本発明は液晶表示装置に関し、特に外光を反射して表示を行う反射型の表示領域と背面から光を透過させて表示を行う透過型の表示領域とを有する半透過型液晶表示装置に関する。
外光を画素内に設けられた反射板によって反射させ、照明装置を備える必要のない反射型の液晶表示装置、及び照明装置としてバックライトを備えた透過型液晶表示装置が知られている。
反射型液晶表示装置は、外光を利用して表示をすることができるので、低消費電力化、薄型化、軽量化が達成でき、例えば携帯端末用として利用されている。一方、透過型液晶表示装置は、バックライトを備えているので、暗い環境下においても視認性が良いという特性を有する。
また、反射型液晶表示装置と透過型液晶表示装置の双方の利点を併せ持つ液晶表示装置として、1画素内(カラー表示の液晶表示装置にあっては、1副画素内)に反射型の表示領域(以下、単に、反射領域と呼ぶ)と透過型の表示領域(以下、単に、透過領域と呼ぶ)との両方を有する半透過型液晶表示装置が提案されている。半透過型液晶表示装置にあっては、反射領域においては光は液晶層を往復し、透過領域においては照明装置からの光が液晶層を通過する。このため、反射領域と透過領域とで液晶層の厚さに差を設けることにより、液晶層における光の経路長の差に起因するリタデーション(位相差)の相異を無くすことも提案されている(例えば、特許第2955277号公報(特許文献1)参照)。
また、液晶表示装置として、配向した液晶分子の分子軸の方向(「ディレクタ」とも呼ばれる)を基板に対して直交する面内において回転させ表示を行う縦電界駆動型の液晶表示装置の他、基板に対して平行な面内において回転させ表示を行う横電界駆動型の液晶表示装置が周知である。インプレーンスイッチング(InPlane Switching:IPS)方式等の横電界駆動型の液晶表示装置にあっては、対向する基板間に狭持された液晶層に電界を印加し、液晶分子を基板に対して平行な面内において回転させることで画像表示が行われる。
横電界駆動型の液晶表示装置、例えば、透過型のIPS方式の液晶表示装置にあっては、液晶層は、クロスニコルに配置された2枚の偏光板の間に配置されている。所謂ノーマリーブラックである場合、一方の偏光板の偏光軸の方向とディレクタとは、液晶層に電界が印加されていない状態においては略一致し、液晶層に電界が印加された状態においては、略45度の角度を成す。液晶層に電界が印加されていない状態にあっては、入射側の偏光板に入射した光は液晶層によるリタデーションを殆ど生ずることなく出射側の偏光板に達し、出射側の偏光板に吸収される(黒表示の状態)。従って、黒表示の状態として、液晶層を挟まない理想的なクロスニコルと殆ど同等の状態を得ることができる。一方、液晶層に電界が印加されている状態にあっては、入射側の偏光板を透過した直線偏光に対し、ディレクタは略45度の角度を成す。このとき、液晶層は1/2波長板として作用し、直線偏光の振動方向を90度回転させる。これにより、液晶層を通過した光は出射側の偏光板を透過する(白表示状態)。
上記のIPS型の液晶表示装置は、広い視野角特性を有することが知られている。また、上述したように、黒表示の状態は液晶層を挟まない理想的なクロスニコル状態と殆ど同等となる。従って、高コントラストの画像表示が可能となる。
しかし、半透過型液晶表示装置を単純に横電界駆動型とすると、透過領域ではノーマリーブラック、反射領域ではノーマリーホワイトとなり、動作モードが一致しないという問題が生ずる。以下、図面を参照して説明する。
図29の(A)〜(D)は、半透過型液晶表示装置の反射領域と透過領域の両方を横電界駆動型とした場合の模式図である。図29の(A)は各構成部材の配置を、図29の(B)は上部基板40側から見たときの上部偏光板51の偏光軸、液晶層30を構成する液晶分子31の分子軸、下部偏光板50の偏光軸の配置を、図29の(C)及び(D)は半透過型液晶表示装置の動作をそれぞれ示す。
図29の(A)に示すように、半透過型液晶表示装置は、下部基板10、上部基板40、両基板間に挟持されている液晶層30、下部基板10の外側(後述するバックライト60側)に配置された下部偏光板50、上部基板40の外側に配置された上部偏光板51を備えている。下部基板10には下部配向膜23が、上部基板40には上部配向膜43が形成されている。液晶層30は下部配向膜23と上部配向膜43とに接する。これら配向膜によって、電界が印加されていない状態における液晶分子31の分子軸の方向(初期配向方位)が規定される。尚、参照番号60は、半透過型液晶表示装置を背面から照射するバックライト、参照番号41は所謂ブラックマトリックス、参照番号42はカラーフィルターである。半透過型液晶表示装置の形式によっては、ブラックマトリックスやカラーフィルターは省略される。
下部基板10の液晶層30側には、第1絶縁膜13Aと第2絶縁膜13Bとが積層して形成されている。第1絶縁膜13Aと第2絶縁膜13Bとの間には、図示せぬトランジスタ14が形成されている。第2絶縁膜13B上には、映像信号線15が形成されている。具体的には、トランジスタ14の一方のソース・ドレイン電極に映像信号線15が接続されており、他方のソース・ドレイン電極には後述する第1画素電極(反射領域用画素電極)20Aと第2画素電極(透過領域用画素電極)20Bとが接続されている。トランジスタ14は、図示せぬ走査信号線11の信号に従って動作する。トランジスタ14がオン状態になると、図示せぬ映像信号駆動回路から映像信号線15を介して、第1画素電極20Aと第2画素電極20Bとに所定の電圧が印加される。
第2絶縁膜13Bの上には第1層間絶縁層16(16A,16B)が形成されている。反射領域における第1層間絶縁層16Aの表面には凹凸が形成されており、その表面上に反射板17が形成されている。反射板17の上には第2層間絶縁層18が形成されており、第2層間絶縁層18の上には、Y方向に延び互いに平行な第1画素電極20Aと第1対向電極21とが形成されている。第1画素電極20Aと第1対向電極21との間に形成されるX方向の電界によって、反射領域における液晶層30を駆動する。一方、透過領域における第1層間絶縁層16Bの上には、Y方向に延び互いに平行な第2画素電極20Bと第2対向電極22とが形成され、第2画素電極20Bと第2対向電極22との間に形成されるX方向の電界によって、透過領域における液晶層30を駆動する。
尚、第1画素電極20Aと第2画素電極20Bとはお互いに電気的に接続されており、同じ電圧が印加される。また、第1対向電極21と第2対向電極22とはお互いに電気的に接続されており、同じ電圧が印加される。第2層間絶縁層18は、透過領域における液晶層30の厚さDBが、反射領域における液晶層30の厚さDAの約2倍になるような厚さに設定されている。液晶層30は、透過領域においては1/2波長板、反射領域においては1/4波長板として機能する。
図29の(B)に示すように、下部偏光板50の偏光軸がX軸に対して45度の角度、上部偏光板51の偏光軸がX軸に対して135度の角度、第1対向電極21と第1画素電極20Aの間、及び、第2対向電極22と第2画素電極20Bの間に電界が形成されていない状態において液晶層30を構成する液晶分子31の分子軸がX軸に対して45度の角度に設定されているとする。画素電極20Aと対向電極21の間に形成されるX方向の電界、及び、画素電極20Bと対向電極22の間に形成されるX方向の電界により、液晶分子31はX方向に沿うように回転する。液晶分子31の回転の程度は、電界の強度(換言すれば、画素電極と対向電極との間の電位差の絶対値)に応じて変化する。
図29の(C)を参照して、第1画素電極20Aと第1対向電極21との間、及び、第2画素電極20Bと第2対向電極22との間の電位差がない状態(換言すれば、液晶層に電界が印加されていない状態)における動作を説明する。反射領域においては、外光は上部偏光板51を通過してX軸に対し135度の角度を成す直線偏光となり(1→2→3)、液晶層30を通過した後反射板17で反射し(4→5→6→7)、さらに液晶層30を通過し135度の角度を成す直線偏光のまま上部偏光板51に入射するので白表示となり(8→9→10→11)、所謂ノーマリーホワイトとなる。一方、透過領域においては、背面から照射される光は下部偏光板50を透過して45度の角度を成す直線偏光となり(1→2→3)、液晶層30を通過し45度の角度を成す直線偏光のまま上部偏光板51に入射するので黒表示となり(4→5→6→7)、所謂ノーマリーブラックとなる。
図29の(D)を参照して、第1画素電極20Aと第1対向電極21との間、及び、第2画素電極20Bと第2対向電極22との間に電位差がある状態(換言すれば、液晶層に電界が印加されている状態)における動作を説明する。反射領域においては、外光は上部偏光板51を通過してX軸に対し135度の角度を成す直線偏光となり(1→2→3)、液晶層30を通過して右回りの円偏光となり(4→5)、次いで、反射板17で反射して左周りの円偏光になり(6→7)、さらに液晶層30を通過し45度の角度を成す直線偏光となり(8→9)、上部偏光板51に入射して黒表示の状態となる(10→11)。一方、透過領域においては、背面から照射される光は下部偏光板50を透過して45度の角度を成す直線偏光となり(1→2→3)、液晶層30を通過し135度の角度を成す直線偏光となり(4→5)、上部偏光板51に入射して白表示の状態となる(6→7)。
上述した問題を解決するため、下部偏光板と液晶層との間に1/2波長板を設け、電圧を印加しない状態で透過領域における液晶層を1/2波長板として機能させ、透過領域と反射領域とを共にノーマリーブラックとした構成(特開2003−344837号公報(特許文献2)参照)が提案されている。また、反射領域と透過領域とで液晶分子に異なる初期配向方位を与える構成(特開2005−338264号公報(特許文献3))、反射領域のみに位相差板を設置した構成(特開2006−171376号公報(特許文献4))も提案されている。また、上述した問題に言及したものではないが、1つの画素内に2つトランジスタを設け、透過領域と反射領域とで液晶層に異なる電圧を与える構成(特開2003−295159号公報(特許文献5))も提案されている。
特許第2955277号公報
特開2003−344837号公報
特開2005−338264号公報
特開2006−171376号公報
特開2003−295159号公報
特許文献1に開示された液晶表示装置では、透過領域における黒表示の状態は液晶層の位相差を利用して行われる。このため、黒表示の状態は液晶層を挟まない理想的なクロスニコル状態に近いものとはならず、コントラスト性能は低下する。特許文献2乃至特許文献4に開示された構成によれば、透過領域における黒表示の状態は理想的なクロスニコル状態に近いものとすることができるが、いずれも液晶表示装置の構造や製造工程が複雑なものとなり、量産性や信頼性に課題が残る。特許文献5に開示された構成においても、液晶表示装置におけるトランジスタ領域の拡大、映像信号線や走査信号線の増加による開口率の低下を避けることができず、量産性や信頼性に課題が残る。
従って、本発明の目的は、透過領域と反射領域の動作モードの相違を簡便な構成により電気的に補償することができる半透過型液晶表示装置を提供することを目的とする。更には、透過領域において良好な黒表示の状態を得ることができ、高コントラストで表示品位に優れた半透過型液晶表示装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の横電界駆動型の半透過型液晶表示装置は、
(a)第1の方向に延び、一端が走査信号駆動回路に接続されたM本の走査信号線、
(b)第2の方向に延び、一端が映像信号駆動回路に接続されたN本の映像信号線、
(c)走査信号線と映像信号線との交差部に配置され、走査信号線の走査信号に応じて動作するスイッチング素子、及び、
(d)各スイッチング素子に対応して設けられた、反射型の表示領域と透過型の表示領域とを有する単位表示領域、
を備えた横電界駆動型の半透過型液晶表示装置であって、
単位表示領域には、
(A)反射型の表示領域を構成する第1画素電極と第1対向電極、
(B)第1画素電極と第1対向電極との間の電位差を保持するための第1保持容量、
(C)透過型の表示領域を構成する第2画素電極と第2対向電極、及び、
(D)第2画素電極と第2対向電極との間の電位差を保持するための第2保持容量、
が備えられており、
第1対向電極には、第1の電圧が印加され、
第2対向電極には、第1の電圧とは異なる第2の電圧が印加され、
第1の電圧をV1、第2の電圧をV2、V1とV2のうち電圧が高いものをHi(V1,V2)、V1とV2のうち電圧が低いものをLow(V1,V2)と表すとき、Hi(V1,V2)以下の電圧であり、且つ、Low(V1,V2)以上の電圧である第3の電圧が、走査信号線の走査信号に応じたスイッチング素子の動作に基づいて、映像信号駆動回路から映像信号線を介して第1画素電極と第2画素電極とに印加されることを特徴とする。
本発明の横電界駆動型の半透過型液晶表示装置(以下、単に、本発明の液晶表示装置と呼ぶ場合がある)にあっては、第1対向電極には、第1の電圧が印加され、第2対向電極には、第1の電圧とは異なる第2の電圧が印加される。そして、第1の電圧をV1、第2の電圧をV2、V1とV2のうち電圧が高いものをHi(V1,V2)、V1とV2のうち電圧が低いものをLow(V1,V2)と表すとき、Hi(V1,V2)以下の電圧であり、且つ、Low(V1,V2)以上の電圧である第3の電圧が、走査信号線の走査信号に応じたスイッチング素子の動作に基づいて、映像信号駆動回路から映像信号線を介して第1画素電極と第2画素電極とに印加される。上述した構成によれば、第1対向電極と第1画素電極との間の電位差の絶対値と、第2対向電極と第2画素電極との間の電位差の絶対値とは、一方が大きくなると他方が小さくなる関係となる。これにより、反射型の表示領域(以下、単に、反射領域と呼ぶ場合がある)がノーマリーホワイト、透過型の表示領域(以下、単に、透過領域と呼ぶ場合がある)がノーマリーブラックであっても、透過領域と反射領域の動作モードの相違が電気的に補償され、支障なく画像を表示することができる。
本発明の液晶表示装置にあっては、偶数番目のフレームを形成するための第1番目乃至第M番目の走査信号線による走査が完了したとき、或る単位表示領域について、第1対向電極に印加されている第1の電圧をV1_evenF、第2対向電極に印加されている第2の電圧をV2_evenFと表し、奇数番目のフレームを形成するための第1番目乃至第M番目の走査信号線による走査が完了したとき、該或る単位表示領域について、第1対向電極に印加されている第1の電圧をV1_oddF、第2対向電極に印加されている第2の電圧をV2_oddFと表すとき、
V1_evenF−V2_evenF=−(V1_oddF−V2_oddF)
である構成とすることができる。これにより、液晶層に印加される電界の方向がフレーム毎に変化し、長時間一方向に電界が印加されることによる液晶の劣化を防止することができる。
この場合において、以下の(1)乃至(3)のいずれかの条件を満たす構成とすることができる。
(1) V1_evenF=V1_oddF
(2) V2_evenF=V2_oddF
(3) V1_evenF=V2_oddF、且つ、V1_oddF=V2_evenF
上述した(1)あるいは(2)を満たす構成にあっては、第1対向電極の電圧あるいは第2対向電極の電圧をフレームに関わらない一定値とすることができ、対向電極に電圧を印加する回路の構成を簡便なものとすることができる。また、上述した(3)を満たす構成にあっては、第1の電圧、第2の電圧、及び、第3の電圧の変動幅を低減することができるので、液晶表示装置の低消費電力化を図ることができる。
以上に説明した各種の好ましい構成を含む本発明の液晶表示装置(以下、単に、これらを総称して、本発明と呼ぶ場合がある)にあっては、或る1フレームを形成するための第1番目乃至第M番目の走査信号線による走査が完了したとき、第m番目(但し、m=1,2,…,M)の走査信号線に対応する各単位表示領域において、第1対向電極には、第1の電圧V1_mが印加されており、第2対向電極には、第2の電圧V2_mが印加されている構成とすることができる。
本発明において、P本(但し、P=2M)の共通電極線を備えており、第m番目の走査信号線に対応する各単位表示領域の第1対向電極あるいは第2対向電極のうち、いずれか一方の対向電極と第p番目(但し、p=2m−1)の共通電極線とが接続されており、他方の対向電極と第(p+1)番目の共通電極線とが接続されており、第1対向電極には、第1対向電極に接続された共通電極線を介して第1の電圧が印加されており、第2対向電極には、第2対向電極に接続された共通電極線を介して第2の電圧が印加されている構成とすることができる。隣り合う行を構成する単位表示領域は、反射領域と透過領域とが対向するように配置されている構成とすることもできるし、同種の領域が対向するように配置されている構成とすることもできる。あるいは、これらが組み合わされた構成とすることもできる。
この場合において、電圧V2_mは、一定値V2_constであり、電圧V1_mは、mの値が奇数の場合には、一定値V1_odd、mの値が偶数の場合には、V1_oddとは異なる一定値V1_evenである構成とすることができる。また、これに加えて、V1_odd−V2_const=−(V1_even−V2_const)である構成とすることもできる。この構成によれば、奇数番目の走査信号線に対応する各単位表示領域と、偶数番目の走査信号線に対応する各単位表示領域とで、印加される電圧の極性が反転し、フリッカが軽減される。例えば、V2_constが0ボルト、V1_oddが10ボルト、V1_evenが−10ボルトである場合には、表示すべき画像に応じて各画素電極に印加される第3の電圧の絶対値は、0ボルトから10ボルトの範囲の値を取る。上述した例では、第1対向電極と第1画素電極の間の電位差の絶対値、及び、第2対向電極と第2画素電極の間の電位差の絶対値のとりうる範囲は、0ボルト〜10ボルトとなる。あるいは又、電圧V1_mは、一定値V1_constであり、電圧V2_mは、mの値が奇数の場合には、一定値V2_odd、mの値が偶数の場合には、V2_oddとは異なる一定値V2_even、である構成とすることができるし、これに加えて、V1_const−V2_odd=−(V1_const−V2_even)である構成とすることができる。例えば、V1_constが0ボルト、V2_oddが+10ボルト、V2_evenが−10ボルトである場合には、表示すべき画像に応じて各画素電極に印加される第3の電圧の絶対値は、0ボルトから10ボルトの範囲の値を取る。上述した例においても、第1対向電極と第1画素電極の間の電位差の絶対値、及び、第2対向電極と第2画素電極の間の電位差の絶対値のとりうる範囲は、0ボルト〜10ボルトとなる。上述したこれらの構成によれば、第1対向電極の電圧あるいは第2対向電極の電圧を一定値とすることができるので、対向電極に電圧を印加する回路の構成を簡便なものとすることができる。
あるいは又、電圧V1_mは、mの値が奇数の場合には一定値V1_odd、mの値が偶数の場合にはV1_oddとは異なる一定値V1_evenであり、電圧V2_mは、mの値が奇数の場合には一定値V2_odd、mの値が偶数の場合にはV2_oddとは異なる一定値V2_evenである構成とすることができる。これに加えて、V1_odd=V2_even、且つ、V1_even=V2_oddである構成とすることができる。例えば、V1_odd=V2_even=−5ボルト、V1_even=V2_odd=5ボルトである場合には、表示すべき画像に応じて各画素電極に印加される第3の電圧の絶対値は、0ボルトから5ボルトの範囲の値を取る。上述した例においても、第1対向電極と第1画素電極の間の電位差の絶対値、及び、第2対向電極と第2画素電極の間の電位差の絶対値のとりうる範囲は、0ボルト〜10ボルトとなる。上述した構成によれば、第1の電圧、第2の電圧、及び、第3の電圧の変動幅を低減することができるので、液晶表示装置の低消費電力化を図ることができる。
また、本発明において、P本(但し、P=M+1)の共通電極線を備えており、第p番目(但し、pは2以上M−1以下の自然数)の共通電極線には、第m’番目(但し、m’=p−1)の走査信号線に対応する各単位表示領域の第1対向電極あるいは第2対向電極のうちいずれか一方の対向電極と、第(m’+1)番目の走査信号線に対応する各単位表示領域の第1対向電極あるいは第2対向電極のうち他方の対向電極とが接続されており、第1番目の走査信号線に対応する各単位表示領域の第1対向電極あるいは第2対向電極のうち、第2番目の共通電極線に接続されていない電極と、第1番目の共通電極線とが接続されており、第M番目の走査信号線に対応する各単位表示領域の第1対向電極あるいは第2対向電極のうち、第(P−1)番目の共通電極線に接続されていない電極と、第P番目の共通電極線とが接続されており、第1対向電極には、第1対向電極に接続された共通電極線を介して第1の電圧が印加されており、第2対向電極には、第2対向電極に接続された共通電極線を介して第2の電圧が印加されている構成とすることができる。上述した構成によれば、共通電極線の本数が削減されるので、液晶表示装置を構成する各構成要素のレイアウトスペース等の余裕が増える。換言すれば、液晶表示装置の構造上の余裕度が向上する。これにより、歩留の向上、液晶表示装置の信頼性の向上を図ることができる。
この場合においても、電圧V1_mは、mの値が奇数の場合には一定値V1_odd、mの値が偶数の場合にはV1_oddとは異なる一定値V1_evenであり、電圧V2_mは、mの値が奇数の場合には一定値V2_odd、mの値が偶数の場合にはV2_oddとは異なる一定値V2_evenである構成とすることができる。これに加えて、V1_odd=V2_even、且つ、V1_even=V2_oddである構成とすることができる。例えば、V1_odd=V2_even=−5ボルト、V1_even=V2_odd=5ボルトである場合には、表示すべき画像に応じて各画素電極に印加される第3の電圧の絶対値は、0ボルトから5ボルトの範囲の値を取る。上述した例においても、第1対向電極と第1画素電極の間の電位差の絶対値、及び、第2対向電極と第2画素電極の間の電位差の絶対値のとりうる範囲は、0ボルト〜10ボルトとなる。
また、本発明において、P本(但し、P=M+1)の共通電極線を備えており、第p番目(但し、pは2以上M以下の自然数)の共通電極線には、第m’番目(但し、m’=p−1)と第(m’+1)番目の走査信号線に対応する各単位表示領域の第1対向電極あるいは第2対向電極のうち、いずれか一方の対向電極が接続されており、第1番目の走査信号線に対応する各単位表示領域の第1対向電極あるいは第2対向電極のうち、第2番目の共通電極線に接続されていない電極と、第1番目の共通電極線とが接続されており、第M番目の走査信号線に対応する各単位表示領域の第1対向電極あるいは第2対向電極のうち、第(P−1)番目の共通電極線に接続されていない電極と、第P番目の共通電極線とが接続されており、第1対向電極には、第1対向電極に接続された共通電極線を介して第1の電圧が印加されており、第2対向電極には、第2対向電極に接続された共通電極線を介して第2の電圧が印加されている構成とすることができる。
上述した構成においても、共通電極線の本数が削減される。また、共通電極線には第1対向電極のみ、あるいは、第2対向電極のみが接続されている。これにより、共通電極線を挟んで対向する単位表示領域を、反射領域同士が対向するように配置することができる(尚、反射的に、透過領域同士も対向する)。例えば、反射領域同士が対向する構成にあっては、反射領域に設けられる反射板等を複数の単位表示領域に亙るように連続して形成することができる。透過領域に設けられる種々の構成要素についても同様である。上述した構成によれば、反射板等の分割工程を簡略化できるので、液晶表示装置の構造上の余裕度をより大きなものとすることができる。尚、この構成においては、映像信号線にはフレーム毎に反転する映像信号が印加される。
この場合において、電圧V2_mは、一定値V2_constであり、電圧V1_mは、V2_constとは異なる、一定値V1_constである構成とすることができる。
また、本発明において、P本(但し、P=M+2)の共通電極線を備えており、第m’番目(但し、m’はM以下の自然数)の走査信号線に対応する各単位表示領域において、奇数番目の映像信号線に対応する単位表示領域における第1対向電極あるいは第2対向電極のいずれか一方の電極と、偶数番目の映像信号線に対応する単位表示領域の第1対向電極あるいは第2対向電極の他方の電極とが、第p番目(但し、p=m’+1)の共通電極線に接続されており、第(p−1)番目の共通電極線あるいは第(p+1)番目の共通電極線のいずれか一方の共通電極線と、奇数番目の映像信号線に対応する単位表示領域における第1対向電極あるいは第2対向電極のうち、第p番目の共通電極線に接続されていない電極とが接続されており、第(p−1)番目の共通電極線あるいは第(p+1)番目の共通電極線の他方の共通電極線と、偶数番目の映像信号線に対応する単位表示領域における第1対向電極あるいは第2対向電極のうち、第p番目の共通電極線に接続されていない電極とが接続されており、第1対向電極には、第1対向電極に接続された共通電極線を介して第1の電圧が印加されており、第2対向電極には、第2対向電極に接続された共通電極線を介して第2の電圧が印加されている構成とすることができる。尚、この構成においては、奇数番目の映像信号線に印加される映像信号と、偶数番目の映像信号線とに印加される映像信号とが、反転した関係にある。
上述した構成においては、単位表示領域毎に印加される電圧の極性が変化する。より具体的には、市松状に極性が反転するためフリッカが軽減し、表示画像を好適なものとすることができる。
尚、本明細書における各種の式に示す条件は、式が数学的に厳密に成立する場合の他、式が実質的に成立する場合にも満たされる。換言すれば、式の成立に関し、液晶表示装置の設計上あるいは製造上生ずる種々のばらつきの存在は許容される。
以上に説明した各種の好ましい構成を含む本発明において、液晶表示装置は、例えば、フロント・パネル、リア・パネル、及び、フロント・パネルとリア・パネルとの間に配された液晶層から成る。液晶表示装置は、モノクロ液晶表示装置であってもよいし、カラー液晶表示装置であってもよい。液晶表示装置は、
(a)第1の方向(例えばX方向)に延び、一端が走査信号駆動回路に接続されたM本の走査信号線、
(b)第2の方向(例えばY方向)に延び、一端が映像信号駆動回路に接続されたN本の映像信号線、
(c)走査信号線と映像信号線との交差部に配置され、走査信号線の走査信号に応じて動作するスイッチング素子、及び、
(d)各スイッチング素子に対応して設けられた、反射領域と透過領域とを有する単位表示領域、
を備えている。
フロント・パネルは、例えば、ガラス基板やプラスチック基板から成る上部基板と、上部基板の外面に設けられた上部偏光板から構成されている。カラー液晶表示装置である場合には、上部基板の内面に、カラーフィルターが設けられている。単位表示領域あるいはカラーフィルターの配置パターンとして、デルタ配列、ストライプ配列、ダイアゴナル配列、レクタングル配列を挙げることができる。
一方、リア・パネルは、例えば、ガラス基板やプラスチック基板から成る下部基板と、下部基板の内面に形成されたスイッチング素子と、スイッチング素子によって映像信号線との導通/非導通が制御される第1画素電極/第2画素電極と、第1対向電極/第2対向電極と、例えば下部基板の外面に設けられた下部偏光板とから構成されている。単位表示領域において、第1対向電極と第2対向電極とは、分割して形成されている。第1対向電極には、第1の電圧が印加され、第2対向電極には、第1の電圧とは異なる第2の電圧が印加される。下部基板上の反射領域に対応する部分には、例えばアルミニウムから成る反射板が形成されている。
電界が印加されていないときの液晶分子の分子軸の方向(初期配向方位)は、例えば、上部基板と液晶層とが接する面に上部配向膜を形成し、下部基板と液晶層とが接する面に下部配向膜を形成し、上部配向膜と下部配向膜にラビング処理を施すことにより設定することができる。
液晶層は、透過領域においては1/2波長板、反射領域においては1/4波長板として機能するようにその厚さが設定される。例えば、下部基板上に形成される層間絶縁層を、反射領域と透過領域とで異なる厚さとすることにより、液晶層を好適な厚さとすることができるが、これに限るものではない。
上述した液晶表示装置を構成する各種の部材や液晶材料は、周知の部材、材料から構成することができる。スイッチング素子として、MOS型FETや薄膜トランジスタ(TFT)といったトランジスタ素子等の3端子素子や、MIM素子、バリスタ素子、ダイオード等の2端子素子を例示することができる。
第1画素電極/第2画素電極と第1対向電極/第2対向電極とが形成された液晶セルを含む領域が、1画素(ピクセル)あるいは1副画素(サブピクセル)に該当する。そして、カラー液晶表示装置においては、各画素(ピクセル)を構成する赤色発光副画素(副画素[R]と呼ぶ場合がある)は、係る領域と赤色を透過するカラーフィルターとの組合せから構成され、緑色発光副画素(副画素[G]と呼ぶ場合がある)は、係る領域と緑色を透過するカラーフィルターとの組合せから構成され、青色発光副画素(副画素[B]と呼ぶ場合がある)は、係る領域と青色を透過するカラーフィルターとの組合せから構成されている。副画素[R]、副画素[G]及び副画素[B]の配置パターンは、上述したカラーフィルターの配置パターンと一致する。尚、画素は、副画素[R]、副画素[G]、及び、副画素[B]の3種の副画素[R,G,B]を1組として構成される構成に限定されず、例えば、これらの3種の副画素[R,G,B]に更に1種類あるいは複数種類の副画素を加えた1組(例えば、輝度向上のために白色光を発光する副画素を加えた1組、色再現範囲を拡大するために補色を発光する副画素を加えた1組、色再現範囲を拡大するためにイエローを発光する副画素を加えた1組、色再現範囲を拡大するためにイエロー及びシアンを発光する副画素を加えた1組)から構成することもできる。
2次元マトリクス状に配列された画素(ピクセル)の値として、VGA(640,480)、S−VGA(800,600)、XGA(1024,768)、APRC(1152,900)、S−XGA(1280,1024)、U−XGA(1600,1200)、HD−TV(1920,1080)、Q−XGA(2048,1536)の他、(1920,1035)、(720,480)、(1280,960)等、画像表示用解像度の幾つかを例示することができるが、これらの値に限定するものではない。
上述した例では、第1画素電極/第2画素電極と第1対向電極/第2対向電極とが下部基板に設けられているとして説明したが、これに限るものではない。液晶層に横方向(液晶層の厚さ方向と直交する仮想面に倣う方向であり、実質的に上部基板面/下部基板面に倣う方向である)の電界を印加することができる限り、これらの電極の配置は任意に設定することができる。例えば、第1画素電極/第2画素電極を下部基板側に形成し、第1対向電極の射影像と第1画素電極の射影像との間、及び、第2対向電極の射影像と第2画素電極の射影像との間に間隔が空くように、第1対向電極/第2対向電極を上部基板側に形成する構成とすることもできる。
第1対向電極と第2対向電極の形状は、液晶表示装置の仕様や設計に応じて適宜設定すればよい。例えば、これらの電極は、略直線状であってもよいし、幹電極部から枝電極部が伸びる櫛歯状であってもよい。例えば、第1対向電極及び第2対向電極はX方向に略直線状に伸び、対向する画素電極との間にY方向の電界を形成する構成とすることができる。あるいは又、第1対向電極及び第2対向電極の幹電極部はX方向に延び、幹電極部から枝電極部がY方向に延在し、枝電極部と対向する画素電極との間にX方向の電界を形成する構成とすることもできる。単位表示領域に形成される枝電極部の数は、液晶表示装置の仕様等に応じて適宜設定すればよい。
第1画素電極及び第2画素電極は、各単位表示領域毎に島状の電極として形成される。基本的には、第1対向電極の射影像と第1画素電極の射影像との間、及び、第2対向電極の射影像と第2画素電極の射影像との間に間隔が空く形状である必要がある。一般に、第1画素電極/第2画素電極の縁は、第1対向電極/第2対向電極の縁に倣う形状とすることが便宜である。例えば、第1対向電極/第2対向電極が直線状に延びる場合には、第1画素電極/第2画素電極を単純な矩形とすればよいし、第1対向電極/第2対向電極が幹電極部から枝電極部が伸びる櫛歯状の場合には、枝電極部と枝電極部との間に位置する突出部を有する矩形とすればよい。第1画素電極と第2画素電極とは、それぞれ独立した島状の電極として設けられていてもよい。あるいは又、反射領域と透過領域に亙る1つの島状の電極として設けられ、反射領域に対応する部分が第1画素電極、透過領域に対応する部分が第2画素電極を形成する構成であってもよい。
尚、横電界方式の液晶表示装置にあっては、液晶分子を長軸方向から眺める場合と、液晶分子を短軸方向から眺める場合とで、画像に色度変化(カラーシフト)が生ずることが知られている。この対策として、画素電極と対向電極を「く」の字型に形成し、単位表示領域内において、液晶分子の回転方向を2方向とすることが従来より提案されている。本発明においても、画素電極や対向電極を「く」の字型として形成してもよい。例えば、対向電極は幹電極部と幹電極部から延在した枝電極部から成り、枝電極部が「く」の字型に形成されている構成とすることもできる。画素電極においても同様である。
第1画素電極と第1対向電極との間の電位差を保持するための第1保持容量は、例えば、第1画素電極に導通する補助電極と、第1対向電極に導通する補助電極とを対向させて形成することにより構成することができる(より具体的には、これら補助電極による静電容量と、第1画素電極と第1対向電極との間の静電容量とは並列に接続され、これらの静電容量により、電位差が保持される)。補助電極は、たとえば下部基板において、積層された層間絶縁層の間に形成する等、周知の方法により適宜設ければよい。第2画素電極と第2対向電極との間の電位差を保持するための第2保持容量についても、上記で説明したと同様である。
本発明において、下部偏光板の偏光軸は、電圧が印加されていないときの液晶分子の分子軸の方向と略平行または略垂直であり、上部偏光板の偏光軸は、下部偏光板の偏光軸と略垂直である構成とすることができる。これにより、透過領域において良好な黒表示の状態を得ることができる。尚、下部偏光板の偏光軸が、電圧が印加されていないときの液晶分子の分子軸と略45度を成し、上部偏光板の偏光軸は、下部偏光板の偏光軸と略垂直である構成である場合には、透過領域はノーマリーホワイト、反射領域はノーマリーブラックとなるが、この構成においても本発明を適用することにより透過領域と反射領域の動作モードの相違が電気的に補償され、支障なく画像を表示することができる(但し、透過領域がノーマリーブラックの構成に対して、透過領域における黒表示は液晶層の位相差を利用して行われるので、コントラスト性能は低下する)。液晶層を構成する液晶分子の初期配向方位は、表示装置の設計に応じて適宜設定することができる。例えば、画素電極が延在する方向に対し、0度乃至45度の範囲で所定の角度を成すように設定することができる。
透過領域を背面から照射するバックライトとして、広く周知のバックライトを用いることができる。バックライトの光源として、発光ダイオード(LED)を挙げることができるし、あるいは又、冷陰極線型の蛍光ランプや、エレクトロルミネッセンス(EL)装置、冷陰極電界電子放出装置(FED)、プラズマ表示装置、通常のランプを挙げることもできる。光拡散板等の周知の光学シートが、バックライトと液晶表示装置との間に配置されていてもよい。
液晶表示装置を駆動するための各種回路は、例えば、駆動回路、演算回路、記憶装置(メモリ)等、周知の回路から構成することができる。尚、駆動回路に電気信号として1秒間に送られる画像の枚数がフレーム周波数(フレームレート)であり、フレーム周波数の逆数がフレーム時間(単位:秒)である。液晶表示装置の駆動方法は、線順次駆動方式であってもよいし、点順次駆動方式であってもよい。
本発明によれば、透過領域と反射領域の動作モードの相違が、簡便な構成により電気的に補償される。そして、透過領域において良好な黒表示の状態を得ることができ、高コントラストで表示品位に優れた半透過型液晶表示装置を得ることができる。
先ず、本発明の理解を助けるために、本発明の液晶表示装置の概要を説明する。
実施例1の液晶表示装置1は、図8に示すように、(a)第1の方向に延び、一端が走査信号駆動回路71に接続されたM本の走査信号線SL、(b)第2の方向に延び、一端が映像信号駆動回路72に接続されたN本の映像信号線VL、(c)走査信号線SLと映像信号線VLとの交差部に配置され、走査信号線SLの走査信号に応じて動作するトランジスタ14(トランジスタ14については後述する)、及び、(d)各トランジスタ14に対応して設けられた、反射領域RAと透過領域TAとを有する単位表示領域UAを備えた横電界駆動型の半透過型液晶表示装置である。後述する他の実施例における液晶表示装置においても同様である。
そして、単位表示領域UAには、(A)反射領域RAを構成する第1画素電極20Aと第1対向電極21、(B)第1画素電極20Aと第1対向電極21との間の電位差を保持するための第1保持容量24、(C)透過領域TAを構成する第2画素電極20Bと第2対向電極22、及び、(D)第2画素電極20Bと第2対向電極22との間の電位差を保持するための第2保持容量25が備えられている。後述する他の実施例における液晶表示装置においても同様である。尚、第1保持容量24、第2保持容量25、第1画素電極20A、第2画素電極20B、第1対向電極21、及び、第2対向電極22については後述する。液晶表示装置1については、実施例1の説明において詳細に説明する。
図1は、実施例1の液晶表示装置1について、或る単位表示領域UA付近における各種構成要素の配置を説明するための模式的な平面図である。図2の(A)は、液晶表示装置1を図1においてA−Aで示す線で切断したときの模式的な端面図である。同様に、図2の(B)は、液晶表示装置1を図1においてB−Bで示す線で切断したときの端面図であり、図2の(C)は、液晶表示装置1を図1においてC−Cで示す線で切断したときの端面図である。尚、後述する他の実施例における液晶表示装置においても同様である。
後述する図3に示す第1保持容量24や第2保持容量25は、第1画素電極20A、第1対向電極21、第2画素電極20B、第2対向電極22にそれぞれ導通する補助電極によって構成されている。尚、図1及び図2においては、便宜のため、第1保持容量24や第2保持容量25を構成する補助電極の図示を省略した。
また、図1、図2、図3、及び、これらを参照して行う以下の説明においては、便宜のため、走査信号線SLを走査信号線11、映像信号線VLを映像信号線15と表し、図8に示す共通電極駆動回路73に一端が接続された共通電極線CLを、共通電極線12として表した。
図1、図2の(A)〜(C)に示すように、液晶表示装置1は、下部基板10と上部基板40、両基板間に挟持されている液晶層30、下部基板10の外側(後述するバックライト60側)に配置された下部偏光板50、上部基板40の外側に配置された上部偏光板51を具備している。下部基板10には下部配向膜23が、上部基板40には上部配向膜43が形成されている。液晶層30は下部配向膜23と上部配向膜43とに接する。これらの配向膜23,43によって、電界が印加されていない状態における、液晶層30を構成する液晶分子31の分子軸の方向が規定される。尚、参照番号60は、液晶表示装置1を背面から照射するバックライト、参照番号41は所謂ブラックマトリックス、参照番号42はカラーフィルターである。
下部基板10の液晶層30側には、第1絶縁膜13Aと第2絶縁膜13Bとが積層して形成されている。第1絶縁膜13Aと第2絶縁膜13Bとの間には、トランジスタ14が形成されている。第2絶縁膜13B上には、映像信号線15が形成されている。トランジスタ14の一方のソース・ドレイン電極には映像信号線15の舌部15Aが接続されている。他方のソース・ドレイン電極には、導通部15Bを介して、後述する第1画素電極20Aと第2画素電極20Bとが接続されている。導通部15Bは、例えば、映像信号線15の形成にあわせて同時にパターンニングされて形成されている。
トランジスタ14は、走査信号線11の信号に従って動作するスイッチング素子として機能する。走査信号線11の走査信号に応じたトランジスタ14の動作に基づいて、映像信号駆動回路72から映像信号線15を介して、第1画素電極20Aと第2画素電極20Bに所定の電圧(後述する第3の電圧)が印加される。第2絶縁膜13Bの上には第1層間絶縁層16(16A,16B)が形成されている。
反射領域RAにおける第1層間絶縁層16Aの表面には凹凸が形成されており、その表面上に、例えばアルミニウムが蒸着されて成る反射板17が形成されている。反射板17の上には第2層間絶縁層18が形成されており、第2層間絶縁層18の上には、第1画素電極20Aと第1対向電極21とが形成されている。一方、透過領域TAにおける第1層間絶縁層16Bの上には、Y方向に延び互いに平行な第2画素電極20Bと第2対向電極22とが形成されている。
図1に示すように、第1対向電極21と第2対向電極22は櫛歯状に形成されている。具体的には、第1対向電極21は、図のX方向に延びる幹電極部と、幹電極部から−Y方向に延在する枝電極部から構成されている。同様に、第2対向電極22は、図のX方向に延びる幹電極部と、幹電極部から+Y方向に延在する枝電極部から構成されている。
また、図1、図2の(A)に示すように、第1画素電極20Aは、反射領域RAと透過領域TAに亙る1つの島状の電極20の反射領域RAに対応する部分であり、第2画素電極20Bは、島状の電極20の透過領域TAに対応する部分である。第1画素電極20Aは、第1対向電極21の枝電極部と枝電極部との間に位置し、第2画素電極20Bは、第2対向電極22の枝電極部と枝電極部との間に位置する。このように、第1画素電極20Aと第2画素電極20BとはY方向に沿って形成されている。
そして、第1画素電極20Aと第1対向電極21との間に形成される電界(より具体的には、第1画素電極20Aと第1対向電極21の枝電極部との間に形成されるX方向の電界)によって、反射領域RAにおける液晶層30が駆動される。同様に、第2画素電極20Bと第2対向電極22との間に形成される電界(より具体的には、第2画素電極20Bと第2対向電極22の枝電極部との間に形成されるX方向の電界)によって、透過領域TAにおける液晶層30が駆動される。
第1画素電極20Aと第2画素電極20Bはお互いに導通しており、共に後述する第3の電圧が印加される。より具体的には、第3の電圧が、走査信号線11の走査信号に応じたトランジスタ14の動作に基づいて、映像信号駆動回路72から映像信号線15を介して第1画素電極20Aと第2画素電極20Bとに印加される。
一方、第1対向電極21と第2対向電極22とは分割して形成されている。第1対向電極21は共通電極線12に接続されており、共通電極駆動回路73から共通電極線12を介して第1の電圧が印加される。同様に、第2対向電極22は他の共通電極線12に接続されており、共通電極駆動回路73から他の共通電極線12を介して第1の電圧とは異なる第2の電圧が印加される。
第2層間絶縁層18は透過領域TAにおける液晶層30の厚さが反射領域RAにおける液晶層30の厚さの約2倍になるような厚さに設定されており、液晶層30は、透過領域TAにおいては1/2波長板、反射領域RAにおいては1/4波長板として機能する。
第1対向電極21と第1画素電極20Aの間、及び、第2対向電極22と第2画素電極20Bの間に電界が形成されていない状態において、液晶層30を構成する液晶分子31の分子軸は、X軸に対して略45度の角度を成す。そして、反射領域RAの液晶層30を構成する液晶分子31の分子軸は、第1対向電極21と第1画素電極20Aの間の電界により、X軸に倣うように変化する。同様に、透過領域TAの液晶層30を構成する液晶分子31の分子軸は、第2対向電極22と第2画素電極20Bの間の電界により、X軸に倣うように変化する。そして、下部偏光板50の偏光軸はX軸に対して略45度を成す方向に設定されており、上部偏光板51の偏光軸は下部偏光板50の偏光軸と略直交する方向(具体的には、X軸に対して略135度を成す方向に設定されている。上記の構成は、背景技術において図29の(B)〜(D)を参照して説明したと同様の構成であり、透過領域TAはノーマリーブラック、反射領域RAはノーマリーホワイトとなる。
図3の(A)に、以上説明した液晶表示装置1における単位表示領域UAの構成を模式的に示した。上述したように、第3の電圧が、走査信号線11の走査信号に応じたトランジスタ14の動作に基づいて、映像信号駆動回路72から映像信号線15を介して第1画素電極20Aと第2画素電極20Bとに印加される。後述する実施例に関する接続図において、便宜のため、図3の(A)に示す構造を、図3の(B)のように簡略化して記載した。
次に、上記の液晶表示装置の製造方法を簡単に説明する。先ず、下部基板10上に、走査信号線11と共通電極線12とを同層で形成する。次いで、全面に第1絶縁膜13Aを形成し、その後、所定の場所に半導体層から成るトランジスタ14を形成する。その後、第2絶縁膜13Bを全面に形成する。
次いで、トランジスタ14の両方のソース・ドレイン電極部分が露出するように、第2絶縁膜13Bに開口部を形成する。その後、該開口部を覆うように絶縁膜13B上に形成され、開口部を介して一方のソース・ドレイン電極に接続された映像信号線15(舌部15Aを含む)を形成する。また、映像信号線15の形成とあわせて、他方のソース・ドレイン電極に接続された導通部15Bを形成する。
次いで、全面に、ポリイミド等から成る第1層間絶縁層16(16A,16B)を形成する。その後、反射領域RAに対応する第1層間絶縁層16Aの表面に凹凸を形成する。具体的には、ハーフトーン露光等を施すことにより段差形状を形成し、次いで、リフロー処理を施すことにより段差形状に丸みを持たせ凹凸を形成したが、これに限るものではない。
その後、第1層間絶縁層16Aの凹凸面上に、例えばアルミニウムを蒸着して反射板17を形成する。次いで、全面に第2層間絶縁層18を形成した後、透過領域TAの部分の第2層間絶縁層18を選択的に除去する。
その後、トランジスタ14のソース・ドレイン電極に接続された導通部15Bが露出するように、第1層間絶縁層16等に開口部を形成する。次いで、該開口部を覆い、第1層間絶縁層16B及び第2層間絶縁層18上に亙る島状の電極20を形成する。同様に、共通電極線12の所定の部分が露出するように、第1層間絶縁層16等に開口部を形成する。次いで、開口部を介して所定の共通電極線12に接続された第1対向電極21を第2層間絶縁層18上に形成し、開口部を介して他の所定の共通電極線12に接続された第2対向電極22を第1層間絶縁層16B上に形成する。尚、説明の都合上、各電極の形成工程を別々に説明したが、実際には、各開口部の形成、各電極の形成は、それぞれ共通のプロセスにより行うことができる。
その後、全面に下部配向膜23を形成した後、その表面にラビング処理を施す。以上で下側基板10に関する一連の工程が完了する。
次いで、ブラックマトリックス41、カラーフィルター42、上部配向膜43等が形成された上部基板40を準備し、上部基板40と上記工程を経た下部基板10とを対向させ、その間に液晶材料を封入した後、周囲を封止する。その後、下部基板10の表面に下部偏光板50を、上部基板40の表面に上部偏光板51を取り付ける。次いで、外部の回路との結線やバックライトの取付等を行い液晶表示装置を完成することができる。
以上、液晶表示装置について、その製造方法を含めて概要を説明した。次いで、後述する各種の実施例を含む本発明の液晶表示装置の基本的な動作原理を説明する。
本発明の液晶表示装置にあっては、第1対向電極21には、第1の電圧が印加され、第2対向電極22には、第1の電圧とは異なる第2の電圧が印加される。そして、第1の電圧をV1、第2の電圧をV2、V1とV2のうち電圧が高いものをHi(V1,V2)、V1とV2のうち電圧が低いものをLow(V1,V2)と表すとき、Hi(V1,V2)以下の電圧であり、且つ、Low(V1,V2)以上の電圧である第3の電圧が、走査信号線11の走査信号に応じたトランジスタ14の動作に基づいて、映像信号駆動回路72から映像信号線15を介して第1画素電極20Aと第2画素電極20Bとに印加される。
図4の(A)及び(B)は、或る単位表示領域UAにおいてV1>V2であるときの、各電極の電位関係を模式的に示した図である。この場合には、Low(V1,V2)=V2、Hi(V1,V2)=V1となる。従って、第1画素電極20Aと第2画素電極20Bとに印加される第3の電圧の値をV3と表すとき、V2≦V3≦V1の範囲で、第3の電圧が印加される。
図4の(A)は、V3が相対的にV1に近い側にある状態(例えば、V2=0ボルト、V1=10ボルト、V3=8ボルトの状態)を模式的に示す。また、図4の(B)は、V3が相対的にV2に近い側にある状態(例えば、V2=0ボルト、V1=10ボルト、V3=2ボルトの状態)を模式的に示す。
図4の(A)及び(B)から明らかなように、|V3−V1|が大きくなると|V3−V2|は小さくなり、|V3−V1|が小さくなると|V3−V2|は大きくなる関係にあることがわかる。換言すれば、反射領域RAの液晶層30に印加される電界が強くなると透過領域TAにおける液晶層30に印加される電界は弱くなり、反射領域RAの液晶層30に印加される電界が弱くなると透過領域TAにおける液晶層30に印加される電界は強くなる関係にある。従って、透過領域TAと反射領域RAの動作モードの相違が電気的に補償され、支障なく画像を表示することができる。以下、図5の(A)及び(B)を参照して説明する。
図5の(A)は、反射領域RA及び透過領域TAの光の透過率と、画素電極と対向電極との間の電位差の絶対値との関係を、模式的に示したものである。尚、縦軸の透過率を正規化して示した。上述したように、液晶表示装置の透過領域TAはノーマリーブラックであり、反射領域RAはノーマリーホワイトである。従って、第2画素電極20Bと第2対向電極22との間の電位差の絶対値が大きくなるにつれ、透過領域TAの光の透過率は大きくなる。一方、第1画素電極20Aと第1対向電極21との間の電位差の絶対値が大きくなるにつれ、反射領域RAの光の透過率は小さくなる。図5の(A)において、透過領域TA及び反射領域RAの光の透過率を充分反転させるために、設計上画素電極と対向電極間に印加される最大の電位差の絶対値をVmaxとして表した。
図5の(B)は、図5の(A)に示す関係を、単位表示領域UAにおける表示階調の観点から表した模式図である。単位表示領域UAを設計上最大の黒表示状態とする場合には、反射領域RAに設けられた第1画素電極20Aと第1対向電極21との間の電位差の絶対値をVmaxとし、透過領域TAに設けられた第2画素電極20Bと第2対向電極22との間の電位差を0ボルトとすればよいことがわかる。また、単位表示領域UAを設計上最大の白表示状態とする場合には、反射領域RAに設けられた第1画素電極20Aと第1対向電極21との間の電位差を0ボルトとし、透過領域TAに設けられた第2画素電極20Bと第2対向電極22との間の電位差の絶対値をVmaxとすればよいことがわかる。即ち、中間階調を表示する場合をも含め、第1画素電極20Aと第1対向電極21との間に印加すべき電圧の絶対値と、第2画素電極20Bと第2対向電極22との間に印加すべき電圧の絶対値とは、トレードオフの関係にある。
本発明の液晶表示装置にあっては、上述したように、|V3−V1|が大きくなると|V3−V2|は小さくなり、|V3−V1|が小さくなると|V3−V2|は大きくなる関係にある。従って、|V3−V1|と|V3−V2|とはトレードオフの関係にあるので、支障なく画像を表示することができる。尚、図5の(A)及び(B)で示したVmaxの値は、実質的には|V1−V2|の値に対応する。従って、設計上画素電極と対向電極間に印加すべき最大の電位差に対応して、V1やV2の値を設定すればよい。
以上、後述する各種の実施例を含む本発明の液晶表示装置の基本的な動作原理を説明した。上述したように、本発明によれば、透過領域TAと反射領域RAの動作モードの相違を簡便な構成により電気的に補償することができる。尚、液晶層30に長時間一方向に電界を印加すると、液晶層30が劣化する。従って、液晶層30には、適宜方向を反転させて電界を印加することが望ましい。以下、液晶層30に方向を反転させて電界を印加するための構成について説明する。
基本的には、或る単位表示領域UAにおいて、V1>V2である状態とV2>V1である状態とが、適宜切り替わる構成とすればよい。これにより、液晶層30に方向を反転させて電界を印加することができる。
例えば、偶数番目のフレームを形成するための第1番目乃至第M番目の走査信号線による走査が完了したとき、或る単位表示領域UAについて、第1対向電極21に印加されている第1の電圧をV1_evenF、第2対向電極22に印加されている第2の電圧をV2_evenFと表し、奇数番目のフレームを形成するための第1番目乃至第M番目の走査信号線による走査が完了したとき、該或る単位表示領域UAについて、第1対向電極21に印加されている第1の電圧をV1_oddF、第2対向電極22に印加されている第2の電圧をV2_oddFと表す。そして、例えば、V1_evenF−V2_evenF=−(V1_oddF−V2_oddF)という関係を満たすことにより、フレーム毎に方向を反転させて、液晶層30に電界を印加することができる。
この場合において、例えば、V1_evenF=V1_oddF、あるいは、V2_evenF=V2_oddF、を満たす構成とすることができる。この構成においては、第1対向電極21あるいは第2対向電極22のいずれか一方に、フレームにかかわらず同一の電圧が印加される。従って、対向電極に電圧を印加する回路の構成を簡便なものとすることができる。図6に、V2_evenF=V2_oddFである場合の動作例を示す。V1_evenF=V1_oddFの場合の動作は、図6において電圧の関係を入れ替えたものとなるので、図面は省略する。
あるいは又、例えば、V1_evenF=V2_oddF、且つ、V1_oddF=V2_evenFを満たす構成とすることもできる。図7に、V1_evenF=V2_oddF、且つ、V1_oddF=V2_evenFとした場合の動作例を示す。この構成によれば、図6に対して、各電圧の変動幅を低減することができるので、液晶表示装置の低消費電力化を図ることができる。
以上、液晶層30に方向を反転させて電界を印加するための構成について説明した。次いで、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。
実施例1は本発明の液晶表示装置に関する。図8は、実施例1の液晶表示装置1の模式的な構成図である。図9は、実施例1の液晶表示装置1の白表示状態における動作の模式的なタイミングチャートである。図10は、実施例1の液晶表示装置1の黒表示状態における動作の模式的なタイミングチャートである。尚、説明の便宜のため、単位表示領域UAが4×4のマトリクス状に配置されているとして説明するが、これに限るものではない。後述する他の実施例においても同様である。
説明の便宜のため、後述する他の実施例を含め、各単位表示領域UAにおいて、第1対向電極21と第2対向電極22との間の設計上の電位差の絶対値は、10ボルトであるとする。実施例における白表示状態とは、反射領域RAに設けられた第1対向電極21と第1画素電極20Aの間の電位差の絶対値が2ボルト、透過領域TAに設けられた第2対向電極22と第2画素電極20Bの間の電位差の絶対値が8ボルトである状態とする(即ち、設計上最大の白表示状態より若干暗い状態である)。また、実施例における黒表示状態とは、反射領域RAに設けられた第1対向電極21と第1画素電極20Aの間の電位差の絶対値が8ボルト、透過領域TAに設けられた第2対向電極22と第2画素電極20Bの間の電位差の絶対値が2ボルトである状態とする(即ち、設計上最大の黒表示状態より若干明るい状態である)。
図8に示すように、単位表示領域UA1_1〜UA1_4によって後述する信号線SL1に対応する1行目が構成され、単位表示領域UA4_1〜UA4_4によって信号線SL4に対応する4行目が構成される。同様に、単位表示領域UA2_1〜UA2_4によって信号線SL2に対応する2行目が構成され、単位表示領域UA3_1〜UA3_4によって信号線SL3に対応する3行目が構成されているが、図8においてはこれらの表記を省略した。また、単位表示領域UA1_1を構成する反射領域RAと透過領域TAとを、それぞれ反射領域RA1_1、透過領域TA1_1と表した。他の単位表示領域UAに関しても同様である。また、後述する他の実施例においても同様である。
図8に示すように、表示すべき画像の入力信号は制御回路70に入力される。そして、制御回路70の指令により、走査信号駆動回路71,映像信号駆動回路72、共通電極駆動回路73は所定のタイミングで動作する。
実施例1の液晶表示装置にあっては、或る1フレームを形成するための第1番目乃至第M番目(図8に示す例では、M=4)の走査信号線SLによる走査が完了したとき、第m番目(但し、m=1,2,…,M)の走査信号線SLmに対応する各単位表示領域UAにおいて、第1対向電極21には、第1の電圧V1_mが印加されており、第2対向電極22には、第2の電圧V2_mが印加されている。換言すれば、1行目の単位表示領域UA1_1〜UA1_4の各第1対向電極21には共通の第1の電圧が印加され、各第2対向電極22には共通の第2の電圧が印加される。2行目以降の各単位表示領域UAについても同様である。また、後述する第2の実施例、第3の実施例、第4の実施例においても同様である。
より具体的には、図8に示すように、実施例1の液晶表示装置は、P本(但し、P=2M、図8に示す例では、P=8)の共通電極線CLを備えている。第m番目の走査信号線SLmに対応する各単位表示領域UAの第1対向電極21あるいは第2対向電極22のうち、いずれか一方の対向電極(図8に示す例では、反射領域RAに備えられた第1対向電極21)と第p番目(但し、p=2m−1)の共通電極線CLpとが接続されている。また、他方の対向電極(図8に示す例では、透過領域TAに備えられた第2対向電極22)と第(p+1)番目の共通電極線CLp+1とが接続されている。実施例1においては、隣り合う行を構成する単位表示領域UAは、反射領域RAと透過領域TAとが対向するように配置されている。尚、第1対向電極21と第2対向電極22の模式的な構造は、図3の(A)に示すとおりである。
そして、第1対向電極21には、第1対向電極21に接続された共通電極線CLを介して第1の電圧が印加され、第2対向電極22には、第2対向電極22に接続された共通電極線CLを介して第2の電圧が印加される。これにより、各行目の単位表示領域UAにおける第1対向電極21には共通の第1の電圧が印加され、各第2対向電極22には共通の第2の電圧が印加される。
図9及び図10において、図の左側は、偶数フレームを形成するときのタイミングチャートを示し、図の右側は、奇数フレームを形成するときのタイミングチャートを示す。後述する他の実施例に関する図面においても同様である。
図9及び図10において、Vpx1_1は、単位表示領域UA1_1に対応する画素電極(具体的には、第1画素電極20A及び第2画素電極20B)の電圧を示す。Vpx2_1〜Vpx4_1についても同様である。CL1は、各共通電極線CL1の電圧を示す。CL2〜CL8についても同様である。尚、後述する他の実施例に関する図面においても同様である。
図9及び図10において、「Vpx1_1−CL1」は、単位表示領域UA1_1に対応する第1画素電極20Aと第1対向電極21との間の電位差に対応し、「Vpx1_1−CL2」は、単位表示領域UA1_1に対応する第2画素電極20Bと第2対向電極22との間の電位差に対応する。「Vpx2_1−CL3」〜「Vpx4_1−CL8」についても同様である。尚、後述する実施例2における図17においても同様である。
即ち、「Vpx1_1−CL1」〜「Vpx4_1−CL8」に示す波形は、それぞれ、図8に示す1列目の単位表示領域列を構成する反射領域RA1_1、透過領域TA1_1、反射領域RA2_1、透過領域TA2_1、反射領域RA3_1、透過領域TA3_1、反射領域RA4_1、透過領域TA4_1における、画素電極と対向電極間の電位差の波形を表す。尚、図9及び図10に示す例においては、映像信号線VL1〜VL4に印加される電圧を同じ値としたので、上記の波形は、実質的に、各行目の単位表示領域UAにおける反射領域RAに設けられた第1画素電極20Aと第1対向電極21との間の電位差、及び、透過領域TAに設けられた第2画素電極20Bと第2対向電極22との間の電位差にも対応する。尚、後述する実施例2における図17においても同様である。
図9及び図10に示すように、走査信号線SL1〜SL4には、走査信号駆動回路71から順次走査パルスが印加される。例えば、走査信号線SL1の走査パルスが印加されている間、1行目の単位表示領域UA1_1〜UA1_4のトランジスタ14はオン状態となり、各単位表示領域UAの画素電極に、映像信号駆動回路72から映像信号として第3の電圧が映像信号線VL1〜VL4を介して印加される。そして、走査信号線SL1の走査パルス終了後は、1行目の各単位表示領域UAのトランジスタ14はオフ状態となる。各単位表示領域UAの第1画素電極20Aと第1対向電極21との間の電位差は第1保持容量24によって保持され、第2画素電極20Bと第2対向電極22との間の電位差は第2保持容量25によって保持される。2行目以降の単位表示領域UAについても同様である。以上説明したように、実施例1の液晶表示装置は、線順次駆動される。後述する他の実施例においても同様である。
以下、図9を参照して、白表示状態における動作を説明する。
図9に示すように、偶数フレームの形成は期間TeAから開始する。期間TeAを含む図9に示す各期間の長さは、所謂水平走査期間(1H)である。期間TeA前の状態は前フレーム(即ち、直前の奇数フレーム)の形成が終了後の状態であり、基本的には、図9に示す奇数フレーム形成が終了した期間ToE以降の状態と同様である。
[期間ToZ以前]
この状態では、ある一定値の電圧をV0(便宜のため、後述する他の実施例を含めて、V0=0ボルトとして扱う)として、共通電極駆動回路73から、透過領域TAに接続された共通電極線CL2,CL4,CL6,CL8にはV0(=0ボルト)、共通電極線CL1,CL5にはV0+10ボルト(=10ボルト)、共通電極線CL3,CL7にはV0−10ボルト(=−10ボルト)の電圧が印加されている。Vpx1_1〜Vpx4_1の値は、直前の奇数フレーム形成時に、映像信号線VL1を介して印加された電圧が、第1保持容量24や第2保持容量25によって保持された電圧の値である。Vpx1_1,Vpx3_1の値はV0+8ボルト(=8ボルト)、Vpx2_1,Vpx4_1の値はV0−8ボルト(=−8ボルト)である。
[期間TeA]
期間TeAにおいては、映像信号駆動回路72から映像信号線VL1〜VL4にV0−8ボルト(=−8ボルト)が印加され、走査信号線SL1に走査パルスが印加される。また、共通電極駆動回路73から共通電極線CL1にV0−10ボルト(=−10ボルト)の電圧が印加される(即ち、共通電極線CL1の電圧は+10ボルトから−10ボルトとなる)。
尚、共通電極線CL1の電圧を期間TeAの始期よりも先行して変える態様とすることもできる。後述する他の期間TeB〜TeD、ToA〜ToDについても同様である。共通電極線CLの電圧を確定させた後、映像信号線VLから単位表示領域UAの第1画素電極20A及び第2画素電極20Bに電圧を印加することにより、より効果的に第1保持容量24や第2保持容量25に電位差を保持させることができる。液晶表示装置の構成にもよるが、例えば、0乃至数H程度先行して共通電極線CLの電圧を変化させる態様とすることもできる。後述する他の実施例においても同様である。ここで、期間ToZ以前においては、単位表示領域UAのトランジスタ14はオフ状態にある。従って、1行目の単位表示領域UAの画素電極の電位は、共通電極線CLの電圧と、直前の奇数フレームの走査により第1保持容量24及び第2保持容量25に書き込まれた電荷量により定まる。従って、例えば、1H先行して期間ToZにおいて共通電極線CL1に印加される電圧が変化すると、期間ToY以前と期間ToZとで、共通電極線CL1,CL2に対する1行目の単位表示領域UAの画素電極の電位が変化する(電圧の分圧関係が変化する)。このため、期間ToZにおいて、1行目の単位表示領域UAの輝度変化が生ずる可能性が考えられる。しかし、上記の変化は、1フレームを形成する時間に対して充分短い時間に起こる変化であり、実用上無視することができる。尚、後述する第3の実施例、第4の実施例、第5の実施例においては、共通電極線CLの電圧を先行して変える。便宜のため、これらの実施例の説明に用いる図面に示すタイミングチャートは、上記の電圧の分圧関係の変化がないものとして表した。
期間TeAにおいては、走査信号線SL1の走査パルスにより1行目の単位表示領域UA1_1〜UA1_4のトランジスタ14がオン状態となり、映像信号駆動回路72から映像信号線VL1〜VL4を介して、各単位表示領域UAの第1画素電極20Aと第2画素電極20Bとに−8ボルトの電圧が印加される。印加された電圧は、走査信号線SL1の走査パルス終了後も、各単位表示領域UAの第1保持容量24や第2保持容量25によって保持される。
[期間TeB]
期間TeBにおいては、映像信号駆動回路72から映像信号線VL1〜VL4にV0+8ボルト(=8ボルト)が印加され、走査信号線SL2に走査パルスが印加される。また、共通電極駆動回路73から共通電極線CL3にV0+10ボルト(=10ボルト)の電圧が印加される(即ち、共通電極線CL3の電圧は−10ボルトから+10ボルトとなる)。
上述したと同様に、2行目の単位表示領域UA2_1〜UA2_4のトランジスタ14がオン状態となり、映像信号駆動回路72から映像信号線VL1〜VL4を介して、各単位表示領域UAの第1画素電極20Aと第2画素電極20Bとに8ボルトの電圧が印加される。印加された電圧は、走査信号線SL2の走査パルス終了後も、各単位表示領域UAの第1保持容量24や第2保持容量25によって保持される。
[期間TeC]
期間TeCにおいては、映像信号駆動回路72から映像信号線VL1〜VL4にV0−8ボルト(=−8ボルト)が印加され、走査信号線SL3に走査パルスが印加される。また、共通電極駆動回路73から共通電極線CL5にV0−10ボルト(=−10ボルト)の電圧が印加される(即ち、共通電極線CL5の電圧は+10ボルトから−10ボルトとなる)。
上述したと同様に、3行目の単位表示領域UA3_1〜UA3_4のトランジスタ14がオン状態となり、映像信号駆動回路72から映像信号線VL1〜VL4を介して、各単位表示領域UAの第1画素電極20Aと第2画素電極20Bとに−8ボルトの電圧が印加される。印加された電圧は、走査信号線SL3の走査パルス終了後も、各単位表示領域UAの第1保持容量24や第2保持容量25によって保持される。
[期間TeD]
期間TeDにおいては、映像信号駆動回路72から映像信号線VL1〜VL4にV0+8ボルト(=8ボルト)が印加され、走査信号線SL4に走査パルスが印加される。また、共通電極駆動回路73から共通電極線CL7にV0+10ボルト(=10ボルト)の電圧が印加される(即ち、共通電極線CL7の電圧は−10ボルトから10ボルトとなる)。
上述したと同様に、4行目の単位表示領域UA4_1〜UA4_4のトランジスタ14がオン状態となり、映像信号駆動回路72から映像信号線VL1〜VL4を介して、各単位表示領域UAの第1画素電極20Aと第2画素電極20Bとに8ボルトの電圧が印加される。印加された電圧は、走査信号線SL4の走査パルス終了後も、各単位表示領域UAの第1保持容量24や第2保持容量25によって保持される。
以上説明した期間TeA〜TeDの動作により偶数フレームの形成が終了する。偶数フレームの形成が終了した期間TeEの時点において、
反射領域RA1_1における電位差 … Vpx1_1−CL1= 2ボルト
透過領域TA1_1における電位差 … Vpx1_1−CL2=−8ボルト
反射領域RA2_1における電位差 … Vpx2_1−CL3=−2ボルト
透過領域TA2_1における電位差 … Vpx2_1−CL4= 8ボルト
反射領域RA3_1における電位差 … Vpx3_1−CL5= 2ボルト
透過領域TA3_1における電位差 … Vpx3_1−CL6=−8ボルト
反射領域RA 4_1における電位差 … Vpx4_1−CL7=−2ボルト
透過領域TA4_1における電位差 … Vpx4_1−CL8= 8ボルト
となる。
従って、偶数フレームの形成が終了した時点において、各反射領域RAの第1画素電極20Aと第1対向電極21との間の電位差の絶対値は2ボルト、各透過領域TAの第2画素電極20Bと第2対向電極22との間の電位差の絶対値は8ボルトである。従って、透過領域TAと反射領域RAの動作モードの相違が電気的に補償され、設計上最大の白表示状態より若干暗い白表示状態の画像が表示される。
次いで、奇数フレームの形成について説明する。奇数フレームの形成は期間ToAから開始する。期間ToA前の状態は前フレーム(即ち、直前の偶数フレーム)の形成が終了後の状態であり、基本的には、図9に示す偶数フレーム形成が終了した期間TeE以降の状態と同様である。
期間ToA〜期間ToDにおける動作は、基本的に上述した[期間TeA]〜[期間TeD]について説明したと同様であり、映像信号線VL1〜VL4や共通電極線CL1,CL3,CL5,CL7に印加する電圧の波形を反転させればよいので、説明を省略する。
期間ToA〜ToDの動作により奇数フレームの形成が終了する。奇数フレームの形成が終了した期間ToEの時点において、
反射領域RA1_1における電位差 … Vpx1_1−CL1=−2ボルト
透過領域TA1_1における電位差 … Vpx1_1−CL2= 8ボルト
反射領域RA2_1における電位差 … Vpx2_1−CL3= 2ボルト
透過領域TA2_1における電位差 … Vpx2_1−CL4=−8ボルト
反射領域RA3_1における電位差 … Vpx3_1−CL5=−2ボルト
透過領域TA3_1における電位差 … Vpx3_1−CL6= 8ボルト
反射領域RA4_1における電位差 … Vpx4_1−CL7= 2ボルト
透過領域TA4_1における電位差 … Vpx4_1−CL8=−8ボルト
となる。偶数フレームとは極性が反転しているが、各反射領域RAの第1画素電極20Aと第1対向電極21との間の電位差の絶対値は2ボルト、各透過領域TAの第2画素電極20Bと第2対向電極22との間の電位差の絶対値は8ボルトである。従って、透過領域TAと反射領域RAの動作モードの相違が電気的に補償され、設計上最大の白表示状態より若干暗い白表示状態の画像が表示される。
偶数フレームと奇数フレームにおいて、第1対向電極21と第2対向電極22とに印加されている電圧の関係は以下の通りである。即ち、例えば、偶数番目のフレームを形成するための第1番目乃至第M番目の走査信号線SLによる走査が完了したとき、或る単位表示領域UAについて、第1対向電極21に印加されている第1の電圧をV1_evenF、第2対向電極22に印加されている第2の電圧をV2_evenFと表し、奇数番目のフレームを形成するための第1番目乃至第M番目の走査信号線SLによる走査が完了したとき、該或る単位表示領域UAについて、第1対向電極21に印加されている第1の電圧をV1_oddF、第2対向電極22に印加されている第2の電圧をV2_oddFと表す。そして、V1_evenF−V2_evenF=−(V1_oddF−V2_oddF)という関係が満たされている。実施例1の液晶表示装置1においては、液晶層30に印加される電界の方向がフレーム毎に変化し、長時間一方向に電界が印加されることによる液晶の劣化を防止することができる。図11の(A)に、偶数フレームにおいて、各単位表示領域UAにおける対向電極を基準とした画素電極の電圧の極性を示す。図11の(B)に、奇数フレームにおいて、各単位表示領域UAにおける対向電極を基準とした画素電極の電圧の極性を示す。尚、図11においては、便宜のため、単位表示領域UAが多数マトリクス状に配置されているとして記した。後述する図16、図24、図28においても同様である。
また、この場合において、V2_evenF=V2_oddFという関係が満たされている。即ち、透過領域TAに接続された共通電極線CL2,CL4,CL6,CL8には、偶数フレーム/奇数フレームにかかわらず常にある一定値の電圧V0(=0ボルト)が印加される。従って、第2対向電極22に電圧を印加する共通電極駆動回路73の構成を簡便なものとすることができる。
次いで、或る1フレームを形成するための第1番目乃至第M番目の走査信号線SLによる走査が完了した時点の関係に注目すると、第m番目(但し、m=1,2,…,M)の走査信号線SLmに対応する各単位表示領域UAにおいて、第1対向電極21には、第1の電圧V1_mが印加されており、第2対向電極22には、第2の電圧V2_mが印加されている。そして、電圧V2_mは一定値V2_constであり、電圧V1_mは、mの値が奇数の場合には一定値V1_odd、mの値が偶数の場合にはV1_oddとは異なる一定値V1_evenであるという関係を満たしている。また、これに加えて、V1_odd−V2_const=−(V1_even−V2_const)という関係を満たしている。これらの関係を満たす実施例1の液晶表示装置1は、奇数番目の走査信号線SLに対応する各単位表示領域UAと、偶数番目の走査信号線SLに対応する各単位表示領域UAとで、印加される電圧の極性が反転する。これにより、表示画像のフリッカを低減することができる。図12に、奇数行目/偶数行目の各単位表示領域UAにおける、第1の電圧V1、第2の電圧V2、第3の電圧V3との関係を模式的に示した。
以上、図9を参照して白表示状態の動作を説明した。次いで、図10を参照して、黒表示状態の動作を説明する。
黒表示状態の動作は、基本的に図9における期間TeA〜期間TeD、及び、期間ToA〜期間ToDにおける動作と同様であり、映像信号線VL1〜VL4に印加される電圧の値を8ボルトから2ボルト、−8ボルトから−2ボルトとした点が相違するに止まる。従って、各期間における説明は省略する。
図10の期間TeA〜TeDの動作により偶数フレームの形成が終了する。偶数フレームの形成が終了した期間TeEの時点において、
反射領域RA1_1における電位差 … Vpx1_1−CL1= 8ボルト
透過領域TA1_1における電位差 … Vpx1_1−CL2=−2ボルト
反射領域RA2_1における電位差 … Vpx2_1−CL3=−8ボルト
透過領域TA2_1における電位差 … Vpx2_1−CL4= 2ボルト
反射領域RA3_1における電位差 … Vpx3_1−CL5= 8ボルト
透過領域TA3_1における電位差 … Vpx3_1−CL6=−2ボルト
反射領域RA4_1における電位差 … Vpx4_1−CL7=−8ボルト
透過領域TA4_1における電位差 … Vpx4_1−CL8= 2ボルト
となる。従って、各反射領域RAの第1画素電極20Aと第1対向電極21との間の電位差の絶対値は8ボルト、各透過領域TAの第2画素電極20Bと第2対向電極22との間の電位差の絶対値は2ボルトである。従って、透過領域TAと反射領域RAの動作モードの相違が電気的に補償され、設計上最大の黒表示状態より若干明るい黒表示状態の画像が表示される。
また、図10の期間ToA〜ToDの動作により奇数フレームの形成が終了する。偶数フレームの形成が終了した期間ToEの時点において、
反射領域RA1_1における電位差 … Vpx1_1−CL1=−8ボルト
透過領域TA1_1における電位差 … Vpx1_1−CL2= 2ボルト
反射領域RA2_1における電位差 … Vpx2_1−CL3= 8ボルト
透過領域TA2_1における電位差 … Vpx2_1−CL4=−2ボルト
反射領域RA3_1における電位差 … Vpx3_1−CL5=−8ボルト
透過領域TA3_1における電位差 … Vpx3_1−CL6= 2ボルト
反射領域RA4_1における電位差 … Vpx4_1−CL7= 8ボルト
透過領域TA4_1における電位差 … Vpx4_1−CL8=−2ボルト
となる。偶数フレームとは極性が反転しているが、各反射領域RAの第1画素電極20Aと第1対向電極21との間の電位差の絶対値は8ボルト、各透過領域TAの第2画素電極20Bと第2対向電極22との間の電位差の絶対値は2ボルトである。従って、透過領域TAと反射領域RAの動作モードの相違が電気的に補償され、設計上最大の黒表示状態より若干明るい黒表示状態の画像が表示される。
以上、実施例1の液晶表示装置の動作について説明した。尚、上述の構成においては、透過領域TAに接続された共通電極線CL2,CL4,CL6,CL8には、常にある一定値の電圧V0(=0ボルト)が印加されるとしたが、これに限るものではない。共通電極線CL2,CL4,CL6,CL8と、共通電極線CL1,CL3,CL5,CL7とに印加する電圧の関係を入れ替えた構成とすることもできる。
尚、共通電極線CL2,CL4,CL6,CL8と、共通電極線CL1,CL3,CL5,CL7とに印加する電圧の関係を入れ替えた構成とした場合においても、上述したと同様に、或る1フレームを形成するための第1番目乃至第M番目の走査信号線SLによる走査が完了した時点の関係に注目すると、第m番目(但し、m=1,2,…,M)の走査信号線SLmに対応する各単位表示領域UAにおいて、第1対向電極21には、第1の電圧V1_mが印加されており、第2対向電極22には、第2の電圧V2_mが印加されている。そして、電圧V1_mは一定値V1_constであり、電圧V2_mは、mの値が奇数の場合には一定値V2_odd、mの値が偶数の場合にはV2_oddとは異なる一定値V2_evenという関係を満たす。また、これに加えて、V1_const−V2_odd=−(V1_const−V2_even)という関係を満たす。この構成においても、奇数番目の走査信号線SLに対応する各単位表示領域UAと、偶数番目の走査信号線SLに対応する各単位表示領域UAとで、印加される電圧の極性が反転する。従って、表示画像のフリッカを低減することができる。
次いで、実施例1の変形例について簡単に説明する。図13は、実施例1の液晶表示装置の変形例の模式的な構成図である。
図8においては、隣り合う行を構成する単位表示領域UAは、反射領域RAと透過領域TAとが対向するように配置されている。一方、図13に示す変形例にあっては、同種の領域が対向するように配置されている。より具体的には、図13に示す変形例は、図8に対し、走査信号線SL2,SL4に対応する各単位表示領域UAの反射領域RAと透過領域TAとを入れ替えた構成である。
反射領域RA同士が対向する領域にあっては、反射領域RAに設けられる反射板等を複数の単位表示領域UAに亙るように連続して形成することができる。透過領域に形成される種々の構成要素についても同様である。上述した構成によれば、反射板等の分割工程等が不要となり、液晶表示装置の構造上の余裕度をより大きなものとすることができる。
図14は、図13に示す変形例において上述した図9に示す動作に対応する動作を行うときの模式的なタイミングチャートを示す。上述した図9に示す動作に対応する動作を行う場合には、一部の共通電極線CLに印加する電圧を入れ替えればよい。具体的には、図9において共通電極線CL3の波形と共通電極線CL4の波形とを入れ替え、共通電極線CL7の波形と共通電極線CL8の波形とを入れ替えればよい(尚、これに伴い、図9に示すVpx2_1−CL3の波形とVpx2_1−CL4の波形とが入れ替わり、Vpx4_1−CL7の波形とVpx4_1−CL8の波形とが入れ替わる)。尚、変形例において、上述した図10に示す動作と同様の動作を行う場合においても同様である。図15は、図13に示す変形例において上述した図10に示す動作に対応する動作を行うときの模式的なタイミングチャートを示す。図16の(A)は、変形例について、偶数フレームにおいて、各単位表示領域における対向電極を基準とした画素電極の電圧の極性を示す。図16の(B)は、奇数フレームにおいて、各単位表示領域における対向電極を基準とした画素電極の電圧の極性を示す。
実施例2は、実施例1の変形である。実施例1に対し、映像信号線VLや共通電極線CLに印加する電圧の絶対値を低くすることができる特徴を有する。実施例2の液晶表示装置2の構造自体は実施例1で説明したと同様であり、動作のみが相違する。従って、液晶表示装置の構造の説明は省略する。
実施例2及び後述する実施例については、便宜のため、白表示状態の動作のみ説明する。図17は、実施例2の液晶表示装置2の白表示状態における動作の模式的なタイミングチャートである。
実施例1における図9と同様に、図17においても偶数フレームの形成は期間TeAから開始する。期間TeA前の状態は前フレーム(即ち、直前の奇数フレーム)の形成が終了後の状態であり、基本的には、図17に示す奇数フレーム形成が終了した期間ToE以降の状態と同様である。
[期間ToZ以前]
この状態では、ある一定値の電圧をV0として、共通電極駆動回路73から、共通電極線CL1,CL4,CL5,CL8には、V0+5ボルト(=5ボルト)、共通電極線CL2,CL3,CL6,CL7にはV0−5ボルト(=−5ボルト)の電圧が印加されている。Vpx1_1〜Vpx4_1の値は、直前の奇数フレーム形成時に、映像信号線VL1を介して印加された電圧が、第1保持容量24や第2保持容量25によって保持された電圧の値である。Vpx1_1,Vpx3_1の値はV0+3ボルト(=3ボルト)、Vpx2_1,Vpx4_1の値はV0−3ボルト(=−3ボルト)である。
[期間TeA]
期間TeAにおいては、映像信号駆動回路72から映像信号線VL1〜VL4にV0−3ボルト(=−3ボルト)が印加され、走査信号線SL1に走査パルスが印加される。また、共通電極駆動回路73から共通電極線CL1にV0−5ボルト(=−5ボルト)の電圧が印加される(即ち、共通電極線CL1の電圧は+5ボルトから−5ボルトとなる)。また、実施例2では、実施例1とは異なり隣接する共通電極線CL2に印加する電圧も変える。より具体的には、共通電極駆動回路73から共通電極線CL2にV0+5ボルト(=5ボルト)の電圧を印加する(即ち、共通電極線CL2の電圧は−5ボルトから5ボルトとなる)。
実施例1で説明したと同様に、期間TeAにおいては、走査信号線SL1の走査パルスにより1行目の単位表示領域UA1_1〜UA1_4の各単位表示領域UAの第1画素電極20Aと第2画素電極20Bとに−3ボルトの電圧が印加される。印加された電圧は、走査信号線SL1の走査パルス終了後も、各単位表示領域UAの第1保持容量24や第2保持容量25によって保持される。
[期間TeB]
期間TeBにおいては、映像信号駆動回路72から映像信号線VL1〜VL4にV0+3ボルト(=3ボルト)が印加され、走査信号線SL2に走査パルスが印加される。また、共通電極駆動回路73から共通電極線CL3にV0+5ボルト(=5ボルト)の電圧が印加される(即ち、共通電極線CL3の電圧は−5ボルトから5ボルトとなる)。また、実施例2では、実施例1とは異なり共通電極線CL4に印加する電圧も変える。より具体的には、共通電極駆動回路73から共通電極線CL4にV0−5ボルト(=−5ボルト)の電圧が印加される(即ち、共通電極線CL4の電圧は5ボルトから−5ボルトとなる)。
上述したと同様に、期間TeBにおいては、走査信号線SL2の走査パルスにより2行目の単位表示領域UA2_1〜UA2_4の各単位表示領域UAの第1画素電極20Aと第2画素電極20Bとに3ボルトの電圧が印加される。印加された電圧は、走査信号線SL2の走査パルス終了後も、各単位表示領域UAの第1保持容量24や第2保持容量25によって保持される。
[期間TeC]
期間TeCにおいては、映像信号駆動回路72から映像信号線VL1〜VL4にV0−3ボルト(=−3ボルト)が印加され、走査信号線SL3に走査パルスが印加される。また、共通電極駆動回路73から共通電極線CL5にV0−5ボルト(=−5ボルト)の電圧が印加される(即ち、共通電極線CL5の電圧は5ボルトから−5ボルトとなる)。また、実施例2では、実施例1とは異なり共通電極線CL6に印加する電圧も変える。より具体的には、共通電極駆動回路73から共通電極線CL6にV0+5ボルト(=5ボルト)の電圧が印加される(即ち、共通電極線CL6の電圧は−5ボルトから5ボルトとなる)。
。
上述したと同様に、期間TeCにおいては、走査信号線SL3の走査パルスにより3行目の単位表示領域UA3_1〜UA3_4の各単位表示領域UAの第1画素電極20Aと第2画素電極20Bとに−3ボルトの電圧が印加される。印加された電圧は、走査信号線SL3の走査パルス終了後も、各単位表示領域UAの第1保持容量24や第2保持容量25によって保持される。
[期間TeD]
期間TeDにおいては、映像信号駆動回路72から映像信号線VL1〜VL4にV0+3ボルト(=3ボルト)が印加され、走査信号線SL4に走査パルスが印加される。また、共通電極駆動回路73から共通電極線CL7にV0+5ボルト(=5ボルト)の電圧が印加される(即ち、共通電極線CL7の電圧は−5ボルトから5ボルトとなる)。また、実施例2では、実施例1とは異なり共通電極線CL8に印加する電圧も変える。より具体的には、共通電極駆動回路73から共通電極線CL8にV0−5ボルト(=−5ボルト)の電圧が印加される(即ち、共通電極線CL8の電圧は5ボルトから−5ボルトとなる)。
上述したと同様に、期間TeDにおいては、走査信号線SL4の走査パルスにより4行目の単位表示領域UA4_1〜UA4_4の各単位表示領域UAの第1画素電極20Aと第2画素電極20Bとに3ボルトの電圧が印加される。印加された電圧は、走査信号線SL4の走査パルス終了後も、各単位表示領域UAの第1保持容量24や第2保持容量25によって保持される。
以上説明した期間TeA〜TeDの動作により偶数フレームの形成が終了する。実施例1の図9における偶数フレームの形成と同様に、実施例2において偶数フレームの形成が終了した期間TeEの時点においても、
反射領域RA1_1における電位差 … Vpx1_1−CL1= 2ボルト
透過領域TA1_1における電位差 … Vpx1_1−CL2=−8ボルト
反射領域RA2_1における電位差 … Vpx2_1−CL3=−2ボルト
透過領域TA2_1における電位差 … Vpx2_1−CL4= 8ボルト
反射領域RA3_1における電位差 … Vpx3_1−CL5= 2ボルト
透過領域TA3_1における電位差 … Vpx3_1−CL6=−8ボルト
反射領域RA4_1における電位差 … Vpx4_1−CL7=−2ボルト
透過領域TA4_1における電位差 … Vpx4_1−CL8= 8ボルト
となる。従って、偶数フレームの形成が終了した時点において、各反射領域RAの第1画素電極20Aと第1対向電極21との間の電位差の絶対値は2ボルト、各透過領域TAの第2画素電極20Bと第2対向電極22との間の電位差の絶対値は8ボルトである。従って、透過領域TAと反射領域RAの動作モードの相違が電気的に補償され、設計上最大の白表示状態より若干暗い白表示状態の画像が表示される。
次いで、奇数フレームの形成について説明する。奇数フレームの形成は期間ToAから開始する。期間ToA前の状態は前フレーム(即ち、直前の偶数フレーム)の形成が終了後の状態であり、基本的には、図17に示す偶数フレーム形成が終了した期間TeE以降の状態と同様である。
期間ToA〜期間ToDにおける動作は、基本的に上述した[期間TeA]〜[期間TeD]について説明したと同様であり、映像信号線VL1〜VL4や共通電極線CL1〜CL8に印加する電圧の波形を反転させればよいので、説明を省略する。
期間ToA〜ToDの動作により奇数フレームの形成が終了する。実施例1の図9における奇数フレームの形成と同様に、実施例2において奇数フレームの形成が終了した期間ToEの時点においても、
反射領域RA1_1における電位差 … Vpx1_1−CL1=−2ボルト
透過領域TA1_1における電位差 … Vpx1_1−CL2= 8ボルト
反射領域RA2_1における電位差 … Vpx2_1−CL3= 2ボルト
透過領域TA2_1における電位差 … Vpx2_1−CL4=−8ボルト
反射領域RA3_1における電位差 … Vpx3_1−CL5=−2ボルト
透過領域TA3_1における電位差 … Vpx3_1−CL6= 8ボルト
反射領域RA4_1における電位差 … Vpx4_1−CL7= 2ボルト
透過領域TA4_1における電位差 … Vpx4_1−CL8=−8ボルト
となる。偶数フレームとは極性が反転しているが、各反射領域RAの第1画素電極20Aと第1対向電極21との間の電位差の絶対値は2ボルト、各透過領域TAの第2画素電極20Bと第2対向電極22との間の電位差の絶対値は8ボルトである。従って、透過領域TAと反射領域RAの動作モードの相違が電気的に補償され、設計上最大の白表示状態より若干暗い白表示状態の画像が表示される。
偶数フレームと奇数フレームにおいて、第1対向電極21と第2対向電極22とに印加されている電圧の関係は、実施例1で説明したと同様である。
即ち、例えば、偶数番目のフレームを形成するための第1番目乃至第M番目の走査信号線SLによる走査が完了したとき、或る単位表示領域UAについて、第1対向電極21に印加されている第1の電圧をV1_evenF、第2対向電極22に印加されている第2の電圧をV2_evenFと表し、奇数番目のフレームを形成するための第1番目乃至第M番目の走査信号線SLによる走査が完了したとき、該或る単位表示領域UAについて、第1対向電極21に印加されている第1の電圧をV1_oddF、第2対向電極22に印加されている第2の電圧をV2_oddFと表す。そして、例えば、V1_evenF−V2_evenF=−(V1_oddF−V2_oddF)という関係が満たされている。実施例2の液晶表示装置においても、液晶層30に印加される電界の方向がフレーム毎に変化し、長時間一方向に電界が印加されることによる液晶の劣化を防止することができる。各単位表示領域UAにおける対向電極を基準とした画素電極の電圧の極性は、上述した実施例1における図11の(A)及び(B)と同様である。
また、この場合において、V1_evenF=V2_oddF、且つ、V1_oddF=V2_evenFという関係が満たされている。この関係を満たすことにより、後述するように、第1対向電極21に印加される第1の電圧、第2対向電極22に印加される第2の電圧、及び、第1画素電極20Aあるいは第2画素電極20Bに印加される第3の電圧の変動幅を低減することができるので、液晶表示装置の低消費電力化を図ることができる。
次いで、或る1フレームを形成するための第1番目乃至第M番目の走査信号線SLによる走査が完了した時点の関係に注目すると、実施例1と同様に、第m番目(但し、m=1,2,…,M)の走査信号線SLmに対応する各単位表示領域UAにおいて、第1対向電極21には、第1の電圧V1_mが印加されており、第2対向電極22には、第2の電圧V2_mが印加されている。そして、電圧V1_mは、mの値が奇数の場合には一定値V1_odd、mの値が偶数の場合にはV1_oddとは異なる一定値V1_evenであり、電圧V2_mは、mの値が奇数の場合には一定値V2_odd、mの値が偶数の場合にはV2_oddとは異なる一定値V2_evenという関係を満たしている。また、これに加えて、V1_odd=V2_even、且つ、V1_even=V2_oddという関係を満たしている。この関係を満たす実施例2の液晶表示装置においても、奇数番目の走査信号線SLに対応する各単位表示領域UAと、偶数番目の走査信号線SLに対応する各単位表示領域UAとで、印加される電圧の極性が反転する。これにより、表示画像のフリッカを低減することができる。
更には、上述した関係を満たす実施例2の液晶表示装置にあっては、白表示状態で駆動する際に共通電極線CLに印加する電圧は−5ボルト/5ボルトであり、映像信号線VLに印加する電圧は−3ボルト/3ボルトである。一方、前述した実施例1においては、白表示状態で駆動する際に共通電極線CLに印加する電圧は−10ボルト/10ボルトであり、映像信号線VLに印加する電圧は−8ボルト/8ボルトである。従って、実施例2の液晶表示装置によれば、第1対向電極21に印加される第1の電圧、第2対向電極22に印加される第2の電圧、及び、第1画素電極20Aあるいは第2画素電極20Bに印加される第3の電圧の変動幅を低減することができるので、液晶表示装置の低消費電力化を図ることができる。図18に、奇数行目/偶数行目の各単位表示領域UAにおける、第1の電圧V1、第2の電圧V2、第3の電圧V3との関係を模式的に示した。
次いで、実施例2の変形例について簡単に説明する。実施例2の変形例は、実施例1の変形例として説明した図13に示す構成において、上述した図17に示す動作と同様の動作を行う。図19は、図13に示す変形例において上述した図17に示す動作に対応する動作を行うときの模式的なタイミングチャートを示す。実施例1において説明したと同様に、この場合においても一部の共通電極線CLに印加する電圧を入れ替えればよい。具体的には、図17において共通電極線CL3の波形と共通電極線CL4の波形とを入れ替え、共通電極線CL7の波形と共通電極線CL8の波形とを入れ替えればよい(尚、これに伴い、図17に示すVpx2_1−CL3の波形とVpx2_1−CL4の波形とが入れ替わり、Vpx4_1−CL7の波形とVpx4_1−CL8の波形とが入れ替わる)。変形例についての各単位表示領域UAにおける対向電極を基準とした画素電極の電圧の極性は、上述した実施例1における変形例の図16の(A)及び(B)と同様である。
実施例3も本発明の液晶表示装置に関する。共通電極線CLの本数を削減した点が、実施例1と主に相違する。
図20は、実施例3の液晶表示装置3の模式的な構成図である。図21は、実施例3の液晶表示装置3の白表示状態における動作の模式的なタイミングチャートである。
図20に示すように、実施例3の液晶表示装置3は、P本(但し、P=M+1、図20に示す例では、M=4なのでP=5である)の共通電極線CLを備えている。そして、第p番目(但し、pは2以上M−1以下の自然数)の共通電極線CLpには、第m’番目(但し、m’=p−1)の走査信号線SLm'に対応する各単位表示領域UAの第1対向電極21あるいは第2対向電極22のうちいずれか一方の対向電極(図20に示す例では、透過領域TAの第2対向電極22)と、第(m’+1)番目の走査信号線SLm'+1に対応する各単位表示領域UAの第1対向電極21あるいは第2対向電極22のうち他方の対向電極(図20に示す例では、反射領域RAの第1対向電極21)とが接続されている。
そして、第1番目の走査信号線SL1に対応する各単位表示領域UAの第1対向電極21あるいは第2対向電極22のうち、第2番目の共通電極線SL2に接続されていない電極(図20に示す例では、反射領域RAの第1対向電極21)と、第1番目の共通電極線CL1とが接続されている。
また、第M番目(図20に示す例では、M=4)の走査信号線SLMに対応する各単位表示領域UAの第1対向電極21あるいは第2対向電極22のうち、第(P−1)番目(図20に示す例では、P−1=4)の共通電極線CLP-1に接続されていない電極(図20に示す例では、透過領域TAの第2対向電極22)と、第P番目(図20に示す例では、P=5)の共通電極線CLPとが接続されている。そして、第1対向電極21には、第1対向電極21に接続された共通電極線CLを介して第1の電圧が印加されており、第2対向電極22には、第2対向電極22に接続された共通電極線CLを介して第2の電圧が印加されている、これにより、各行目の単位表示領域UAの第1対向電極21には共通の第1の電圧が印加され、各第2対向電極22には共通の第2の電圧が印加される。
実施例3の液晶表示装置3は、図8に示した実施例1の液晶表示装置1に対し、1行目の単位表示領域UA1_1〜UA1_4と2行目の単位表示領域UA2_1〜UA2_4との間に位置する共通電極線CLの本数が1本削減されている。2行目と3行目、3行目と4行目の間に位置する共通電極線も同様に各1本ずつ削減されている。尚、図20に示す共通電極線CL2〜CL4には、第1対向電極21と第2対向電極22とが共に接続されている。従って、これらの共通電極線CLに印加される電圧は、第1対向電極21については「第1の電圧」であり、第2対向電極22については「第2の電圧」である。後述する他の実施例においても同様である。
尚、実施例3の液晶表示装置3においては、例えば、共通電極線CL2には1行目の単位表示領域UA1_1〜UA1_4の透過領域TAに設けられた第2対向電極22と、2行目の単位表示領域UA2_1〜UA2_4の反射領域RAに設けられた第1対向電極21とが接続されている。1行目の単位表示領域UAに映像信号線VLから電圧を印加する際には、共通電極線CL1,CL2の電位が確定している必要がある。また、2行目の単位表示領域UAに映像信号線VLから電圧を印加する際には、共通電極線CL2,CL3の電圧が確定している必要がある。従って、例えば、1行目の単位表示領域UAの走査の後、2行目の単位表示領域UAの走査を行う場合には、共通電極線CL2に印加される電圧の切り替えを、1行目の単位表示領域UAの走査を基準として行う必要がある。共通電極線CL3,CL4においても同様である。また、後述する他の実施例においても同様である。
図21において、「Vpx1_1−CL1」は、単位表示領域UA1_1に対応する第1画素電極20Aと第1対向電極21との間の電位差に対応し、「Vpx1_1−CL2」は、単位表示領域UA1_1に対応する第2画素電極20Bと第2対向電極22との間の電位差に対応する。「Vpx2_1−CL2」〜「Vpx4_1−CL5」についても同様である。
即ち、「Vpx1_1−CL1」〜「Vpx4_1−CL5」に示す波形は、それぞれ、図20に示す1列目の単位表示領域列を構成する反射領域RA1_1、透過領域TA1_1、反射領域RA2_1、透過領域TA2_1、反射領域RA3_1、透過領域TA3_1、反射領域RA4_1、透過領域TA4_1における、画素電極と対向電極間の電位差の波形を表す。尚、図21に示す例においても、映像信号線VL1〜VL4に印加される電圧を同じ値としたので、上記の波形は、実質的に、各行目の単位表示領域UAにおける反射領域RAに設けられた第1画素電極20Aと第1対向電極21との間の電位差、及び、透過領域TAに設けられた第2画素電極20Bと第2対向電極22との間の電位差にも対応する。尚、後述する実施例4における図23においても同様である。
以下、図21を参照して、実施例3の液晶表示装置3の白表示状態における動作を説明する。
上述した他の実施例と同様に、図21においても偶数フレームの形成は期間TeAから開始する。期間TeA前の状態は前フレーム(即ち、直前の奇数フレーム)の形成が終了後の状態であり、基本的には、図21に示す奇数フレーム形成が終了した期間ToE以降の状態と同様である。
[期間ToY以前]
この状態では、ある一定値の電圧をV0として、共通電極駆動回路73から、共通電極線CL1,CL3,CL5には、V0+5ボルト(=5ボルト)、共通電極線CL2,CL4にはV0−5ボルト(=−5ボルト)の電圧が印加されている。Vpx1_1〜Vpx4_1の値は、直前の奇数フレーム形成時に、映像信号線VL1を介して印加された電圧が、第1保持容量24や第2保持容量25によって保持された電圧の値である。実施例2における図17と同様に、Vpx1_1,Vpx3_1はV0+3ボルト(=3ボルト)、Vpx2_1,Vpx4_1はV0−3ボルト(=−3ボルト)である。
[期間ToZ]
期間ToZにおいては、共通電極駆動回路73から共通電極線CL1にV0−5ボルト(=−5ボルト)の電圧が印加される(即ち、共通電極線CL1の電圧は+5ボルトから−5ボルトとなる)。尚、期間ToZで共通電極線CL1の電圧を変えるのは、期間TeA〜TeDにおいて、共通電極線CL2〜CL5の電圧の変化が1H毎に起こることに合わせたものである。後述する実施例4、実施例5においても同様である。
[期間TeA]
期間TeAにおいては、映像信号駆動回路72から映像信号線VL1〜VL4にV0−3ボルト(=−3ボルト)が印加され、走査信号線SL1に走査パルスが印加される。また、共通電極駆動回路73から共通電極線CL2にV0+5ボルト(=5ボルト)の電圧が印加される(即ち、共通電極線CL2の電圧は−5ボルトから5ボルトとなる)。
実施例1で説明したと同様に、期間TeAにおいては、走査信号線SL1の走査パルスにより1行目の単位表示領域UA1_1〜UA1_4の各単位表示領域UAの第1画素電極20Aと第2画素電極20Bとに−3ボルトの電圧が印加される。印加された電圧は、走査信号線SL1の走査パルス終了後も、各単位表示領域UAの第1保持容量24や第2保持容量25によって保持される。
[期間TeB]
期間TeBにおいては、映像信号駆動回路72から映像信号線VL1〜VL4にV0+3ボルト(=3ボルト)が印加され、走査信号線SL2に走査パルスが印加される。また、共通電極駆動回路73から共通電極線CL3にV0−5ボルト(=−5ボルト)の電圧が印加される(即ち、共通電極線CL3の電圧は5ボルトから−5ボルトとなる)。
上述したと同様に、期間TeBにおいては、走査信号線SL2の走査パルスにより2行目の単位表示領域UA2_1〜UA2_4の各単位表示領域UAの第1画素電極20Aと第2画素電極20Bとに3ボルトの電圧が印加される。印加された電圧は、走査信号線SL2の走査パルス終了後も、各単位表示領域UAの第1保持容量24や第2保持容量25によって保持される。
[期間TeC]
期間TeCにおいては、映像信号駆動回路72から映像信号線VL1〜VL4にV0−3ボルト(=−3ボルト)が印加され、走査信号線SL3に走査パルスが印加される。また、共通電極駆動回路73から共通電極線CL4にV0+5ボルト(=5ボルト)の電圧が印加される(即ち、共通電極線CL4の電圧は−5ボルトから+5ボルトとなる)。
上述したと同様に、期間TeCにおいては、走査信号線SL3の走査パルスにより3行目の単位表示領域UA3_1〜UA3_4の各単位表示領域UAの第1画素電極20Aと第2画素電極20Bとに−3ボルトの電圧が印加される。印加された電圧は、走査信号線SL3の走査パルス終了後も、各単位表示領域UAの第1保持容量24や第2保持容量25によって保持される。
[期間TeD]
期間TeDにおいては、映像信号駆動回路72から映像信号線VL1〜VL4にV0+3ボルト(=3ボルト)が印加され、走査信号線SL4に走査パルスが印加される。また、共通電極駆動回路73から共通電極線CL5に印加する電位をV0−5ボルト(=−5ボルト)の電圧が印加される(即ち、共通電極線CL5の電圧は5ボルトから−5ボルトとなる)。
上述したと同様に、期間TeDにおいては、走査信号線SL4の走査パルスにより4行目の単位表示領域UA4_1〜UA4_4の各単位表示領域UAの第1画素電極20Aと第2画素電極20Bとに3ボルトの電圧が印加される。印加された電圧は、走査信号線SL4の走査パルス終了後も、各単位表示領域UAの第1保持容量24や第2保持容量25によって保持される。
以上説明した期間TeA〜TeDの動作により偶数フレームの形成が終了する。実施例1の図9における偶数フレームの形成と同様に、実施例3において偶数フレームの形成が終了した期間TeEの時点においても、
反射領域RA1_1における電位差 … Vpx1_1−CL1= 2ボルト
透過領域TA1_1における電位差 … Vpx1_1−CL2=−8ボルト
反射領域RA2_1における電位差 … Vpx2_1−CL2=−2ボルト
透過領域TA2_1における電位差 … Vpx2_1−CL3= 8ボルト
反射領域RA3_1における電位差 … Vpx3_1−CL3= 2ボルト
透過領域TA3_1における電位差 … Vpx3_1−CL4=−8ボルト
反射領域RA4_1における電位差 … Vpx4_1−CL4=−2ボルト
透過領域TA4_1における電位差 … Vpx4_1−CL5= 8ボルト
となる。従って、偶数フレームの形成が終了した時点において、各反射領域RAの第1画素電極20Aと第1対向電極21との間の電位差の絶対値は2ボルト、各透過領域TAの第2画素電極20Bと第2対向電極22との間の電位差の絶対値は8ボルトである。従って、透過領域TAと反射領域RAの動作モードの相違が電気的に補償され、設計上最大の白表示状態より若干暗い白表示状態の画像が表示される。
次いで、奇数フレームの形成について説明する。奇数フレームの形成は期間ToAから開始する。期間ToA前の状態は前フレーム(即ち、直前の偶数フレーム)の形成が終了後の状態であり、基本的には、図21に示す偶数フレーム形成が終了した期間TeE以降の状態と同様である。
期間ToA〜期間ToDにおける動作は、基本的に上述した[期間TeA]〜[期間TeD]について説明したと同様であり、映像信号線VL1〜VL4や共通電極線CL1〜CL5に印加する電圧の波形を反転させればよいので、説明を省略する。
期間ToA〜ToDの動作により奇数フレームの形成が終了する。実施例1の図9における奇数フレームの形成と同様に、実施例3において奇数フレームの形成が終了した期間ToEの時点においても、
反射領域RA1_1における電位差 … Vpx1_1−CL1=−2ボルト
透過領域TA1_1における電位差 … Vpx1_1−CL2= 8ボルト
反射領域RA2_1における電位差 … Vpx2_1−CL2= 2ボルト
透過領域TA2_1における電位差 … Vpx2_1−CL3=−8ボルト
反射領域RA3_1における電位差 … Vpx3_1−CL3=−2ボルト
透過領域TA3_1における電位差 … Vpx3_1−CL4= 8ボルト
反射領域RA4_1における電位差 … Vpx4_1−CL4= 2ボルト
透過領域TA4_1における電位差 … Vpx4_1−CL5=−8ボルト
となる。偶数フレームとは極性が反転しているが、各反射領域RAの第1画素電極20Aと第1対向電極21との間の電位差の絶対値は2ボルト、各透過領域TAの第2画素電極20Bと第2対向電極22との間の電位差の絶対値は8ボルトである。従って、透過領域TAと反射領域RAの動作モードの相違が電気的に補償され、設計上最大の白表示状態より若干暗い白表示状態の画像が表示される。
偶数フレームと奇数フレームにおいて、第1対向電極21と第2対向電極22とに印加されている電圧の関係は、実施例1で説明したと同様である。
即ち、偶数フレームと奇数フレームにおいて、第1対向電極21と第2対向電極22とに印加されている電圧の関係は以下の通りである。即ち、例えば、偶数番目のフレームを形成するための第1番目乃至第M番目の走査信号線SLによる走査が完了したとき、或る単位表示領域UAについて、第1対向電極21に印加されている第1の電圧をV1_evenF、第2対向電極22に印加されている第2の電圧をV2_evenFと表し、奇数番目のフレームを形成するための第1番目乃至第M番目の走査信号線SLによる走査が完了したとき、該或る単位表示領域UAについて、第1対向電極21に印加されている第1の電圧をV1_oddF、第2対向電極22に印加されている第2の電圧をV2_oddFと表す。そして、V1_evenF−V2_evenF=−(V1_oddF−V2_oddF)という関係を満たされている。実施例3の液晶表示装置においても、液晶層30に印加される電界の方向がフレーム毎に変化し、長時間一方向に電界が印加されることによる液晶の劣化を防止することができる。各単位表示領域UAにおける対向電極を基準とした画素電極の電圧の極性は、上述した実施例1における図11の(A)及び(B)と同様である。
また、この場合において、V1_evenF=V2_oddF、且つ、V1_oddF=V2_evenFという関係が満たされている。この関係を満たすことにより、実施例2と同様に、第1対向電極21に印加される第1の電圧、第2対向電極22に印加される第2の電圧、及び、第1画素電極20Aあるいは第2画素電極20Bに印加される第3の電圧の変動幅を低減することができるので、液晶表示装置の低消費電力化を図ることができる。
次いで、或る1フレームを形成するための第1番目乃至第M番目の走査信号線SLによる走査が完了した時点の関係に注目すると、第m番目(但し、m=1,2,…,M)の走査信号線SLmに対応する各単位表示領域UAにおいて、実施例1と同様に、第1対向電極21には、第1の電圧V1_mが印加されており、第2対向電極22には、第2の電圧V2_mが印加されている。そして、実施例2と同様に、電圧V1_mは、mの値が奇数の場合には一定値V1_odd、mの値が偶数の場合にはV1_oddとは異なる一定値V1_evenであり、電圧V2_mは、mの値が奇数の場合には一定値V2_odd、mの値が偶数の場合にはV2_oddとは異なる一定値V2_evenという関係を満たしている。また、これに加えて、V1_odd=V2_even、且つ、V1_even=V2_oddという関係を満たしている。この関係を満たす実施例3の液晶表示装置においても、奇数番目の走査信号線SLに対応する各単位表示領域UAと、偶数番目の走査信号線SLに対応する各単位表示領域UAとで、印加される電圧の極性が反転する。これにより、表示画像のフリッカを低減することができる。奇数行目/偶数行目の各単位表示領域UAにおける、第1の電圧V1、第2の電圧V2、第3の電圧V3との関係は、上述した実施例2における図18と同様である。
上述した関係を満たす実施例3の液晶表示装置にあっては、実施例2と同様に、白表示状態で駆動する際に共通電極線CLに印加する電圧は−5ボルト〜5ボルトであり、映像信号線VLに印加する電圧は−3ボルト〜3ボルトである。従って、実施例3の液晶表示装置によれば、第1対向電極21に印加される第1の電圧、第2対向電極22に印加される第2の電圧、及び、第1画素電極20Aあるいは第2画素電極20Bに印加される第3の電圧の変動幅を低減することができ、さらに、共通電極線の本数の削減を図ることができる。
実施例4も本発明の液晶表示装置に関する。実施例3に対し、各共通電極線には同種の画素電極のみが接続されている点が、主に相違する。
図22は、実施例4の液晶表示装置4の模式的な構成図である。図23は、実施例4の液晶表示装置4の白表示状態における動作の模式的なタイミングチャートである。
図22に示すように、実施例4の液晶表示装置4は、P本(但し、P=M+1、図22に示す例では、M=4なのでP=5である)の共通電極線CLを備えている。そして、第p番目(但し、pは2以上M以下の自然数)の共通電極線CLpには、第m’番目(但し、m’=p−1)と第(m’+1)番目の走査信号線SLm',SLm'+1に対応する各単位表示領域UAの第1対向電極21あるいは第2対向電極22のうち、いずれか一方の対向電極が接続されている。図22に示す例では、共通電極線CL2には透過領域TAの第2対向電極22が接続されており、共通電極線CL3には反射領域RAの第1対向電極21が接続されており、共通電極線CL4には透過領域TAの第2対向電極22が接続されている。
そして、第1番目の走査信号線SL1に対応する各単位表示領域UAの第1対向電極21あるいは第2対向電極22のうち、第2番目の共通電極線CL2に接続されていない電極(図22に示す例では、反射領域RAの第1対向電極21)と、第1番目の共通電極線CL1とが接続されている。
また、第M番目(図22に示す例では、M=4)の走査信号線SLMに対応する各単位表示領域UAの第1対向電極21あるいは第2対向電極22のうち、第(P−1)番目(図22に示す例では、P−1=4)の共通電極線CLP-1に接続されていない電極(図22に示す例では、反射領域RAの第1対向電極21)と、第P番目(図22に示す例では、P=5)の共通電極線CLPとが接続されている。
そして、第1対向電極21には、第1対向電極21に接続された共通電極線CLを介して第1の電圧が印加されており、第2対向電極22には、第2対向電極22に接続された共通電極線CLを介して第2の電圧が印加されている。これにより、各行目の単位表示領域UAの第1対向電極21には共通の第1の電圧が印加され、各第2対向電極22には共通の第2の電圧が印加される。
図22に示すように、実施例4の液晶表示装置4においては、共通電極線CLを挟んで反射領域RA同士、あるいは、透過領域TA同士が対向するように、単位表示領域UAが配置される。
図23において、「Vpx1_1−CL1」は、単位表示領域UA1_1に対応する第1画素電極20Aと第1対向電極21との間の電位差に対応し、「Vpx1_1−CL2」は、単位表示領域UA1_1に対応する第2画素電極20Bと第2対向電極22との間の電位差に対応する。同様に、「Vpx2_1−CL2」は、単位表示領域UA2_1に対応する第2画素電極20Bと第2対向電極22との間の電位差に対応し、「Vpx2_1−CL3」は、単位表示領域UA2_1に対応する第1画素電極20Aと第1対向電極21との間の電位差に対応する。「Vpx3_1−CL3」〜「Vpx4_1−CL5」についても同様である。
即ち、「Vpx1_1−CL1」〜「Vpx4_1−CL5」に示す波形は、それぞれ、図22に示す1列目の単位表示領域列を構成する反射領域RA1_1、透過領域TA1_1、透過領域TA2_1、反射領域RA2_1、反射領域RA3_1、透過領域TA3_1、透過領域TA4_1、反射領域RA4_1における、画素電極と対向電極間の電位差の波形を表す(尚、上述した実施例1(変形例を除く)、実施例2(変形例を除く)、実施例3に対し、反射領域RAと透過領域TAとの対応が一部入れ替わることに留意されたい)。
以下、図23を参照して、実施例4の液晶表示装置4の白表示状態における動作を説明する。
上述した他の実施例と同様に、図23においても偶数フレームの形成は期間TeAから開始する。期間TeA前の状態は前フレーム(即ち、直前の奇数フレーム)の形成が終了後の状態であり、基本的には、図23に示す奇数フレーム形成が終了した期間ToE以降の状態と同様である。尚、実施例4の液晶表示装置4においては、映像信号線VLにはフレーム毎に反転する映像信号が印加される。
[期間ToY以前]
この状態では、ある一定値の電圧をV0として、共通電極駆動回路73から、共通電極線CL1,CL3,CL5には、V0+5ボルト(=5ボルト)、共通電極線CL2,CL4にはV0−5ボルト(=−5ボルト)の電圧が印加されている。Vpx1_1〜Vpx4_1の値は、直前の奇数フレーム形成時に、映像信号線VL1を介して印加された電圧が、第1保持容量24や第2保持容量25によって保持された電圧の値である。Vpx1_1,Vpx2_1、Vpx3_1,Vpx4_1の値はV0+3ボルト(=3ボルト)である。
[期間ToZ]
期間ToZにおいては、共通電極駆動回路73から共通電極線CL1にV0−5ボルト(=−5ボルト)の電圧が印加される(即ち、共通電極線CL1の電圧は5ボルトから−5ボルトとなる)。
[期間TeA]
期間TeAにおいては、映像信号駆動回路72から映像信号線VL1〜VL4にV0−3ボルト(=−3ボルト)が印加され、走査信号線SL1に走査パルスが印加される。また、共通電極駆動回路73から共通電極線CL2にV0+5ボルト(=5ボルト)の電圧が印加される(即ち、共通電極線CL2の電圧は−5ボルトから5ボルトとなる)。
期間TeAにおいては、走査信号線SL1の走査パルスにより1行目の単位表示領域UA1_1〜UA1_4の各単位表示領域UAの第1画素電極20Aと第2画素電極20Bとに−3ボルトの電圧が印加される。印加された電圧は、走査信号線SL1の走査パルス終了後も、各単位表示領域UAの第1保持容量24や第2保持容量25によって保持される。
[期間TeB]
期間TeBにおいても、映像信号駆動回路72から映像信号線VL1〜VL4にV0−3ボルト(=−3ボルト)が印加され、走査信号線SL2に走査パルスが印加される。また、共通電極駆動回路73から共通電極線CL3にV0−5ボルト(=−5ボルト)の電圧が印加される(即ち、共通電極線CL3の電圧は5ボルトから−5ボルトとなる)。
期間TeBにおいては、走査信号線SL2の走査パルスにより2行目の単位表示領域UA2_1〜UA2_4の各単位表示領域UAの第1画素電極20Aと第2画素電極20Bとに−3ボルトの電圧が印加される。印加された電圧は、走査信号線SL2の走査パルス終了後も、各単位表示領域UAの第1保持容量24や第2保持容量25によって保持される。
[期間TeC]
期間TeCにおいても、映像信号駆動回路72から映像信号線VL1〜VL4にV0−3ボルト(=−3ボルト)が印加され、走査信号線SL3に走査パルスが印加される。また、共通電極駆動回路73から共通電極線CL4にV0+5ボルト(=5ボルト)の電圧が印加される(即ち、共通電極線CL4の電圧は−5ボルトから+5ボルトとなる)。
期間TeCにおいては、走査信号線SL3の走査パルスにより3行目の単位表示領域UA3_1〜UA3_4の各単位表示領域UAの第1画素電極20Aと第2画素電極20Bとに−3ボルトの電圧が印加される。印加された電圧は、走査信号線SL3の走査パルス終了後も、各単位表示領域UAの第1保持容量24や第2保持容量25によって保持される。
[期間TeD]
期間TeDにおいても、映像信号駆動回路72から映像信号線VL1〜VL4にV0−3ボルト(=−3ボルト)が印加され、走査信号線SL4に走査パルスが印加される。また、共通電極駆動回路73から共通電極線CL5にV0−5ボルト(=−5ボルト)の電圧が印加される(即ち、共通電極線CL5の電圧は5ボルトから−5ボルトとなる)。
期間TeDにおいては、走査信号線SL4の走査パルスにより4行目の単位表示領域UA4_1〜UA4_4の各単位表示領域UAの第1画素電極20Aと第2画素電極20Bとに−3ボルトの電圧が印加される。印加された電圧は、走査信号線SL4の走査パルス終了後も、各単位表示領域UAの第1保持容量24や第2保持容量25によって保持される。
以上説明した期間TeA〜TeDの動作により偶数フレームの形成が終了する。偶数フレームの形成が終了した期間TeEの時点において、
反射領域RA1_1における電位差 … Vpx1_1−CL1= 2ボルト
透過領域TA1_1における電位差 … Vpx1_1−CL2=−8ボルト
透過領域TA2_1における電位差 … Vpx2_1−CL2=−8ボルト
反射領域RA2_1における電位差 … Vpx2_1−CL3= 2ボルト
反射領域RA3_1における電位差 … Vpx3_1−CL3= 2ボルト
透過領域TA3_1における電位差 … Vpx3_1−CL4=−8ボルト
透過領域TA4_1における電位差 … Vpx4_1−CL4=−8ボルト
反射領域RA4_1における電位差 … Vpx4_1−CL5= 2ボルト
となる。偶数フレームの形成が終了した時点において、各反射領域RAの第1画素電極20Aと第1対向電極21との間の電位差の絶対値は2ボルト、各透過領域TAの第2画素電極20Bと第2対向電極22との間の電位差の絶対値は8ボルトである。従って、透過領域TAと反射領域RAの動作モードの相違が電気的に補償され、設計上最大の白表示状態より若干暗い白表示状態の画像が表示される。
次いで、奇数フレームの形成について説明する。奇数フレームの形成は期間ToAから開始する。期間ToA前の状態は前フレーム(即ち、直前の偶数フレーム)の形成が終了後の状態であり、基本的には、図23に示す偶数フレーム形成が終了した期間TeE以降の状態と同様である。
期間ToA〜期間ToDにおける動作は、基本的に上述した[期間TeA]〜[期間TeD]について説明したと同様であり、映像信号線VL1〜VL4や共通電極線CL1〜CL5に印加する電圧の波形を反転させればよいので、説明を省略する。
期間ToA〜ToDの動作により奇数フレームの形成が終了する。奇数フレームの形成が終了した期間ToEの時点において、
反射領域RA1_1における電位差 … Vpx1_1−CL1=−2ボルト
透過領域TA1_1における電位差 … Vpx1_1−CL2= 8ボルト
透過領域TA2_1における電位差 … Vpx2_1−CL2= 8ボルト
反射領域RA2_1における電位差 … Vpx2_1−CL3=−2ボルト
反射領域RA3_1における電位差 … Vpx3_1−CL3=−2ボルト
透過領域TA3_1における電位差 … Vpx3_1−CL4= 8ボルト
透過領域TA4_1における電位差 … Vpx4_1−CL4= 8ボルト
反射領域RA4_1における電位差 … Vpx4_1−CL5=−2ボルト
となる。偶数フレームとは極性が反転しているが、各反射領域RAの第1画素電極20Aと第1対向電極21との間の電位差の絶対値は2ボルト、各透過領域TAの第2画素電極20Bと第2対向電極22との間の電位差の絶対値は8ボルトである。従って、透過領域TAと反射領域RAの動作モードの相違が電気的に補償され、設計上最大の白表示状態より若干暗い白表示状態の画像が表示される。
偶数フレームと奇数フレームにおいて、第1対向電極21と第2対向電極22とに印加されている電圧の関係は、実施例1で説明したと同様である。
即ち、偶数フレームと奇数フレームにおいて、第1対向電極21と第2対向電極22とに印加されている電圧の関係は以下の通りである。即ち、例えば、偶数番目のフレームを形成するための第1番目乃至第M番目の走査信号線SLによる走査が完了したとき、或る単位表示領域UAについて、第1対向電極21に印加されている第1の電圧をV1_evenF、第2対向電極22に印加されている第2の電圧をV2_evenFと表し、奇数番目のフレームを形成するための第1番目乃至第M番目の走査信号線SLによる走査が完了したとき、該或る単位表示領域UAについて、第1対向電極21に印加されている第1の電圧をV1_oddF、第2対向電極22に印加されている第2の電圧をV2_oddFと表す。そして、V1_evenF−V2_evenF=−(V1_oddF−V2_oddF)という関係を満たされている。実施例4の液晶表示装置においても、液晶層30に印加される電界の方向がフレーム毎に変化し、長時間一方向に電界が印加されることによる液晶の劣化を防止することができる。図24の(A)に、偶数フレームにおいて、各単位表示領域UAにおける対向電極を基準とした画素電極の電圧の極性を示す。図24の(B)に、奇数フレームにおいて、各単位表示領域UAにおける対向電極を基準とした画素電極の電圧の極性を示す。
また、この場合において、V1_evenF=V2_oddF、且つ、V1_oddF=V2_evenFという関係が満たされている。この関係を満たすことにより、後述するように、第1対向電極21に印加される第1の電圧、第2対向電極22に印加される第2の電圧、及び、第1画素電極20Aあるいは第2画素電極20Bに印加される第3の電圧の変動幅を低減することができるので、液晶表示装置の低消費電力化を図ることができる。
次いで、或る1フレームを形成するための第1番目乃至第M番目の走査信号線SLによる走査が完了した時点の関係に注目すると、第m番目(但し、m=1,2,…,M)の走査信号線SLmに対応する各単位表示領域UAにおいて、
第1対向電極21には、第1の電圧V1_mが印加されており、
第2対向電極22には、第2の電圧V2_mが印加されており、更に、
電圧V2_mは、一定値V2_constであり、
電圧V1_mは、V2_constとは異なる、一定値V1_const、
である関係をみたしている。この構成においては、フレーム毎に各単位表示領域UAに印加される電圧の極性が反転し、フリッカを低減することができる。
上述した関係を満たす実施例4の液晶表示装置にあっては、実施例2あるいは実施例3と同様に、白表示状態で駆動する際に共通電極線CLに印加する電圧は−5ボルト〜5ボルトであり、映像信号線VLに印加する電圧は−3ボルト〜3ボルトである。
従って、実施例4の液晶表示装置によれば、第1対向電極21に印加される第1の電圧、第2対向電極22に印加される第2の電圧、及び、第1画素電極20Aあるいは第2画素電極20Bに印加される第3の電圧の変動幅を低減することができ、さらに、共通電極線の本数の削減を図ることができる。また、反射領域RA同士が対向する領域にあっては、実施例1の変形例で説明したと同様に、反射領域RAに設けられる反射板等を複数の単位表示領域UAに亙るように連続して形成することができる。透過領域に形成される種々の構成要素についても同様である。上述した構成によれば、反射板等の分割工程等が不要となり、液晶表示装置の構造上の余裕度をより大きなものとすることができる。
実施例5も本発明の液晶表示装置に関する。実施例3に対し、各共通電極線CLがジグザグ状に接続されている点が、主に相違する。
図25は、実施例5の液晶表示装置5の模式的な構成図である。図26及び図27は、実施例5の液晶表示装置5の白表示状態における動作の模式的なタイミングチャートである。
図25に示すように、実施例5の液晶表示装置5は、P本(但し、P=M+2、図25に示す例では、M=4なのでP=6である)の共通電極線CLを備えている。そして、第m’番目(但し、m’はM以下の自然数)の走査信号線SLm'に対応する各単位表示領域UAにおいて、奇数番目の映像信号線VLに対応する単位表示領域UAにおける第1対向電極21あるいは第2対向電極22のいずれか一方の電極と、偶数番目の映像信号線VLに対応する単位表示領域UAの第1対向電極21あるいは第2対向電極22の他方の電極とが、第p番目(但し、p=m’+1)の共通電極線CLpに接続されている。
そして、第(p−1)番目の共通電極線CLp-1あるいは第(p+1)番目の共通電極線CLp+1のいずれか一方の共通電極線CLと、奇数番目の映像信号線VLに対応する単位表示領域UAにおける第1対向電極21あるいは第2対向電極22のうち、第p番目の共通電極線CLpに接続されていない電極とが接続されている。
更に、第(p−1)番目の共通電極線CLp-1あるいは第(p+1)番目の共通電極線CLp+1の他方の共通電極線CLと、偶数番目の映像信号線VLに対応する単位表示領域UAにおける第1対向電極21あるいは第2対向電極22のうち、第p番目の共通電極線CLpに接続されていない電極とが接続されている。
そして、第1対向電極21には、第1対向電極21に接続された共通電極線CLを介して第1の電圧が印加されており、第2対向電極22には、第2対向電極22に接続された共通電極線CLを介して第2の電圧が印加されている。これにより、各行目の単位表示領域UAの第1対向電極21には共通の第1の電圧が印加され、各第2対向電極22には共通の第2の電圧が印加される。
実施例5の液晶表示装置5は、図25に示す1列目及び3列目の単位表示領域列UA1_1〜UA4_1,UA1_3〜UA4_3から成る第1のグループと、2列目及び4列目の単位表示領域列UA1_2〜UA4_2,UA1_4〜UA4_4から成る第2のグループとが、それぞれ異なるタイミングで、実施例3で説明したと同様の動作を行うとして説明できるので、詳細な説明は省略する。尚、実施例5の液晶表示装置5にあっては、奇数番目の映像信号線VLに印加される映像信号と、偶数番目の映像信号線VLとに印加される映像信号とが、反転した関係にある必要がある。この点は、実施例3とは相違する。図26は第1のグループについてのタイミングチャートであり、図27は第2のグループについてのタイミングチャートである。
図26において、「Vpx1_1−CL1」は、単位表示領域UA1_1に対応する第1画素電極20Aと第1対向電極21との間の電位差に対応し、「Vpx1_1−CL2」は、単位表示領域UA1_1に対応する第2画素電極20Bと第2対向電極22との間の電位差に対応する。「Vpx2_1−CL2」〜「Vpx4_1−CL5」についても同様である。
即ち、「Vpx1_1−CL1」〜「Vpx4_1−CL5」に示す波形は、実施例3と同様に、それぞれ、図25に示す1列目の単位表示領域列を構成する反射領域RA1_1、透過領域TA1_1、反射領域RA2_1、透過領域TA2_1、反射領域RA3_1、透過領域TA3_1、反射領域RA4_1、透過領域TA4_1における、画素電極と対向電極間の電位差の波形を表す。
一方、図27において、「Vpx1_2−CL2」は、単位表示領域UA1_2に対応する第1画素電極20Aと第1対向電極21との間の電位差に対応し、「Vpx1_2−CL3」は、単位表示領域UA1_2に対応する第2画素電極20Bと第2対向電極22との間の電位差に対応する。「Vpx2_2−CL3」〜「Vpx4_2−CL6」についても同様である。
即ち、「Vpx1_2−CL2」〜「Vpx4_2−CL6」に示す波形は、実施例3と同様に、それぞれ、図25に示す2列目の単位表示領域列を構成する反射領域RA1_2、透過領域TA1_2、反射領域RA2_2、透過領域TA2_2、反射領域RA3_2、透過領域TA3_2、反射領域RA4_2、透過領域TA4_2における、画素電極と対向電極間の電位差の波形を表す。
図26及び図27に示す動作は、基本的には実施例3で説明したと同様の動作であるので説明は省略する。実施例5においても、図26及び図27に示す期間TeA〜TeDの動作により偶数フレームの形成が終了する。
偶数フレームの形成が終了した期間TeEの時点において、図26に示すように、
反射領域RA1_1における電位差 … Vpx1_1−CL1= 2ボルト
透過領域TA1_1における電位差 … Vpx1_1−CL2=−8ボルト
反射領域RA2_1における電位差 … Vpx2_1−CL2=−2ボルト
透過領域TA2_1における電位差 … Vpx2_1−CL3= 8ボルト
反射領域RA3_1における電位差 … Vpx3_1−CL3= 2ボルト
透過領域TA3_1における電位差 … Vpx3_1−CL4=−8ボルト
反射領域RA4_1における電位差 … Vpx4_1−CL4=−2ボルト
透過領域TA4_1における電位差 … Vpx4_1−CL5= 8ボルト
となる。また、図27に示すように、
反射領域RA1_2における電位差 … Vpx1_2−CL2=−2ボルト
透過領域TA1_2における電位差 … Vpx1_2−CL3= 8ボルト
反射領域RA2_2における電位差 … Vpx2_2−CL3= 2ボルト
透過領域TA2_2における電位差 … Vpx2_2−CL4=−8ボルト
反射領域RA3_2における電位差 … Vpx3_3−CL4=−2ボルト
透過領域TA3_2における電位差 … Vpx3_3−CL5= 8ボルト
反射領域RA4_2における電位差 … Vpx4_4−CL5= 2ボルト
透過領域TA4_2における電位差 … Vpx4_4−CL6=−8ボルト
となる。偶数フレームの形成が終了した時点において、各反射領域RAの第1画素電極20Aと第1対向電極21との間の電位差の絶対値は2ボルト、各透過領域TAの第2画素電極20Bと第2対向電極22との間の電位差の絶対値は8ボルトである。従って、透過領域TAと反射領域RAの動作モードの相違が電気的に補償され、設計上最大の白表示状態より若干暗い白表示状態の画像が表示される。
また、期間ToA〜ToDの動作により奇数フレームの形成が終了する。奇数フレームの形成が終了した期間ToEの時点において、図26に示すように、
反射領域RA1_1における電位差 … Vpx1_1−CL1=−2ボルト
透過領域TA1_1における電位差 … Vpx1_1−CL2= 8ボルト
反射領域RA2_1における電位差 … Vpx2_1−CL2= 2ボルト
透過領域TA2_1における電位差 … Vpx2_1−CL3=−8ボルト
反射領域RA3_1における電位差 … Vpx3_1−CL3=−2ボルト
透過領域TA3_1における電位差 … Vpx3_1−CL4= 8ボルト
反射領域RA4_1における電位差 … Vpx4_1−CL4= 2ボルト
透過領域TA4_1における電位差 … Vpx4_1−CL5=−8ボルト
となる。また、図27に示すように、
反射領域RA1_2における電位差 … Vpx1_2−CL2= 2ボルト
透過領域TA1_2における電位差 … Vpx1_2−CL3=−8ボルト
反射領域RA2_2における電位差 … Vpx2_2−CL3=−2ボルト
透過領域TA2_2における電位差 … Vpx2_2−CL4= 8ボルト
反射領域RA3_2における電位差 … Vpx3_3−CL4= 2ボルト
透過領域TA3_2における電位差 … Vpx3_3−CL5=−8ボルト
反射領域RA4_2における電位差 … Vpx4_4−CL5=−2ボルト
透過領域TA4_2における電位差 … Vpx4_4−CL6= 8ボルト
となる。偶数フレームとは極性が反転しているが、各反射領域RAの第1画素電極20Aと第1対向電極21との間の電位差の絶対値は2ボルト、各透過領域TAの第2画素電極20Bと第2対向電極22との間の電位差の絶対値は8ボルトである。従って、透過領域TAと反射領域RAの動作モードの相違が電気的に補償され、設計上最大の白表示状態より若干暗い白表示状態の画像が表示される。図28の(A)に、偶数フレームにおいて、各単位表示領域UAにおける対向電極を基準とした画素電極の電圧の極性を示す。図28の(B)に、奇数フレームにおいて、各単位表示領域UAにおける対向電極を基準とした画素電極の電圧の極性を示す。
偶数フレームと奇数フレームにおいて、第1対向電極21と第2対向電極22とに印加されている電圧の関係は、実施例1で説明したと同様である。
即ち、偶数フレームと奇数フレームにおいて、第1対向電極21と第2対向電極22とに印加されている電圧の関係は以下の通りである。即ち、例えば、偶数番目のフレームを形成するための第1番目乃至第M番目の走査信号線SLによる走査が完了したとき、或る単位表示領域UAについて、第1対向電極21に印加されている第1の電圧をV1_evenF、第2対向電極22に印加されている第2の電圧をV2_evenFと表し、奇数番目のフレームを形成するための第1番目乃至第M番目の走査信号線SLによる走査が完了したとき、該或る単位表示領域UAについて、第1対向電極21に印加されている第1の電圧をV1_oddF、第2対向電極22に印加されている第2の電圧をV2_oddFと表す。そして、V1_evenF−V2_evenF=−(V1_oddF−V2_oddF)という関係を満たされている。実施例5の液晶表示装置5においても、液晶層30に印加される電界の方向がフレーム毎に変化し、長時間一方向に電界が印加されることによる液晶の劣化を防止することができる。これに加えて、実施例5の液晶表示装置においては、図28の(A)及び(B)に示すように、市松状に極性が反転する。これにより、フリッカが軽減し、表示画像を好適なものとすることができる。
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例にて説明した液晶表示装置の構成、構造は例示であり、適宜変更することができる。例えば、実施例3乃至実施例5において、実施例1のように片側の共通電極線を常に一定電圧とする構成とすることもできる。
また、上記の各実施例を、IPS方式の横電界駆動型の液晶表示装置として説明したが、他の横電界駆動型の液晶表示装置、例えば、参考文献:S.H.Lee,S.L.Lee and H.Y.Kim,Appl.Phys.Lett.73,2881(1998).等に記載された、FringeFieldSwitching方式とすることもできる。
図1は、実施例の液晶表示装置について、或る単位表示領域付近における各種構成要素の配置を説明するための模式的な平面図である。
図2の(A)は、液晶表示装置を図1においてA−Aで示す線で切断したときの模式的な端面図である。図2の(B)は、液晶表示装置を図1においてB−Bで示す線で切断したときの端面図である。図2の(C)は、液晶表示装置を図1においてC−Cで示す線で切断したときの端面図である。
図3の(A)は、液晶表示装置における単位表示領域の構成を模式的に示した図である。図3の(B)は、図3の(A)に示す構造のように簡略化して示した図である。
図4の(A)及び(B)は、或る単位表示領域においてV1>V2であるときの、各電極の電位関係を模式的に示した図である。
図5の(A)は、反射領域及び透過領域の光の透過率と、画素電極と対向電極との間の電位差の絶対値との関係を、模式的に示したものである。図5の(B)は、図5の(A)に示す関係を、単位表示領域における表示階調の観点から表した模式図である。
図6は、V2_evenF=V2_oddFである場合の動作例である。
図7は、V1_evenF=V2_oddF、且つ、V1_oddF=V2_evenFとした場合の動作例である。
図8は、実施例1の液晶表示装置の模式的な構成図である。
図9は、実施例1の液晶表示装置の白表示状態における動作の模式的なタイミングチャートである。
図10は、実施例1の液晶表示装置の黒表示状態における動作の模式的なタイミングチャートである。
図11の(A)は、偶数フレームにおいて、各単位表示領域における対向電極を基準とした画素電極の電圧の極性を示す。図11の(B)は、奇数フレームにおいて、各単位表示領域における対向電極を基準とした画素電極の電圧の極性を示す。
図12は、奇数行目/偶数行目の各単位表示領域における、第1の電圧V1、第2の電圧V2、第3の電圧V3との関係を模式的に示した図である。
図13は、実施例1の液晶表示装置の変形例を示す模式的な構成図である。
図14は、変形例において上述した図9に示す動作に対応する動作を行うときの模式的なタイミングチャートを示す。
図15は、変形例において上述した図10に示す動作に対応する動作を行うときの模式的なタイミングチャートを示す。
図16の(A)は、変形例について、偶数フレームにおいて、各単位表示領域における対向電極を基準とした画素電極の電圧の極性を示す。図16の(B)は、奇数フレームにおいて、各単位表示領域における対向電極を基準とした画素電極の電圧の極性を示す。
図17は、実施例2の液晶表示装置の白表示状態における動作の模式的なタイミングチャートである。
図18は、奇数行目/偶数行目の各単位表示領域UAにおける、第1の電圧V1、第2の電圧V2、第3の電圧V3との関係を模式的に示した図である。
図19は、変形例において上述した図17に示す動作に対応する動作を行うときの模式的なタイミングチャートを示す。
図20は、実施例3の液晶表示装置の模式的な構成図である。
図21は、実施例3の液晶表示装置の白表示状態における動作の模式的なタイミングチャートである。
図22は、実施例4の液晶表示装置の模式的な構成図である。
図23は、実施例4の液晶表示装置の白表示状態における動作の模式的なタイミングチャートである。
図24の(A)は、偶数フレームにおいて、各単位表示領域における対向電極を基準とした画素電極の電圧の極性を示す。図24の(B)は、奇数フレームにおいて、各単位表示領域における対向電極を基準とした画素電極の電圧の極性を示す。
図25は、実施例5の液晶表示装置の模式的な構成図である。
図26は、実施例5の液晶表示装置の白表示状態における動作の模式的なタイミングチャートである。
図27は、実施例5の液晶表示装置の白表示状態における動作の模式的なタイミングチャートである。
図28の(A)は、偶数フレームにおいて、各単位表示領域における対向電極を基準とした画素電極の電圧の極性を示す。図28の(B)は、奇数フレームにおいて、各単位表示領域UAにおける対向電極を基準とした画素電極の電圧の極性を示す。
図29の(A)〜(D)は、半透過型液晶表示装置の反射領域と透過領域の両方を横電界駆動型とした場合の模式図である。図29の(A)は各構成部材の配置を、図29の(B)は上部基板側から見たときの上部偏光板の偏光軸、液晶層を構成する液晶分子の分子軸、下部偏光板の偏光軸の配置を、図29の(C)及び(D)は半透過型液晶表示装置の動作をそれぞれ示す。
符号の説明
1,2,3,4,5・・・液晶表示装置、10・・・下部基板、11(SL)・・・走査信号線、12(CL)・・・共通電極線、13A・・・第1絶縁膜、13B・・・第2絶縁膜、14・・・トランジスタ、15(VL)・・・映像信号線、15A・・・舌部、15B・・・導通部、16,16A,16B・・・第1層間絶縁層、17・・・反射板、18・・・第2層間絶縁層、20・・・画素電極、20A・・・第1画素電極(反射領域用画素電極)、20B・・・第2画素電極(透過領域用画素電極)、21・・・第1対向電極、22・・・第2対向電極、23・・・下部配向膜、24・・・保持容量、25・・・保持容量、30・・・液晶層、31・・・液晶分子、40・・・上部基板、41・・・ブラックマトリックス、42・・・カラーフィルター、43・・・上部配向膜、50・・・下部偏光板、51・・・上部偏光板、60・・・バックライト、70・・・制御回路、71・・・走査信号駆動回路、72・・・映像信号駆動回路、73・・・共通電極駆動回路、UA・・・単位表示領域、RA・・・反射領域、TA・・・透過領域