧電源装置42、電流制御用抵抗回路43で構成される。パルス電圧発生装置は本発明の特徴ではないため詳述はしないが、例えば、タイマーICを用いた無安定マルチバイブレータ回路を定電圧電源装置42により動作させ、同回路中の抵抗の大きさを変えることで、パルス通電の間の待機時間t1、パルス通電時間th調整することができる。また、パルス電圧発生装置41からの出力が一定の場合は、図4に示した電流制御用抵抗回路43を用いて電流の強さを制御し、加熱用ヒータ4の加熱量を調整することができる。このようにして、任意の間隔をもって加熱用ヒータ4を通電し、流体をパルス加熱することができる。なお、定電圧電源を情報処理装置54に繋げることで、温度計測データの収集のみならず、加熱用ヒータの制御も情報処理装置54によって行わせるようにすることができる。
上記、加熱用ヒータ4によって加熱された加熱流体は、熱拡散をしながら流れに乗って移動する。そして、その下流側において温度検出部5によって温度計測が行われ、加熱前と加熱後の上昇温度ΔTが計測される。
図5に温度検出部5の装置構成の一例を示す。本例では、安価に本装置を構成するために、熱電対を用いて温度検出部5を構成している。温度検出部5は、熱電対5、熱電対出力増幅回路52、ローパスフィルタ回路53、およびA/D変換ボード、データの記憶媒体、データ処理部等(図示せず)を備えた情報処理装置54を主要な構成として備えている。熱電対の出力は、熱電対出力増幅回路52で拡大し、ローパスフィルタ回路53を介して情報処理装置54に取り込まれる。
また、実施態様によっては加熱用ヒータ4と温度検出部5の間の距離Lが近接する場合も想定される。このような場合、絶縁をしていないニクロム線ヒータと、熱電対の測定部位が近い位置に存在し、ヒータ通電中に、ヒータと熱電対の間に微弱ながら漏れ電流が発生する。熱電対自体の出力は小さく、増幅装置のゲインは大きいため、漏れ電流は微弱であっても、ヒータ通電中およびその直後の装置の出力に大きな影響を及ぼす。特に漏れ電流の影響は、空気に比して導電率の高い水中において顕著となる。そこで、本実施形態では漏れ電流の対策として、熱電対測定部位を絶縁テープ51で覆うとともに、パルス通電の通電中、および待機中に、熱電対の電位を、ニクロム線ヒータの平均の電位に揃える回路55を設けている。
次に、本実施形態に係る流量計測装置の動作方法について説明する。先ず、この流量計測装置において、図1の矢印の方向に流体が流れているとする。そうすると、先ずこの流体の一部はレデューサの入り口付近に設けられた加熱用ヒータ4によりパルス加熱される。そして、加熱された流体はレデューサ部において熱拡散をしながら温度が一様化され、流れに乗って下流側に移動する。
そして、加熱流体は、ヒータよりも下流側に設けられた温度検出部に到達し、温度計測が行われる。加熱前の流体の温度は既知であるから、情報処理装置54により上昇温度ΔTが計算され、予め求めておいた検量線(流体の上昇温度ΔTと流体の流量Qとの関係を示す)から流量を知ることができる。以上のように、本発明に係る流量計測装置は非常にシンプルな構成であるため、安価に製作することができる。単体として本流量計を使用することを前提に製作費用を見積もると、例えば、ヒータ部の製作費(パルス発生回路と定電圧電源の製作費:〜\2000)、温度センサー部の製作費(熱電対と増幅用アンプ:〜\500、出力測定用の直流電圧計:〜\2000)を考慮して5000円以内で一台の流量計の製作が可能となる。
次に、流体の上昇温度ΔTと流体の流量Qとの関係を示す検量線の作成方法について説明する。この検量線は本願発明者が導いた次の関係式に基づくものであることから、先ずはこの関係式について説明する。以下、流量Qと流体の上昇温度ΔTの定性的関係を、流動系を単純化したモデルをもとに説明する。
ΔTの大きさは、ヒータによる加熱量Δqが一定であれば、ヒータによる加熱を開始してから、加熱された流体がセンサに到達するまでに熱が伝わる流体の体積の総量Vh(熱は同体積内に均等に分布するものとする)に反比例する(式(1))。ただし、測定管及び測定管外への熱の拡散は考えないものとする。ここで、ρは流体の密度を、Cpは定圧比熱を示す。
ここで、モデルの単純化のため以下の(i)〜(iii)を条件とする。
(i)レデューサのモデルを、同じ体積を持つ直円管のモデルに置き換える(図6参照)。ここで、同じ体積とは管内平均流速Umの流体が、長さL(ヒータ−センサ間の距離)を通過するのに要する時間をΔtとしたとき、同じく通過するのにΔtの時間を要する内径の直円管の長さをL’とし、長さLのレデューサと長さL’の直円管の体積は等しくなるような関係をいう。例えば、長さLの間に内径が6
mmから3 mmに絞られるレデューサと、長さL’の内径6 mmの直円管を上記の関係に当てはめると、L’=7L/12となり、長さLのレデューサ、長さL’の直円管の体積は等しくなる。以下、測定管はヒータ-センサ間長さがL’の直円管であるとし、この結果は長さLのレデューサのモデルにも適用できるものとする。
(ii)管断面内は、一様に流速Umである。すなわち、管内の粘性による速度境界層の形成、および流体の温度上昇に伴って生じる流体の浮力による加速は考慮しないものとする。
(iii)加熱はヒータ設置断面全体に一様に行われる。実際のヒータは、管の軸方向、断面方向に有限の幅を持つが、ここでは厚さ0のヒータ設置断面の断面全体に、一様に加熱を行うヒータを想定する。
図7は、前述の条件から導いたVhのモデルである。Vhのオーダーはh0、δTに依存し、式(2)で表される。ここで、h0はヒータ加熱中にヒータ断面を通過する流体の長さ、δTはヒータが流体に与えた熱が熱伝導により拡散した長さを示す(図7参照)。
0は、ヒータ加熱時間t間に、ヒータの設置された断面を流速Umで通過する流体の軸方向の長さであり、式(3)で与えられる。
δTは加熱流体がセンサに到達した時点での、熱拡散の長さである(図8参照)。加熱された流体は主流に乗って移動し(図8(a))、加熱流体の移動中に熱伝導によって流れ方向への熱拡散が生じ(同図(b))、加熱開始からΔt[s]後に加熱流体はセンサに到達する(同図(c))。このときまでに熱拡散が進んだ長さをδTとする。
δTのオーダー評価は、無限静止空間中に置かれた点熱源からの熱拡散の式(4)より、(5)式で与えられる。なお、時間の代表量には、解析を容易にするため、流速Uの流体が熱源-センサ間L’を移動する時間Δt
(=L’/Um)を用いている。
式(2)にから分かるように、Vhのオーダーは、(h0+2δT)のオーダーに比例する。また、式(2),(3),(5)からは、Vhのオーダーは、Qが十分に小さい領域ではδTの影響が支配的に、Qが十分大きな領域ではh0の影響が支配的になることがわかる。すなわち、Qが十分大きな領域では、その分流速も早くなるため、加熱流体の移動時間Δtが短くなり、結果としてδTも小さくなる。一方、Qが小さな領域(微小流量領域)では、加熱流体の移動時間Δtが長くなるため、δTが大きくなる。
式(1)〜(4)より、ΔTのオーダーはUの関数となる(式(6))。ここで、a,b,c,a',b',c'は定数である。
(6)式より、
となることが判る。また、
となるUmでΔTの極大値が生ずる。
図9は、(6)式によるQ‐ΔTの関係を示している。図9を見ると、Q−ΔT間の関係は、流量の小さい領域Aでは右肩上がりの関係、流量の大きい領域Bでは右肩下がりの関係が現われる。本発明では、領域Aの関係(Q-ΔTの関係が線形に近似できる部分)を利用して検量線を作成し、微小流量計を実現する。
上述の如く、微小流量領域だと熱拡散の影響が支配的となるため、加熱流体を温度マーカーとし、その移動時間から流速を求めるような手法は実現困難となる。一方で、本発明は熱拡散による温度の一様化作用をも利用して、上記(6)式により表されるモデルを適用するため、熱拡散の長さδTが支配的となることによる不都合はない。以上が、本発明の基本原理である。
では、検量線作成方法について説明する。検量線の作成は、図10に示すような装置を用いることで行うことができる。図10に示す装置は、図1に示す構成に、一定の流量を発生させることが可能な装置61(以下、一定流量発生装置)を加えたものである。
一定流量発生装置61の一例を図11に示す。ここに示す一例では、一定流量の水流の供給は、注射器内の水を一定速度で押し出す、減速器付きのトラバース装置を用いている。先ず、外部電源(図示せず)によって減速機付きモータ62を駆動する。そして、モータ62の駆動により得られた回転はトラバース装置63によって、台座64の直線運動に変換される。この台座62には、少なくとも一つの注射器が備えられており、台座62の直線運動(矢印66の方向)に伴なって、注射器65も直線運動を行う。この注射器65の直線運動によって、注射器のピストンが押され、流体が一定速度で押し出される。さらに、流量の調整は、使用する注射器の種類、本数により調整することが可能となる。図11では一例として、台座64に計4本の注射器を図示してある。
例えば、モータの回転数:60 rev/min、減速器の減速比:12.5 : 1、トラバース装置のピッチ:3 mm/revとした場合、14.4 mm/min の直線運動が得られる。そして、注射器に、樹脂製の医療用注射器1mL用(内径4.5mm)を用いた場合には0.25
mL/min、5mL用(内径13mm)では1.9 mL/min単位での流量調整が可能となる。
検量線の作成のために、先ず、一定流量発生装置61により発生した既知の流量を流路1に流す。そして、流体が流路1を流れると、加熱器4の位置においては、図3に示されるポアズイユ流れとなり、流速は加熱器4が位置する中央付近において最大となる。ついで、加熱器4によってパルス加熱され、加熱された部分の流体(加熱流体)の密度は、加熱前よりも小さくなる。すると、周囲の非加熱流体との密度差に基づく浮力により、重力と反対方向に、加熱部分の流れが加速される。そして、加熱流体は流れに乗って移動し、レデューサ部2を通過した後、温度検出部5に到達する。そして、加熱流体は温度検出部において温度計測が行われる。
ここで測定したのは、あくまで、加熱流体の温度(この温度から上昇温度ΔTの計算ができる)である。したがって、実際の流体の流量Q(または流速) との関係は未知である。そこで、流量を一定流量発生装置で変化させ、各実験毎に上昇温度を計測し、この実験結果をプロットすることで、両者の関係を示す検量線を得ることができる。
例えば、図12に示すような実験結果が得られる。図中、上側のグラフがレデューサの無い通常の円管、下側のグラフがレデューサ付きの管の場合の実験結果を示す。なお、図中同一の流量において複数の実験結果があるが、この実験結果のばらつきは、管の内径やヒータ形状等の設計変更により全体を最適化することで無くすことが可能である。これにより、さらに計測精度の向上を図ることができる。実験条件は下記の通りである。
(a)レデューサ付き管
・流路1の内径:6mm
・流路2の内径:3mm
・レデューサ部の長さL:18mm
・加熱用ヒータ素材:ニクロム線(素線径0.12mm)
・ヒータ部分の直径D=0.5mm、流れ方向の長さ:3mm
・ヒータ電力:1.7W
(加熱時間th=1.8s,加熱量Δq=3J)
・流量:0.00〜1.95(mL/min)
・水温:19℃
(b)直円管
・管内径:6mm
・L':10.5
mm
・水温:18℃
図12の(a)レデューサ付き管のグラフから判るように、流量Qが0〜1(ml/min)の範囲において、Q−ΔTの関係は線形関係(一次関数で表される関係)となっている(図中破線参照)。これは、図9に示した解析的結果の領域Aとよく一致している。これを検量線とすることによって、上昇温度ΔTから、実際の流体の流量を、正確に測定することができる。仮に、加熱流速と流体流量との関係が複雑な非線形であった場合、検量線を作成したとしても、精度は悪くなる。すなわち、有限である実験結果から精度の良い補間を行うことが困難となる。これに対し、両者の関係が線形であれば、検量線作成時での測定点の間における値を精度良く補間することができる。また、図12に示す実験結果からは、本発明によれば1(ml/min)以下の微小な流量であっても計測が可能であることが判る。
一方、比較例として示した(b)円管の場合のグラフは、(a)レデューサ付き管の場合に比して、感度(流量変化に対する温度上昇の量)が低い。また、0〜約0.5(ml/min)の間では線形関係が得られていない。これは、レデューサがないため、浮力による加熱流体の加速が支配的となり、熱拡散が十分に進行する前に加熱流体がセンサに到達してしまうためである。すなわち、温度が一様化されないために、上述の条件(iii)に当てはまらず、式(6)に示す単純化したモデルに適用ができなくなっているからだと考えられる。これは、実際には部分的な加熱でありながら、レデューサの導入効果により管内の温度場、速度場の拡散が進み、断面全体を一様に加熱するという条件(iii)への適用が可能となることを示している。レデューサを導入することで、感度が向上し計測精度が高まるとともに、より広い流量範囲で線形関係が得られるため計測範囲が広くなるという利点がある。
このことは、図13に示す実験結果からも理解できる。図13に示すグラフは、温度検出部における温度計測結果(Q=0.5ml/minの場合)である。なお、図中、横軸が時間で1目盛り10
s、縦軸が温度であり1目盛り1 Kである。また図中、矢印で示す位置において加熱流体が到達したことを意味する。ここでは流体の温度のピーク値をもって加熱流体がセンサに到達したとみなす。ただし、レデューサ付き管の場合には、熱拡散によって明確なピーク値を読み取れないため、温度がほぼ一定になったときの温度を用いる。このように、直円管の場合と異なりピーク値が現れる時間が長いため、ピーク値の計測が容易となり実験結果の再現性が高まるという利点がある。さらに、本発明は流量計測を行うために、流体が加熱されてからセンサに到達するまでの時間を要しないため、時間を計測するための機構を設ける必要がない。
通常の円管の場合は、図13(b)に示すように、加熱が開始されてから加熱された流体がセンサに到達する時間ΔtBが、主流流速がヒータ−センサ間を移動する時間と比べ、大幅に短いことが見てとれる。加熱が行われない場合には流体は加熱器と温度検出センサの間を35秒で通過するのに対し、レデューサの無い(b)直円管の場合は3.7秒で加熱流体が到達している。一方、(a)レデューサ付き管の場合には(b)直円管の場合よりも約7秒加熱流体の到達が遅れており、レデューサによって加速の影響が抑制されていること判る。
また、(b)直円管の場合には短時間の内に明確な温度ピークが現れるのに対し、(a)レデューサ付き管の場合には、ほぼ同一の温度が長時間にわたって計測されている。これは、レデューサの導入によって加熱流体が温度検出部に到達するまでの時間が長くなったため、熱拡散の長さδTが大きくなり、十分に温度均一化が図られていることを示している。
また、図13に示す実験結果(Q=0.50ml/minの場合)と図14に示す実験結果(Q=0.25ml/minの場合)を比較すればわかるように、通常の直円管の場合には、ΔtBの値は、Qの大きさが変化してもそれ程変化しない。このことより、直円管の場合において、加熱流体の流速では、加熱前の主流流速よりも、浮力による加速が支配的となっていることがわかる。直円管では、加熱により生ずる浮力により、加熱流体の流速が、加熱前の流速の大小に関わらず一定に近くなってしまうことが、感度低下の原因と考えられる。さらに、両実験結果を比較すると、流量Qが小さい(平均流速Umが小さい)程、加熱流体の加速がレデューサによって抑制されているのが判る。とくに、Umが小さい場合(Um〜0mm/s)の流れは、加熱流体の加速がレデューサにより抑制される。このため、温度拡散に十分な時間がとれるので、流体温度の均一化が促進される。この結果、レデューサ付き管の場合にはUmの小さい範囲を含めて一様な流体の温度上昇ΔTとUmの間に、線形な関係が得られたものと考えられる。
また、式(6)からも分かるように温度上昇量ΔTはUmの減少とともに減少する。この現象は、レデューサのない場合には浮力による加速が支配的となるため、十分な拡散時間がとれず不均一な温度分布になるのに対し、レデューサがある場合には加速が抑制され十分拡散がされるためである。さらにレデューサのない場合には温度拡散のための十分な時間がとれないため、レデューサをつけた場合に比べて、管中央に設置した温度センサーは高いΔTを示し、ΔTとUmの間には、線形な関係が成り立たなくなるのである。
この実験結果からもレデューサを設けたことによる拡散作用の有用性が判る。加熱流体の移動は、流体の質量移送および、流体内の熱拡散による熱伝導により行われるが、流速の小さな系では、熱伝導の影響により、主流到達前にセンサ位置で温度上昇が観測される。したがって、レデューサは加熱による加速の効果を緩和し熱拡散を促し感度を向上させているのである。
また、本例のように、微少流量を計測対象としたときには、流体の流速は小さくなる。よって、レイノルズ数Reも小さくなるため、流体の助走距離が短くとも、ポアズイユ流れが形成される。したがって、本発明に係る流量計測装置または流量計測方法によれば、流体の助走距離(加熱用ヒータまでの直円管部分)を短くできるので、装置を小型化することができるという利点がある。
さらに、図12に示す実験結果からも判るように、本発明によれば、流量がゼロ付近になっても流量を計測できるため、例えば、極微少量が漏れ続けるようなガス漏れを正確に検知することも可能となる。すなわち、本発明に係る流量計測装置または流量計測方法はガス漏れ探知機にも適用が可能である。
また、本実施形態では、前記のような計測方法となっているため、パルス加熱の時間間隔Δthを短くすることにより、非定常な微少流量の流速を実質的に連続的に(つまり短い時間間隔で)測定することもできる。
さらに、本実施形態では、流体の横断面におけるほぼ中央において流体を加熱しているので、加熱流体と管壁との間における熱の交換を低く抑えることができる。仮に、加熱流体の温度が、流体と管壁との熱交換によって影響されると、上述の単純化したモデルへの適用が困難となり測定精度が劣化するおそれがある。しかしながら、本実施形態によれば、流体の横断面におけるほぼ中央において流体を加熱していることから、加熱量のほぼ全てが流体に与えられ、管壁との熱交換による測定精度の劣化を低く抑えることができる。
ただし、加熱器4の位置は流路1の中央近傍に限らず、管壁との熱交換による影響を受けない範囲であれば、半径方向にずらして配置することも可能である。仮に加熱用ヒータが中央近傍に配置されていない場合であっても、本発明においては温度拡散が十分に行われた後に温度計測が行われるため、温度検出部と加熱用ヒータの配置位置が仮想平面内において多少ずれていても、測定精度が落ちるおそれはない。ただし、ヒータの下流側に設けたレデューサによって温度を一様化することを考慮すると、軸対称流であるポアズイユ流れを軸対称に加熱した方が拡散も対称に生じるため、ヒータは流路の中央付近に設けられることが好ましい。
また、流体を加熱し、この加熱流体の移動時間から流速を求める装置においては、計測される流速が過度に遅い場合に、温度検出が行われる前に熱が拡散し、計測が不正確になるおそれがある。すなわち、このような場合には加熱流体がマーカーとしての役目を果たし難いのである。しかし、本発明は熱拡散の影響をも考慮した原理であるため、熱拡散の影響を受けることなく、計測を正確に行うことが可能となる。
また、本実施形態ではリング状の加熱器を流路の中央付近に配置したが、他例としては流れに直交する仮想面内全体に格子状の導線を配置することでほぼ一様に流体を加熱することも可能となる。
[第2の実施形態]
次に、第二の実施形態について図15を参照して説明する。この実施形態に係る流量計測装置は、流体が重力と略同一方向に通過するように保持された流路71と、流体を加熱する加熱用ヒータ72と、熱電対からなる温度検出部73を主要な構成要素として備えている。この実施形態は、第一の実施形態と異なり、流路を流れる流体が重力と略同一方向に通過するように保持されている。ここで「略同一方向」とは、方向が全く同一の場合だけでなく、重力と同一方向のベクトル成分を有する場合を含むことを意味する。流路71、加熱用ヒータ72、および温度検出部73は、上記流路1、加熱用ヒータ4、温度検出部5と同一構成であるため、ここでは詳述しない。
上述の通り、加熱用ヒータによって加熱された部分の流体(加熱流体)の密度は、加熱前よりも小さくなる。すると、周囲の非加熱流体との密度差に基づく浮力により、重力と反対方向に、加熱部分の流れが加速される。本実施形態においては、流体が重力と同一方向に流れるように流路が保持されているため、加熱により加速される流体の加速方向と主流の方向が異なる。したがって、加熱流体は主流に逆らって加速しようとするため、主流と加速流が衝突し、レデューサ等の拡散部を設けなくとも、よい拡散作用が得られる。すなわち、重力と同一方向に流れる強制流が、加熱に基づく上向きの浮力流により不安定化されることにより、対流混合による拡散作用が生じ加熱流体の温度は一様化される。
加熱量一定(グラスホフ数(Gr数)と呼ばれる自然対流の大きさを表す無次元数が一定)で、流量を変えた(レイノルズ数(Re数)と呼ばれる強制流の大きさを表す無次元数を変える)場合に、両者の無次元数の比であるGr/Re2の値(自然対流と強制流の相対的な大きさを表す)により、さまざまな流動パターンが生ずる。例えば、Gr/Re2の値が1付近となるように設計すれば、加熱による浮力と主流の慣性力の影響がほぼ同一となり、よい混合効果が得られると考えられるため、そのような値にすることが好ましい。
検量線作成は、第一の実施形態の場合と同様に、任意の流量と上昇温度の関係をプロットすればよい。この検量線における線形関係を利用すれば、上昇温度ΔTを計測するだけで正確な流量Qを知ることができる。
[第3の実施形態]
次に、第三の実施形態について図16を参照して説明する。この実施形態に係る流量計測装置は、流体が重力と略逆方向に通過するように保持された流路81と、流体を加熱する加熱用ヒータ82と、加熱用ヒータ82
の下流側に配置された少なくとも一つの穴を有するプレート83と、熱電対からなる温度検出部84を主要な構成要素として備えている。この実施形態では、上記プレート83が加熱による加速の影響を抑制するとともに流体を拡散させる作用を担う。
ここで、「略逆方向」とは第一の実施形態の場合と同義である。また、その他の流路、加熱用ヒータ、温度検出部も他の実施形態の場合と同様である。
プレート83は、“複数の穴が開いているプレート”や“中央付近に一つの穴が開いているプレート(オリフィスプレートと呼ばれる)”である。このプレート83は、ヒータの下流側に設けられ、円管の流れ方向に対し直角に挿入される。プレート83を設けることにより、流体の混合、拡散を促進され、上記の単純化したモデルへの適用が可能となる。図16に示す実施形態では、一例として、中央に一つの穴が開いたプレートを設けてある。
検量線作成は、第一の実施形態の場合と同様に、任意の流量と上昇温度の関係をプロットすればよい。この検量線における線形関係を利用すれば、上昇温度ΔTを計測するだけで正確な流量Qを知ることができる。
また、本実施形態においては、流体が重力とほぼ逆向きに通過するように流路を保持したが、第二の実施形態の場合のように重力と同一方向に通過するようなケースでも、付加的にヒータの下流側に穴の開いたプレート設けることで混合を促進させることが可能となるため有用である。
本発明の基本構成を説明する図である。(第一の実施形態) 図1におけるA方向拡大矢視図である。 ポアズイユ流れを説明するための図である。 加熱用ヒータの構成を説明する図である。 温度検出部の構成を説明する図である。 本発明の基本原理を説明するための図である。 本発明の基本原理を説明するための図である。 加熱流体の挙動を説明するための図である。 流量と上昇温度の関係を説明する図である。 検量線作成のための装置の基本構成を説明する図である。 一定流量発生装置の構成を説明する図である。 検量線の一例を示すグラフである。 加熱流体が温度検出部に到達するまでの時間を示すグラフである。 加熱流体が温度検出部に到達するまでの時間を示すグラフである。 本発明の基本構成を説明する図である。(第二の実施形態) 本発明の基本構成を説明する図である。(第三の実施形態)
符号の説明
1,3,71,81・・・流路
2・・・レデューサ
4,72,82・・・加熱用ヒータ
5,73,84・・・熱電対
4a・・・リング部
4b・・・導線
41・・・パルス電圧発生装置
42・・・定電圧電源
43・・・電流調整用抵抗回路
51・・・絶縁テープ
52・・・熱電対用増幅回路
53・・・LPフィルタ回路
54・・・情報処理装置
55・・・漏れ電流対策回路
61・・・一定流量発生装置
62・・・減速機付きモータ
63・・・トラバース装置
64・・・注射器用台座
65・・・注射器
83・・・穴あきプレート

Claims (10)

  1. 流体を重力と略逆向きに流し通過させるように保持された流路と、
    記流体を加熱する加熱器と、
    前記流路の途中に設けられ、前記加熱器における加熱による加速の影響を緩和し流体の拡散を促す拡散部と、
    前記加熱器の下流側に設けられ、前記加熱流体の温度を検出する温度検出部と
    前記加熱器の制御および前記温度検出部からの検出信号の信号処理を行う情報処理装置とを備え、前記加熱器前記流路中に配置した流量計測装置において、
    前記拡散部が、前記流路の管径を下流へ向かって縮小するレデューサであり、該レデューサよりも上流側に前記加熱器を配置するとともに、該レデューサによって狭められた流路中に前記温度検出部を配置したことを特徴とする流量計測装置。
  2. 流体を重力と略逆向きに流し通過させるように保持された流路と、
    前記流体を加熱する加熱器と、
    前記流路の途中に設けられ、前記加熱器における加熱による加速の影響を緩和し流体の拡散を促す拡散部と、
    前記加熱器の下流側に設けられ、前記加熱流体の温度を検出する温度検出部と、
    前記加熱器の制御および前記温度検出部からの検出信号の信号処理を行う情報処理装置とを備え、前記加熱器を前記流路中に配置した流量計測装置において、
    前記拡散部が、前記流路の管径を下流へ向かって縮小するレデューサであり、該レデューサの入り口付近に前記加熱器を配置するとともに、該レデューサによって狭められた流路中に前記温度検出部を配置したことを特徴とする流量計測装置。
  3. 流体を重力と略逆向きに流し通過させるように保持された流路と、
    前記流体を加熱する加熱器と、
    前記流路の途中に設けられ、前記加熱器における加熱による加速の影響を緩和し流体の拡散を促す拡散部と、
    前記加熱器の下流側に設けられ、前記加熱流体の温度を検出する温度検出部と、
    前記加熱器の制御および前記温度検出部からの検出信号の信号処理を行う情報処理装置とを備え、前記加熱器を前記流路中に配置した流量計測装置において、
    前記拡散部は、少なくとも一つの穴を有するプレートを流れ方向に対し直角に挿入してなり、
    前記加熱器は、前記プレートよりも上流側に配置されていることを特徴とする流量計測装置。
  4. 前記温度検出部は、前記プレートよりも下流側に配置されていることを特徴とする請求項3記載の流量計測装置。
  5. 流体を重力と略逆向きに流し通過させるように保持された流路と、
    前記流体を加熱する加熱器と、
    前記流路の途中に設けられ、前記加熱器における加熱による加速の影響を緩和し流体の拡散を促す拡散部と、
    前記加熱器の下流側に設けられ、前記加熱流体の温度を検出する温度検出部と、
    前記加熱器の制御および前記温度検出部からの検出信号の信号処理を行う情報処理装置とを備え、前記加熱器を前記流路中に配置した流量計測装置において、
    前記流体を前記加熱器により加熱し、この加熱流体の温度を前記温度検出部により計測し、この計測温度と加熱前の前記流体の既知の温度から前記情報処理装置により上昇温度を計算し、流体の上昇温度と流体の流量との関係を示す検量線から前記流体の流量を知るようにしたことを特徴とする流量計測装置。
  6. 前記拡散部が、前記流路の管径を下流へ向かって縮小するレデューサであり、該レデューサよりも上流側に前記加熱器を配置したことを特徴とする請求項5記載の流量計測装置。
  7. 前記レデューサによって狭められた流路中に、前記温度検出部を配置したことを特徴とする請求項6記載の流量計測装置。
  8. 流体の流量が0〜1ml/minの範囲で、前記検量線を用いるようにしたことを特徴とする請求項6又は7記載の流量計測装置。
  9. 前記拡散部は、少なくとも一つの穴を有するプレートを流れ方向に対し直角に挿入してなり、前記加熱器は、前記プレートよりも上流側に配置されていることを特徴とする請求項5記載の流量計測装置。
  10. 前記加熱器による前記流体の加熱位置は、前記流体の流れ方向に直交する仮想面において、ほぼ中央であることを特徴とする請求項1乃至9何れか1項記載の流量計測装置。
JP2007101335A 2007-04-09 2007-04-09 流量計測装置および流量計測方法 Expired - Fee Related JP4947463B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007101335A JP4947463B2 (ja) 2007-04-09 2007-04-09 流量計測装置および流量計測方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007101335A JP4947463B2 (ja) 2007-04-09 2007-04-09 流量計測装置および流量計測方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008256633A JP2008256633A (ja) 2008-10-23
JP4947463B2 true JP4947463B2 (ja) 2012-06-06

Family

ID=39980332

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007101335A Expired - Fee Related JP4947463B2 (ja) 2007-04-09 2007-04-09 流量計測装置および流量計測方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4947463B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6566062B2 (ja) 2018-02-22 2019-08-28 オムロン株式会社 流量測定装置
CN116519065B (zh) * 2023-06-28 2023-09-26 江铃汽车股份有限公司 一种热管理试验散热器水流量测试分析方法及系统

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05126609A (ja) * 1991-11-06 1993-05-21 Hitachi Ltd 空気流量測定装置
JP2789272B2 (ja) * 1991-12-06 1998-08-20 山武ハネウエル株式会社 流量計の流量補正方法
JP3425759B2 (ja) * 1998-05-12 2003-07-14 トヨタ自動車株式会社 ガス流量測定装置
JP2001059759A (ja) * 1999-08-24 2001-03-06 Hitachi Ltd 発熱抵抗式流量測定装置
JP2006153635A (ja) * 2004-11-29 2006-06-15 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd タンク内液体の漏れ検知装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008256633A (ja) 2008-10-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Fan et al. Nanoscale sensing devices for turbulence measurements
EP1535031B1 (en) Method and apparatus for validating the accuracy of a flowmeter
US7007549B2 (en) AC type flowmeter and method of mapping flow rate data for the same
US11187715B2 (en) Multi-component fast-response velocity sensor
JP4947463B2 (ja) 流量計測装置および流量計測方法
CN109891234A (zh) 用于具有至少三种组分的气体混合物的热导检测器
JP2010117159A (ja) 微少流量計及び微少流量測定方法
US5347876A (en) Gas flowmeter using thermal time-of-flight principle
Vit et al. The influence of temperature gradient on the Strouhal–Reynolds number relationship for water and air
Vukoslavcević et al. The simultaneous measurement of velocity and temperature in heated turbulent air flow using thermal anemometry
EP3047284B1 (en) Sensor for high temperature turbulent flow
Lemay et al. Correction of cold-wire response for mean temperature dissipation rate measurements
Ball et al. Appraisal of a hot-wire temperature compensation technique for velocity measurements in non-isothermal flows
US6962077B2 (en) System and method of measuring convection induced impedance gradients to determine liquid flow rates
Arlit et al. Flow rate measurement in flows with asymmetric velocity profiles by means of distributed thermal anemometry
Schmirler et al. Double probe recovery temperature Anemometry
Al-Salaymeh et al. Development and testing of a novel single-wire sensor for wide range flow velocity measurements
Weiss et al. Calorimetric wall-shear-stress microsensors for low-speed aerodynamics
KR100395656B1 (ko) 질량유량제어기의 질량유량측정센서
Hammerschmidt et al. A Pulsed Thermal-Flow (PTF) Sensor Measures Velocity of Flow and Thermal Diffusivity
Koizumi et al. A micro flowmeter based on the velocity measurement of a locally accelerated thermal flow in an upwardly directed Hagen–Poiseuille flow
JP2011237200A (ja) 流量計及び流量測定方法
Vukoslavčević et al. Testing of a hot-and cold-wire probe to measure simultaneously the speed and temperature in supercritical CO 2 flow
Venne Design of an anemometer to characterize the flow in the rotor rim ducts of a hydroelectric generator
JPWO2002088640A1 (ja) 流量計測方法および流量計測装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090605

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20090605

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111129

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120207

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120224

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150316

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees