JP4945527B2 - 蒸気タービン用ノズルボックスおよび蒸気タービン - Google Patents

蒸気タービン用ノズルボックスおよび蒸気タービン Download PDF

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Description

本発明は、蒸気タービンに設置される蒸気タービン用ノズルボックスおよびこの蒸気タービン用ノズルボックスを備えた蒸気タービンに関する。
火力発電所などで用いられる蒸気タービンのような軸流回転機械は、作動流体が通過する流路が静止しているノズルと、回転する動翼とを複数段組み合わせて構成された翼列を備えている。蒸気タービンの場合、作動流体である蒸気の条件から、一般に、高圧部、中圧部、低圧部に分類されている。それぞれの翼列部において、作動流体による仕事の効率を向上させるため、翼列間の流路は、作動流体が円滑に流れるような形状に設計される必要がある。
従来、エネルギ資源の有効利用やCO排出量の削減のため、発電機器においては、機器の効率を向上させることが重要な課題となっている。蒸気タービンの効率を向上させるためには、例えば、与えられたエネルギを有効に機械仕事に変換することが挙げられる。その対策の1つとして、様々な内部損失を低減することが挙げられる。
蒸気タービンにおける内部損失には、翼の形状に起因するプロファイル損失、二次流れに起因する二次損失、翼列外への作動流体の漏洩に起因する漏洩損失、最終翼群に特有のドレンに起因する湿り損失などの蒸気タービン翼列内の損失がある。さらに、蒸気弁、蒸気をある翼列まで導く通路部、ある翼列を出て次の翼列までの通路部における損失、低圧最終段における排気損失などがある。
翼列と翼列をつなぐ通路部の圧力損失を低減するため、翼列にできるだけ均一に蒸気を導く技術が開示されている。例えば、翼列にできるだけ均一に蒸気を導くため、蒸気の流れを制御するガイドを備える蒸気タービンが開示されている(例えば、特許文献1−3参照。)。
ここで、従来のノズルボックスの構成について説明する。図8は、従来のノズルボックス300のタービンロータに垂直な断面を第1段ノズル303側から見たときの図である。図9は、図8のA−A断面を示す図である。なお、中心にはタービンロータが貫設されているが、ここではタービンロータの図示を省略して示している。
図8に示すように、ノズルボックス300は上下2つの空間に分離され、それぞれの空間にボイラ(図示しない)からの蒸気301が2つの蒸気入口管302によって導入される。図9に示すように、ノズルボックス300に導入された蒸気301は、ノズルボックス300の構造保持のために設けられた補強リブ304の間を通り、第1段ノズル303に導かれる。第1段ノズル303の下流で通路部は全周連結され、第1段ノズル303を通過した蒸気301は、第1段動翼(図示しない)へ導かれる。
図10は、蒸気入口管302からノズルボックス300の空間に導入された蒸気301が補強リブ304間に流入する際の蒸気301の流れを模式的に示した図である。図10に示すように、すべての補強リブ304は同形状で構成され、一定の方向を向いて、周方向に等間隔に設置されている。また、補強リブ304は、中心線305が直線となる形状で構成され、この中心線305がタービンロータ軸に平行になるように設置されている。ここで、図10に示したαは、補強リブ304間への蒸気301の流入角である。この流入角αは、補強リブ304間の蒸気流入部において、補強リブ304の最上流側の端部(以下、前縁304aという)における中心線305の延長線に平行な方向と、蒸気301の流れ方向、すなわち流線方向とがなす角度である。
図10に示すように、この流入角αが大きいほど、補強リブ304の間に流入した蒸気301の流れの一部に渦306が発生し易く、圧力損失が生じ易い。また、このように補強リブ304の間に流入した蒸気301は、乱れた状態で補強リブ304の下流側に設置されている第1段ノズル303へ流入する。
ここで、図11は、補強リブ304の周方向の位置を示す周方向角度における流入角αを示した図である。なお、図8には、この周方向角度に対応する位置を示している。図11に示された流入角αは、CFD(Computational Fluid Dynamics)を用いて、定常状態における3次元熱流体解析によって得られたものである。図11の縦軸に示された流入角αにおいて、例えば、流入角αが0度の場合には、蒸気301の流れ方向は、補強リブ304の前縁304aにおける中心線305の延長方向と平行となる。この場合、蒸気301は、補強リブ304の間を補強リブ304の中心線305に平行に流れ、第1段ノズル303へ導かれる。
図11に示すように、流入角αは、周方向角度において大きく変動している。さらに、大きな流入角αを有する場合には、上記したように渦306が発生し、圧力損失が生じ、蒸気タービンの効率が低下する。
図12は、2つの蒸気入口管302によってノズルボックス300に蒸気301を導入する構成を備える従来のノズルボックス300のタービンロータに垂直な断面を第1段ノズル303側から見たときの図である。図13は、図12に示されたノズルボックス300の形状における、補強リブ304の周方向の位置を示す周方向角度における流入角αを示した図である。なお、補強リブ304の形状等は、図9に示したものと同じである。また、図11に示された流入角αと同様に、図13に示された流入角αは、CFD(Computational Fluid Dynamics)を用いて、定常状態における3次元熱流体解析によって得られたものである。
図13に示すように、このノズルボックス300においても、流入角αは、周方向角度において大きく変動している。さらに、大きな流入角αを有する位置では、上記したように渦306が発生し、圧力損失が生じ、蒸気タービンの効率が低下する。
特開平8−260903号公報 特開平8−49501号公報 特開2003−193809号公報
上記のように、従来のノズルボックス300においては、補強リブ304の間に、大きな流入角αを有して蒸気301が流入する領域が存在していた。これによって、圧力損失が生じ、蒸気タービンの効率が減少するといった問題があった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、補強リブ間を蒸気が流れる際の圧力損失を低減させて蒸気を第1段ノズルへ導くことができる蒸気タービン用ノズルボックスおよびこの蒸気タービン用ノズルボックスを備えた蒸気タービンを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様によれば、蒸気入口管から導入され、周方向に広がる蒸気流路に流入した蒸気を補強リブ間を通して第1段ノズルへ導くように構成された蒸気タービン用ノズルボックスであって、前記第1段ノズルの上流側に設置された補強リブのうち、少なくとも1つの補強リブが、前縁側を蒸気の流れ方向に傾けて構成されていることを特徴とする蒸気タービン用ノズルボックスが提供される。

また、本発明の一態様によれば、蒸気入口管から導入され、周方向に広がる蒸気流路に流入した蒸気を補強リブ間を通して第1段ノズルへ導くように構成されたノズルボックスを備えた蒸気タービンであって、前記ノズルボックスが、上記した蒸気タービン用ノズルボックスであることを特徴とする蒸気タービンが提供される。
本発明の蒸気タービン用ノズルボックスおよびこの蒸気タービン用ノズルボックスを備えた蒸気タービンによれば、補強リブ間を蒸気が流れる際の圧力損失を低減させて蒸気を第1段ノズルへ導くことができる。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係るノズルボックス10を備えた蒸気タービン200の上半ケーシング部における断面を示した図である。
図1に示すように、蒸気タービン200は、例えば、内部ケーシング210とその外側に設けられた外部ケーシング211とから構成される二重構造のケーシングを備えている。また、内部ケーシング210内にタービンロータ212が貫設されている。また、内部ケーシング210の内側面には、ノズル213が配設され、タービンロータ212には、動翼214が植設されている。さらに、蒸気タービン200には、蒸気入口管220が、外部ケーシング211および内部ケーシング210を貫通して設けられ、さらに蒸気入口管220の端部が、動翼214側に向けて蒸気を導出するノズルボックス10に連通して接続されている。このノズルボックス10は、蒸気入口管220から導入された蒸気が周方向に広がる蒸気流路20を備えている。また、ノズルボックス10は、蒸気流路20に導入された蒸気を第1段ノズル213aへ導く補強リブ30、35を備えている。
蒸気入口管220を経て、ノズルボックス10内に流入した蒸気は、蒸気流路20内に広がり、補強リブ30、35間を通り第1段ノズル213aへ導かれ、第1段動翼214aに向けて噴出される。噴出された蒸気は、各段落のノズル213と動翼214との間の蒸気通路を通り、タービンロータ212を回転させる。また、膨張仕事をした蒸気の大部分は、排気され、例えば、低温再熱管(図示しない)を通りボイラ(図示しない)に流入する。また、膨張仕事をした蒸気の一部は、冷却用蒸気として内部ケーシング210と外部ケーシング211との間に導かれ、グランド部または膨張仕事をした蒸気の大部分が排気される排気経路から排気される。
なお、蒸気タービン200の構成は、上記した構成に限定されるものではなく、蒸気入口管220を経てノズルボックス10内に蒸気が流入される構成を備える蒸気タービンであればよい。
次に、本発明に係るノズルボックス10について説明する。
(第1の実施の形態のノズルボックス)
図2は、本発明に係る第1の実施の形態のノズルボックス10内における補強リブ30、35および第1段ノズル213aの設置構成を模式的に示した図である。なお、図2は、補強リブ30、35および第1段ノズル213aの周方向断面(円周方向断面)を平面上に展開した周方向断面展開模式図として表しており、図2の上下方向が周方向(円周方向)であり、左右方向がタービンロータ軸方向となっている。
図2に示すように、ノズルボックス10の蒸気流路20に対応して、補強リブ30、35および第1段ノズル213aが円周方向に所定の間隔をおいて配置されている。また、補強リブ30、35は、第1段ノズル213aの上流側、すなわち第1段ノズル213aよりも蒸気流路20側に、第1段ノズル213aと所定の間隔をおいて配置されている。
また、蒸気入口管220から導入されて蒸気流路20内に広がった蒸気は、図2に示すように、蒸気流路20の周方向角度によって、補強リブ30、35間に形成される通路に対して流入する角度が異なる。例えば、蒸気Saのように、タービンロータ軸に平行に流入する流れもあれば、蒸気Sbのように、タービンロータ軸方向に対して所定の角度ずれた方向に向かう流れもある。
そこで、本発明に係る第1の実施の形態のノズルボックス10内における補強リブ30、35では、この様な補強リブ間の蒸気流入部における蒸気の流れの方向を、CFD(Computational Fluid Dynamics)を用いて、定常状態における3次元熱流体解析を行い、得られた結果に基づいて、補強リブ30、35を設置する角度を設定している。例えば、蒸気Saの流れ方向の場合には、中心線31が直線となる補強リブ30を、周方向断面の中心線31とタービンロータ軸とが平行になるように設置する。
一方、例えば、蒸気Sbの流れ方向の場合には、補強リブ35の最上流側の端部(以下、前縁35aという)における周方向断面の中心線36の延長方向が、蒸気Sbの流れ方向に平行となるように、補強リブ35の前縁35a側を傾けて構成されている。この場合、補強リブ35の周方向断面の中心線36は曲線となる。なお、補強リブ35の前縁35a側の傾きを決める蒸気Sbの流れ方向は、例えば、補強リブ間の蒸気流入部、すなわち補強リブ35の前縁35a間によって形成される部分を流れる各蒸気流の流線方向を平均して設定することができる。また、この際、図2に示すように、蒸気Sbの流れ方向に平行となるように構成された補強リブ35の前縁35aにおける周方向断面の中心線36の延長線に平行な方向と、補強リブ間の蒸気流入部を流れる各蒸気流の流線方向とがなす角βは、前縁30aの形状によっても異なるが、±5度以下となることが好ましい。換言すると、このなす角βは、上記したように前縁35a側の傾きが決められた補強リブ35における周方向断面の中心線36の延長線に平行な方向と、この補強リブ間を流れる各蒸気流の流線方向とのずれ角の範囲を示すものである。なす角βをこの範囲とすることが好ましいのは、なす角βが5度を超える場合には、損失が増大する傾向があるからである。
また、補強リブ30、35の最下流側の端部(以下、後縁30b、35bという)は、この補強リブ30、35の後縁30b、35bにおける周方向断面の中心線31、36の延長方向と、第1段ノズル213aの前縁230における周方向断面の中心線231の延長方向とが平行になるように構成されることが好ましい。また、補強リブ30、35の後縁30b、35bは、第1段ノズル213a間の上流側に所定の間隔をおいて位置するように構成されている。
次に、蒸気流路20内に流入した蒸気の流れについて説明する。
蒸気流路20に広がった蒸気の一部(蒸気Sa)は、タービンロータ軸に平行に流入するため、補強リブ30間を周方向断面において補強リブ30の中心線31に平行に流れ、第1段ノズル213aへ流入する。
一方、蒸気流路20に広がった蒸気のうち、タービンロータ軸方向に対して所定の角度ずれた方向に流れる蒸気Sbは、周方向断面において上記したようにその流れる方向に対応して前縁35a側を傾け構成された補強リブ35間を流れ、第1段ノズル213aへ流入する。
ここで、前述した図8および図9に示した、上下2つの空間に分離され、それぞれの空間にボイラ(図示しない)からの蒸気を導入する2つの蒸気入口管が備えられた構成を有するノズルボックスと同様の構成のノズルボックスに、上記した本発明に係る第1の形態の補強リブ30、35および第1段ノズル213aを設置した構成において、補強リブの周方向の位置を示す周方向角度における流入角αを解析した。図3は、補強リブ30、35の周方向の位置を示す周方向角度における流入角αを示した図である。なお、この流入角αは、補強リブ30、35間の蒸気流入部において、補強リブ30、35の前縁30a、35aにおける周方向断面の中心線31、36の延長線に平行な方向と、周方向断面における蒸気の流れ方向、すなわち周方向断面の流線方向とがなす角度である。また、図3には、比較のため、前述した従来のノズルボックスを使用した場合における、補強リブの周方向の位置を示す周方向角度における流入角α(図11参照)も示している。また、図3に示された流入角αは、図11に示した解析と同様に、CFD(Computational Fluid Dynamics)を用いて、定常状態における3次元熱流体解析によって得られたものである。
図3に示すように、従来の構成のノズルボックスにおける流入角αに比べて、本発明に係るノズルボックスにおける流入角αは、周方向角度に対して変動が小さいことがわかった。これによって、補強リブ35の前縁35aにおける渦などの乱れの発生が抑制され、圧力損失を抑制できる。
上記したように、第1の実施の形態のノズルボックス10によれば、補強リブ間に流入する蒸気の流れ方向に対応させて、補強リブ35の前縁35a側を傾けて構成することで、前縁35aにおける流れの剥離や渦の発生を抑制することができる。これによって、蒸気を第1段ノズル213aへ円滑に導くことができ、補強リブ間における圧力損失を抑制し、蒸気タービンの効率の向上を図ることができる。
なお、第1の実施の形態のノズルボックス10の構成は、上記した構成に限られるものではない。図4は、本発明に係る第1の実施の形態のノズルボックス10内における補強リブ30、35の他の設置構成を模式的に示した図である。図5は、本発明に係る第1の形態のノズルボックス10内における補強リブ30、35および第1段ノズル213aの他の構成を模式的に示した図である。図6は、本発明に係る第1の形態のノズルボックス10内における補強リブ30、35のさらに他の設置構成を模式的に示した図である。なお、図4〜図6も図2と同様、ノズルボックス10内における補強リブ30、35および第1段ノズル213aの周方向断面を平面上に展開した周方向断面展開模式図を示している。
図2に示した補強リブ30、35は、補強リブ30、35の後縁30b、35bが、第1段ノズル213a間の上流側に所定の間隔をおいて位置するように設置されているがこの構成に限られるものではない。例えば、図4に示すように、第1段ノズル213aと同数の補強リブ30、35を、補強リブ30、35の後縁30b、35bが、第1段ノズル213aの前縁230に対向する位置となるように設置してもよい。
このように補強リブ30、35を設置することで、補強リブ30、35の後縁30b、35bと、第1段ノズル213aの前縁230とが対向するため、補強リブ30、35の後縁30b、35bの直下流に生じる乱れが抑制され、圧力損失を低減することができる。また、乱れが抑制された状態で蒸気を第1段ノズル213aに導くことができるため、第1段ノズル213aにおいても圧力損失を低減することができる。
また、図5に示すように、第1段ノズル213aと同数の補強リブ30、35を、補強リブ30、35の後縁30b、35bが、第1段ノズル213aの前縁230に対向する位置で、かつ補強リブ30、35の後縁30b、35bと第1段ノズル213aの前縁230との間隔を可能な限り最小となるように設置してもよい。また、補強リブ30、35の後縁30b、35bと第1段ノズル213aの前縁230の形状、具体的には、対向する補強リブ30、35の後縁30b、35bの面の形状と第1段ノズル213aの前縁230の面の形状を同じにし、補強リブ30、35から第1段ノズル213aへ向かって蒸気が段差なく流れることができる流路を構成してもよい。
このように補強リブ30、35および第1段ノズル213aを構成することで、補強リブ30、35の後縁30b、35bから流出する蒸気が円滑に第1段ノズル213aへと流入する。そのため、補強リブ30、35の後縁30b、35bの直下流に生じる乱れが抑制されるとともに、蒸気が補強リブ30、35から第1段ノズル213aへと流入する際の乱れなどの発生が抑制され、圧力損失を低減することができる。また、乱れが抑制された状態で蒸気を第1段ノズル213aに導くことができるため、第1段ノズル213aにおいても圧力損失を低減することができる。
また、図6に示すように、図4で示した補強リブ30、35の構成において、第1段ノズル213aと同数の補強リブ30、35を設けずに、例えば、補強リブ30、35を1つ置きに間引いて構成してもよい。なお、この場合においても、図4で示した補強リブ30、35の構成と同様に、補強リブ30、35の後縁30b、35bが、第1段ノズル213aの前縁230に対向する位置となるように設置される。
このように補強リブ30、35を設置することで、補強リブ30、35の後縁30b、35bと、第1段ノズル213aの前縁230とが対向するため、補強リブ30、35の後縁30b、35bの直下流に生じる乱れが抑制され、圧力損失を低減することができる。また、乱れが抑制された状態で蒸気を第1段ノズル213aに導くことができるため、第1段ノズル213aにおいても圧力損失を低減することができる。さらに、補強リブ30、35の数を減少させることで、補強リブ間の流路断面積が増加し、補強リブ間を蒸気が流れる際の圧力損失を低減することができる。
(第2の実施の形態のノズルボックス)
図7は、本発明に係る第2の実施の形態のノズルボックス10内における補強リブ30、35および第1段ノズル213aの設置構成を模式的に示した図である。なお、図7も図2と同様、ノズルボックス10内における補強リブ30、35および第1段ノズル213aの周方向断面を平面上に展開した周方向断面展開模式図を示している。また、第1の実施の形態のノズルボックス10の構成と同一の構成部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する。
ここでは、前縁35aの周方向断面における中心線36の延長方向が、蒸気の流れ方向に平行となるように前縁35a側を傾けた構成の補強リブ35の形状のみが、前述した第1の実施の形態における構成(図2参照)と異なるので、主にこの補強リブ35構成について説明する。
ノズルボックス10の蒸気流路20に広がった蒸気は、補強リブの周方向角度に対して流入角分布を有する以外にも、補強リブの高さ方向、すなわち補強リブの半径方向(すなわち、図7における紙面の表裏方向)に対しても流入角分布を有することがある。第2の実施の形態の補強リブ35は、このような補強リブの高さ方向に蒸気の流入角分布を有する場合においても適用可能な構成を備えるものである。
図7に示された、補強リブ35では、補強リブ35の内径側である根元部35cにおける蒸気の流れがタービンロータ軸に平行に流入し、補強リブ35の外径側である先端部35dにおける蒸気の流れがタービンロータ軸方向に対して所定の角度ずれた方向に流入する場合を想定した形状となっている。
具体的に、補強リブ35の根元部35cの形状は、補強リブ30と同様の形状を有し、根元部35cの周方向断面における中心線36aは直線となり、またこの中心線36aとタービンロータ軸とが平行になる。一方、根元部35cから高さ方向、すなわち半径方向(外側方向)に徐々に前縁35a側を蒸気の流れ方向に平行となるように傾け、補強リブ35は、先端部35dの周方向断面において、補強リブ35の前縁35aにおける中心線36bの延長方向が、蒸気Sbの流れ方向に平行となるように構成されている。先端部35dにおける周方向断面における補強リブ35の中心線36bは曲線となる。
このような構成を有する補強リブ間を流れる蒸気は、補強リブ35の根元部35c付近では、タービンロータ軸に平行に流入するため、補強リブ間を中心線36aに平行に流れ、第1段ノズル213aへ流入する。一方、補強リブ35の先端部35d付近では、タービンロータ軸方向に対して所定の角度ずれた方向に流れる蒸気Sbは、その流れる方向に対応して前縁35a側を傾け構成された補強リブに沿って流れ、第1段ノズル213aへ流入する。
このように補強リブ30、35を設置することで、ノズルボックス10の蒸気流路20に広がった蒸気が補強リブの高さ方向、すなわち半径方向に対しても流入角分布を有する場合でも、補強リブ間に流入する蒸気の流れ方向に対応させて、補強リブ35の前縁35a側を傾かせて構成することで、前縁35aにおける流れの剥離や渦の発生を抑制することができる。これによって、蒸気を第1段ノズル213aへ円滑に導くことができ、補強リブ間における圧力損失が抑制され、蒸気タービンの効率の向上を図ることができる。
なお、ここでは、補強リブ35において、先端部側を傾かせる構成の一例を示したが、補強リブ35に流入する蒸気の流入角分布によっては、根元部側を傾かせる構成とすることもあり、すなわち、蒸気の流入角分布に基づいて、補強リブ35の前縁35aの形状は適宜設定される。また、ここでは、補強リブ30、35の後縁30b、35bが、第1段ノズル213a間の上流側に所定の間隔をおいて位置するように設置された一例(図2参照)を説明したが、第2の実施の形態に係る構成は、例えば、図4〜図6に示された補強リブ30、35の構成にも適用することができる。
以上、本発明を一実施の形態により具体的に説明したが、本発明はこれらの実施の形態にのみ限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
本発明に係るノズルボックスを備えた蒸気タービンの上半ケーシング部における断面を示した図。 本発明に係る第1の実施の形態のノズルボックス内における補強リブおよび第1段ノズルの設置構成を模式的に示した図。 補強リブの周方向の位置を示す周方向角度における流入角αを示した図。 本発明に係る第1の実施の形態のノズルボックス内における補強リブの他の設置構成を模式的に示した図。 本発明に係る第1の実施の形態のノズルボックス内における補強リブおよび第1段ノズルの他の構成を模式的に示した図。 本発明に係る第1の実施の形態のノズルボックス内における補強リブのさらに他の設置構成を模式的に示した図。 本発明に係る第2の実施の形態のノズルボックス内における補強リブおよび第1段ノズルの設置構成を模式的に示した図。 従来のノズルボックスのタービンロータに垂直な断面を第1段ノズル側から見たときの図。 図8のA−A断面を示す図。 蒸気入口管からノズルボックスの空間に導入された蒸気が補強リブ間に流入する際の蒸気の流れを模式的に示した図。 補強リブの周方向の位置を示す周方向角度における流入角αを示した図。 2つの蒸気入口管によってノズルボックスに蒸気を導入する構成を備える従来のノズルボックスのタービンロータに垂直な断面を第1段ノズル側から見たときの図。 図12に示されたノズルボックスの形状における、補強リブの周方向の位置を示す周方向角度における流入角αを示した図。
符号の説明
10…ノズルボックス、20…蒸気流路、30,35…補強リブ、30a,35a,230…前縁、30b,35b…後縁、31,36,231…中心線、200…蒸気タービン、210…内部ケーシング、211…外部ケーシング、212…タービンロータ、213…ノズル、213a…第1段ノズル、214…動翼、214a…第1段動翼、220…蒸気入口管、Sa,Sb…蒸気。

Claims (6)

  1. 蒸気入口管から導入され、周方向に広がる蒸気流路に流入した蒸気を補強リブ間を通して第1段ノズルへ導くように構成された蒸気タービン用ノズルボックスであって、
    前記第1段ノズルの上流側に設置された補強リブのうち、少なくとも1つの補強リブが、前縁側を蒸気の流れ方向に傾けて構成されていることを特徴とする蒸気タービン用ノズルボックス。
  2. 前記少なくとも1つの補強リブにおいて、蒸気が流入する前縁部の円周方向断面の中心線の延長方向の、タービンロータ軸方向に対する角度が半径方向に異なることを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン用ノズルボックス。
  3. 前記補強リブの設置角度は、各補強リブ間に流入する蒸気の流れる方向に基づいて設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の蒸気タービン用ノズルボックス。
  4. 設置される前記補強リブの数が、前記第1段ノズルの数と同じであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の蒸気タービン用ノズルボックス。
  5. 少なくとも1つの前記補強リブにおける蒸気が流出する後縁部が、前記第1段ノズルの前縁に対向する位置となるように前記補強リブが設置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の蒸気タービン用ノズルボックス。
  6. 蒸気入口管から導入され、周方向に広がる蒸気流路に流入した蒸気を補強リブ間を通して第1段ノズルへ導くように構成されたノズルボックスを備えた蒸気タービンであって、
    前記ノズルボックスが、請求項1乃至5のいずれか1項記載の蒸気タービン用ノズルボックスであることを特徴とする蒸気タービン。
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