JP4945290B2 - 液体吸引管、液体分注装置および検体測定装置 - Google Patents

液体吸引管、液体分注装置および検体測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、ピペットチップを装着して検体や試薬等の液体を吸引するための液体吸引管およびそれを備えた液体分注装置、ならびに当該液体分注装置を備えた検体測定装置に関する。
血液などの検体や試薬等の液体の吸引・吐出を行うための分注ノズルを有する分析装置においては、吸引した液体を吐出した後、新たに他の液体を吸引する際に、前回吸引した液体が混入することを防止することが分析の精度を保証するために重要である。そのため、分注ノズルの先端に使い捨て式のピペットチップ(以下、チップと略す)を装着し、使用済みのチップを脱離して新しいチップに交換する分注装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1記載の分注装置においては、通常、脱着板の切り欠き凹部にチップを装着した分注ノズルを挿入し、分注ノズルを上昇させることにより、脱着板にチップ上面を衝突させて、チップを分注ノズルから脱離させるようにしている。
特開平6−3364号公報
しかしながら、特許文献1記載の技術においては、脱着板にチップ上面が衝突してチップが脱離した際に、チップに残留する液体が飛散して分注ノズルの吸引孔に付着してしまうことがある。このように分注ノズルの吸引孔にチップに残留した液体が付着すると、チップを交換しても前回の分析で用いた液体が混入してしまい、分析の精度が損なわれる恐れがある。
また、液体の吸引または吐出を確認するために分注ノズル内の圧力を検知する圧力検知センサを備えた分注装置の場合には、分注ノズルの吸引孔にチップに残留した液体が付着してしまうと圧力検知センサが誤作動するおそれがある。
本発明の第1の局面による液体吸引管は、ピペットチップを先端に装着して液体を吸引するための液体吸引管であって、ピペットチップ内に液体を吸引するための吸引孔が、その先端近傍に側方を向いて開口するように設けられており、先端に下方を向いて開口するように設けられていない


本発明の第2の局面による液体分注装置は、ピペットチップを先端に装着して液体を吸引するための液体吸引管であって、ピペットチップ内に液体を吸引するための吸引孔が、その先端近傍に側方を向いて開口するように設けられている液体吸引管を備える。
本発明の第3の局面による検体測定装置は、ピペットチップを先端に装着して液体を吸引するための液体吸引管であって、ピペットチップ内に液体を吸引するための吸引孔が、その先端近傍に側方を向いて開口するように設けられている液体吸引管を備える液体分注装置と、検体を収容した検体容器を吸引位置に供給する検体供給手段と、反応容器に収容された検体を測定する測定手段とを備え、液体分注装置は、吸引位置において、液体吸引管に装着されたピペットチップに検体容器から検体を吸引し、吐出位置において反応容器に検体を吐出する。
本発明によれば、ピペットチップ脱離時にピペットチップに残留する液体が飛散した場合にも、吸引孔に液体が付着することを防止できる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面に基づき説明する。
まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態による免疫分析装置1の全体構成について説明する。
本発明の一実施形態による免疫分析装置1は、血液などの検体を用いてB型肝炎、C型肝炎、腫瘍マーカおよび甲状腺ホルモンなど種々の項目の検査を行うための装置である。この免疫分析装置1では、測定対象である血液などの検体に含まれる抗原に結合した捕捉抗体(R1試薬)に磁性粒子(R2試薬)を結合させた後に、結合(Bound)した抗原、捕捉抗体および磁性粒子をBF(Bound Free)分離部14(図1および図2参照)の磁石(図示せず)に引き寄せることにより、未反応(Free)の捕捉抗体を含むR1試薬を除去する。そして、磁性粒子が結合した抗原と標識抗体(R3試薬)とを結合させた後に、結合(Bound)した磁性粒子、抗原および標識抗体をBF分離部14の磁石に引き寄せることにより、未反応(Free)の標識抗体を含むR3試薬を除去する。さらに、標識抗体との反応過程で発光する発光基質(R5試薬)を添加した後、標識抗体と発光基質との反応によって生じる発光量を測定する。このような過程を経て、標識抗体に結合する検体に含まれる抗原または抗体を定量的に測定している。
この免疫分析装置1は、図1および図2に示すように、測定機構部2と、測定機構部2の前面側に配置された検体搬送部(サンプラ)3と、測定機構部2に電気的に接続されたPC(パーソナルコンピュータ)からなる制御装置4とを備えている。また、測定機構部2は、ピペットチップ供給装置30と、緊急検体・チップ搬送部20と、検体分注アーム5と、ノズル拭き取り部16と、試薬設置部6および7と、試薬分注アーム8、9および10と、1次反応部11および2次反応部12と、キュベット供給部13と、BF分離部14と、検出部15とから構成されている。また、図2に示すように、測定機構部2における各機構(各種分注アームおよび試薬設置部7など)は、測定機構部2に設けられた制御部2aにより制御されている。また、検体搬送部3も制御部2aによって制御される。なお、本実施形態による免疫分析装置1では、検体分注アーム5により吸引および吐出された血液などの検体が他の検体と混ざり合うのを抑制するために、検体の吸引および吐出を行う度に、使い捨てのピペットチップ200(図5参照)の交換を行なっている。なお、測定機構部2の各構成については後に説明する。
制御部2aは、図3に示すように、CPU2bと、ROM2cと、RAM2dと、通信インタフェース2eとから主として構成されている。
CPU2bは、ROM2cに記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM2dに読み出されたコンピュータプログラムを実行することが可能である。ROM2cは、CPU2bに実行させるためのコンピュータプログラムおよびそのコンピュータプログラムの実行に用いるデータなどを記憶している。RAM2dは、ROM2cに記憶しているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU2bの作業領域として利用される。
通信インタフェース2eは、制御装置4に接続されており、検体の光学的な情報(標識抗体と発光基質との反応によって生じる発光量のデータ)を制御装置4に送信するとともに、制御装置4の制御部4aからの信号を受信するための機能を果たす。また、通信インタフェース2eは、検体搬送部3および測定機構部2の各部を駆動するためのCPU2bからの指令を送信するための機能を有する。
検体搬送部3は、図1に示すように、検体を収容した複数の試験管100が載置されたラック101を、検体分注アーム5が検体を吸引する吸引位置1aに対応する位置まで搬送するように構成されている。この検体搬送部3は、未処理の検体を収容した試験管100が載置されたラック101をセットするためのラックセット部3aと、分注処理済みの検体を収容した試験管100が載置されたラック101を貯留するためのラック貯留部3bとを有している。そして、未処理の検体を収容した試験管100を検体分注アーム5の吸引位置1aに対応する位置まで搬送することにより、検体分注アーム5により試験管100内の血液などの検体の吸引が行われ、その後、その試験管100を載置したラック101がラック貯留部3bに貯留されるように構成されている。また、各試験管100には、収容された検体を識別する識別情報が記録されたバーコードが貼付されている。ラックセット部3aにセットされたラック101に載置された試験管100は、図示しないバーコードリーダーにより各々の識別情報が読み取られた後、吸引位置1aに搬送される。
制御装置4(図1参照)は、パーソナルコンピュータ(PC)などからなり、CPU、ROM、RAMなどからなる制御部4aと、表示部4bと、キーボード4cとを含んでいる。また、表示部4bは、検出部15から送信されたデジタル信号のデータを分析して得られた分析結果などを表示するために設けられている。
次に、制御装置4の構成について説明する。制御装置4は、図4に示すように、制御部4aと、表示部4bと、キーボード4cとから主として構成されたコンピュータ401によって構成されている。制御部4aは、CPU401aと、ROM401bと、RAM401cと、ハードディスク401dと、読出装置401eと、入出力インタフェース401fと、通信インタフェース401gと、画像出力インタフェース401hとから主として構成されている。CPU401a、ROM401b、RAM401c、ハードディスク401d、読出装置401e、入出力インタフェース401f、通信インタフェース401g、および画像出力インタフェース401hは、バス401iによって接続されている。
CPU401aは、ROM401bに記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM401cにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、後述するようなアプリケーションプログラム404aをCPU401aが実行することにより、コンピュータ401が制御装置4として機能する。
ROM401bは、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROMなどによって構成されており、CPU401aに実行されるコンピュータプログラムおよびこれに用いるデータなどが記録されている。
RAM401cは、SRAMまたはDRAMなどによって構成されている。RAM401cは、ROM401bおよびハードディスク401dに記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU401aの作業領域として利用される。
ハードディスク401dは、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU401aに実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびそのコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。本実施形態に係る免疫分析用のアプリケーションプログラム404aも、このハードディスク401dにインストールされている。
読出装置401eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブなどによって構成されており、可搬型記録媒体404に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体404には、免疫分析用のアプリケーションプログラム404aが格納されており、コンピュータ401がその可搬型記録媒体404からアプリケーションプログラム404aを読み出し、そのアプリケーションプログラム404aをハードディスク401dにインストールすることが可能である。
なお、上記アプリケーションプログラム404aは、可搬型記録媒体404によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ401と通信可能に接続された外部の機器から上記電気通信回線を通じて提供することも可能である。たとえば、上記アプリケーションプログラム404aがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ401がアクセスして、そのアプリケーションプログラム404aをダウンロードし、これをハードディスク401dにインストールすることも可能である。
また、ハードディスク401dには、たとえば、米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのグラフィカルユーザインタフェース環境を提供するオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、本実施形態に係るアプリケーションプログラム404aは上記オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
入出力インタフェース401fは、たとえば、USB、IEEE1394、RS−232Cなどのシリアルインタフェース、SCSI、IDE、IEEE1284などのパラレルインタフェース、およびD/A変換器、A/D変換器などからなるアナログインタフェースなどから構成されている。入出力インタフェース401fには、キーボード4cが接続されており、ユーザがそのキーボード4cを使用することにより、コンピュータ401にデータを入力することが可能である。
通信インタフェース401gは、たとえば、Ethernet(登録商標)インタフェースである。コンピュータ401は、その通信インタフェース401gにより、所定の通信プロトコルを使用して測定機構部2との間でデータの送受信が可能である。
画像出力インタフェース401hは、LCDまたはCRTなどで構成された表示部4bに接続されており、CPU401aから与えられた画像データに応じた映像信号を表示部4bに出力するようになっている。表示部4bは、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示する。
また、制御部4aのハードディスク401dにインストールされた免疫分析用のアプリケーションプログラム404aは、測定機構部2の検出部15から送信された測定用試料の発光量(デジタル信号のデータ)を用いて、測定用試料の抗原の量を測定している。
次に、測定機構部2の各構成について説明する。
ピペットチップ供給装置30は、チップ収容部(図示せず)に収容された大量のピペットチップ200を一つずつ緊急検体・チップ搬送部20に供給する機能を有している。
緊急検体・チップ搬送部20は、検体搬送部3により搬送される検体に割り込んで検査する必要がある緊急検体を収容した試験管102を、検体分注アーム5のピペットチップ200の装着位置1b(図1参照)まで搬送するように構成されている。また、緊急検体・チップ搬送部20は、ピペットチップ供給装置30から受け取ったピペットチップ200を検体分注アーム5の装着位置1bまで搬送するように構成されている。
検体分注アーム5は、検体搬送部3により吸引位置1a(図1参照)に搬送された試験管100内の検体、または、緊急検体・チップ搬送部20により装着位置1b(図1参照)に搬送された試験管102内の検体を、後述する1次反応部11の回転テーブル部11aの保持部11bに保持されるキュベット150内に分注する機能を有している。この検体分注アーム5は、図1に示すように、モータ51と、モータ51に接続される駆動伝達部52と、駆動伝達部52に軸53を介して取り付けられるアーム部54と、アーム部54を支持するアーム支持部55と、アーム支持部55を水平方向に移動可能な水平駆動機構部56とを備えている。駆動伝達部52は、モータ51からの駆動力によりアーム部54を、軸53を中心に回動させるとともに、上下方向(Z方向)に移動させることが可能なように構成されている。また、図6、図12等に示すように、アーム部54は、シリンジ部54aと、ノズル部54bとを備えている。シリンジ部54aは、検体の吸引および吐出を行うためのポンプ部54cと、ポンプ部54cの駆動源となるモータ54dと、圧力検知センサ54eとを備えている。ポンプ部54cでは、モータ54dの回転をピストン運動に変換することにより、吸引および吐出機能が得られる。また、圧力検知センサ54eは、ポンプ部54cによる吸引および吐出時の圧力を検知する。ノズル部54bは、ノズル部本体54kと、先端部54fとを備えており、ノズル部54bの内部には、ノズル部54bの中心軸上に吸引流路54iが形成されている。ノズル部本体57kおよび先端部54fは、水平方向の断面形状が円形状に形成されている。なお、先端部54fには、緊急検体・チップ搬送部20の搬送ラック23(図1参照)により搬送されたピペットチップ200が装着される。図8および図9に示すように、ノズル部54bの先端部54fは、その上方および下方より外径が小さく形成された略円筒状の括れ部54gと、括れ部54gに下方から接続され、括れ部54gの外径よりも大きい外径を有する略円筒状の末端部54jとを有している。括れ部54gの側面には、ノズル部54bの先端部54fに装着されたピペットチップ200内に検体を吸引するための2つの吸引孔54hが、側方を向いて開口するように設けられている。なお、吸引孔54hは、ノズル部54bの内部の吸引流路54iを介してポンプ部54cに連通している。また、2つの吸引孔54hは、括れ部54gにおいて、吸引流路54iを介して略直線状に設けられている。すなわち、図9に示すように、吸引孔54hは、先端部54fの垂直断面において、吸引流路54iと2つの吸引孔54hとが略逆T字形状となるように設けられている。なお、末端部54jの下面は平面状に形成されている。
ノズル拭き取り部16は、検体の分注作業により検体分注アーム5のノズル部54bの先端部54fの末端部54jの下面に付着した検体を拭き取る機能を有している。このノズル拭き取り部16は、図10および図11に示すように、濾紙16aと、濾紙16aを載置するための載置部材16bと、開口16iを有し、濾紙16aを載置部材16bに固定するための固定部材16cと、載置部材16を支持するための支持部材16dと、バネ16eと、外壁部材16fと、底部材16jとを備えている。載置部材16b、支持部材16d及びバネ16eは、外壁部材16fと底部材16jとにより形成された空間に収容されている。なお、底部材16jは螺子(図示せず)により外壁部材16fに取り付けられている。また、固定部材16cの内側面および載置部材16bの外側面にはそれぞれ螺子部(図示せず)が形成されており、固定部材16cは回動螺入されることにより載置部材16bに取り付けられるよう構成されている。そして、固定部材16cが載置部材16bに取り付けられることにより、載置部材16bに載置された濾紙16aは固定部材16cにより固定される。また、支持部材16dには凹部16gが形成され、底部材16jの上面には凹部16hが形成されている。バネ16eは、その一端が支持部材16dの凹部16gに嵌まり、他端が底部材16jの凹部16hに嵌まるよう、外壁部材16fと底部材16jにより形成された空間に収容され、載置部材16b及び支持部材16dは、バネ16eにより、底部材16jと反対方向の付勢力を受けている。なお、バネ16eの付勢力による載置部材16b及び支持部材16dの移動は、外壁部材16fが有する凸部16kに載置部材16bが有する凸部(図示せず)が当接することにより規制されている。
チップ脱離部140(図1、図12参照)は、検体分注アーム5に装着されたピペットチップ200を脱離するために設けられている。このチップ脱離部140は、図12に示すように、垂直方向(Z方向)に延びるように設けられる板金141と、板金141に取り付けられる樹脂製の解除片142と、脱離されたピペットチップ200を収容するためのチップ収容部(図示せず)とを備えている。そして、解除片142には、図17に示すように、ピペットチップ200の装着部200c(図5参照)の直径よりも小さく、かつ、検体分注アーム5のアーム部54の先端部54f(図14参照)の直径よりも大きい直径を有する穴部142aと、穴部142aに連続し、ピペットチップ200が装着されたノズル部54bが上方から挿入される穴部142bとが形成されている。
試薬設置部6(図1参照)は、捕捉抗体を含むR1試薬が収容される試薬ビンおよび標識抗体を含むR3試薬が収容される試薬ビンを設置するために設けられている。
試薬設置部7(図1参照)は、磁性粒子を含むR2試薬が収容される試薬ビンを設置するために設けられている。
キュベット供給部13(図1参照)は、複数のキュベット150を1次反応部11の回転テーブル部11aの保持部11bに順次供給することが可能なように構成されている。
1次反応部11(図1参照)は、回転テーブル部11aの保持部11bに保持されるキュベット150を所定の期間毎に所定の角度だけ回転移送するとともに、キュベット150内の検体、R1試薬およびR2試薬を攪拌するために設けられている。この1次反応部11は、R1試薬およびR2試薬が収容されたキュベット150を後述するBF分離部14に搬送する検体搬送部11cを備える。
試薬分注アーム8(図1参照)は、試薬設置部6に設置される試薬ビン内のR1試薬を吸引するとともに、その吸引したR1試薬を1次反応部11の回転テーブル部11aの保持部11bの検体が分注されたキュベット150内に分注するための機能を有している。
試薬分注アーム9(図1参照)は、試薬設置部7に設置される試薬ビン内のR2試薬を1次反応部11の検体およびR1試薬が分注されたキュベット150内に分注するための機能を有している。
BF分離部14は、1次反応部11の容器搬送部11cによって搬送されたキュベット150内の試料から未反応のR1試薬(不要成分)と磁性粒子とを分離する機能と、2次反応部12の容器搬送部12cによって搬送されたキュベット150(図1参照)内の試料から未反応のR3試薬(不要成分)と磁性粒子とを分離する機能とを有する。未反応のR1試薬などが分離されたBF分離部14のキュベット150は、搬送キャッチャ部(図示せず)によって2次反応部12の回転テーブル部12aの保持部12bに搬送される。
2次反応部12(図1参照)は、1次反応部11と同様の構成を有しており、回転テーブル部12aの保持部12bに保持されるキュベット150を所定の期間毎に所定の角度だけ回転移送するとともに、キュベット150内の検体、R1試薬、R2試薬、R3試薬およびR5試薬を攪拌するために設けられている。この2次反応部12は、攪拌された検体などが収容されたキュベット150をBF分離部14に搬送する検体搬送部12cを有する。検体搬送部12cは、BF分離部14により処理されたキュベット150を再び回転テーブル部12aの保持部12bに搬送する機能を有している。
試薬分注アーム10(図1参照)は、試薬設置部6に設置される試薬ビン内のR3試薬を吸引するとともに、その吸引されたR3試薬を1次反応部11の検体、R1試薬およびR2試薬が分注されたキュベット150内に分注するための機能を有している。また、試薬分注アーム10は、免疫分析装置1の下部に設置される図示しない試薬ビン内の発光基質を含むR5試薬を2次反応部12の検体、R1試薬、R2試薬およびR3試薬が収容されたキュベット150内に分注するための機能を有している。
検出部15(図1参照)は、所定の処理が行なわれた検体の抗原に結合する標識抗体と発光基質との反応過程で生じる光を光電子増倍管(Photo Multiplier Tube)で検出することにより、その検体に含まれる抗原の量を測定するために設けられている。
次に、図7に示すフローチャートを参照して、検体分注アーム5を用いた測定機構部2の制御部2aによる検体分注処理について、以下に説明する。
検体分注処理を実行するにあたって、制御部2aは、バーコードリーダーによって読み取られた試験管100の識別情報に基づいて、制御装置4の制御部4aに対してオーダ情報の要求を行い、制御部4aからオーダ情報を受信する。なお、オーダ情報は、制御装置4に接続されたホストコンピュータ(図示せず)に登録されたり、制御装置4にユーザがマニュアル入力することで記憶されるようになっている。そして、制御部2aは、制御部4aから受信したオーダ情報に基づいて、分注対象となる検体があるか否かを判断する(ステップS1)。分注対象となる検体がないと判断すると、制御部2aは、検体分注処理を実行しない。
なお、ユーザの操作により測定機構部2の電源(図示せず)が入れられ、測定開始の指示が行われると、制御部2aによる検体分注アーム5の初期化によって、検体分注アーム5のアーム部54のノズル部54bは、初期位置であるチップ脱離部140の上方位置に移動されている。そして、制御部2aは、ステップS1の処理において分注対象となる検体があると判断すると、ピペットチップ200が装着位置1bに搬送されるように、緊急検体・チップ搬送部20を制御し、アーム部5dのノズル部54bを、初期位置であるチップ脱離部140の上方位置から装着位置1bまで移動させる(ステップS2)。そして、制御部2aは、アーム部5dを下降させて、ノズル部54bの先端部54fをピペットチップ200の装着部200cに圧入し、アーム部54のノズル部54bにピペットチップ200を装着する。(ステップS3)。
次に、制御部2aは、検体分注アーム5のアーム部54のノズル部54bを上昇させた後、アーム部54のノズル部54bを検体吸引位置である吸引位置1a(図1参照)まで移動させる(ステップS4)。そして、制御部2aは、アーム部54を下降させ、検体搬送部3により吸引位置1aに搬送された試験管100内の検体をノズル部54bの先端部54fに装着されたピペットチップ200内に吸引する(ステップS5)。
その後、制御部2aは、アーム部54を上昇させた後、アーム部54のノズル部54bを、1次反応部11の回転テーブル部11aの保持部11bの上方位置まで移動させる(ステップS6)。そして、制御部2aは、アーム部54を下降させ、1次反応部11の回転テーブル部11aの保持部11bに保持されているキュベット150内に検体を吐出させる(ステップS7)。
次に、制御部2aは、アーム部54を上昇させた後、チップ脱離部140の解除片142の穴部142bの上方位置にノズル部54bを移動させる。その後、制御部2aは、アーム部54を下降させて、使用済みのピペットチップ200が装着されたノズル部54bをチップ脱離部140の穴部142b内に挿入する(ステップS8)。穴部142b内に挿入されたノズル部54bは水平に移動して、図12に示すように、脱離位置である穴部142aの下方に移動した後、上昇するように制御部2aによって制御され、その上昇動作に伴って、図13に示されるようにピペットチップ200の装着部200cの上面が、解除片142の下面と接触し、図14に示されるようにノズル部54bの先端部54fからピペットチップ200が脱離される(ステップS9)。
次に、制御部2aは、アーム部54のノズル部54bを、ノズル拭き取り部16(図1参照)の上方まで移動させる(ステップS10)。そして、制御部2aは、アーム部54を下降させて、ノズル部54bの先端部54fの末端部54iを、ノズル拭き取り部16の濾紙16aに押圧する(ステップS11)。
そして、制御部2aは、アーム部54を上昇させた後、初期位置であるチップ脱離部140の上方位置まで検体分注アーム5のノズル部54bを移動させる(ステップS12)。ステップS12の処理の後は、制御部2aは、再びステップS1の処理を実行する。
なお、上記の説明では、検体搬送部3により搬送された試験管100内の検体が吸引される例を示しているが、緊急検体を検査する場合には、制御部2aは、ステップS4の処理において、検体分注アーム5のアーム部54のノズル部54bを装着位置1b(図1参照)まで回転させる。そして、制御部2aは、ステップS5の処理において、緊急検体・チップ搬送部20により装着位置1bに搬送された試験管102内の検体を、ノズル部54bの先端部54fに装着されたピペットチップ200内に吸引する。
なお、ステップS9の処理において、使用済みのピペットチップ200をノズル部54の先端部54fから脱離する時の衝撃で、ピペットチップ200に残留している検体が飛散してノズル部54bの先端部54fの末端部54jの下面に検体が付着する恐れがある。本実施形態では、ステップS11の処理において、濾紙16aにノズル部54bの先端部54fの末端部54iを押圧するため、末端部54jの下面に検体が付着したとしても、それを払拭することができる。そのため、前回使用された検体が、次の検体に混入することを確実に防ぐことができ、測定精度に対する信頼性を向上させることができる。
また、本実施形態では、検体を吸引するための吸引孔54hが、ノズル部54bの先端部54fに側方を向いて開口するように設けられている。そのため、ピペットチップ脱離時にピペットチップ200に残留する検体が飛散したとしても、検体はノズル部54bの下方から飛散してくるため、吸引孔54hの内部に検体が付着することを防止できる。したがって、吸引孔54hの内部に付着している検体が次の分析に用いられる他の検体に混入したり、ノズル部54b内の圧力を検知するための圧力検知センサ54eが誤作動することを防止できる。
また、本実施形態では、その上方および下方より外径が小さく形成された括れ部54gに吸引孔54hが設けられているので、吸引孔54hの内部に検体が付着することをより確実に防止することができる。
また、本実施形態では、吸引孔54hが設けられた括れ部54gの下方に、括れ部54gの外径よりも大きい外径を有する略円筒状の末端部54iが設けられているので、吸引孔54hへの検体の付着をより確実に防止することができる。
また、本実施形態では、ノズル部54bの先端部54fの末端部54iの下面は平面状に形成されている。そのため、ステップS11における処理において、ノズル部54bの先端部54fの末端部54iがノズル拭き取り部16の濾紙16aに押圧される際、末端部54iの下面全体が均一な力で濾紙16aに押圧されるため、末端部54iの下面に付着した検体を容易に拭き取ることができる。また、末端部54iの下面が平面状に形成されていることにより、ノズル拭き取り部16以外の清掃手段を用いた場合であっても、末端部54iの下面を容易に清掃することができる。
また、本実施形態では、ステップS10およびステップS11における処理において、制御部2aは、ノズル拭き取り部16の濾紙16aへのノズル部54の先端部54fの押圧位置が前回の押圧位置と異なるように、検体分注アーム5の移動を制御する。具体的には、図15に示すように、制御部2aは、濾紙16aへのノズル部54の先端部54fのそれぞれの押圧位置(P)が円を描くように検体分注アーム5の移動を制御する。これにより、濾紙16aに付着した検体によってノズル部54が再汚染されることを防ぐことができるとともに、濾紙16aの使用期間を長くすることができ、交換の頻度を少なくすることができる。
また、本実施形態では、ノズル拭き取り部16はバネ16eを備え、バネ16eが支持部材16dおよび載置部材16bを下方から支えるよう構成されている。そのため、ステップS11における処理において、濾紙16aがノズル部54bの先端部54fによって押圧された際、ノズル拭き取り部16の載置部材16bおよび支持部材16dも下方に移動する。したがって、ノズル部54bの先端部54fが濾紙16aに押圧された際に、ノズル部54bの先端部54fが載置部材16bおよび支持部材16dから受ける反発力を減少させることができ、ノズル部54bの先端部54fがノズル拭き取り部16によって損傷することを防ぐことができる。
なお、本実施形態では、ノズル部54bの括れ部54gに吸引孔54hが設けられているが、括れ部でなくとも、ノズル部の先端近傍に側方を向いて開口するように吸引孔が設けられておればよく、例えば図16に示すノズル部55bのように、全体的に外径が等しく形成された先端部55fに側方を向いて開口する吸引孔55gが設けられていてもよい。
また、本実施形態では、ノズル部54bの括れ部54gに2つの吸引孔54hが設けられているが、吸引孔は1つであってもよい。また、吸引孔は3つ以上設けられてもよい。
また、本実施形態では、ステップS11における処理において、ノズル部54bを下方に移動させてノズル部54bの先端部54fを濾紙16aに押圧することにより、ノズル部54bの先端部54fに付着した検体の拭き取り動作を行っているが、本発明はこれに限られない。例えば、吸湿性を有するテープ状の部材をノズル部の先端に面接触させ、そのテープ状の部材を巻き取ることにより、ノズル部の先端に付着した検体を拭き取るよう構成してもよい。また、ノズル部54bの先端部54fを容器に収容された洗浄液で洗浄することにより、ノズル部54bの先端部54fに付着した検体を除去してもよい。
また、本実施形態では、検体分注アーム5のノズル部54bの先端部55fに側方を向いて開口する吸引孔55gが設けられている例を示したが、試薬分注アームのノズル部の先端近傍に側方を向いて開口する吸引孔を設けてもよい。
また、本実施形態では、検体分注アーム5のノズル部54bをノズル拭き取り部16によって清掃しているが、試薬分注アームのノズル部を清掃するための清掃手段を設けてもよい。
また、本実施形態では、ノズル拭き取り部16はバネ16eを備えているが、バネ以外の弾性部材であってもよい。
本発明の一実施形態による免疫分析装置の平面図である。 本発明の一実施形態による免疫分析装置の測定機構部の制御部を含むブロック図である。 図2に示した測定機構部の制御部の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による免疫分析装置の制御装置を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による検体分注アームが装着するピペットチップの正面図である。 本発明の一実施形態による検体分注アームにおけるシリンジ部およびノズル部の構造を示す概略図である。 本発明の一実施形態による検体分注アームを用いた測定機構部の制御部による検体分注処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による検体分注アームが備えるノズル部の正面図である。 図8のノズル部の垂直断面図である。 本発明の一実施形態によるノズル拭き取り部を示す斜視図である。 図10のノズル拭き取り部の垂直断面図である。 図1に示した免疫分析装置の検体分注アームに装着されたピペットチップの脱離動作を説明するための側面図である。 図1に示した免疫分析装置の検体分注アームに装着されたピペットチップの脱離動作を説明するための側面図である。 図1に示した免疫分析装置の検体分注アームに装着されたピペットチップの脱離動作を説明するための側面図である。 図1に示した免疫分析装置の検体分注アームのノズル部が、図10のノズル拭き取り部の濾紙に押圧される位置を示すための説明図である。 本発明の別実施形態によるノズル部の垂直断面図である。 図1に示したチップ脱離部の解除片の平面図である。
符号の説明
1 免疫分析装置
2 測定機構部
2a 制御部
3 検体搬送部
5 検体分注アーム
15 検出部
16 ノズル拭き取り部
16a 濾紙
16e バネ
20 緊急検体・チップ搬送部
40 チップ脱離部
54 アーム部
54a シリンジ部
54b ノズル部
54c ポンプ部
54d モータ
54e 圧力検知センサ
54f 先端部
54g 括れ部
54h 吸引孔
54i 吸引流路
54j 末端部
140 チップ脱離部
200 ピペットチップ

Claims (11)

  1. ピペットチップを先端に装着して液体を吸引するための液体吸引管であって、
    ピペットチップ内に液体を吸引するための吸引孔が、その先端近傍に側方を向いて開口するように設けられており、先端に下方を向いて開口するように設けられていない液体吸引管。
  2. 吸引孔形成部の外径が、先端部の外径より小さく形成されている請求項1記載の液体吸引管。
  3. その上方および下方より外径が小さく形成された括れ部をさらに有し、
    吸引孔は括れ部に設けられている請求項1又は2に記載の液体吸引管。
  4. 液体吸引管の先端の下面は平面状に形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体吸引管。
  5. その先端部に吸引孔を保護する保護部をさらに備える請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体吸引管。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体吸引管を備えた液体分注装置。
  7. 液体吸引管に接続されたシリンジポンプと、
    シリンジポンプを駆動する駆動源と、
    液体吸引管の内部の圧力を検知する圧力検知手段と、を備える請求項6に記載の液体分注装置。
  8. 液体吸引管に装着されたピペットチップを液体吸引管から脱離させるための脱離手段と、
    ピペットチップが脱離された液体吸引管の先端を清掃するための清掃手段と、を備えた請求項6又は7に記載の液体分注装置。
  9. 清掃手段が、液体吸引管の先端を押圧することにより液体吸引管の先端を清掃するための払拭部材を備える請求項8記載の液体分注装置。
  10. 液体吸引管の先端の下面は平面状に形成されている請求項6〜9の何れか1項に記載の液体分注装置。
  11. 請求項6〜11のいずれか1項に記載の液体分注装置と、
    検体を収容した検体容器を吸引位置に供給する検体供給手段と、
    反応容器に収容された検体を測定する測定手段とを備え、
    液体分注装置は、吸引位置において、液体吸引管に装着されたピペットチップに検体容器から検体を吸引し、吐出位置において反応容器に検体を吐出する検体測定装置。
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